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JP2009048015A - プロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】プロジェクタにおいて、狭い部屋に置いてもあたかも広い部屋にいるかのようにして画像を投影表示可能にし、ユーザに高い満足感をもたらす。
【解決手段】プロジェクタ1は、仮想空間表示機能の実行時に、壁面Wに仮想空間画像Vを表示画像Pと共に投影する。仮想空間画像は、表示画像投影領域20と、仮想投影面とは別の面を構成するようにユーザから見える奥行き表示領域30を含む。奥行き表示領域30は、部屋Rの天井面、床面、両側壁面とそれぞれあたかも同一平面をなすかのように表示されており、表示画像投影領域20は、ユーザが、部屋Rの壁面Wよりもユーザから離れた位置にあると錯覚するように表示されている。表示画像Pは、表示画像投影領域20に投影される。ユーザは、錯覚により、実際よりも広い部屋でプロジェクタ1の性能を十分に発揮して表示画像Pを表示させていると感じることができ、高い満足感を得ることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、壁面等の投影面に表示画像をユーザが視認可能に投影するプロジェクタに関する。
スクリーンにパーソナルコンピュータの画像や映画等の画像を投影するプロジェクタは、近年、高性能化が進み、従来と比較して、より広い表示面積に画像を投影することができるようになっている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、プロジェクタを用いた投影を行う部屋が狭い場合等には、ユーザが投影面に近づかざるを得ないため、プロジェクタの性能を十分に発揮した大きさで画像を表示すると、かえって画像が見にくくなることがある。他方、画像が見やすいように投影する画像の大きさを小さくすると、プロジェクタの性能を発揮することができず、ユーザが不満足を感じることがある。
ところで、特許文献1には、投射対象物の縦横比と投射された画像の4隅の位置との情報を得て、画像を所定のアスペクト比で投影可能にすることが開示されている。また、特許文献2には、目の錯覚の一種である明暗対比を利用し、表示画像の白さや黒さをより強調して表現できるようにしたリアプロジェクション装置が開示されている。しかしながら、これら特許文献1又は特許文献2には、上記問題点の解決策として有効なものは示されていない。
また、特許文献3には、ハーフミラーを用いてCRT画像を反射させ、その画像をユーザに見せることにより、小さな筐体で、長く広いボーリングレーンを仮想的に表現可能に構成されたゲーム装置が開示されている。しかしながら、部屋内の壁面などの投影面に画像を表示させる場合に、このようにハーフミラー等を用いることはできない。
特開2005−286572号公報 特開2006−322961号公報 特開平11−114221号公報
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、狭い部屋でも、あたかも広い部屋にいるかのようにして画像を投影表示可能であり、ユーザにより高い満足感をもたらし得るプロジェクタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、投影レンズから、その投影レンズに対向する投影面に、ユーザが視認可能に表示画像を投影するプロジェクタであって、前記投影面に、前記表示画像が前記投影面よりもユーザから離れた位置にある仮想投影面に投影されているとユーザが錯覚するように、仮想空間画像を、前記表示画像と共に投影する仮想空間表示機能を備え、前記仮想空間画像は、仮想空間画像よりも面積が小さい表示画像投影領域と、当該仮想空間画像の端縁部と前記表示画像投影領域の端縁部との間に前記表示画像投影領域とは別の面を構成するように表示され、前記表示画像投影領域が前記投影面から奥に離れているようにユーザに錯覚させる奥行き表示領域とを有しているものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記仮想空間表示機能が実行されるとき、当該ユーザからの前記仮想空間画像及び前記表示画像の見え方をユーザが調整するための仮想空間調整機能を有しており、前記仮想空間調整機能は、前記仮想空間画像を表示する領域である仮想空間領域を前記投影面上に設定する第1ステップと、前記第1ステップ後、前記仮想空間画像のユーザからの見え方を指定する第2ステップと、前記第2ステップ後、前記表示画像投影領域内での前記表示画像のユーザからの見え方を指定する第3ステップとを有しているものである。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記第1ステップは、前記投影面に画像表示可能な最大範囲内において、表示する仮想空間領域の隅部位置をユーザにより指定させる領域位置指定ステップと、その領域位置指定ステップの後に当該指定された隅部位置に基づき決定した領域の範囲内に仮想空間画像の投影範囲を限定する投影範囲限定ステップとを含むものである。
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3の発明において、前記第2ステップは、前記第1ステップで設定された仮想空間領域の範囲内において、前記表示画像投影領域の大きさをユーザにより指定させる奥行き設定ステップ及び/又は前記表示画像投影領域の位置をユーザにより指定させる視点設定ステップを含むものである。
請求項5の発明は、請求項2乃至請求項4のいずれか一項の発明において、前記仮想空間調整機能の実行時には、前記投影面に、ユーザの操作を案内するガイダンス表示を、前記第1ステップ乃至第3ステップの順序に従い表示させるものである。
請求項1の発明によれば、投影面に仮想空間画像が投影されることにより、ユーザには、錯覚により、表示画面が、投影面よりユーザから離れた位置にある仮想投影面に表示されているように見える。従って、ユーザが投影面に近づかざるを得ない場合等に、表示画面をユーザが見やすい程度の大きさで表示させても、ユーザには、あたかも、広い部屋において、プロジェクタの性能を発揮させて表示画面を比較的大きく表示させているように感じられるので、ユーザにより高い満足感をもたらすことができる。
請求項2の発明によれば、仮想空間調整機能を実行することにより、ユーザは、仮想空間画像及び表示画像のユーザからの見え方を調整することができるので、例えばユーザの居る部屋の広さやユーザの視点位置等の環境的要因に応じて、より多様に仮想空間表示させ、表示画像を表示させることができる。従って、より確実に、ユーザが、表示画像が投影面よりユーザから離れている仮想投影面に投影されているように錯覚することができるようになり、ユーザにさらなる満足感をもたらすことができる。
請求項3の発明によれば、投影面に画像表示可能な最大範囲内において、実際に仮想空間画像を表示する範囲を指定することができるので、仮想空間画像を表示させたい投影面の形状に関わらず、所望の範囲を容易に指定して仮想空間画像を表示させることができる。従って、例えば、より広い部屋にあたかも居るかのようにユーザに錯覚させるように投影面の全体に仮想空間画像を表示させたり、投影面の前に存在する障害物等を避けるようにして仮想空間画像を表示させたりすることができ、ユーザがより効果的に錯覚することができるように仮想空間画像を表示させることができる。
請求項4の発明によれば、表示画像投影領域の大きさを調節することにより、ユーザが錯覚する表示画像投影領域とユーザとの距離を変更することができる。これにより、ユーザが錯覚する部屋の広さを適宜調節することができる。また、表示画像投影領域の位置を調節することにより、ユーザの視点位置が変わっても、ユーザが、違和感無く、表示画像投影領域が投影面より奥に存在するように錯覚することができる。
請求項5の発明によれば、ユーザは、ガイダンス表示に応じて必要な操作を行うことができ、容易に仮想空間調整機能に伴う操作を行うことができる。
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るプロジェクタ1を示す。プロジェクタ1は、例えば放電灯等のランプ2と、ランプ2を駆動するバラスト3と、ランプ2から出射された光を用いて画像を形成する画像形成部4と、外部から画像データが入力される信号入力部5と、外部から操作可能に設けられた操作キー61を有する操作入力部6と、プロジェクタ1の各部を制御するマイコンやメモリ等により構成された制御部7と、外部の商用電源に接続された電源部8と、送風部9とを備えている。このプロジェクタ1は、例えばDVDプレーヤ等の映像再生装置等や、パーソナルコンピュータ等、外部機器に接続されて用いられる。図2は、プロジェクタ1の使用例を示す。プロジェクタ1は、この外部機器から信号入力部5を介して入力される画像データに基づいて表示画像P0を形成し、その表示画像P0を、例えば部屋Rの略平坦な壁面(投影面)Wに投影する機能を有している。なお、プロジェクタ1の外部に設置されたスクリーン等を投影面として用いてもよい。
画像形成部4は、信号入力部5に入力された画像データに基づいて制御部7に制御され、例えばデジタルマイクロミラーデバイス(以下、DMDと称する)を用いて、その画像データに応じた画像を形成するように構成されている。画像形成部4により形成された画像は、ズーム、フォーカス等を行うことができるように構成された投影レンズ4aを介して、それに対向する壁面W等の投影面に向け投影されるように構成されている。画像形成部4は、DMDと、ランプ2から出射された光をカラー画像を形成するための複数の色に変更するためのカラーホイールと、カラーホイールを回転させるためのモータと、制御部7による制御を受けてこれらを駆動するための駆動ドライバ等を有している。画像形成部4は、カラーホイールにより、ランプ2から出射された光の色を変更させながらDMDに照射し、画像データに基づいて駆動されるDMDにより、ランプ2から照射された光を、色毎に、順次繰り返して、投影面上に投影するように構成されている。
操作入力部6の操作キー61は、例えば、プロジェクタ1の筐体に、外部からユーザにより押下操作可能に配置されている。操作入力部6は、操作キー61が操作されると、操作された操作キー61に対応する操作信号を制御部7に送る。制御部7は、その操作信号に応じて装置各部の制御を行う。すなわち、ユーザは、操作キー61を操作することにより、プロジェクタ1の動作を操作可能である。
送風部9は、ファン、このファンを回転させるモータ、及びモータを駆動するモータドライバ等で構成されている。送風部9は、ファンを回転させることにより、プロジェクタ1の筐体内部に外気を流入させると共に筐体内部の空気を外部に排気する。これにより、プロジェクタ1の駆動により発熱する、ランプ2や電源部8等、種々の部位の過熱が防止される。この送風部9の動作は、例えば制御部7により制御され、駆動中のランプ2の温度が適温に保たれるように構成されている。
ここで、このプロジェクタ1は、図2に示すような通常の表示画像Pの投影を行う通常表示機能のほか、仮想空間画像を表示画像と共に投影(仮想空間表示)する仮想空間表示機能を有している。図3は、仮想空間表示時に、プロジェクタ1により投影される画像の一例を示す。仮想空間表示は、表示画像Pと、仮想空間画像Vとを共に投影して行われる。仮想空間画像Vは、仮想空間画像Vの全体よりも面積が小さい表示画像投影領域20と、仮想空間画像Vの端縁部と表示画像投影領域20との間に表示される奥行き表示領域30とを有している。本実施形態において、仮想空間画像Vは、部屋Rの壁面Wの略全面に投影されている。仮想空間画像Vは、ユーザから見て、表示画像Pが、実際の投影面である部屋Rの壁面Wと略平行であって、壁面Wよりもユーザから離れた位置にある、表示画像投影領域20により示される仮想投影面に投影されていると感じられる(錯覚する)ように画像表示を行うものである。表示画像投影領域20は、例えば、仮想空間画像Vすなわち壁面Wと略相似形の矩形形状に表示されており、奥行き表示領域30は、仮想空間画像Vの端縁部すなわち壁面Wの各辺とそれに対応する表示画像投影領域20の辺とを上底及び下底とする4つの台形形状に表示されている。4つの奥行き表示領域30は、図に示すように、部屋Rの天井面、壁面Wの両側壁面、床面の4面とそれぞれあたかも同一平面をなすかのように対応するように、壁面画像を表示する。表示画像Pは、表示画像投影領域20に表示される。従って、これにより、ユーザが、あたかも、壁面Wよりもユーザから離れた位置にある、表示画像投影領域20に示される仮想投影面に表示画像Pが投影されているかのように錯覚しうるように、仮想空間画像Vが表示される。この仮想空間表示は、制御部7の制御に基づき実行される。仮想空間表示は、例えば、通常表示機能の実行中に、ユーザの操作により選択的に実行される。
本実施形態において、仮想空間表示は、その仮想空間画像の表示態様を調整するための仮想空間調整機能を実行したうえで実行される。なお、仮想空間表示を行っているときには、ユーザによる操作に応じて、適宜、制御部7が仮想空間調整機能を実行させるように構成されている。図4は、仮想空間表示を行うときの仮想空間調整機能の流れを示す。ユーザにより、操作キー61等を用いた仮想空間表示を行う旨の操作があると、制御部7は、まず、壁面Wに投影する画像中にユーザの操作を案内するガイダンス表示を表示させ、仮想空間調整を開始する。仮想空間調整は、おおまかに、仮想空間画像Vを表示する領域である仮想想空間領域の設定を行うステップと(S1;第1ステップ)、仮想空間画像Vのユーザからの見え方を指定する仮想空間設定を行うステップと(S2;第2ステップ)、表示画像投影領域20内での表示画像Pの見え方を指定する表示領域設定を行うステップと(S3;第3ステップ)の3つのステップを順に経ることで完了する。ガイダンス表示は、後述のように、これら3つのステップの順序に従い表示されるように構成されている。
図5は、仮想空間領域の設定時の操作の流れと壁面Wに投影される画像を示す。先ず、ユーザにより仮想空間表示を行う旨が選択される(S11)。この選択は、例えば、ユーザにより、操作キー61を用いて仮想空間表示をさせるための操作が行われたとき、図に示すように、ユーザの意図を確認するためのガイダンス表示10を、ユーザが操作キー61により操作可能なカーソル11と共に投影表示させて行われる。ユーザは、投影された画像中でガイダンス表示10に基づきカーソル11を移動させて仮想空間表示を行うか否かを決定する操作を行うことができるので、誤操作を防止しつつ、確実に仮想空間表示を実行させることができる。仮想空間表示を行う旨が選択されると、例えば仮想空間領域V0となりうる範囲を青色等で仮表示すると共に(S12)、ガイダンス表示10を行い、その仮想空間領域V0となりうる範囲が壁面Wの全体を覆うようにユーザにプロジェクタ1の操作や位置変更を行わせる。このとき、仮表示する範囲は、壁面Wに画像表示可能な最大範囲とされる。ユーザにより当該範囲が壁面Wの全体を覆うようにする操作等が終了した旨の操作があると、ユーザにより、実際に仮想空間領域V0を表示する位置を指定させる(S13;領域位置指定ステップ)。仮想空間領域V0の位置指定は、例えば、図に示すように、隅指定カーソル12を表示させ、その隅指定カーソル12を壁面Wの4隅にそれぞれ位置させる操作をユーザにより行わせることで完了する。カーソル11を含む投影した画像を用いて、隅指定カーソル12の位置指定が終了した旨の操作がユーザによりなされると、制御部7は、隅指定カーソル12により指定された点を頂点とする略矩形形状に、仮想空間領域V0を限定する(S14;投影範囲限定ステップ)。すなわち、ユーザは、表示する仮想空間領域V0の隅部位置を指定することにより、仮想空間領域V0を容易に設定することができる。なお隅部位置の指定は、矩形形状の仮想空間領域V0の対角をなす2点を隅指定カーソル12等により指定することにより行うことができるように構成されていてもよい。また、仮想空間領域V0の限定は、例えば、限定する範囲外となる部位には、光を投影しないようにすればよい。これらの一連の操作(S12乃至S14)を行うことにより、ユーザは、仮想空間領域V0を、例えば壁面Wの略全面を覆うように設定することができる。
図6は、仮想空間設定時の操作の流れと壁面Wに投影される画像を示す。仮想空間設定は、仮想空間領域V0が設定されると、制御部7は、その仮想空間領域V0に、仮想空間画像Vを仮表示して行われる(S21)。ユーザは、表示された表示画像投影領域20の大きさを仮想空間画像V内で変更する(S22;奥行き設定ステップ)。この操作は、所定の操作キー61等を用いることにより行われる。ユーザは、表示画像投影領域20の大きさを例えば大きく変更することにより、表示画像投影領域20により示される仮想投影面の位置がよりユーザに近づくように、仮想空間画像Vを調整することができる。このとき、本実施形態では、例えば、表示画像投影領域20を仮想空間画像Vの略中央に固定したままで表示し、ユーザの視点が壁面Wの略中央位置に向かう位置にあるときに、ユーザがより錯覚しやすくなるように構成されている。ユーザが所望の大きさに仮想空間画像Vを設定すると、上述と同様なカーソル11とガイダンス表示10等を用いたユーザの決定指示により、仮想空間設定が終了し、表示領域設定へと移る。
図7は、表示領域設定時の操作の流れと壁面Wに投影される画像を示す。仮想空間設定が終了すると、表示画像投影領域20上の略中央部に、表示画像Pが仮表示される(S31)。このとき、表示画像Pとしては、例えば、所定の画像や、無模様であって表示画像投影領域20や奥行き表示領域30とは区別しやすい色の画像等が使用される。表示画像Pには、上述と同様に、適宜、ユーザが行うべき操作等を説明するガイダンス表示10が表示される。ユーザは、所定の操作キー61を操作すること等により、仮表示された表示画像Pの大きさが所望の大きさになるようにし、カーソル11等を用いた決定操作を行う(S32)。これにより、表示画像Pが表示される表示領域が指定され、制御部7は、指定された表示領域に、外部機器等から入力される画像を表示画像Pとして表示開始する(S33)。
このように、本実施形態においては、壁面Wに仮想空間画像Vが投影されることにより、ユーザには、錯覚により、表示画像Pが、壁面Wよりユーザから離れた仮想投影面に表示されているように見える。従って、ユーザが壁面Wに近づかざるを得ない場合等に、表示画像Pをユーザが見やすい程度の大きさで表示させても、ユーザには、あたかも、広い部屋において、プロジェクタの性能を十分に発揮させて表示画像Pを比較的大きく表示させているように感じられる。それゆえ、ユーザに、より高い満足感をもたらすことができる。仮想空間調整機能を実行することにより、ユーザは、例えば、仮想空間画像Vにより錯覚する仮想空間がユーザの居る部屋Rの空間と同じ空間であるように見えるようにしたり、表示画像投影領域20の大きさを調節してユーザが錯覚する仮想投影面とユーザとの距離を変更する等して、仮想空間画像V表示画像Pのユーザからの見え方を調整することができる。従って、例えばユーザの居る部屋Rの広さ等に応じて、より多様に仮想空間表示させ、ユーザが効果的に錯覚できるようにした状態で、表示画像Pを表示させることができる。
また、壁面Wに画像表示可能な最大範囲内において、実際に仮想空間画像Vを表示する範囲を指定することができるので、壁面Wの形状に関わらず、壁面Wの全体を容易に指定して仮想空間領域V0を表示させることができる。従って、例えば、より広い部屋にあたかも居るかのようにユーザに錯覚させるようにさらに効果的に仮想空間画像Vを表示させることができる。さらにまた、ユーザは、仮想空間調節機能の実行時に、ガイダンス表示10に応じて必要な操作を行うことができるので、容易に、仮想空間表示を適切に実行させることができる。
図8は、本発明の第2実施形態に係るプロジェクタ41により投影される画像の一例を示す。第2実施形態において、上述の第1実施形態と相違する部分についてのみ説明する。プロジェクタ41を構成する各部位は、上述の第1実施形態に係るプロジェクタ1と略同様である。プロジェクタ41は、仮想空間設定時に、上述のような表示画像投影領域20の大きさの設定だけでなく、表示画像投影領域20の仮想空間画像V1内での位置を設定することができる点が上述のプロジェクタ1とは異なる。これにより、図に示すように、例えば、部屋Rの投影面となる壁面Wの下方前方に、ソファー等の障害物Obが存在する場合であっても、ユーザに違和感を覚えさせることなく、仮想空間表示を行うことができる。
以下に、第2実施形態における仮想空間調節機能について説明する。図9は、仮想空間領域の設定時の操作の流れと壁面Wに投影される画像を示す。図に示すように、第2実施形態では、障害物Obを避けて、壁面Wに仮想空間領域V0を設定する点が第1実施形態と異なる。すなわち、ユーザは、仮想空間表示を行う旨を選択した後(S11)、仮想空間領域V0の仮表示時に、例えば仮想空間領域V0が障害物Obを避けるようにプロジェクタ41の画像投影範囲を調節する(S12)。このとき、図に示すように、ガイダンス表示10として、ユーザに、障害物Obを避けて仮想空間領域V0を設定するように促す表示をしてもよい。その後、ユーザは、仮想空間領域V0が、障害物Obが設けられている位置を避けて壁面Wにのみ投影されるように、隅指定カーソル12の位置を調整し、調整終了した旨の操作を行うことにより、仮想空間領域V0の位置指定を実行する(S13)。これにより、障害物Obを避けて、仮想空間領域V0を設定し、仮想空間画像V1を表示することができる(S14)。
図10は、仮想空間設定時の操作の流れと壁面Wに投影される画像を示す。第2実施形態では、第1実施形態と略同様に表示画像投影領域20の奥行きを調節した後(S62)、その表示画像投影領域20の仮想空間画像V1内における位置を調節する視点位置設定を行う(S63,S64;視点設定ステップ)。視点位置設定は、例えば、ユーザの操作キー61の操作に応じて、表示画像投影領域20の位置を仮想空間画像V1内において上下に移動することができるようにして行われる。視点位置設定は、例えば、図に示すように、仮想空間画像V1の位置が壁面Wの上方に設定されているときに、ユーザの視点が低ければ、表示画像投影領域20の位置を仮想空間画像V1の下方に移動させて行う。ユーザの視点が高ければ、表示画像投影領域20の位置を仮想空間画像V1の上方に移動させて行う。このように、プロジェクタ41では、例えば、表示画像投影領域20のユーザからの見え方を、ユーザの視点の位置に応じてユーザが変更することができるように構成されているので、ユーザの視点位置が仮想空間画像V1の中央部に対向する位置でなくても、仮想投影面が壁面Wよりもユーザから離れているように、より確実に錯覚できるようにすることができる。なお、表示画像投影領域20の位置を、上下方向のみならず、左右方向に変更可能に構成されていてもよい。
図11は、表示領域設定時の操作の流れと壁面Wに投影される画像を示す。表示領域設定では、上述の第1実施形態と同様に、ユーザは、表示画像Pが仮表示された状態で(S31)、表示画像Pの大きさが所望の大きさになるようにし、カーソル11等を用いた決定操作を行う(S32)。制御部7により、指定された表示領域に、外部機器等から入力される画像が表示画像Pとして表示開始され(S33)、仮想空間調節機能が終了する。このとき、表示画像Pの大きさだけでなく、表示画像Pの表示画像投影領域20内での位置も変更することができるように構成されていてもよい。これにより、より多様な態様で仮想空間表示させることが可能になる。
このように、第2実施形態においては、奥行き設定ステップ及び視点設定ステップを経て、仮想空間領域V0の範囲内において表示画像投影領域20の大きさと位置を適宜設定することができる。従って、ユーザが錯覚する仮想投影面とユーザとの距離を調節できる上、壁面Wの一部に障害物Ob等があって画像を投影可能な部位が制限されていたり、ユーザの視点位置が壁面Wの中央部に面する位置でなくても、ユーザが違和感なく錯覚することができるようにすることができる。そのため、第1実施形態と同様の効果の他、より効果的に仮想空間表示を行うことが可能になり、ユーザにさらなる満足感をもたらすことができる。
なお、本発明は上記実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を変更しない範囲で適宜に種々の変形が可能である。例えば、仮想空間画像は、表示画像投影領域を種々の形状を表示するように構成されていてもよい。図12は、例えば、角丸形状の表示画像投影領域22を表示するように構成されたプロジェクタ71の投影画像の一例を示す。図に示すように、仮想空間画像V2は、表示画像投影領域22により示される仮想投影面が壁面Wよりもユーザから離れているようにユーザが錯覚しうるように、ユーザから見て表示画像投影領域22とは別の平面、曲面に見えるように表示される奥行き表示領域32を含んでいる。このような仮想空間表示が実行可能であることにより、より多様な仮想空間表示を行うことが可能になり、ユーザに高い満足感をもたらすことができる。
本発明の第1実施形態に係るプロジェクタの一例を示すブロック図。 上記プロジェクタの通常表示例を示す図。 上記プロジェクタの仮想空間表示例を示す図。 上記プロジェクタの仮想空間調整機能の流れを示すフローチャート。 上記仮想空間調整機能における仮想空間領域の設定時の操作の流れを壁面に投影される画像と共に示すフローチャート。 上記仮想空間調整機能における仮想空間設定時の操作の流れを壁面に投影される画像と共に示すフローチャート。 上記仮想空間調整機能における表示領域設定時の操作の流れを壁面に投影される画像と共に示すフローチャート。 本発明の第2実施形態に係るプロジェクタの仮想空間表示例を示す図。 上記プロジェクタの仮想空間領域の設定時の操作の流れを壁面に投影される画像と共に示すフローチャート。 上記プロジェクタの仮想空間設定時の操作の流れを壁面に投影される画像と共に示すフローチャート。 上記プロジェクタの表示領域設定時の操作の流れを壁面に投影される画像と共に示すフローチャート。 本発明の一変形例に係るプロジェクタの仮想空間表示例を示す図。
符号の説明
1,41,71 プロジェクタ
4a 投影レンズ
7 制御部
10 ガイダンス表示
20,22 表示画像投影領域
30,32 奥行き表示領域
P 表示画像
S1 仮想想空間領域設定(第1ステップ)
S2 仮想空間設定(第2ステップ)
S3 表示領域設定(第3ステップ)
S13 領域位置指定(領域位置指定ステップ)
S14 投影範囲限定(投影範囲限定ステップ)
S22,S62 奥行き設定(奥行き設定ステップ)
S64 視点位置設定(視点設定ステップ)
V,V1,V2 仮想空間画像
V0 仮想空間領域
W 壁面(投影面)

Claims (5)

  1. 投影レンズから、その投影レンズに対向する投影面に、ユーザが視認可能に表示画像を投影するプロジェクタであって、
    前記投影面に、前記表示画像が前記投影面よりもユーザから離れた位置にある仮想投影面に投影されているとユーザが錯覚するように、仮想空間画像を、前記表示画像と共に投影する仮想空間表示機能を備え、
    前記仮想空間画像は、
    仮想空間画像よりも面積が小さい表示画像投影領域と、
    当該仮想空間画像の端縁部と前記表示画像投影領域の端縁部との間に前記表示画像投影領域とは別の面を構成するように表示され、前記表示画像投影領域が前記投影面から奥に離れているようにユーザに錯覚させる奥行き表示領域とを有していることを特徴とするプロジェクタ。
  2. 前記仮想空間表示機能が実行されるとき、当該ユーザからの前記仮想空間画像及び前記表示画像の見え方をユーザが調整するための仮想空間調整機能を有しており、
    前記仮想空間調整機能は、
    前記仮想空間画像を表示する領域である仮想空間領域を前記投影面上に設定する第1ステップと、
    前記第1ステップ後、前記仮想空間画像のユーザからの見え方を指定する第2ステップと、
    前記第2ステップ後、前記表示画像投影領域内での前記表示画像のユーザからの見え方を指定する第3ステップとを有していることを特徴とする請求項1記載のプロジェクタ。
  3. 前記第1ステップは、前記投影面に画像表示可能な最大範囲内において、表示する仮想空間領域の隅部位置をユーザにより指定させる領域位置指定ステップと、その領域位置指定ステップの後に当該指定された隅部位置に基づき決定した領域の範囲内に仮想空間画像の投影範囲を限定する投影範囲限定ステップとを含むことを特徴とする請求項2記載のプロジェクタ。
  4. 前記第2ステップは、前記第1ステップで設定された仮想空間領域の範囲内において、前記表示画像投影領域の大きさをユーザにより指定させる奥行き設定ステップ及び/又は前記表示画像投影領域の位置をユーザにより指定させる視点設定ステップを含むことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のプロジェクタ。
  5. 前記仮想空間調整機能の実行時には、前記投影面に、ユーザの操作を案内するガイダンス表示を、前記第1ステップ乃至第3ステップの順序に従い表示させることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載のプロジェクタ。

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013149023A (ja) * 2012-01-18 2013-08-01 Nikon Corp 表示システム、表示プログラム、および表示方法
WO2023162688A1 (ja) * 2022-02-28 2023-08-31 富士フイルム株式会社 制御装置、制御方法、及び制御プログラム
JP7505413B2 (ja) 2021-01-27 2024-06-25 積水ハウス株式会社 映像投写空間の壁構造

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