JP2008213117A - 回転鋸 - Google Patents
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Abstract
【課題】 チップの形状を改善することにより、チップを形成する超硬質焼結体の消費量及びチップの刃の研磨量を少なくして回転鋸の製造費を低減する。
【解決手段】
歯幅が狭くかつ歯丈の高い先行チップ(5)と、該先行チップ(5)よりも歯幅が広くかつ歯丈の低い後続チップ(6)とを超硬質焼結体により形成し、円板状の台金の外周に前記先行チップ(5)及び後続チップ(6)を円周方向に間隔をおいて固着するとともに、前記先行チップ(5)を後続チップ(6)の歯幅方向中心部に配置する。前記後続チップ(6)は先行チップ(5)と回転方向でオーバーラップする歯幅方向中心部を凹欠き(6b)又は除去する。
【選択図】 図6
【解決手段】
歯幅が狭くかつ歯丈の高い先行チップ(5)と、該先行チップ(5)よりも歯幅が広くかつ歯丈の低い後続チップ(6)とを超硬質焼結体により形成し、円板状の台金の外周に前記先行チップ(5)及び後続チップ(6)を円周方向に間隔をおいて固着するとともに、前記先行チップ(5)を後続チップ(6)の歯幅方向中心部に配置する。前記後続チップ(6)は先行チップ(5)と回転方向でオーバーラップする歯幅方向中心部を凹欠き(6b)又は除去する。
【選択図】 図6
Description
本発明は、ダイヤモンド焼結体(PCD)、立方晶窒化ほう素(CBN)焼結体等の超硬質焼結体により形成されたチップを有する回転鋸に関し、特に、チップの消費量及び刃の研磨量を少なくして製造費が低減できる回転鋸に関するものである。
一般に、切削抵抗が小さく、かつ切断時の直進性を向上させる回転鋸として、歯幅の等しい平歯形チップと山歯形チップとを円周方向に交互に配列し、山歯形チップの頂部を平歯形チップの歯幅方向中心部から突出させた回転鋸がある。また、歯の耐摩耗性を向上させるためにダイヤモンド焼結体(PCD)、立方晶窒化ほう素(CBN)焼結体等の超硬質焼結体により形成されたチップがある。
そこで、切削抵抗の低減、及び切削時の直進性を得るとともに、刃の耐摩耗性を向上させるために、前記平歯形チップ及び山歯形チップをPCD、CBN等の超硬質焼結体により形成することが考えられるが、該平歯形チップ及び山歯形チップは共に等しい歯幅となっていること、及び再研磨量を加味した大きさとなっていること、等により、前記平歯形チップ及び山歯形チップを単に超硬質焼結体に変更するのみでは、高価な超硬質焼結体の消費量が増大するとともに、切刃が長くなって製作時の研磨量が増して製造費が嵩むことになる。
また、前記超硬質焼結体は、耐摩耗性があるも、靱性が低いため、使用中に衝撃等によって欠損し易く、再研磨を加味した大きさにしていても、実際は欠損したチップを新たなものに交換することとなり、修理費が嵩むことになる。
坂井秀春著「チップソー」、槇書店出版 昭和51年6月30日1版2刷 実用新案登録第3124503号公報
坂井秀春著「チップソー」、槇書店出版 昭和51年6月30日1版2刷
本発明は、チップの形状を改善することにより、チップを形成する超硬質焼結体の消費量及びチップの刃の研磨量を少なくして製造費が低減できる新規な回転鋸を得ることを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために以下の如く構成したものである。即ち、請求項1に係る発明は、歯幅が狭くかつ歯丈の高い先行チップと、該先行チップよりも歯幅が広くかつ歯丈の低い後続チップとを超硬質焼結体により形成し、円板状の台金の外周に前記先行チップ及び後続チップを円周方向に間隔をおいて固着するとともに、前記先行チップを後続チップの歯幅方向中心部に配置したものである。
請求項2に係る発明は、前記後続チップの、先行チップと回転方向でオーバーラップする歯幅方向中心部を凹欠き又は除去したものである。
請求項3に係る発明は、前記先行チップを、歯幅が狭くかつ歯丈の高い前段先行チップと、該前段先行チップよりも歯幅が広くかつ歯丈の低い後段先行チップとし、これらを円周方向に間隔をおいて配置するとともに、前記前段先行チップを前記後段先行チップの歯幅方向中心部に配置したものである。
請求項4に係る発明は、前記先行チップ及び後続チップを、超硬合金製の台座を介して台金に固着したものである。
請求項2に係る発明は、前記後続チップの、先行チップと回転方向でオーバーラップする歯幅方向中心部を凹欠き又は除去したものである。
請求項3に係る発明は、前記先行チップを、歯幅が狭くかつ歯丈の高い前段先行チップと、該前段先行チップよりも歯幅が広くかつ歯丈の低い後段先行チップとし、これらを円周方向に間隔をおいて配置するとともに、前記前段先行チップを前記後段先行チップの歯幅方向中心部に配置したものである。
請求項4に係る発明は、前記先行チップ及び後続チップを、超硬合金製の台座を介して台金に固着したものである。
請求項1に係る発明は、先行チップがひき溝の幅方向中心部を先行して切削し、次いで後続チップが前記ひき溝の幅方向両側を切削することになる。このため、切断時に歯部が横揺れし難くなり、直進性が高くなるとともに、先行チップと後続チップとが分担してひき溝の底部を切削することになるので切削抵抗が小さくなる。また、前記先行チップは、ひき溝の幅方向中心部を切削する歯幅となっているので、小形となり、該先行チップを形成する超硬質焼結体の消費量が少なくなる。さらに、先行チップは歯幅が狭くなった分、その先端切刃の長さが短くなり、この部の研磨が迅速に行なえるとともに、砥石の消耗量が少なくなって高精度の研磨が行なえることになる。
請求項2に係る発明は、後続チップの歯幅方向中心部に先端切刃が存在しなくなるので、該後続チップの先端切刃の研磨は歯幅方向両側のみとなる。このため、該先端切刃の研磨が迅速かつ高精度に行なえることになる。
請求項3に係る発明は、前記先行チップを、歯幅及び歯丈の異なる前段先行チップと後段先行チップとの組み歯としたので、切断時の直進性及び切削抵抗の低減が更に向上することになる。
請求項4に係る発明は、超硬質焼結体製の先行チップ及び後続チップを台金の外周部に強固に固着することができる。
請求項2に係る発明は、後続チップの歯幅方向中心部に先端切刃が存在しなくなるので、該後続チップの先端切刃の研磨は歯幅方向両側のみとなる。このため、該先端切刃の研磨が迅速かつ高精度に行なえることになる。
請求項3に係る発明は、前記先行チップを、歯幅及び歯丈の異なる前段先行チップと後段先行チップとの組み歯としたので、切断時の直進性及び切削抵抗の低減が更に向上することになる。
請求項4に係る発明は、超硬質焼結体製の先行チップ及び後続チップを台金の外周部に強固に固着することができる。
以下本発明の実施例を図面に基いて説明する。図面において、図1は本発明の第1実施例を示す部分側面図、図2は図1のII-II断面図、図3は図2のIII-III断面図、図4は図1のIV-IV断面図、図5は図4のV-V断面図、図6は本発明の第1実施例による先行チップと後続チップとの重なり状態を示す説明用正面図、図7は本発明の第2実施例による先行チップと後続チップとの重なり状態を示す説明用正面図である。
図1〜図5において、1は高シリコンアルミ合金材を切断する使い捨て用の回転鋸であり、耐摩耗性の高い超硬質焼結体製のチップを極力小形にして製造費を低減するようにしたものである。該回転鋸1は、本例では、外径約355mm、歯数40、台金2の厚さW1は約3.5mmとなっている。前記台金2は合金工具鋼(JIS規格;SKS5)により円板状に形成され、外周部に40個の鋸歯形の刃台3が円周方向に等ピッチ又は不等ピッチで形成され、各刃台3に台座4を介して歯丈の高い山歯形の先行チップ5と歯丈の低い平歯形の後続チップ6とを円周方向に交互に配置して固着する。
前記台座4は、超硬合金(JIS規格;K20)からなり、図2、図3に示すように、直方体形状に形成し、各刃台3の回転方向前部に形成した側面視L形の段部3aに載置して銀ロウ等によりロウ付け固着する。該台座4は、基部4aの左右幅W2を約4mm、先端部4bの左右幅W3を約5.4mmとし、先端部4bに先行チップ5がロウ付け固着される側面視L形の載置部4cを形成する。なお、前記台座4は載置部4cに先行チップ5をロウ付けした後に各刃台3にロウ付け固着される。
前記先行チップ5は、ダイヤモンド焼結体(PCD)、立方晶窒化ほう素(CBN)焼結体等の超硬質焼結体により、歯幅(歯厚)T2が約2.7mm、歯丈H2が約1.5mmとし、左右のすみ角K1が約35度、先端部の逃げ角C2が約10度、後部の逃げ角C1が約15度に形成され、台座4の載置部4cの左右中心部に載置して高融点のロウ材、例えばニッケルロウによりロウ付け固着される。
前記後続チップ6は、前記先行チップ5と同じ超硬質焼結体により、図4、図5に示すように、歯幅(歯厚)T1が約5mm、歯丈H1が前記先行チップ5の歯丈H2よりも若干低い約1.2mm、側面逃げ角S1が約1度、左右のすみ角K1が約35度、先端部の逃げ角C2が約10度、後部の逃げ角C1が約15度に形成され、また、上面の歯幅方向中心部に凹部(凹欠き)6bが形成され、該凹部6bの溝幅L1は前記先行チップ5の歯幅T2よりも若干狭くなる約2.1となっている。なお、後続チップ6は、前記凹部6bに相当する歯幅方向中心部を除去するようにしてもよい。
前記先行チップ5及び後続チップ6の後部の逃げ角C1は、超硬質焼結体の存在する先端部の逃げ角C2の研磨を少なくするためのものである。なお、前述した各部の寸法及び角度等は、切断物の材質等により適宜設定する。また、前記すみ角K1、K2は切断物によっては省略してもよい。
図6は、前記先行チップ5と後続チップ6とを回転方向正面側から見た重なり状態を示す説明用正面図であり、M1は後続チップ6に対する先行チップ5の突出量であり、該突出量M1は約0.3mmとなっている。また、P1は先行チップ5と後続チップ6とが回転方向でオーバーラップするオーバーラップ量であり、該オーバーラップ量P1は約0.3mmとなっている。
図7は第2実施例を示す。図7において、4は台座、6は後続チップであり、これらは前述した第1実施例の台座4、後続チップ6と略同様の構造となっている。5−1は前段先行チップ、5−2は後段先行チップである。後段先行チップ5−2は、上面の歯幅方向中心部に、前段先行チップ5−1の歯幅よりも若干狭くなる凹部(凹欠き)5cが形成されている。該後段先行チップ5−2の歯幅、歯丈、すみ角等は、前述した先行チップ5の歯幅T2、歯丈H2、すみ角K1と略同様となっている。なお、前記後段先行チップ5−2は、前記凹部5cに相当する歯幅方向中心部を除去するようにしてもよい。
前記前段先行チップ5−1は、歯幅T3を約1mm、歯丈は後段先行チップ5−2よりも約0.3mm高くし、左右に約35度のすみ角を有する山形としたものである。
前記実施例によれば、ワークを切断する際に、先行チップ5がひき溝の幅方向中心部を切削した後に、後続チップ6がひき溝の幅方向両側を切削することになるので、幅の狭い先行チップ5がガイド機能を発揮し、切断時に歯部が横揺れし難くなり、直進性が高くなる。また、先行チップ5と後続チップ6とが分担してひき溝の底部を切削することになるので切り屑が小片となり、切削抵抗が小さくなる。
また、前記先行チップ5は小形になるため、これを形成する超硬質焼結体の消費量が少なて済むとともに、先端切刃5aの長さが短くなるため、この部の研磨が迅速に行なえるとともに、砥石の消耗量が少なくなって高精度の研磨が行なえることになる。また、後続チップ6の歯幅方向中心部に、先行チップ5と回転方向でオーバーラップする幅の凹部6bを形成したので、該後続チップ6の先端切刃6aは歯幅方向両側のみとなり、該先端切刃6aの長さが短くなり、さらに、後続チップ6の高さH1が従来の高さ5mm〜6mmに対して約1.2mmとなるので、側面切刃の長さが短くなり、これら部の研磨が迅速かつ高精度に行なえることになる。
また、先行チップ5を、歯幅及び歯丈の異なる前段先行チップ5−1と後段先行チップ5−2としたので、歯幅が狭くかつ歯丈の高い前段先行チップ5−1の先端切刃5bの長さが更に短くなり、切断時の直進性がさらに向上するとともに、切削抵抗が低減することになる。
また、先行チップ5及び後続チップ6を、台座4を介して台金2に固着するようにしたので、台座4を超硬質焼結体製のチップ及び合金工具鋼製の台金2の双方に強固にろう付けできる材料、例えば超硬合金(JIS規格;K20)にすることにより、前記先行チップ5及び後続チップ6を台金2に強固に固着することができる。なお、本発明は、刃幅を順次低減させるとともに、歯丈を順次高くした2種以上のチップセット(先行チップ、後続チップ)を台金2の外周に複数セット取り付けるようにしてもよい。
1 回転鋸
2 台金
3 刃台
3a 段部
4 台座
4a 基部
4b 先端部
4c 載置部
5 先行チップ
5−1 前段先行チップ
5−2 後段先行チップ
5a(5b) 先端切刃
5c 凹部(凹欠き)
6 後続チップ
6a 先端切刃
6b 凹部(凹欠き)
2 台金
3 刃台
3a 段部
4 台座
4a 基部
4b 先端部
4c 載置部
5 先行チップ
5−1 前段先行チップ
5−2 後段先行チップ
5a(5b) 先端切刃
5c 凹部(凹欠き)
6 後続チップ
6a 先端切刃
6b 凹部(凹欠き)
Claims (4)
- 歯幅が狭くかつ歯丈の高い先行チップと、該先行チップよりも歯幅が広くかつ歯丈の低い後続チップとを超硬質焼結体により形成し、円板状の台金の外周に前記先行チップ及び後続チップを円周方向に間隔をおいて固着するとともに、前記先行チップを後続チップの歯幅方向中心部に配置したことを特徴とする回転鋸。
- 後続チップは、先行チップと回転方向でオーバーラップする歯幅方向中心部が凹欠き又は除去されてなることを特徴とする請求項1記載の回転鋸。
- 先行チップは、歯幅が狭くかつ歯丈の高い前段先行チップと、該前段先行チップよりも歯幅が広くかつ歯丈の低い後段先行チップとを円周方向に間隔をおいて配置するとともに、前記前段先行チップを前記後段先行チップの歯幅方向中心部に配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の回転鋸。
- 先行チップ及び後続チップは、超硬合金製の台座を介して台金に固着されてなることを特徴とする請求項1,2又は3何れか1項に記載の回転鋸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007056644A JP2008213117A (ja) | 2007-03-07 | 2007-03-07 | 回転鋸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007056644A JP2008213117A (ja) | 2007-03-07 | 2007-03-07 | 回転鋸 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008213117A true JP2008213117A (ja) | 2008-09-18 |
Family
ID=39833773
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007056644A Pending JP2008213117A (ja) | 2007-03-07 | 2007-03-07 | 回転鋸 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008213117A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013193200A (ja) * | 2012-03-21 | 2013-09-30 | Osamu Kobayashi | チップソー |
CN104416229A (zh) * | 2013-08-30 | 2015-03-18 | 安泰科技股份有限公司 | Pcd锯片及其制备方法 |
JP2016032866A (ja) * | 2013-06-21 | 2016-03-10 | アルベルト・クネーベル・ホールディング・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング | 小さい鋸歯を有する鋸身 |
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WO2020122335A1 (ko) * | 2018-12-12 | 2020-06-18 | 김홍기 | 톱날 팁 및 이를 구비한 원형톱 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS6313613U (ja) * | 1986-07-09 | 1988-01-29 | ||
JP2004230531A (ja) * | 2003-01-31 | 2004-08-19 | Allied Material Corp | 回転鋸 |
JP2006231480A (ja) * | 2005-02-25 | 2006-09-07 | Amada Co Ltd | 鋸刃 |
-
2007
- 2007-03-07 JP JP2007056644A patent/JP2008213117A/ja active Pending
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