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JP2009082584A - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】3Dプローブを有する超音波診断装置において、ボリュームレートを向上し、送信回路の規模を削減する。
【解決手段】3Dプローブ10は、互いに異なる向きで配置された第1振動素子列18及び第2振動素子列20を有する。受信時において、第1振動素子列18はスイッチ部22の作用により第1受信部36に接続される。同時に、第2振動素子列20がスイッチ部22の作用により第2受信部38に接続される。送信時においては、振動素子ペア列がスイッチ部22の作用により送信部40に接続される。1つの送信信号が2つの振動素子に並列的に供給されるので、送信チャンネルリダクションを実現できる。
【選択図】図3

Description

本発明は超音波診断装置に関し、特に、機械走査される振動ユニットの構造及び送受信制御に関する。
医療の分野において、三次元超音波診断を行うために、3Dプローブが利用される。3Dプローブとしては、2Dアレイ振動子を備えたもの、1Dアレイ振動子をメカニカル走査するもの、が知られている。後者の3Dプローブは、通常、1つのアレイ振動子を備えた振動ユニット(可動体)を有し、それが駆動機構によって往復走査される。これによって三次元エコーデータ取込空間(三次元空間)が形成される。1ボリュームを取得するまでの時間を短縮化するために、つまりボリュームレートを上げるために、特許文献1には、3Dプローブ内に互いに向きが異なる2つの振動素子列(2つのアレイ振動子)を設けた構成が開示されている。つまり、三次元空間を複数に分割して並列的にデータの取込みを行って、ボリュームレートを向上させるものである。
特開2005−87637号公報
しかしながら、特許文献1には、2つの振動子の電気的な駆動あるいは配線に関しては開示されていない。複数のアレイ振動子を構成する全振動素子ごとに送信チャンネル(送信回路)を設けると、回路規模が増大してしまう。
本発明の目的は、複数の振動素子列を利用する場合において回路規模の増大を防止することにある。
本発明は、超音波探触子と、前記超音波探触子に接続される送信部と、前記超音波探触子に接続される第1受信部及び第2受信部と、を含む超音波診断装置において、前記超音波探触子は、機械的に走査されるユニットであって第1振動素子列及び第2振動素子列を有する振動ユニットを有し、前記第1振動素子列は素子配列方向に整列した複数の第1振動素子で構成され、前記第2振動素子列は前記素子配列方向に整列した複数の第2振動素子で構成され、前記第1振動素子列と前記第2振動素子列とに跨って振動素子ペア列が構成され、前記送信ペア列におけるi番目の振動素子ペアは、前記第1振動子列に属するi番目の第1振動素子と、前記第2振動子列に属するi番目の第2振動素子と、で構成され、前記第1受信部は前記第1振動素子列からの複数の受信信号を処理し、前記第2受信部は前記第2振動素子列からの複数の受信信号を処理し、前記送信部は前記複数の振動素子ペアに対応する複数の送信回路を有し、前記i番目の振動素子ペアを構成するi番目の第1振動素子及びi番目の第2振動素子に対してi番目の送信回路から共通の送信信号が供給される、ことを特徴とする。
上記構成によれば、少なくとも2つの振動素子列が同時に機械走査されるので、ボリュームレートを向上できる。また、各振動素子ペアを構成する第1振動素子及び第2振動素子に対しては共通の送信信号を供給できるので、各振動素子列ごとに送信部を設ける場合に比べて、送信チャンネル数を半減できる。なお、iは素子配列方向のアドレスに相当し、例えばi=1,2,3,…である。送信時において、各振動素子列を構成する全部の振動素子が動作してもよいし、その中で一部の振動素子が動作してもよい。これは送信開口の設定如何による。受信時においても同様である。
望ましくは、前記i番目の第1振動素子と前記i番目の第2振動素子はそれぞれ前記素子配列方向において同じアドレスを有する。素子配列方向(電子走査方向)のアドレスが同じ複数の振動素子に同じ送信信号が供給しても、素子配列方向の空間分解能を維持できる。つまり、電子的なビームの形成及び走査を適正に行える。
望ましくは、前記第1振動素子列と前記第2振動素子列は、機械走査方向に並んで設けられ且つ異なる向きを有する。この構成によれば、機械的なセクタ走査が行われる場合に、向きの異なる2つの走査面を同時に形成してボリュームレートを向上できる。
望ましくは、前記複数の振動素子ペアに対応して複数のスイッチ回路が設けられ、前記複数のスイッチ回路におけるi番目のスイッチ回路は、受信時に、前記i番目の第1振動素子を前記第1受信部におけるi番目の第1受信回路に接続すると共に前記i番目の第2振動素子を前記第2受信部におけるi番目の第2受信回路に接続し、送信時に、前記i番目の第1振動素子及び前記i番目の第2振動素子を前記送信部におけるi番目の送信回路に共通接続する。各スイッチ回路は、機械的な回路であってもよいが、電子的に接続の有無を切り替える回路であってもよいし、送信信号及び受信信号を必要に応じて遮断するゲート回路あるいは保護回路として構成されてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、複数の振動素子列を利用する場合において回路規模の増大を防止できる。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係る超音波探触子(プローブ)の好適な実施形態が示されている。本実施形態のプローブは、3Dプローブであり、すなわち3次元エコーデータ取込空間を形成するものである。
3Dプローブ10はケースを有し、そのケース内には振動ユニット12及び走査機構14が設けられている。振動ユニット12は回転軸16を中心として回転運動するものであり、その駆動力は機械走査機構14によって生成される。図1においては、振動ユニット12の機械走査方向がθで表されている。
3Dプローブ10の送受波面は生体表面8に当接されている。その状態で超音波の送受波が行われる。振動ユニット12は、その先端部に2つの斜面を有しており、第1斜面には第1振動素子列18が設けられ、第2斜面には第2振動素子列20が設けられている。すなわち、2つの振動素子列18,20は機械走査方向に開いて互いに異なる向きを有するように設けられている。2つの斜面の角度φ1は後に図2で示されるように180度未満である。それぞれの振動素子列はいわゆるアレイ振動子として機能し、2つの振動素子列によって2つの超音波ビームが同時に形成され、すなわち2つの走査面S1,S2が同時に形成される。2つの走査面S1,S2は一定の角度をもって非平行状態におかれている。
したがって振動ユニット12を揺動走査すると、2つの走査面S1,S2が一定間隔をもって揺動運動することになり、1つの走査面を機械的に走査する時に比べて半分の時間で機械走査を行うことができる。したがって、いわゆるボリュームレートを向上することができる。もちろん、微小な走査面の機械走査を行わせる場合には、いずれか一方の振動素子列のみを利用すればよい。
図2には、図1に示した振動ユニット12の概略的な斜視図が示されている。振動ユニット12は上述したように2つの斜面を有し、それぞれの斜面には第1振動素子列18及び第2振動素子列20が設けられている。第1振動素子列18は素子配列方向すなわち電子走査方向であるX方向に沿って配列された複数の第1振動素子18aで構成され、同様に、第2振動素子列20はX方向に沿って配列された複数の振動素子20aによって構成される。2つの斜面の交差角度がφ1で表されている。ちなみにY方向はX方向に直交する方向である。2つの振動素子列18,20の後側にはバッキングが設けられている。2つの振動素子列18,20の前方側には必要に応じて整合層及び音響レンズが設けられる。振動ユニット12は、探触子ケース内における媒体室内において運動するものであり、図2に示すような形態によれば、振動ユニット12に生ずる媒体抵抗を緩和できるという利点がある。
図3には、上述した3Dプローブ10を有する超音波診断装置の全体構成がブロック図として示されている。この超音波診断装置は、3次元超音波画像を形成する装置である。超音波診断装置は、3Dプローブ10、スイッチ部22、第1受信部36、第2受信部38及び送信部40等を有している。また、受信信号を処理するためのビーム処理部50、3Dメモリ52、3次元画像処理部54及び表示部56等を有しており、それらを制御するための制御部48も有している。
3Dプローブ10は、第1振動素子列18及び第2振動素子列20を有し、それらを備えた振動ユニットが走査機構14によって駆動される。第1振動素子列18は電子走査方向(上記のX方向)に並んだ複数の振動素子で構成され、その場合における各振動素子のアドレス(X方向の位置)はiで表される。同様に、第2振動素子列20を構成する複数の振動素子についてもそれぞれのアドレスがiで表される。あるアドレスiに着目するとそれに対応して機械走査方向に並んだ2つの振動素子が定義されることになり、それらの振動素子は振動素子ペア(同時駆動送信ペア)を構成する。1つの振動素子ペアが図3において符号100a,100bで表されている。2つの振動素子列18,20の全体として電子走査方向に並んだ複数の振動子ペアが存在する。
スイッチ部22は、複数の振動素子ペアに対応して設けられた複数のスイッチ回路24を有する。各スイッチ回路24は第1スイッチ素子26及び第2スイッチ素子28からなるものである。後に説明するように、送信時においては第1スイッチ素子26及び第2スイッチ素子28がそれぞれ端子Bを選択し、受信時においてはそれぞれ端子Aを選択する。
第1受信部36は第1振動素子列18を構成する複数の振動素子に対応して設けられた複数の遅延処理回路42と、複数の遅延処理回路から出力される遅延処理後の信号に対する加算処理を行う加算回路43とを有する。第1受信部36はいわゆる整相加算回路であり、それは電子的に受信ビームを構成するものである。
同様に第2受信部38は、第2振動素子列20を構成する複数の振動素子に対応して設けられた複数の遅延処理回路44と、複数の遅延処理回路44から出力される遅延処理後の信号に対して加算処理を行う加算回路45と、を有する。この第2受信部38も整相加算回路として機能する。
送信部40は、複数の振動素子ペアに対応して設けられた複数の送信回路46を有する。各送信回路46は送信パルス信号を出力するものである。
受信時においては、上述したように、各スイッチ回路24において接点Aが選択され、これによって第1振動素子列18が第1受信部36に接続され、第2振動素子列20が第2受信部38に接続される。一方、送信時においては、各スイッチ回路24において接点Bが選択され、これによって複数の振動素子ペアが送信部40を構成する複数の送信回路46に接続される。1つの送信回路46に着目した場合、それは2つの振動素子に並列に接続されることになり、すなわちそれらの2つの振動素子に対して共通の送信パルス信号が並列的に供給される。例えば、受信時においては、2つの信号線30,32が接点Aを介してそれぞれ遅延処理回路42,44に接続され、送信時においては2つの信号線30,32が送信用の信号線34すなわち特定の送信回路46に接続されることになる。したがって、送信時においては、1つの送信信号が2つの振動素子にパラレルで供給されるため、結果として、送信部の回路構成を半分にできるという利点がある。すなわち、送信チャンネルリダクションを達成することができる。受信時においては、それぞれの振動素子列ごとに整相加算処理が行われるため、適正な受信ビームを形成することができるという利点がある。すなわち、送信時においては機械走査方向に送信ビームの幅が広がることになるが、受信時においてはそれぞれの振動素子ごとに整相加算処理が行われるため、機械走査方向における分解能の低下はあまり問題とならない。本実施形態においては、それぞれの送信信号が同じアドレスを有する2つの振動素子に供給されるため、2つの走査面間における送信ビームの位置ずれの問題も生じない。
加算回路43,45から出力される整相加算後の受信信号(ビームデータ)はビーム処理部50に入力される。ビーム処理部50は、検波処理、対数変換処理等の信号処理を行う回路で構成される。信号処理後のビームデータは、3Dメモリ52に格納される。3Dメモリ52は3次元エコーデータ取込空間に対応した3次元の記憶空間を有し、各ビームデータを構成する複数のエコーデータ(ボクセルデータ)が3Dメモリ52内にマッピングされる。書き込み段階において座標変換処理が行われてもよいし、3Dメモリ52のデータの読み出し段階において座標変換処理が行われてもよい。ここでいう座標変換は、送受波座標径から直交座標径への変換を意味するものである。
3次元画像処理部54は例えばボリュームレンダリング法等に基づいて3Dメモリ52内のボリュームデータから3次元画像を構成するモジュールである。その画像データは表示部56に送られる。
制御部48は図3に示される各構成の動作を制御しており、制御部48には図示されていない操作パネルが接続される。操作パネルはキーボールやトラックボールなどを含むものである。
スイッチ部22を構成する各スイッチ回路24は機械的なスイッチングを行う回路として構成されてもよいが、電子的なスイッチングを行う回路によって構成されてもよい。また、送信信号又は受信信号を遮断するゲート回路あるいは保護回路として構成することも可能である。いずれにしても、送信時及び受信時において2つの振動素子列と送受信部とが適正に接続されるようにスイッチ部22が機能する。
図3に示した構成では、各スイッチ回路24が第1スイッチ素子26及び第2スイッチ素子28で構成されていたが、各スイッチ回路24と構成例としては他のものを挙げることができる。例えば、図4に示すような構成を採用してもよい。図4においては1つの振動素子ペアに関する構成のみが抽出して図示されている。第1振動素子100aは信号線58を介して第1受信部36内の遅延処理回路42に接続されている。その信号線58には信号線68を介して送信部40内の送信回路46が接続されている。遅延処理回路42の入力段には送信号の回り込みを防止するゲート回路が設けられている。また送信回路46の入力段には受信時における受信信号の取込を防止するための回路が設けられてもよい。
第2振動素子100bには信号線60が接続されており、その信号線はスイッチ回路62を介して信号線64又は信号線66に接続される。信号64は上述した信号線58に接続されており、信号線66は第2受信部38内の遅延処理回路44に接続されている。
スイッチ部24Aを構成するスイッチ回路62は、受信時において端子Aを選択し、送信時において端子Bを選択する。すなわち、送信時においては端子Bが選択される結果、送信回路46から出力される送信パルス信号が信号線68、58、64を介して、2つの振動素子100a,100bに並列的に供給される。一方、受信時においては、端子Aが選択される結果、第1振動素子100aが遅延処理回路42だけに接続され、第2振動素子100bが遅延処理回路44だけに接続される。図4に示す構成によればスイッチ回路の回路構成を簡略化できるという利点がある。このスイッチ回路62についても半導体スイッチ等の電子的な回路を用いることができ、また、機械的あるいは電子的なスイッチングを行わないゲート回路等によって実質的にスイッチング作用が発揮されてもよい。
上記実施形態に係る超音波診断装置によれば、振動ユニットに2つの振動素子列が設けられているため、1回の受信時に2つの走査面を形成してボリュームレートを向上できるという利点がある。しかも、振動素子ペアごとに送信回路を設けるだけでよいので、送信チャンネルリダクションを実現でき、すなわち送信部の構成を簡略化できるという利点がある。上述した実施形態において、2つの振動素子列に加えて更に他の振動素子列を設けるようにしてもよい。上述した実施形態の原理を拡張適用すれば、3つの振動素子に対して送信時において、共通の送信信号を供給することが可能である。また、2つの振動素子列の交差関係を可変できるように構成してもよい。上述した実施形態においては、各振動素子列が直線的に配列されていたが、いわゆるコンベックス形状をもって振動素子列を配置してもよい。
本発明に係る超音波探触子の好適な実施形態を示す概略図である。 図1に示した振動ユニットの斜視図である。 本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態を示すブロック図である。 スイッチングの他の構成例を説明するための図である。
符号の説明
10 3Dプローブ、12 振動ユニット、14 走査機構、18 第1振動素子列、20 第2振動素子列、22 スイッチ部、36 第1受信部、38 第2受信部、40 送信部。

Claims (4)

  1. 超音波探触子と、前記超音波探触子に接続される送信部と、前記超音波探触子に接続される第1受信部及び第2受信部と、を含む超音波診断装置において、
    前記超音波探触子は、機械的に走査されるユニットであって第1振動素子列及び第2振動素子列を有する振動ユニットを有し、
    前記第1振動素子列は素子配列方向に整列した複数の第1振動素子で構成され、
    前記第2振動素子列は前記素子配列方向に整列した複数の第2振動素子で構成され、
    前記第1振動素子列と前記第2振動素子列とに跨って振動素子ペア列が構成され、
    前記振動素子ペア列におけるi番目の振動素子ペアは、前記第1振動子列に属するi番目の第1振動素子と、前記第2振動子列に属するi番目の第2振動素子と、で構成され、
    前記第1受信部は前記第1振動素子列からの複数の受信信号を処理し、
    前記第2受信部は前記第2振動素子列からの複数の受信信号を処理し、
    前記送信部は前記複数の振動素子ペアに対応する複数の送信回路を有し、
    前記i番目の振動素子ペアを構成するi番目の第1振動素子及びi番目の第2振動素子に対してi番目の送信回路から共通の送信信号が供給される、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記i番目の第1振動素子と前記i番目の第2振動素子はそれぞれ前記素子配列方向において同じアドレスを有する、ことを特徴とする超音波診断装置。
  3. 請求項1又は2記載の装置において、
    前記第1振動素子列と前記第2振動素子列は、機械走査方向に並んで設けられ且つ異なる向きを有する、ことを特徴とする超音波診断装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置において、
    前記複数の振動素子ペアに対応して複数のスイッチ回路が設けられ、
    前記複数のスイッチ回路におけるi番目のスイッチ回路は、受信時に、前記i番目の第1振動素子を前記第1受信部におけるi番目の第1受信回路に接続すると共に前記i番目の第2振動素子を前記第2受信部におけるi番目の第2受信回路に接続し、送信時に、前記i番目の第1振動素子及び前記i番目の第2振動素子を前記送信部におけるi番目の送信回路に共通接続する、ことを特徴とする超音波診断装置。
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