JP2008222953A - 粘着シート - Google Patents
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Abstract
【課題】架橋剤による十分な架橋反応性、低金属腐食性、低アウトガス性を有し、特に電子部品貼付用の粘着シートとして有用な粘着シートを提供すること。
【解決手段】基材シートの少なくとも片面に粘着剤層を設けた粘着シートであり、粘着剤層を形成する粘着剤が下記の(A)〜(C)成分
(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル、
(B)官能基含有不飽和単量体および
(C)エチレン性不飽和基含有イミダゾール系化合物
を共重合させてなるカルボキシル基未含有アクリル系共重合体を主成分とする樹脂組成物であって、上記(C)成分由来の構造単位が前記アクリル系共重合体中に0.05〜5.0質量%の割合で含有することを特徴とする粘着シートである。
【選択図】なし
【解決手段】基材シートの少なくとも片面に粘着剤層を設けた粘着シートであり、粘着剤層を形成する粘着剤が下記の(A)〜(C)成分
(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル、
(B)官能基含有不飽和単量体および
(C)エチレン性不飽和基含有イミダゾール系化合物
を共重合させてなるカルボキシル基未含有アクリル系共重合体を主成分とする樹脂組成物であって、上記(C)成分由来の構造単位が前記アクリル系共重合体中に0.05〜5.0質量%の割合で含有することを特徴とする粘着シートである。
【選択図】なし
Description
本発明は粘着シート、特に電子部品貼付用として有用な粘着シートに関する。さらに詳しくは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分として共重合されたアクリル系共重合体を含む樹脂組成物を粘着剤として用いた粘着シートに関する。本発明の粘着シートにおいては、一般的に粘着剤の主要成分として用いられるアクリル系共重合体におけるモノマー成分として(メタ)アクリル酸のような不飽和カルボン酸を使用せず、したがって、カルボキシル基未含有アクリル系共重合体を主成分とする樹脂組成物が粘着剤として用いられている。
本発明の粘着シートは、アクリル系共重合体がカルボキシル基を含んでいなくても、ポリイソシアネートのような架橋剤による十分な架橋反応性を有しており、しかもカルボキシル基を含まないことによる低金属腐食性、低アウトガス性を有しており、特に電子部品貼付用の粘着シートとして有用である。
本発明の粘着シートは、アクリル系共重合体がカルボキシル基を含んでいなくても、ポリイソシアネートのような架橋剤による十分な架橋反応性を有しており、しかもカルボキシル基を含まないことによる低金属腐食性、低アウトガス性を有しており、特に電子部品貼付用の粘着シートとして有用である。
一般の粘着シートまたはラベルにおいては、粘着剤として、従来から(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー成分とするアクリル系共重合体を含む樹脂組成物がしばしば用いられてきた。近年の電子部品用の粘着シートまたはラベルにおいては、アクリル系共重合体の側鎖分解物に由来するアルコール成分がアウトガスとなり、電子部品の動作に不具合を与える恐れがあるため、アクリル系共重合体において側鎖となる部分の分子量の低いモノマー成分を使用するか、あるいは、側鎖となる部分の分解を助長する(メタ)アクリル酸のような不飽和カルボン酸[以下、(メタ)アクリル酸等ということがある]を使用しない等の工夫が必要である。
また、電子部品用の粘着シートにおいて、被着体は金属が主であり、様々な環境下で使用されることから、金属に対して腐食作用のないような性能も要求される。この性能を付与するには、モノマーとして腐食の要因となる(メタ)アクリル酸等を使用しないことが特に重要となる。
しかしながら、粘着剤の凝集力を調整するための架橋反応において、(メタ)アクリル酸等は非常に重要な役割りを示すため、単純に(メタ)アクリル酸等の使用を避けると別の問題が生じる。つまり、モノマーとして(メタ)アクリル酸等を使用しないアクリル系共重合体を主成分とする樹脂組成物からなる粘着剤の一般的なポリイソシアネート化合物による架橋においては(メタ)アクリル酸等の触媒的な作用がないため、室温条件下における架橋反応が数週間たっても終了しないといった不具合が発生してしまう。
このポリイソシアネート化合物による架橋については、数々の架橋促進剤が知られているが、以下の理由で電子部品貼付用としては不適当である。有機スズ系の架橋促進剤(特許文献1)は有機スズ自体がアウトガスとして電子部品を汚染するのでシリコーンと同様に本用途では使用に適さない。
アミノ基含有化合物(特許文献2)のような架橋促進剤は低分子量のため、乾燥時に揮発してしまい効果が薄れるほか、アウトガス成分としても検出される恐れがある。また高分子量のアミノ基含有化合物を適用しても被着体を汚染する恐れがあることからこれも本用途には適さない。
ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキシル亜鉛等の有機亜鉛化合物やステアリン酸鉛、ナフテン酸鉛、2―エチルヘキシル鉛等の有機鉛化合物のような架橋促進剤を用いることが提案(特許文献3)されているが、人体に有毒な重金属を使用せねばならないという問題がある。
また、電子部品用の粘着シートにおいて、被着体は金属が主であり、様々な環境下で使用されることから、金属に対して腐食作用のないような性能も要求される。この性能を付与するには、モノマーとして腐食の要因となる(メタ)アクリル酸等を使用しないことが特に重要となる。
しかしながら、粘着剤の凝集力を調整するための架橋反応において、(メタ)アクリル酸等は非常に重要な役割りを示すため、単純に(メタ)アクリル酸等の使用を避けると別の問題が生じる。つまり、モノマーとして(メタ)アクリル酸等を使用しないアクリル系共重合体を主成分とする樹脂組成物からなる粘着剤の一般的なポリイソシアネート化合物による架橋においては(メタ)アクリル酸等の触媒的な作用がないため、室温条件下における架橋反応が数週間たっても終了しないといった不具合が発生してしまう。
このポリイソシアネート化合物による架橋については、数々の架橋促進剤が知られているが、以下の理由で電子部品貼付用としては不適当である。有機スズ系の架橋促進剤(特許文献1)は有機スズ自体がアウトガスとして電子部品を汚染するのでシリコーンと同様に本用途では使用に適さない。
アミノ基含有化合物(特許文献2)のような架橋促進剤は低分子量のため、乾燥時に揮発してしまい効果が薄れるほか、アウトガス成分としても検出される恐れがある。また高分子量のアミノ基含有化合物を適用しても被着体を汚染する恐れがあることからこれも本用途には適さない。
ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキシル亜鉛等の有機亜鉛化合物やステアリン酸鉛、ナフテン酸鉛、2―エチルヘキシル鉛等の有機鉛化合物のような架橋促進剤を用いることが提案(特許文献3)されているが、人体に有毒な重金属を使用せねばならないという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、カルボキシル基未含有アクリル系共重合体でも架橋剤による架橋反応が十分に早く、金属に対する腐食性も少ない他、粘着シートからのアウトガス発生量も少ない粘着シート、特に電子部品貼付用粘着シートの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明者は鋭意検討した結果、アクリル系共重合体を構成する共重合性モノマー成分のひとつとして、エチレン性不飽和基含有イミダゾール系化合物を用いることにより上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記
(1)基材シートの少なくとも片面に粘着剤層を設けた粘着シートであり、粘着剤層を形成する粘着剤が下記の(A)〜(C)成分
(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル、
(B)官能基含有不飽和単量体および
(C)エチレン性不飽和基含有イミダゾール系化合物
を共重合させてなるカルボキシル基未含有アクリル系共重合体を主成分とする樹脂組成物であって、上記(C)成分由来の構造単位が前記アクリル系共重合体中に0.05〜5.0質量%の割合で含有することを特徴とする粘着シート、
(2)カルボキシル基未含有アクリル系共重合体が、さらに、前記(A)〜(C)成分と共重合可能な(D)その他の不飽和単量体由来の構造単位を含む上記(1)に記載の粘着シート、
(3)前記(A)成分由来の構造単位、前記(B)成分由来の構造単位、前記(C)成分由来の構造単位および前記(D)成分由来の構造単位を前記カルボキシル基未含有アクリル系共重合体中に、それぞれ90.0〜99.0質量%、0.1〜5.0質量%、0.05〜5.0質量%、および0〜5.0質量%の割合で含有する上記(1)または(2)に記載の粘着シート、
(4)前記(B)成分が水酸基を有する不飽和単量体である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の粘着シート、
(5)前記粘着剤層が架橋剤により架橋されたものである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の粘着シート、
(6)粘着シートの粘着剤層面に剥離基材と非シリコーン系剥離層からなる剥離シートの剥離層面が積層された上記(1)〜(5)のいずれかに記載の粘着シート、
(7)アウトガス発生量がn−デカン換算量で1.0μg/cm2未満である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の粘着シート、
(8)電子部品貼付用である上記(1)〜(7)のいずれかに記載の粘着シートおよび
(9)電子部品がハードディスクである上記(8)に記載の粘着シートを提供する。
すなわち、本発明は、下記
(1)基材シートの少なくとも片面に粘着剤層を設けた粘着シートであり、粘着剤層を形成する粘着剤が下記の(A)〜(C)成分
(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル、
(B)官能基含有不飽和単量体および
(C)エチレン性不飽和基含有イミダゾール系化合物
を共重合させてなるカルボキシル基未含有アクリル系共重合体を主成分とする樹脂組成物であって、上記(C)成分由来の構造単位が前記アクリル系共重合体中に0.05〜5.0質量%の割合で含有することを特徴とする粘着シート、
(2)カルボキシル基未含有アクリル系共重合体が、さらに、前記(A)〜(C)成分と共重合可能な(D)その他の不飽和単量体由来の構造単位を含む上記(1)に記載の粘着シート、
(3)前記(A)成分由来の構造単位、前記(B)成分由来の構造単位、前記(C)成分由来の構造単位および前記(D)成分由来の構造単位を前記カルボキシル基未含有アクリル系共重合体中に、それぞれ90.0〜99.0質量%、0.1〜5.0質量%、0.05〜5.0質量%、および0〜5.0質量%の割合で含有する上記(1)または(2)に記載の粘着シート、
(4)前記(B)成分が水酸基を有する不飽和単量体である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の粘着シート、
(5)前記粘着剤層が架橋剤により架橋されたものである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の粘着シート、
(6)粘着シートの粘着剤層面に剥離基材と非シリコーン系剥離層からなる剥離シートの剥離層面が積層された上記(1)〜(5)のいずれかに記載の粘着シート、
(7)アウトガス発生量がn−デカン換算量で1.0μg/cm2未満である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の粘着シート、
(8)電子部品貼付用である上記(1)〜(7)のいずれかに記載の粘着シートおよび
(9)電子部品がハードディスクである上記(8)に記載の粘着シートを提供する。
本発明によれば、低分子量の架橋促進剤を添加することによる上記の問題が解決された、すなわち、架橋剤による架橋反応が十分に早く、金属に対する腐食性も少なく、さらに粘着シートからのアウトガス発生量も少ないアクリル系共重合体を主成分とする樹脂組成物を粘着剤として用いた粘着シートが提供される。
本発明の粘着シートにおいて、粘着剤層を形成するカルボキシル基未含有アクリル系共重合体は、(A)成分として(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(B)成分として官能基含有不飽和単量体及び(C)成分としてエチレン性不飽和基含有イミダゾール系化合物を含む単量体混合物を共重合させてなるものである。
(A)成分である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いることができるが、アルキル基の炭素数が4以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく用いられる。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルなどが挙げられる。
これらの中でタック性や凝集力とのバランス、および重合後の残留モノマー、側鎖分解物の沸点を低くし、粘着剤塗工時の熱乾燥による揮発除去の観点から、(メタ)アクリル酸n−ブチルや(メタ)アクリル酸メチルが好ましく用いられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記(A)成分由来の構造単位をアクリル系共重合体中に90.0〜99.0質量%程度、特に92.0〜98.0質量%の範囲で含有することが粘着剤のタック性と粘着力とのバランスの点で好ましい。
(A)成分である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いることができるが、アルキル基の炭素数が4以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく用いられる。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルなどが挙げられる。
これらの中でタック性や凝集力とのバランス、および重合後の残留モノマー、側鎖分解物の沸点を低くし、粘着剤塗工時の熱乾燥による揮発除去の観点から、(メタ)アクリル酸n−ブチルや(メタ)アクリル酸メチルが好ましく用いられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記(A)成分由来の構造単位をアクリル系共重合体中に90.0〜99.0質量%程度、特に92.0〜98.0質量%の範囲で含有することが粘着剤のタック性と粘着力とのバランスの点で好ましい。
本発明において、前記アクリル系共重合体には、(B)成分である官能基含有不飽和単量体として、ヒドロキシ基含有化合物及び/またはアミド基含有化合物が使用される。
ヒドロキシ基含有化合物としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどが挙げられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
アミド基含有化合物としては、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどのアクリルアミド系単量体などが挙げられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明においては、(B)成分の官能基含有不飽和単量体としてヒドロキシ基含有化合物が熱などによる変色がない点で好ましく用いられる。
本発明においては、(B)成分の官能基含有不飽和単量体として(メタ)アクリル酸のような不飽和カルボン酸を使用しないことが必要であり、それによって側鎖としてカルボキシル基を全く含まないアクリル系共重合体が得られ、特に電子部品貼付用に有用な粘着シートを提供することができる。
上記(B)成分由来の構造単位をアクリル系共重合体中に0.1〜5.0質量%程度、特に0.5〜3.0質量%の範囲で含有することが粘着剤の凝集力と粘着力とのバランスの点で好ましい。
ヒドロキシ基含有化合物としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどが挙げられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
アミド基含有化合物としては、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどのアクリルアミド系単量体などが挙げられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明においては、(B)成分の官能基含有不飽和単量体としてヒドロキシ基含有化合物が熱などによる変色がない点で好ましく用いられる。
本発明においては、(B)成分の官能基含有不飽和単量体として(メタ)アクリル酸のような不飽和カルボン酸を使用しないことが必要であり、それによって側鎖としてカルボキシル基を全く含まないアクリル系共重合体が得られ、特に電子部品貼付用に有用な粘着シートを提供することができる。
上記(B)成分由来の構造単位をアクリル系共重合体中に0.1〜5.0質量%程度、特に0.5〜3.0質量%の範囲で含有することが粘着剤の凝集力と粘着力とのバランスの点で好ましい。
本発明において、前記アクリル系共重合体には、(C)成分のエチレン性不飽和基含有イミダゾール系化合物として、窒素原子を2個有する5員環の複素環を有するエチレン性不飽和単量体であるN−ビニルイミダゾール、N-ビニル-2-メチルイミダゾール、N−アリルイミダゾール、N−アクリロイルイミダゾール、N−メタクリロイルイミダゾールなどが用いられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記(C)成分由来の構造単位をアクリル系共重合体中に0.05〜5.0質量%程度、特に0.1〜4.0質量%の範囲で含有することが粘着剤のポットライフ、粘着シートのシーズニングの点で好ましい。
本発明の粘着シートにおいて粘着剤層を形成するアクリル系共重合体中の(C)成分由来の構造単位は共重合体中に化学結合により組み込まれ、側鎖にイミダゾール構造を形成し、これが後で述べる架橋剤による架橋反応において架橋促進剤の役割を有しており、低分子量の架橋促進剤による前記のような問題が粘着シートにおいて発生するようなことはない。
上記(C)成分由来の構造単位をアクリル系共重合体中に0.05〜5.0質量%程度、特に0.1〜4.0質量%の範囲で含有することが粘着剤のポットライフ、粘着シートのシーズニングの点で好ましい。
本発明の粘着シートにおいて粘着剤層を形成するアクリル系共重合体中の(C)成分由来の構造単位は共重合体中に化学結合により組み込まれ、側鎖にイミダゾール構造を形成し、これが後で述べる架橋剤による架橋反応において架橋促進剤の役割を有しており、低分子量の架橋促進剤による前記のような問題が粘着シートにおいて発生するようなことはない。
本発明において、前記アクリル系共重合体には、重合時に(D)成分としてスチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル等前記の(A)〜(C)成分及びカルボキシル基未含有不飽和単量体以外のエチレン性不飽和単量体を必要に応じて加えることができる。
上記(D)成分由来の構造単位をアクリル系共重合体中に0〜5.0質量%、好ましくは0〜3.0質量%程度の範囲で含有していることが粘着剤のタックと粘着力とのバランスの点で好ましい。
上記(D)成分由来の構造単位をアクリル系共重合体中に0〜5.0質量%、好ましくは0〜3.0質量%程度の範囲で含有していることが粘着剤のタックと粘着力とのバランスの点で好ましい。
本発明において、粘着剤に用いられるアクリル系共重合体は、前記の単量体混合物を、たとえば、トルエンやキシレンのような炭化水素系や酢酸エチルのようなエステル系の有機溶剤中に溶解後、従来公知のアゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−アミノジプロパン)二塩酸塩、4,4'−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ系重合開始剤またはベンゾイルパーオキシド等の過酸化物系重合開始剤を添加してラジカル重合させて製造するのが好ましい。
上記重合開始剤の量は、単量体混合物100質量部に対して0.01〜5質量部の範囲が好ましく、特に0.1〜1質量部の範囲が好ましい。
重合反応においては、重合の進行とともに重合系中の単量体混合物と重合開始剤とが次第に低減していき、重合後期には両者が出会う確率が非常に低くなるため、系内には単量体混合物が残存することとなる。残存単量体混合物は、粘着シートの異臭の原因となったり、刺激性・毒性のある化合物であることが多いので、粘着剤中に残存していることは好ましくない。微量な(仕込みモノマーに対し数%以下)残存単量体混合物をポリマーから分別するのは、エネルギー経済性の観点から好ましくない。したがって、ブースターと呼ばれる後添加重合開始剤を重合終了間際に系内に添加して、この残存単量体混合物を極力重合させて残存単量体混合物を低減させる手法がとられる。
ラジカル重合は、通常10〜100℃程度、好ましくは、50〜90℃程度で、1〜20時間程度、好ましくは3〜10時間程度加熱して行うことにより、アクリル系共重合体の有機溶剤溶液が得られる。
得られるカルボキシル基未含有アクリル系共重合体の重量平均分子量は、通常20万以上、好ましくは、40万〜200万、さらに好ましくは、50万〜100万である。
高分子量化手法としては、溶剤として連鎖移動しにくいものを選択する、反応液中の単量体混合物の濃度を高くする(溶剤への連鎖移動を防止するため溶剤濃度を低くする)、重合開始剤の濃度(対モノマー)を低くする、比較的低めの反応温度で重合する等の方法があり、これらを組み合わせて重合することにより、上記のような重量平均分子量を有するカルボキシル基未含有アクリル系共重合体得ることができる。
上記重合開始剤の量は、単量体混合物100質量部に対して0.01〜5質量部の範囲が好ましく、特に0.1〜1質量部の範囲が好ましい。
重合反応においては、重合の進行とともに重合系中の単量体混合物と重合開始剤とが次第に低減していき、重合後期には両者が出会う確率が非常に低くなるため、系内には単量体混合物が残存することとなる。残存単量体混合物は、粘着シートの異臭の原因となったり、刺激性・毒性のある化合物であることが多いので、粘着剤中に残存していることは好ましくない。微量な(仕込みモノマーに対し数%以下)残存単量体混合物をポリマーから分別するのは、エネルギー経済性の観点から好ましくない。したがって、ブースターと呼ばれる後添加重合開始剤を重合終了間際に系内に添加して、この残存単量体混合物を極力重合させて残存単量体混合物を低減させる手法がとられる。
ラジカル重合は、通常10〜100℃程度、好ましくは、50〜90℃程度で、1〜20時間程度、好ましくは3〜10時間程度加熱して行うことにより、アクリル系共重合体の有機溶剤溶液が得られる。
得られるカルボキシル基未含有アクリル系共重合体の重量平均分子量は、通常20万以上、好ましくは、40万〜200万、さらに好ましくは、50万〜100万である。
高分子量化手法としては、溶剤として連鎖移動しにくいものを選択する、反応液中の単量体混合物の濃度を高くする(溶剤への連鎖移動を防止するため溶剤濃度を低くする)、重合開始剤の濃度(対モノマー)を低くする、比較的低めの反応温度で重合する等の方法があり、これらを組み合わせて重合することにより、上記のような重量平均分子量を有するカルボキシル基未含有アクリル系共重合体得ることができる。
発明における粘着剤は、樹脂成分として前記カルボキシル基未含有アクリル系共重合体を主成分とするものであるが、このアクリル系共重合体を架橋するための架橋剤を含有させたものが好ましい。用い得る架橋剤としては、ポリイソシアネート系架橋剤が好適である。
ポリイソシアネート系架橋剤は分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、具体的な例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、テトラメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水素化トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネート、及びこれらをトリメチロールプロパンなどと付加したポリイソシアネート化合物やイソシアヌレート化物、ビュレット型化合物、さらには公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなど付加反応させたウレタンプレポリマー型のポリイソシアネート等が挙げられる。
これらの架橋剤は、一種を単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
架橋剤の使用量は、アクリル系共重合体100質量部に対して0.1〜10質量部程度が適当であり、この架橋剤の使用量を調整することにより、永久接着型や再剥離型の粘着剤を調製することができる。
ポリイソシアネート系架橋剤は分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、具体的な例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、テトラメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水素化トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネート、及びこれらをトリメチロールプロパンなどと付加したポリイソシアネート化合物やイソシアヌレート化物、ビュレット型化合物、さらには公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなど付加反応させたウレタンプレポリマー型のポリイソシアネート等が挙げられる。
これらの架橋剤は、一種を単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
架橋剤の使用量は、アクリル系共重合体100質量部に対して0.1〜10質量部程度が適当であり、この架橋剤の使用量を調整することにより、永久接着型や再剥離型の粘着剤を調製することができる。
本発明の粘着シートは、上記のようにして調製された粘着剤を用いて形成された粘着剤層を有するものであり、その形態については特に制限はなく、例えば基材シートの片面に粘着剤層を有するもの、基材シートの両面に粘着剤層を有するもの、あるいは基材シートを用いずに、2枚の剥離シートにより粘着剤層が挟持されたものや、両面が剥離処理された剥離シートの片面に粘着剤層を設け、ロール状に巻いたものなど、いずれも用いることができる(剥離剤および剥離シートについては後で詳しく説明する)。
前記粘着剤層の厚さとしては、特に制限はなく、粘着シートの用途などに応じて適宜選定されるが、通常5〜100μmの範囲、好ましくは10〜60μmの範囲で選定される。
この粘着剤層は、従来公知の方法、例えばスピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などの方法により基材シートや剥離シートの剥離層面に粘着剤を塗工したのち、溶剤や低沸点成分の残留を防ぐために、80〜150℃の温度で30秒〜5分間加熱して形成するのが望ましい。
前記粘着剤層の厚さとしては、特に制限はなく、粘着シートの用途などに応じて適宜選定されるが、通常5〜100μmの範囲、好ましくは10〜60μmの範囲で選定される。
この粘着剤層は、従来公知の方法、例えばスピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などの方法により基材シートや剥離シートの剥離層面に粘着剤を塗工したのち、溶剤や低沸点成分の残留を防ぐために、80〜150℃の温度で30秒〜5分間加熱して形成するのが望ましい。
前記基材シートとしては特に制限はなく、様々なものを用いることができる。具体的にはポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリイミド、ポリアミド等の樹脂からなるシート、これらのシートにアルミニウムなどの金属蒸着を施したもの、上質紙、含浸紙などからなる紙類、アルミニウム箔や銅箔や鉄箔などの金属箔、さらには不織布、合成紙などが用いられる。
これらの基材シートの厚さは特に制限はなく、通常2〜200μm程度の範囲であるが、取り扱いやすさの面から、好ましくは10〜150μm程度の範囲である。
これらの基材シートの厚さは特に制限はなく、通常2〜200μm程度の範囲であるが、取り扱いやすさの面から、好ましくは10〜150μm程度の範囲である。
本発明の粘着シートにおいては、粘着剤層上に、所望により剥離シートを設けることができる。この剥離シートとしては、例えばグラシン紙、コート紙、上質紙などの紙基材、これらの紙基材にポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、又上記基材にセルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、アクリル−スチレン樹脂などで目止め処理を行なった紙基材、あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルムのようなプラスチックフィルム、およびこれらのプラスチックフィルムに易接着処理を施したフィルムなどに剥離剤を塗布したものなどが挙げられる。
剥離剤層を形成させるために用いる剥離剤としては、例えばオレフィン系樹脂、イソプレン系樹脂、ブタジエン系樹脂などのゴム系エラストマー、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂などが用いられる。本発明の粘着シートをハードディスク製造時や管理時の情報ラベルとして用いる場合にシリコーン系剥離剤を使用すると、剥離剤層から粘着剤層に微量移行し、そのシリコーン成分がハードディスク装置に付着し、それがハードディスク装置内部の記録ディスクや読み取りヘッドに酸化物などを形成し、該ハードディスク装置の機能を破損する場合がある。したがって、ハードディスク用途に本発明の粘着シートを用いる場合には、非シリコーン系剥離剤の使用が好ましい。また、剥離剤としてシリコーン系剥離剤を用いる場合には、シリコーン成分の粘着剤層への移行の少ないものを選択することが望ましい。
基材上に形成される剥離剤層の厚さは、特に限定されないが、剥離剤を溶液状態で塗工する場合は0.05〜2.0μmであるのが好ましく、より好ましくは、0.1〜1.5μmである。
剥離剤層として、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を用いて形成させる場合は、剥離剤層の厚さは、3〜50μmであるのが好ましく、5〜40μmであるのがより好ましい。
基材上に形成される剥離剤層の厚さは、特に限定されないが、剥離剤を溶液状態で塗工する場合は0.05〜2.0μmであるのが好ましく、より好ましくは、0.1〜1.5μmである。
剥離剤層として、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を用いて形成させる場合は、剥離剤層の厚さは、3〜50μmであるのが好ましく、5〜40μmであるのがより好ましい。
上記のようにして製造された本発明の粘着シートはアウトガス発生量が少ないことを特徴とする。本発明において、アウトガス発生量はn−デカン換算値で比較される。
粘着剤からのアウトガス発生量をn−デカン換算量で1.0μg/cm2未満とすることにより、貼付した精密電子部材の誤動作をもたらす可能性が著しく低減する。
本発明の粘着シートは、120℃の温度で10分間加熱した際の発生ガス量(A)が、n−デカン換算量で1.0μg/cm2未満、さらに好ましくは0.5μg/cm2以下で、しかも、被着体を腐食させることがないので、特に精密電子部材用途に適している。
なお、本発明の粘着シートが剥離シートを有する場合には、前記発生ガス量は、前記剥離シートを剥離除去して測定した値である。また、具体的な発生ガスの測定方法については実施例で詳しく説明する。
本発明の粘着シートが、情報ラベル用、固定用、絶縁用等の目的で適用される精密電子部材としては、例えばハードディスク装置、増設メモリーやICカードなどの半導体部品、半導体製造装置、リレースイッチ、配線基板などを挙げることができる。
粘着剤からのアウトガス発生量をn−デカン換算量で1.0μg/cm2未満とすることにより、貼付した精密電子部材の誤動作をもたらす可能性が著しく低減する。
本発明の粘着シートは、120℃の温度で10分間加熱した際の発生ガス量(A)が、n−デカン換算量で1.0μg/cm2未満、さらに好ましくは0.5μg/cm2以下で、しかも、被着体を腐食させることがないので、特に精密電子部材用途に適している。
なお、本発明の粘着シートが剥離シートを有する場合には、前記発生ガス量は、前記剥離シートを剥離除去して測定した値である。また、具体的な発生ガスの測定方法については実施例で詳しく説明する。
本発明の粘着シートが、情報ラベル用、固定用、絶縁用等の目的で適用される精密電子部材としては、例えばハードディスク装置、増設メモリーやICカードなどの半導体部品、半導体製造装置、リレースイッチ、配線基板などを挙げることができる。
以下、実施例及び比較例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制約されるものではない。なお、実施例及び比較例において、部および%は、各々、質量部及び質量%を意味し、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。
〔実施例1〕
<アクリル系共重合体の調製>
(A)成分であるアクリル酸n-ブチル97.9部、(B)成分であるアクリル酸2−ヒドロキシエチル2.0部、(C)成分であるN−ビニルイミダゾール0.1部からなる混合物に重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1部、溶剤として酢酸エチル150部を反応器に入れ、攪拌しながら80〜90℃に昇温して重合反応を行い、さらにトルエン10部にアゾビスイソブチロニトリル0.1部を溶解させた重合触媒液を逐次添加しながら7時間かけて重合させた。反応終了後に希釈溶剤(トルエンと酢酸エチルの混合溶媒)を追加することにより分子量50万のカルボキシル基未含有アクリル系共重合体の40%溶液を調製した。このアクリル系共重合体の溶液100部(固形分として40部)に架橋剤(コロネートL55E、日本ポリウレタン社製のトリレンジイソシアネート系架橋剤、固形分55%)を2部配合し、粘着剤組成物の溶液を調製した。
<粘着シートの作製>
基材として厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム〔東洋紡績(株)製、コスモシャインA4100〕を用い、得られた粘着剤組成物の溶液を乾燥後の厚さが25μmになるように塗工した後、120℃で2分間乾燥させて粘着剤層を形成させた。次いで、粘着剤層面に剥離剤層を有する剥離シートの剥離剤層面を貼付して粘着シートを作製した。
剥離シートは、基材としての坪量70g/m2、厚さ80μmの上質紙の片面に、剥離剤層として、低密度ポリエチレン〔三井化学(株)製、商品名「ユカロンLK−30」〕とエチレン−α−オレフィン共重合体〔三井化学(株)製、商品名「P−0280」〕との質量比50:50の混合物を、エキストル−ジョンラミネート法(溶融温度300℃)にて厚さ30μmになるようにラミネートして作製した。
<アクリル系共重合体の調製>
(A)成分であるアクリル酸n-ブチル97.9部、(B)成分であるアクリル酸2−ヒドロキシエチル2.0部、(C)成分であるN−ビニルイミダゾール0.1部からなる混合物に重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1部、溶剤として酢酸エチル150部を反応器に入れ、攪拌しながら80〜90℃に昇温して重合反応を行い、さらにトルエン10部にアゾビスイソブチロニトリル0.1部を溶解させた重合触媒液を逐次添加しながら7時間かけて重合させた。反応終了後に希釈溶剤(トルエンと酢酸エチルの混合溶媒)を追加することにより分子量50万のカルボキシル基未含有アクリル系共重合体の40%溶液を調製した。このアクリル系共重合体の溶液100部(固形分として40部)に架橋剤(コロネートL55E、日本ポリウレタン社製のトリレンジイソシアネート系架橋剤、固形分55%)を2部配合し、粘着剤組成物の溶液を調製した。
<粘着シートの作製>
基材として厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム〔東洋紡績(株)製、コスモシャインA4100〕を用い、得られた粘着剤組成物の溶液を乾燥後の厚さが25μmになるように塗工した後、120℃で2分間乾燥させて粘着剤層を形成させた。次いで、粘着剤層面に剥離剤層を有する剥離シートの剥離剤層面を貼付して粘着シートを作製した。
剥離シートは、基材としての坪量70g/m2、厚さ80μmの上質紙の片面に、剥離剤層として、低密度ポリエチレン〔三井化学(株)製、商品名「ユカロンLK−30」〕とエチレン−α−オレフィン共重合体〔三井化学(株)製、商品名「P−0280」〕との質量比50:50の混合物を、エキストル−ジョンラミネート法(溶融温度300℃)にて厚さ30μmになるようにラミネートして作製した。
〔実施例2〜5および比較例1、2および4〕
後記する表1に示す各成分を用いるとともに、その配合量を表1に示す割合に変えた以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物の溶液を調製し、粘着シートを作製した。実施例3では凝集力の調整を目的として(D)成分として酢酸ビニルを使用した。
後記する表1に示す各成分を用いるとともに、その配合量を表1に示す割合に変えた以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物の溶液を調製し、粘着シートを作製した。実施例3では凝集力の調整を目的として(D)成分として酢酸ビニルを使用した。
〔実施例6〕
後記する表1に示す各成分を用いるとともに、その配合量を表1に示す割合に変え、剥離シートとして以下のものを使用した以外は実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
厚み38μmのPETフィルム〔三菱ポリエステルフィルム(株)製:T100〕上に、ポリウレタン〔大日本インキ化学工業(株)製:クリスボン5150S、固形分50%〕100部、架橋剤〔大日本インキ化学工業(株)製のイソシアネート系架橋剤、商品名:クリスボンNX〕5部をメチルエチルケトン溶液にて固形分1%に希釈した溶液を塗工し、100℃で1分間乾燥させ、乾燥後の膜厚が0.15μmの下地層を形成した。
次いで、シス1,4−ポリブタジエン〔日本ゼオン(株)製:ニポールBR1241、固形分5%〕100部に酸化防止剤〔チバスペシャリティケミカルズ(株)製、イルガノックスHP2251〕を1部添加し、トルエンにて固形分濃度が0.5%になるように希釈した。前述の下地層上にこの溶液を剥離剤溶液とし、乾燥後の厚さが0.1μmとなるように塗工し、100℃で30秒間乾燥させ、次いでフュージョンHバルブ240w/cmを1灯備えたベルトコンベアー式紫外線照射装置により、コンベアー速度40m/分の条件(紫外線照射条件:100mJ/cm2)にて紫外線照射を行い、硬化させて剥離シートを得た。
後記する表1に示す各成分を用いるとともに、その配合量を表1に示す割合に変え、剥離シートとして以下のものを使用した以外は実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
厚み38μmのPETフィルム〔三菱ポリエステルフィルム(株)製:T100〕上に、ポリウレタン〔大日本インキ化学工業(株)製:クリスボン5150S、固形分50%〕100部、架橋剤〔大日本インキ化学工業(株)製のイソシアネート系架橋剤、商品名:クリスボンNX〕5部をメチルエチルケトン溶液にて固形分1%に希釈した溶液を塗工し、100℃で1分間乾燥させ、乾燥後の膜厚が0.15μmの下地層を形成した。
次いで、シス1,4−ポリブタジエン〔日本ゼオン(株)製:ニポールBR1241、固形分5%〕100部に酸化防止剤〔チバスペシャリティケミカルズ(株)製、イルガノックスHP2251〕を1部添加し、トルエンにて固形分濃度が0.5%になるように希釈した。前述の下地層上にこの溶液を剥離剤溶液とし、乾燥後の厚さが0.1μmとなるように塗工し、100℃で30秒間乾燥させ、次いでフュージョンHバルブ240w/cmを1灯備えたベルトコンベアー式紫外線照射装置により、コンベアー速度40m/分の条件(紫外線照射条件:100mJ/cm2)にて紫外線照射を行い、硬化させて剥離シートを得た。
〔比較例3〕
後記する表1に示す各成分を用いるとともに、その配合量を表1に示す割合に変えアクリル系共重合体を製造したのち、N−ビニルイミダゾールを0.5部添加することにより粘着剤組成物溶液を調整し、粘着シートを作製した。
後記する表1に示す各成分を用いるとともに、その配合量を表1に示す割合に変えアクリル系共重合体を製造したのち、N−ビニルイミダゾールを0.5部添加することにより粘着剤組成物溶液を調整し、粘着シートを作製した。
上記のようにして得られた実施例および比較例の粘着シートを用い、下記の方法に従って特性評価を行った。その結果を後記する表1に併せて示す。
<ゲル分率>
粘着シート製造後、室温条件下3日放置後、室温条件下7日放置後、及び室温条件下7日放置後に70℃条件下3日放置後の上記粘着シート(基材+粘着剤層)をナイロンメッシュメッシュ(#200)で包み、酢酸エチル還流下16時間抽出を行い、メッシュに残存した不溶解分の質量を測定し、粘着シートの質量変化について質量百分率に換算してゲル分率(%)とする。なお、このゲル分率は基材の同条件でのゲル分率を差し引いた値である。
<銅板腐食性>
上記粘着シートを製造後、室温条件下7日養生し、25mm×50mmの大きさにカットしたものを銅板に貼付した後、60℃、95%RH条件下7日間放置して、粘着シートを剥がした後の銅板表面の変化を目視にて確認した。
<アウトガス発生量>
発生ガス量はパージ&トラップGC Mass〔日本電子工業(株)製、JHS−100A〕にて測定した。試料(20cm2)をアンプル瓶に封入し、アンプル瓶をパージ&トラップGC Massにて、120℃、10分間加熱してガスを採取し、その後GC Mass(PERKIN ELMER製、Turbo Mass)に導入してn-デカンを用いて作成した検量線より、発生するガス量をn-デカン換算量(μg/cm2)として求めた。
<ゲル分率>
粘着シート製造後、室温条件下3日放置後、室温条件下7日放置後、及び室温条件下7日放置後に70℃条件下3日放置後の上記粘着シート(基材+粘着剤層)をナイロンメッシュメッシュ(#200)で包み、酢酸エチル還流下16時間抽出を行い、メッシュに残存した不溶解分の質量を測定し、粘着シートの質量変化について質量百分率に換算してゲル分率(%)とする。なお、このゲル分率は基材の同条件でのゲル分率を差し引いた値である。
<銅板腐食性>
上記粘着シートを製造後、室温条件下7日養生し、25mm×50mmの大きさにカットしたものを銅板に貼付した後、60℃、95%RH条件下7日間放置して、粘着シートを剥がした後の銅板表面の変化を目視にて確認した。
<アウトガス発生量>
発生ガス量はパージ&トラップGC Mass〔日本電子工業(株)製、JHS−100A〕にて測定した。試料(20cm2)をアンプル瓶に封入し、アンプル瓶をパージ&トラップGC Massにて、120℃、10分間加熱してガスを採取し、その後GC Mass(PERKIN ELMER製、Turbo Mass)に導入してn-デカンを用いて作成した検量線より、発生するガス量をn-デカン換算量(μg/cm2)として求めた。
上記結果から、実施例品はサンプル調製した後、常温で3日後においても十分に高いゲル分率を示し、イソシアネート架橋反応が十分に進行していることがうかがえる。また、銅板に対する腐食性テストにおいて、60℃、95%RH7日後でも銅板表面に外観変化は無く、低金属腐食性を有していることが確認される。アウトガス発生量についても十分に低いことが確認される。
一方、アクリル酸を用いた比較例1ではアウトガス発生量が多く、また、銅板腐食性テストにおいて、銅板表面の外観変化が認められ、銅板を腐食しているものと推察される。架橋促進剤を用いず、アクリル酸を用いてはいない比較例2ではサンプル調製した後(常温で7日後)においてもゲル分率が十分でなく、恐らく未反応のポリイソシアネート化合物が残存しているものと考えられる。また、同じくアクリル酸を用いてはいないが、架橋促進剤として低分子量である1,2-ジメチルイミダゾールをアクリル系共重合体を架橋剤と混合する段階で添加した比較例3については、サンプル調製した後(常温で7日後)においてもゲル分率が低いままであり、比較例2と同じく未反応のポリイソシアネート化合物が残存しているものと考えられる。
N−ビニルイミダゾールとアクリル酸を用いた比較例4については、比較例1の場合と同様にアウトガス発生量が多く、銅板腐食性を有していることが確認される。
一方、アクリル酸を用いた比較例1ではアウトガス発生量が多く、また、銅板腐食性テストにおいて、銅板表面の外観変化が認められ、銅板を腐食しているものと推察される。架橋促進剤を用いず、アクリル酸を用いてはいない比較例2ではサンプル調製した後(常温で7日後)においてもゲル分率が十分でなく、恐らく未反応のポリイソシアネート化合物が残存しているものと考えられる。また、同じくアクリル酸を用いてはいないが、架橋促進剤として低分子量である1,2-ジメチルイミダゾールをアクリル系共重合体を架橋剤と混合する段階で添加した比較例3については、サンプル調製した後(常温で7日後)においてもゲル分率が低いままであり、比較例2と同じく未反応のポリイソシアネート化合物が残存しているものと考えられる。
N−ビニルイミダゾールとアクリル酸を用いた比較例4については、比較例1の場合と同様にアウトガス発生量が多く、銅板腐食性を有していることが確認される。
Claims (9)
- 基材シートの少なくとも片面に粘着剤層を設けた粘着シートであり、粘着剤層を形成する粘着剤が下記の(A)〜(C)成分
(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステル、
(B)官能基含有不飽和単量体および
(C)エチレン性不飽和基含有イミダゾール系化合物
を共重合させてなるカルボキシル基未含有アクリル系共重合体を主成分とする樹脂組成物であって、上記(C)成分由来の構造単位が前記アクリル系共重合体中に0.05〜5.0質量%の割合で含有することを特徴とする粘着シート。 - カルボキシル基未含有アクリル系共重合体が、さらに、前記(A)〜(C)成分と共重合可能な(D)その他の不飽和単量体由来の構造単位を含む請求項1に記載の粘着シート。
- 前記(A)成分由来の構造単位、前記(B)成分由来の構造単位、前記(C)成分由来の構造単位および前記(D)成分由来の構造単位を前記カルボキシル基未含有アクリル系共重合体中に、それぞれ90.0〜99.0質量%、0.1〜5.0質量%、0.05〜5.0質量%、および0〜5.0質量%の割合で含有する請求項1または2に記載の粘着シート。
- 前記(B)成分が水酸基を有する不飽和単量体である請求項1〜3のいずれかに記載の粘着シート。
- 前記粘着剤層が架橋剤により架橋されたものである請求項1〜4のいずれかに記載の粘着シート。
- 粘着シートの粘着剤層面に剥離基材と非シリコーン系剥離層からなる剥離シートの剥離層面が積層された請求項1〜5のいずれかに記載の粘着シート。
- アウトガス発生量がn−デカン換算量で1.0μg/cm2未満である請求項1〜6のいずれかに記載の粘着シート。
- 電子部品貼付用である請求項1〜7のいずれかに記載の粘着シート。
- 電子部品がハードディスクである請求項8に記載の粘着シート。
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2007
- 2007-03-15 JP JP2007066546A patent/JP2008222953A/ja active Pending
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