JP2008210930A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の半導体装置の製造方法は、プラズマ生成可能な反応室2において、半導体基板Wの被処理面に膜を形成する工程に先立って、前記膜を形成する工程を行う反応室に半導体基板Wを設置したまま、少なくとも酸素ガスを用いたプラズマを生成し制御して前記被処理面をプラズマ処理する第1の工程と、反応室2に半導体基板Wを設置したまま、少なくとも水素ガスを用いたプラズマを生成し制御して前記被処理面をプラズマ処理する第2の工程とを、順に有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
近年、半導体装置の小型化に伴い、微細なパターンを形成することが要求され、パターンの解像度を高めるために、露光時の焦点深度の観点からフォトレジスト膜の膜厚を小さくする必要性がある。
しかし、フォトレジスト膜の膜厚を小さくするとエッチング耐性が低下し、マスクとしての機能が果たせない場合があり、フォトレジストマスクを利用したエッチングに代えて、更にハードマスクを形成する方法が知られている。
ハードマスクの材料には、下地層に対して大きなエッチング選択比を有する、酸化シリコンや窒化シリコンなどが用いられていたが、このようなハードマスクを用いると、下地層が酸化シリコン膜や窒化シリコン膜を含む場合、必要なエッチング選択比が得られない。
そこで、これらの膜に対してエッチング選択比を得るハードマスクとして、近年、アッシング可能なアモルファスカーボンが用いられるようになってきたが、アモルファスカーボンから成るハードマスクは、炭素を主成分とするフォトレジスト膜とのエッチング選択比を得ることが難しい。
このような膜の成膜には、一般に、平行平板型のPE-CVD(Plasmaenhanced chemical vapour deposition)装置が用いられ、反応ガスにはメタン(CH4)やアセチレン(C2H2)、エタン(C2H6)、プロピレン(C3H6)、エチレン(C2H4)などのハイドロカーボンガスが、また、キャリアガスにヘリウム(He)、アルゴン(Ar)などの不活性気体が用いられている。
平行平板型のPE-CVD装置は、一般に、チャンバによって覆われて外部から遮断された反応室を有している。この反応室には半導体基板を載せて加熱できるステージがあり、このステージに半導体基板を載せたまま、比較的高温(500〜550℃)に設定して成膜を行なう。
そこで、本発明者が研究した結果、ヒータ温度を300〜400℃程度まで下げることで、ある程度ドライエッチ耐性は犠牲になるものの、可視光領域での吸収係数kを0.1以下まで下げることができることを知見するとともに、成膜温度が400℃以下では、被加工対象となる膜(主に酸化膜や窒化膜)とカーボン膜の密着性が悪くなることが判明した。
本発明者の研究の結果、硫酸過酸化水素水溶液で半導体基板を洗浄し、直後にカーボン膜を形成した場合、密着性が比較的良く、放置時間が長くなるにつれ、密着性が悪化する傾向が認められた。密着性の評価には、テープテストや、modified Edge Liftoff Test(mELT法)を用いて行った。
その結果、放置時間が長くなるに従い、より大きな分子量を持つ分子の割合が増えていくことが判明し、分析の結果からその主な分子はDOP(フタル酸ジオクチル)やDBP(フタル酸ジブチル)、DOA(アジピン酸ジエチルヘキシル)と推定することができた。これらの分子は樹脂用可塑剤として、広範囲に使用されており、装置、建材等から発生すると考えられる。
これらの有機物の量と密着性の悪化に相関が認められたことにより、半導体基板表面の有機物による汚染が密着性悪化の原因の一つと考えられる。そこで、洗浄工程から、カーボン膜成長までの待ち時間の管理強化が考えられたが、装置の稼動状況によっては待ち時間が一定せず、管理が煩雑であるうえに結果が安定しなかった。
そこで、本発明者は、カーボン膜を成膜するPE−CVD装置の反応室に半導体基板を導入した後、カーボン膜を半導体基板表面に堆積する前に、これらの有機物を除去することが重要であると考えた。
また、第1の工程に続いて、前記反応室に前記半導体基板を設置したまま、少なくとも水素ガスを用いたプラズマを生成し制御して前記被処理面をプラズマ処理する第2の工程を有することで、前記反応室に搬入された前記半導体基板を外部に晒すことなく、酸素よりも活性の低い水素原子からなるプラズマが、弱いパワーで第1の工程と同じ原理により、前記半導体基板の被処理面に付着している有機物を、第1の工程よりも穏やかに酸化して除去することができる。その後、前記半導体基板を再び前記反応室から搬出入することなく前記膜を形成する工程を行うことができるので、この第2の工程におけるプラズマ処理の効果を保ったまま、前記被処理面に成膜することができる。
また、第1の工程と第2の工程とを順に有することで、電圧などの条件によらずプラズマを生成するガスの種類を変えることで、パワーを段階的に制御することができ、強すぎるパワーで前記半導体基板の前記被処理面を損傷させることなく、弱すぎるパワーで前記半導体基板の前記被処理面に有機物を残留させることなく、前記膜を形成する工程を行うことができ、膜剥がれによる歩留の低下を回避することができる。
また、前記酸素ガスを5〜20%の割合で用いることで、効果的に基板表面の有機物を除去可能で、かつ安定したプラズマを発生させることが可能である。
また、前記水素ガスを5〜20%の割合で用いることで、効果的に基板表面を水素終端可能で、かつ安定したプラズマを発生させることが可能である。
本実施形態の半導体装置の製造方法は、図1に示すような、平行平板型PE−CVD(Plasmaenhanced chemical vapour deposition)装置1を用い、外部から隔壁2Aにより遮断された反応室2で行う。
反応室2は、半導体基板Wを載せることができ、且つ、アノード電極を兼ねているステージ3を反応室2の中央に有し、ステージ3の上方から気体を送入することができ、且つ、カソード電極を兼ねているシャワープレート4をステージ3の上方に有し、両電極間にRF電圧をかけるRF電源5を、シブロッキングキャパシタ(図示せず)とインピーダンスマッチングボックス(図示せず)を介してシャワープレート4に接続して反応室2の外部に有している。
更に、半導体基板Wの搬出入を制御するスリットバルブ6を反応室2の側部に有し、反応室2の上方からシャワープレート4を介して、第1の気体を送入する第1のガスライン7と、第2の気体を送入する第2のガスライン8と、第3の気体を送入する第3のガスライン9と、第4の気体を送入する第4のガスライン10とを反応室2の上部2Bに有している。また、第5の気体を送入する第5のガスライン11を反応室2の下部2Cに有し、断面が方形で平面視ではドーナツ状の形状で内部は空洞状の排気室12Aを有した排気ダクト(排気装置)12を反応室2の側面を取り囲むように有している。
排気ダクト12は、排気配管13を介して排気ポンプ14と連結し、排気ポンプ14は排気ポンプ排気ポート15を備え、排気配管13は、排気を調節する主排気バルブ16と、排気配管13内の圧力を制御する圧力制御弁17と、その圧力を計測する圧力センサ18とを備えている。
反応室2からの排気は、まずこの排気ダクト12に均等に排気され、さらに排気配管13、排気ポンプ14、排気ポンプ排気ポート15を介して排気される。
また、第1のガスライン7は第1のバルブ19を、第2のガスライン8は第2のバルブ20を、第3のガスライン9は第3のバルブ21を、第4のガスライン10は第4のバルブ22を、第5のガスライン11は第5のバルブ23をそれぞれ備え、各ラインからの気体送入量をそれぞれ調節することができる。
500℃以上で処理したカーボン膜は電気伝導性を示し、300〜400℃で成膜したカーボン膜は絶縁性を示すことから、可視光の吸収にグラファイトライクな膜質になっていることが関係していると考えられる。低温で成膜することでグラファイトライクな結合が減少し、その結果、透明な膜が得られると考えられる。
半導体基板Wをステージ3上に設置した後、ステージ3を所定の高さに調整し、半導体基板Wの温度を安定させる。
キャリアガスは不活性ガスであればよいが、ヘリウム(He)が好ましい。
それぞれの気体流量は、キャリアガスを例えば5l/mとし、O2を例えば0.5l/mとすればよい。(*O2が0.5l/mですと、9%となりより好ましい範囲
O2ガスは、5〜20%の範囲であることが好ましく、より好ましくは9〜17%の範囲である。
上記範囲は、基板表面上の有機物が充分に除去され、なおかつ、安定にプラズマが発生する範囲とした。
これによって、半導体基板Wの被処理面に付着している有機物を酸化し、二酸化炭素(CO2)または一酸化炭素(CO)ガスとして除去することが出来る。
その後、RF電圧の印加を停止し、O2ガスの供給を停止する。
キャリアガスは不活性ガスであればよいが、第1の工程と同様に、Heが好ましい。
ガスの流量は、キャリアガスを例えば5l/mとし、H2を例えば0.5l/mとすればよい。
H2ガスは、5〜20%の範囲であることが好ましく、より好ましくは9〜17%の範囲である。
また、第1の工程を行わずに第2の工程を行うだけでも、半導体基板Wの被処理面に付着している有機物をある程度除去することが出来るが、第1の工程を行い、さらに第2の工程を行うことで、続いて行う成膜工程の膜との密着性の高い被処理面が安定して得られる。
その後、RF電圧の印加を停止し、H2ガスの供給を停止する。
このようにして、各工程における反応室2内の雰囲気を入れ替えて、処理を行うことができる。
ここでは、キャリアガスは不活性ガスであればよいが、アルゴン(Ar)とHeの混合ガスが好ましく、例えば、Ar:6.5l/m(6.5SLM)、He:0.5l/m(0.5SLM)とすればよい。ソースガスはプロピレン(C3H6)やアセチレン(C2H2)が好ましく、例えば600sccmとすればよい。
まず、スリットバルブ6を介して反応室2内のステージ3上に成膜対象である半導体基板Wを導入し、ステージ3のヒータの温度を350℃に設定した。半導体基板Wをステージ3上に置いたあと、ステージ3は所定の高さに調整され、半導体基板Wの温度を安定させた。
そして、RF電源7でステージ3とシャワープレート4の間にRF電圧を印可し、800Wのパワーでプラズマを発生させ、半導体基板Wの被処理面を10秒間処理した。その後RF電圧の印加を停止し、O2ガスの供給を停止した。
そして、RF電源5でステージ3とシャワープレート4の間にRF電圧を印可し、800Wのパワーでプラズマを発生させ、半導体基板Wの被処理面を10秒間処理した。その後RF電圧の印加を停止し、H2ガスの供給を停止した。
温度が安定し、ガス流量、圧力が所定の値になり、成膜の準備が整ったら、RF電源5を用いてステージ3とシャワープレート4の間にRF電圧を印加して、パワー1100Wでプラズマを生成させ、プラズマとC3H6を重合させて、半導体基板Wの被処理面にカーボン膜を形成した。
Claims (8)
- プラズマ生成可能な反応室において、半導体基板の被処理面に膜を形成する工程に先立って、前記膜を形成する工程を行う反応室に前記半導体基板を設置したまま、少なくとも酸素ガスを用いたプラズマを生成し制御して前記被処理面をプラズマ処理する第1の工程と、前記反応室に前記半導体基板を設置したまま、少なくとも水素ガスを用いたプラズマを生成し制御して前記被処理面をプラズマ処理する第2の工程とを、順に有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
- 前記膜が、少なくともカーボンを含むことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- 前記被処理面が、少なくとも酸化シリコン膜または窒化シリコン膜の何れかを含む下地層であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記膜を形成する工程において、前記半導体基板を300〜400℃の範囲からなる温度で加熱しながら、前記膜を形成することを特徴とする請求項1〜3に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第1の工程において、前記酸素ガスに加え、キャリアガスとして不活性ガスを用いることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第1の工程において、前記酸素ガスを5〜20%の割合で用いることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第2の工程において、前記水素ガスに加え、キャリアガスとして不活性ガスを用いることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第2の工程において、前記水素ガスを5〜20%の割合で用いることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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