JP2008502622A - プロリンまたはその誘導体および抗腫瘍抗体からなる抗癌組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は抗癌リガンド、より好ましくは腫瘍抗原に対する抗体、を伴うプロリン、プロリン誘導体、それらの塩、エステル、異性体、ラセミ体、鏡像異性体あるいはプロドラッグから成る医薬組成物に関する。本発明はまた、癌の治療を目的とする医薬組成物製造のためのプロリン、プロリン誘導体、あるいはそれらの塩、エステル、異性体、あるいはプロドラッグの使用、および当該組成物を投与することによる癌の治療方法を対象とする。
Description
本発明は、抗癌リガンド、より好ましくは腫瘍抗原に対する抗体、を伴うプロリンまたはプロリン誘導体またはそれらの塩、エステル、異性体、またはプロドラッグから成る医薬組成物に関する。本発明はまた、癌の治療を目的とした医薬組成物の製造のためのプロリンまたはプロリン誘導体またはそれらの塩、エステル、異性体、またはプロドラッグの使用および該組成物の投与による癌治療の方法に向けられる。
癌は世界中において重要な健康上の問題である。癌の発見及び治療における前進はなされてきたが現在のところワクチンその他普遍的に良好な予防法あるいは治療法はない。この病気への対処は今のところ早期診断と積極的処置との組み合わせに頼っており、それらは外科手術、放射線療法、化学療法及びホルモン療法のような様々な療法の一つまたはそれ以上を含み得る。そうした療法は多くの患者に利点をもたらすが、多くの癌に関して依然高い死亡率が見受けられる。改良された抗腫瘍剤の開発は癌の予防および処置を容易にする。
残念なことに、癌は男性においても女性においても心臓疾患に次ぐ2番目の主要な死因である。癌との戦いにおいて多くの技術が開発されまた、それらの技術は、この病気の性質及び原因の理解およびそのコントロールあるいは治癒のための方法の提供に向けられる最近の研究の主題である。
米国特許第4,256,108号
米国特許第4,166,452号
米国特許第4,265,874号
米国特許第5,567,434号
米国特許第5,552,157号
米国特許第5,565,213号
米国特許第5,738,868号
米国特許第5,795,587号
Gabizon and Papahadjopoulos, 1988
Takakura, 1998
Chandran et al., 1997
Margalit, 1995
Henry-Michelland et al., 1987
Quintanar-Guerrero et al., 1998
Douglas et al., 1987
幾千もの潜在的抗癌剤が評価されてきたが、ヒトの癌の処置は依然合併症を伴い、しばしば一連の不十分な処置の選択を呈することになる。そうしたことから、毒性がほとんどないあるいは皆無で、採取あるいは製造が高価でなく、患者にとって充分耐えられ、投与が容易な化学療法薬は、現在腫瘍研究者が使用可能な治療様式に望ましい選択肢を追加するであろう。悪性組織に選択的に感受性を与え、より低い放射線量を可能にする薬剤、健常組織へのダメージがより少なく同じ治療効果を得るための治療法もまた望ましい。
同様に、癌の発生あるいは再発を予防する薬剤もまた望ましい。本発明はそうした化学療法的で感受性を与える薬剤の提供によりこれらのニーズを解決する。
従って、本発明の根底にある技術的課題は、抗癌活性を示す代替的あるいは改善修正された化合物を提供し、次いでこれらの化合物から抗癌治療に使用されうる医薬組成物を生成することである。
多薬剤耐性が生じた後に投与され得る抗癌組成物を提供することもまた本発明の目的である。
多薬剤耐性が生じた後に投与され得る抗癌組成物を提供することもまた本発明の目的である。
請求項に定義されたように具体例を提供することにより本発明の課題は解決される。
驚くべきことに、プロリン又はプロリン誘導体、たとえばシス-4-ヒドロキシ-L-プロリン(cis-4-hydroxy-L-proline)と抗癌リガンド、好ましくは腫瘍細胞の抗原(レセプター)に対する抗体、との組み合わせが癌あるいは癌様の病状の治療に有用であることが発見された。これらの組み合わせについて相乗効果が見出された。その組み合わせ組成物は癌細胞の生存および/または成長および/または望ましくない細胞成長全般を阻害するのに効果的である。
本発明は更に、抗腫瘍抗体と組み合わせた治療上効果的な量のプロリンまたはプロリン誘導体またはそれらの塩、エステル、異性体、またはプロドラッグを含有する医薬組成物、および該化合物の組み合わせを用いた治療法を提供する。特に本発明は抗腫瘍抗体、好ましくはモノクローナルまたは二重特異性抗体と組み合わせたプロリン又はプロリン誘導体、好ましくは、シス-4-ヒドロキシ-L-プロリン(cis-4- hydroxy-L-proline)(CHP)、4-ヒドロキシ-1-メチル-プロリン(4-hydroxy-1-methyl-proline)、1-メチル-4-フェニルアミノ-カルボニルオキシ-プロリン(1-methyl-4-phenylamino-carbonyloxy-proline)または1-メチル-4-フェニルアミノ-カルボニルオキシ-プロリン(1-methyl-4-phenylamino-carbonyloxy-proline)あるいはそれらの塩、異性体、エステルまたはプロドラッグの投与による癌の処置法に関する。本発明に従って使用され得るその他の好ましいプロリン誘導体は、シス-4-ヒドロキシメチル-L-プロリン(cis-4-hydroxymethyl-L-proline)、トランス-4-ヒドロキシメチル-D-プロリン(trans-4-hydroxymethyl-D-proline)、トランス-4-ヒドロキシメチル-L-プロリン(trans-4-hydroxymethyl-L-proline)、トランス-4-メチル-L-プロリン(trans-4-methyl-L-proline)およびシス-3-アミノ-L-プロリン(cis-3-Amino-L-proline)またはそれらの対応する塩のいずれかである。本発明に従い使用されるプロリン及びその誘導体は市販され、よく知られた化合物である。使用される好ましいプロリン誘導体は、エステル、特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルまたはイソブチルエステルを含む。
本発明の好ましい具体例においては使用された抗体はモノクローナル抗体であり、トラスツズマブ(Trastuzumab)(ハーセプチン(Herceptin))、セツキシマブ(Cetuximab)、リツキシマブ(Rituximab)、アバスタチン(Avastatin)またはEGFR−mAbから成る群より選択される。使用される抗体はよく知られている市販の腫瘍抗原に対する抗体である。
本発明によれば二重特異性および/または複数特異性抗体を使用することも可能である。
本発明はまた、抗腫瘍/抗癌剤および/または上記の組み合わせ組成物の投与により多薬剤耐性が発生した場合の癌の治療法にも向けられる。
従って、本発明はプロリンまたはそのアイソフォームまたはその誘導体の、癌抗原に対向し、それ故異常な細胞の発育を阻害する、特に腫瘍細胞の発育を阻害する、また、血管新生および内皮細胞の血管形成を阻害する能力を有する抗体との組み合わせ方法を提供する。
同様にクレームされるのは、その抗癌組成物の2つの活性物質、特にCHP、4-ヒドロキシ-1-メチル-プロリンまたは1-メチル-4-フェニルアミノ-カルボニルオキシ-プロリン、またはその塩、エステル、異性体またはプロドラッグ、および抗癌抗体、から成る異常な細胞生育を阻害するためのキットである。プロリンまたはその誘導体、塩、エステル、異性体またはプロドラッグのいずれもそのキット内で抗癌抗体とは別の容器に貯蔵される。そのキットの各部の使用法に関する情報もまた含まれる。医薬組成物の2つの活性物質を別々に保存することによりそれらの物質を異なった方式において(同時にあるいは続けて)投与することが可能である。
本発明は更に腫瘍細胞レセプターの改変法に関し、そこにおいて腫瘍細胞はin vitroまたはin vivoで本発明の組み合わせ組成物またはプロリン若しくはプロリン誘導体若しくはこれらの塩、エステル、異性体若しくはプロドラッグで処理される。
方法、組成物、および細胞は当然変化し得るので、本発明は本明細書に記述した特定のそのような方法、組成物及び細胞には限定されないことが、本組成物、調薬、及び方法が記述される前に理解されるべきである。本明細書で使用される用語は特定の具体例のみを説明する目的によるものであって、添付された請求項によってのみ定義される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
本明細書において用いられるように、また添付された請求項をも含め、「ひとつの(a、an)」および「その(the)」などの単数形の語は、文脈が別途に明白に指図しない限り、対応するそれらの複数の指示物をも含む。従って、たとえば「ある有機体(an organism)」への言及は1またはそれ以上の異なる有機体を含み、「ある細胞(a cell)」への言及は1またはそれ以上のそうした細胞を含み、また「ある方法(a method)」への言及は通常の当業者にとって既知の同等のステップ及び方法への言及を含む、など。
別途に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術的及び科学的用語は本発明が属する技術分野において通常の当業者により一般に理解される意味と同一の意味を有する。本明細書に記述されたものと類似あるいは同等の方法及び材料が本発明の実施あるいは試験に使用され得るが、適切な方法および材料は下記に記述される。上記において検討した全ての出版物、特許出願、特許、及びその他の文献は本発明の出願日に先立つ開示に提供されているに過ぎない。先行する発明の長所によって、本発明がこのような開示を事前日付にする資格を与えられないことを、本明細書で認めるものと解釈されるべきではない。本明細書に記載の全ての出版物、特許出願、特許及び他の参考文献は、言及することにより全ての図表も含めて全体に組み込まれている。
本発明を説明する前に、以下に用いられる特定の用語の定義を示すことは本発明を理解する一助となり得るであろう。
本発明の目的のための「患者」はヒト及び他の動物、特に哺乳類、及び他の生物を含む。従ってその方法はヒトの治療と獣医学的応用の双方に適用され得る。好ましい具体例において患者は哺乳類であり、最も好ましくはヒトである。
「動物」という用語は血管の閉鎖循環系を持つ生物を指し、鳥類、哺乳類、及びワニを含む。本明細書で用いられる語「動物」はヒトである被験者をも含む。
「血管新生」という語は細胞、組織、器官あるいは腫瘍への新たな血管の生成を指す。
「転移」という語は腫瘍細胞が体の末梢部に拡がるプロセスを指す。その語は本明細書では転移のプロセスによって発達する腫瘍のことをも指すために使用される。
「接触している」という語は本明細書では以下のものと置き換えられるべく用いられる:〜と結合する、〜に加えられる、〜と混合される、〜を横切る、〜と共にインキュベートされる、〜に流しかけられる、等。更に、本発明の化合物は、本明細書に記述されるようにたとえば、非経口、経口、局所および吸引のルートといった通常のいかなる方法によっても「投与」され得る。
本明細書において用いられるように、「安全かつ効果的な量」という語は、本発明の手法に用いる際、理にかなった利点/リスク比率に相応する、過度の不利な副作用(例えば、毒性、刺激、あるいはアレルギー反応)を伴わずに所望の治療上の応答を与えるに十分な成分の量を指す。「治療上効果的な量」という語によって意味するのは、所望の治療応答を与えるのに効果的な本発明の化合物の量である。例えば、肉腫あるいはリンパ種のいずれかの癌の成長を遅らせるのに効果的な、あるいは癌を萎縮させるか転移させないようにする量。安全で治療上効果的な特定量は処置される病状の特定のタイプ、患者の体調、治療される哺乳類のタイプ、処置の期間、同時に行われる療法(もしもあれば)の性質および採用される特定の処方および化合物あるいはその誘導体の構造といった要因により異なるであろう。
「血管新生阻害剤」の量は、血管新生を減少させ、抑制しあるいは阻害するのに効果的な、あるいは血管新生による病気に伴う症状改善の結果を与える化合物または組成物の量を指す。所望の結果は、症状の主観的な軽減でも、客観的に認められ得る服用者における改善であってもよく、臨床医その他資格を有する観察者により認められる、内皮細胞の血管形成の減少や血管新生の速度の低下であってもよい。
「癌を治療する」、「治療」等の語は一般的に、癌を有する哺乳類における本発明の化合物での治療に起因し得る、あらゆる改善を指す。その改善は、主観的であっても客観的であってもよい。例えば、哺乳類がヒトであれば、改善の主観的兆候あるいは治療への応答として活気や生命力の改善、痛みの軽減を認めるかもしれない。あるいは、臨床医は、診察、検査パラメーター、腫瘍マーカーあるいはラジオグラフィーによる所見に基づき腫瘍の大きさの減少や腫瘍による負担の減少に気づくかもしれない。臨床医が治療応答について調べる為に観察し得る結果を得た研究所もあり、白血球数、赤血球数、血小板数、赤血球沈殿速度、および種々の酵素レベルの検査値の正常化を含む。更に臨床医は、検出可能な腫瘍マーカーの減少を認めるかもしれない。あるいは、他の検査は、ソノグラム、核磁気共鳴テストおよびポジトロンエミッションテストなど客観的改善を評価するのに用いられ得る。
「腫瘍細胞の成長を阻害すること」は腫瘍細胞の成長が減速したか減少したかを測定するための受け入れられているいかなる方法によっても評価され得る。これは、先に検討されたように直接的な観察と主観的症状や客観的兆候のような間接的評価とを含む
従って、本発明の組成物は細胞に投与される。ここで「投与された」とは、治療上効果的な量の本発明の候補薬剤の細胞培養物中のまたは患者の細胞への投与を意味する。ここにおいて「治療上効果的な服用量」とは、投与の目的となる効果を生じる服用量を意味する。正確な服用量は処置の目的に依存し、当業者により既知の技術を用いて確認され得るものである。当技術分野において知られているように、投与が全身的であるか局所的であるか、年齢、体重、全般的な健康状態、性別、食事、投与時間、薬剤の相互作用および病状の程度の調整が必要となり得、それらは当業者により慣例的な試験法を用いて確認可能である。本明細書において「細胞」とは有糸分裂あるいは減数分裂が変化し得るほとんど全ての細胞を意味する。
したがって本発明は、細胞増殖における疾患の治療を目的とする医薬組成物を製造するためのプロリンまたはプロリン誘導体またはそれらの塩、エステル、異性体またはプロドラッグ、および抗癌リガンド(好ましくは抗体)の使用に関する。本発明の医薬組成物は任意に一つまたはそれ以上の薬学上許容され得る補助剤、賦形剤、キャリア、バッファー、希釈剤、および/または慣例的な薬学的補助物質により構成される。本発明の組み合わせ組成物は薬学的に許容され得る処方において投与される。本発明は、高分子複合体、ナノカプセル、微小球、あるいはビーズの形態の合成または天然ポリマー、および水中油型(oil in water)乳剤、ミセル、混合ミセル、合成膜ベシクルを含む脂質ベースの製剤、および再封した赤血球などの薬学的に許容され得るあらゆる処方に関する。当該組成物および薬学的に許容され得るポリマーに加え、本発明の方法において用いられる薬学的に許容され得る処方は薬学的に許容され得る更なるキャリアおよび/または賦形剤により構成され得る。本明細書において用いられるように、薬学的に許容され得るキャリアは生理学的に適合性のあるあらゆる全ての溶剤、分散媒、コーティング、抗微生物及び抗真菌剤、等張および吸収遅延剤等を含む。例えば、キャリアは血液中への注射に適し得る。賦形剤は薬学的に許容され得る安定剤および崩壊剤を含む。他の態様においては、薬学的に許容され得る製剤は、脂質ベースの製剤により構成される。既知のあらゆる脂質ベースのドラッグデリバリーシステムが本発明の実施において使用され得る。例えば、多小胞リポソーム(MVL)、多重膜リポソーム(多重膜ベシクルあるいはMLVとしても知られている)、小さな単層リポソーム(単層ベシクルあるいはSUVとしても知られている)および大きな単層リポソーム(大きな単層ベシクルあるいはLUVとしても知られている)を含む単層リポソームは封入された本発明の組み合わせ組成物の徐放性が確立され得る限り、全て使用され得る。一つの態様において、脂質ベースの製剤は多小胞リポソームシステムであっても良い。合成膜ベシクルの組成物は通常、ステロイド、特にコレステロール、と組み合わされたリン脂質の組み合わせである。他のリン脂質または他の脂質もまた使用され得る。合成膜ベシクルの製造において有用な脂質の例は、ホスファチジルグリセロール(phosphatidylglycerol)、ホスファチジルコリン(phosphatidylcholine)、ホスファチジルセリン(phosphatidylserine)、ホスファチジル-エタノールアミノ(phosphatidyl-ethanolamino)、スフィンゴ脂質(sphingolipid)、セレブロシド(cerebroside)、およびガングリオシド(ganglioside)を含む。好ましくは、卵ホスファチジルコリン(egg phosphatidylcholine)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(dipalmitoylphosphatidylcholine)、ジステアロイルホスファチジルコリン(distearoylphosphatidylcholine)、ジオレオイルホスファチジルコリン(dioleoylphosphatidylcholine)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(dipalmitoylphosphatidylglycerol)、およびジオレオイルホスファチジルグリセロール(dioleoylphosphatidylglycerol)を含むリン脂質が用いられる。他の態様においては、本発明の組み合わせ組成物を含有する組成物は生体に吸収され得るマトリックスに組み込まれ、あるいは沁み込ませてもよい。更に、そのマトリックスは当該バイオポリマーで構成され得る。本発明に適切なバイオポリマーはまた、コラーゲン(collagen)、エラスチン(elastin)、フィブロネクチン(fibronectin)、ヴィトロネクチン(vitronectin)、ラミニン(laminin)、ポリグリコール酸(polyglycolic acid)、ヒアルロン酸(hyaluronic acid)、硫酸コンドロイチン(chondroitin sulphate)、硫酸デルマタン(dermatan sulphate)、硫酸ヘパリン(heparin sulphate)、ヘパリン(heparin)、フィブリン(fibrin)、セルロース(cellulose)、ゼラチン(gelatine)、ポリリジン(polylysine)、エチノネクチン(echinonectin)、エンタクシン(entactin)、トロンボスポンジン(thrombospondin)、ウヴォモルリン(uvomorulin)、バイグリカン(biglycan)、デコリン(decorin)およびデキストラン(dextran)から成る群より選択される一つまたはそれ以上の高分子もまた含み得る。これらの高分子のバイオポリマーへの処方は当技術分野において周知である。一つの好ましい態様においては、その治療用組成物はヒトである患者に治療目的で投与された時に免疫原性を示さない。
本発明の治療用組成物はその中の構成成分の薬学的に許容され得る塩を含有し得る。薬学的に許容され得る塩は、塩酸あるいはリン酸などの無機酸あるいは酢酸、酒石酸、マンデル酸等の有機酸により形成される酸付加塩を含む。プロリン及びプロリン誘導体の遊離カルボキシル基によって形成される塩はまた、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウムあるいは水酸化第二鉄などの無機塩基、およびイソプロピルアミン(isopropylamine)、トリメチルアミノ(trimethylamino)、2-エチルアミノエタノール(2-ethylamino ethanol)、ヒスチジン(histidine)、プロカイン(procaine)などの有機塩基に由来し得る。生理学的に耐えられ得るキャリアは当技術分野において周知である。典型的な液体キャリアは生理学的量の食塩水中に、活性成分と水以外に何も材料を含まない滅菌水溶液、若しくは生理学的pH値のリン酸ナトリウムのようなバッファーを含有する滅菌水溶液であり、あるいは、例えばリン酸緩衝食塩水のように両方を含有する滅菌水溶液である。更にまた、水性キャリアは塩化ナトリウム(sodium chloride)及び塩化カリウム(potassium chloride)、デキストロース(dextrose)、プロピレングリコール(propylene glycol)、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol)のような塩及びその他の溶質に加え、一つ以上の緩衝塩を含有し得る。液体組成物は水に加え、また水以外の液相を含有し得る。そうした更なる液相の典型的な例は、グリセリン(glycerine)、綿実油のような植物油、オレイン酸エチル(ethyl oleate)のような有機エステル、および水油乳濁液を含む。治療用組成物は本発明の組成物を、典型的には、治療用組成物の総重量に対し少なくとも0.1重量パーセント量含有する。重量パーセントは総組成物の重量に対する本発明の組成物の重量比である。従って、例えば0.1重量パーセントは、総組成物100グラムに対して抗癌リガンドをもあわせたところの0.1グラムのプロリン、異性体、塩及びその断片である。
「薬学的に許容され得る塩」とは生物学的な効果および遊離塩基の特性を維持し、塩酸(hydrochloric acid)、臭化水素酸(hydrobromic acid)、硫酸(sulphuric acid)、硝酸(nitric acid)、リン酸(phosphoric acid)、メタンスルホン酸(methanesulphonic acid)、エタンスルホン酸(ethanesulphonic acid)、p-トルエンスルホン酸(ptoluenesulphonic acid)、サリチル酸(salicylic acid)等の無機酸との反応によって得られる化合物の塩を指す。薬学的に許容され得る塩は、ナトリウム及びカリウムのようなアルカリ金属塩、アルカリ土類の塩、およびアンモニア塩を含む。
活性成分を含有するその医薬組成物はたとえば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性あるいは油性懸濁液、分散可能な粉末または顆粒、乳剤、硬質あるいは軟質カプセル、あるいはシロップやエリキシルのような経口使用に適した形態でもよい。経口使用を目的とした組成物は医薬組成物の製造技術分野において周知の任意の方法により調整され得、そうした組成物は、薬学的に優美かつ服用しやすい調整物を提供するために、甘味料、香料、着色料、及び保存料から成る群より選択される一つまたはそれ以上の成分を含有し得る。錠剤は、錠剤の製造に適した無毒性の薬学的に許容されうる賦形剤と混合された活性成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム(calcium carbonate)、炭酸ナトリウム(sodium carbonate)、乳糖(lactose)、リン酸カルシウム(calcium phosphate)あるいはリン酸ナトリウム(sodium phosphate)などの不活性希釈剤;例えばコーンスターチ、あるいはアルギン酸(alginic acid)などの顆粒化剤および崩壊剤;例えばスターチ、ゼラチンあるいはアカシアなどの結合剤、例えばステアリン酸マグネシウム(magnesium stearate)、ステアリン酸(stearic acid)あるいはタルクのような潤滑剤であっても良い。その錠剤は、コーティングされていなくても、また、消化管における崩壊や吸収を遅らせることにより長時間にわたり活性を維持するために既知の技術によりコーティングされていてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリル(glycerylmonostearate)やジステアリン酸グリセリル(glyceryl distearate)のような時間を遅らせる遅延材が採用され得る。それらは、放出をコントロールする為の浸透性の治療用錠剤を形成するために、米国特許第4,256,108号、第4,166,452号および第4,265,874号に記載の技術によってもコーティングされ得る。医薬組成物は更に、あるいは選択的に、調整剤に結合し得るかあるいは組成物中でフリーの状態である一つまたはそれ以上の薬剤を含有し得る。事実上、下記の多様な目的のために、あらゆる薬剤がここに記述する調整剤と組み合わせて投与され得る。調整剤と共に投与され得る薬剤のタイプの例は、鎮痛剤、喉頭痛剤、抗狭心症薬、抗真菌剤、抗生物質、抗がん剤(例えば、タキソール(taxol)あるいはマイトマイシンC(mitomycin C))、抗炎症剤(例えばイブプロフェン(ibuprofen)およびインドメタシン(indomethacin))、駆虫剤、抗うつ剤、解毒剤、制吐薬、抗ヒスタミン剤、降圧剤、抗マラリア剤、微小管阻害剤(例えば、コルヒチンあるいはヴィンカアルカロイド)、抗偏頭痛剤、抗微生物剤、抗精神病薬、解熱剤、消毒剤、抗シグナル剤(例えば、タンパク質キナーゼC阻害剤あるいは細胞間カルシウム移行阻害剤)、抗関節炎薬、抗トロンビン剤、抗結核剤、鎮咳剤、抗ウイルス剤、食欲抑制剤、心臓作用薬、薬物依存症薬、下剤、化学療法薬、冠状動脈、脳あるいは抹消血管拡張剤、避妊薬、抑制薬、利尿剤、去痰剤、成長因子、ホルモン剤、催眠剤、免疫抑制剤、麻薬拮抗剤、副交感神経興奮剤、鎮静剤、興奮剤、交感神経興奮剤、毒素(例えば、コレラ毒素)、トランキライザーおよび抗尿路感染剤を含む。
口内使用の処方はまた、活性成分が例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリンなどの不活性固体希釈剤と混合された硬質ゼラチンカプセル、あるいは活性成分が水や、たとえばピーナッツオイル、液体パラフィンあるいはオリーブオイルなどの油性媒体と混合されている軟質ゼラチンカプセルとしても提供される。
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合した活性物質を含有する。そうした賦形剤は、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム(sodium carboxymethylcellulose)、メチルセルロース(methylcellulose)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxy-propylmethylcellulose)、アルギン酸ナトリウムポリビニルピロリドン(sodium alginate polyvinylpyrrolidone)、トラガカントガムおよびアカシアガムのような懸濁剤である。分散あるいは湿潤剤は天然に存在するホスファチドでもよく、例えばレシチン、あるいは例えばステアリン酸ポリオキシエチレン(polyoxyethylene stearate)のようなアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合産物、あるいは例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール(heptadecaethyleneoxycetanol)のようなエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合産物、あるいは、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレート(polyoxyethylene sorbitan monooleate)のような、脂肪酸およびポリオキシエチレンのようなヘキシトールから得られる部分エステルとエチレンオキシドとの縮合産物、脂肪酸および無水ヘキシトールから得られる部分エステルとの縮合産物であってもよい。その水性懸濁液は例えばエチルあるいはn-プロピル(n-propyl)、p-ヒドロキシベンゾエート(p-hydroxybenzoate)などの一つまたはそれ以上の保存料、一つまたはそれ以上の着色料、一つまたはそれ以上の香料、および蔗糖あるいはサッカリンのような一つまたはそれ以上の甘味料を含有し得る。
油性懸濁液は活性成分を例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油あるいはココナッツ油などの植物油、あるいは液体パラフィンのような鉱物油に懸濁することにより処方され得る。それらの油性懸濁液は例えば蜜蝋、固形パラフィン、あるいはセチルアルコールのような増粘剤を含有し得る。服用しやすい口内調整物を提供するために上記のような甘味料および香料が添加され得る。これらの組成物はアスコルビン酸のような抗酸化剤の添加により保存され得る。
水を添加することによる水性懸濁液の調整に適した分散可能な粉末および顆粒は、活性成分を分散あるいは湿潤剤、懸濁剤および一つまたはそれ以上の保存料と混合された状態で提供する。適切な分散あるいは湿潤剤及び懸濁剤は例示され、たとえば甘味料、香料及び着色料もまた提示され得る。
本発明の医薬組成物は、水中油型乳剤の形態であっても良い。油性の相は、例えばオリーブ油あるいは落花生油のような植物油、あるいは液体パラフィンのような鉱物油、あるいはそれらの混合物であってもよい。適切な乳化剤は、例えばアカシアガムやトラガカントガムのような天然ガム、例えば大豆、レシチンなどの天然ホスファチド、例えばソルビタンモノオレート(sorbitan monooleate)のように脂肪酸と無水へキシトールから得られるエステル/部分エステル、および例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレートのような当該部分エステルとエチレンオキシドとの縮合産物であってもよい。その乳剤は甘味料及び香料も含有し得る。
例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールあるいは蔗糖などの甘味料を用いてシロップやエリキシルを調製することもできる。そうした製剤は鎮痛剤、保存料、香料及び着色料も含有し得る。その医薬組成物は、滅菌された注射用の水性または油性の懸濁液であってもよい。この懸濁液はそれらの適切な分散あるいは湿潤剤および上記の懸濁剤を用い、既知の技術に従って調剤され得る。その滅菌された注射用の調製物は、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液として、無毒の非経口的に許容され得る希釈剤または溶剤中の滅菌注射用溶液または懸濁液中のものであってもよい。採用され得るベヒクルおよび溶剤には、水、リンガー溶液および塩化ナトリウム等張溶液がある。更に、溶剤あるいは懸濁用媒体として滅菌された不揮発性油が慣例的に用いられる。この目的のためには合成モノ-あるいはジ-グリセリドを含むあらゆるブランドの不揮発性油が用いられる。更にまた、オレイン酸のような脂肪酸が注射液の調製の用途に行き着いている。
患者への投与には、本発明の活性物質は慣例的な手順にしたがって薬学的に許容され得るキャリアまたは希釈剤と混合される。治療用製剤は静脈内点滴または皮下注射によって投与される。必要であればその製剤は他の治療薬もまた含有することができる。
上記の病状の治療においては一日あたり体重1キログラムに対し、約0.05mg〜約140mgの服用量レベルが有用である(一日あたり患者一人に対して2.5mg〜7g)。例えば、一日あたり体重1キログラムに対して0.01〜50mgの化合物の投与(患者一人に対し一日あたり約0.5mg〜約3.5g)により炎症は効果的に治療される。一回の服用形態を製造するためキャリア材と結合し得る活性成分の量は、治療される対象及び特定の投与様式により変化する。例えば、ヒトへの経口投与を意図された製剤は総組成物の約5〜約95%と変化する。服用ユニットは、一般に約1mg〜約500mgの間の活性成分を含む。しかしながら、患者個人の特定の服用レベルは、採用される特定の化合物の活性、年齢、体重、全般的な健康状態、性別、食事、投与時間、投与のルート、排泄率、薬剤の組み合わせ、治療の行われている特定の病気の重篤度を含む様々な要因に依存することが理解される。本発明による化合物の服用効果のある量は個々の化合物、毒性、および阻害活性、治療される病状、そしてその化合物が単独で投与されたかそれとも他の療法を伴うものであるかどうかといった要因に依って変化する。典型的に効果的な服用量は、体重に対して約0.0001mg/kg〜1500mg/kg、より好ましくは1〜1000mg/kg、さらにより好ましくは約1〜150mg/kg、最も好ましくは体重に対して約50〜100mg/kgの範囲である。本発明はまた、上記の病状を処置するプロセスあるいは方法に関する。本発明の化合物は、予防のため、あるいは治療のため、好ましくは上記の疾患に対して効果的な量、例えばヒトなどそうした処置を必要とする恒温動物に投与することができ、その化合物は医薬組成物の形態で使用することが好ましい。
薬学的に許容され得る賦形剤及びキャリア溶液の調剤法は、例えば経口、非経口、静脈内、鼻腔内及び筋肉内投与とそのための調剤法を含む様々な処置方式による本明細書で記述されている特定の化合物を用いた適切な調薬法及び処置方式の開発と同様、当業者には周知である
A.経口投与
特定の応用例においては、本明細書で開示される医薬組成物は経口投与され得る。従って、これらの組成物は不活性な希釈剤または同化可能な食用キャリアで調剤し、あるいは硬質又は軟質ゼラチン皮膜カプセルに封入し、あるいは錠剤に圧入し、あるいは食事療法の食品に直接加えることができる。
特定の応用例においては、本明細書で開示される医薬組成物は経口投与され得る。従って、これらの組成物は不活性な希釈剤または同化可能な食用キャリアで調剤し、あるいは硬質又は軟質ゼラチン皮膜カプセルに封入し、あるいは錠剤に圧入し、あるいは食事療法の食品に直接加えることができる。
その活性化合物は、賦形剤と混合し、消化可能な錠剤、口腔用錠剤、トローチ、カプセル、エリキジ―ル、懸濁液、シロップ、ウェファス等の形態で使用することもできる。その錠剤、トローチ、ピル、カプセル等は更に次のようなものを含有し得る:即ち、トラガカントガム、アカシア、コーンスターチ、ゼラチンのような結合剤、第二リン酸カルシウムのような賦形剤、コースターチ、ポテトスターチ、アルギン酸のような崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、および蔗糖、乳糖、あるいはサッカリンのような甘味料が添加され得、あるいはペパーミント、ヒメコウジ油あるいはチェリー風味の香料などの香料も含有し得る。服用ユニットの形態がカプセルである場合には、上記のタイプの材料に加え、液体キャリアを含有し得る。コーティングとして、あるいはその他服用ユニットの物理的形態を改変するために他の種々の材料を含有し得る。例えば、錠剤、ピルあるいはカプセルは、シェラック、砂糖、またはその両方でコーティングされ得る。エリキシルのシロップは活性化合物、甘味料としての蔗糖、保存料としてのメチル及びプロピルパラベン、染料、チェリーあるいはオレンジ香味料などの香料を含有し得る。当然のことながら、いかなる服用ユニット形態の調製に使用されるいかなる材料も薬学上純粋かつ使用される量において実質的に無毒であるべきである。また、活性化合物は、成分の徐放性調製物及び製剤に混合され得る。
活性成分のパーセンテージは当然変動し得、総製剤の重量あるいは体積の約1または2%と、約60%若しくは70%またはそれ以上との間に適宜位置し得るが、典型的にはこれらの製剤は本発明の活性化合物を少なくとも0.1%あるいはそれ以上を含有する。当然のことながら、各々の治療上有用な組成物の活性化合物の量はその化合物のどの服用ユニットにも適切な服用量が得られるように調製され得る。可溶性、生体への有用性、生物学的半減期、投与ルート、製品の在庫期間は、その他の薬学的配慮と共にそのような薬学的製剤の調製に関する当業者によって考慮される。また、そうしたことから様々な服用量や処置方式が望まれ得る。
経口投与のためには、本発明の組成物は他方、うがい薬、歯磨き、口腔用錠剤、口内スプレーあるいは舌下経口投与剤の形態で一つまたはそれ以上の賦形剤と共に混合され得る。例えば、必要量の活性成分をホウ酸ナトリウム溶液(ドーベル溶液)のような適切な溶剤に混合してうがい薬が調整され得る。あるいは、この活性成分はホウ酸ナトリウム、グリセリン、重炭酸カリウムを含有するような経口溶液に混合され、あるいは歯磨き剤中に分散され、あるいは水、結合剤、研磨剤、香味料、発泡剤および保湿剤を含有し得る組成物に治療上効果的な量添加され得る。あるいは、その組成物は舌下に置かれ、あるいは口内で溶かされる錠剤または溶液の形式にすることもできる。
B.注射投与
特定の状況においては、本明細書で開示されている医薬組成物は非経口、静脈内,筋肉内、腹腔内にも投与することが望ましいであろう。遊離塩基としての、あるいは薬学的に許容され得る塩としての活性化合物の溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースのような表面活性剤と共に適切に混合された水中に調製され得る。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物および油中においても調製され得る。通常の貯蔵および使用条件下においては、これらの調製物は微生物の増殖を防ぐ為に保存料を含有する。
特定の状況においては、本明細書で開示されている医薬組成物は非経口、静脈内,筋肉内、腹腔内にも投与することが望ましいであろう。遊離塩基としての、あるいは薬学的に許容され得る塩としての活性化合物の溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースのような表面活性剤と共に適切に混合された水中に調製され得る。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物および油中においても調製され得る。通常の貯蔵および使用条件下においては、これらの調製物は微生物の増殖を防ぐ為に保存料を含有する。
注射用に適した製薬形態は、滅菌水溶液あるいは分散液および滅菌注射溶液又は分散液の即席的調製用滅菌パウダーを含む。すべての場合においてその投与形態は滅菌されておりシリンダーの使用が容易な程度に流動的でなければならない。それは、製造、貯蔵の条件下において安定でなければならず、バクテリアや真菌などの微生物の汚染作用に対して保存されなければならない。キャリアは、例えば水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール等)、それらの適切な混合物、および/または植物油を含有する溶媒または分散媒であってもよい。適切な流動性は、例えばレシチンのようなコーティングの使用、分散液の場合、必要とされる粒子サイズの維持、および表面活性剤の使用によって維持され得る。微生物の作用は、種々の抗細菌および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール等、によって阻止することができる。多くの場合、例えば砂糖あるいは塩化ナトリウムのような等張液を含むほうが好ましいであろう。注射用組成物の長時間にわたる吸収は、例えばモノステアリン酸アルミウムおよびゼラチンなどの吸収を遅らせる成分をその組成物中に使用することにより実現され得る。
水溶液中での非経口投与に関しては、たとえば、溶液は必要に応じて適切に中和されるべきであり、また、液体希釈剤は先ず充分な食塩水又はグルコースで等張にされなければならない。これら特定の水溶液は静脈内、筋肉内、皮下および腹腔内投与に特に適している。これに関連し、使用され得る滅菌水性メディウムは本開示に鑑みて、当業者に周知である。例えば、1服用量は等張NaCl溶液1mlに溶解され、1000mlの皮下注入液に添加されるか、または意図された注入部位に注射され得る。処置を受ける者の状態によっていくらかの用量の変更が必要となることがある。いずれにしても、投与の責任者が各患者に適切な服用量を決定する。さらには、ヒトへの投与については調整物が、国または地域の生物学的基準を定める機関によって求められている滅菌性、発熱性、および全般的安全性および純粋性の基準を満たすものであるべきである。
滅菌注射用溶液は必要量の活性化合物を、上の列挙した種々の成分と共に必要に応じて適切な溶剤中で混合し、フィルターにかけて滅菌することにより調製される。一般に、分散液は、種々の滅菌された活性成分を、基本的分散媒およびその他上記列挙した中の必要とされる他の成分を含有する滅菌ベヒクルに混合することにより調製される。滅菌された注射用溶液調製物に用いる滅菌粉末の場合、好ましい調製法は、真空乾燥法および凍結乾燥法であり、予めフィルターに通して滅菌されたその溶液から活性成分の粉末に加えあらゆる所望の添加成分が得られる。
本明細書に開示される組成物は中性又は塩の形態で調剤され得る。薬学的に許容され得る塩は、酸添加塩(タンパク質の遊離アミノ基で形成される)を含み、それらは例えば、塩酸あるいはリン酸のような無機酸、または酢酸、オキサル酸、酒石酸、マンデル酸等の有機酸で形成される。遊離カルボキシル基で形成される塩はまた、たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウムあるいは水酸化第二鉄のような無機塩基、およびイソプロピルアミン(isopropylamine)、トリメチルアミン(trimethylamine)、ヒスチジン(histidine)、プロカイン(procaine)等の有機塩基から得ることもできる。製剤に関し、溶液は服用量の処方に適合するように、また治療効果が得られる量において投与される。その製剤は注射用溶液、薬剤放出カプセル等の多様な服用形態において容易に投与される。
本明細書において使用される「キャリア」は任意のおよびすべての溶剤、分散媒、ベヒクル、コーティング、希釈剤、抗バクテリア剤、抗真菌剤、等張および吸収遅延剤、バッファー、キャリア溶液、懸濁液、コロイド等を含む。薬学的活性物質へのそうした媒体および薬剤の使用は当技術分野において周知である。通常のあらゆる媒体あるいは薬剤が活性成分に適合しない場合を除き、当該治療用組成物におけるそれらの使用が考慮される。補助的な活性成分もまた当該組成物に混合され得る。
「薬学的に許容され得る」という語句は、ヒトに投与された場合にアレルギー反応やそれに類似の不都合な反応を生じない分子本体および組成物を指す。活性成分としてタンパク質を含有する水性組成物の調整は当技術分野においてよく理解されている。典型的には、そうした組成物は溶液または懸濁液としての注射用として調製され、注射する前に液体に溶解または懸濁させるのに適した固体形状のものもまた調製され得る。その調整物はまた乳化させることもできる。
C.鼻腔内投与
特定の具体例においては、その医薬組成物は鼻腔内スプレー、吸引および/または他のエアロゾルデリバリーベヒクルによって投薬され得る。同様に鼻腔内微粒子樹脂およびリゾホスファチジルグリセロール(lysophosphatidylglycerol)化合物を使用した薬剤の投与もまた薬学の技術分野において周知である。
特定の具体例においては、その医薬組成物は鼻腔内スプレー、吸引および/または他のエアロゾルデリバリーベヒクルによって投薬され得る。同様に鼻腔内微粒子樹脂およびリゾホスファチジルグリセロール(lysophosphatidylglycerol)化合物を使用した薬剤の投与もまた薬学の技術分野において周知である。
D.リポソーム、ナノカプセルおよび微粒子を介した投薬
一部の具体例において発明者らは、適切な宿主細胞への本発明組成物の導入のためにリポソーム、ナノカプセル、微粒子、微小球、脂肪粒子、ベシクル等の使用を考えた。特に、本発明の組成物は液体粒子、リポソーム、ベシクル、ナノ球あるいはナノ粒子等のいずれかに封入された状態での投薬を目的として調剤され得る。
一部の具体例において発明者らは、適切な宿主細胞への本発明組成物の導入のためにリポソーム、ナノカプセル、微粒子、微小球、脂肪粒子、ベシクル等の使用を考えた。特に、本発明の組成物は液体粒子、リポソーム、ベシクル、ナノ球あるいはナノ粒子等のいずれかに封入された状態での投薬を目的として調剤され得る。
本明細書に開示される組み合わせ組成物あるいは構築物の薬学的に許容され得る製剤の導入には、そうした調剤法が好ましい場合がある。リポソームの形成および使用は当業者には一般的に知られている。近年、血清安定性および循環半減期が改良されたリポソームが開発された(Gabizon and Papahadjopoulos, 1988)。更に、潜在的ドラッグキャリアとしての種々のリポソームおよびリポソーム様物質の調製法が再検討されている(Takakura, 1998; Chandran et al., 1997; Margalit, 1995; 米国特許第5,567,434号、第5,552,157号、第5,565,213号、第5,738,868号および第5,795,587号、具体的には、各々は全体として参照することにより本明細書に組み込まれる)。リポソームの性質に加え、化合物を捕らえるに際し重要な決め手はその化合物自体の物理化学的特性である。極性の化合物は水性空間に捕らえられ、非極性化合物はベシクルの脂質二重層に結合する。極性化合物は透過によって、あるいは二重層が破れることにより放出されるが、非極性化合物は二重層が温度や脂質タンパクにさらされて破裂しない限りそれと親和したままとなる。いずれのタイプも相遷移温度において最大流出率を呈する。リポソームは4つの異なるメカニズムにより細胞と相互作用する。即ち、マクロファージおよび好中球などの細網内皮系の食細胞によるエンドサイトーシス;非特異的な弱い疎水性あるいは静電気的な力あるいは細胞表面構成成分との特異的相互作用のいずれかによる細胞表面への吸着;細胞質へのリポソーム内容物の同時的な放出を伴う、リポソームの脂質二重層の原形質膜内への挿入による原形質膜との融合;そしてリポソーム内容物の会合を伴わない、細胞膜あるいは細胞内の膜への、あるいはその反対方向へのリポソーム脂質の移動によるものである。しばしば、どのメカニズムが働いているかを判断するのは困難であり、ひとつ以上が同時に作動することもあり得る。
静脈内注入されたリポソームの成り行きや処理は、サイズ、流動性、表面電荷などそれらの物理的特性に依存する。それらは構成により何時間、何日間と組織内に残存するかもしれず、血中の半減期は数分〜数時間の範囲である。MLVやLUVのようにより大きなリポソームは細網内皮系の食細胞に速やかに取り込まれるが、循環器系の生理機能がそうした大きな分子種の流出をほとんどの部位において抑制する。それらは肝臓や脾臓の洞様血管のような、毛細血管内皮の大きな開口部あるいは穴の存在するところからのみ脱出することができる。従ってこれらの器官が主要な吸収部位である。他方、SUVはより広い分布を示すが、肝臓や脾臓に依然高度に隔離されている。一般に、このin vivoにおける振る舞いは、リポソームの潜在的ターゲティングを、より大きなサイズのリポソームが利用しやすいこれらの器官および組織のみに限定する。それらは、血液、肝臓、脾臓、骨髄、およびリンパ様器官である。
本発明に関してターゲティングは一般に、限定ではない。しかしながら、特定のターゲティングが望まれる場合には、それを遂行する方法がある。抗体をリポソームの表面に結合させ、抗体と薬の内容物を特定の細胞タイプの表面に位置する特異的な抗原レセプターに向けるために、抗体を使用することがある。リポソームを特定の細胞タイプに向かわせる能力があることから、炭水化物の決定因子(細胞-細胞認識、相互作用および接着において役割を果たす糖タンパク質あるいは糖脂質の細胞表面構成成分)を認識部位として使用することもできる。たいていの場合リポソーム調製物の静脈内注射を利用することが考えられるが、他の投与ルートもまた考えられ得る。
本発明はその他、本発明組成物の、薬学的に許容され得るナノカプセル製剤も提供する。ナノカプセルは一般に、化合物を安定で再生可能な状態に捕獲することができる(Henry-Michelland et al., 1987; Quintanar-Guerrero et al., 1998; Douglas et al., 1987)。細胞内へのポリマーの過剰な負荷による副作用を回避するため、in vivoにおいて分解され得るポリマーを用いてそうした超微細粒子(大きさおよそ0.1.mu.m)が設計されるべきである。それら必要とされる条件を満たす、生体による分解の可能なシアノアクリル酸ポリアルキル(polyalkyl-cyanoacrylate)ナノ粒子が、本発明における使用に考慮される。
処置をうける主体は、概して哺乳類からなり、好ましくはヒトであり、例えばヒト癌患者である。本発明の化合物は単独で、あるいは組み合わせにより使用され得る。更に、処理されたその化合物は、癌治療など別のタイプの処置と共に利用され得る。例えば、その対象化合物は他の化学療法、例えばタモキシフェン(tamoxifen)、タキソール(taxol)、メトトレキサート(methothrexate)、抗体、成長因子、リンフォカインのような生体物質、あるいは放射線照射等と共に使用され得る。組み合わせ療法は相乗効果を与え得る。好ましい適応症は癌、特に予め同定された癌である。
ここで提供される組成物および方法は特に、皮膚、乳房、脳、子宮頚癌、睾丸癌等の固形癌を含む癌の治療に有用と考えられる。より詳細には、本発明の組成物および方法により処置され得る癌は、それらに限定されることはないが、以下のものを含む。即ち、心臓:肉腫(血管肉腫、繊維肉腫、横紋筋肉種、脂肪肉腫)、粘液種、横紋筋腫、繊維腫、脂肪腫および奇形腫;肺:気道性癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺癌、肉腫、リンパ腫、軟骨腫様過誤腫、中皮腫;胃腸管:食道(扁平上皮細胞癌、腺癌、平滑筋腫、リンパ腫)、胃(癌、リンパ腫、平滑筋腫)、すい臓(導管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、癌様腫、血管作動性腸管ポリペプチド産生腫)、小腸(腺癌、リンパ腫、癌様腫、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、繊維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);生殖器泌尿器系:腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽腫]リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(扁平上皮細胞癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、睾丸(精上皮腫、奇形腫、胎生癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、繊維腫、繊維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝臓腫(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽細胞腫、血管肉腫、肝細胞腺癌、血管腫;骨:骨形成肉腫(骨肉腫)、繊維肉腫、悪性繊維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫、骨軟骨性外骨腫、良性軟骨腫、軟骨芽腫、軟骨粘液繊維腫、類骨骨腫および巨大細胞腫瘍;神経系:頭蓋(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、奇形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、脳室上衣細胞腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形性膠芽腫、乏突起細胞腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄(神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科:子宮(子宮内膜癌)、子宮頚部(子宮頚癌、前腫瘍性子宮頚部異形成)、卵巣(卵巣癌[漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類癌]、顆粒層卵胞膜細胞腫瘍、セルトリ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、繊維肉腫、メラノーマ)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ぶどう状肉腫(胎児性横紋筋肉腫))、卵管(癌);血液学:血液(骨髄性白血病[急性および慢性]、急性リンパ芽球白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン(Hodgkin's)病、非-ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];皮膚:悪性メラノーマ、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚繊維腫、ケロイド、乾癬;および副腎:神経芽腫。このように本明細書に示された「癌細胞」という語は、上記の特定された病状のいずれかひとつに侵されている細胞を含む
従って、本明細書において使用される「癌腫(cancer)」とは、哺乳類にみられる癌(carcinoma)および肉腫を含む全てのタイプの癌腫あるいは新生物(neoplasm)あるいは悪性腫瘍(malignant tumour)を指す。癌腫の例は、脳、乳房、子宮頚部、結腸、頚部および頭部、腎臓、肺、非小細胞肺、の癌腫、メラノーマ、中皮腫、卵巣、肉腫、胃、子宮および髄芽細胞腫である。
「白血病(leukaemia)」という語は広く、血液を作る器官の進行性、悪性疾患を指し、血液および骨髄中の白血球およびその前駆体の歪められた増殖および発達によって一般に特徴づけられる。白血病は臨床上一般的には、(1)持続時間および急性疾患か慢性疾患か、(2)関係する細胞のタイプ;骨髄性(骨髄由来)、リンパ性(リンパ由来)、単球性;および(3)血中の異常細胞数が増加するか増加しないか-白血病性か非白血病性(亜白血病性)か、を基準に分類される。P388白血病モデルは、in vivoにおける抗白血病活性を予測できることが広く認められている。P388アッセイにおいて陽性の化合物は一般に、処置される白血病のタイプに関わらずin vivoにおいてあるレベルの抗白血病活性を示すと考えられている。従って、本発明は白血病を治療する方法、および好ましくは、急性非リンパ細胞性白血病、慢性リンパ細胞性白血病、急性顆粒球性白血病、慢性顆粒球性白血病、急性前骨髄球性白血病、成人T細胞白血病、非白血病性白血病、白血球増加性白血病(a leukocythemic leukaemia)、好塩基球性白血病、芽細胞白血病、ウシ白血病、慢性骨髄性白血病、皮膚白血病、胎児性白血病、好酸球性白血病、グロス白血病(Gross' leukaemia)、有毛細胞白血病、血芽球性白血病、血球母細胞性白血病、組織球性白血病、幹細胞性白血病、急性単球性白血病、白血球減少性白血病、リンパ性白血病、リンパ芽球性白血病、リンパ細胞性白血病、リンパ行性(lymphogenous)白血病、リンパ様(lymphoid)白血病、リンパ肉腫細胞性白血病、マスト細胞性白血病、巨核球性白血病、小骨髄芽球性白血病、単球性白血病、骨髄芽球性白血病、骨髄性白血病、骨髄顆粒球性白血病、骨髄単球性白血病、ネーゲリ(Naegeli)白血病、形質細胞(plasma cell)白血病、形質細胞性(plasmacytic)白血病、前骨髄球性白血病、リーダー(Rieder)細胞白血病、シリング(Schilling's)白血病、幹細胞白血病、亜白血性白血病、および未分化細胞白血病を治療する方法を含む。
「肉腫」という語は一般に、胎児性結合組織のような物質でできていて繊維性あるいは均質な物質に埋め込まれた密集した細胞から成る腫瘍を指す。本発明の組み合わせ組成物、および任意には増強剤および/または化学療法剤によって治療され得る肉腫は、軟骨肉腫、繊維肉腫、リンパ肉腫、黒色肉腫、粘液肉腫、骨肉腫、エイブメシー(Abemethy's)肉腫、脂肪質(adipose)肉腫、脂肪肉腫(liposarcoma)、胞状軟部(alveolar soft part)肉腫、エナメル上皮肉腫、ブドウ状肉腫、緑色肉腫、絨毛癌、胎児性肉腫、ウィルムス(Wilms')腫瘍肉腫、子宮内膜肉腫、基質性肉腫、ユーイング(Ewing's)肉腫、筋膜肉腫、繊維芽肉腫、巨大細胞肉腫、顆粒細胞肉腫、ホジキン(Hodgkin's)肉腫、特発性多発色素沈着出血性肉腫(idiopathic multiple pigmented hemorrhagic sarcoma)B細胞の免疫芽球性肉腫、リンパ腫、T細胞の免疫芽球性肉腫、ジェンセン(Jensen's)肉腫、カポジ(Kaposi's)肉腫、クッパー(Kupffer)細胞肉腫、血管肉腫、白血肉腫、悪性間葉肉腫、傍骨性骨肉腫、網赤血球肉腫、ラウス(Rous)肉腫、血清のう胞性肉腫、滑膜肉腫および毛細血管拡張性肉腫を含む。
「メラノーマ」という語は皮膚および他の器官の黒色素細胞系から生じる腫瘍を意味するものと解釈される。当該組み合わせ組成物および任意では増強剤および/または化学療法薬によって治療され得るメラノーマは、末端性黒子性黒色腫、メラニン欠乏性黒色腫、良性若年性メラノーマ、クラウドマン(Cloudman's)メラノーマ、S91メラノーマ、ハーディング-パセイ(Harding-Passey)メラノーマ、若年性メラノーマ、悪性黒子型メラノーマ、悪性メラノーマ、結節型メラノーマ、爪下メラノーマ、および表在拡大型黒色腫を含む。
「癌(carcinoma)」という語は周囲の組織に浸潤し、転移を生じさせる傾向のある上皮細胞からなる悪性新生物を指す。当該組み合わせ組成物および選択的には増強剤および/または化学療法剤によって治療され得る癌は、たとえば、腺房癌(acinar carcinoma)、腺房細葉癌(acinous carcinoma)、腺嚢腫(adenocystic carcinoma)、腺様嚢胞癌(adenoid cystic carcinoma)、腺腫様癌(carcinoma adenomatosum)、副腎皮質癌、細気管支肺胞上皮癌(alveolar carcinoma)、肺胞細胞癌、基底細胞(basal cell)癌、基底細胞(basocellurare)癌、類基底細胞癌、基底有棘細胞癌、細気管支肺胞上皮癌、細気管支癌、気管支性癌、セレブリフォルム癌(cerebriform carcinoma)、胆道細胞癌(cholangiocellular carcinoma)、絨毛膜癌、膠状癌、面皮包癌(comedo carcinoma)、子宮体癌、小孔質篩状癌(cribriform carcinoma)、鎧状癌、皮膚癌、円柱状(cylindrical)癌、円柱細胞癌(cylindrical cell)、管癌(duct carcinoma)、硬膜癌(carcinoma durum)、胎児性癌、脳組織様癌、上皮様ガン、上皮腺癌、外向発育癌(exophytic carcinoma)、潰瘍形成癌、繊維癌、膠様癌(gelatiniforni carcinoma)、膠質癌、巨大細胞癌(giant cell carcinoma)、巨大細胞性(giganto cellulare)癌、腺様癌、顆粒細胞癌、毛状マトリックス癌、血液様ガン、血液細胞癌、ハースル細胞癌(Hurthle cell carcinoma)、硝子質癌、ハイペメフロイド癌(hypemephroid carcinoma)、幼児期胎児性癌、上皮内癌(carcinoma in situ)、表皮内癌、上皮内癌(intraepithelial carcinoma)、クロンペチャー癌(Krompecher's carcinoma)、クルチスキー細胞癌(Kulchitzky cell carcinoma)、大細胞癌(large cell carcinoma)、水晶体癌、レンズ状癌(carcinoma lenticulare)、脂肪腫状癌、リンパ上皮癌、髄様癌、髄質癌、黒色癌(melanotic carcinoma)、軟性癌(carcinoma molle)、粘液癌(mucinous carcinoma)、粘液腺癌(carcinoma muciparum)、粘液細胞癌(carcinoma mucocellulare)、粘表皮様癌、粘膜癌(carcinoma mucosum)、粘液性癌(mucous carcinoma)、粘液腫性癌(carcinoma myxomatodes)、鼻咽頭癌、燕麦細胞癌、骨化性癌、類骨癌、乳頭状癌、門脈周囲癌、前浸潤癌、有棘細胞癌、のリ状癌(pultaceous carcinoma)、腎臓の腎細胞癌、補充細胞癌、肉腫様癌、シュナイダー癌(schneiderian carcinoma)、硬性癌、陰嚢癌、印環細胞癌、単純癌(carcinoma simplex)、小細胞癌、ソラノイド癌(solanoid carcinoma)、球状細胞癌、紡錘細胞癌、海綿状癌、扁平上皮癌、扁平上皮細胞癌、ストリング癌(string carcinoma)、毛細管拡張性癌(carcioma telangiectaticum)、毛細血管拡張症様癌(carcinoma telangiectodes)、移行上皮癌、結節癌(carcinoma tuberosum)、結節性癌(tuberous carcinoma)、いぼ状癌および絨毛状癌、を含む。
本発明による組成物で治療され得るその他の癌は、例えば、ホジキン病(Hodgkin's disease)、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫(multiple mycloma)、神経芽細胞腫、乳癌、卵巣癌、肺癌、横紋筋肉腫、原発性血小板増加症、原発性マクログロブリン血症(primary macroglobulinemia)、小細胞肺腫瘍、原発性脳腫瘍、胃癌、結腸癌、悪性すい臓インスリノーマ、悪性カルチノイド、膀胱癌、前癌性皮膚病変(pre-malignant skin lesion)、睾丸癌、リンパ腫、甲状腺癌、神経芽細胞腫、食道癌、生殖泌尿器系癌、悪性高カルシウム血症(malignant hypercalcaemia)、子宮頚癌、子宮内膜癌、副腎皮質癌、および前立腺癌を含む。
本発明は、抗腫瘍抗体の腫瘍抗原および/または細胞レセプターへの結合を増加させ、および/または最大限に効果的にするためのプロリンまたはプロリン誘導体またはそれらの塩、エステル、異性体またはプロドラッグの使用に関する。従って、標的をin vitroあるいはin vivoにおいて本発明の組み合わせ組成物またはプロリン、プロリン誘導体またはそれらの塩、エステル、異性体あるいはプロドラッグで処理する、抗体の標的選択性を改善する方法もまた本発明の対象である。
本発明において記述された薬剤は以下の目標をもつと考えられている:
・抗体が腫瘍抗原に結合するための細胞レセプターの最適化
・細胞サイクル進行阻害の促進/増加
・細胞の末端分化あるいはアポトーシスの加速
・抗体依存性細胞毒性(ADCC)の減少
・チロシンキナーゼ阻害因子の活性化
・腫瘍壊死因子のようなサイトカインに対する腫瘍細胞の感受性の増加
・患者における抗体および/または化学療法剤および/または抗腫瘍剤の抗腫瘍反応の増加。この結果、抗体および/または化学療法剤および/または抗腫瘍剤のより高い治療効果を達成し、有害事象を減少させて患者の生活の質を向上させることになる。
・抗体が腫瘍抗原に結合するための細胞レセプターの最適化
・細胞サイクル進行阻害の促進/増加
・細胞の末端分化あるいはアポトーシスの加速
・抗体依存性細胞毒性(ADCC)の減少
・チロシンキナーゼ阻害因子の活性化
・腫瘍壊死因子のようなサイトカインに対する腫瘍細胞の感受性の増加
・患者における抗体および/または化学療法剤および/または抗腫瘍剤の抗腫瘍反応の増加。この結果、抗体および/または化学療法剤および/または抗腫瘍剤のより高い治療効果を達成し、有害事象を減少させて患者の生活の質を向上させることになる。
本明細書に含まれる記述の概要は、以下の定義を考慮に入れることにより、通常の当業者によって理解される多くの用語を含む:
すなわち、「抗体」という用語は、体が、自身の正常組織の一部ではないと認識する特定の化学物質に結合するタンパク質で、免疫系の細胞によって生産されたタンパク質を指す。抗体は、体が感染症やまた、癌にさえ抵抗するのを助ける。
モノクロ―ナル抗体(mAbs)は、研究室内において大量生産され得る特別のタイプの抗体である。トラスツズマブ(ハーセプチン)は、乳癌の女性の治療に最初に使用されたモノクローナル抗体薬である。それは、HER2/neuタンパク質が乳癌細胞の過度の成長を促進するのを阻止することにより作用し、また免疫系が癌と戦うのを助け得る。
HER2/neuタンパク質を認識するその他のモノクロ―ナル抗体が、乳癌細胞のその他の成長促進分子を阻止するモノクローナル抗体と同様、臨床試験において試験されている。免疫系細胞、化学療法剤あるいは放射線療法を腫瘍へと直接導くように設計されたモノクローナル抗体についてもまた試験がおこなわれている。
モノクローナル抗体は、ヒトの細胞の表面にみられる特定のタンパク質に結合し、細胞の成長制御において役割を果たす。例えばハーセプチンは、HER2と呼ばれるタンパク質に結合する。研究室における実験では、ハーセプチンは、この結合作用によって腫瘍細胞の成長を阻害した。転移乳癌細胞の場合、およそ80%の腫瘍は過剰量のHER2を産生する。
抗体は、癌を殺す為に単独でも、あるいは、診断目的の処置にも使用されるその他の物質のキャリアとしても用いられ得る。例えば、化学療法剤はモノクローナル抗体に結合され、高濃度のこれらの毒性物質を直接腫瘍細胞に送達することができる。このアプローチは有害な薬剤の正常組織への送達を減らすので、理論上、従来の化学療法よりも毒性がより少なく且つより効果的である。
診断プロセスにおいて、モノクローナル抗体は放射性物質を体内の癌細胞へと運搬するのに用いられ得、それにより以前は他の方法によって検出されなかった転移部位を正確に位置付けることができる。
モノクローナル抗体の潜在的副作用には、呼吸困難(息切れ)および軽い喘鳴、発熱、頭痛、発赤、吐き気および嘔吐、頻脈(速い心拍)および/またはアレルギー反応が含まれ得る。
シスプラチン(cisplatin)、カルボプラチン(carboplatin)、タキソール(taxol)、5FU等を含む全ての化学療法剤は毒性が強く一般に忍容し難い。化学療法剤の潜在的副作用には、血小板減少症、白血球減少症および貧血などの血液毒性、および、腎臓毒性、耳毒性、神経毒性および嘔吐などの非血液学的毒性、注射部位の併発症、敗血症、低血圧及び徐脈などの心臓血管系への影響、下痢、粘膜炎、脱毛症のような皮膚科的影響、間質性肺炎、肺繊維症および肺塞栓症などの呼吸器への影響、体重減少、末梢浮腫、および/または脱水症状などの代謝/栄養への影響が含まれ得る。
本発明の基本概念は、以下のように要約される:
・本発明はプロリン、プロリン誘導体あるいはそれらの塩、エステル、異性体あるいはプロドラッグの、抗体の腫瘍抗原および/または細胞レセプターへの結合を増加および/または最適化させるための使用に関する。
・したがって、in vitroあるいはin vivoにおいて標的が、本発明の組み合わせ組成物で、あるいは、プロリンまたはプロリン誘導体またはそれらの塩、エステル、異性体またはプロドラッグで処理される、抗体の標的選択性の改良方法もまた本発明の対象である。
・本特許の組み合わせ組成物、化合物及び治療方法の使用の主な目的及び利点は、投与される抗体の量を減らし、および/または投与される抗体および抗腫瘍剤の治療効率をあげ、および/または投与される抗体の毒性副作用を減少させることであり、結果として治療を受ける癌患者の生活の質を向上させまた改善することができる。
・本発明はプロリン、プロリン誘導体あるいはそれらの塩、エステル、異性体あるいはプロドラッグの、抗体の腫瘍抗原および/または細胞レセプターへの結合を増加および/または最適化させるための使用に関する。
・したがって、in vitroあるいはin vivoにおいて標的が、本発明の組み合わせ組成物で、あるいは、プロリンまたはプロリン誘導体またはそれらの塩、エステル、異性体またはプロドラッグで処理される、抗体の標的選択性の改良方法もまた本発明の対象である。
・本特許の組み合わせ組成物、化合物及び治療方法の使用の主な目的及び利点は、投与される抗体の量を減らし、および/または投与される抗体および抗腫瘍剤の治療効率をあげ、および/または投与される抗体の毒性副作用を減少させることであり、結果として治療を受ける癌患者の生活の質を向上させまた改善することができる。
以下の要約は、その複合的効果に関与する細胞外シグナル伝達分子/細胞表面レセプター、抗体およびプロリン誘導体の、異なる機能および作用様式の可能性を説明する。
細胞外シグナル伝達分子/細胞表面レセプター
細胞外シグナル伝達分子は、シグナル伝達細胞によって合成、放出され、そのシグナル伝達分子のレセプターを持つ標的細胞においてのみ特異的応答を示す。多細胞生物においては、小分子(たとえば、アミノ酸または脂質誘導体、アセチルコリン(acetylcholine))、ペプチドおよびタンパク質を含む膨大な数の種類の化学物質がこのタイプの細胞間コミュニケーションに用いられる。
細胞外シグナル伝達分子は、シグナル伝達細胞によって合成、放出され、そのシグナル伝達分子のレセプターを持つ標的細胞においてのみ特異的応答を示す。多細胞生物においては、小分子(たとえば、アミノ酸または脂質誘導体、アセチルコリン(acetylcholine))、ペプチドおよびタンパク質を含む膨大な数の種類の化学物質がこのタイプの細胞間コミュニケーションに用いられる。
細胞表面レセプターの7つの主要クラス:
・タンパク結合レセプター
・サイトカインレセプター
・レセプターチロシンキナーゼ
・TGFレセプター
・ヘッジホッグ(Hedgehog(Hg))レセプター
・Wntレセプター
・Notchレセプター
・タンパク結合レセプター
・サイトカインレセプター
・レセプターチロシンキナーゼ
・TGFレセプター
・ヘッジホッグ(Hedgehog(Hg))レセプター
・Wntレセプター
・Notchレセプター
細胞外シグナル伝達分子は、単細胞生物間の相互作用を制御し、多細胞生物における生理および発達を決定的に制御するものである。
細胞外シグナル伝達分子の細胞表面レセプターへの結合は、細胞の代謝、機能あるいは遺伝子発現を最終的に調節する細胞内シグナル導入経路の引き金となる。
外部シグナルは、膜に係留された分泌タンパク質およびペプチド、脂肪親和性の小分子(たとえばステロイドホルモン、チロキシン(thyroxine))、アミノ酸由来の親水性小分子(例えばエピネフリン(epinephrine))、気体(例えば、硝酸)および物理的刺激(例えば光)を含む
1つの細胞からのシグナルは近隣細胞(パラクリン(paracrine))へ、遠隔細胞(エンドクリン(endocrine))へ、あるいはそのシグナル伝達細胞自身(オートクリン(autocrine))に作用し得る。
レセプターは、かなりの特異性をもってリガンドに結合し、その特異性はレセプタータンパク質の特異的アミノ酸とリガンドとの非共有結合的な相互作用によって決定される。
特定リガンドへの細胞の最大応答は一般に、そのほとんどのレセプターがまだ塞がっていないリガンド濃度において起きる。
細胞外シグナルによるコミュニケーションは通常、以下のステップが関与している:シグナル伝達細胞によるシグナル伝達分子の(1)合成および(2)放出;(3)標的細胞へのシグナルの輸送;(4)特異的レセプターの活性化へと導く、特異的レセプタータンパク質によるシグナルの結合;(5)活性化されたレセプターによる一つまたはそれ以上の細胞間シグナル導入経路の開始;(6)細胞機能、代謝および発達における特異的変化;および(7)シグナルの除去であって、しばしば細胞応答を終了させるもの。レセプターのほとんどは分泌あるいは膜結合分子(例えば、ホルモン、成長因子、神経伝達物質およびフェロモン)の結合によって活性化される。しかしながら、いくつかのレセプターは、中間代謝物(例えば、酸素あるいは栄養素)の濃度の変化によって、あるいは物理的刺激(例えば、光、接触、熱)によって活性化される。
mAbs、bs−Absおよびポリクローナル抗体
該プロリン、プロリン誘導体およびそれらの塩、エステル、異性体およびプロドラッグは、mAbsの細胞レセプターに対する標的選択性を最適化および/または改善する。これらの抗体は、通常のものと同様、構造上複合的な多機能巨大分子である。すべてではないが、それらの活性のいくつかは、特異的抗原結合部位内の相補性決定領域に依存する。
該プロリン、プロリン誘導体およびそれらの塩、エステル、異性体およびプロドラッグは、mAbsの細胞レセプターに対する標的選択性を最適化および/または改善する。これらの抗体は、通常のものと同様、構造上複合的な多機能巨大分子である。すべてではないが、それらの活性のいくつかは、特異的抗原結合部位内の相補性決定領域に依存する。
CD20、c−erbB−2/HER−2およびEGFRのようなシグナル伝達分子に対しては、mAbsはアゴニストまたはアンタゴニストの振る舞いを示し得る。言い換えれば、それらはその標的抗原を「除去」および/または「スイッチオフ」し、その結果、抗-増殖効果を示し得る。
このように、mAbsの直接的効果を考慮しても、抗原の特性、抗体および細胞状態によって決定される多くの可能性としての応答が存在する。
患者各々の応答反応は、標的抗原(および、前者が不活性化されたときにそれを補い得る他のシグナル伝達分子)の発現、循環しているIg(イムノグロブリン)あるいは免疫複合体のレベル、およびエフェクター細胞の機能上の状態を含む多くの因子の総和である。
宿主の免疫応答は、一方のFabアームが腫瘍抗原を認識し、もう一方はT細胞上のエピトープ(CD3)あるいは特異的Fc Rに会合する二重特異性抗体(bs-Abs)の使用によってもまた誘導される。
抗原陽性の腫瘍を予め選択する場合においてもmAbsを含む治療に対して効果を示す患者は少ない。
プロリン誘導体
シス-4-ヒドロキシ-Lプロリン(CHP)は、ヒト内因性化合物でありその生理学的機能は未知である。CHPのトランス異性体は、コラーゲンおよびエラスチンに高濃度で存在し、したがって結合組織の合成および構造に不可欠である。CHPの体内濃度は、健康なボランティア被験者および癌患者から採取した血漿および尿サンプル中で測定した。高服用量の経口CHPで処置を受けた癌患者は高濃度のCHPおよびトランス-4-ヒドロキシ-L-プロリン(trans-4-hydroxy-L-proline(THP))を血漿中に示す。この結果から、CHPおよびTHPが互いに関連した生理的役割を持つ可能性があることが示唆されるが、それはまだ解明されていない。
シス-4-ヒドロキシ-Lプロリン(CHP)は、ヒト内因性化合物でありその生理学的機能は未知である。CHPのトランス異性体は、コラーゲンおよびエラスチンに高濃度で存在し、したがって結合組織の合成および構造に不可欠である。CHPの体内濃度は、健康なボランティア被験者および癌患者から採取した血漿および尿サンプル中で測定した。高服用量の経口CHPで処置を受けた癌患者は高濃度のCHPおよびトランス-4-ヒドロキシ-L-プロリン(trans-4-hydroxy-L-proline(THP))を血漿中に示す。この結果から、CHPおよびTHPが互いに関連した生理的役割を持つ可能性があることが示唆されるが、それはまだ解明されていない。
驚くべきことに、細胞外シグナル伝達分子、細胞表面レセプターおよび該mAbs、bs−mAbsおよびポリクローナル抗体について検討する上記概念、および下記の結果に基づき、以下のことが判明した。即ち上記のCHP、4-ヒドロキシ-1-メチル-プロリン、1-メチル-4-フェニルアミノ-カルボニルオキシ-プロリンおよび上記他のプロリン誘導体(本発明の理念および請求項に含まれるプロリン誘導体である)は、細胞の変化、改変、生成および/または正常化に影響し得、および/または、mAbs、および/または二重特異性抗体(bs-Abs)および/または他の抗体がEGFRのような特異的腫瘍抗原を標的にする効力を驚くほどに増加させる結果となる特異的な様式において腫瘍細胞の凝集行動を向上させ得る。
プロリン、プロリン誘導体、それらの塩、エステル、異性体またはプロドラッグは、抗体および/または薬理活性因子、薬剤および任意の成分による処置に先立って、あるいはそれと同時、あるいはその処置の後など異なる図式において投与されうる。本発明において記述した薬剤は、点滴、注射、筋肉内、皮下などいかなる処方においても投与され得る。
次の実施例は、抗体の活性および効果へのプロリン誘導体の影響を調べた実験の結果を例示する。
これらの実施例は、本特許において、組み合わせ組成物および化合物の使用および/または治療法に限定されない。
実施例
1.概論
シス-4-ヒドロキシ-Lプロリン(CHP)およびその多くの誘導体を、一群の癌細胞系に対してセツキシマブ、リツキシマブ、アバスタチンおよび特異的EGFR-抗体との組み合わせにおいて調べた。
1.概論
シス-4-ヒドロキシ-Lプロリン(CHP)およびその多くの誘導体を、一群の癌細胞系に対してセツキシマブ、リツキシマブ、アバスタチンおよび特異的EGFR-抗体との組み合わせにおいて調べた。
MTT増殖テストを記述されたとおり行った。未処理細胞およびCHPで予め処理した細胞の双方の増殖コントロールを100%とした。
全ての抗体は、臨床使用目的で供給されているとおりに使用した。調製物は50倍を超える希釈で使用した。
2.材料および方法
2.1 細胞系
別段に表示されない限り、全ての細胞系はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection (ATCC、Rockville, MD))より入手し、加湿インキュベーター(5% CO2、37℃)によりRPMI−1640重炭酸塩培地(Seromed, Berlin, Germany)中で融合性単層に生育させた。細胞はマイコプラズマによる汚染をチェックした。培地は10%熱−不活性化ウシ胎児血清(Seromed)および4mMのグルタミンで補われた。細胞をトリプシン処理(0.02%EDTA含有0.03%トリプシン、週3回)により継代培養した。TOA Sysmexマイクロセルカウンター(TOA, Tokyo, Japan)を用いて細胞数を数えた。
2.1 細胞系
別段に表示されない限り、全ての細胞系はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection (ATCC、Rockville, MD))より入手し、加湿インキュベーター(5% CO2、37℃)によりRPMI−1640重炭酸塩培地(Seromed, Berlin, Germany)中で融合性単層に生育させた。細胞はマイコプラズマによる汚染をチェックした。培地は10%熱−不活性化ウシ胎児血清(Seromed)および4mMのグルタミンで補われた。細胞をトリプシン処理(0.02%EDTA含有0.03%トリプシン、週3回)により継代培養した。TOA Sysmexマイクロセルカウンター(TOA, Tokyo, Japan)を用いて細胞数を数えた。
2.2 化学物質および溶液
別段に表示しない限り、全ての化学物質は、Sigma(St. Louis, MO)から入手した。テストされた化合物は、供給されたままの状態で使用した。CHP、その誘導体、および抗体は、異なる実施例に表示された濃度において使用した。
別段に表示しない限り、全ての化学物質は、Sigma(St. Louis, MO)から入手した。テストされた化合物は、供給されたままの状態で使用した。CHP、その誘導体、および抗体は、異なる実施例に表示された濃度において使用した。
2.3 化学的感受性アッセイ
104細胞/ウェルを96ウェルのマイクロタイタープレート(100μl培地)に分散させ、テストする化合物を別の100μl容量に加えた。全ての化合物は3倍希釈、あるいはほとんどのケースで4倍希釈した。プレートは、適用時間と応答反応との関係を調べるテストを目的とするものを除き、組織培養条件下4日間インキュベートし、生存細胞数は、改変MTTアッセイ(ミトコンドリア還元により、テトラゾリウム塩(tetrazolium salts)からホルマザン(formazane)色素を形成;EZ4U、Biomedica, Vienna, Austria)を用い、ミトコンドリア活性を評定し、それにより生存細胞数/細胞数が測定した。要約すると、供給された基質を活性化因子(activator)溶液中に希釈し、1ウェルに対し、混合物20μlを加え、2時間。光学密度は空のウェルを標準として用い、450nmにおいてマイクロプレートリーダー(Eurogenetics, Brussels, Belgium)中で測定した。各細胞系につき8ウェルは披験物質を含まない培地コントロールのMTTシグナルを測定するのに使用し、テストウェルの増殖は、100%と定められたそれらのコントロール値との関係において計算した。テスト結果は、ゆっくり増殖する細胞および速く増殖する細胞の、それぞれ0.3および1.5の光学密度の間で記録した。
104細胞/ウェルを96ウェルのマイクロタイタープレート(100μl培地)に分散させ、テストする化合物を別の100μl容量に加えた。全ての化合物は3倍希釈、あるいはほとんどのケースで4倍希釈した。プレートは、適用時間と応答反応との関係を調べるテストを目的とするものを除き、組織培養条件下4日間インキュベートし、生存細胞数は、改変MTTアッセイ(ミトコンドリア還元により、テトラゾリウム塩(tetrazolium salts)からホルマザン(formazane)色素を形成;EZ4U、Biomedica, Vienna, Austria)を用い、ミトコンドリア活性を評定し、それにより生存細胞数/細胞数が測定した。要約すると、供給された基質を活性化因子(activator)溶液中に希釈し、1ウェルに対し、混合物20μlを加え、2時間。光学密度は空のウェルを標準として用い、450nmにおいてマイクロプレートリーダー(Eurogenetics, Brussels, Belgium)中で測定した。各細胞系につき8ウェルは披験物質を含まない培地コントロールのMTTシグナルを測定するのに使用し、テストウェルの増殖は、100%と定められたそれらのコントロール値との関係において計算した。テスト結果は、ゆっくり増殖する細胞および速く増殖する細胞の、それぞれ0.3および1.5の光学密度の間で記録した。
セツキシマブおよび細胞系A431およびSW620の増殖活性
A431扁平上皮癌は上皮細胞増殖因子レセプター(EGFR;我々の実験においては、EGFR陽性結腸癌細胞系と比較しておよそ20倍)の顕著な過剰発現を示す。SW620chp4およびA431 chp4細胞は、400μg/ml CHPで組織培養条件下5日間予め処理した細胞を表す(con=未処理コントロール、*=有意差あり)。
A431扁平上皮癌は上皮細胞増殖因子レセプター(EGFR;我々の実験においては、EGFR陽性結腸癌細胞系と比較しておよそ20倍)の顕著な過剰発現を示す。SW620chp4およびA431 chp4細胞は、400μg/ml CHPで組織培養条件下5日間予め処理した細胞を表す(con=未処理コントロール、*=有意差あり)。
実施例1.1
実施例1.2
結論
SW620 EGFRの低発現細胞系:CHPと前培養することにより、驚くべきことに、低濃度(1.6〜6.3μg/ml)で、セツキシマブのさらに高い阻害活性が結果として得られた。
SW620 EGFRの低発現細胞系:CHPと前培養することにより、驚くべきことに、低濃度(1.6〜6.3μg/ml)で、セツキシマブのさらに高い阻害活性が結果として得られた。
A431 EGFR過剰発現細胞系:A431細胞をCHPと前培養(EGFRの発現を低下させた)することにより、驚くべきことに、セツキシマブとの拮抗的相互作用が結果として得られた。
高発現EGFR―前培養CHP→驚くべきことにセツキシマブの活性を低下させる
EGFRの低発現―前培養CHP→驚くべきことにセツキシマブを増強させる
実施例2
セツキシマブおよび細胞系Colo205およびSW620の増殖活性
セツキシマブを、40μg/mlの固定した濃度(C205cetu, SW620cetu)において使用し、CHPは、Colo205結腸癌およびSW620結腸癌細胞との直接的組み合わせにおいて400〜6.3μg/mlの範囲で変化させた(con = 未処理コントロール、*=有意差有り)。
セツキシマブおよび細胞系Colo205およびSW620の増殖活性
セツキシマブを、40μg/mlの固定した濃度(C205cetu, SW620cetu)において使用し、CHPは、Colo205結腸癌およびSW620結腸癌細胞との直接的組み合わせにおいて400〜6.3μg/mlの範囲で変化させた(con = 未処理コントロール、*=有意差有り)。
実施例2.1
実施例2.2
結論
驚くべきことに、CHPは高濃度(50、200および400μg/ml)CHPにおいて、Colo205細胞に対するセツキシマブに拮抗的であり、低濃度(6.3 - 50μg/ml)CHPにおいてSW620細胞に対するセツキシマブに拮抗的である。Colo205は、細胞表面において有意な量のEGFRを発現する一方、SW620はEGFRの発現が大変低い(データは示していない)ことが覗える。
驚くべきことに、CHPは高濃度(50、200および400μg/ml)CHPにおいて、Colo205細胞に対するセツキシマブに拮抗的であり、低濃度(6.3 - 50μg/ml)CHPにおいてSW620細胞に対するセツキシマブに拮抗的である。Colo205は、細胞表面において有意な量のEGFRを発現する一方、SW620はEGFRの発現が大変低い(データは示していない)ことが覗える。
CHP-セツキシマブの直接的組み合わせは、驚くべきことに、セルラインcolo205およびSW620における拮抗剤的効果を示した。
実施例3
セツキシマブおよび細胞系HT29、WI38およびDLD1(CHP前処理)の増殖活性
更に多くの細胞系、すなわちHT29結腸癌細胞、W138正常繊維芽細胞およびDLD1結腸癌細胞を用いて同様の実験を行った。200μg/ml CHPによる5日間の細胞前処理および40〜1.3μg/mlの範囲の希釈セツキシマブを使用したテスト。(*=有意差あり)
セツキシマブおよび細胞系HT29、WI38およびDLD1(CHP前処理)の増殖活性
更に多くの細胞系、すなわちHT29結腸癌細胞、W138正常繊維芽細胞およびDLD1結腸癌細胞を用いて同様の実験を行った。200μg/ml CHPによる5日間の細胞前処理および40〜1.3μg/mlの範囲の希釈セツキシマブを使用したテスト。(*=有意差あり)
結論
順次行われた組み合わせは、W138において、また高濃度セツキシマブの場合HT29およびDLD1において予想外の拮抗的活性を示した。
順次行われた組み合わせは、W138において、また高濃度セツキシマブの場合HT29およびDLD1において予想外の拮抗的活性を示した。
実施例4
セツキシマブおよび細胞系C205の増殖活性(セツキシマブおよびCHPの直接的組み合わせ)
セツキシマブを40μg/ml〜1.25μg/mlへ2段階希釈し、CHPを、濃度400μg/mlにおいてそのモノクローナル抗体との直接的組み合わせに使用した(C205 comb)。(*=有意差あり)
セツキシマブおよび細胞系C205の増殖活性(セツキシマブおよびCHPの直接的組み合わせ)
セツキシマブを40μg/ml〜1.25μg/mlへ2段階希釈し、CHPを、濃度400μg/mlにおいてそのモノクローナル抗体との直接的組み合わせに使用した(C205 comb)。(*=有意差あり)
結論
セツキシマブとの直接的組み合わせでは、低濃度CHP(5および2.5μg/ml)は予想外に拮抗的であるが、その他の濃度のCHPについては有意な相互作用はなかった。
セツキシマブとの直接的組み合わせでは、低濃度CHP(5および2.5μg/ml)は予想外に拮抗的であるが、その他の濃度のCHPについては有意な相互作用はなかった。
実施例5
セツキシマブおよび細胞系BxPC3およびMIAPaCa2(CHP 200μg/mlで前培養)の増殖活性
更に多くの細胞系、すなわちBxPC3およびMIAPaCa2すい臓癌細胞系を使用してCHPによる前処理を用いた実験を行った。細胞は、5日間200μg/ml CHPを用いて前処理し、セツキシマブ(40〜1.3μg/ml)でテストした。(*=有意差あり)
セツキシマブおよび細胞系BxPC3およびMIAPaCa2(CHP 200μg/mlで前培養)の増殖活性
更に多くの細胞系、すなわちBxPC3およびMIAPaCa2すい臓癌細胞系を使用してCHPによる前処理を用いた実験を行った。細胞は、5日間200μg/ml CHPを用いて前処理し、セツキシマブ(40〜1.3μg/ml)でテストした。(*=有意差あり)
結論
驚くべきことにMIAPaCa2において、CHP―セツキシマブ間の拮抗的相互作用が観察された。
驚くべきことにMIAPaCa2において、CHP―セツキシマブ間の拮抗的相互作用が観察された。
実施例6
セツキシマブおよびCHP誘導体による前培養後の細胞系C205の増殖活性
Colo 205細胞のセツキシマブに対する感受性を、それぞれの誘導体(A1.21、A1.23およびA2.23)と当該細胞を5日間組織培養(50μg/ml)において前培養した後にテストした。(*=有意差あり)
セツキシマブおよびCHP誘導体による前培養後の細胞系C205の増殖活性
Colo 205細胞のセツキシマブに対する感受性を、それぞれの誘導体(A1.21、A1.23およびA2.23)と当該細胞を5日間組織培養(50μg/ml)において前培養した後にテストした。(*=有意差あり)
結論
ここでテストした3誘導体のそれぞれとのColo205細胞の前処理は、驚くべきことにセツキシマブに対する当該細胞の感受性を変化させなかったか、あるいはわずかに拮抗的であったのみである。
ここでテストした3誘導体のそれぞれとのColo205細胞の前処理は、驚くべきことにセツキシマブに対する当該細胞の感受性を変化させなかったか、あるいはわずかに拮抗的であったのみである。
実施例7
リツキシマブ、および細胞系C205、CRO2BおよびMIAPaCa−2のCHPによる前処理後の増殖活性
1群の細胞系、即ち、CRO2B癌様細胞、MIAPaCa−2すい臓癌およびColo205結腸癌細胞を400μg/ml CHP(chp4)で5日間組織培養において前処理し、リツキシマブ(160〜5μg/ml)に曝露した。(*=有意差あり)
リツキシマブ、および細胞系C205、CRO2BおよびMIAPaCa−2のCHPによる前処理後の増殖活性
1群の細胞系、即ち、CRO2B癌様細胞、MIAPaCa−2すい臓癌およびColo205結腸癌細胞を400μg/ml CHP(chp4)で5日間組織培養において前処理し、リツキシマブ(160〜5μg/ml)に曝露した。(*=有意差あり)
結論
細胞はCD20―陰性であることが予測される。驚くべきことに、MIAPaCa2に対してCHPと相乗効果を示した。
細胞はCD20―陰性であることが予測される。驚くべきことに、MIAPaCa2に対してCHPと相乗効果を示した。
実施例8
アバスタチンおよび細胞系C205、CRO2BおよびMIAPaCa−2のCHPによる前処理後の増殖活性
上記(リツキシマブ)と同じ細胞系をCHP(chp4)で前処理し、アバスタチン(200〜6.3μg/ml)でテストした。(*=有意差あり)
アバスタチンおよび細胞系C205、CRO2BおよびMIAPaCa−2のCHPによる前処理後の増殖活性
上記(リツキシマブ)と同じ細胞系をCHP(chp4)で前処理し、アバスタチン(200〜6.3μg/ml)でテストした。(*=有意差あり)
結論
MIAPaCa2およびColo205における、高濃度アバスタチンとCHP前処理のわずかな相乗効果
MIAPaCa2およびColo205における、高濃度アバスタチンとCHP前処理のわずかな相乗効果
実施例9
colo250結腸癌細胞系に対し、分析用EGFR―抗体とCHPとの組み合わせによる実験を行った。抗体の最高濃度は0.25μg/mlであった。
colo250結腸癌細胞系に対し、分析用EGFR―抗体とCHPとの組み合わせによる実験を行った。抗体の最高濃度は0.25μg/mlであった。
結論
驚くべきことに、CHP濃度200μg/ml、EGFR―抗体濃度0.25μg/mlの濃度において、34.6±11%と高い増殖効果を示した。
驚くべきことに、CHP濃度200μg/ml、EGFR―抗体濃度0.25μg/mlの濃度において、34.6±11%と高い増殖効果を示した。
Claims (15)
- 抗腫瘍抗体を伴うプロリン、またはプロリン誘導体またはそれらの塩、エステル、異性体またはプロドラッグ、および任意の薬学的に許容し得るキャリアー、賦形剤あるいは希釈剤からなる医薬組成物。
- 前記抗腫瘍抗体がモノクローナル抗体である請求項1記載の組成物。
- 前記モノクローナル抗体が、トラスツズマブ(Trastuzumab)(ハーセプチン(Herceptin))、セツキシマブ(Cetuximab)、リツキシマブ(Rituximab)、アバスタチン(Avastatin)またはEGFR−抗体からなる群より選択される請求項2記載の組成物。
- シス-4-ヒドロキシ-L-プロリン(cis-4-hydroxy-L-proline)(CHP)、4-ヒドロキシ-1-メチル-プロリン(4-hydroxy-1-methyl-proline)または1-メチル-4-フェニルアミノ-カルボニルオキシ-プロリン(1-methyl-4-phenylamino-carbonyloxy-proline)またはそれらの塩またはエステルからなる群より選択されるプロリン誘導体からなる請求項1記載の組成物。
- 腫瘍細胞を請求項1記載の組成物で、またはプロリン若しくはプロリン誘導体若しくはそれらの塩、エステル、異性体若しくはプロドラッグでin vitroまたはin vivoにおいて処理する腫瘍細胞レセプターの改変法。
- 標的を請求項1記載の組成物で、またはプロリン若しくはプロリン誘導体若しくはそれらの塩、エステル、異性体若しくはプロドラッグでin vitroまたはin vivoにおいて処理する、腫瘍抗原および/または腫瘍細胞レセプターに対する抗体の標的選択性の改善法。
- 治療法上効果的な量の、請求項1記載の組成物またはプロリン若しくはプロリン誘導体若しくはそれらの塩、エステル、異性体若しくはプロドラッグを、それを必要とする被験者に投与することからなる癌または癌様の病状の治療法
- 癌または癌様の病状が、白血病、固形癌、肉腫、乳房、結腸、膀胱、すい臓、子宮内膜、頭部及び頚部、中皮腫、骨髄腫、食道/口内、睾丸、甲状腺、子宮頚部、骨、腎、子宮、前立腺、脳、肺、卵巣、皮膚、肝臓および大腸および胃の癌、腫瘍及びメラノーマから成る群より選択される請求項7記載の治療法。
- プロリン、プロリン誘導体、またはそれらの塩、エステル、異性体またはプロドラッグが、抗腫瘍抗体からなる活性物質とは別の容器に保管されている、請求項1による抗癌組成物の活性物質からなるキットおよびそのキットの部分の使用に関する情報。
- 癌治療のための医薬組成物の製造を目的としたプロリンまたはプロリン誘導体またはそれらの塩、エステル、異性体またはプロドラッグの抗腫瘍抗体を伴う使用。
- シス-4-ヒドロキシ-L-プロリン(CHP)、4-ヒドロキシ-1-メチル-プロリンまたは1-メチル-4-フェニルアミノ-カルボニルオキシ-プロリンから成る群より選択される、プロリン誘導体またはプロリン誘導体の塩またはエステルが使用される、請求項10記載の使用。
- モノクローナル抗体が使用される、請求項10記載の使用。
- モノクローナル抗体が、トラスツズマブ(ハーセプチン)、セツキシマブ、リツキシマブ、アバスタチンまたはEGFR-抗体から成る群より選択される、請求項12記載の使用。
- 癌治療のための医薬組成物および/または請求項9記載のキットの製造を目的としたプロリン、プロリン誘導体および/またはそれらの塩、エステル、異性体、ラセミ体、鏡像異性体またはプロドラッグの抗腫瘍抗体および/または抗腫瘍剤および/または血管新生阻害剤を伴う使用。
- 請求項14記載の組み合わせを使用する癌治療の方法。
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