JP2008528482A - 有効成分としてカンタリスの非極性溶媒可溶性抽出物を含む毛髪増殖を改良するための組成物 - Google Patents

Abstract

有効成分としてカンタリスの非極性溶媒可溶性抽出画分を含む毛髪増殖刺激組成物を開示する。その組成物は従来のものと比べて優れた毛髪増殖活性を示し、最小の皮膚刺激を示す。その組成物は医学的、非医学的製品および化粧品を含む様々な分野で毛髪増殖に用いられる。

Description

本発明は有効成分としてカンタリス（Cantharis）の非極性溶媒可溶性抽出物を含む毛髪増殖刺激組成物に関する。

脱毛、即ち毛髪喪失の原因は遺伝的要素、男性ホルモンテストステロンの過度の分泌、皮脂の過度の分泌、毛髪濾胞における血流の減少、ストレス、ダイエット、空気汚染、毛髪状態等を含むことが知られている。これまで毛髪喪失を防止する代表はフィナステライド（finasteride)（米国特許第５５４７９５７号）である。それは２，５−αレダクターゼの特異的阻害剤であり、その酵素はアンドロステロン性テストステロンをジヒドロテストステロンに代謝する酵素、アンドロゲン性脱毛の主な原因である。その化合物Merck Co., USAにより「ＰＲＯＰＥＳＩＡ」の商標で商業化されており、ＵＳ ＦＤＡにより承認されている。しかしがら、この錠剤は毛髪喪失処置の効果を維持するために連続的に摂取しなければならない。更に、妊娠した女性は吸収の可能性のためにＰＲＯＰＥＳＩＡを扱うべきではない。またＰＲＯＰＥＳＩＡの臨床的研究において、男性は、長期間それを摂取すると、性に対する欲望の減少、勃起機能不全、または精液量の減少等のある性的副作用を経験することが報告されている。

ミノキシジル(minoxidil)は高血圧の治療のために最初導入された血管拡張神経薬である。ミノキシジルが毛髪増殖の副作用を有することが発見された後、その局所用溶液が毛髪喪失治療として商業化された。（韓国特許１０−２００３−００２０４４６、米国特許第４５９６８１２号、同第４１３９６１９号）。ミノキシジルの新しい毛髪を増殖させる有効性は複雑な薬理学的機構に帰せられることが知られている。ミノキシジルは毛髪増殖を刺激するためにＵＳ ＦＤＡにより承認された唯一の局所薬であるが、皮膚刺激、かゆみ、かぶれ、毛髪喪失の悪化などの副作用を有する。同様にこの薬物は毛髪増殖効果を維持するために連続して用いなければならない。

カンタリス（Cantharis)は光輝く緑色の柔らかい身体のツチハンミョウカの甲虫、Meloidae科の甲虫である。Meloidae科の甲虫は、Epicauta gorhami Marseue, Lyta vesicaforia latreille, Mylabris cichorii Linne, およびMylabris phalerata Pallas等を含む。カンタリスの語は利尿薬、反対刺激薬、性欲刺激薬として用いられる粉末の甲虫製品にも適用され、少量の脂質および芳香剤とともにcantharidinを含む。カンタリスは通常限られた用途のために局所的にのみ用いられる。何故ならそれは経口投与後非常に高い毒性を誘導するからである。それは血行停止または血液管外遊出の皮膚スポットに適用される（Herbology、ｐp 646-647、 Young Lim Publishing Company 韓国により１９９１年出版）。
韓国特許公開２００３−００７０７８０はカンタリスおよびそれをベースにする抗炎症硬膏を含むいくつかの草本の薬品を含む草本組成物を開示する。韓国特許公開１９９５−０００７８６４はカンタリスを微粉化し、３つの薬用植物と組合せ、それらをアルコールで抽出し、そのアルコール溶液を濾過することにより製造した発泡溶液、その発泡溶液をはり点に適用してブリスターを形成し、その後ブリスターから毒性の浸出液を除去する治療方法を開示する。

１４の草本の組成物から作ったヘアトニックが日本特許公開第２５６１１１６号に導入された。カンタリスはこのヘアトニックに含まれている。しかしながら、それは皮膚刺激やかさぶた生成等の副作用を導きうる。なぜならカンタリスも皮膚に適用した時強い毒性を有するからである。

米国特許第５５４９５７号 韓国特許１０−２００３−００２０４４６号公報 米国特許第４５９６８１２号 米国特許第４１３９６１９号 韓国特許公開２００３−００７０７８０ 日本特許公開第２５６１１１６号 Herbology、ｐp 646-647 Young Lim Publishing Company

本発明に至る迄、カンタリスの様々な溶媒中の抽出画分についての薬理学的活性と皮膚毒性をスクリーニング後、毛髪増殖についての徹底的な研究が本発明者により行われ、カンタリスのヘキサンおよび非極性有機溶媒の抽出画分が毛髪増殖に優れた刺激活性を有するが皮膚に刺激しないという発見をした、

従って、本発明の目的はカンタリス（Cantharis）の非極性溶媒可溶性の抽出画分をベースにした組成物を提供することであり、その組成物は毛髪増殖の優れた刺激活性を有し、皮膚に対する低い副作用を有する

本発明の一態様によれば、有効成分としてカンタリスの非極性溶媒可溶性の抽出画分を含む毛髪増殖を刺激する組成物を提供する。

本発明で有用なカンタリスは、Epicauta gorhami Marseue, Lytta vesicaforia Latreille, Mylabris cichorii Linne, Mylabris phalerata Pallas等およびそれらの組合せよりなる群から選択される。

カンタリスの抽出に有用な非極性溶媒はヘキサン、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタンおよび酢酸エチルから選択され、ヘキサンが好ましい。
好ましくは、非極性溶媒によるカンタリスの抽出は組成物の１００重量部をベースにして０．００１−１０重量部を含む。

抽出前に、カンタリスは従来の方法を用いて乾燥する。乾燥したカンタリスまたはその粉末は典型的な方法に従い有機溶媒中で抽出する。

本発明の組成物中に含まれるカンタリスの非極性溶媒可溶性の抽出画分は、
１）乾燥カンタリスを細かくスライスするか粉末化する、
２）それを一度または数度、２−３０重量部の水、１−４の炭素原子を有する低級アルコールまたはそれらの組み合わせで、冷沈澱、超音波、還流冷却を用いて抽出した後、濾過、抽出物を真空濃縮または乾燥して粗製の抽出物を得、
３）水中の粗製の抽出物の懸濁液を約１−２０容積の非極性溶媒に加え、それを一度〜五度分別し、画分を減圧下に濃縮することにより調製しうる。場合により、典型的な分別方法を付加的に行う。

この方法で製造したカンタリスの非極性溶媒可溶性の抽出画分は、毛髪増殖および皮膚に対するその効果を評価した場合、最小の皮膚刺激で優れた毛髪増殖刺激活性を有することが見出された。

特に、カンタリスのヘキサン可溶性抽出確聞は最も優れた毛髪増殖刺激効果を示す。アセトン、クロロホルム、ジクロロメタンおよび酢酸エチル等のヘキサン様有機溶媒も毛髪増殖を高度に刺激し少ない皮膚刺激を引き起こす。

本発明による毛髪増殖を刺激する組成物の成分はカンタリスの非極性溶媒可溶性の抽出画分および他の成分を用いて製造できる。これらは毛髪増殖刺激剤または上の成分と異なる作用を有する他の有効成分と頭皮に局所的に適用した場合毛髪増殖を改良できる成分である。

本発明に従って毛髪増殖を刺激する組成物は、医薬的または非医薬的供給品または化粧品としての使用のために製剤化される。
好ましくは、本発明に従って毛髪増殖を刺激する組成物は、液体、ローション、クリーム、軟膏、ゲル、エアゾル等の医薬的および非医薬的供給品、およびシャンプー、シャンプーおよびリンス、ヘアトニック、ヘアクリーム、ヘアオイル、スプレー等の化粧品を含む局所投与形に製剤化される。

本発明に従って毛髪増殖を刺激する組成物の製造については、有効成分は、外部使用のための医薬的または非医薬的供給品または化粧品に用いる従来の添加物とともに製剤化しうる。詳細には、水、有機溶媒、混合溶媒等の溶媒、様々な溶液、可溶化剤、界面活性剤、浸透促進剤、加湿化剤、シックナー、ｐH調節剤、保存剤、安定剤、緩衝剤、着色剤、芳香剤等を用いうる。

好ましくは本発明に従って毛髪増殖を刺激する組成物は広げまたは頭皮に直接スプレーする。本発明の組成物の用量は、年齢、毛髪喪失の程度、等の個別の条件および処方により変化しうる。通常、適当な量の組成物を頭皮に一日一度または数度、１週間〜１月の間適用する。

本発明をよりよく理解するために次の実施例を与える。それは説明のためであり、本発明を限定すると解釈すべきではない。

毛髪増殖を刺激するための組成物
１）カンタリスのヘキサン可溶性抽出画分の調製
２リッターのメタノール中の３００ｇのカンタリスの４８時間冷沈澱により得た溶液を濾過し、減圧下で濃縮する。この工程を３回繰り返した。約３０ｇのカンタリスの粗製の抽出物を得た。３００ の精製水中の粗製のカンタリス抽出物の懸濁液を３００ のヘキサンで３回分別し、ヘキサン可溶画分を減圧下で濃縮した。約１３ｇの油状のカンタリスヘキサン可溶画分を得た。

２）外的使用のための毛髪増殖刺激組成物の製造
実施例１）で製造したカンタリス）のヘキサン可溶性の抽出画分を４０％エタノール及びLauroglycol FCC(Gateffosse,フランス）に溶解し（９：１）、外的使用のための３％組成物を得た。その薬理学的活性と皮膚刺激を次のように評価した。精製水を対照として用いた。５％のミノキシジルを含むMinoxyl溶液(Hyundai Pharm Ind. Co., Korea)を参考１として、精製水中の実施例１）の粗製のカンタリス抽出物の１％溶液を参考２として用いた。

２−１）毛髪増殖
実施例２で作った組成物の毛髪増殖活性をＣ５７ＢＬ／６マウスを用いて測定した。
４週令のマウスを購入刺激、微生物のいない動物研究室に２週間適応させた後。マウスの背中の毛髪を除去し、マウスを１日間安定化させた。８匹のマウス各試験群に用いた。
本発明の組成物、対照、および参考を毛髪除去の第２日から、対照群の毛髪増殖サイクルとしての毛髪発生期がカターゲンからアナーゲンに進む迄、１日１度、２００ の用量で、マウスの毛髪除去した背中に適用した。
マウス背中の毛髪を除去した面積および毛髪増殖面積をデジタルカメラで撮影した。画像中の面積をイメージ分析プログラム（Ｉｍａｇｅ−ｐｒｏ Ｅｘｐｒｅｓｓ ４．５−，Ｍｅｄｉａｃｙｂｅｒｎｅｔｉｃｓ ＣＯ、ＵＳＡ）を用いてデジタル化した。毛髪除去面積に対する毛髪増殖面積のパーセントとして毛髪増殖割合を計算した。結果を下の表１に示す。

２−２）皮膚刺激
実施例２で製造した組成物による皮膚刺激をＣ５７ＢＬ／６マウスを用いて測定した。
試料を実施例２−１）と同じ方法を用いて適用した。適用後４日目に皮膚刺激の程度を次のように評価した。
０：刺激なし
１：わずかな紅斑
２：紅斑
３．僅かなかさぶた
４：かさぶた

結果を下の表１に示す。
表１のデータから明らかなように、本発明の組成物の毛髪増殖活性は優れていた。その毛髪増殖比は参考１のminoxidilに比べ２倍以上大きい。しかしながら、それは対照群に比べ皮膚刺激に顕著な差を示さない。
参考２のカンタリスの粗抽出物もminoxidilに比べ優れた毛髪増殖を示した。しかしそれはかさぶた生成のようなシビアな皮膚刺激を引き起こし、外的使用には不適当である。

^＊平均±ＳＤ（ｎ＝８）
^＊参考１と有意差（Ｐ＝０．０５）
^キ対照と有意差（Ｐ＝０．０５）

製造実施例１
毛髪増殖刺激のための局所溶液の製造２
外的使用のための２％溶液を、４０％エタノール中に実施例１で製造したカンタリスのヘキサン可溶抽出画分を溶解して製造した。

製造実施例２
毛髪増殖刺激のための局所溶液の製造３
外的使用のための２％溶液を、１０％Transcutol（Gateffosse, France) 中に実施例１で製造したカンタリスのヘキサン可溶抽出画分を溶解して製造した。

製造実施例３
毛髪増殖刺激のためのヘアトニックの製造１

１００迄の精製水
すべての成分を均一に混合し、室温で溶解した。

製造実施例４
毛髪増殖刺激のためのヘアトニックの製造１

１００ 迄の精製水
すべての成分を均一に混合し、室温で溶解した。

上述のように、本発明による毛髪増殖を刺激するための組成物は優れた毛髪増殖活性を有し、最小の皮膚刺激を示すことができる。
従って本発明の組成物は医学的、非医学的および化粧品の分野で毛髪増殖のための様々な利用を見出すことができる。
本発明の好ましい態様を説明の目的で開示したが、当業者は様々な改変、付加、置換が、特許請求の範囲に開示した範囲と精神から離れることなく可能であることを認識するであろう。

Claims (5)

1. 有効成分として非極性の溶媒で抽出したカンタリス（Cantharis）の抽出画分を含む毛髪増殖を刺激するための組成物。
2. 非極性の溶媒がヘキサン、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチルおよびそれらの混合物から選択される請求項１に記載の組成物。
3. 非極性の溶媒で抽出したカンタリスの抽出画分が組成物の１００重量部をベースにして０．００１−１０重量部含まれる請求項１に記載の組成物。
4. 組成物が外的使用のためである請求項１〜３のいずれかに記載の組成物。
5. 組成物が医学的、非医学的供給品または化粧品用に製剤された請求項４に記載の組成物。