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JP2009049094A - 有機電界発光素子および表示装置 - Google Patents

有機電界発光素子および表示装置 Download PDF

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JP2009049094A
JP2009049094A JP2007212027A JP2007212027A JP2009049094A JP 2009049094 A JP2009049094 A JP 2009049094A JP 2007212027 A JP2007212027 A JP 2007212027A JP 2007212027 A JP2007212027 A JP 2007212027A JP 2009049094 A JP2009049094 A JP 2009049094A
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Yasuharu Ujiie
康晴 氏家
Yukio Miyaki
幸夫 宮木
Masato Ando
真人 安藤
Shoji Terada
尚司 寺田
Yasunori Kijima
靖典 鬼島
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Sony Corp
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Abstract

【課題】発光効率に優れた赤色有機EL素子を作製することを可能とし、有機ELパネル等の表示装置の大型化、並びに低コスト化を可能とする。
【解決手段】第1電極12と第2電極13の間に少なくとも発光層14を挟持してなる有機電界発光素子1において、前記発光層14は、テトラセン誘導体を用いたホスト材料と赤色ドーパントと溶剤を有するインクから湿式法により作製された転写ドナーを用いて成膜したものからなることを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機電界発光素子および表示装置に関するものである。
近年、有機エレクトロニクスが脚光を浴び、産学界にて精力的に研究が行われている。有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELという)装置、有機太陽電池、有機トランジスタ、有機メモリ装置等、有機物質を薄膜化して、ディスプレイ、バッテリー、トランジスタ、記録デバイスとさまざまな機能を発現させることが可能である。
特に有機EL装置は、近年、次世代のディスプレイ技術として注目を集めている。1987年にEastman Kodak社のTangらが、低電圧駆動、高輝度発光が可能なアモルファス発光層を有する積層構造の有機薄膜電界発光素子を発表して以来、車載オーディオ用途、モバイル機器用途のディスプレイが商品化され、CRT、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイに変わるホームユースのディスプレイとしての開発も進められている。
このような表示装置において、パネルの大型化および低コスト化が求められている。従来の一般的な成膜方法である蒸着法では高真空設備が必要となるだけではなく、画素のパターニング方法としてシャドーマスクを用いることが一般的である。この場合、高真空下で大型パネル基板と大型シャドーマスクの位置合わせを行うことや、マスクの洗浄方法の確立およびメンテナンス等、いくつかの課題を抱えている。
上記の課題を解決する新たなパターニング方法として、レーザ光を用いた転写方法が提案されている。熱転写方法を用いた表示装置の製造は、例えば次のように行う。まず、下部電極が形成されたパネル基板を用意する。一方、別の基板(以下、転写ドナー基板と称する)上に、光吸収層を介して転写したい有機材料層(例えば発光層)を成膜する。次に転写ドナー基板上の有機材料層の面と、パネル基板の下部電極を形成した面を対向させた状態で張り合わせ、転写ドナー基板側からレーザー光を照射することにより、パネル基板側に有機材料層を転写することが可能である。この際、スポット照射するレーザー光を走査することで、パネル基板の所定領域のみに位置精度良く、有機材料層が熱転写される(例えば、特許文献1を参照。)。
この熱転写に関して、出願人はプロセスを詳細に検討し、転写ドナーを蒸着ではなく、溶剤を用いた湿式法で有機材料層を成膜した転写ドナーを使用して、十分な素子特性が得られ、低コストで量産できることを見出し、特許を出願している。
パネル基板上に有機材料層を湿式法で直接的に成膜することも可能であるが、有機材料層に溶剤が残留したり、本案件のように発光層を成膜する場合には、正孔輸送層が既にパネル基板上に成膜されていることが一般的であり、湿式製膜中にそれぞれの層が意図せず、混合したりすることもある。このような条件下で作製されたパネルは発光効率および信頼性を確保しにくいだけでなく、量産時の安定した良品生産が困難となる。
湿式法を用いて、材料使用効率の高さを維持しながら、低コストで信頼性の高いパネルを量産するには、湿式法で転写ドナーを形成し、熱転写により製膜する方法が優れている。
カラーパネルの発光層を湿式製膜の転写ドナーで作製するためには、発光材料を溶剤に溶解させたインクが必要となる。発光層は通常、キャリアの再結合を受持つホスト材料と、ホスト材料からのエネルギーを吸収し、発光するゲスト材料(ドーパント材料とも称する)から構成されるのが一般的であるが、ホスト材料は全発光層体積の約8割以上占める材料であり、ホスト材料の溶剤溶解性が発光層材料を溶液化する上で、非常に重要である。
低分子発光材料の溶液化に関して、アントラセン誘導体およびピレン誘導体の提案がなされている(例えば、特許文献2を参照。)が、赤色のホスト材料として使用すると、赤色発光素子の発光効率が低いといった問題がある。この原因として筆者らは、アントラセン誘導体およびピレン誘導体では薄膜のPL波長が短く、赤色ドーパントの吸収波長と合わず、効率良くエネルギー移動できないと考えられる。
赤色発光素子の発光効率向上策として、ルブレンを発光補助ドーパントとして用いる方法が提案されている(例えば、特許文献3を参照。)。この方法では、発光層が少なくとも3つの材料から構成されるが、層中で全ての材料が均一に分散されない場合、発光効率の改善度合いが小さいと考えられる。湿式法で製造する場合、膜の乾燥過程で基板温度と膜表面の温度差から膜内部での対流が起こり、溶剤の蒸発具合によって膜内の混合割合が基板側と膜表面で異なることが多く、発光層を湿式で作製する場合、そのインクは構成材料数が少ない方が好ましい。現時点で、ホスト材料にドーパント材料を加えた2元系の発光層が好ましい。
特開2002−110350号公報 特開2006-190759号公報 特許3370011号(特開2006-190759号公報)
解決しようとする問題点は、アントラセン誘導体およびピレン誘導体を赤色のホスト材料として使用すると、赤色発光素子の発光効率が低くなる点である。
この課題に対して、本発明者らは鋭意検討し、テトラセン誘導体をホスト材料とし、赤色ドーパントおよび溶剤と混合して溶液化を行えば、発光効率に優れた赤色有機EL素子を作製でき、有機ELパネル等の表示装置の大型化、並びに低コスト化が実現できることを見出し、本発明に至った。
本発明の有機電界発光素子は、複数配列した有機電界発光素子を有する表示装置において、前記有機電界発光素子は、第1電極と第2電極の間に少なくとも発光層を挟持していて、前記発光層は、テトラセン誘導体を用いたホスト材料と赤色ドーパントと溶剤を有するインクから湿式法により作製された転写ドナーを用いて成膜したものからなることを特徴としている。
本発明の有機電界発光素子では、テトラセン誘導体を用いたホスト材料と赤色ドーパントと溶剤を有するインクから湿式法により作製された転写ドナーを用いて成膜した発光層を用いたことによって、発光効率に優れた赤色の有機電界発光素子が得られた。ここで、発光層は、インクから湿式法により作製された転写ドナーを用いて成膜されていることから、種々のコーティング法を用いることができる。
本発明の表示装置は、第1電極と第2電極の間に少なくとも発光層を挟持してなる複数配列した有機電界発光素子を表示装置において、前記発光層は、テトラセン誘導体を用いたホスト材料と赤色ドーパントと溶剤を有するインクから湿式法により作製された転写ドナーを用いて成膜したものからなることを特徴としている。
本発明の表示装置では、発光効率に優れた赤色の有機電界発光素子となる本発明の有機電界発光素子を用いているため、この赤色発光素子と共に、青色発光素子および緑色発光素子を1組にして画素を構成することが可能になる。
本発明の有機電界発光素子は、発光効率に優れた赤色の有機電界発光素子をえることができ、しかも、種々のコーティング法を用いることができるので、大型のパネルを、低コストで量産が実現できるという利点がある。
本発明の表示装置は、本発明の赤色発光の有機電界発光素子を用いていることで、赤色発光素子と共に、青色発光素子および緑色発光素子を1組にして画素を構成することにより、フルカラー表示が可能な大型表示パネルを、高い生産性、低いコストで量産することが可能になる。
本発明の有機電界発光素子の一実施の形態(実施例)について、図1の概略構成断面図によって説明する。
図1に示すように、本発明の有機電界発光素子1は、基板11上に形成された第1電極(例えば陽極)12と第2電極13(例えば陰極)との間に少なくとも発光層14を挟持してなるもので、本例では、第1電極12と発光層14との間に正孔輸送層15が挟持され、第2電極13と発光層14との間に電子輸送層16が挟持されているものである。上記発光層14は、テトラセン誘導体を用いたホスト材料と赤色ドーパントと溶剤を有するインクから湿式法により作製された転写ドナーを用いて成膜したものからなる。
上記テトラセン誘導体は、より好ましくは下記化学式(4)で示されたものからなる。
Figure 2009049094
上記化学式(1)中、R1〜R12はそれぞれ独立に、水素原子、飽和もしくは不飽和の炭化水素基、飽和もしくは不飽和の炭化水素オキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜22のアリール基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜22のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数5〜21の複素環基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜21のアリールアミノ基、シアノ基、ニトロ基、水酸基、ハロゲン原子を表す。
もしくは、上記テトラセン誘導体は、化学式(5)で示されたものからなる。
Figure 2009049094
上記化学式(5)中、R1、R5〜R7およびR10〜R12はそれぞれ独立に、水素原子、飽和もしくは不飽和の炭化水素基、飽和もしくは不飽和の炭化水素オキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜22のアリール基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜22のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数5〜21の複素環基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜21のアリールアミノ基、シアノ基、ニトロ基、水酸基、ハロゲン原子を表す。また、T1〜T4は下記化学式(6)で表されるものからなる。
Figure 2009049094
上記化学式(3)中、S1〜S5はそれぞれ独立に、水素原子、飽和もしくは不飽和の炭化水素基、飽和もしくは不飽和の炭化水素オキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜16のアリール基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜16のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数5〜15の複素環基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜15のアリールアミノ基、シアノ基、ニトロ基、水酸基、ハロゲン原子を表す。
上記化学式(4)〜(6)において、飽和もしくは不飽和の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、トリフルオロメチル基、シクロペンタン基、シクロヘキサン基、アダマンチル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ステアリル基、トリチル基、ベンジル基、スチリル基、フェネチル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基等がある。
上記化学式(4)〜(6)において、飽和もしくは不飽和の炭化水素オキシ基の具体例としては、メトキシキ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、トリフルオロメトキシ基、パーフルオロエトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、プロペニルオキシ基、トリチルオキシ基、ベンジルオキシ基、スチリルオキシ基、フェネチルオキシ基、シンナミルオキシ基、ベンズヒドリルオキシ基等がある。
上記化学式(4)〜(6)において、置換もしくは未置換のアリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アセナフチレニル基、アセナフテニル基、フェナントリル基、フェナレニル基、アンスリル基、ナフタセニル基、フルオレニル基、クリセニル基、ピレニル基、トリフェニレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ビフェニル基、ナフチルフェニル基、ターフェニル基、ビフェニルナフチル基、スピロビフルオレニル基、テトラフェニルフェニル基、テトラキシリルフェニル基等がある。
上記化学式(4)〜(6)において、置換もしくは未置換のアリールオキシ基の具体例としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、アセナフチニルオキシ基、アセナフテニルオキシ基、フェナントリルオキシ基、フェナレニルオキシ基、アンスリルオキシ基、ナフタセニルオキシ基、フルオレニルオキシ基、クリセニルオキシ基、ピレニルオキシ基、トリフェニレニルオキシ基、ペリレニルオキシ基、フルオランテニルオキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、メシチルオキシ基、ビフェニルオキシ基、ナフチルフェニルオキシ基、ターフェニルオキシ基、ビフェニルナフチルオキシ基、スピロビフルオレニルオキシ基、テトラフェニルフェニルオキシ基、テトラキシリルフェニルオキシ基等がある。
上記化学式(4)〜(6)において、置換もしくは未置換の複素環基の具体例としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基、キノリル基、イソキノリル基、フタラジニル基、キノキサリル基、ビフェニルキノリン基、フェナントリジル基、アクリジニル基、カルバゾリル基、フェナントラジニル基、ベンゾフラニル基、オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、トリアジニル基、ベンゾチアゾリル基等がある。
上記化学式(4)〜(6)において、置換もしくは未置換のアリールアミノ基の具体例としては、ジフェニルアミノ基、フェニルナフチルアミノ基、ジナフチルアミノ基、ジトリルアミノ基、ビス(ビフェニル)アミノ基、ビス(ナフチルフェニル)アミノ基、ビス(ベンジルフェニル)アミノ基等がある。
上記化学式(4)〜(6)において、ハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等がある。
上記各置換もしくは未置換の炭素原子数の下限値は、ベンゼン環、ピリジン環等を構成する最小炭素数であり、上記炭素数の上限値は、溶媒に溶解しやすい状態を保つ上限値となっている。
以下に本発明の化合物の代表例を例示する。この代表例のみに本発明は限定されるものではない。以下に示した化学式(7)の構造式(A1)〜化学式(35)の構造式(C13)で示した構造の他にも、本発明の有機電界発光素子の発光層に含まれるテトラセン誘導体は、上記化学式(4)もしくは化学式(5)[化学式(6)も含む]を満足する構造であれば良い。
Figure 2009049094
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本発明の有機電界発光素子1では、では上記テトラセン誘導体を溶剤(有機溶剤)で溶液化し、転写ドナーを作製する。この溶剤は、一例として、下記溶剤から選択することができる。
一例として、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコール等のアルコール系溶媒がある。
一例として、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン系溶媒がある。
一例として、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテルテトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒がある。
一例として、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族系溶媒がある。
一例として、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、テトラリン等のパラフィン系溶媒がある。
一例として、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒がある。
一例として、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒がある。
一例として、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒がある。
一例として、ピリジン、キノリン等の複素環系溶媒がある。
一例として、アセトニトリル、バレロニトリル等のニトリル系溶媒。
一例として、チオフェン、二硫化炭素等の硫黄系溶媒等が挙げられる。
上記インクの濃度は、上記テトラセン誘導体の上記溶剤に対する溶解度が0.5重量%以上であることを特徴としている。ここでいう溶剤は、上記溶剤を単独で用いても、もしくは混合して用いてもよい。上記溶解度が0.5重量%以上としたのは、溶解度が0.5重量%よりも低いと、薄膜にした場合の膜厚が確保できないためである。すなわち、発光層としての十分な厚さを確保することができないので、有機電界発光素子を形成することが困難となるためである。また、上記溶解度は、より好ましくは2重量%以上とする。これにより、テトラセン誘導体による発光層の膜厚が十分に確保できるようになる。
上記発光層は、転写ドナー基板に形成される。この転写ドナー基板への形成方法としては、スリットコート法、スピンコート法、インクジェット法、スプレー法、スクリーン印刷法、ロールコーター法、ディップ法、フレキソ印刷法、LB法等のコーティング方式を選択できる。なお、これらのコーティング方式に限定されるものではなく、転写ドナー基板に、ホストとして用いるテトラセン誘導体、赤色ドーパントおよび溶剤を有するインクから湿式法により作製されたおのであればよい。
次に、転写ドナー基板より発光層を転写するには、例えば熱転写を用いる。この熱転写は、エネルギー源(熱源)としてレーザ光の照射が一般的であるが、それに限定されるものではない。光による熱転写を行う場合には、転写ドナー基板中に光熱変換層を成膜しておくことが必要である。スポット照射させたレーザ光を走査することにより、所定領域のみに位置精度良く熱転写させることが可能である。
上記有機電界発光素子1は、前記図1によって説明したように、基板11上に、第1電極12、有機層17(例えば、基板11側より正孔輸送層15、発光層14、電子輸送層16が積層されている。)および第2電極13を順次積層してなり、基板11側または第2電極13側から発光を取り出す構成となっている。
上記基板11は、ガラス、シリコン、プラスチック基板、さらにはTFT(thin film transistor)が形成されたTFT基板などからなり、特に有機電界発光素子1が基板11側から発光を取り出す透過型である場合には、この基板11は光透過性を有する材料で構成される。
また基板11上に形成された第1電極12は、陽極または陰極として用いられるものである。なお、上記説明および図面においては、代表して第1電極12が陽極である場合を例示した。
この第1電極12は、表示装置100の駆動方式によって適する形状にパターンニングされていることとする。例えば、この表示装置100の駆動方式が単純マトリックス方である場合には、この第1電極12は例えばストライプ状に形成される。また、表示装置100の駆動方式が画素毎にTFTを備えたアクティブマトリックス方である場合には、第1電極12は複数配列された各画素に対応させてパターン形成され、同様に各画素に設けられたTFTに対して、これらのTFTを覆う層間絶縁膜に形成されたコンタクトホール(図示省略)を介してそれぞれが接続される状態で形成されることとする。
一方、第1電極12上に有機層17を介して設けられる第2電極13は、第1電極12が陽極である場合には陰極として用いられ、第1電極12が陰極である場合には陽極として用いられる。なお、上記説明および図面においては、第2電極13が陰極である場合が示されている。
そして、この表示装置100が、単純マトリックス方である場合には、この第2電極13は例えば第1電極12のストライプと交差するストライプ状に形成され、これらが交差して積層された部分が有機電界発光素子1となる。また、この表示装置100が、アクティブマトリックス方である場合には、この第2電極13は、基板11上の一面を覆う状態で成膜されたベタ膜状に形成され、各画素に共通の電極として用いられることとする。なお、表示装置100の駆動方式としてアクティブマトリックス方を採用する場合には、有機電界発光素子1の開口率を確保するために、第2電極13側から発光を取り出す上面発光型とすることが望ましい。
ここで、第1電極12(または第2電極13)を構成する陽極材料としては,仕事関数がなるべく大きなものがよく、たとえば、ニッケル、銀、金、白金、パラジウム、セレン、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、レニウム、タングステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニオブやこれらの合金、酸化物、あるいは、酸化錫、ITO、酸化亜鉛、酸化チタン等が好ましい。
一方、第2電極13(または第1電極12)を構成する陰極材料としては仕事関数がなるべく小さなものがよく、例えば、マグネシウム、カルシウム、インジウム、リチウム、アルミニウム、銀やこれらの合金が好ましい。
ただし、この有機電界発光素子1で生じた発光を取り出す側となる電極は、上記した材料の中から光透過性を有する材料を適宜選択して用いることとし、特に、有機電界発光素子1の発光の波長領域において30%より多くの光を透過する材料が好ましく用いられる。
例えば、この表示装置100が、基板11側から発光を取り出す透過型である場合、陽極となる第1電極12としてITOのような光透過性を有する陽極材料を用い、陰極となる第2電極13としてアルミニウムのような反射率の良好な陰極材料を用いる。
一方、この表示装置100が、第2電極13側から発光を取り出す上面発光型である場合、陽極となる第1電極12としてクロムや銀合金のような陽極材料を用い、陰極となる第2電極13としてマグネシウムと銀(MgAg)との化合物のような光透過性を有する陰極材料を用いる。次に説明する有機層5は、共振器構造を最適化して取り出し光の強度が高められるように設計されることが好ましい。
そして、上述した第1電極12および第2電極13に狭持される有機層17は、陽極側(図面においては第1電極12側)から順に、正孔輸送層15、発光層14、電子輸送層16を積層してなる。
さらに、正孔輸送層15としては、α−NPD(Bis[N-(1-naphthyl)-N-phenyl]benzidine)、TPTE(N,N'diphenyl-N,N'-bis[N-(4-methylphenyl)-N-phenyl-(4-aminophenyl)]-1,1’-biphenyl-4,4’-diamine)などのトリフェニルアミン2量体、3量体、4量体、スターバースト型アミンなどの公知の材料を単層もしくは積層して、もしくは混合して用いることができる。
そして、この正孔輸送層15上に設けられる発光層14が、本発明の特徴的な層であり、上記化学式(4)〜化学式(6)、および上記化学式(7)[構造式(A1)]〜化学式(35)[構造式(C13)]に代表されるテトラセン誘導体を有する。
図2に示すように、予め、湿式法にて転写ドナー基板20上に発光層14を成膜しておく。この転写ドナー基板20と、第1電極12、正孔輸送層15を順に成膜した基板11とを用意し、発光層14と正孔輸送層15を張り合わせ、転写ドナー基板20側からレーザ光を照射し、熱転写で発光層14を基板11側へ転移させる。
図3に示すように、上記転写ドナー基板20は、少なくとも3つの層から形成されている。例えば、上記転写ドナー基板20は、支持基板21、光熱変換層22、酸化保護層23の3層の積層体である。
上記支持基板21は、十分に平滑で光透過性を有し、かつ加熱処理の温度に対する耐久性を有する材質であれば良く、ガラス基板、石英基板、または透過性セラミック基板等からなる。また、加熱温度に対する寸法制御性に問題が無い範囲であれば、樹脂基板を用いても良い。
上記光熱変換層22に関しては、熱転写の工程において熱源として用いるレーザ光の波長範囲に対して低い反射率を有する材料が好ましく用いられる。例えば、固体レーザ光からの波長800nm程度のレーザ光を用いる場合には、クロムやモリブデン等が低反射率、高融点を持つ材料として好ましいが、これらに限定されない。
上記酸化保護層23に関しては、窒化シリコン(例えばSiNx)や酸化シリコン(例えばSiO2)等を用いることができる。
その後、発光層14上に設けられる電子輸送層16には、Alq3、オキシジアゾール、トリアゾール、ベンズイミダゾール、シロール誘導体などの公知の材料を使用することができる。
以上説明した構成の他にも、ここでの図示は省略したが、陽極となる第1電極12と正孔輸送層15との間に、正孔注入層を挿入しても良い。正孔注入層としてはPEDOT{ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)}およびPPV(ポリフェニレンビニレン)などの伝導性ポリマー、フタロシアニン銅、スターバースト型アミン、トリフェニルアミン2量体、3量体、4量体などの公知の材料を単層もしくは積層してもしくは混合して用いることができる。このような正孔注入層を挿入することにより正孔の注入効率が上がるため、より好ましい。また、正孔輸送層15に換えて、正孔輸送注入層を、陽極となる第1電極12と発光層14との間に設けても良い。
さらに、ここでの図示は省略したが、電子輸送層16と陰極となる第2電極13の間に、電子注入層を挿入しても良い。電子注入層としては、酸化リチウム、フッ化リチウム、ヨウ化セシウム、フッ化ストロンチウムなどのアルカリ金属酸化物、アルカリ金属弗化物、アルカリ土類酸化物、アルカリ土類弗化物を用いることができる。このような電子注入層を挿入することにより電子の注入効率が上がるため、より好ましい。
上記述べたような材料による積層構造の有機層17の形成には、周知の方法にて合成された各有機材料を用いて、真空蒸着やレーザー転写、スピンコートなどの周知の方法を適用することができる。
そして、ここでの図示は省略したが、このような構成の有機電界発光素子1を備えた表示装置100においては、大気中の水分や酸素等による有機電界発光素子1の劣化を防止するために、有機電界発光素子1を覆う状態でフッ化マグネシウムや窒化シリコン膜(SiNx)からなる封止膜を基板11上に形成してもよい。または、有機電界発光素子1に封止缶を被せて中空部を乾燥した不活性ガスでパージするか真空に引いた状態にすることも望ましい。
また、ここでの図示は省略したが、このような構成の有機電界発光素子1を備えた表示装置100においては、この有機電界発光素子1を赤色発光素子とし、これと共に青色発光素子および緑色発光素子を各画素に設け、これら3画素をサブピクセルとして1画素を構成し、基板11上にこれらの3画素を1組とした各画素を複数配列することで、フルカラー表示が可能になる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。なお本発明は以下に例示する実施例に限定されるものではない。まず有機電界発光素子の作製方法について説明する。
例えば、膜厚が190nmの透明なインジウムスズオキサイド(以下、ITOと記す)電極(陽極となる第1電極12)を有するガラス基板(基板11)を4枚用意する。以下、この基板をITO基板という。このITO基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄を行った。このITO基板を乾燥させた後、さらにUV/オゾン処理を10分間行った。次いで、これらのITO基板4枚を蒸着装置の基板ホルダーに固定した後、蒸着槽を1.5×10-4Paに減圧した。
その後、ITO電極上に、Bis[N-(1-naphthyl)-N-phenyl]benzidine(α−NPD)を、蒸着速度0.2nm/secで65nmの厚さに蒸着し、正孔輸送層15を形成した。
次いで、市販の化合物A1:5,6,11,12-tetraphenyltetracene(Rubrene)をホストとし、市販の赤色ドーパント:4-(dicyanomethylene)-2-tert-butyl-6-(1,1,7,7-tetramethyljulolidin-4-yl-vinyl)-4H-pyran(DCJTB)をドーパントとし、それぞれ98対2の重量比でトルエン:シクロヘキサノン=1:1の混合溶媒に溶解し、固形分濃度1重量%の赤色インクを作製した。
その後、上記赤色インクを用いて、N2雰囲気中(グローブボックス中)で、転写ドナー基板20上にスピンコートし、同雰囲気中でホットプレートを用いて80℃で乾燥させ、さらに130℃で30分間加熱して、転写ドナー基板20上に発光層14となる50nmの薄膜を作製した。
この有機薄膜の発光層14が成膜された転写ドナー基板20と、正孔輸送層15もしくは正孔注入輸送層まで蒸着成膜したITO基板を同雰囲気中(グローブボックス中)で熱転写チャンバーへセットし、それぞれの基板をそれぞれの有機膜(発光層14と正孔輸送層15)同士で密着させ、チャンバー内を5×10-3Paまで減圧した。
続いて、チャンバー内の減圧を保ったまま、大気中の熱転写装置にチャンバーをセットし、転写ドナー基板20側からレーザ光の照射を行い、ITO基板上の正孔注入輸送層上に発光層14を熱転写した。
熱転写後のチャンバーは窒素雰囲気中(グローブボックス中)に戻し、発光層14の熱転写されたITO基板を取り出し、大気暴露することなく、発光層14まで成膜されたITO基板を蒸着機に戻した。
その後、熱転写された発光層14の上に、Alq3を蒸着速度0.2nm/secで15nmの厚さに蒸着し、電子輸送層15を形成した。その上に、フッ化リチウム(LiF)を0.1nmの厚さに蒸着し、さらにマグネシウムと銀を蒸着速度約0.4nm/secで70nmの厚さに共蒸着(原子比95:5)して陰極となる第2電極13を形成し、有機電界発光素子1を作製した。
次に、上記した実施例の有機電界発光素子1と比較する比較例を作製した。この比較例は、上記第1実施例の有機電界発光素子1の作製手順において、発光層14中におけるホスト材料A1に換えて、市販の9,10-di-(2-naphtyl)anthracene(ADN)を用いたこと以外は、第1実施例と同様にして有機電界発光素子を作製した。
次に、上記実施例および比較例で作製した有機電界発光素子を評価した。この評価方法として、各有機電界発光素子を10mA/cm2で直流駆動した場合の初期発光特性を調べた。それを表1に示す。
Figure 2009049094
上記実施例と比較例を比較すると、実施例の方が色度に優れ、約1V低電圧であるだけでなく、電流効率でも約1.5倍と高い値を示した。比較例では、素子の発光スペクトルよりADN由来と考えられる発光が確認され、ドーパントであるDCJTBに効率良くエネルギー移動していないと推測でき、色度を悪化させ、高電圧化、低効率化を招いていると考えられる。より純粋な赤色発光を取り出すために、カラーフィルターを使用した場合には、発光効率の差はさらに大きくなる。
上記説明したように、本発明の有機電界発光素子によれば、テトラセン誘導体をホスト材料とし、赤色ドーパントおよび溶剤と混合して溶液化を行えば、発光効率に優れた赤色有機EL素子を熱転写法で作製でき、有機ELパネルの大型化、並びに安定した低コスト量産が実現できる。
次に、本発明の表示装置について、以下に説明する。
上記有機電界発光素子1を用いた表示装置の一例として、有機EL表示装置の一構成例を、図4のパネル構成図によって説明する。
図4に示すように、表示装置110を構成する基板111上には、表示領域111aとその周辺領域111bとが設けられている。表示領域111aには、複数の走査線121と複数の信号線123とが縦横に配線されており、それぞれの交差部に対応して1つの画素が設けられた画素アレイ部として構成されている。また周辺領域111bには、走査線123を走査駆動する走査線駆動回路125と、輝度情報に応じた映像信号(すなわち入力信号)を信号線123に供給する信号線駆動回路127とが配置されている。
走査線121と信号線123との各交差部に設けられる画素回路は、例えば、スイッチングトランジスタTr1、駆動用トランジスタTr2、保持容量Cs、および有機電界発光素子1で構成されている。そして、走査線駆動回路125による駆動により走査線121に走査パルスが印加され、信号線123に所要の信号が供給されると、スイッチング用トランジスタTr1がオン状態になる。これにより、信号線123から書き込まれた映像信号が保持容量Csに保持され、保持された信号量に応じた電流が駆動用トランジスタTr2から有機電界発光素子1に供給され、この電流値に応じた輝度で有機電界発光素子1が発光する。なお、駆動用トランジスタTr2と保持容量Csとは、共通の電源供給線(Vcc)129に接続されている。
なお、上記説明した画素回路構成は、あくまでも一例であり、必要に応じて画素回路内に容量素子を設けたり、さらに複数のトランジスタを設けて画素回路を構成しても良い。また、周辺領域111bには、画素回路の変更に応じて必要な駆動回路が追加されても良い。
ここで、表示装置100の4画素分の断面の一例を、図5の要部概略断面図によって説明する。
図5に示すように、画素毎に駆動用トランジスタTr2、スイッチング用トランジスタTr1(図示省略)等のトランジスタTr、および保持容量Cs(図示省略)が配列されたTFT基板113を駆動基板とし、この上部にはパッシベーション膜131を兼ねた平坦化絶縁膜を介して有機電界発光素子1が設けられている。各有機電界発光素子1は、赤色を発光する赤色発光の有機電界発光素子1R、緑色を発光する有機電界発光素子1G、青色を発光する青発光素子1Bが順に全体としてマトリクス状に設けられている。
各有機電界発光素子1は、平坦化絶縁膜131に形成された接続孔を介して各トランジスタTrに接続された画素電極151を備えている。各画素電極151は周縁を覆う絶縁膜パターン153によって絶縁分離されている。そして、これらの画素電極151上には、発光層を含む有機層17および各画素に共通の共通電極157が積層され、この画素電極151と共通電極157間に有機層17が狭持された部分が有機電界発光素子1として機能する。
このうち、画素電極151は、陽極として構成されると共に反射層としての機能も備えており、一方、共通電極157は、陰極として構成されると共に、発光層を有する有機層17で発生した光に対して半透過性を有する半透過性電極として構成される。また画素電極151と共通電極157間に挟持される有機層17は、各有機層で生じた発光光を共振させて共通電極157側から取り出すために、各有機電界発光素子1の発光色によってそれぞれ適する膜厚に調整されていることとする。この有機層17は、陽極となる画素電極151側から順に、例えば正孔輸送層、発光層、電子輸送層の順に積層されており、発光層内において効果的に電子と正孔との再結合による発光が生じる構成となっている。
以上のような有機電界発光素子1が配列形成されたTFT基板113上には、有機電界発光素子1を挟む状態で、接着剤159を介して封止基板161が貼り合わせられている。これらの接着剤159および封止基板161は、各有機電界発光素子1での発光光を透過する材料からなることとする。
またここでの図示は省略したが、例えば透明なガラスなどの材料により構成された封止基板161上には、各画素部(有機電界発光素子ELの配置部)に対応して赤色フィルター、緑色フィルター、および青色フィルターなどのカラーフィルタが設けられていても良い。さらに、画素間および画素が配置された表示領域の周縁には、ブラックマトリクスが設けられ、各有機電界発光素子1での発光光を取り出すと共に、有機電界発光素子1などにおいて反射された外光を吸収し、コントラストを改善する構成となっている。これらのカラーフィルタおよびブラックマトリクスは、封止基板161のどちらの面に設けられてもよいが、TFT基板113側に設けられていることが望ましい。これにより、カラーフィルタおよびブラックマトリクスを表面に露出させず保護することが可能になる。
また、図6に示すように、本発明にかかる表示装置100は、封止された構成のモジュール形状のものをも含む。例えば、有機電界発光素子を有する画素アレイ部である表示領域111aを囲むようにシーリング部163が設けられ、このシーリング部163を接着剤として、透明なガラス等の対向部(上記封止基板161)に貼り付けられ形成された表示モジュールが該当する。この透明な封止基板161には、上述したようにカラーフィルタ、保護膜、ブラックマトリックス等が設けられてもよい。なお、表示領域111aが形成された表示モジュールとしての基板111には、外部から表示領域111a(画素アレイ部)への信号等を入出力するためのフレキシブルプリント基板165が設けられていてもよい。
次に、以上説明した本発明に係る表示装置の電子機器への適用例を、図7〜図11によって説明する。
上記電子機器としては、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラなど、電子機器に入力された映像信号、もしくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像もしくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。以下に、本発明が適用される電子機器の一例について説明する。
図7は、本発明に係る表示装置が適用されるテレビを示す斜視図である。本適用例に係るテレビは、フロントパネル302やフィルターガラス303等から構成される映像表示画面部301を有し、その映像表示画面部301として本発明に係る表示装置を用いることにより作成される。
図8は、本発明が適用されるデジタルカメラを示す図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。本適用例に係るデジタルスチルカメラは、フラッシュ用の発光部311、表示部312、メニュースイッチ313、シャッターボタン314等を有し、その表示部312として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
図9は、本発明が適用されるノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。本適用例に係るノート型パーソナルコンピュータは、本体321に、文字等を入力するとき操作されるキーボード322、画像を表示する表示部323等を有し、その表示部323として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
図10は、本発明が適用されるビデオカメラを示す斜視図である。本適用例に係るビデオカメラは、本体部331、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ332、撮影時のスタート/ストップスイッチ333、表示部334等を有し、その表示部334として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
図11は、本発明が適用される携帯端末装置、例えば携帯電話機を示す図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。本適用例に係る携帯電話機は、上側筐体341、下側筐体342、連結部(ここではヒンジ部)343、ディスプレイ344、サブディスプレイ345、ピクチャーライト346、カメラ347等を含み、そのディスプレイ344やサブディスプレイ345として本発明に係る表示装置を用いることにより作製される。
本発明の有機電界発光素子の一実施の形態(実施例)を示した概略構成断面図である。 本発明の有機電界発光素子を作製する熱転写法を説明する概略構成断面図である。 転写ドナー基板の一例を示した概略構成断面図である。 本発明の有機電界発光素子が適用される表示装置のパネル構成の一例を示すパネル構成図である。 本発明の有機電界発光素子が適用される表示装置のパネル構成の一例を示す概略構成断面図である。 本発明が適用される封止された構成のモジュール形状の表示装置を示す構成図である。 本発明が適用されるテレビを示す斜視図である。 本発明が適用されるデジタルカメラを示す図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。 本発明が適用されるノート型パーソナルコンピュータを示す斜視図である。 本発明が適用されるビデオカメラを示す斜視図である。 本発明が適用される携帯端末装置、例えば携帯電話機を示す図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
符号の説明
1…有機電界発光素子、12…第1電極(陽極)、13…第2電極(陰極)、14…発光層

Claims (6)

  1. 第1電極と第2電極との間に少なくとも発光層を挟持してなる有機電界発光素子において、
    前記発光層は、テトラセン誘導体を用いたホスト材料、赤色ドーパントおよび溶剤を有するインクから湿式法により作製された転写ドナーを用いて成膜したものからなる
    ことを特徴とした有機電界発光素子。
  2. 前記発光層は前記転写ドナーを用いて熱転写により成膜される
    ことを特徴とする請求項1記載の有機電界発光素子。
  3. 前記インクの濃度は、前記テトラセン誘導体の前記溶剤に対する溶解度が0.5重量%以上である
    ことを特徴とする請求項1記載の有機電界発光素子。
  4. 前記テトラセン誘導体が化学式(1)で示されたものからなり、
    Figure 2009049094
    化学式(1)中、R1〜R12はそれぞれ独立に、水素原子、飽和もしくは不飽和の炭化水素基、飽和もしくは不飽和の炭化水素オキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜22のアリール基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜22のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数5〜21の複素環基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜21のアリールアミノ基、シアノ基、ニトロ基、水酸基、ハロゲン原子を表す
    ことを特徴とする請求項1記載の有機電界発光素子。
  5. 前記テトラセン誘導体が化学式(2)で示されたものからなり、
    Figure 2009049094
    化学式(2)中、R1、R5〜R7およびR10〜R12はそれぞれ独立に、水素原子、飽和もしくは不飽和の炭化水素基、飽和もしくは不飽和の炭化水素オキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜22のアリール基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜22のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数5〜21の複素環基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜21のアリールアミノ基、シアノ基、ニトロ基、水酸基、ハロゲン原子を表し、T1〜T4は化学式(3)で表されるものからなり、
    Figure 2009049094
    化学式(3)中、S1〜S5はそれぞれ独立に、水素原子、飽和もしくは不飽和の炭化水素基、飽和もしくは不飽和の炭化水素オキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜16のアリール基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜16のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の炭素原子数5〜15の複素環基、置換もしくは未置換の炭素原子数6〜15のアリールアミノ基、シアノ基、ニトロ基、水酸基、ハロゲン原子を表す
    ことを特徴とする請求項1記載の有機電界発光素子。
  6. 複数配列した有機電界発光素子を有する表示装置において、
    前記有機電界発光素子は、第1電極と第2電極の間に少なくとも発光層を挟持していて、
    前記発光層は、テトラセン誘導体を用いたホスト材料と赤色ドーパントと溶剤を有するインクから湿式法により作製された転写ドナーを用いて成膜したものからなる
    ことを特徴とする表示装置。
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