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JP2009083851A - 小型デシカント空調装置 - Google Patents

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博之 幡野
Zenzo Suzuki
善三 鈴木
Satoshi Matsuda
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Abstract

【課題】熱供給と除湿需要のアンバランスに容易に対応することができ、除湿による空調用エネルギー消費を減らすことができる自動車等の小型の移動体用空調装置を得る。
【解決手段】吸着剤粒子を収容した第1吸着剤収容塔2及び第2吸着剤収容塔3と、エンジンからの冷却水等の廃熱によって外気を加熱する熱交換器9と、外気を直接導入する外気直接取込口5と前記熱交換器からの外気を取り込む加熱外気取込口7のいずれかの外気を、第1吸着剤収容塔2及び前記第2吸着剤収容塔3のいずれかに選択して供給する入口側切替弁4と、第1吸着剤収容塔2及び前記第2吸着剤収容塔3のいずれかの気体を、室内及び外部のいずれかに選択して供給する出口側切替弁10とを備え、入口側切替弁4と出口側切替弁10を同期して切り替え、外気の水分及び有害物質の吸着剤への吸着、及び吸着した前記水分及び有害物質の吸着剤からの離脱を交互に行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸着剤を利用して除湿等を行うデシカント空調装置に関し、特に小型化し自動車などの移動用にも適用可能にした自己再生機能を備えた小型デシカント空調装置に関する。
化学プロセスにおける排熱や各種機器の廃熱或いは太陽熱で容易に得られる800℃以下の低温度熱エネルギーの有効利用技術開発は、現代社会の大きな問題となっている二酸化炭素排出量低減、ヒートアイランド現象、夏季電力需要変動等の、環境保全問題あるいはエネルギー問題への対応における重要課題のひとつである。これに対して有効と考えられる既存技術のひとつが、高い水の吸脱離性を有する吸着剤を利用したシステムである。
吸着剤を利用したシステムとしては、従来よりデシカント空調システムが広く用いられている。従来より実用化されているデシカント空調システムにおいては、例えば図7に示すように処理行程と再生行程が対面通行の形で行われる。即ちデシカント(乾燥剤)を塗布した除湿ローター101と顕熱交換ローター102が直列に配置されており、処理側に導入した環境空気の除湿と熱交換を逐次的に行う。顕熱交換ローター102の後流に水スプレー103を配置し、中温・低湿の空気に水を噴霧することで水の気化熱が奪われ、空気は低温・高湿となる。
一方、再生行程では、室内の中温・高湿の環境空気を取り込み、蒸発式冷却器104により低温・高湿の空気とし、顕熱交換ローター102に送り込まれる。処理側で高温となった顕熱交換ローター102は、この中温・高湿空気によって冷却される。また、顕熱交換ローター102より熱が与えられ、温度が高くなった空気はさらに加熱ヒータ105により加熱される。なお、この加熱ヒータ105の熱源としては種々のものを用いることができる。この高温空気によって除湿ローター101を加熱し、除湿剤上の水分を蒸発させ、除湿剤を再生する。
上記のようなデシカント空調システムにおいて、二つのローターはハニカム状になっており、空気との接触が良好に行われるようになっている。これらが低速で回転することによって、処理工程と再生行程を同時に行うことができ、パッケージ化に成功し、商業化されている。なお、このようなデシカント空調装置は例えば特開2003−35434号(特許文献1)、或いは化学工学会第3回秋季大会C2A04(非特許文献1)等に記載されている。
特開2003−35434号 化学工学会第3回秋季大会C2A04
このような従来のデシカント空調装置は、デシカント(吸着剤)をハニカム状の担体で形成したローターに保持して一体的に回転させるため、除湿と再生を同時に行わなくてはならなかった。そのため、除湿容量に限界があり、熱供給と除湿需要がマッチしないと小型化できないという問題があった。
したがって本発明は、熱供給と除湿需要のアンバランスに容易に対応することができ、また除湿することによって冷房負荷を減らし、例えば自動車等の小型の移動体における空調に必要なエネルギー消費を減らすことができるようにした小型デシカント空調装置を提供することを主たる目的とする。
本発明による小型デシカント空調装置は上記課題を解決するため、乾燥剤粒子を収容した第1乾燥剤容器、及び第2乾燥剤容器と、前記第1乾燥剤容器と第2乾燥剤容器の片方を収容する吸着熱交換器と、前記第1乾燥剤容器と第2乾燥剤容器の他方を収容する脱着熱交換器と、前記吸着熱交換器と連通する蒸発器と、前記脱着熱交換器と連通する凝縮器とを備え、前記脱着熱交換器内の乾燥剤粒子をエンジン冷却水で加熱して再生し、前記蒸発器で得られた冷水を冷房に使用することを特徴とする。
吸着剤粒子を用いたシステムを採用することで稼働台数の非常に大きな自動車などの移動体にて適用可能な小型デシカント空調装置とすることができ、それにより空調時の潜熱負荷を減らすことができ、60%程度の省エネルギーを達成することができるようになる。また有害物質を吸着し、再生時の高濃度で放出した後にエンジンに導入することで環境浄化も行うことができる。
本発明は、熱供給と除湿需要のアンバランスに容易に対応することができ、また除湿することによって冷房負荷を減らし、例えば自動車等の小型の移動体における空調に必要なエネルギー消費を減らすことができるようにした小型デシカント空調装置とするため、乾燥剤粒子を収容した第1乾燥剤容器、及び第2乾燥剤容器と、前記第1乾燥剤容器と第2乾燥剤容器の片方を収容する吸着熱交換器と、前記第1乾燥剤容器と第2乾燥剤容器の他方を収容する脱着熱交換器と、前記吸着熱交換器と連通する蒸発器と、前記脱着熱交換器と連通する凝縮器とを備え、前記脱着熱交換器内の乾燥剤粒子をエンジン冷却水で加熱して再生し、前記蒸発器で得られた冷水を冷房に使用するようにしたものである。
図1は小型デシカント空調装置のシステム構成を示す図であり、図示の空調システム1においては内部にハニカム状の固定粒子層、或いは粒子層高を許容圧損以下にした流動層等からなる吸着剤を収容した第1吸着剤収容塔2と、同様の第2吸着剤収容塔3とを備え、入口側切替弁4によって有害物を含む外気を直接取り込む外気直接取込口(C)5と、熱交換器6で加熱した外気を取り込む加熱外気取込口(E)7のいずれかの外気を取り込み、それらを第1吸着剤収容塔2に供給する第1供給口(F)8と、第2吸着剤収容塔3に供給する第2供給口(D)9のいずれかに切り替えて供給するようにしている。
また、各吸着剤収容塔の出口側に設けた出口側切替弁10は、第1吸着剤収容塔2からの第1排出口(G)11と第2吸着剤収容塔3からの第2排出口(I)12からの気体のいずれかを、室内に供給する室内排出口(J)13と外部に排出する外部排出口(H)14のいずれかに切り替えて供給するようにしている。なお、吸着剤としては従来より用いられている種々のものを用いることができ、その吸着剤には空気中の水分、CO、HC、NOx等、種々の有害物質を吸着することができる。また、その吸着処理に際しては、従来より用いられているPTSA(Pressure & Temperature Swing Adsorption)法、PSA法、TSA法等の吸着法を用いることができる。
図1に示す空調システム1においては、この空調システムを車両に搭載した例を示しており、前記熱交換器9は車載のエンジン15からラジエータ16に供給されて放熱する冷却水を導入し、エンジン15の排熱を使って前記のように外気を加熱するようにしている。なお、図示のようにエンジン15の排熱として冷却水を用いる以外に、エンジンから排出される排気ガスを熱交換器6に導入し、外気を加熱して吸着剤収容塔に供給するようにしても良い。また、冷却水と排気ガスの両方の廃熱を利用するシステムとすることもできる。
出口側切替弁10の外部排出口12(H)から排出される気体は、この車両外に排出するか、或いはエンジンの吸気系に導入するようにしても良く、その際には図示するような真空ポンプ17によって吸着剤収容塔内の気体を吸引して上記のように排出するようにしても良い。なお、このような真空ポンプ17を用いると、吸着剤収容塔内が減圧され、後述するような加熱による離脱に加えて減圧による離脱を行うこともできる。
上記のようなシステムにおける切替弁の機能は、入口側切替弁4と出口側切替弁10を図1に示すように連動して切り替えて使用する際には、有害物を含む外気を入口側切替弁4の外気直接取込口5(C)、第2供給口6(D)を経て第2吸着剤収容塔3内に導入し、第2吸着剤収容塔3内の吸着剤によって水分及び有害物質を吸着し、除湿され清浄化した外気を出口側切替弁10の第2排出口13(I)、室内排出口14(J)を経て室内に供給するようにしている。この室内への空気は前記のように除湿しているので、乾燥空気の冷却塔により空調負荷を小さくし、熱効率の良い空調システムとすることができる。
一方、図1に示すような各切替弁の切り替え状態においては、第1吸着剤収容塔2に前記第2吸着剤収容塔3における作用によって内部の吸着剤に水分及び有害物質が吸着されているとき、外気を熱交換器6でエンジン排熱を利用して予備的に加熱した後、入口側切替弁4の加熱外気取込口7(E)、第1供給口8(F)を経てその加熱外気を第1吸着剤収容塔2に導入する。その際には必要に応じて真空ポンプ17の作動によりこれらの系統のガスが吸引されて流動する。
このようにして第1吸着剤収容塔2に導入された加熱外気によって、前記のように水分及び有害物質を吸着した吸着剤がこれらの吸着物を離脱し、出口側切替弁10の第1排出口11(G)、外部排出口12(H)を経て外部に、或いはエンジンの吸気系統に排出される。エンジンの吸気系統に排出された場合には、真空ポンプ17を用いること無しに前記の系統をエンジンの吸気負圧によって減圧することができ、また吸気系統に導入された吸着剤からの離脱ガスはエンジン内で燃焼焼却され、またエンジンの排気浄化系統における吸着剤による吸着、或いは触媒反応によって浄化される。
上記のようにして第2吸着剤収容塔3内の吸着剤に吸着された水分や有害物質の濃度が高くなってきたときには、各切替弁を図2のように切り替える。即ち、入口側切替弁4については、外気直接取込口5(C)と第1供給口8(F)とを連通し、加熱外気取込口7(E)と第2供給口6(D)とを連通する。また、出口側切替弁10についてはこれと連動し、第1排出口11(G)と室内排出口14(J)とを連通し、第2排出口13(I)と外部排出口12(H)とを連通する。
このような流路の切り換えにより、前記のように水分及び有害物質を吸着した第2吸着剤収容塔3には、先に第1吸着剤収容塔2に導入されて内部の吸着剤から水分及び有害物質の離脱を行っていた熱交換器6からの加熱外気が導入され、吸着した水分及び有害物質を離脱する。その離脱ガスは出口側切替弁10の図2に示す切り替えにより、車両等の移動体外に、或いはエンジンの吸気系統に排出され、前記と同様の作動を行う。なお、吸着剤収容塔に導入する外気は、室内空気でも良い。
前記のような切替弁は従来より用いられている種々の切替弁を用いて実施することができるが、例えば図3に示すような切替弁体21を用い、図4に示すようなポート部材と組み合わせて切替弁20として用いることにより、上記のような流路の切替作動を行うことができる。
即ち、図3及び図4に示す切替弁20の例においては、切替弁体21(V)を長手方向に第1弁部22と第2弁部23とに領域を分け、第1弁部22が図3(a)に示す切替弁体第1位置状態にすることにより、図4(b)に示すような上下左右に配置されるポート部材(U,K,L,R)の位置に存在するときには、前記図1に示す入口側切替弁4及び出口側切替弁10の切り替え状態となる。
それに対して、切替弁体21を弁体の長手方向に移動して図3(a)の位置から図3(b)の位置に移動すると、ポート部材は固定されているので流路は切り替えられ、図2に示す入口側切替弁4及び出口側切替弁10の切り替え状態となる。
例えば上記のような切替弁を用いることにより容易に図1及び図2に示す状態に切替を行うことができ、第1吸着剤収容塔2及び第2吸着剤収容塔3内の吸着剤を、各塔間で移動することなく、吸着剤による水分や有害物質の吸着と、これらを吸着した吸着剤の再生処理を連続して行うことができる。なお、他の形式の切替弁を用いても上記作動を行うことができる。
同様に、第1吸着剤収容塔2において前記のように吸着剤から水分及び有害物質を離脱した吸着剤に対して、図2に示す入口側切替弁の流路切り替えにより外気が導入されて水分、及び有害物質を吸着し、乾燥し清浄化された外気が室内の空調用に供給される。上記のような作動を繰り返すことにより、室内への空気の水分吸着による空調負荷の減少、清浄化を行い、それと平行して水分や有害物質の濃度が高くなった吸着剤の再生を連続して行うことができる。
上記例においては、吸着剤を収容した同様の構造の第1吸着剤収容塔2と第2吸着剤収容塔を用いて、流路を切り替えることにより吸着と再生を行う例を示したが、それ以外に、例えば図5に示すように吸着剤粒子を循環することにより同様の作動を行うこともできる。即ち図5に示す空調システムにおいては、内部に吸着剤粒子の流動層を形成する除湿塔31に外気を吹き込み、その吸着剤粒子との流動層状態での混合によって導入する外気の水分及び有害物質を吸着する。
なお、除湿塔31内の流動層は流動層の厚さを過剰に厚くすることなく、エアコンの吸気抵抗を大きくしないようにする。その際の粒子層高は送風機に併せて、最低で10〜20mm程度、即ちその際の圧損を10〜20mmHO程度とする。なお、除湿塔31における流動層の形成に際しては図示するように、流動層の分散板を傾斜させて、またその傾斜の程度を調節して粒子の移動を円滑にする構成としても良い。
上記のように除湿塔31を通った外気は除湿及び有害物質の除去が行われ、特に除湿によりエアコン負荷が減少した状態で室内の空調用空気としてエアコン等に導入される。また、除湿塔31で除湿、及び有害物質の吸着等を行った吸着剤粒子は再生塔32に自由落下する。再生塔32に入った吸着剤粒子は、図示実施例ではエンジン33の冷却水がラジエータ34に至る冷却水の熱を利用する熱交換器35によって加熱され、吸着した水分を除去する。なお、エンジンからの排熱を利用する手段としては、冷却水の他、排気ガスの熱を利用することもできる。
再生塔32で水分を放出して再生された吸着剤粒子は、真空ポンプ36によって吸引されて上昇し、フィルターやサイクロンを用いた固気分離器37で吸着剤粒子と気体とを分離し、分離後の粒子を粒子用電磁弁38の解放時に乾燥粒子溜め39に放出し、乾燥粒子溜め39内の再生後の吸着剤粒子は粒子用電磁弁40の解放時に除湿塔31に導出し、上記作動を繰り返す。固気分離器37で分離した気体には水分の他有害物質も含まれており、これらを含んだ気体を移動体の外に排出するか、或いはエンジンの吸気系統へ導入してエンジンの浄化機能を用いてこれらの浄化を行う。
上記のようなシステムにおいては、エンジンの冷却水の排熱を用いて水分を吸着した吸着剤粒子の再生を行ったものであるが、その際にはエンジンを止めてもしばらくの間は冷却水の温度は下がらないので、その熱を用いてエンジンを停止した後も再生塔で吸着剤の再生を行うことができる。特に乾燥粒子溜め39を充分大きくすることにより、エンジンからの廃熱と車内空調の負荷とのアンバランスを、この乾燥粒子溜め39部分の吸着剤粒子によって調節することができる。
上記例においては除湿塔31、再生塔32、固気分離器37等を粒子循環パイプで連結して連続的に処理を行う例を示したが、その他例えば除湿塔31と再生塔32内に多孔壁からなる吸着剤粒子収容容器を着脱自在に設け、例えば再生塔32で再生された吸着剤を容器に入れたまま取り出し可能とし、この再生された吸着剤容器を家に持ち込んで、家庭用エアコンのデシカント空調システムに用いるようにすることもできる。
本発明は、例えば図6に示すような自動車用エンジンの冷却水等の廃熱を利用して吸着式ヒートポンプを作動し、得られた冷水を冷房に使用することができる。即ち図6に平面図として示す例においては、吸着剤粒子を充填した第1吸着剤容器41を吸着側の吸着熱交換器42内に配置し、この第1吸着剤容器41内に、その内部を冷却水が図示するように入口から出口に流れる冷却用配管43を設けている。吸着熱交換器42は蒸発器47と連通しており、蒸発器47内には冷水が図示するように入口から出口に流れる冷水用配管48を設けている。
第1吸着剤容器41と同様に吸着剤粒子を充填した第2吸着剤容器44を脱着側の脱着熱交換器45内に配置し、この第2吸着剤容器44内に、その内部を例えばエンジン冷却水等の温水が図示するように入口から出口に流れる加熱用配管46を設けている。脱着側の脱着熱交換器45は凝縮器50と連通しており、凝縮器50内には冷却水が図示するように入口から出口に流れる冷却水配管51を設けている。
上記のような構成をなす吸着式ヒートポンプの作動に際しては、最初乾燥している第1吸着剤容器41内の吸着剤粒子によって周囲の空気の水蒸気を吸収し、それにより吸着側吸着熱交換器42と連通している蒸発器47内の水分が蒸発して内部温度が低下する。それにより蒸発器内の冷水配管48内を流れる冷水は冷却され、冷水出口からの冷水は車内の冷房等に使用される。また、第1吸着剤容器41内で水分を吸着して発熱する吸着剤は、冷却用配管43を流れる冷却水によって冷却され、水分の吸着が促進される。
一方、最初に前記のようにして水蒸気を吸着した吸着剤が収容されている第2吸着剤容器44は、内部の加熱用配管46を流れるエンジン冷却水等の温水によって加熱され、吸着した水分を脱離し、次第に乾燥した吸着剤粒子となる。脱離した水蒸気は凝縮器50内で冷却水配管51によって冷却され液化する。液化した水は図示されない流路を通って蒸発器47側に流れ、前記のような作動を繰り返す。また、内部は減圧しても良い。
このような作動の継続により、第1吸着剤容器41内の吸着剤の吸着能力が低下したところで、これを第2吸着剤容器44と交換し、前記作動を繰り返す。なお、第1及び第2吸着剤容器内に配管を設けるときには、各容器の交換時には配管脱着弁部分で配管をシールしつつ着脱することにより、容易に前記のような交換を行うことができる。このようなシステムによっても、吸着剤粒子を用い、エンジンの廃熱を利用して、冷房等に有効利用することができる。
なお、上記例においては自動車等の移動用空調システムとして用いる例を示したが、本発明の小型デシカント空調装置は自動車、或いは車両用に限らず、一般家庭用空調システムに用いても、温水器の排熱利用等、種々の排熱を有効に利用する空調システムとすることができる。
上記例においては、粒子を使った除湿システムを構築し、自動車など排熱が十分ある場所で小型化を行うものである。また、同時に外気導入時に車内に導入される有害物質を吸着し、再生時に発生する高濃度有害物質をエンジンに戻すことで環境浄化も同時に行うものである。
また、吸着剤粒子自体を移動させることで上記課題を解決することができ、また、エンジン冷却水、排気ガスなどの排熱を回収して空調需要と熱供給の時間的ミスマッチがある場合でもそれを克服できる。
上記のようなシステムについては、粒子の循環はスムーズに行うことができ、また除湿効果、吸着熱量も調査し、低温排熱で再生可能なことも確認した。
本発明はエンジンを備えた例えば移動体等の空調装置として、特にエンジンの廃熱を有効に空調装置に利用することができるものであるが、移動体に限らず、エンジンを動力源とする各種機器を付設した室用の小型空調装置等に有効に利用することができる。
空調システム構成図における第1の作動状態を示す図である。 空調システム構成図における第2の作動状態を示す図である。 上記例に用いる切替弁の例における切替弁体を示す図であり、(a)は切替弁体第1位置を示し、(b)は切替弁体第2位置を示す。 上記例に用いる切替弁の例を示す図であり、(a)は分解状態を示し、(b)は組立状態を示す。 他の空調システム構成図である。 本発明の実施例のシステム構成図である。 従来のデシカント空調システムを示す図である。
符号の説明
1 空調システム
2 第1吸着剤収容塔
3 第2吸着剤収容塔
4 入口側切替弁
5 外気直接取込口
6 熱交換器
7 加熱外気取込口
8 第1供給口
9 第2供給口
10 出口側切替弁
11 第1排出口
12 第2排出口
13 室内排出口
14 外部排出口
15 エンジン
16 ラジエータ
17 真空ポンプ

Claims (1)

  1. 乾燥剤粒子を収容した第1乾燥剤容器、及び第2乾燥剤容器と、
    前記第1乾燥剤容器と第2乾燥剤容器の片方を収容する吸着熱交換器と、
    前記第1乾燥剤容器と第2乾燥剤容器の他方を収容する脱着熱交換器と、
    前記吸着熱交換器と連通する蒸発器と、
    前記脱着熱交換器と連通する凝縮器とを備え、
    前記脱着熱交換器内の乾燥剤粒子をエンジン冷却水で加熱して再生し、
    前記蒸発器で得られた冷水を冷房に使用することを特徴とする小型デシカント空調装置。
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