JP2008202022A - 光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物およびそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】新規な光硬化性に優れた光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物を提供する。
【解決手段】 重合性不飽和単量体35〜99質量%、光重合開始剤0.1〜15質量%、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびフッ素・シリコーン系界面活性剤の少なくとも1種0.001〜5質量%、無機酸化物微粒子を0.1〜50質量%を含む、光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 重合性不飽和単量体35〜99質量%、光重合開始剤0.1〜15質量%、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびフッ素・シリコーン系界面活性剤の少なくとも1種0.001〜5質量%、無機酸化物微粒子を0.1〜50質量%を含む、光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物およびそれを用いたパターン形成方法に関する。
ナノインプリント法は、光ディスク製作では良く知られているエンボス技術を発展させ、凹凸のパターンを形成した金型原器(一般的にモールド、スタンパ、テンプレートと呼ばれる)を、レジストにプレスして力学的に変形させて微細パターンを精密に転写する技術である。モールドを一度作製すれば、ナノ構造が簡単に繰り返して成型できるため経済的であるとともに、有害な廃棄・排出物が少ないナノ加工技術であるため、近年、さまざまな分野への応用が期待されている。
ナノインプリント法には、被加工材料として熱可塑性樹脂を用いる場合(非特許文献1)と、光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物を用いる場合(非特許文献2)の2通りが提案されている。熱式ナノインプリントの場合、ガラス転移温度以上に加熱した高分子樹脂にモールドをプレスし、冷却後にモールドを離型することで微細構造を基板上の樹脂に転写するものである。多様な樹脂材料やガラス材料にも応用可能であるため、様々な方面への応用が期待されている。特許文献1、特許文献2には、熱可塑性樹脂を用いて、ナノパターンを安価に形成するナノインプリントの方法が開示されている。
一方、透明モールドを通して光を照射し、光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物を光硬化させる光ナノインプリント方式では、室温でのインプリントが可能になる。最近では、この両者の長所を組み合わせたナノキャスティング法や3次元積層構造を作製するリバーサルインプリント方法などの新しい展開も報告されている。このようなナノインプリント法においては、以下のような応用が考えられている。一つ目は、成型した形状そのものが機能を持ち、様々なナノテクノロジーの要素部品、あるいは構造部材として応用できる場合で、各種のマイクロ・ナノ光学要素や高密度の記録媒体、光学フィルム、フラットパネルディスプレイにおける構造部材などが挙げられる。二つ目は、マイクロ構造とナノ構造の同時一体成型や、簡単な層間位置合わせにより積層構造を構築し、μ−TASやバイオチップの作製に応用しようとするものである。三つ目は、高精度な位置合わせと高集積化により、従来のリソグラフィに代わって高密度半導体集積回路の作製や、液晶ディスプレのトランジスタの作成等に適用しようとするものである。近年、これら応用に関するナノインプリント法の実用化への取り組みが活発化している。
ナノインプリント法の適用例として、まず、高密度半導体集積回路作成への応用例を説明する。近年、半導体集積回路は微細化、集積化が進んでおり、その微細加工を実現するためのパターン転写技術としてフォトリソグラフィ装置の高精度化が進められてきた。しかし、加工方法が光露光の光源の波長に近づき、リソグラフィ技術も限界に近づいてきた。そのため、さらなる微細化、高精度化を進めるために、リソグラフィ技術に代わり、荷電粒子線装置の一種である電子線描画装置が用いられるようになった。電子線を用いたパターン形成は、i線、エキシマレーザー等の光源を用いたパターン形成における一括露光方法とは異なり、マスクパターンを描画していく方法をとるため、描画するパターンが多ければ多いほど露光(描画)時間がかかり、パターン形成に時間がかかることが欠点とされている。そのため、256メガ、1ギガ、4ギガと、集積度が飛躍的に高まるにつれ、その分パターン形成時間も飛躍的に長くなることになり、スループットが著しく劣ることが懸念される。そこで、電子ビーム描画装置の高速化のために、各種形状のマスクを組み合わせそれらに一括して電子ビームを照射して複雑な形状の電子ビームを形成する一括図形照射法の開発が進められている。しかしながら、パターンの微細化が進められる一方で、電子線描画装置を大型化せざるを得ないほか、マスク位置をより高精度に制御する機構が必要になるなど、装置コストが高くなるという欠点が生じていた。
これに対し、微細なパターン形成を低コストで行うための技術として提案されたナノインプリントリソグラフィが提案された。例えば、特許文献1、特許文献3にはシリコーンウエハをスタンパとして用い、25ナノメートル以下の微細構造を転写により形成するナノインプリント技術が開示されている。
また、特許文献4には、半導体マイクロリソグラフィ分野に適用されるナノインプリントを使ったコンポジット組成物が開示されている。一方、微細モールド作製技術やモールドの耐久性、モールドの作製コスト、モールドの樹脂からの剥離性、インプリント均一性やアライメント精度、検査技術など半導体集積回路作製にナノインプリントリソグラフィを適用するための検討が活発化し始めた。
これに対し、微細なパターン形成を低コストで行うための技術として提案されたナノインプリントリソグラフィが提案された。例えば、特許文献1、特許文献3にはシリコーンウエハをスタンパとして用い、25ナノメートル以下の微細構造を転写により形成するナノインプリント技術が開示されている。
また、特許文献4には、半導体マイクロリソグラフィ分野に適用されるナノインプリントを使ったコンポジット組成物が開示されている。一方、微細モールド作製技術やモールドの耐久性、モールドの作製コスト、モールドの樹脂からの剥離性、インプリント均一性やアライメント精度、検査技術など半導体集積回路作製にナノインプリントリソグラフィを適用するための検討が活発化し始めた。
次に、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)などのフラットデイスプレイへのナノインプリントリソグラフィの応用例について説明する。
LCDやPDP基板大型化や高精細化の動向に伴い、薄膜トランジスタ(TFT)や電極板の製造時に使用する従来のフォトリソグラフィ法に代わる安価なリソグラフィとして光ナノインプリントリソグラフィが近年、注目されている。そのため、従来のフォトリソグラフィ法で用いられるエッチングフォトレジストに代わる光硬化性レジストの開発が必要になってきている。
更にLCDなどの構造部材として、特許文献5、特許文献6に記載される透明保護膜材料、あるいは特許文献6に記載されるスペーサなどに対する光ナノインプリントリソグラフィの応用も検討され始めている。このような構造部材用のレジストは、前記エッチングレジストとは異なり、最終的にディスプレイ内に残るため、永久レジスト、あるいは永久膜と言われる。
LCDやPDP基板大型化や高精細化の動向に伴い、薄膜トランジスタ(TFT)や電極板の製造時に使用する従来のフォトリソグラフィ法に代わる安価なリソグラフィとして光ナノインプリントリソグラフィが近年、注目されている。そのため、従来のフォトリソグラフィ法で用いられるエッチングフォトレジストに代わる光硬化性レジストの開発が必要になってきている。
更にLCDなどの構造部材として、特許文献5、特許文献6に記載される透明保護膜材料、あるいは特許文献6に記載されるスペーサなどに対する光ナノインプリントリソグラフィの応用も検討され始めている。このような構造部材用のレジストは、前記エッチングレジストとは異なり、最終的にディスプレイ内に残るため、永久レジスト、あるいは永久膜と言われる。
従来のフォトリソグラフィを適用した永久膜について説明する。永久膜は、上記エッチングレジストと異なり、そのまま半導体素子、記録媒体やフラットディスプレイパネル等に残される要素である。例えば、液晶パネルに用いられるカラーフィルタ用透明保護膜材料としては、従来、シロキサンポリマー、シリコーンポリイミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を用いたプロセスで透明保護膜を形成していた(特許文献7、特許文献8)。フォトリソグラフィによる保護膜の形成においては、塗布膜の均一性、基板密着性、少なくとも200℃を超える加熱処理後の高い光透過性、平坦化特性、耐溶剤性、耐擦傷性等の特性も要求される。
液晶ディスプレイにおけるセルギャップを規定するスペーサも永久膜の一種であり、従来のフォトリソグラフィにおいては、樹脂、光重合性モノマーおよび開始剤からなる光硬化性組成物が一般的に広く用いられてきた(特許文献9)。スペーサには、外部圧力に対する高い機械的特性、硬度、現像性、パターン精度、密着性等の性能が要求される。
しかしながら、これまでナノインプリント法で使用する透明保護膜、あるいはスペーサ形成のための光硬化性組成物の好ましい組成物は一切開示されていなった。
更に塗膜均一性に関しては、基板の大型化で基板の中央部と周辺部に関する塗布膜厚均一性や高解像度化による寸法均一性、膜厚、形状など様々な部分で要求が厳しくなっている。従来、小型ガラス基板を用いた液晶表示素子製造分野においては、レジスト塗布方法として中央滴下後スピンする方法が用いられていた(非特許文献3)。中央滴下後スピンする塗布法では、良好な塗布均一性が得られるものの、例えば、1m角クラスの大型基板の場合は、回転時(スピン時)に振り切られて廃棄されるレジスト量がかなり多くなり、また高速回転による基板の割れや、タクトタイムの確保の問題が生じる。さらに中央滴下後スピンする方法における塗布性能は、スピン時の回転速度とレジストの塗布量に依存するため、さらに大型化される第5世代基板に適用しようとすると、必要な加速度を得られる汎用モータがなく、そのようなモータを特注すると部品コストが増大するという問題があった。また、基板サイズや装置サイズが大型化しても、例えば、塗布均一性±3%、タクトタイム60〜70秒/枚など、塗布工程における要求性能はほぼ変わらないため、中央滴下後スピンする方法では、塗布均一性以外の要求に対応するのが難しくなってきた。このような現状から、第4世代基板以降、特に第5世代基板以降の大型基板に適用可能な新しいレジスト塗布方法として、吐出ノズル式によるレジスト塗布法が提案された。吐出ノズル式によるレジスト塗布法は、吐出ノズルと基板とを相対的に移動させることによって基板の塗布面全面にフォトレジスト組成物を塗布する方法で、例えば、複数のノズル孔が列状に配列された吐出口やスリット状の吐出口を有し、フォトレジスト組成物を帯状に吐出できる吐出ノズルを用いる方法などが提案されている。また、吐出ノズル式で基板の塗布面全面にフォトレジスト組成物を塗布した後、該基板をスピンさせて膜厚を調整する方法も提案されている。したがって、従来のフォトリソグラフィによるレジストをナノインプリント組成物に代え、これら液晶表示素子製造分野に適用するためには、基板への塗布均一性が重要となる。
半導体集積回路作製や液晶ディスプレイ作製で用いられるポジ型フォトレジストやカラーフィルタ作製用顔料分散フォトレジスト等ではフッ素系および/またはシリコーン系界面活性剤を添加して、塗布性、具体的には、基板上塗布時におこるストリエーションや鱗状の模様(レジスト膜の乾燥むら)などの塗布不良の問題を解決することは公知である(特許文献10〜12)。また、コンパクトディスク、光磁気ディスクなどの保護膜の磨耗性や塗布性を改良するために、無溶剤系光硬化性組成物にフッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤を添加することが開示されている(特許文献12〜15)。同様に、特許文献16には、インクジェット用組成物のインク吐出安定性を改良するために、ノニオン系のフッ素系界面活性剤を添加することが知られている。さらに、特許文献17には、刷毛、筆、バーコーター等で厚膜塗布したペインティング組成物をホログラム加工用モールドでエンボス加工する際に、重合性不飽和ニ重結合含有界面活性剤を1%以上、好ましくは3%以上添加し、硬化膜の水膨潤性を改良する例が開示されている。このように、ポジ型フォトレジスト、カラーフィルタ作製用顔料分散フォトレジストや光磁気ディスクなどの保護膜に界面活性剤を添加し、塗布性を改良する技術は、公知の技術である。また、上記インクジェットやペインティング組成物の例でみられるように、無溶剤系光硬化性樹脂に界面活性剤を添加し、それぞれの用途での特性改良のため、界面活性剤を添加する技術も公知である。特許文献18には、半導体集積回路作成用に、光ナノインプリント法を用いるエッチングレジストとして、フッ素系界面活性剤を含む光硬化性樹脂を用いる例が開示されている。
しかしながら、永久膜に用いる顔料、染料、有機溶剤を必須成分としない光硬化性ナノインプリントレジスト組成物の基板塗布性を向上させるための方法はこれまで知られていなかった。
また、光ナノインプリントでは、モールド凹部のキャビティ内への組成物の流動性を良くする必要があり、且つ、モールドの剥離性を良くし、モールドとレジスト間の剥離性を良くし、レジストと基板間の密着性を良くする必要がある。この流動性、剥離性、密着性を両立化するのは困難であった。
本発明の適用範囲である光ナノインプリントに関する従来技術についてさらに詳しく説明する。光ナノインプリントリソグラフィは、シリコーンウエハ、石英、ガラス、フィルムや他の材料、例えばセラミック材料、金属または、ポリマー等の基板上に液状の光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物を滴下し、およそ数十nm〜数μmの膜厚で塗布し、およそ数十nm〜数十μmのパターンサイズの微細な凹凸を有するモールドを押しつけて加圧し、加圧した状態で光照射して組成物を硬化させた後、塗膜からモールドを離型し、転写されたパターンを得る方法が一般的である。そのため、光ナノインプリントリソグラフィの場合、光照射を行う都合上、基板またはモールドの少なくとも一方が透明である必要がある。通常はモールド側から光照射する場合が一般的であり、モールド材料には石英、サファイア等のUV光を透過する無機材料や光透過性の樹脂などが多く用いられる。
光ナノインプリント法は、熱ナノインプリント法に対して、(1)加熱/冷却プロセスが不要であり、高スループットが見込まれる、(2)液状組成物を使用するため低加圧でのインプリントが可能である、(3)熱膨張による寸法変化がない、(4)モールドが透明でありアライメントが容易である、(5)硬化後、頑強な三次元架橋体が得られるなどの主な優位点が挙げられる。特にアライメント精度が要求されるような半導体微細加工用途やフラットパネルディスプレイ分野の微細加工用途には適している。
光ナノインプリント法は、熱ナノインプリント法に対して、(1)加熱/冷却プロセスが不要であり、高スループットが見込まれる、(2)液状組成物を使用するため低加圧でのインプリントが可能である、(3)熱膨張による寸法変化がない、(4)モールドが透明でありアライメントが容易である、(5)硬化後、頑強な三次元架橋体が得られるなどの主な優位点が挙げられる。特にアライメント精度が要求されるような半導体微細加工用途やフラットパネルディスプレイ分野の微細加工用途には適している。
また、光ナノインプリント法の他の特徴としては、通常の光リソグラフィに比較して解像度が光源波長に依存しないため、ナノメートルオーダの微細加工時にも、ステッパや電子線描画装置などの高価な装置を必要としないのが特徴である。一方で、光ナノインプリント法は等倍モールドを必要とし、モールドと樹脂が接触するため、モールドの耐久性やコストについて懸念されている。
このように、熱式および/または光ナノインプリント法を適用し、マイクロメートル、あるいはナノメートルサイズのパターンを大面積にインプリントするには、押し付け圧力の均一性や原盤(モールド)の平坦性が要求されるだけでなく、前述のモールド凹部のキャビティ内への組成物の流動性や押し付けられて流出する組成物の挙動をも制御する必要がある。
光ナノインプリントリソグラフィで用いられるモールドは、様々な材料、例えば金属、半導体、セラミック、SOG(Spin On Glass)、または一定のプラスチック等から製造可能である。例えば、特許文献19に記載の所望の微細構造を有する柔軟なポリジメチルシロキサンのモールドが提案されている。このモールドの一表面に3次元の構造体を形成するために、構造体のサイズおよびその分解能に対する仕様に応じて、様々なリソグラフィ方法が使用可能である。電子ビームおよびX線のリソグラフィは、通常、300nm未満の構造体寸法に使用される。ダイレクトレーザ露光およびUVリソグラフィはより大きな構造体に使用される。
光ナノインプリント法に関しては、モールドと光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物の剥離性が重要であり、モールドやモールドの表面処理、具体的には、水素化シルセスキオキサンやフッソ化エチレンプロピレン共重合体モールドを使って付着問題を解決する試みなどがこれまでになされてきた。
光ナノインプリント法に関しては、モールドと光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物の剥離性が重要であり、モールドやモールドの表面処理、具体的には、水素化シルセスキオキサンやフッソ化エチレンプロピレン共重合体モールドを使って付着問題を解決する試みなどがこれまでになされてきた。
ここで、光ナノインプリントリソグラフィに用いられる光硬化性樹脂について説明する。ナノインプリントに適用される光硬化性樹脂は、反応機構の違いからラジカル重合タイプとイオン重合タイプ、またはそれらのハイブリッドタイプに大別される。いずれの組成物もインプリント可能であるが、材料の選択範囲が広いラジカル重合型が一般に用いられている(非特許文献4)。ラジカル重合型は、ラジカル重合可能なビニル基や(メタ)アクリル基を有する単量体(モノマー)またはオリゴマーと光重合開始剤を含んだ組成物が一般的に用いられる。光照射すると、光重合開始剤により発生したラジカルがビニル基を攻撃して連鎖重合が進み、ポリマーを形成する。2官能以上の多官能基モノマーまたはオリゴマーを成分として使用すると架橋構造体が得られる。非特許文献5には、低粘度のUV硬化可能な単量体を用いることにより、低圧、室温でインプリンティングが可能な組成物が開示されている。
光ナノインプリントリソグラフィに用いられる材料の特性について詳しく説明する。材料の要求特性は適用する用途によって異なるが、プロセス特性についての要望は用途に依らず共通点がある。 例えば、非特許文献6に示されている主な要求項目は、塗布性、基板密着性、低粘度(<5mPa・s)、剥離性、低硬化収縮率、速硬化性などである。特に、低圧インプリント、残膜率低減の必要な用途では、低粘度材料の要求が強いことが知られている。一方、用途別に要求特性を挙げると、例えば光学部材については、屈折率、光の透過性など、エッチングレジストについてはエッチング耐性や残膜厚低減などがある。これらの要求特性をいかに制御し、諸特性のバランスを取るかが材料デザインの鍵となる。少なくともプロセス材料と永久膜では要求特性が大きく異なるため材料はプロセスや用途に応じて開発する必要がある。このような光ナノインプリントリソグラフィ用途に適用する材料として、非特許文献6には、約60mPa・s(25℃)の粘度を有する光硬化性材料が開示されており公知である。同様に、非特許文献7には、モノメタクリレートを主成分とする粘度が14.4mPa・sの剥離性を向上させた含フッソ感光性樹脂が開示されている。
このように光ナノインプリントで用いられる組成物に関し、粘度に関する要望の記載はあるものの、各用途に適合させるための材料の設計指針についての報告例は、これまでになかった。
このように光ナノインプリントで用いられる組成物に関し、粘度に関する要望の記載はあるものの、各用途に適合させるための材料の設計指針についての報告例は、これまでになかった。
これまでに光ナノインプリントリソグラフィに適用された光硬化性樹脂の例を説明する。特許文献20、特許文献21には、レリーフ型ホログラムや回折格子作製のためのイソシアネート基を有する重合体を含む光硬化性樹脂を用い、エンボス加工する例が開示されている。また、特許文献23には、ポリマー、光重合開始剤、粘度調整剤を含むインプリント用光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物が開示されている。
特許文献24には、モールドとの剥離性を良くするために、フッソ含有硬化性材料を用いたパターン形成方法が開示されている。
非特許文献8には、(1)官能性アクリルモノマー、(2)官能性アクリルモノマー、(3)官能性アクリルモノマーと光重合開始剤を組み合わせた光硬化性ラジカル重合性組成物や光硬化性エポキシ化合物と光酸発生剤を含む光カチオン重合性組成物などをナノインプリントリソグラフィに適用し、熱的安定性やモールド剥離性を調べた例が開示されている。
非特許文献9には、光硬化性樹脂とモールドとの剥離性、硬化後の膜収縮性、酸素存在下での光重合阻害による低感度化などの問題を改良するための工夫として(1)官能アクリルモノマー、(2)官能アクリルモノマー、シリコーン含有1官能アクリルモノマーおよび光重合開始剤を含む光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物が開示されている。
非特許文献10には、1官能アクリルモノマーとシリコーン含有1官能モノマーと光重合開始剤を含む光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物をシリコーン基板上に形成し、表面処理されたモールドを用いて光ナノインプリントリソグラフィにてモールド後の欠陥が低減されることが開示されている。
非特許文献11には、シリコーンモノマーと3官能アクリルモノマーと光重合開始剤を含む光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物をシリコーン基板上に形成し、SiO2モールドにより、高解像性、塗布の均一性に優れる組成物が開示されている。
非特許文献12には、特定のビニルエーテル化合物と光酸発生剤を組み合わせたカチオン重合性組成物により50nmパターンサイズを形成した例が開示されている。粘性が低く硬化速度が速いことが特徴であるが、テンプレート引き剥がし性が課題であると述べられている。
ところが、非特許文献8〜12に示されるように、官能基の異なるアクリルモノマー、アクリル系ポリマー、ビニルエーテル化合物を光ナノインプリントリソグラフィに適用した光硬化性樹脂が様々開示されているものの、組成物としての好ましい種類、最適なモノマー種、モノマーの組み合わせ、モノマー若しくはレジストの最適な粘度、好ましいレジストの溶液物性、レジストの塗布性改良などの材料の設計に関しての指針がまったく開示されていない。そのため、光ナノインプリントリソグラフィ用途に、組成物を広く適用するための好ましい組成物が分かっておらず、決して満足できる光ナノインプリントレジスト組成物はこれまでに提案されていなかったのが実情である。
組成物が記載されている非特許文献11、12の組成物においては、低粘度のものもあるが、いずれも光硬化してパターンを形成し、引き続き加熱処理された場合の硬化膜の透過率が低く(着色する)、また硬度も不十分であり、永久膜として実用に耐えるものではない。組成物は知られていない。
組成物が記載されている非特許文献11、12の組成物においては、低粘度のものもあるが、いずれも光硬化してパターンを形成し、引き続き加熱処理された場合の硬化膜の透過率が低く(着色する)、また硬度も不十分であり、永久膜として実用に耐えるものではない。組成物は知られていない。
非特許文献13、14には、光機能架橋材物質で処理したシリカゾル、(メタ)アクリルモノマー、光重合開始剤の混合物よりなる無機・有機ハイブリッド材料が提案され、光ナノインプリントリソグラフィへの応用が報告されている。非特許文献13、14には、インプリント材料の200nmラインのパターン形成例や、モールド材として600nmの線幅までパターニング可能であることが報告されている。ところが、モールドとの剥離性や硬化膜の硬度が十分でないなどの問題点があり、必ずしも満足できるものではなかった。
また、非特許文献13、14の組成物においても、低粘度のものもあるが、いずれも光硬化してパターンを形成し、引き続き加熱処理された場合の硬化膜の透過率が低く(着色する)、また硬度も不十分である。特に、永久膜として実用に耐える組成物は知られていない。
また、非特許文献13、14の組成物においても、低粘度のものもあるが、いずれも光硬化してパターンを形成し、引き続き加熱処理された場合の硬化膜の透過率が低く(着色する)、また硬度も不十分である。特に、永久膜として実用に耐える組成物は知られていない。
また、特許文献24には、表面処理されたコロイダルシリカ、特定の(メタ)アクリルモノマー、レベリング剤、光重合開始剤を含有するハードコート用組成物が開示され、膜硬度と低硬化収縮性を両立させた光ディスクへの応用が報告されているが、これらの組成物では、モールドとの剥離性や基板塗布性が不十分であり、光ナノインプリントリソグラフィへの応用が困難であった。更に、光硬化後に、加熱処理した場合の透過率が低く(着色する)、永久膜として使用に耐えない。
このように、永久膜として実用に耐え、かつ光ナノインプリント法を適用できるレジスト組成物はこれまでに提案されていなかったのが実情である。
このように、永久膜として実用に耐え、かつ光ナノインプリント法を適用できるレジスト組成物はこれまでに提案されていなかったのが実情である。
永久膜としての主要技術課題は、パターン精度、密着性、200℃を超える加熱処理後の透明性、高い機械的特性(外部圧力に対する強度)、耐擦傷性、平坦化特性、耐溶剤性、加熱処理時のアウトガス低減など、多くの課題がある。光ナノインプリント用光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物を永久膜として適用する場合には、従来のアクリル樹脂などを用いたレジストと同様に、
(1)塗布膜の均一性
(2)加熱処理後の透明性
(3)耐擦傷性
の付与が重要である。
(1)塗布膜の均一性
(2)加熱処理後の透明性
(3)耐擦傷性
の付与が重要である。
同時に、光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物としては、上記(1)〜(3)の点に加えて、下記(4)、(5)の観点を考慮する必要があり、組成物設計の技術的難易度が一層高くなる。
(4)モールドの凹部へのレジストの流動性を確保し、無溶剤もしくは少量の溶剤使用下での低粘度化が必要となること
(5)光硬化後、モールドと容易に剥離させ、モールドへの付着が生じないこと
ナノインプリント用の光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物については、種々の材料が開示されているものの、これまでインクジェット用組成物や光磁気ディスク用保護膜の用途で知られている組成物、あるいはエッチングレジストとして用いられる光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物については、永久膜に用いられる光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物と、材料に共通部分はあるものの、高温の加熱処理、機械的強度の観点などで大きく異なり、インクジェット、光磁気ディスク用保護膜、エッチングレジスト用途で適用する光硬化性樹脂をそのまま永久膜用のレジストとして適用すると、透明性、耐溶剤性などでなかなか実用性に耐えるものが得られない。
(4)モールドの凹部へのレジストの流動性を確保し、無溶剤もしくは少量の溶剤使用下での低粘度化が必要となること
(5)光硬化後、モールドと容易に剥離させ、モールドへの付着が生じないこと
ナノインプリント用の光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物については、種々の材料が開示されているものの、これまでインクジェット用組成物や光磁気ディスク用保護膜の用途で知られている組成物、あるいはエッチングレジストとして用いられる光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物については、永久膜に用いられる光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物と、材料に共通部分はあるものの、高温の加熱処理、機械的強度の観点などで大きく異なり、インクジェット、光磁気ディスク用保護膜、エッチングレジスト用途で適用する光硬化性樹脂をそのまま永久膜用のレジストとして適用すると、透明性、耐溶剤性などでなかなか実用性に耐えるものが得られない。
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科学と工業,Vol.80,No.7,322(2006)
本発明は、上記実情に鑑みて成し遂げられたものであり、新規な光硬化性に優れた光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物を提供することを目的とする。特に、光硬化性、密着性、剥離性、残膜性、パターン形状、塗布性、および、エッチング適性について総合的に優れた組成物を提供することを目的とする。また、保護膜、スペーサなどの永久膜として使用した際、優れた残膜性、光透過性、耐擦傷性などの機械特性、耐溶剤性を有する組成物を提供することを目的とする。
上記課題のもと、発明者が鋭意検討した結果、下記手段により上記課題を解決しうることを見出した。
(1)重合性不飽和単量体35〜99質量%、光重合開始剤0.1〜15質量%、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびフッ素・シリコーン系界面活性剤の少なくとも1種0.001〜5質量%、無機酸化物微粒子を0.1〜50質量%を含む、光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物。
(2)(1)に記載の組成物であって、前記重合性不飽和単量体として、分子内にエチレン性不飽和結合を有する部位と、酸素原子、窒素原子およびイオウ原子の少なくとも1種を有する部位とを含有する1官能重合性不飽和単量体を、少なくとも該組成物中に15質量%以上含み、かつ、前記重合性不飽和単量体を48〜99質量%含む、光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物。
(3)1官能重合性不飽和単量体として、下記(a)、(b)および(c)より選ばれる化合物の少なくとも1種を含む、(2)に記載の組成物。
(a)1分子中にエチレン性不飽和結合を有する部位およびヘテロ原子を含有する脂肪族環状部位を 有する重合性不飽和単量体
(b)1分子中にエチレン性不飽和結合を有する部位および−C(=O)−結合とNR結合(Rは水 素原子またはメチル基)を有する重合性不飽和単量体
(c)1分子中にエチレン性不飽和結合を有する部位および炭素数が6〜12の脂環部位を有する重 合性不飽和単量体
(4)前記(a)の1官能重合性不飽和単量体のヘテロ原子が、酸素原子、窒素原子およびイオウ原子のいずれか1種以上である、(3)に記載の組成物。
(5)前記1官能重合性不飽和単量体が下記一般式(I)〜(VIII)より選択されるいずれか1種以上である、(2)〜(4)のいずれか1項に記載の組成物。
一般式(I)
(一般式(I)中、R11は水素原子またはメチル基を表し、R12、R13、R14、R15は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、ブロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基を表す。n1は1または2、m1は、0、1、2のいずれかを表す。Z11は、メチレン基、酸素原子、−NH−基を表し、2つのZ11は互いに異なっていてもよい。W11は−C(=O)−または−SO2−を表す。R12とR13およびR14とR15は、それぞれ、互いに結合して環を形成してもよい。)
一般式(II)
(一般式(II)中、R21は水素原子またはメチル基を表し、R22、R23、R24およびR25は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、ブロピル基、ブチル基、ハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基を表す。R22とR23およびR24とR25は、それぞれ、互いに結合して環を形成してもよい。n2は1、2、3のいずれかであり、m2は、0、1、2のいずれかを表す。Y21はメチレン基または酸素原子を表す。)
一般式(III)
(一般式(III)中、R32、R33、R34およびR35は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、ブロピル基、ブチル基、ハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基を表す。n3は1、2、3のいずれかであり、m3は、0、1、2のいずれかを表す。X31は−C(=O)−、メチレン基、エチレン基を表し、2つのX31は互いに異なっていてもよい。Y32は、メチレン基または酸素原子を表す。)
一般式(IV)
(一般式(IV)中、R41は水素原子またはメチル基を表す。R42およびR43は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、ブロピル基、ブチル基、ハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基を表す。W41は、単結合、結合無し、または−C(=O)−を表す。n4は2、3、4のいずれかを表す。X42は−C(=O)−、−C=C−、−C=N−、またはメチレン基を表し、それぞれのX42は同一でも異なっていてもよい。M41は炭素数が1〜4の炭化水素連結基、酸素原子または窒素原子を表し、それぞれのM41は同一でも異なっていてもよい。)
一般式(V)
(一般式(V)中、R51は水素原子またはメチル基を表す。Z52は酸素原子、−CH=N−またはメチレン基を表す。W52はメチレン基または酸素原子を表す。Y52は単結合または−C(C=O)−を表す。Y53は単結合または−C(C=O)−を表す。R54およびR55は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、ブロピル基、ブチル基、ハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基を表し、R54とR55は互いに結合して環を形成してもよい。X51は単結合もしくは結合なしでよい。m5は0、1、2のいずれかである。W52、Z52、R54、R55のうち少なくとも一つは酸素原子または窒素原子を含む。)
一般式(VI)
(一般式(VI)中、R61は水素原子またはメチル基、R62およびR63は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、プロピル基、(CH3)2N−(CH2)m6−(m6は1、2または3)、CH3CO−(CR64R65)p6−(R64およびR65は、それぞれ、水素原子またはメチル基を表し、p6は1、2または3のいずれかである。)、(CH3)2−N−(CH2)p6−(p6は1、2または3のいずれかである。)。但し、該一般式(VI)中の−NR62(R63)の部分が、−N=C=O基であってもよい。またR62およびR63は同時に水素原子になることはない。またX6は−CO−、−COCH2−、−COCH2CH2−、−COCH2CH2CH2−、−COOCH2CH2−のいずれかである。)
一般式(VII)
(一般式(VII)中、R71およびR72は、それぞれ、水素原子またはメチル基であり、R73は水素原子、メチル基またはエチル基を表す。)
一般式(VIII)
(一般式(VIII)中、R81は水素原子、メチル基またはヒドロキシメチル基を表す。R82、R83、R84、R85は、それぞれ、水素原子、水酸基、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、プロピル基およびブチル基を表し、R82、R83、R84およびR85の少なくとも2つが互いに結合して環を形成してもよい。W81はメチレン基、−NH−、−N(CH3)−、−N(C2H5)−である。W82は単結合または、−C(=O)−を表す。W82が単結合の場合、R82、R83、R84およびR84は、いずれも、水素原子でない。n7は0から8の整数を表す。)。
(6)(1)〜(5)のいずれか1項に記載の組成物であって、さらに、少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する部位、ならびに、シリコーン原子および/またはリン原子を含有する第2の重合性不飽和単量体を、前記重合性不飽和単量体中0.1質量%以上含む(1)〜(5)のいずれか1項に記載の組成物。
(7)無機酸化物微粒子がコロイダルシリカである、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の組成物。
(8)コロイダルシリカが表面処理されたコロイダルシリカである、(7に記載の組成物。
(9)コロイダルシリカが反応性(メタ)アクリレート基を有する化合物で表面処理されたコロイダルシリカである、(8)に記載の組成物。
(10)酸化防止剤を含有する(1)〜(9)のいずれか1項に記載の組成物。
(11)(1)〜(10)のいずれか1項に記載の組成物であって、25℃における粘度が25mPa・s以下である、(1)〜(10)のいずれか1項に記載の組成物。
(12)(1)〜(11)のいずれか1項に記載の組成物を塗布する工程、光透過性モールドを基板上のレジスト層に加圧し、前記塗布した組成物を変形させる工程、モールド裏面または基板裏面より光を照射し、塗膜を硬化し、所望のパターンに嵌合するレジストパターンを形成する工程、光透過性モールドを塗膜から脱着する工程を含むパターン形成方法。
(1)重合性不飽和単量体35〜99質量%、光重合開始剤0.1〜15質量%、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびフッ素・シリコーン系界面活性剤の少なくとも1種0.001〜5質量%、無機酸化物微粒子を0.1〜50質量%を含む、光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物。
(2)(1)に記載の組成物であって、前記重合性不飽和単量体として、分子内にエチレン性不飽和結合を有する部位と、酸素原子、窒素原子およびイオウ原子の少なくとも1種を有する部位とを含有する1官能重合性不飽和単量体を、少なくとも該組成物中に15質量%以上含み、かつ、前記重合性不飽和単量体を48〜99質量%含む、光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物。
(3)1官能重合性不飽和単量体として、下記(a)、(b)および(c)より選ばれる化合物の少なくとも1種を含む、(2)に記載の組成物。
(a)1分子中にエチレン性不飽和結合を有する部位およびヘテロ原子を含有する脂肪族環状部位を 有する重合性不飽和単量体
(b)1分子中にエチレン性不飽和結合を有する部位および−C(=O)−結合とNR結合(Rは水 素原子またはメチル基)を有する重合性不飽和単量体
(c)1分子中にエチレン性不飽和結合を有する部位および炭素数が6〜12の脂環部位を有する重 合性不飽和単量体
(4)前記(a)の1官能重合性不飽和単量体のヘテロ原子が、酸素原子、窒素原子およびイオウ原子のいずれか1種以上である、(3)に記載の組成物。
(5)前記1官能重合性不飽和単量体が下記一般式(I)〜(VIII)より選択されるいずれか1種以上である、(2)〜(4)のいずれか1項に記載の組成物。
一般式(I)
一般式(II)
一般式(III)
一般式(IV)
一般式(V)
一般式(VI)
(一般式(VI)中、R61は水素原子またはメチル基、R62およびR63は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、プロピル基、(CH3)2N−(CH2)m6−(m6は1、2または3)、CH3CO−(CR64R65)p6−(R64およびR65は、それぞれ、水素原子またはメチル基を表し、p6は1、2または3のいずれかである。)、(CH3)2−N−(CH2)p6−(p6は1、2または3のいずれかである。)。但し、該一般式(VI)中の−NR62(R63)の部分が、−N=C=O基であってもよい。またR62およびR63は同時に水素原子になることはない。またX6は−CO−、−COCH2−、−COCH2CH2−、−COCH2CH2CH2−、−COOCH2CH2−のいずれかである。)
一般式(VII)
一般式(VIII)
(6)(1)〜(5)のいずれか1項に記載の組成物であって、さらに、少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する部位、ならびに、シリコーン原子および/またはリン原子を含有する第2の重合性不飽和単量体を、前記重合性不飽和単量体中0.1質量%以上含む(1)〜(5)のいずれか1項に記載の組成物。
(7)無機酸化物微粒子がコロイダルシリカである、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の組成物。
(8)コロイダルシリカが表面処理されたコロイダルシリカである、(7に記載の組成物。
(9)コロイダルシリカが反応性(メタ)アクリレート基を有する化合物で表面処理されたコロイダルシリカである、(8)に記載の組成物。
(10)酸化防止剤を含有する(1)〜(9)のいずれか1項に記載の組成物。
(11)(1)〜(10)のいずれか1項に記載の組成物であって、25℃における粘度が25mPa・s以下である、(1)〜(10)のいずれか1項に記載の組成物。
(12)(1)〜(11)のいずれか1項に記載の組成物を塗布する工程、光透過性モールドを基板上のレジスト層に加圧し、前記塗布した組成物を変形させる工程、モールド裏面または基板裏面より光を照射し、塗膜を硬化し、所望のパターンに嵌合するレジストパターンを形成する工程、光透過性モールドを塗膜から脱着する工程を含むパターン形成方法。
本発明により、エッチングレジストとして使用すると、光硬化性、密着性、剥離性、残膜性、パターン形状、塗布性、および、エッチング適性について総合的に優れた組成物を提供することが可能になった。また、永久膜として使用すると、残膜性、光透過性、耐擦傷性などの機械特性、耐溶剤性に総合的に優れた組成物を得ることが可能になった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
以下において本発明を詳細に説明する。なお、本明細書中において、メタ(アクリレート)はアクリレートおよびメタクリレートを表し、メタ(アクリル)はアクリルおよびメタクリルを表し、メタ(アクリロイル)はアクリロイルおよびメタクリロイルを表す。また、本明細書中において、単量体とモノマーは同一である。本発明における単量体は、オリゴマー、ポリマーと区別し、質量平均分子量が1,000以下の化合物をいう。本明細書中において、官能基は重合に関与する基をいう。
なお、本発明で言うナノインプリントとは、およそ数μmから数十nmのサイズのパターン転写をいう。すなわち、ナノオーダーのインプリントに限定されるものではないことは言うまでも無い。
なお、本発明で言うナノインプリントとは、およそ数μmから数十nmのサイズのパターン転写をいう。すなわち、ナノオーダーのインプリントに限定されるものではないことは言うまでも無い。
本発明の光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物(以下、単に「本発明の組成物」ということがある)は、例えば、硬化前においては光透過性が高く、微細凹凸パターンの形成能、塗布適性およびその他の加工適性に優れると共に、硬化後においては感度(速硬化性)、解像性、ラインエッジラフネス性、塗膜強度、モールドとの剥離性、残膜特性、エッチング耐性、低硬化収縮性、基板密着性或いは他の諸点において総合的に優れた塗膜物性が得られる。そのため、本発明の組成物は、光ナノインプリントリソグラフィに広く用いることができる。
即ち、本発明の組成物は、光ナノインプリントリソグラフィに用いる場合、以下のような特徴を有するものとすることができる。
(1)室温での溶液流動性に優れるため、モールド凹部のキャビティ内に該組成物が流れ込みやすく、大気が取り込まれにくいためバブル欠陥を引き起こすことがなく、モールド凸部、凹部のいずれにおいても光硬化後に残渣が残りにくい。
(2)硬化後の硬化膜は機械的性質に優れ、塗膜と基板の密着性に優れ、塗膜とモールドの剥離性に優れるため、モールドを引き剥がす際にパターン崩れや塗膜表面に糸引きが生じて表面荒れを引き起こすことがないため良好なパターンを形成できる。
(3)光硬化後の体積収縮が小さく、モールド転写特性に優れるため、微細パターンの正確な賦型性が可能である。
(4)塗布均一性に優れるため、大型基板への塗布・微細加工分野などに適する。
(5)膜の光硬化速度が高いので、生産性が高い。
(6)エッチング加工精度、エッチング耐性などに優れるので、半導体デバイスやトランジスタなどの基板加工用エッチングレジストとして好適に用いることができる、
(7)エッチング後のレジスト剥離性に優れ、残渣を生じないため、エッチングレジストとして好適に用いることができる、
(8)光透過性、残膜性、耐擦傷性などの機械特性、耐溶剤性が高いので、各種の永久膜としてとして好適に用いることができる、
等の特徴を有するものとすることができる。
(1)室温での溶液流動性に優れるため、モールド凹部のキャビティ内に該組成物が流れ込みやすく、大気が取り込まれにくいためバブル欠陥を引き起こすことがなく、モールド凸部、凹部のいずれにおいても光硬化後に残渣が残りにくい。
(2)硬化後の硬化膜は機械的性質に優れ、塗膜と基板の密着性に優れ、塗膜とモールドの剥離性に優れるため、モールドを引き剥がす際にパターン崩れや塗膜表面に糸引きが生じて表面荒れを引き起こすことがないため良好なパターンを形成できる。
(3)光硬化後の体積収縮が小さく、モールド転写特性に優れるため、微細パターンの正確な賦型性が可能である。
(4)塗布均一性に優れるため、大型基板への塗布・微細加工分野などに適する。
(5)膜の光硬化速度が高いので、生産性が高い。
(6)エッチング加工精度、エッチング耐性などに優れるので、半導体デバイスやトランジスタなどの基板加工用エッチングレジストとして好適に用いることができる、
(7)エッチング後のレジスト剥離性に優れ、残渣を生じないため、エッチングレジストとして好適に用いることができる、
(8)光透過性、残膜性、耐擦傷性などの機械特性、耐溶剤性が高いので、各種の永久膜としてとして好適に用いることができる、
等の特徴を有するものとすることができる。
例えば、本発明の組成物は、これまで展開は難しかった半導体集積回路や液晶デイスプレイの薄膜トランジタなどの微細加工用途、液晶カラーフィルタの保護膜、スペーサに好適に適用でき、その他の用途、例えば、プラズマディスプレイパネル用隔壁材、フラットスクリーン、マイクロ電気機械システム(MEMS)、センサ素子、光ディスク、高密度メモリーデイスク等の磁気記録媒体、回折格子ヤレリーフホログラム等の光学部品、ナノデバイス、光学デバイス、光学フィルムや偏光素子、有機トランジスタ、カラーフィルタ、オーバーコート層、柱材、液晶配向用リブ材、マイクロレンズアレイ、免疫分析チップ、DNA分離チップ、マイクロリアクター、ナノバイオデバイス、光導波路、光学フィルター、フォトニック液晶等の作製にも幅広く適用できるようになる。
本発明の組成物の粘度について説明する。本発明における粘度は特に述べない限り、25℃における粘度をいう。本発明の組成物は、25℃における粘度が、好ましくは25mPa・s以下、より好ましくは20mPa・s以下、さらに好ましくは3〜18mPa・sである。このような粘度とすることにより、硬化前の微細凹凸パターンの形成能、塗布適性およびその他の加工適性を付与でき、硬化後においては解像性、ラインエッジラフネス性、残膜特性、基板密着性或いは他の諸点において優れた塗膜物性を付与できる。本発明の組成物の粘度を3mPa・s以上とすることにより、基板塗布適性の問題や膜の機械的強度の低下が生じにくい傾向にある。具体的には、粘度を3mPa・s以上とすることによって、組成物の塗布の際に面上ムラを生じたり、塗布時に基板から組成物が流れ出たりするのを抑止できる傾向にあり、好ましい。一方、本発明の組成物の粘度を25mPa・s以下とすることにより、微細な凹凸パターンを有するモールドを組成物に密着させた場合でも、モールドの凹部のキャビティ内にも組成物が流れ込み、大気が取り込まれにくくなるため、バブル欠陥を引き起こしにくくなり、モールド凸部において光硬化後に残渣が残りにくくなり好ましい。
本発明の組成物は、重合性不飽和単量体35〜99質量%、光重合開始剤0.1〜15質量、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびフッ素・シリコーン系界面活性剤の少なくとも1種0.001〜5質量%、無機酸化物微粒子を0.1〜50質量%を含む。
重合性不飽和単量体
本発明の組成物は、好ましくは、重合性不飽和単量体をとして、分子内にエチレン性不飽和結合を有する部位と、酸素原子、窒素原子およびイオウ原子の少なくとも1種を有する部位とを含有する1官能重合性不飽和単量体を含み、かつ、該1官能重合性不飽和単量体を含む、重合性不飽和単量体の含量が48〜99質量%である組成物である。より好ましくは、1官能重合性不飽和単量体を該組成物の15質量%以上、さらに好ましくは25〜60質量%含む組成物である。
1官能重合性不飽和単量体は、好ましくは、下記(a)、(b)および(c)より選ばれる1官能重合性不飽和単量である。
(a)1分子中にエチレン性不飽和結合を有する部位およびヘテロ原子(好ましくは、酸素原子、窒 素原子およびイオウ原子)を含有する脂肪族環状部位を有する重合性不飽和単量体
(b)1分子中にエチレン性不飽和結合を有する部位および−C(=O)−結合とNR結合(Rは水 素原子またはメチル基)を有する重合性不飽和単量体
(c)1分子中にエチレン性不飽和結合を有する部位および炭素数が6〜12の脂環部位を有する重 合性不飽和単量体
本発明の組成物は、好ましくは、重合性不飽和単量体をとして、分子内にエチレン性不飽和結合を有する部位と、酸素原子、窒素原子およびイオウ原子の少なくとも1種を有する部位とを含有する1官能重合性不飽和単量体を含み、かつ、該1官能重合性不飽和単量体を含む、重合性不飽和単量体の含量が48〜99質量%である組成物である。より好ましくは、1官能重合性不飽和単量体を該組成物の15質量%以上、さらに好ましくは25〜60質量%含む組成物である。
1官能重合性不飽和単量体は、好ましくは、下記(a)、(b)および(c)より選ばれる1官能重合性不飽和単量である。
(a)1分子中にエチレン性不飽和結合を有する部位およびヘテロ原子(好ましくは、酸素原子、窒 素原子およびイオウ原子)を含有する脂肪族環状部位を有する重合性不飽和単量体
(b)1分子中にエチレン性不飽和結合を有する部位および−C(=O)−結合とNR結合(Rは水 素原子またはメチル基)を有する重合性不飽和単量体
(c)1分子中にエチレン性不飽和結合を有する部位および炭素数が6〜12の脂環部位を有する重 合性不飽和単量体
本発明で用いる1官能重合性不飽和単量体は、好ましくは、下記一般式(I)〜一般式(VIII)のいずれかで表される重合性不飽和単量体である。
一般式(I)
(一般式(I)中、R11は水素原子またはメチル基を表し、R12、R13、R14、R15は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、ブロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基を表す。n1は1または2、m1は、0、1、2のいずれかを表す。Z11は、メチレン基、酸素原子、−NH−基を表し、2つのZ11は互いに異なっていてもよい。W11は−C(=O)−または−SO2−を表す。R12とR13およびR14とR15は、それぞれ、互いに結合して環を形成してもよい。)
ここで、R11は水素原子が好ましい。R12、R13、R14、R15は、それぞれ、水素原子、メチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。m1は、0または1が好ましい。Z11は、少なくとも一方が酸素原子であることが好ましい。W11は−C(=O)−が好ましい。
n1が2以上のとき、R14、R15は、それぞれ、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
ここで、R11は水素原子が好ましい。R12、R13、R14、R15は、それぞれ、水素原子、メチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。m1は、0または1が好ましい。Z11は、少なくとも一方が酸素原子であることが好ましい。W11は−C(=O)−が好ましい。
n1が2以上のとき、R14、R15は、それぞれ、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
一般式(II)
(一般式(II)中、R21は水素原子またはメチル基を表し、R22、R23、R24およびR25は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、ブロピル基、ブチル基、ハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基を表す。R22とR23およびR24とR25は、それぞれ、互いに結合して環を形成してもよい。n2は1、2、3のいずれかであり、m2は、0、1、2のいずれかを表す。Y21はメチレン基または酸素原子を表す。)
R21は水素原子が好ましい。R22、R23、R24およびR25は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基がより好ましい。n2は1または2が好ましい。m2は、0または1が好ましい。
R21は水素原子が好ましい。R22、R23、R24およびR25は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基がより好ましい。n2は1または2が好ましい。m2は、0または1が好ましい。
一般式(III)
(一般式(III)中、R32、R33、R34およびR35は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、ブロピル基、ブチル基、ハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基を表す。n3は1、2、3のいずれかであり、m3は、0、1、2のいずれかを表す。X31は−C(=O)−、メチレン基、エチレン基を表し、2つのX31は互いに異なっていてもよい。Y32は、メチレン基または酸素原子を表す。)
R32、R33、R34およびR35は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましく、水素原子がより好ましい。n3は1または2が好ましい。
R32、R33、R34およびR35は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましく、水素原子がより好ましい。n3は1または2が好ましい。
一般式(IV)
(一般式(IV)中、R41は水素原子またはメチル基を表す。R42およびR43は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、ブロピル基、ブチル基、ハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基を表す。W41は、単結合、結合無し、または−C(=O)−を表す。n4は2、3、4のいずれかを表す。X42は−C(=O)−、−C=C−、−C=N−、またはメチレン基を表し、それぞれのX42は同一でも異なっていてもよい。M41は炭素数が1〜4の炭化水素連結基、酸素原子または窒素原子を表し、それぞれのM41は同一でも異なっていてもよい。)
R41は水素原子が好ましい。R42およびR43は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。M41はメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基のいずれかであることが好ましい。
R41は水素原子が好ましい。R42およびR43は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。M41はメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基のいずれかであることが好ましい。
一般式(V)
(一般式(V)中、R51は水素原子またはメチル基を表す。Z52は酸素原子、−CH=N−またはメチレン基を表す。W52はメチレン基または酸素原子を表す。Y52は単結合またはーC(C=O)―を表す。Y53は単結合またはーC(C=O)―を表す。R54およびR55は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、ブロピル基、ブチル基、ハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基を表し、R54とR55は互いに結合して環を形成してもよい。X51は単結合もしくは結合なしでよい。m5は0、1、2のいずれかである。W52、Z52、R54、R55のうち少なくとも一つは酸素原子または窒素原子を含む。)
ここで、X51が結合なしの場合とは、後述する一般式(V)の例示化合物の(V−7)、(V−8)のような結合形態をいう。
R51は水素原子が好ましい。R54およびR55は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、水素原子、メチル基がより好ましい。m5は1または2が好ましい。
ここで、X51が結合なしの場合とは、後述する一般式(V)の例示化合物の(V−7)、(V−8)のような結合形態をいう。
R51は水素原子が好ましい。R54およびR55は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、水素原子、メチル基がより好ましい。m5は1または2が好ましい。
一般式(VI)
(一般式(VI)中、R61は水素原子またはメチル基、R62およびR63は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、プロピル基、(CH3)2N−(CH2)m6−(m6は1、2または3)、CH3CO−(CR64R65)p6−(R64およびR65は、それぞれ、水素原子またはメチル基を表し、p6は1、2または3のいずれかである。)、(CH3)2−N−(CH2)p6−(p6は1、2または3のいずれかである。)。但し、該一般式(VI)中の−NR62(R63)の部分が、−N=C=O基であってもよい。またR62およびR63は同時に水素原子になることはない。またX6は−CO−、−COCH2−、−COCH2CH2−、−COCH2CH2CH2−、−COOCH2CH2−のいずれかである。)
一般式(VII)
一般式(VII)
一般式(VIII)
(一般式(VIII)中、R81は水素原子、メチル基またはヒドロキシメチル基を表す。R82、R83、R84、R85は、それぞれ、水素原子、水酸基、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、プロピル基およびブチル基を表し、R82、R83、R84およびR85の少なくとも2つが互いに結合して環を形成してもよい。W81はメチレン基、−NH−、−N(CH3)−、−N(C2H5)−である。W82は単結合または、−C(=O)−を表す。W82が単結合の場合、R82、R83、R84およびR84は、いずれも、水素原子でない。n7は0から8の整数を表す。)。
R81は水素原子が好ましい。
一般式(VIII)で表される化合物の具体例としては、下記式(VIII−1)〜(VIII−14)を挙げることができる。
R81は水素原子が好ましい。
一般式(VIII)で表される化合物の具体例としては、下記式(VIII−1)〜(VIII−14)を挙げることができる。
第2の重合性不飽和単量体
本発明では、上記重合性不飽和単量体のほかの重合性不飽和単量体を含んでいても良い。例えば、エチレン性不飽和結合を有する部位、ならびに、シリコーン原子および/またはリン原子を含有する重合性不飽和単量体が挙げられる。このような第2の重合性不飽和単量体は、1官能重合性不飽和単量体、多官能重合性不飽和単量体であってもよい。このような重合性不飽和単量体は、重合性不飽和単量体中0.1質量%以上含むことが好ましい。
本発明では、上記重合性不飽和単量体のほかの重合性不飽和単量体を含んでいても良い。例えば、エチレン性不飽和結合を有する部位、ならびに、シリコーン原子および/またはリン原子を含有する重合性不飽和単量体が挙げられる。このような第2の重合性不飽和単量体は、1官能重合性不飽和単量体、多官能重合性不飽和単量体であってもよい。このような重合性不飽和単量体は、重合性不飽和単量体中0.1質量%以上含むことが好ましい。
本発明の組成物は、さらに、膜硬度、可とう性等の改良を目的に、エチレン性不飽和結合含有基を1個有する重合性不飽和単量体(1官能の重合性不飽和単量体)を併用してもよい。具体的には、2−アクリロイロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシ2−ヒドロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−アクリロイロキシプロピルフタレート、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールアクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリル酸ダイマー、脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性(以下「EO」という。)クレゾール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン(以下「ECH」という)変性フェノキシアクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、EO変性コハク酸(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリドデシル(メタ)アクリレート、p−イソプロペニルフェノール、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、ビニルカルバゾール、イソシアネートメチル(メタ)アクリレート、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、イソシアネートn−プロピル(メタ)アクリレート、イソシアネートイソプロピル(メタ)アクリレート、イソシアネートn−ブチル(メタ)アクリレート、イソシアネートイソブチル(メタ)アクリレート、イソシアネートsec−ブチル(メタ)アクリレート、イソシアネートtert−ブチル(メタ)アクリレート等のイソシアネートアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロイルメチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルn−プロピルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソプロピルイソシアネート、(メタ)アクリロイルn−ブチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソブチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルsec−ブチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルtert−ブチルイソシアネート等の(メタ)アクリロイルアルキルイソシアネートが例示される。
本発明で用いる他の重合性不飽和単量体としては、エチレン性不飽和結合含有基を2個以上有する多官能重合性不飽和単量体を用いることが好ましい。
本発明で好ましく用いることのできるエチレン性不飽和結合含有基を2個有する2官能重合性不飽和単量体の例としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリル化イソシアヌレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ECH変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、アリロキシポリエチレングリコールアクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ECH変性ヘキサヒドロフタル酸ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレンオキシド(以後「PO」という。)変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコール、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ECH変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリエステル(ジ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ECH変性プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、シリコーンジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(ジ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルエチレン尿素、ジビニルプロピレン尿素が例示される。
これらの中で特に、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が本発明に好適に用いられる。
エチレン性不飽和結合含有基を3個以上有する多官能重合性不飽和単量体の例としては、ECH変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、EO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、PO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中で特に、EO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、PO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が本発明に好適に用いられる。
一分子内に光重合性官能を2つ以上有するものを用いる場合には、上記のように組成物に多量の光重合性官能基が導入されるので、組成物の架橋密度が非常に大きくなり、硬化後の諸物性を向上させる効果が高い。硬化後の諸物性の中でも、とりわけ耐熱性および耐久性(耐摩耗性、耐薬品性、耐水性)が架橋密度の増大によって向上し、高熱、摩擦または溶剤に曝されても、微細凹凸パターンの変形、消失、損傷が起こり難くなる。
本発明の組成物では、架橋密度をさらに高める目的で、上記多官能重合性不飽和単量体よりもさらに分子量の大きい多官能オリゴマーやポリマーを本発明の目的を達成する範囲で配合することができる。光ラジカル重合性を有する多官能オリゴマーとしてはポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエポキシアクリレート等の各種アクリレートオリゴマー、フォスファゼン骨格、アダマンタン骨格、カルド骨格、ノルボルネン骨格等の嵩高い構造を持つオリゴマーまたはポリマー等が挙げられる。
本発明で用いる重合性不飽和単量体として、オキシラン環を有する化合物も採用できる。オキシラン環を有する化合物としては、例えば、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコールのポリグリシジルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエテーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類の水素添加化合物類、ウレタンポリエポキシ化合物およびエポキシ化ポリブタジエン類等を挙げることができる。これらの化合物は、その一種を単独で使用することもできるし、また、その二種以上を混合して使用することもできる。
好ましく使用することのできるエポキシ化合物としては、例えばビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル類;フェノール、クレゾール、ブチルフェノールまたはこれらにアルキレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル類;高級脂肪酸のグリシジルエステル類などを例示することができる。
グリシジル基含有化合物として好適に使用できる市販品としては、UVR−6216(ユニオンカーバイド社製)、グリシドール、AOEX24、サイクロマーA200、(以上、ダイセル化学工業(株)製)、エピコート828、エピコート812、エピコート1031、エピコート872、エピコートCT508(以上、油化シェル(株)製)、KRM−2400、KRM−2410、KRM−2408、KRM−2490、KRM−2720、KRM−2750(以上、旭電化工業(株)製)などを挙げることができる。これらは、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
また、これらのオキシラン環を有する化合物はその製法は問わないが、例えば、丸善KK出版、第四版実験化学講座20有機合成II、213〜、平成4年、Ed.by Alfred Hasfner,The chemistry of heterocyclic compounds−Small Ring Heterocycles part3 Oxiranes,John & Wiley and Sons,An Interscience Publication,New York,1985、吉村、接着、29巻12号、32、1985、吉村、接着、30巻5号、42、1986、吉村、接着、30巻7号、42、1986、特開平11−100378号公報、特許第2906245号公報、特許第2926262号公報などの文献を参考にして合成できる。
本発明で用いる重合性不飽和単量体として、ビニルエーテル化合物を併用してもよい。
ビニルエーテル化合物は、適宜選択すれば良く、例えば、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ブタンジオール−1,4−ジビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,2−プロパンジオールジビニルエーテル、1,3−プロパンジオールジビニルエーテル、1,3−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、テトラメチレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、ソルビトールペンタビニルエーテル、エチレングリコールジエチレンビニルエーテル、トリエチレングリコールジエチレンビニルエーテル、エチレングリコールジプロピレンビニルエーテル、トリエチレングリコールジエチレンビニルエーテル、トリメチロールプロパントリエチレンビニルエーテル、トリメチロールプロパンジエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールジエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラエチレンビニルエーテル、1,1,1−トリス〔4−(2−ビニロキシエトキシ)フェニル〕エタン、ビスフェノールAジビニロキシエチルエーテル等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物は、適宜選択すれば良く、例えば、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ブタンジオール−1,4−ジビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,2−プロパンジオールジビニルエーテル、1,3−プロパンジオールジビニルエーテル、1,3−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、テトラメチレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、ソルビトールペンタビニルエーテル、エチレングリコールジエチレンビニルエーテル、トリエチレングリコールジエチレンビニルエーテル、エチレングリコールジプロピレンビニルエーテル、トリエチレングリコールジエチレンビニルエーテル、トリメチロールプロパントリエチレンビニルエーテル、トリメチロールプロパンジエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールジエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラエチレンビニルエーテル、1,1,1−トリス〔4−(2−ビニロキシエトキシ)フェニル〕エタン、ビスフェノールAジビニロキシエチルエーテル等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物は、例えば、Stephen.C.Lapin,Polymers Paint Colour Journal.179(4237)、321(1988)に記載されている方法、即ち多価アルコールもしくは多価フェノールとアセチレンとの反応、または多価アルコールもしくは多価フェノールとハロゲン化アルキルビニルエーテルとの反応により合成することができ、これらは1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いる重合性不飽和単量体として、スチレン誘導体も採用できる。スチレン誘導体としては、例えば、p−メトキシスチレン、p−メトキシ−β−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、等を挙げることができる。
その他、本発明の1官能重合体と併用できるスチレン誘導体としては、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、β−メチルスチレン、p−メチル−β−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシ−β−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、等を挙げることができ、ビニルナフタレン誘導体としては、例えば、1−ビニルナフタレン、α−メチル−1−ビニルナフタレン、β−メチル−1−ビニルナフタレン、4−メチル−1−ビニルナフタレン、4−メトキシ−1−ビニルナフタレン等を挙げることができる。
また、モールドとの剥離性や塗布性を向上させる目的で、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチル−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等のフッソ原子を有する化合物も併用することができる。
本発明で用いる重合性不飽和単量体として、プロペニルエーテルおよびブテニルエーテルを配合できる。例えば1−ドデシル−1−プロペニルエーテル、1−ドデシル−1−ブテニルエーテル、1−ブテノキシメチル−2−ノルボルネン、1−4−ジ(1−ブテノキシ)ブタン、1,10−ジ(1−ブテノキシ)デカン、1,4−ジ(1−ブテノキシメチル)シクロヘキサン、ジエチレングリコールジ(1−ブテニル)エーテル、1,2,3−トリ(1−ブテノキシ)プロパン、プロペニルエーテルプロピレンカーボネート等が好適に適用できる。
次に、本発明の組成物における、重合性不飽和単量体の好ましいブレンド形態について説明する。本発明の組成物は、酸素、窒素、もしくはイオウ原始の少なくともぬ1種を有する部位を含有する重合性不飽和単量体を必須成分とし、さらに、多官能重合性不飽和単量体を含んでいることが好ましい。
1官能の重合性不飽和単量体は、通常、反応性希釈剤として用いられ、本発明の組成物の粘度を下げるのに有効であり、通常、全重合性不飽和単量体の15質量%以上添加される。好ましくは、20〜80質量%、より好ましくは、25〜70質量%、特に好ましくは、30〜60質量%の範囲で添加される。
上記(a)、(b)および(c)より選ばれる1官能の重合性不飽和単量体の割合を、80質量%以下とすることにより、本発明の組成物を硬化した硬化膜の機械的な強度、エッチング耐性、耐熱性がより良好となる傾向にあり、光ナノインプリントのモールド材として用いる場合には、モールドが膨潤してモールドが劣化するのを抑止できる傾向にあり好ましい。一方で、上記1官能の重合性不飽和単量体は、反応性希釈剤としてより良好であるため、全重合性不飽和単量体の15質量%以上添加されることが好ましい。
不飽和結合含有基を2個有する単量体(2官能重合性不飽和単量体)は、全重合性不飽和単量体の好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、特に好ましくは、70質量%以下の範囲で添加される。1官能および2官能重合性不飽和単量体の割合は、全重合性不飽和単量体の、好ましくは1〜95質量%、より好ましくは3〜95質量%、特に好ましくは、5〜90質量%の範囲で添加される。不飽和結合含有基を3個以上有する多官能重合性不飽和単量体の割合は、全重合性不飽和単量体の、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、特に好ましくは、60質量%以下の範囲で添加される。重合性不飽和結合含有基を3個以上有する重合性不飽和単量体の割合を80質量%以下とすることにより、組成物の粘度を下げられるため好ましい。
1官能の重合性不飽和単量体は、通常、反応性希釈剤として用いられ、本発明の組成物の粘度を下げるのに有効であり、通常、全重合性不飽和単量体の15質量%以上添加される。好ましくは、20〜80質量%、より好ましくは、25〜70質量%、特に好ましくは、30〜60質量%の範囲で添加される。
上記(a)、(b)および(c)より選ばれる1官能の重合性不飽和単量体の割合を、80質量%以下とすることにより、本発明の組成物を硬化した硬化膜の機械的な強度、エッチング耐性、耐熱性がより良好となる傾向にあり、光ナノインプリントのモールド材として用いる場合には、モールドが膨潤してモールドが劣化するのを抑止できる傾向にあり好ましい。一方で、上記1官能の重合性不飽和単量体は、反応性希釈剤としてより良好であるため、全重合性不飽和単量体の15質量%以上添加されることが好ましい。
不飽和結合含有基を2個有する単量体(2官能重合性不飽和単量体)は、全重合性不飽和単量体の好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、特に好ましくは、70質量%以下の範囲で添加される。1官能および2官能重合性不飽和単量体の割合は、全重合性不飽和単量体の、好ましくは1〜95質量%、より好ましくは3〜95質量%、特に好ましくは、5〜90質量%の範囲で添加される。不飽和結合含有基を3個以上有する多官能重合性不飽和単量体の割合は、全重合性不飽和単量体の、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、特に好ましくは、60質量%以下の範囲で添加される。重合性不飽和結合含有基を3個以上有する重合性不飽和単量体の割合を80質量%以下とすることにより、組成物の粘度を下げられるため好ましい。
特に、本発明の組成物では、重合性不飽和単量体成分が、1官能重合性不飽和単量体15〜80質量%、2官能重合性不飽和単量体0〜60質量%、3官能以上の多官能重合性不飽和単量体1〜60質量%の割合で構成されていることが好ましく、1官能重合性不飽和単量体20〜70質量%、2官能重合性不飽和単量体0〜50質量%、3官能以上の多官能重合性不飽和単量体2〜50質量%の割合で構成されていることがさらに好ましい。
特に、本発明の組成物では、少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する部位、ならびに、シリコーン原子および/またはリン原子を含有する重合性不飽和単量体をブレンドすることが好ましい。該少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する部位、ならびに、シリコーン原子および/またはリン原子を含有する重合性不飽和単量体は、通常、モールドとの剥離性や基盤との密着性を高める目的で、全重合性不飽和単量体中の0.1質量%添加される。好ましくは0.2〜10質量%、より好ましくは0.3〜7質量%、特に好ましくは0.5〜5質量%の範囲で添加される。エチレン性不飽和結合を有する部位の数(官能基の数)は1〜3が好ましい。
なお、本発明の組成物は、調製時における水分量が好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.5質量%、さらに好ましくは1.0質量%以下である。調製時における水分量を2.0質量%以下とすることにより、本発明の組成物の保存性をより安定にすることができる。
また、本発明の組成物は、有機溶剤の含有量が、全組成物中、3質量%以下であることが好ましい。すなわち本発明の組成物は、好ましくは特定の1官能およびまたは2官能の単量体を反応性希釈剤として含むため、本発明の組成物の成分を溶解させるための有機溶剤は、必ずしも含有する必要がない。また、有機溶剤を含まなければ、溶剤の揮発を目的としたベーキング工程が不要となるため、プロセス簡略化に有効となるなどのメリットが大きい。従って、本発明の組成物では、有機溶剤の含有量は、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下であり、含有しないことが特に好ましい。このように、本発明の組成物は、必ずしも、有機溶剤を含むものではないが、反応性希釈剤では、溶解しない化合物などを、本発明の組成物として溶解させる場合や粘度を微調整する際など、任意に添加してもよい。本発明の組成物に好ましく使用できる有機溶剤の種類としては、光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物やフォトレジストで一般的に用いられている溶剤であり、本発明で用いる化合物を溶解および均一分散させるものであれば良く、かつこれらの成分と反応しないものであれば特に限定されない。
前記有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコール類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソフチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸エステル類等のエステル類などが挙げられる。
さらに、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテート等の高沸点溶剤を添加することもできる。これらは1種を単独使用してもよく、2種類以上を併用しても構わない。
これらの中でも、メトキシプロピレングリコールアセテート、2−ヒドロキシプロピン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノンなどが特に好ましい。
さらに、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテート等の高沸点溶剤を添加することもできる。これらは1種を単独使用してもよく、2種類以上を併用しても構わない。
これらの中でも、メトキシプロピレングリコールアセテート、2−ヒドロキシプロピン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノンなどが特に好ましい。
光重合開始剤
本発明の組成物には、光重合開始剤が用いられる。本発明に用いられる光重合開始剤は、全組成物中、例えば、0.1〜15質量%含有し、好ましくは0.2〜12質量%であり、さらに好ましくは、0.3〜10質量%である。2種類以上の光重合開始剤を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。
光重合開始剤の割合が0.1質量%以上とすることにより、感度(速硬化性)、解像性、ラインエッジラフネス性、塗膜強度が向上する傾向にあり好ましい。一方、光重合開始剤の割合を15質量%以下とすることにより、光透過性、着色性、取り扱い性などが向上する傾向にあり、好ましい。これまで、染料および/または顔料を含むインクジェット用組成物や液晶デイスプレイカラーフィルタ用組成物においては、好ましい光重合開始剤および/または光酸発生剤の添加量が種々検討されてきたが、ナノインプリント用等の光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物についての好ましい光重合開始剤および/または光酸発生剤の添加量については報告されていない。すなわち、染料および/または顔料を含む系では、これらがラジカルトラップ剤として働くことがあり、光重合性、感度に影響を及ぼす。その点を考慮して、これらの用途では、光重合開始剤の添加量が最適化される。一方で、本発明の組成物では、染料および/または顔料は必須成分でなく、光重合開始剤の最適範囲がインクジェット用組成物や液晶デイスプレイカラーフィルタ用組成物等の分野のものとは異なる場合がある。
本発明の組成物には、光重合開始剤が用いられる。本発明に用いられる光重合開始剤は、全組成物中、例えば、0.1〜15質量%含有し、好ましくは0.2〜12質量%であり、さらに好ましくは、0.3〜10質量%である。2種類以上の光重合開始剤を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。
光重合開始剤の割合が0.1質量%以上とすることにより、感度(速硬化性)、解像性、ラインエッジラフネス性、塗膜強度が向上する傾向にあり好ましい。一方、光重合開始剤の割合を15質量%以下とすることにより、光透過性、着色性、取り扱い性などが向上する傾向にあり、好ましい。これまで、染料および/または顔料を含むインクジェット用組成物や液晶デイスプレイカラーフィルタ用組成物においては、好ましい光重合開始剤および/または光酸発生剤の添加量が種々検討されてきたが、ナノインプリント用等の光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物についての好ましい光重合開始剤および/または光酸発生剤の添加量については報告されていない。すなわち、染料および/または顔料を含む系では、これらがラジカルトラップ剤として働くことがあり、光重合性、感度に影響を及ぼす。その点を考慮して、これらの用途では、光重合開始剤の添加量が最適化される。一方で、本発明の組成物では、染料および/または顔料は必須成分でなく、光重合開始剤の最適範囲がインクジェット用組成物や液晶デイスプレイカラーフィルタ用組成物等の分野のものとは異なる場合がある。
本発明で用いる光重合開始剤は、使用する光源の波長に対して活性を有するものが配合され、適切な活性種を発生させるものを用いる。また、光重合開始剤は1種類のみでも、2種類以上用いてもよい。
本発明で使用されるラジカル光重合開始剤は、例えば、市販されている開始剤を用いることができる。これらの例としてはCiba社から入手可能なIrgacure(登録商標)2959(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、Irgacure(登録商標)184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、Irgacure(登録商標)500(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン)、Irgacure(登録商標)651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、Irgacure(登録商標)369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1)、Irgacure(登録商標)907(2−メチル−1[4−メチルチオフェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、Irgacure(登録商標)819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、Irgacure(登録商標)1800(ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド,1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)、Irgacure(登録商標)1800(ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド,2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン)、Irgacure(登録商標)OXE01(1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)、Darocur(登録商標)1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン)、Darocur(登録商標)1116、1398、1174および1020、CGI242(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、BASF社から入手可能なLucirin TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド)、Lucirin TPO−L(2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド)、ESACUR日本シイベルヘグナー社から入手可能なESACURE 1001M(1−[4−ベンゾイルフェニルスルファニル]フェニル]−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン−1−オン、N−1414旭電化社から入手可能なアデカオプトマー(登録商標)N−1414(カルバゾール・フェノン系)、アデカオプトマー(登録商標)N−1717(アクリジン系)、アデカオプトマー(登録商標)N−1606(トリアジン系)、三和ケミカル製のTFE−トリアジン(2−[2−(フラン−2−イル)ビニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン)、三和ケミカル製のTME−トリアジン(2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)ビニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン)、三和ケミカル製のMP−トリアジン(2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン)、ミドリ化学製TAZ−113(2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン)、ミドリ化学製TAZ−108(2−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン)、ベンゾフェノン、4,4‘−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、メチル−2−ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、4−フェニルベンゾフェノン、エチルミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−メチルチオキサントン、チオキサントンアンモニウム塩、ベンゾイン、4,4’−ジメトキシベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1,1,1−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノンおよびジベンゾスベロン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイル ビフェニル、4−ベンゾイル ジフェニルエーテル、1,4−ベンゾイルベンゼン、ベンジル、10−ブチル−2−クロロアクリドン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタン)、2−エチルアントラキノン、2,2−ビス(2−クロロフェニル)4,5,4‘,5’−テトラキス(3,4,5−トリメトキシフェニル)1,2‘−ビイミダゾール、2,2−ビス(o−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン、エチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2−(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、ブトキシエチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、等が挙げられる。
さらに本発明の組成物には、光重合開始剤の他に、光増感剤を加えて、UV領域の波長を調整することもできる。本発明において用いることができる典型的な増感剤としては、クリベロ〔J.V.Crivello,Adv.in Polymer Sci,62,1(1984)〕に開示しているものが挙げられ、具体的には、ピレン、ペリレン、アクリジンオレンジ、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、ベンゾフラビン、N−ビニルカルバゾール、9,10−ジブトキシアントラセン、アントラキノン、クマリン、ケトクマリン、フェナントレン、カンファキノン、フェノチアジン誘導体などを挙げることができる。
本発明の組成物における光増感剤の含有割合は、該組成物中、15質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは8質量%以下、特に好ましくは5質量%以下が好ましい。光増感度剤含有割合の下限は特に限定されないが、効果を発現するためには、光増感剤含有割合の下限は0.1質量%程度である。
本発明の組成物には、光硬化反応の促進などの目的で、紫外線等のエネルギー線を受けることにより光重合を開始させる光酸発生剤を添加してもよい。
前記光酸発生剤としては、米国特許第4,139,655号明細書に記載のチオビリリウム塩、鉄/アレン錯体、アルミニウム錯体/光分解ケイ素化合物系開始剤、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物、o−ニトロベンジルエステル化合物、イミドスルホネート化合物、ビススルホニルジアゾメタン化合物、オキシムスルホネート化合物を挙げることができる。
本発明で用いることができる光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物を広く採用することができる(イメージング用有機材料、有機エレクトロニクス材料研究会編、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。これらの化合物は、THE CHEMICAL SOCIETY OF JAPAN Voi.71 No.11(1998年)、イメージング用有機材料(有機エレクトロニクス材料研究会編、ぶんしん出版(1993年))に記載の光酸発生剤と同様、公知の方法にて容易に合成することができる。
光酸発生剤の市販品としては、IRGACURE261、IRGACURE OXE01、IRGACURE CGI-1397(以上、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(株)製)などを挙げることができる。上記の光酸発生剤は、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
また、上記酸発生剤は前記光重合開始剤として組み合わせて用いることができる。この場合、光酸発生剤は0.05〜3.0質量%の範囲で用い、光重合開始剤と光酸発生剤併せて、0.5〜15.0質量%の範囲で用いることが望ましい。
本発明の重合開始のための光は、紫外光、近紫外光、遠紫外光、可視光、赤外光等の領域の波長の光または、電磁波だけでなく、放射線も含まれ、放射線には、例えば、マイクロ波、電子線、EUV、X線が含まれる。また248nmエキシマレーザー、193nmエキシマレーザー、172nmエキシマレーザーなどのレーザー光も用いることができる。これらの光は、光学フィルターを通したモノクロ光(単一波長光)を用いてもよいし、複数の波長の異なる光(複合光)でもよい。露光は、多重露光も可能であり、膜強度、エッチング耐性を高めるなどの目的でパターン形成した後、さらに全面露光することも可能である。
本発明で使用される光重合開始剤は、使用する光源の波長に対して適時に選択する必要があるが、モールド加圧・露光中にガスを発生させないものが好ましい。ガスが発生すると、モールドが汚染されるため、頻繁にモールドを洗浄しなければならなくなったり、光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物がモールド内で変形し、転写パターン精度を劣化させるなどの問題を生じる。ガスを発生させないものは、モールドが汚染されにくく、モールドの洗浄頻度が減少したり、光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物がモールド内で変形しにくいので転写パターン精度を劣化させにくい等の観点で好ましい。
界面活性剤
本発明の組成物は、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびフッ素・シリコーン系界面活性剤の少なくとも1種を0.001〜5質量%含む。組成物中の上記界面活性剤比率は0.002〜4質量%が好ましく、特に0.005〜3質量%が好ましい。
フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびフッ素・シリコーン系界面活性剤が組成物中0.001未満では、塗布の均一性の効果が不十分であり、一方、5質量%を越えると、モールド転写特性を悪化させるため、好ましくない。本発明で用いるフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびフッ素・シリコーン系界面活性剤は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合せて使用してもよい。本発明では、フッ素系界面活性剤とシリコーン系界面活性剤の両方または、フッ素・シリコーン系界面活性剤を含むことが好ましい。
特に、フッ素・シリコーン系界面活性剤を含むことが最も好ましい。
ここで、フッ素・シリコーン系界面活性剤とは、フッ素系界面活性剤およびシリコーン系界面活性剤の両方の要件を併せ持つものをいう。
このような界面活性剤を用いることにより、本発明の組成物を、半導体素子製造用のシリコーンウェーハや、液晶素子製造用のガラス角基板、クロム膜、モリブデン膜、モリブデン合金膜、タンタル膜、タンタル合金膜、窒化珪素膜、アモルファスシリコーン膜、酸化錫をドープした酸化インジウム(ITO)膜や酸化錫膜などの、各種の膜が形成されるなど基板上の塗布時に起こるストリエーションや鱗状の模様(レジスト膜の乾燥むら)などの塗布不良の問題を解決する目的、およびモールド凹部のキャビティ内への組成物の流動性を良くし、モールドとレジスト間の剥離性を良くし、レジストと基板間の密着性を良くする、組成物の粘度を下げる等が可能になる。特に、本発明の組成物において、上記界面活性剤を添加することにより、塗布均一性を大幅に改良でき、スピンコーターやスリットスキャンコーターを用いた塗布において、基板サイズに依らず良好な塗布適性が得られる。
本発明の組成物は、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびフッ素・シリコーン系界面活性剤の少なくとも1種を0.001〜5質量%含む。組成物中の上記界面活性剤比率は0.002〜4質量%が好ましく、特に0.005〜3質量%が好ましい。
フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびフッ素・シリコーン系界面活性剤が組成物中0.001未満では、塗布の均一性の効果が不十分であり、一方、5質量%を越えると、モールド転写特性を悪化させるため、好ましくない。本発明で用いるフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびフッ素・シリコーン系界面活性剤は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合せて使用してもよい。本発明では、フッ素系界面活性剤とシリコーン系界面活性剤の両方または、フッ素・シリコーン系界面活性剤を含むことが好ましい。
特に、フッ素・シリコーン系界面活性剤を含むことが最も好ましい。
ここで、フッ素・シリコーン系界面活性剤とは、フッ素系界面活性剤およびシリコーン系界面活性剤の両方の要件を併せ持つものをいう。
このような界面活性剤を用いることにより、本発明の組成物を、半導体素子製造用のシリコーンウェーハや、液晶素子製造用のガラス角基板、クロム膜、モリブデン膜、モリブデン合金膜、タンタル膜、タンタル合金膜、窒化珪素膜、アモルファスシリコーン膜、酸化錫をドープした酸化インジウム(ITO)膜や酸化錫膜などの、各種の膜が形成されるなど基板上の塗布時に起こるストリエーションや鱗状の模様(レジスト膜の乾燥むら)などの塗布不良の問題を解決する目的、およびモールド凹部のキャビティ内への組成物の流動性を良くし、モールドとレジスト間の剥離性を良くし、レジストと基板間の密着性を良くする、組成物の粘度を下げる等が可能になる。特に、本発明の組成物において、上記界面活性剤を添加することにより、塗布均一性を大幅に改良でき、スピンコーターやスリットスキャンコーターを用いた塗布において、基板サイズに依らず良好な塗布適性が得られる。
本発明で用いる非イオン性フッ素系界面活性剤の例としては、商品名フロラードFC−430、FC−431(住友スリーエム社製)、商品名サーフロン「S−382」(旭硝子社製)、EFTOP「EF−122A、122B、122C、EF−121、EF−126、EF−127、MF−100」(トーケムプロダクツ社製)、商品名PF−636、PF−6320、PF−656、PF−6520(いずれもOMNOVA社)、商品名フタージェントFT250、FT251、DFX18(いずれも(株)ネオス社製)、商品名ユニダインDS−401、DS−403、DS−451(いずれもダイキン工業(株)社製)、商品名メガフアック171、172、173、178K、178A、(いずれも大日本インキ化学工業社製)が挙げられ、非イオン性ケイ素系界面活性剤の例としては、商品名SI−10シリーズ(竹本油脂社製)、メガファックペインタッド31(大日本インキ化学工業社製)、KP−341(信越化学工業社製)が挙げられる。
本発明で用いる、フッ素・シリコーン系界面活性剤の例としては、商品名X−70−090、X−70−091、X−70−092、X−70−093、(いずれも信越化学工業社製)、商品名メガフアックR−08、XRB−4(いずれも大日本インキ化学工業社製)が挙げられる。
本発明で用いる、フッ素・シリコーン系界面活性剤の例としては、商品名X−70−090、X−70−091、X−70−092、X−70−093、(いずれも信越化学工業社製)、商品名メガフアックR−08、XRB−4(いずれも大日本インキ化学工業社製)が挙げられる。
本発明の組成物には、上記の以外に、光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物の柔軟性等を改良する目的で、他のノニオン系界面活性剤を併用してもよい。ノニオン系界面活性剤の市販品としては、例えば、竹本油脂(株)社製のパイオニンシリーズのD−3110、D−3120、D−3412、D−3440、D−3510、D−3605などポリオキシエチレンアルキルアミン、竹本油脂(株)社製のパイオニンシリーズのD−1305、D−1315、D−1405、D−1420、D−1504、D−1508、D−1518などのポリオキシエチレンアルキルエーテル、竹本油脂(株)社製のパイオニンシリーズのD−2112−A、D−2112−C、D−2123−Cなどのポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル、竹本油脂(株)社製のパイオニンシリーズのD−2405−A、D−2410−D、D−2110−Dなどのポリオキシエチレンジ脂肪酸エステル、竹本油脂(株)社製のパイオニンシリーズのD−406、D−410、D−414、D−418などのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、日信化学工業(株)社製のサーフィノールシリーズの104S、420、440、465、485などのポリオキシエチレンテトラメチルデシンジオールジエーテルなどが例示される。また、重合性不飽和基を有する反応性界面活性剤も本発明で用いられる界面活性剤と併用することができる。例えば、アリロキシポリエチレングリコールモノメタアクリレート(日本油脂(株)商品名:ブレンマーPKEシリーズ)、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノメタアクリレート(日本油脂(株)商品名:ブレンマーPNEシリーズ)、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノメタアクリレート(日本油脂(株)商品名:ブレンマーPNPシリーズ)、ノニルフェノキシポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタアクリレート(日本油脂(株)商品名:ブレンマーPNEP−600)、アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50、RN−2025、HS−05、HS−10、HS−20(第一工業製薬(株)社製)などが挙げられる。他のノニオン系界面活性剤の添加量は、0.001〜5質量%が好ましく、0.005〜3質量%がより好ましい。
無機酸化物微粒子
本発明の組成物には、無機酸化物微粒子が含まれる。
本発明の組成物に有用な無機酸化物微粒子は、光硬化性樹脂組成物の耐熱性、タック性、硬度、などの向上や耐擦傷性、耐磨耗性、力学特性などの機械強度を向上させる目的で主に添加されるものであり、得られる組成物が透明となるのであれば、その種類や粒子サイズ、形態は特に制限されない。また、無機酸化物微粒子の添加は、硬化収縮に伴う基板密着性の悪化を改善するためにも有効である。無機酸化物微粒子の例としては、シリカ(特に、コロイダルシリカ)、アルミナ、酸化チタン、酸化スズ、異種元素ドープ酸化スズ(ATO等)、酸化インジウム、異種元素ドープ酸化インジウム(ITO等)、酸化カドミウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ジルコニウム等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。このような無機酸化物微粒子は、粉末状または溶剤分散ゾルのいずれも用いることができる。溶剤分散ゾルである場合、他の成分との相溶性、分散性の観点から、分散媒は、有機溶剤が好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類を挙げることができる。中でも、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレンが好ましい。溶剤分散ゾルを本発明の組成物に配合する場合、溶剤も同時に配合されることになるため、その際、有機溶剤の含有量が、全組成物中、3質量%以下になるように配合することが好ましい。上述のように、有機溶剤を含まなければ、溶剤の揮発を目的としたベーキング工程が不要となるため、プロセス簡略化に有効となるなどのメリットが大きい。従って、本発明の組成物では、有機溶剤の含有量は、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下であり、含有しないことが特に好ましい。従って、溶剤分散ゾルを添加するよりも、粉体もしくは本発明の反応性単量体(希釈剤)に分散された粒子を添加するのが特に好ましい。また、粒子の分散性を改良するために各種の界面活性剤、分散剤、アミン類を添加しても良い。
本発明の組成物には、無機酸化物微粒子が含まれる。
本発明の組成物に有用な無機酸化物微粒子は、光硬化性樹脂組成物の耐熱性、タック性、硬度、などの向上や耐擦傷性、耐磨耗性、力学特性などの機械強度を向上させる目的で主に添加されるものであり、得られる組成物が透明となるのであれば、その種類や粒子サイズ、形態は特に制限されない。また、無機酸化物微粒子の添加は、硬化収縮に伴う基板密着性の悪化を改善するためにも有効である。無機酸化物微粒子の例としては、シリカ(特に、コロイダルシリカ)、アルミナ、酸化チタン、酸化スズ、異種元素ドープ酸化スズ(ATO等)、酸化インジウム、異種元素ドープ酸化インジウム(ITO等)、酸化カドミウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ジルコニウム等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。このような無機酸化物微粒子は、粉末状または溶剤分散ゾルのいずれも用いることができる。溶剤分散ゾルである場合、他の成分との相溶性、分散性の観点から、分散媒は、有機溶剤が好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類を挙げることができる。中でも、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレンが好ましい。溶剤分散ゾルを本発明の組成物に配合する場合、溶剤も同時に配合されることになるため、その際、有機溶剤の含有量が、全組成物中、3質量%以下になるように配合することが好ましい。上述のように、有機溶剤を含まなければ、溶剤の揮発を目的としたベーキング工程が不要となるため、プロセス簡略化に有効となるなどのメリットが大きい。従って、本発明の組成物では、有機溶剤の含有量は、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下であり、含有しないことが特に好ましい。従って、溶剤分散ゾルを添加するよりも、粉体もしくは本発明の反応性単量体(希釈剤)に分散された粒子を添加するのが特に好ましい。また、粒子の分散性を改良するために各種の界面活性剤、分散剤、アミン類を添加しても良い。
本発明で用いられる無機酸化物微粒子の形状は特に定めるものはないが、球状、中空状、多孔質状、棒状、板状、繊維状、または不定形状が挙げられ、好ましくは球状である。
無機酸化物微粒子の粒子サイズは、得られる光硬化性樹脂組成物層の透明性の観点から、通常は200nm以下であるのが好ましい。より好ましくは100nm以下であり、さらに好ましくは50nm以下である。また、無機酸化物微粒子の添加量は、本発明の組成物に対して、0.1〜50質量%の範囲で含む。好ましくは、1〜40質量%、さらに好ましくは5〜30質量%の範囲で含むことが好ましい。無機酸化物微粒子の添加量が0.1質量%未満の場合には、耐擦傷性、耐磨耗性、力学特性などの機械強度の向上効果が認められないことがあり、また添加量が50質量%を超える場合には、光硬化性樹脂組成物の液粘度が高くなり、保存安定性や透明性が低下することがある。
本発明で用いる無機酸化物微粒子の市販品としては、例えば、アルミナの水分散品としては、日産化学工業(株)製、商品名:アルミナゾル−100、−200、−520;酸化チタンの水分散品としては、石原産業(株)製、商品名:TTO−W5;アンチモン酸亜鉛粉末の水分散品としては、日産化学工業(株)製、商品名:セルナックス;アルミナ、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛等の粉末および溶剤分散品としては、シーアイ化成(株)製、商品名:ナノテック;酸化チタン、酸化スズの複合酸化物の水分散品としては、日産化学工業(株)製、商品名:HIT−15W1;アンチモンドープ酸化スズの水分散ゾルとしては、石原産業(株)製、商品名:SN−100D;ITO粉末としては、三菱マテリアル(株)製の製品;酸化セリウム水分散液としては、多木化学(株)製、商品名:ニードラール、酸化スズの水分散品としては、石原産業(株)製、商品名:SN−38F、SN−88F;酸化ジルコニウムの水分散品としては、住友大阪セメント(株)製、商品名:FFT−150W、日産化学工業(株)製、商品名:HZ−307W6;等を挙げることができる。
本発明で用いられる無機酸化物微粒子の中でも、入手の容易さや価格面、得られる光硬化性樹脂組成物層の透明性や力学特性発現の観点から、(中略)例えば、コロイダルシリカとして、Nalcoag 1034A(米国Nalco Chemical Companyの商標名)、日産化学工業(株)製 商品名:メタノ−ルシリカゾル、IPA−ST、MEK−ST、MIBK−ST、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−ST、EAC−ST、ST−UP、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL、扶桑化学工業(株)製、商品名:PL−1−MA、PL−1−TOL、PL−1−IPA、PL−1−MEK、PL−1−PGME、PL−2L−MA、PL−2L−IPA等を挙げることができる。また粉体シリカとしては、日本アエロジル(株)製、商品名:アエロジル130、アエロジル300、アエロジル380、アエロジルTT600、アエロジルOX50、旭硝子(株)製、商品名:シルデックスH31、H32、H51、H52、H121、H122、日本シリカ工業(株)製、商品名:E220A、E220、富士シリシア(株)製、商品名:SYLYSIA470、日本板硝子(株)製、商品名:SGフレ−ク等を挙げることができる。 市販の水または有機溶剤に分散されたコロイダルシリカを本発明の組成物にそのまま用いると、水や有機溶剤もそのまま配合されるため、市販のコロイダルシリカ分散体をそのまま用いる場合には、シリカ成分として5質量%以下の配合量が好ましい。
本発明で用いられるシリカとしては、コロイダルシリカ表面を、官能基を有する化合物で表面処理したコロイダルシリカを用いるのが好ましい。シリカの表面の処理、修飾により導入する官能基としては、ラジカル重合性の官能基やジ感光性基(例えば、アゾニウム塩基、アジト基、シンナモイル基、シンナミリデン基)を有するのが好ましく、ラジカル重合性官能基の導入が特に好ましい。
例えば、本発明に用いられる表面処理コロイダルシリカ微粒子は、その存在下にラジカル重合性シラン化合物の単量体もしくは加水分解物を加水分解縮合反応させて得られる。このようにシリカを表面処理することにより、他の成分との相溶性を改良し、組成物の保存安定性を飛躍的に向上させることができる。さらに、得られる組成物の耐擦傷性、耐磨耗性、力学特性などの機械強度が良好となるので好ましい。
例えば、本発明に用いられる表面処理コロイダルシリカ微粒子は、その存在下にラジカル重合性シラン化合物の単量体もしくは加水分解物を加水分解縮合反応させて得られる。このようにシリカを表面処理することにより、他の成分との相溶性を改良し、組成物の保存安定性を飛躍的に向上させることができる。さらに、得られる組成物の耐擦傷性、耐磨耗性、力学特性などの機械強度が良好となるので好ましい。
上記シランの表面処理に用いるラジカル重合性シラン化合物は、分子内に少なくとも1つのラジカル重合性基を有するシラン化合物であり、紫外線等の活性エネルギー線の照射により、光重合性官能基を有する化合物とシリカ粒子との間に結合を生じさせ、本発明の組成物の硬化後の表面硬度や耐摩耗性の発現に寄与すると共に、シリカ粒子の表面を疎水化し、密着性の発現にも寄与する。
シラン化合物中のラジカル重合性基としては、(メタ)アクリル基、アリル基、ビニル基、スチリル基等のラジカル重合性基が挙げられるが、光硬化反応性の観点から、特に(メタ)アクリル基が好ましい。
(メタ)アクリル基を有するシラン化合物は、例えば、下記式(1)で表される。
CH2=C(R2)COO(CH2)pSiR3 n(OR1)3-n (1)
(式中、R1は水素原子または総炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、R2は水素原子またはメチル基を表し、R3はエーテル結合、エステル結合、エポキシ結合、メルカプト結合またはアミノ結合を有していてもよい総炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、nは0〜2の整数であり、pは1〜6の整数である。)
式中に複数のR1および/またはR3が含まれる場合、これらのR1および/またはR3は、それぞれ、同じであっても異なっていてもよい。
R1は、好ましくは、メチル基またはエチル基である。R3は、好ましくはメチル基である。
具体的には、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルジメトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルジエトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルメトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルエトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
(式中、R1は水素原子または総炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、R2は水素原子またはメチル基を表し、R3はエーテル結合、エステル結合、エポキシ結合、メルカプト結合またはアミノ結合を有していてもよい総炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、nは0〜2の整数であり、pは1〜6の整数である。)
式中に複数のR1および/またはR3が含まれる場合、これらのR1および/またはR3は、それぞれ、同じであっても異なっていてもよい。
R1は、好ましくは、メチル基またはエチル基である。R3は、好ましくはメチル基である。
具体的には、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルジメトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルジエトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルメトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルエトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
アリル基を有するシラン化合物は、例えば、下記構造式(2)で表される。
CH2=CHCH2R2SiR3 n(OR1)3-n (2)
(式中、R1は水素原子または総炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、R2およびR3は、それぞれ、エーテル結合、エステル結合、エポキシ結合、メルカプト結合またはアミノ結合を有していてもよい総炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、nは0〜2の整数である。)
式中に複数のR1および/またはR3が含まれる場合、これらのR1および/またはR3は、それぞれ、同じであっても異なっていてもよい。
具体的には、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルメチルジメトキシシラン、アリルメチルジエトキシシラン、γ−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アリルアミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
CH2=CHCH2R2SiR3 n(OR1)3-n (2)
(式中、R1は水素原子または総炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、R2およびR3は、それぞれ、エーテル結合、エステル結合、エポキシ結合、メルカプト結合またはアミノ結合を有していてもよい総炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、nは0〜2の整数である。)
式中に複数のR1および/またはR3が含まれる場合、これらのR1および/またはR3は、それぞれ、同じであっても異なっていてもよい。
具体的には、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルメチルジメトキシシラン、アリルメチルジエトキシシラン、γ−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アリルアミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
ビニル基を有するシラン化合物は、例えば、下記式(3)で表される。
CH2=CHSiR2 n(OR1)3-n (3)
(式中、R1は水素原子または総炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、R2はエーテル結合、エステル結合、エポキシ結合、メルカプト結合またはアミノ結合を有していてもよい総炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、nは0〜2の整数である。)
式中に複数のR1および/またはR2が含まれる場合、これらのR1および/またはR2は、それぞれ、同じであっても異なっていてもよい。
具体的には、例えば、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
(式中、R1は水素原子または総炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、R2はエーテル結合、エステル結合、エポキシ結合、メルカプト結合またはアミノ結合を有していてもよい総炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、nは0〜2の整数である。)
式中に複数のR1および/またはR2が含まれる場合、これらのR1および/またはR2は、それぞれ、同じであっても異なっていてもよい。
具体的には、例えば、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
スチリル基を有するシラン化合物は、例えば、下記式(4)で表される。
(式中、R1は水素原子または総炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、R2は水素原子またはメチル基を表し、R3はエーテル結合、エステル結合、エポキシ結合、メルカプト結合またはアミノ結合を有していてもよい総炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、nは0〜2の整数である)
式中に複数のR1および/またはR3が含まれる場合、これらのR1および/またはR3は、それぞれ、同じであっても異なっていてもよい。
具体的には、例えば、p−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、p−ビニルフェニルメチルジエトキシシラン、p−ビニルフェニルトリメトキシシラン、p−ビニルフェニルトリエトキシシラン、o−ビニルフェニルトリメトキシシラン、m−ビニルフェニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
式中に複数のR1および/またはR3が含まれる場合、これらのR1および/またはR3は、それぞれ、同じであっても異なっていてもよい。
具体的には、例えば、p−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、p−ビニルフェニルメチルジエトキシシラン、p−ビニルフェニルトリメトキシシラン、p−ビニルフェニルトリエトキシシラン、o−ビニルフェニルトリメトキシシラン、m−ビニルフェニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また、上記のシラン化合物の他に、特開平5−247373号公報等に記載されているような水酸基含有多官能(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物にエポキシシランを作用させた(メタ)アクリル基含有シラン化合物、特開平3−93872号公報や特開平3−207765号公報等に記載されているようなアミノシランに多官能(メタ)アクリレートをマイケル付加させた(メタ)アクリル基含有シラン化合物、特開平5−287215号公報や特開平6−100799号公報等に記載されているような水酸基含有(メタ)アクリレートとイソシアネートシランを反応させた(メタ)アクリル基含有シラン化合物、特開2001−287308号公報等に記載されているようなメルカプトシラン、ジイソシアネート化合物、水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させた(メタ)アクリル基含有シラン化合物、特開平11−157014号公報等に記載されているようなメルカプトシランと多官能(メタ)アクリレート化合物をマイケル付加させた(メタ)アクリル基含有シラン化合物等も、本発明のラジカル重合性シラン化合物として使用することができる。
これらのシラン化合物は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。
また、本発明で用いる表面処理シリカは、非ラジカル重合性シラン化合物(分子内にラジカル重合性基を持たないシラン化合物)でシリカ表面を処理しても良い。非ラジカル重合性シラン化合物は、シリカの表面修飾には関与するものの、光重合性官能基を有する化合物とシリカとの間に結合を生起させないため、硬化後の光硬化性樹脂組成物に可撓性を付与し、耐候性や基板との密着性の発現に寄与する目的でおこなわれる。また、結合反応を伴わないことから、光硬化性樹脂組成物の長期保存安定性の発現にも寄与する。
非ラジカル重合性シラン化合物は、例えば、下記式(5)で表される。
SiR2 aR3 b(OR1)c (5)
(上式中、R1は水素原子または総炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、R2およびR3は、それぞれ、エーテル結合、エステル結合、エポキシ結合、メルカプト結合またはアミノ結合を有していてもよい総炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、aおよびbは、それぞれ、0〜3の整数であり、cは4−a−bを満足する1〜4の整数である。)
cが2以上の場合、それぞれのR1は同じであっても異なっていてもよい。
具体的には、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、メトキシエチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−ノニルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ウンデシルトリメトキシシラン、トリデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、ペンタデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘプタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ノナデシルトリメトキシシラン、エイコデシルトリメトキシシラン、アセトキシエチルトリエトキシシラン、ジエトキシエチルジメトキシシラン、テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシラン化合物は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。
(上式中、R1は水素原子または総炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、R2およびR3は、それぞれ、エーテル結合、エステル結合、エポキシ結合、メルカプト結合またはアミノ結合を有していてもよい総炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、aおよびbは、それぞれ、0〜3の整数であり、cは4−a−bを満足する1〜4の整数である。)
cが2以上の場合、それぞれのR1は同じであっても異なっていてもよい。
具体的には、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、メトキシエチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−ノニルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ウンデシルトリメトキシシラン、トリデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、ペンタデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘプタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ノナデシルトリメトキシシラン、エイコデシルトリメトキシシラン、アセトキシエチルトリエトキシシラン、ジエトキシエチルジメトキシシラン、テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシラン化合物は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。
ラジカル重合性シラン化合物や非ラジカル重合性シラン化合物は、シリカの固形分1モル部(粒子の式量に等しいグラム数の粒子の量を1モルとする。したがって、コロイダルシリカ(SiO2=28+16×2=60)の固形分60gは1モルに相当する)に対して、合計で0.0001〜3モル部の割合で使用することが好ましい。より好ましくは、本発明の組成物中に 0.01〜2モルの割合で使用される。シラン化合物の合計使用量を3モル部以下とすることにより、本発明の組成物の機械的強度が向上する傾向にあり、また、0.0001モル部以上とすることにより、シラン処理の効果がより奏されやすい傾向にある。
また、ラジカル重合性シラン化合物と非ラジカル重合性シラン化合物と併用しても良く、その使用モル比は、1:99〜99:1の範囲にあるのが好ましく、2:98〜98:2の範囲がより好ましく、5:95〜95:5の範囲がさらに好ましく、特に10:90〜80:20の範囲が最も好ましい。
次に、ラジカル重合性シラン化合物シリカの加水分解縮合反応の一例について説明する。まず、シリカがアルコール等の適当な分散媒に分散された分散溶液とシラン化合物およびを混合する。続いて、シラン化合物1モルに対して、0.5〜6モルの水あるいは0.00001〜0.1規定の塩酸水溶液等の加水分解触媒を加え、加熱下で攪拌しつつ、加水分解で生じるアルコールを系外に除去する。さらに、加水分解反応に続く縮合反応で生じる水を同様に加熱下で系外に除去し、縮合反応を完結させる。
シリカは、シラン化合物の加水分解・縮合反応前だけでなく、加水分解・縮合反応の途中や同反応の後でも添加することもできる。また、この反応は、常圧下でも減圧下/加圧下でも行うことができる。さらに、この加水分解・縮合反応時に加熱下で攪拌する際に、シリカの分散媒を共沸留出させることにより、別の分散媒に置換することも可能である。
前記の反応においては、加水分解触媒として、無機酸または有機酸の水溶液を使用することができる。無機酸としては、例えば、塩酸、弗化水素酸、臭化水素酸等のハロゲン化水素酸や、硫酸、硝酸、リン酸等が用いられる。有機酸としては、蟻酸、酢酸、シュウ酸、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
また、加水分解・縮合反応を温和に、かつ、均一に行うために溶媒を用いることが好ましい。この溶媒としてシリカの分散媒をそのまま用いても良いし、新たな溶媒を必要量加えても良い。新たに加える溶媒としては、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類を挙げることができる。
酸化防止剤
さらに、本発明の組成物には、公知の酸化防止剤を含めることができる。酸化防止剤は、熱や光照射による退色およびオゾン、活性酸素、NOx、SOx(Xは整数)などの各種の酸化性ガスによる退色を抑制するものである。特に本発明では、酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、または分解による膜厚減少を低減できるという利点がある。このような酸化防止剤としては、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、含窒素複素環メルカプト系化合物、チオエーテル系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、チオシアン酸塩類、チオ尿素誘導体、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。この中では、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤が硬化膜の着色、膜厚減少の観点で好ましい。
さらに、本発明の組成物には、公知の酸化防止剤を含めることができる。酸化防止剤は、熱や光照射による退色およびオゾン、活性酸素、NOx、SOx(Xは整数)などの各種の酸化性ガスによる退色を抑制するものである。特に本発明では、酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、または分解による膜厚減少を低減できるという利点がある。このような酸化防止剤としては、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、含窒素複素環メルカプト系化合物、チオエーテル系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、チオシアン酸塩類、チオ尿素誘導体、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。この中では、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤が硬化膜の着色、膜厚減少の観点で好ましい。
酸化防止剤の市販品としては、Irganox1010、1035、1076、1222(以上、チバガイギー(株)製)、Antigene P、3C、FR、スミライザーS、スミライザーGA−80(住友化学工業製)、アデカスタブAO70、AO80、AO503((株)ADEKA製)等が挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、混合して用いるてもよい。酸化防止剤は、本発明の組成物の全量に対し、0.01〜10質量%の割合で配合するのが好ましく、0.2〜5質量%の割合で配合するのがさらに好ましい。
その他の成分
本発明の組成物には前記成分の他に必要に応じて離型剤、シランカップリング剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、老化防止剤、可塑剤、密着促進剤、熱重合開始剤、着色剤、エラストマー粒子、光酸増殖剤、光塩基発生剤、塩基性化合物、流動調整剤、消泡剤、分散剤等を添加してもよい。
本発明の組成物には前記成分の他に必要に応じて離型剤、シランカップリング剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、老化防止剤、可塑剤、密着促進剤、熱重合開始剤、着色剤、エラストマー粒子、光酸増殖剤、光塩基発生剤、塩基性化合物、流動調整剤、消泡剤、分散剤等を添加してもよい。
剥離性をさらに向上する目的で、本発明の組成物には、離型剤を任意に配合することができる。具体的には、本発明の組成物の層に押し付けたモールドを、樹脂層の面荒れや版取られを起こさずにきれいに剥離できるようにする目的で添加される。離型剤としては従来公知の離型剤、例えば、シリコーン系離型剤、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー(テフロンは登録商標)等の固形ワックス、弗素系、リン酸エステル系化合物等が何れも使用可能である。また、これらの離型剤をモールドに付着させておくこともできる。
シリコーン系離型剤は、本発明で用いられる上記光硬化性樹脂と組み合わせた時にモールドからの剥離性が特に良好であり、版取られ現象が起こり難くなる。シリコーン系離型剤は、オルガノポリシロキサン構造を基本構造とする離型剤であり、例えば、未変性または変性シリコーンオイル、トリメチルシロキシケイ酸を含有するポリシロキサン、シリコーン系アクリル樹脂等が該当し、一般的にハードコート用組成物で用いられているシリコーン系レベリング剤の適用も可能である。
変性シリコーンオイルは、ポリシロキサンの側鎖および/または末端を変性したものであり、反応性シリコーンオイルと非反応性シリコーンオイルとに分けられる。反応性シリコーンオイルとしては、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、片末端反応性、異種官能基変性等が挙げられる。非反応性シリコーンオイルとしては、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪エステル変性、親水性特殊変性、高級アルコキシ変性、高級脂肪酸変性、フッ素変性等が挙げられる。
一つのポリシロキサン分子に上記したような変性方法の2つ以上を行うこともできる。
一つのポリシロキサン分子に上記したような変性方法の2つ以上を行うこともできる。
変性シリコーンオイルは組成物成分との適度な相溶性があることが好ましい。特に、組成物中に必要に応じて配合される他の塗膜形成成分に対して反応性がある反応性シリコーンオイルを用いる場合には、本発明の組成物を硬化した硬化膜中に化学結合よって固定されるので、当該硬化膜の密着性阻害、汚染、劣化等の問題が起き難い。特に、蒸着工程での蒸着層との密着性向上には有効である。また、(メタ)アクリロイル変性シリコーン、ビニル変性シリコーン等の、光硬化性を有する官能基で変性されたシリコーンの場合は、本発明の組成物と架橋するため、硬化後の特性に優れる。
トリメチルシロキシケイ酸を含有するポリシロキサンは表面にブリードアウトし易く剥離性に優れており、表面にブリードアウトしても密着性に優れ、金属蒸着やオーバーコート層との密着性にも優れている点で好ましい。
上記離型剤は1種類のみ或いは2種類以上を組み合わせて添加することができる。
上記離型剤は1種類のみ或いは2種類以上を組み合わせて添加することができる。
離型剤を本発明の組成物に添加する場合、組成物全量中に0.001〜10質量%の割合で配合することが好ましく、0.01〜5質量%の範囲で添加することがより好ましい。離型剤の割合が上記範囲未満では、モールドと光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物層の剥離性向上効果が不充分となりやすい。一方、離型剤の割合が上記範囲を超えると組成物の塗工時のはじきによる塗膜面の面荒れの問題が生じたり、製品において基材自身および近接する層、例えば、蒸着層の密着性を阻害したり、転写時に皮膜破壊等(膜強度が弱くなりすぎる)を引き起こす等の点で好ましくない。
離型剤の割合が0.01質量%以上とすることにより、モールドと光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物層の剥離性向上効果が充分となる。一方、離型剤の割合が上記範囲を10質量%以内だと、組成物の塗工時のはじきによる塗膜面の面荒れの問題が生じにくく、製品において基材自身および近接する層、例えば、蒸着層の密着性を阻害しにくく、転写時に皮膜破壊等(膜強度が弱くなりすぎる)を引き起こしにくい等の点で好ましい。
離型剤の割合が0.01質量%以上とすることにより、モールドと光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物層の剥離性向上効果が充分となる。一方、離型剤の割合が上記範囲を10質量%以内だと、組成物の塗工時のはじきによる塗膜面の面荒れの問題が生じにくく、製品において基材自身および近接する層、例えば、蒸着層の密着性を阻害しにくく、転写時に皮膜破壊等(膜強度が弱くなりすぎる)を引き起こしにくい等の点で好ましい。
本発明の組成物には、微細凹凸パターンを有する表面構造の耐熱性、強度、或いは、金属蒸着層との密着性を高めるために、有機金属カップリング剤を配合してもよい。また、有機金属カップリング剤は、熱硬化反応を促進させる効果も持つため有効である。有機金属カップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、スズカップリング剤等の各種カップリング剤を使用できる。
本発明の組成物に用いるシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシラン;N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン;および、その他のシランカップリング剤として、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
チタンカップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等が挙げられる。
ジルコニウムカップリング剤としては、例えば、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ−ブトキシジルコニウム、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムトリブトキシエチルアセトアセテート、ジルコニウムブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
アルミニウムカップリング剤としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノsec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチレート、アルミニウムエチレート、エチルアセトアセテエートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトアセテート)等を挙げることができる。
上記有機金属カップリング剤は、光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物の固形分全量中に0.001〜10質量%の割合で任意に配合できる。有機金属カップリング剤の割合を0.001質量%以上とすることにより、耐熱性、強度、蒸着層との密着性の付与の向上についてより効果的な傾向にある。一方、有機金属カップリング剤の割合を10質量%以下とすることにより、組成物の安定性、成膜性の欠損を抑止できる傾向にあり好ましい。
本発明の組成物には、貯蔵安定性等を向上させるために、重合禁止剤を配合してもよい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、カテコール、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール類;ベンゾキノン、ジフェニルベンゾキノン等のキノン類;フェノチアジン類;銅類等を用いることができる。重合禁止剤は、本発明の組成物の全量に対して任意に0.001〜10質量%の割合で配合するのが好ましい。
紫外線吸収剤の市販品としては、Tinuvin P、234、320、326、327、328、213(以上、チバガイギー(株)製)、Sumisorb110、130、140、220、250、300、320、340、350、400(以上、住友化学工業(株)製)等が挙げられる。紫外線吸収剤は、光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物の全量に対して任意に0.01〜10質量%の割合で配合するのが好ましい。
光安定剤の市販品としては、Tinuvin 292、144、622LD(以上、チバガイギー(株)製)、サノールLS−770、765、292、2626、1114、744(以上、三共化成工業(株)製)等が挙げられる。光安定剤は組成物の全量に対し、0.01〜10質量%の割合で配合するのが好ましい。
老化防止剤の市販品としては、Antigene W、S、P、3C、6C、RD−G、FR、AW(以上、住友化学工業(株)製)等が挙げられる。老化防止剤は組成物の全量に対し、0.01〜10質量%の割合で配合するのが好ましい。
本発明の組成物には基板との接着性や膜の柔軟性、硬度等を調整するために可塑剤を加えることが可能である。好ましい可塑剤の具体例としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン、ジメチルアジペート、ジエチルアジペート、ジ(n−ブチル)アジペート、ジメチルスベレート、ジエチルスベレート、ジ(n−ブチル)スベレート等があり、可塑剤は組成物中の30質量%以下で任意に添加することができる。好ましくは20質量%以下で、より好ましくは10質量%以下である。可塑剤の添加効果を得るためには、0.1質量%以上が好ましい。
本発明の組成物には基板との接着性等を調整するために密着促進剤を添加しても良い。密着促進剤として、ベンズイミダゾール類やポリベンズイミダゾール類、低級ヒドロキシアルキル置換ピリジン誘導体、含窒素複素環化合物、ウレアまたはチオウレア、有機リン化合物、8−オキシキノリン、4−ヒドロキシプテリジン、1,10−フェナントロリン、2,2'−ビピリジン誘導体、ベンゾトリアゾール類、有機リン化合物とフェニレンジアミン化合物、2−アミノ−1−フェニルエタノール、N−フェニルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン,N−エチルジエタノールアミン、N−エチルエタノールアミンおよび誘導体、ベンゾチアゾール誘導体などを使用することができる。密着促進剤は、組成物中の好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。密着促進剤の添加は効果を得るためには、0.1質量%以上が好ましい。
本発明の組成物を硬化させる場合、必要に応じて熱重合開始剤も添加することができる。好ましい熱重合開始剤としては、例えば過酸化物、アゾ化合物を挙げることができる。具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチル−パーオキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル等を挙げることができる。
本発明の組成物は、パターン形状、感度等を調整する目的で、必要に応じて光塩基発生剤を添加してもよい。例えば、2−ニトロベンジルシクロヘキシルカルバメート、トリフェニルメタノール、O−カルバモイルヒドロキシルアミド、O−カルバモイルオキシム、[[(2,6−ジニトロベンジル)オキシ]カルボニル]シクロヘキシルアミン、ビス[[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]ヘキサン1,6−ジアミン、4−(メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン、(4−モルホリノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン、N−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン、ヘキサアンミンコバルト(III)トリス(トリフェニルメチルボレート)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2,6−ジメチル−3,5−ジアセチル−4−(2'−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン、2,6−ジメチル−3,5−ジアセチル−4−(2',4'−ジニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン等が好ましいものとして挙げられる。
本発明の組成物には、塗膜の視認性を向上するなどの目的で、着色剤を任意に添加してもよい。着色剤は、UVインクジェット組成物、カラーフィルタ用組成物およびCCDイメージセンサ用組成物等で用いられている顔料や染料を本発明の目的を損なわない範囲で用いることができる。本発明で用いることができる顔料としては、従来公知の種々の無機顔料または有機顔料を用いることができる。無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物であり、具体的には鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、金属複合酸化物を挙げることができる。有機顔料としては、C.I.Pigment Yellow 11, 24, 31, 53, 83, 99, 108, 109, 110, 138, 139,151, 154, 167、C.I.Pigment Orange 36, 38, 43、C.I.Pigment Red 105, 122, 149, 150, 155, 171, 175, 176, 177, 209、C.I.Pigment Violet 19, 23, 32, 39、C.I.Pigment Blue 1, 2, 15, 16, 22, 60, 66、C.I.Pigment Green 7, 36, 37、C.I.Pigment Brown 25, 28、C.I.Pigment Black 1, 7および、カーボンブラックを例示できる。
着色剤は組成物の全量に対し、0.001〜2質量%の割合で配合するのが好ましい。
着色剤は組成物の全量に対し、0.001〜2質量%の割合で配合するのが好ましい。
また、本発明の組成物では、機械的強度、柔軟性等を向上するなどの目的で、任意成分としてエラストマー粒子を添加してもよい。
本発明の組成物に任意成分として添加できるエラストマー粒子は、平均粒子サイズが好ましくは10nm〜700nm、より好ましくは30〜300nmである。例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/α−オレフィン系共重合体、エチレン/α−オレフィン/ポリエン共重合体、アクリルゴム、ブタジエン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン/ブタジエンブロック共重合体、スチレン/イソプレンブロック共重合体などのエラストマーの粒子である。またこれらエラストマー粒子を、メチルメタアクリレートポリマー、メチルメタアクリレート/グリシジルメタアクリレート共重合体などで被覆したコア/シェル型の粒子を用いることができる。エラストマー粒子は架橋構造をとっていてもよい。
本発明の組成物に任意成分として添加できるエラストマー粒子は、平均粒子サイズが好ましくは10nm〜700nm、より好ましくは30〜300nmである。例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/α−オレフィン系共重合体、エチレン/α−オレフィン/ポリエン共重合体、アクリルゴム、ブタジエン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン/ブタジエンブロック共重合体、スチレン/イソプレンブロック共重合体などのエラストマーの粒子である。またこれらエラストマー粒子を、メチルメタアクリレートポリマー、メチルメタアクリレート/グリシジルメタアクリレート共重合体などで被覆したコア/シェル型の粒子を用いることができる。エラストマー粒子は架橋構造をとっていてもよい。
エラストマー粒子の市販品としては、例えば、レジナスボンドRKB(レジナス化成(株)製)、テクノMBS−61、MBS−69(以上、テクノポリマー(株)製)等を挙げることができる。
これらエラストマー粒子は単独で、または2種以上組み合わせて使用することができる。本発明の組成物におけるエラストマー成分の含有割合は、好ましくは1〜35質量%であり、より好ましくは2〜30質量%、特に好ましくは3〜20質量%である。
本発明の組成物には、硬化収縮の抑制、熱安定性を向上するなどの目的で、塩基性化合物を任意に添加してもよい。塩基性化合物としては、アミンならびに、キノリンおよびキノリジンなど含窒素複素環化合物、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物などが挙げられる。これらの中でも、光重合成モノマーとの相溶性の面からアミンが好ましく、例えば、オクチルアミン、ナフチルアミン、キシレンジアミン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン、ジメチルアニリン、キヌクリジン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミンおよびトリエタノールアミンなどが挙げられる。
本発明の組成物には、光硬化性向上のために、連鎖移動剤を添加しても良い。具体的には、4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)をあげることができる。
本発明の組成物には、必要に応じて帯電防止剤を添加しても良い。
帯電防止剤としては、アニオン系、カチオン系、非イオン系、両性系のいずれでも良い。具体的には、エレクトロストリッパーA(花王(株)製)、エレノンNo.19(第一工業製薬(株)製)等のアルキルリン酸塩系アニオン界面活性剤、アモーゲンK(第一工業製薬(株)製)等のベタイン系両性界面活性剤、ニッサンノニオンL(日本油脂(株)製)等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル系非イオン界面活性剤、エマルゲン106、同120、同147、同420、同220、同905、同910(花王(株)製)やニッサンノニオンE(日本油脂(株)製)等のポリオキシエチレンアルキルエーテル系非イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル系、多価アルコール脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルアミン系等のその他の非イオン系界面活性剤が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
帯電防止剤としては、アニオン系、カチオン系、非イオン系、両性系のいずれでも良い。具体的には、エレクトロストリッパーA(花王(株)製)、エレノンNo.19(第一工業製薬(株)製)等のアルキルリン酸塩系アニオン界面活性剤、アモーゲンK(第一工業製薬(株)製)等のベタイン系両性界面活性剤、ニッサンノニオンL(日本油脂(株)製)等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル系非イオン界面活性剤、エマルゲン106、同120、同147、同420、同220、同905、同910(花王(株)製)やニッサンノニオンE(日本油脂(株)製)等のポリオキシエチレンアルキルエーテル系非イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル系、多価アルコール脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルアミン系等のその他の非イオン系界面活性剤が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
次に、本発明の組成物を用いたパターン(特に、微細凹凸パターン)の形成方法について説明する。本発明では、本発明の組成物を塗布して硬化してパターンを形成することができる。具体的には、基板または、支持体上に少なくとも本発明の組成物からなるパターン形成層を塗布し、必要に応じて乾燥させて本発明の組成物からなる層(パターン形成層)を形成してパターン受容体を作製し、当該パターン受容体のパターン形成層表面にモールドを圧接し、モールドパターンを転写する加工を行い、微細凹凸パターン形成層を露光して硬化させる。本発明のパターン形成方法による光インプリントリソグラフィは、積層化や多重パターニングもでき、通常の熱インプリントと組み合わせて用いることもできる。
なお、本発明の組成物の応用として、基板または、支持体上に本発明の組成物を塗布し、該組成物からなる層を露光、硬化、必要に応じて乾燥(ベーク)させることにより、オーバーコート層や絶縁膜などの永久膜を作製することもできる。
以下において、本発明の組成物を用いたパターン形成方法、パターン転写方法について述べる。
本発明の組成物は、一般によく知られた塗布方法、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法、スピンコート方法、スリットスキャン法などにより、塗布することにより形成することができる。本発明の組成物からなる層の膜厚は、使用する用途によって異なるが、0.05μm〜30μmである。また、本発明の組成物は、多重塗布してもよい。
本発明の組成物を塗布するための基板または支持体は、石英、ガラス、光学フィルム、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Ni、Cu、Cr、Feなどの金属基板、紙、SOG、ポリエステルフイルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム等のポリマー基板、TFTアレイ基板、PDPの電極板、ガラスや透明プラスチック基板、ITOや金属などの導電性基材、絶縁性基材、シリコーン、窒化シリコーン、ポリシリコーン、酸化シリコーン、アモルファスシリコーンなどの半導体作製基板など特に制約されない。基板の形状は、板状でも良いし、ロール状でもよい。
本発明の組成物を硬化させる光としては特に限定されないが、高エネルギー電離放射線、近紫外、遠紫外、可視、赤外等の領域の波長の光または放射線が挙げられる。高エネルギー電離放射線源としては、例えば、コッククロフト型加速器、ハンデグラーフ型加速器、リニヤーアクセレーター、ベータトロン、サイクロトロン等の加速器によって加速された電子線が工業的に最も便利且つ経済的に使用されるが、その他に放射性同位元素や原子炉等から放射されるγ線、X線、α線、中性子線、陽子線等の放射線も使用できる。紫外線源としては、例えば、紫外線螢光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯、太陽灯等が挙げられる。放射線には、例えばマイクロ波、EUVが含まれる。また、LED、半導体レーザー光、あるいは248nmのKrFエキシマレーザー光や193nmArFエキシマレーザーなどの半導体の微細加工で用いられているレーザー光も本発明に好適に用いることができる。これらの光は、モノクロ光を用いても良いし、複数の波長の異なる光(ミックス光)でも良い。
次に本発明で用いることのできるモールド材について説明する。本発明の組成物を用いた光ナノインプリントリソグラフィは、モールド材およびまたは基板の少なくとも一方は、光透過性の材料を選択する必要がある。本発明に適用される光インプリントリソグラフィでは、基板の上に光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物を塗布し、光透過性モールドを押し当て、モールドの裏面から光を照射し、光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物を硬化させる。また、光透過性基板上に光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物を塗布し、モールドを押し当て、モールドの裏面から光を照射し、光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物を硬化させることもできる。
光照射は、モールドを付着させた状態で行ってもよいし、モールド剥離後に行ってもよいが、本発明では、モールドを密着させた状態で行うのが好ましい。
光照射は、モールドを付着させた状態で行ってもよいし、モールド剥離後に行ってもよいが、本発明では、モールドを密着させた状態で行うのが好ましい。
本発明で用いることのできるモールドは、転写されるべきパターンを有するモールドが使われる。モールドは、例えば、フォトリソグラフィや電子線描画法等によって、所望する加工精度に応じてパターンが形成できるが、本発明では、モールドパターン形成方法は特に制限されない。
本発明において用いられる光透過性モールド材は、特に限定されないが、所定の強度、耐久性を有するものであれば良い。具体的には、ガラス、石英、PMMA、ポリカーボネート樹脂などの光透明性樹脂、透明金属蒸着膜、ポリジメチルシロキサンなどの柔軟膜、光硬化膜、金属膜等が例示される。
本発明において用いられる光透過性モールド材は、特に限定されないが、所定の強度、耐久性を有するものであれば良い。具体的には、ガラス、石英、PMMA、ポリカーボネート樹脂などの光透明性樹脂、透明金属蒸着膜、ポリジメチルシロキサンなどの柔軟膜、光硬化膜、金属膜等が例示される。
本発明の透明基板を用いた場合で使われる非光透過型モールド材としては、特に限定されないが、所定の強度を有するものであればよい。具体的には、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Ni、Cu、Cr、Feなどの金属基板、SiC、シリコーン、窒化シリコーン、ポリシリコーン、酸化シリコーン、アモルファスシリコーンなどの基板などが例示され、特に制約されない。形状は板状モールド、ロール状モールドのどちらでもよい。ロール状モールドは、特に転写の連続生産性が必要な場合に適用される。
上記本発明で用いられるモールドは、光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物とモールドとの剥離性を向上するために離型処理を行ったものを用いてもよい。シリコーン系やフッソ系などのシランカップリング剤による処理を行ったもの、例えば、ダイキン工業製、オプツールDSXや住友スリーエム製、Novec EGC−1720等の市販の離型剤も好適に用いることができる。
本発明を用いて光インプリントリソグラフィを行う場合、通常、モールドの圧力が10気圧以下で行うのが好ましい。モールド圧力を10気圧を以下とすることにより、モールドや基板が変形しにくくパターン精度が向上する傾向にあり、また、加圧が低いため装置を縮小できる傾向にあり好ましい。モールドの圧力は、モールド凸部の光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物の残膜が少なくなる範囲で、モールド転写の均一性が確保できる領域を選択することが好ましい。
本発明において、光インプリントリソグラフィにおける光照射は、硬化に必要な照射量よりも十分大きければよい。硬化に必要な照射量は、光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物の不飽和結合の消費量や硬化膜のタッキネスを調べて決定される。
また、本発明に適用される光インプリントリソグラフィにおいては、光照射の際の基板温度は、通常、室温で行われるが、反応性を高めるために加熱をしながら光照射してもよい。光照射の前段階として、真空状態にしておくと、気泡混入防止、酸素混入による反応性低下の抑制、モールドと光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物の密着性向上に効果があるため、真空状態で光照射しても良い。本発明において、好ましい真空度は、10-1Paから常圧の範囲で行われる。
また、本発明に適用される光インプリントリソグラフィにおいては、光照射の際の基板温度は、通常、室温で行われるが、反応性を高めるために加熱をしながら光照射してもよい。光照射の前段階として、真空状態にしておくと、気泡混入防止、酸素混入による反応性低下の抑制、モールドと光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物の密着性向上に効果があるため、真空状態で光照射しても良い。本発明において、好ましい真空度は、10-1Paから常圧の範囲で行われる。
本発明の組成物は、上記各成分を混合した後、例えば、孔径0.05μm〜5.0μmのフィルターで濾過することによって溶液として調製することができる。光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物の混合・溶解は、通常、0℃〜100℃の範囲で行われる。濾過は、多段階で行ってもよいし、多数回繰り返してもよい。また、濾過した液を再濾過することもできる。濾過に使用する材質は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッソ樹脂、ナイロン樹脂などのものが使用できるが特に限定されない。
本発明の組成物をエッチングレジストに適用する場合について説明する。エッチング工程としては、公知のエッチング処理方法の中から適宜選択した方法により行うことができ、レジストパターンで覆われていない下地部分を除去するために行い、薄膜のパターンを得る。エッチング液による処理(ウエットエッチング)、もしくは減圧下で反応性ガスをプラズマ放電で活性化させた処理(ドライエッチング)のいずれかを行う。
エッチング処理は、適当な枚数をまとめて処理するバッチ方式でも良いし、一枚毎に処理する枚葉処理でも良い。
エッチング処理は、適当な枚数をまとめて処理するバッチ方式でも良いし、一枚毎に処理する枚葉処理でも良い。
前記ウエットエッチングを行う場合のエッチング液には、塩化第二鉄/塩酸系、塩酸/硝酸系、臭化水素酸系などを代表例として、多くのエッチング液が開発され使用されている。Cr用には硝酸セリウムアンモニウム溶液や、硝酸セリウム・過酸化水素水の混合液、Ti用には希釈フッ酸、弗酸・硝酸混合液、Ta用にはアンモニウム溶液と過酸化水素水の混合液、Mo用には過酸化水素水、アンモニア水・過酸化水素水の混合物、リン酸・硝酸の混合液、MoW、Alにはリン酸・硝酸混合液、弗酸・硝酸の混合液、リン酸・硝酸・酢酸の混合液ITO用には希釈王水、塩化第二鉄溶液、ヨウ化水素水、SiNxやSiO2には緩衝フッ酸、フッ酸・フッ化アンモニウム混合液、Si、ポリSiには弗酸・硝酸・酢酸の混合液、Wにはアンモニア水・過酸化水素水の混合液、PSGには硝酸・フッ酸の混合液、BSGにはフッ酸・フッ化アンモニウム混合液などがそれぞれ使用される。
ウエットエッチングは、シャワー方式でも良いし、ディップ方式でもよいが、エッチングレート、面内均一性、配線幅の精度は処理温度に大きく依存するため、基板種、用途、線幅に応じて条件わ最適化する必要がある。また、前記ウエットエッチングを行う場合は、エッチング液の浸透によるアンダーカットを防止するためにポストベークを行うことが望ましい。通常これらのポストベークは90℃〜140℃程度で行われるが、必ずしもこれに限られてはいない。
ウエットエッチングは、シャワー方式でも良いし、ディップ方式でもよいが、エッチングレート、面内均一性、配線幅の精度は処理温度に大きく依存するため、基板種、用途、線幅に応じて条件わ最適化する必要がある。また、前記ウエットエッチングを行う場合は、エッチング液の浸透によるアンダーカットを防止するためにポストベークを行うことが望ましい。通常これらのポストベークは90℃〜140℃程度で行われるが、必ずしもこれに限られてはいない。
ドライエッチングは、基本的に真空装置内に1対の平行に配置された電極を有し、一方の電極上に基板を設置する平行平板型のドライエッチング装置が用いられる。プラズマを発生させるための高周波電源が基板を設置する側の電極に接続されるか、反対の電極に接続されるかにより、イオンが主として関与する反応性イオンエッチング(RIE)モードとラジカルが主として関与するプラズマエッチング(PE)モードに分類される。
前記ドライエッチングにおいて用いられるエッチャントガスとしては、それぞれの膜種に適合するエッチャントガスが使用される。a−Si/n+やs−Si用には四フッ化炭素(塩素)+酸素、四フッ化炭素(六フッ化硫黄)+塩化水素(塩素)、a−SiNx用には四フッ化炭素+酸素、a−SiOx用には四フッ化炭素+酸素、三フッ化炭素+酸素、Ta用には四フッ化炭素(六フッ化硫黄)+酸素、MoTa/MoW用には四フッ化炭素+酸素、Cr用には塩素+酸素、Al用には三塩化硼素+塩素、臭化水素、臭化水素+塩素、ヨウ化水素等が挙げられる。ドライエッチングの工程では、イオン衝撃や熱によりレジストの構造が大きく変質することがあり、剥離性にも影響する。
前記ドライエッチングにおいて用いられるエッチャントガスとしては、それぞれの膜種に適合するエッチャントガスが使用される。a−Si/n+やs−Si用には四フッ化炭素(塩素)+酸素、四フッ化炭素(六フッ化硫黄)+塩化水素(塩素)、a−SiNx用には四フッ化炭素+酸素、a−SiOx用には四フッ化炭素+酸素、三フッ化炭素+酸素、Ta用には四フッ化炭素(六フッ化硫黄)+酸素、MoTa/MoW用には四フッ化炭素+酸素、Cr用には塩素+酸素、Al用には三塩化硼素+塩素、臭化水素、臭化水素+塩素、ヨウ化水素等が挙げられる。ドライエッチングの工程では、イオン衝撃や熱によりレジストの構造が大きく変質することがあり、剥離性にも影響する。
エッチング後、下層基板へのパターン転写に用いたレジストを剥離する方について述べる。剥離は、液にて取り除く(ウエット剥離)か、あるいは、減圧下での酸素ガスのプラズマ放電により酸化させてガス状にして取り除く(ドライ剥離/アッシング)か、あるいはオゾンとUV光によって酸化させてガス状にして取り除く(ドライ剥離/UVアッシング)など、いくつかの剥離方法によってレジスト除去を行うことができる。剥離液には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、オゾン溶解水のような水溶液系とアミンとジメチルスルホキシドやN−メチルピロリドンの混合物のような有機溶剤系が一般的に知られている。後者の例としてはモノエタノールアミン/ジメチルスルホキシド混合物(質量混合比=7/3)がよく知られている。
レジスト剥離速度は、温度・液量・時間・圧力などが大きく関与し、基板種、用途によって最適化できる。本発明では、室温〜100℃程度の温度範囲で、基板を浸し(数分〜数十分)、酢酸ブチルなどの溶剤リンス、水洗を行うことが好ましい。剥離液自体のリンス性、パーティクル除去性、耐腐食性を向上させる観点から、水リンスのみでもよい。水洗は、純水シャワー、乾燥はエアナイフ乾燥が好ましい例として挙げられる。基板上に非結晶質シリコーンが露出している場合には、水と空気の存在で酸化膜が形成されるので、空気を遮断することが好ましい。また、アッシング(灰化)と薬液による剥離を併用する方法も適用してもよい。アッシングは、プラズマアッシング、ダウンフローアッシング、オゾンを用いたアッシング、UV/オゾンアッシングが挙げられる。例えば、ドライエッチングでAl基板を加工する場合には、一般的に塩素系のガスを使うが、塩素とAlの生成物である塩化アルミニウムなどがAlを腐食する場合がある。これらを防止するために、防腐剤入りの剥離液を使用してもよい。
前記のエッチング工程、剥離工程、リンス工程、水洗以外のその他の工程としては、特に制限はなく、公知のパターン形成における工程の中から適宜選択することが挙げられる。例えば、硬化処理工程などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。硬化処理工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、全面加熱処理や全面露光処理などが好適に挙げられる。
前記全面加熱処理の方法としては、例えば、形成されたパターンを加熱する方法が挙げられる。全面加熱により、前記パターンの表面の膜強度が高められる。全面加熱における加熱温度としては、80〜200℃が好ましく、90〜180℃がより好ましい。該加熱温度が80℃以上とすることにより、加熱処理による膜強度がより向上する傾向にあり、200℃以下とすることにより、光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物中の成分の分解が生じ、膜質が弱く脆くなる傾向をより効果的に抑止できる。前記全面加熱を行う装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーターなどが挙げられる。また、ホットプレートを使用する場合には、加熱を均一に行う為に、パターンを形成した基材をプレートから浮かせて行うことが望ましい。
前記全面露光処理の方法としては、例えば、形成されたパターンの全面を露光する方法が挙げられる。全面露光により、前記感光層を形成する組成物中の硬化が促進され、前記パターンの表面が硬化されるため、エッチング耐性を高めることができる。前記全面露光を行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、超高圧水銀灯などのUV露光機が好適に挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
重合性不飽和単量体
<1官能単量体>
R−1:化合物(I−2)ガンマーブチロラクトンアクリレート(GBLA:ENF社製)
R−2:化合物(I−3)α−アクリロイキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン(Aldrich 社製試薬)
R−3:化合物(I−4)メバロニックラクトン(メタ)アクリレート(合成品:特開2004−2 243号公報に従って合成)
R−4:化合物(II−3)4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジ オキソラン(ビスコートMEDOL10:大阪有機工業社製)
R−5:化合物(II−5)4−アクリロイルオキシメチル−2シクロヘキシル−1,3−ジオキソ ラン(ビスコートHDOL10 大阪有機化学工業製)
R−6:化合物(II−7) (3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート(ビスコートOXE10 大阪有機化学工業製)
R−7:化合物(III−2)N−ビニルスクシンイミド(合成品)DokladyAkademiiNaukRespublikiUzbekistan (1),39物−49(1993)に従って合成
R−8:化合物(III−6)N−ピペリジノエチルアクリレート(合成品) Journal fuer Praktische Chemie (Leipzig), 7 , 308−10. (1959) に従って合成
R−9:化合物(III−7) 2−プロペン酸2−メチル−オキシラニルメチルエステル(合成品)Gaofenzi Xuebao(1), 109−14,(1993)に従って合成
R−10:化合物(III−8) N−モルフォリノエチルアクリレート(合成品) American Chemical Society , 71 ,3164−5, (1949)に従って合成
R−11:化合物(IV−1)N−ビニル−2−ピロリドン(アロニックスM−150:東亜合成社製)
R−12:化合物(IV−2)N−ビニルカプロラクトン(Aldrich社製試薬)
R−13:化合物(IV−3)N−ビニルスクシンイミド(合成品) Kunststoffe Plastics , 4 , 257−64, (1957)に従って合成
R−14:化合物(IV−5)1−ビニルイミダゾール(Aldrich社製試薬)
R−15:化合物(IV−8)N−アクリロイルモルフォリン(ACMO:興人社製)
R−16:化合物(V−1)4−ビニル−1−シクロヘキセン1,2−エポキシド(セロキサイド 2000ダイセル化学工業社製)
R−17:化合物(V−2)2−ビニル−2−オキサゾリン(VOZO:興人社製)
R−18:化合物(V−6)4−ビニル1,3−ジオキソラン−2−オン(Aldrich社製試薬)
R−19:化合物(VI−1) イソボルニルアクリレート(アロニックスM−156:東亜合成社製)
R−20:化合物(VI−10)2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(カインズMOI:昭和電工社製)
R−21:化合物(VII−2)N−ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA:興人社製)
R−22:化合物(VII−1)N−ビニルホルムアミド(ビームセット770:荒川化学工業製)
R−23:化合物(IX−2)アクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピルエステル(東京化成製 試薬)
R−24:化合物(IX−20)2−メタクリロキシエチルアシッドホスフェート(ライトエステルP−1M:共栄社化学製)
R−25:エトキシジエチレングリコールアクリレート(ライトアクリレートEC−A:共栄社化学社製)
R−26:ベンジルアクリレート(ビスコート#160:大阪有機化学社製)
R−27:フェノキシエチルアクリレート(ライトアクリレートPO−A:共栄社油脂社製)
R−28:エポキシアクリレート(エベクリル3701:ダイセルUCB社製)
R−29:α−メチルスチレン(東京化成社より入手した試薬)
R−30:化合物(IX−20) 2−メタクリロキシエチルアシッドホスフェート(ライトエステルP−1M:共栄社化学製)
<1官能単量体>
R−1:化合物(I−2)ガンマーブチロラクトンアクリレート(GBLA:ENF社製)
R−2:化合物(I−3)α−アクリロイキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン(Aldrich 社製試薬)
R−3:化合物(I−4)メバロニックラクトン(メタ)アクリレート(合成品:特開2004−2 243号公報に従って合成)
R−4:化合物(II−3)4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジ オキソラン(ビスコートMEDOL10:大阪有機工業社製)
R−5:化合物(II−5)4−アクリロイルオキシメチル−2シクロヘキシル−1,3−ジオキソ ラン(ビスコートHDOL10 大阪有機化学工業製)
R−6:化合物(II−7) (3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート(ビスコートOXE10 大阪有機化学工業製)
R−7:化合物(III−2)N−ビニルスクシンイミド(合成品)DokladyAkademiiNaukRespublikiUzbekistan (1),39物−49(1993)に従って合成
R−8:化合物(III−6)N−ピペリジノエチルアクリレート(合成品) Journal fuer Praktische Chemie (Leipzig), 7 , 308−10. (1959) に従って合成
R−9:化合物(III−7) 2−プロペン酸2−メチル−オキシラニルメチルエステル(合成品)Gaofenzi Xuebao(1), 109−14,(1993)に従って合成
R−10:化合物(III−8) N−モルフォリノエチルアクリレート(合成品) American Chemical Society , 71 ,3164−5, (1949)に従って合成
R−11:化合物(IV−1)N−ビニル−2−ピロリドン(アロニックスM−150:東亜合成社製)
R−12:化合物(IV−2)N−ビニルカプロラクトン(Aldrich社製試薬)
R−13:化合物(IV−3)N−ビニルスクシンイミド(合成品) Kunststoffe Plastics , 4 , 257−64, (1957)に従って合成
R−14:化合物(IV−5)1−ビニルイミダゾール(Aldrich社製試薬)
R−15:化合物(IV−8)N−アクリロイルモルフォリン(ACMO:興人社製)
R−16:化合物(V−1)4−ビニル−1−シクロヘキセン1,2−エポキシド(セロキサイド 2000ダイセル化学工業社製)
R−17:化合物(V−2)2−ビニル−2−オキサゾリン(VOZO:興人社製)
R−18:化合物(V−6)4−ビニル1,3−ジオキソラン−2−オン(Aldrich社製試薬)
R−19:化合物(VI−1) イソボルニルアクリレート(アロニックスM−156:東亜合成社製)
R−20:化合物(VI−10)2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(カインズMOI:昭和電工社製)
R−21:化合物(VII−2)N−ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA:興人社製)
R−22:化合物(VII−1)N−ビニルホルムアミド(ビームセット770:荒川化学工業製)
R−23:化合物(IX−2)アクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピルエステル(東京化成製 試薬)
R−24:化合物(IX−20)2−メタクリロキシエチルアシッドホスフェート(ライトエステルP−1M:共栄社化学製)
R−25:エトキシジエチレングリコールアクリレート(ライトアクリレートEC−A:共栄社化学社製)
R−26:ベンジルアクリレート(ビスコート#160:大阪有機化学社製)
R−27:フェノキシエチルアクリレート(ライトアクリレートPO−A:共栄社油脂社製)
R−28:エポキシアクリレート(エベクリル3701:ダイセルUCB社製)
R−29:α−メチルスチレン(東京化成社より入手した試薬)
R−30:化合物(IX−20) 2−メタクリロキシエチルアシッドホスフェート(ライトエステルP−1M:共栄社化学製)
<2官能単量体>
S−01:化合物(IX−23)エチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレート(カヤマーPM−21:日本化薬社製)
S−02:ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート(カラヤッドMANDA:日本化薬社製)
S−03:ポリエチレングリコールジアクリレート(ニューフロンティアPE−300:第一工業製薬社製)
S−04:トリプロピレングリコールジアクリレート(カラヤッドTPGDA:日本化薬社製)
S−05:エチレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジアクリレート(フォトマー4160:サンノプコ社製)
S−06:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(フロンティアHDDA:第一工業製薬製)
S−07:エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(SR−602:化薬サートマー社製)
S−08:エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(アロニックスM−211B:東亜合成社製)
S−09:トリシクロデカンジメタノールアクリレート(カラヤッドR684:日本化薬社製)
S−10:エチレングリコールジメタクリレート(ライトエステルEG:共栄社化学社製)
S−01:化合物(IX−23)エチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレート(カヤマーPM−21:日本化薬社製)
S−02:ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート(カラヤッドMANDA:日本化薬社製)
S−03:ポリエチレングリコールジアクリレート(ニューフロンティアPE−300:第一工業製薬社製)
S−04:トリプロピレングリコールジアクリレート(カラヤッドTPGDA:日本化薬社製)
S−05:エチレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジアクリレート(フォトマー4160:サンノプコ社製)
S−06:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(フロンティアHDDA:第一工業製薬製)
S−07:エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(SR−602:化薬サートマー社製)
S−08:エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(アロニックスM−211B:東亜合成社製)
S−09:トリシクロデカンジメタノールアクリレート(カラヤッドR684:日本化薬社製)
S−10:エチレングリコールジメタクリレート(ライトエステルEG:共栄社化学社製)
<3官能以上の単量体、オリゴマー>
S−11:エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(SR−454: 化薬サートマー社製)
S−12:プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(ニューフロンティアTMP−3P:第一工業製薬社製)
S−13:ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート(Ebercryl 40:ダイセルUCB社製)
S−14:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(カラヤッドDPHA:日本化薬社製)
S−15:トリメチロールプロパントリアクリレート(アロニックスM−309:東亜合成社製)
S−16:アクアロンRN−20:第一工業製薬社製
S−11:エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(SR−454: 化薬サートマー社製)
S−12:プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(ニューフロンティアTMP−3P:第一工業製薬社製)
S−13:ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート(Ebercryl 40:ダイセルUCB社製)
S−14:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(カラヤッドDPHA:日本化薬社製)
S−15:トリメチロールプロパントリアクリレート(アロニックスM−309:東亜合成社製)
S−16:アクアロンRN−20:第一工業製薬社製
本発明の実施例および比較例で用いた光重合開始剤、光酸発生剤の略号は、以下の通りである。
<光重合開始剤>
P−1:2,4,6−トリメチルベンゾイル−エトキシフェニル−ホスフィンオキシド(Lucirin TPO−L:BASF社製)
P−2:2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(Irgacure651:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
P−3:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(Darocure1173:チバスペシャリティ・ケミカルズ社製)
P−4:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンの混合物(Darocure4265:チバスペシャリティ・ケミカルズ社製)
P−5:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1と2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンの混合物(Irgacure1300:チバスペシャリティ・ケミカルズ社製)
P−6:1−[4−ベンゾイルフェニルスルファニル]フェニル]−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン−1−オン(ESACUR1001M:日本シイベルヘグナー社製)
P−7:2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−」 (Irgacure−907:チバ・スペシャリティケミカルズ社製)
P−8:ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティケミカルズ社製:Irgacure−184)
<光重合開始剤>
P−1:2,4,6−トリメチルベンゾイル−エトキシフェニル−ホスフィンオキシド(Lucirin TPO−L:BASF社製)
P−2:2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(Irgacure651:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
P−3:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(Darocure1173:チバスペシャリティ・ケミカルズ社製)
P−4:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンの混合物(Darocure4265:チバスペシャリティ・ケミカルズ社製)
P−5:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1と2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンの混合物(Irgacure1300:チバスペシャリティ・ケミカルズ社製)
P−6:1−[4−ベンゾイルフェニルスルファニル]フェニル]−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン−1−オン(ESACUR1001M:日本シイベルヘグナー社製)
P−7:2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−」 (Irgacure−907:チバ・スペシャリティケミカルズ社製)
P−8:ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティケミカルズ社製:Irgacure−184)
本発明の実施例および比較例で用いた界面活性剤、添加剤の略号は、以下の通りである。
<界面活性剤>
W−1:フッ素系界面活性剤(トーケムプロダクツ社製:フッ素系界面活性剤)
W−2:シリコーン系界面活性剤(大日本インキ化学工業社製:メガファックペインタッド31)
W−3:フッ素・シリコーン系界面活性剤(大日本インキ化学工業社製:メガフアックR−08)
W−4:フッ素・シリコーン系界面活性剤(大日本インキ化学工業社製:メガフアックXRB−4)
W−5:フッ素系界面活性剤(大日本インキ化学工業社製:F−173)
W−6:フッ素系界面活性剤(住友スリーエム社製:FC−430)
<界面活性剤>
W−1:フッ素系界面活性剤(トーケムプロダクツ社製:フッ素系界面活性剤)
W−2:シリコーン系界面活性剤(大日本インキ化学工業社製:メガファックペインタッド31)
W−3:フッ素・シリコーン系界面活性剤(大日本インキ化学工業社製:メガフアックR−08)
W−4:フッ素・シリコーン系界面活性剤(大日本インキ化学工業社製:メガフアックXRB−4)
W−5:フッ素系界面活性剤(大日本インキ化学工業社製:F−173)
W−6:フッ素系界面活性剤(住友スリーエム社製:FC−430)
CS−1:コロイダルシリカ(日産化学工業社製:MIBK−ST、30%メチルイソブチルケトン溶液)
CS−2:酸化スズの水分散品(石原産業社製:SN−38F)をプロピレンカーボネート溶剤置換した溶液、30%溶液)
CS−3:合成例1にて合成した表面処理シリカ
CS−4:合成例2にて合成した表面処理シリカ
CS−5:合成例3にて合成した表面処理シリカ
CS−6:合成例4にて合成した表面処理シリカ
CS−7:合成例5にて合成した表面処理シリカ
CS−8:合成例6にて合成した表面処理シリカ
CS−9:合成例7にて合成した表面処理シリカ
CS−10:合成例8にて合成した表面処理シリカ
CS−2:酸化スズの水分散品(石原産業社製:SN−38F)をプロピレンカーボネート溶剤置換した溶液、30%溶液)
CS−3:合成例1にて合成した表面処理シリカ
CS−4:合成例2にて合成した表面処理シリカ
CS−5:合成例3にて合成した表面処理シリカ
CS−6:合成例4にて合成した表面処理シリカ
CS−7:合成例5にて合成した表面処理シリカ
CS−8:合成例6にて合成した表面処理シリカ
CS−9:合成例7にて合成した表面処理シリカ
CS−10:合成例8にて合成した表面処理シリカ
<添加剤>
A−1:2−クロロチオキサントン
A−2:9,10−ジブトキシアントラセン(川崎化成工業社製)
A−3:シランカップリング剤(ビニルトリエトキシシラン)(信越シリコーン社製)
A−4:シリコーンオイル(日本ユニカー社製:L−7001)
A−5:2−ジメチルアミノエチルベンゾエート
A−6:ベンゾフェノン
A−7:4−ジメチルアミノ安息香酸エチル
A−8:変性ジメチルポリシロキサン(ビッグケミージャパン社製:BYK−307)
A−9:赤色225号(スダンIII)
A−10:ポリエーテル変性ジメチルシリコーンオイル(ビッグケミー・ジャパン社製:BYK302)
A−1:2−クロロチオキサントン
A−2:9,10−ジブトキシアントラセン(川崎化成工業社製)
A−3:シランカップリング剤(ビニルトリエトキシシラン)(信越シリコーン社製)
A−4:シリコーンオイル(日本ユニカー社製:L−7001)
A−5:2−ジメチルアミノエチルベンゾエート
A−6:ベンゾフェノン
A−7:4−ジメチルアミノ安息香酸エチル
A−8:変性ジメチルポリシロキサン(ビッグケミージャパン社製:BYK−307)
A−9:赤色225号(スダンIII)
A−10:ポリエーテル変性ジメチルシリコーンオイル(ビッグケミー・ジャパン社製:BYK302)
<光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物の評価>
実施例1〜27および比較例1〜13により得られた組成物の各々について、下記の評価方法に従って測定、評価した。
表1、表4は組成物に用いた重合性不飽和単量体の配合比(実施例、比較例)をそれぞれ示す。
表2、表5は組成物の各種成分の配合比(実施例、比較例)をそれぞれ示す。
表3、表6は組成物の評価結果(実施例、比較例)をそれぞれ示す。
実施例1〜27および比較例1〜13により得られた組成物の各々について、下記の評価方法に従って測定、評価した。
表1、表4は組成物に用いた重合性不飽和単量体の配合比(実施例、比較例)をそれぞれ示す。
表2、表5は組成物の各種成分の配合比(実施例、比較例)をそれぞれ示す。
表3、表6は組成物の評価結果(実施例、比較例)をそれぞれ示す。
<粘度測定>
粘度の測定は、東機産業(株)社製のRE−80L型回転粘度計を用い、25±0.2℃で測定した。
測定時の回転速度は、0.5mPa・s以上5mPa・s未満は100rpm、5mPa・s以上10mPa・s未満は50rpm、10mPa・s以上は30mPa・s未満は20rpm、30mPa・s以上60mPa・s未満は10rpm、60mPa・s以上120mPa・s未満は5rpm、120mPa・s以上は1rpmもしくは0.5rpmで、それぞれ、行った。
粘度の測定は、東機産業(株)社製のRE−80L型回転粘度計を用い、25±0.2℃で測定した。
測定時の回転速度は、0.5mPa・s以上5mPa・s未満は100rpm、5mPa・s以上10mPa・s未満は50rpm、10mPa・s以上は30mPa・s未満は20rpm、30mPa・s以上60mPa・s未満は10rpm、60mPa・s以上120mPa・s未満は5rpm、120mPa・s以上は1rpmもしくは0.5rpmで、それぞれ、行った。
<光硬化速度(光硬化性)の測定>
光硬化性の測定は、高圧水銀灯を光源に用い、モノマーの810cm-1の吸収の変化を、フーリエ変換型赤外分光装置(FT−IR)を用いて、硬化反応速度(モノマー消費率)をリアルタイムで行った。Aは、硬化反応速度が0.2/秒以上の場合を表し、Bは、硬化反応速度が0.2/秒未満の場合を表す。
光硬化性の測定は、高圧水銀灯を光源に用い、モノマーの810cm-1の吸収の変化を、フーリエ変換型赤外分光装置(FT−IR)を用いて、硬化反応速度(モノマー消費率)をリアルタイムで行った。Aは、硬化反応速度が0.2/秒以上の場合を表し、Bは、硬化反応速度が0.2/秒未満の場合を表す。
<密着性>
密着性は、光硬化した光硬化性レジストパターン表面に、粘着テープを貼り付け、引き剥がした時に、テープ側に光硬化した光硬化性レジストパターンが付着あるか否か目視観察で判断し、以下のように評価した。
A:テープ側にパターンの付着が無い
B:テープ側に極く薄くではあるがパターンの付着が認められる
C:テープ側にはっきりとパターンの付着が認められる
密着性は、光硬化した光硬化性レジストパターン表面に、粘着テープを貼り付け、引き剥がした時に、テープ側に光硬化した光硬化性レジストパターンが付着あるか否か目視観察で判断し、以下のように評価した。
A:テープ側にパターンの付着が無い
B:テープ側に極く薄くではあるがパターンの付着が認められる
C:テープ側にはっきりとパターンの付着が認められる
<剥離性>
剥離性は、光硬化後にモールドを引き剥がしたとき、未硬化物がモールドに残留するか否かを光学顕微鏡で観察し、以下のように評価した。
A:残留物無し
B:部分的に残留物が有り
C:全面に残留物が有り
剥離性は、光硬化後にモールドを引き剥がしたとき、未硬化物がモールドに残留するか否かを光学顕微鏡で観察し、以下のように評価した。
A:残留物無し
B:部分的に残留物が有り
C:全面に残留物が有り
<残膜性とパターン形状の観察>
転写後のパターンの形状、転写パターンの残渣を走査型電子顕微鏡により観察し、残膜性およびパターン形状を以下のように評価した。
(残膜性)
A:残渣が観察されない
B:残渣が少し観察される
C:残渣が多く観察される
(パターン形状)
A:モールドのパターン形状の元となる原版のパターンとほぼ同一である
B:モールドのパターン形状の元となる原版のパターン形状と一部異なる部分(原版のパターンと20%未満の範囲)がある
C:モールドのパターン形状の元となる原版のパターンとはっきりと異なる、あるいはパターンの膜厚が原版のパターンと20%以上異なる
転写後のパターンの形状、転写パターンの残渣を走査型電子顕微鏡により観察し、残膜性およびパターン形状を以下のように評価した。
(残膜性)
A:残渣が観察されない
B:残渣が少し観察される
C:残渣が多く観察される
(パターン形状)
A:モールドのパターン形状の元となる原版のパターンとほぼ同一である
B:モールドのパターン形状の元となる原版のパターン形状と一部異なる部分(原版のパターンと20%未満の範囲)がある
C:モールドのパターン形状の元となる原版のパターンとはっきりと異なる、あるいはパターンの膜厚が原版のパターンと20%以上異なる
<スピン塗布適性>
塗布性(I)
本発明の組成物を膜厚4000オングストロームのアルミニウム(Al)被膜を形成した4インチの0.7mm厚さのガラス基板上に厚さが5.0μmになるようにスピンコートした後、該ガラス基板を1分間静置して、面状観察を行い、以下のように評価した。
A:ハジキと塗布スジ(ストリエーション)が観察されない
B:塗布スジが少し観察された
C:ハジキまたは塗布スジが強く観察された
塗布性(I)
本発明の組成物を膜厚4000オングストロームのアルミニウム(Al)被膜を形成した4インチの0.7mm厚さのガラス基板上に厚さが5.0μmになるようにスピンコートした後、該ガラス基板を1分間静置して、面状観察を行い、以下のように評価した。
A:ハジキと塗布スジ(ストリエーション)が観察されない
B:塗布スジが少し観察された
C:ハジキまたは塗布スジが強く観察された
<スリット塗布適性>
塗布性(II)
本発明の組成物を大型基板塗布用のスリットコーターレジスト塗布装置(平田機工(株)社製ヘッドコーターシステム)を用いて、膜厚4000オングストロームのアルミニウム(Al)被膜を形成した4インチの0.7mm厚さのガラス基板(550mm×650mm)上に塗布し、膜厚3.0μmのレジスト被膜を形成し、縦横に出る筋状のムラの有無を観察し、以下のように評価した。
A:筋状のムラが観察されなかった
B:筋状のムラが弱く観察された
C:筋状のムラが強く観察された、またはレジスト被膜にハジキが観察された
塗布性(II)
本発明の組成物を大型基板塗布用のスリットコーターレジスト塗布装置(平田機工(株)社製ヘッドコーターシステム)を用いて、膜厚4000オングストロームのアルミニウム(Al)被膜を形成した4インチの0.7mm厚さのガラス基板(550mm×650mm)上に塗布し、膜厚3.0μmのレジスト被膜を形成し、縦横に出る筋状のムラの有無を観察し、以下のように評価した。
A:筋状のムラが観察されなかった
B:筋状のムラが弱く観察された
C:筋状のムラが強く観察された、またはレジスト被膜にハジキが観察された
<エッチング性>
ガラス基板に形成した前記アルミニウム(Al)上に本発明の組成物をパターン状に形成、硬化後にアルミニウム薄膜をリン硝酸エッチャントによりエッチングを行い、10μmのライン/スペースを目視、および顕微鏡観察し、以下のように評価した。
A:線幅10±2.0μmのアルミニウムのラインが得られた
B:ラインの線幅のばらつき±2.0μmを超えるラインになった
C:ラインの欠損部分が部分的に存在した、または、部分的にライン間が繋がっていた
D:全面に欠損部分が存在した、または、ライン間が繋がっていた
ガラス基板に形成した前記アルミニウム(Al)上に本発明の組成物をパターン状に形成、硬化後にアルミニウム薄膜をリン硝酸エッチャントによりエッチングを行い、10μmのライン/スペースを目視、および顕微鏡観察し、以下のように評価した。
A:線幅10±2.0μmのアルミニウムのラインが得られた
B:ラインの線幅のばらつき±2.0μmを超えるラインになった
C:ラインの欠損部分が部分的に存在した、または、部分的にライン間が繋がっていた
D:全面に欠損部分が存在した、または、ライン間が繋がっていた
<総合評価>
総合評価は、以下の基準で行った。実質Bランク以上で実用に耐える。
A:Bランクが1項目以内。
B:Bランクが2項目。
C:Bランクが3項目以上、もしくはCランクが1項目でもある場合。
D:Dランクが1項目でもある場合。
総合評価は、以下の基準で行った。実質Bランク以上で実用に耐える。
A:Bランクが1項目以内。
B:Bランクが2項目。
C:Bランクが3項目以上、もしくはCランクが1項目でもある場合。
D:Dランクが1項目でもある場合。
合成例1:コロイダルシリカの表面処理;CS−3の合成
イソプロパノール120g、Nalcoag 1034A(Nalco Chemical Co.製、35%コロイドシリカ水分散液) 60.6g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.8gの混合物を80℃に加熱して3時間還流させた後、減圧下で溶剤を半分程度留去させ、更にこの溶液に140gのブトキシエタノールを添加、溶剤を留去させ、表面がシラン化合物で処理されたシリカのエトキシブタノール30質量%溶液(CS−3)を得た。
イソプロパノール120g、Nalcoag 1034A(Nalco Chemical Co.製、35%コロイドシリカ水分散液) 60.6g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.8gの混合物を80℃に加熱して3時間還流させた後、減圧下で溶剤を半分程度留去させ、更にこの溶液に140gのブトキシエタノールを添加、溶剤を留去させ、表面がシラン化合物で処理されたシリカのエトキシブタノール30質量%溶液(CS−3)を得た。
合成例2:コロイダルシリカの表面処理;CS−4の合成
tert−ブタノール50部、Nalcoag 1034A 16.6g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.4 gの混合物を加熱して5分間還流させた後、減圧下で溶剤を半分程度留去させ、更にこの溶液に140gのブトキシエタノールを添加、減圧下で溶剤を留去させ、表面がシラン化合物で処理されたシリカのエトキシブタノール30質量%溶液(CS−4)を得た。
tert−ブタノール50部、Nalcoag 1034A 16.6g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.4 gの混合物を加熱して5分間還流させた後、減圧下で溶剤を半分程度留去させ、更にこの溶液に140gのブトキシエタノールを添加、減圧下で溶剤を留去させ、表面がシラン化合物で処理されたシリカのエトキシブタノール30質量%溶液(CS−4)を得た。
合成例3:コロイダルシリカの表面処理;CS−5の合成
攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、IPA−ST(イソプロパノール分散コロイダルシリカゾル、日産化学工業(株)製、シリカ粒子サイズ15nm、シリカ固形分30質量%)63.0gと重合禁止剤としてMEHQを0.0012部、加水分解触媒として希塩酸水溶液50gを加え、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に昇温した。還流が始まると同時に、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名KBM503、分子量290)11.7g、トリメチルメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名LS−510、分子量104)1.6gの混合溶液を約30分かけて滴下し、滴下が終了した後、約2時間加熱攪拌することにより、イソプロパノール中に分散され、表面がシラン化合物で処理されたシリカの30質量%溶液(CS−5)を得た。
攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、IPA−ST(イソプロパノール分散コロイダルシリカゾル、日産化学工業(株)製、シリカ粒子サイズ15nm、シリカ固形分30質量%)63.0gと重合禁止剤としてMEHQを0.0012部、加水分解触媒として希塩酸水溶液50gを加え、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に昇温した。還流が始まると同時に、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名KBM503、分子量290)11.7g、トリメチルメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名LS−510、分子量104)1.6gの混合溶液を約30分かけて滴下し、滴下が終了した後、約2時間加熱攪拌することにより、イソプロパノール中に分散され、表面がシラン化合物で処理されたシリカの30質量%溶液(CS−5)を得た。
合成例4:コロイダルシリカの表面処理;CS−6の合成
固形分が20.0質量%のメタノール分散コロイダルシリカ20.0gに、トリメチルメトキシシラン(東レダウコーニング(株)製)0.6gを加え、60℃で3時間加熱攪拌した。その後、メトキシプロパノール14.0gを加え、温度80℃で濃縮を行い、固形分30.0質量%の分散コロイダルシリカ(CS−6)を得た。
固形分が20.0質量%のメタノール分散コロイダルシリカ20.0gに、トリメチルメトキシシラン(東レダウコーニング(株)製)0.6gを加え、60℃で3時間加熱攪拌した。その後、メトキシプロパノール14.0gを加え、温度80℃で濃縮を行い、固形分30.0質量%の分散コロイダルシリカ(CS−6)を得た。
合成例5:コロイダルシリカの表面処理;CS−7の合成
PL−1−IPA(イソプロパノール分散コロイダルシリカ、扶桑化学工業(株)製、シリカ固形分12.5重量%)300gにイソプロパノール1200gと酢酸15g、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン9.20gとn−ヘキシルトリメトキシシラン8.20gを加え、加熱還流した。その後イソプロパノールを留去して固形分12質量%で分散された表面処理シリカ(CS−7)を得た。
PL−1−IPA(イソプロパノール分散コロイダルシリカ、扶桑化学工業(株)製、シリカ固形分12.5重量%)300gにイソプロパノール1200gと酢酸15g、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン9.20gとn−ヘキシルトリメトキシシラン8.20gを加え、加熱還流した。その後イソプロパノールを留去して固形分12質量%で分散された表面処理シリカ(CS−7)を得た。
合成例6:コロイダルシリカの表面処理;CS−8の合成
MEK−ST(メチルエチルケトン分散コロイダルシリカ、日産化学工業(株)製、シリカ固形分30重量%)30gにメチルエチルケトン200gと希塩酸水溶液2.0g、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン2.5gを加え、加熱還流して表面処理シリカ(CS−8)を得た。
MEK−ST(メチルエチルケトン分散コロイダルシリカ、日産化学工業(株)製、シリカ固形分30重量%)30gにメチルエチルケトン200gと希塩酸水溶液2.0g、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン2.5gを加え、加熱還流して表面処理シリカ(CS−8)を得た。
合成例7:コロイダルシリカの表面処理;CS−9の合成
300gのメタノール中に、シリカ固形分20重量%のメタノール分散コロイダルシリカ100g、ギ酸5.0g、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン1.00gとn−デシルトリメトキシシラン2.60gを加え、室温で24時間攪拌した。その後に、80度に過熱してメタノールを留去しながら80gのメチルイソブチルケトンを加え、メチルイソブチルケトン分散表面処理シリカ(CS−9)を得た。
300gのメタノール中に、シリカ固形分20重量%のメタノール分散コロイダルシリカ100g、ギ酸5.0g、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン1.00gとn−デシルトリメトキシシラン2.60gを加え、室温で24時間攪拌した。その後に、80度に過熱してメタノールを留去しながら80gのメチルイソブチルケトンを加え、メチルイソブチルケトン分散表面処理シリカ(CS−9)を得た。
合成例8:コロイダルシリカの表面処理;CS−10の合成
91.3gのIPA−STに1%酢酸水溶液1.0gとγ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン8.35gを加えて3時間加熱還流した後、ヘキサメチルジシラザン1.47gを加えてさらに1時間加熱還流して表面処理シリカ(CS−10)を得た。
91.3gのIPA−STに1%酢酸水溶液1.0gとγ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン8.35gを加えて3時間加熱還流した後、ヘキサメチルジシラザン1.47gを加えてさらに1時間加熱還流して表面処理シリカ(CS−10)を得た。
実施例1
重合性不飽和単量体として、ガンマーブチロラクトンアクリレート単量体(R−01)19.096g、トリプロピレングリコールジアクリレート単量体(S−04)66.84g、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート単量体(S−11)9.548g、光重合開始剤として、2,4,6−トリメチルベンゾイル−エトキシフェニル−ホスフィンオキシド(BASF社製 Lucirin TPO−L)(P−1)2.50g、界面活性剤として、EFTOP EF−122A(フッ素系界面活性剤、W−1)0.02g、コロイダルシリカ(日産化学工業社製:MIBK−ST、30%メチルイソブチルケトン溶液)6.67gを精秤し、室温でメチルエチルケトンが2質量%未満になるまで攪拌し、均一溶液とした。ここで用いた重合性不飽和単量体の組成比を表1に、組成物の固形分配合比を表2に示した。
この調整した組成物を膜厚4000オングストロームのアルミニウム(Al)被膜を形成した4インチの0.7mm厚さのガラス基板上に厚さが5.0μmになるようにスピンコートした。スピンコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールド加圧力0.8kN、露光中の真空度は10Torrで、10μmのライン/スペースパターンを有し、溝深さが5.0μmのポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製、SILPOT184を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドの裏面から100mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、レジストパターンを得た。引き続き、リン硝酸エッチャントによりレジストに被覆されていないアルミニウム(Al)部を除去し、アルミニウム(Al)製の電極パターンを形成した。さらにレジスト剥離をモノエタノールアミン/ジメチルスルホキシド混合剥離液を用い、80℃にて3分間浸漬処理して行った。その結果を表3に示した。表3の結果より、本発明の組成物は、密着性、剥離性、残膜性、パターン形状、塗布性(スピン塗布性、スリット塗布性)、エッチング性の何れも満足のできるものであった。
重合性不飽和単量体として、ガンマーブチロラクトンアクリレート単量体(R−01)19.096g、トリプロピレングリコールジアクリレート単量体(S−04)66.84g、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート単量体(S−11)9.548g、光重合開始剤として、2,4,6−トリメチルベンゾイル−エトキシフェニル−ホスフィンオキシド(BASF社製 Lucirin TPO−L)(P−1)2.50g、界面活性剤として、EFTOP EF−122A(フッ素系界面活性剤、W−1)0.02g、コロイダルシリカ(日産化学工業社製:MIBK−ST、30%メチルイソブチルケトン溶液)6.67gを精秤し、室温でメチルエチルケトンが2質量%未満になるまで攪拌し、均一溶液とした。ここで用いた重合性不飽和単量体の組成比を表1に、組成物の固形分配合比を表2に示した。
この調整した組成物を膜厚4000オングストロームのアルミニウム(Al)被膜を形成した4インチの0.7mm厚さのガラス基板上に厚さが5.0μmになるようにスピンコートした。スピンコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールド加圧力0.8kN、露光中の真空度は10Torrで、10μmのライン/スペースパターンを有し、溝深さが5.0μmのポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製、SILPOT184を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドの裏面から100mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、レジストパターンを得た。引き続き、リン硝酸エッチャントによりレジストに被覆されていないアルミニウム(Al)部を除去し、アルミニウム(Al)製の電極パターンを形成した。さらにレジスト剥離をモノエタノールアミン/ジメチルスルホキシド混合剥離液を用い、80℃にて3分間浸漬処理して行った。その結果を表3に示した。表3の結果より、本発明の組成物は、密着性、剥離性、残膜性、パターン形状、塗布性(スピン塗布性、スリット塗布性)、エッチング性の何れも満足のできるものであった。
実施例2
重合性不飽和単量体として、α−アクリロイキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン単量体(R−2)38.11g、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート単量体(S−2)47.74g、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(S−12)9.547g、光重合開始剤として、2,4,6−トリメチルベンゾイル−エトキシフェニル−ホスフィンオキシド(BASF社製 Lucirin TPO−L)(P−1)2.5g、界面活性剤として、大日本インキ化学工業社製メガフアックR−08(フッ素・シリコーン系界面活性剤)(W−3)、及び表面処理されたコロイダルシリカ30質量%溶液6.67gを精秤し、室温でメチルエチルケトンが2質量%未満になるまで攪拌し、均一溶液とした。該組成物を実施例1と同様にして露光、パターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表3に示した。表3の結果より、本発明の組成物は、密着性、剥離性、残膜性、パターン形状、塗布性(スピン塗布性、スリット塗布性)、エッチング性について総合的に満足のできるものであることが認められた。
重合性不飽和単量体として、α−アクリロイキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン単量体(R−2)38.11g、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート単量体(S−2)47.74g、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(S−12)9.547g、光重合開始剤として、2,4,6−トリメチルベンゾイル−エトキシフェニル−ホスフィンオキシド(BASF社製 Lucirin TPO−L)(P−1)2.5g、界面活性剤として、大日本インキ化学工業社製メガフアックR−08(フッ素・シリコーン系界面活性剤)(W−3)、及び表面処理されたコロイダルシリカ30質量%溶液6.67gを精秤し、室温でメチルエチルケトンが2質量%未満になるまで攪拌し、均一溶液とした。該組成物を実施例1と同様にして露光、パターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表3に示した。表3の結果より、本発明の組成物は、密着性、剥離性、残膜性、パターン形状、塗布性(スピン塗布性、スリット塗布性)、エッチング性について総合的に満足のできるものであることが認められた。
実施例3〜実施例27
実施例1と同様にして、重合性不飽和単量体を表1に示す割合で混合し、表2に記載の組成物を調整した。この調整した組成物を実施例1と同様にしてパターニングし、該組成物の特性を調べた。その結果を表4に示した。実施例3〜27のいずれの組成物も、光硬化性、密着性、剥離性、残膜性、パターン形状、塗布性(スピン塗布性、スリット塗布性)、エッチング性について総合的に満足のできるものであった。
実施例1と同様にして、重合性不飽和単量体を表1に示す割合で混合し、表2に記載の組成物を調整した。この調整した組成物を実施例1と同様にしてパターニングし、該組成物の特性を調べた。その結果を表4に示した。実施例3〜27のいずれの組成物も、光硬化性、密着性、剥離性、残膜性、パターン形状、塗布性(スピン塗布性、スリット塗布性)、エッチング性について総合的に満足のできるものであった。
比較例1
特開平7−70472号公報に開示されている光ディスク保護膜用紫外線硬化塗料の実施例4に記載の組成物を、本発明の実施例1と同様にして、重合性不飽和単量体を表4に示す割合で混合し、表5に記載の組成物を調整した。この調整した組成物を実施例1と同様にしてパターニングし、該組成物の特性を調べた。その結果を表6に示した。
表6に示すとおり、比較例1の組成物は、総合的に満足できるものではなかった。
特開平7−70472号公報に開示されている光ディスク保護膜用紫外線硬化塗料の実施例4に記載の組成物を、本発明の実施例1と同様にして、重合性不飽和単量体を表4に示す割合で混合し、表5に記載の組成物を調整した。この調整した組成物を実施例1と同様にしてパターニングし、該組成物の特性を調べた。その結果を表6に示した。
表6に示すとおり、比較例1の組成物は、総合的に満足できるものではなかった。
比較例2
特開平4−149280号公報に開示されている光ディスクオーバーコート組成物の実施例に記載の組成物を、本発明の実施例1と同様にして、重合性不飽和単量体を表5に示す割合で混合し、組成物を調整した。この調整した組成物を実施例1と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表6に示した。
表6に示すとおり、比較例2の組成物は、総合的に満足できるものではなかった。
特開平4−149280号公報に開示されている光ディスクオーバーコート組成物の実施例に記載の組成物を、本発明の実施例1と同様にして、重合性不飽和単量体を表5に示す割合で混合し、組成物を調整した。この調整した組成物を実施例1と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表6に示した。
表6に示すとおり、比較例2の組成物は、総合的に満足できるものではなかった。
比較例3
特開平7−62043号公報に開示されている保護コート組成物の実施例1に記載の組成物を、本発明の実施例1と同様にして、重合性不飽和単量体を表5に示す割合で混合し、組成物を調整した。この調整した組成物を実施例1と同様にしてパターンニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表6に示した。
表6に示すとおり、比較例3の組成物は、総合的に満足できるものではなかった。
特開平7−62043号公報に開示されている保護コート組成物の実施例1に記載の組成物を、本発明の実施例1と同様にして、重合性不飽和単量体を表5に示す割合で混合し、組成物を調整した。この調整した組成物を実施例1と同様にしてパターンニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表6に示した。
表6に示すとおり、比較例3の組成物は、総合的に満足できるものではなかった。
比較例4
特開2001−93192号公報に開示されている保護コート組成物の、比較例2に記載の組成物を、本発明の実施例1と同様にして、重合性不飽和単量体を表5に示す割合で混合し、組成物を調整した。この調整した組成物を実施例1と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表6に示した。
表6に示すとおり、比較例4の組成物は、総合的に満足できるものではなかった。
特開2001−93192号公報に開示されている保護コート組成物の、比較例2に記載の組成物を、本発明の実施例1と同様にして、重合性不飽和単量体を表5に示す割合で混合し、組成物を調整した。この調整した組成物を実施例1と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表6に示した。
表6に示すとおり、比較例4の組成物は、総合的に満足できるものではなかった。
比較例5
特開2001−270973号公報に開示されている紫外線および電子線硬化性組成物の実施例2に記載の組成物を、本発明の実施例1と同様にして、重合性不飽和単量体を表5に示す割合で混合し、組成物を調整した。この調整した組成物を実施例1と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表6に示した。
表6に示すとおり、比較例5の組成物は、残膜性、パターン形状、塗布性(I)、エッチング性について劣るほか、総合的にも満足できるものではなかった。
特開2001−270973号公報に開示されている紫外線および電子線硬化性組成物の実施例2に記載の組成物を、本発明の実施例1と同様にして、重合性不飽和単量体を表5に示す割合で混合し、組成物を調整した。この調整した組成物を実施例1と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表6に示した。
表6に示すとおり、比較例5の組成物は、残膜性、パターン形状、塗布性(I)、エッチング性について劣るほか、総合的にも満足できるものではなかった。
比較例6
特開7−53895号公報に開示されている保護コート組成物の実施例1に記載の組成物を、本発明の実施例1と同様にして、重合性不飽和単量体を表5に示す割合で混合し、組成物を調整した。この調整した組成物を実施例1と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表6に示した。
表6に示すとおり、比較例6の組成物は、総合的に満足できるものではなかった。
特開7−53895号公報に開示されている保護コート組成物の実施例1に記載の組成物を、本発明の実施例1と同様にして、重合性不飽和単量体を表5に示す割合で混合し、組成物を調整した。この調整した組成物を実施例1と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表6に示した。
表6に示すとおり、比較例6の組成物は、総合的に満足できるものではなかった。
比較例7
特開2003−165930号公報に開示されているペインティング組成物の実施例1に記載の組成物を、本発明の実施例1と同様にして、重合性不飽和単量体を表5に示す割合で混合し、組成物を調整した。この調整した組成物を実施例1と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表6に示した。
表6に示すとおり、比較例7の組成物は、密着性、残膜性、パターン形状、エッチング性について劣るほか、総合的にも満足できるものではなかった。
特開2003−165930号公報に開示されているペインティング組成物の実施例1に記載の組成物を、本発明の実施例1と同様にして、重合性不飽和単量体を表5に示す割合で混合し、組成物を調整した。この調整した組成物を実施例1と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表6に示した。
表6に示すとおり、比較例7の組成物は、密着性、残膜性、パターン形状、エッチング性について劣るほか、総合的にも満足できるものではなかった。
比較例8
工業調査会、2005年刊の「ビギナーズブック38 はじめてのナノインプリント技術」の157頁に記載のNVP(N−ビニル ピロリドン)を含む組成物を、本願実施例1と同様にパターニングし、組成物特性を調べた。その結果を表6に示した。
表6に示すとおり、比較例8の組成物は、塗布性、エッチング性について劣るほか、総合的にも満足できるものではなかった。
工業調査会、2005年刊の「ビギナーズブック38 はじめてのナノインプリント技術」の157頁に記載のNVP(N−ビニル ピロリドン)を含む組成物を、本願実施例1と同様にパターニングし、組成物特性を調べた。その結果を表6に示した。
表6に示すとおり、比較例8の組成物は、塗布性、エッチング性について劣るほか、総合的にも満足できるものではなかった。
比較例9
特開2006−63244号公報に開示されているハードコート用樹脂組成物の実施例5に記載の組成物(粘度35cP)を、本発明の実施例1と同様にして、重合性不飽和単量体を表5に示す割合で混合し、組成物を調整した。この調整した組成物を実施例1と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表6に示した。
表6に示す通り、塗布性について劣るほか、総合的にも満足できるものではなかった。
特開2006−63244号公報に開示されているハードコート用樹脂組成物の実施例5に記載の組成物(粘度35cP)を、本発明の実施例1と同様にして、重合性不飽和単量体を表5に示す割合で混合し、組成物を調整した。この調整した組成物を実施例1と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表6に示した。
表6に示す通り、塗布性について劣るほか、総合的にも満足できるものではなかった。
比較例10
Proc.SPIE Int.Soc.Opt.Eng.,Vol.6151,No.Pt2,61512F(2006)に開示されている光ナノインプリント組成物(サンプル名:KRIP−09、粘度8.29cP)を本発明の実施例1と同様にして、重合性不飽和単量体を表5に示す割合で混合し、組成物を調整した。該文献には、具体的な(メタ)アクリル単量体の化学名は記載されていないため、市販の単量体を任意に選択し、組成物を調整した。1官能単量体は、アクリルモノマー、2官能単量体は、(メタ)アクリルモノマー、3官能単量体は、アクリルモノマーを選択した。光重合開始剤は、該文献に開示されている化合物(DAROCURE4265)を1.25%配合した。該文献には界面活性剤は配合されていないため、配合しなかった。表6に示す通り、比較例10の組成物は、剥離性、塗布性(II)について劣るほか、総合的にも満足できるものではなかった。
Proc.SPIE Int.Soc.Opt.Eng.,Vol.6151,No.Pt2,61512F(2006)に開示されている光ナノインプリント組成物(サンプル名:KRIP−09、粘度8.29cP)を本発明の実施例1と同様にして、重合性不飽和単量体を表5に示す割合で混合し、組成物を調整した。該文献には、具体的な(メタ)アクリル単量体の化学名は記載されていないため、市販の単量体を任意に選択し、組成物を調整した。1官能単量体は、アクリルモノマー、2官能単量体は、(メタ)アクリルモノマー、3官能単量体は、アクリルモノマーを選択した。光重合開始剤は、該文献に開示されている化合物(DAROCURE4265)を1.25%配合した。該文献には界面活性剤は配合されていないため、配合しなかった。表6に示す通り、比較例10の組成物は、剥離性、塗布性(II)について劣るほか、総合的にも満足できるものではなかった。
比較例11
Proc.SPIE Int.Soc.Opt.Eng.,Vol.6151,No.Pt2,61512F(2006)に開示されている光ナノインプリント組成物(サンプル名:KRIP−11、粘度9.7cP)を本発明の実施例1と同様にして、重合性不飽和単量体を表5に示す割合で混合し、組成物を調整した。該文献には、具体的な(メタ)アクリル単量体の化学名は記載されていないため、市販の単量体を任意に選択し、組成物を調整した。1官能単量体はアクリルモノマー、2官能単量体はメタクリルモノマー、3官能単量体はアクリルモノマーを選択した。光重合開始剤は、該文献に開示されている化合物(DAROCURE4265)を1.25%配合した。該文献には界面活性剤は配合されていないため、配合しなかった。表6に示す通り、比較例11の組成物は、剥離性、塗布性(II)について劣るほか、総合的にも満足できるものではなかった。
Proc.SPIE Int.Soc.Opt.Eng.,Vol.6151,No.Pt2,61512F(2006)に開示されている光ナノインプリント組成物(サンプル名:KRIP−11、粘度9.7cP)を本発明の実施例1と同様にして、重合性不飽和単量体を表5に示す割合で混合し、組成物を調整した。該文献には、具体的な(メタ)アクリル単量体の化学名は記載されていないため、市販の単量体を任意に選択し、組成物を調整した。1官能単量体はアクリルモノマー、2官能単量体はメタクリルモノマー、3官能単量体はアクリルモノマーを選択した。光重合開始剤は、該文献に開示されている化合物(DAROCURE4265)を1.25%配合した。該文献には界面活性剤は配合されていないため、配合しなかった。表6に示す通り、比較例11の組成物は、剥離性、塗布性(II)について劣るほか、総合的にも満足できるものではなかった。
比較例12
本発明の1官能重合性不飽和単量体(分子内にエチレン性不飽和結合を有する部位と酸素、窒素、もしくはイオウ原子の少なくとも1種を有する1官能重合性不飽和単量体)とは異なる1官能重合性不飽和単量体としてα−メチルスチレン(試薬)を用いて実施例9の1官能単量体を置き換え、本発明の実施例1と同様にして、重合性不飽和単量体を表5に示す割合で混合し、組成物を調整した。但し、比較例12では無機酸化物粒子を添加しなかった。この調整した組成物を実施例1と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表6に示した。表6に示す通り、比較例12の組成物は、光硬化性、残膜性、パターン形状について劣るほか、総合的にも満足できるものではなかった。
本発明の1官能重合性不飽和単量体(分子内にエチレン性不飽和結合を有する部位と酸素、窒素、もしくはイオウ原子の少なくとも1種を有する1官能重合性不飽和単量体)とは異なる1官能重合性不飽和単量体としてα−メチルスチレン(試薬)を用いて実施例9の1官能単量体を置き換え、本発明の実施例1と同様にして、重合性不飽和単量体を表5に示す割合で混合し、組成物を調整した。但し、比較例12では無機酸化物粒子を添加しなかった。この調整した組成物を実施例1と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表6に示した。表6に示す通り、比較例12の組成物は、光硬化性、残膜性、パターン形状について劣るほか、総合的にも満足できるものではなかった。
比較例13
比較例12で用いた組成物に表面処理シリカ(CS−3)を配合して、本発明の実施例1と同様にして、組成物を調整した。この調整した組成物を実施例1と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表6に示した。
表6に示す通り、比較例13の組成物は、総合的に満足できるものではなかった。
比較例12で用いた組成物に表面処理シリカ(CS−3)を配合して、本発明の実施例1と同様にして、組成物を調整した。この調整した組成物を実施例1と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表6に示した。
表6に示す通り、比較例13の組成物は、総合的に満足できるものではなかった。
<光硬化性組成物の評価−II>
本発明の組成物を永久膜(保護膜)として評価を行った。
本発明の組成物を永久膜(保護膜)として評価を行った。
<残膜率>
ガラス基板上に本発明の光硬化性組成物を4μmの膜厚になるようにスピンコートし、高圧水銀灯を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールドの裏面から500mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、230℃のオーブン中で150分間加熱した。加熱前後の光硬化性樹脂のパターン部の膜厚をTenkor社製プロファイラーP11にて測定し、加熱後の残膜率を求めた。結果を表7に示す。
A:残膜率90%を超える
B:残膜率85〜90%
C:残膜率85未満
ガラス基板上に本発明の光硬化性組成物を4μmの膜厚になるようにスピンコートし、高圧水銀灯を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールドの裏面から500mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、230℃のオーブン中で150分間加熱した。加熱前後の光硬化性樹脂のパターン部の膜厚をTenkor社製プロファイラーP11にて測定し、加熱後の残膜率を求めた。結果を表7に示す。
A:残膜率90%を超える
B:残膜率85〜90%
C:残膜率85未満
<透過率>
ガラス基板上に本発明の光硬化性組成物を4μmの膜厚になるようにスピンコートし、高圧水銀灯を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールドの裏面から500mJ/cm2の条件で紫外線を露光し、硬化膜を形成した。露光後、モールドを離し、230℃のオーブン中で150分間加熱した。加熱後の光硬化性樹脂のパターン部の光透過率を、分光光度計を用いて、波長550nmにおける光透過率(T/%)を測定し、加熱後の透過率を求めた。得られた光透過率を以下の基準で判断した。結果を表7に示す。
A:光透過率90%以上の値である。
B:光透過率85〜90%未満の値である。
C:光透過率85未満未満の値である。
ガラス基板上に本発明の光硬化性組成物を4μmの膜厚になるようにスピンコートし、高圧水銀灯を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールドの裏面から500mJ/cm2の条件で紫外線を露光し、硬化膜を形成した。露光後、モールドを離し、230℃のオーブン中で150分間加熱した。加熱後の光硬化性樹脂のパターン部の光透過率を、分光光度計を用いて、波長550nmにおける光透過率(T/%)を測定し、加熱後の透過率を求めた。得られた光透過率を以下の基準で判断した。結果を表7に示す。
A:光透過率90%以上の値である。
B:光透過率85〜90%未満の値である。
C:光透過率85未満未満の値である。
<耐擦傷性試験>
光硬化性組成物をシリコンウエファー上に回転塗布した後、高圧水銀ランプを用いて、露光量が300mJ/cm2となるように紫外線を照射し、厚さ5μmの硬化膜を形成した。学振型磨耗試験機に硬化膜をのせ、スチールウールの上に200gの荷重をかけて10往復させた。擦傷の状況を肉眼で以下の基準で判定した。結果を表7に示す。
A:全く傷が付かない
B:1〜3本の傷が付く
C:4〜10本の傷が付く
D:10本以上の傷が付く
光硬化性組成物をシリコンウエファー上に回転塗布した後、高圧水銀ランプを用いて、露光量が300mJ/cm2となるように紫外線を照射し、厚さ5μmの硬化膜を形成した。学振型磨耗試験機に硬化膜をのせ、スチールウールの上に200gの荷重をかけて10往復させた。擦傷の状況を肉眼で以下の基準で判定した。結果を表7に示す。
A:全く傷が付かない
B:1〜3本の傷が付く
C:4〜10本の傷が付く
D:10本以上の傷が付く
<耐溶剤性>
ガラス基板上に本発明の光硬化性組成物を4μmの膜厚になるようにスピンコートし、高圧水銀灯を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールドの裏面から500mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、230℃のオーブン中で150分間加熱した。加熱後、N−メチルピロリドン(NMP)、5%水酸化ナトリウム、5%塩酸の各溶液に30分間浸漬し、浸漬前後の膜厚変化を求めた。結果を表7に示す。
A:膜厚変化がほとんど観察されない(1%未満)
B:膜厚変化がやや観察される(1〜5%未満)
C:膜厚変化がやや観察される(5%以上)
ガラス基板上に本発明の光硬化性組成物を4μmの膜厚になるようにスピンコートし、高圧水銀灯を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールドの裏面から500mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、230℃のオーブン中で150分間加熱した。加熱後、N−メチルピロリドン(NMP)、5%水酸化ナトリウム、5%塩酸の各溶液に30分間浸漬し、浸漬前後の膜厚変化を求めた。結果を表7に示す。
A:膜厚変化がほとんど観察されない(1%未満)
B:膜厚変化がやや観察される(1〜5%未満)
C:膜厚変化がやや観察される(5%以上)
<総合評価>
総合評価は、以下の基準で行った。実質Bランク以上で実用に耐える。結果を表7に示す。
A:Bランクが2項目以内。
B:Bランクが3項目。
C:Bランクが4項目以上、もしくはCランクが1項目でもある場合。
D:Cランクが2項目以上、もしくはDランクが1項目でもある場合。
総合評価は、以下の基準で行った。実質Bランク以上で実用に耐える。結果を表7に示す。
A:Bランクが2項目以内。
B:Bランクが3項目。
C:Bランクが4項目以上、もしくはCランクが1項目でもある場合。
D:Cランクが2項目以上、もしくはDランクが1項目でもある場合。
実施例36
実施例3に用いた単量体、光重合開始剤、界面活性剤、無機酸化物粒子の種類、配合比は変えないで、組成物中に酸化防止剤(ADEKA製、アデカスタブAO503)を2質量%加えて、実施例1と同様にして、組成物を調整した。この調整した組成物をガラス基板上に4μmの膜厚になるようにスピンコートし、スピンコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールド圧力は10kN/cm2、露光中の真空度は0.2Torrで、5mmの四角パターンを有するポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製 SILPOT184を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドの裏面から500mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、加熱前後の光硬化性樹脂のパターン部の残膜率、透過率、耐擦傷性を測定した。その後、光硬化膜の耐溶剤性を調べた。結果を表7に示す。実施例36の組成物は、残膜率、透過率、耐擦傷性、耐溶剤性に優れ、永久膜としての特性にも優れていた。
実施例3に用いた単量体、光重合開始剤、界面活性剤、無機酸化物粒子の種類、配合比は変えないで、組成物中に酸化防止剤(ADEKA製、アデカスタブAO503)を2質量%加えて、実施例1と同様にして、組成物を調整した。この調整した組成物をガラス基板上に4μmの膜厚になるようにスピンコートし、スピンコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールド圧力は10kN/cm2、露光中の真空度は0.2Torrで、5mmの四角パターンを有するポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製 SILPOT184を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドの裏面から500mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、加熱前後の光硬化性樹脂のパターン部の残膜率、透過率、耐擦傷性を測定した。その後、光硬化膜の耐溶剤性を調べた。結果を表7に示す。実施例36の組成物は、残膜率、透過率、耐擦傷性、耐溶剤性に優れ、永久膜としての特性にも優れていた。
実施例37
実施例7に用いた単量体、光重合開始剤、界面活性剤、無機酸化物粒子の種類、配合比は変えないで、組成物中に酸化防止剤(ADEKA製、アデカスタブAO503)を2質量%加えて、実施例1と同様にして、組成物を調整した。この調整した組成物をガラス基板上に4μmの膜厚になるようにスピンコートし、スピンコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールド圧力は10kN/cm2、露光中の真空度は0.2Torrで、5mmの四角パターンを有するポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製 SILPOT184を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドの裏面から500mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、加熱前後の光硬化性樹脂のパターン部の残膜率、透過率、耐擦傷性を測定した。その後、光硬化膜の耐溶剤性を調べた。結果を表7に示す。実施例37の組成物は、残膜率、透過率、耐擦傷性、耐溶剤性に優れ、永久膜としての特性にも優れていた。
実施例7に用いた単量体、光重合開始剤、界面活性剤、無機酸化物粒子の種類、配合比は変えないで、組成物中に酸化防止剤(ADEKA製、アデカスタブAO503)を2質量%加えて、実施例1と同様にして、組成物を調整した。この調整した組成物をガラス基板上に4μmの膜厚になるようにスピンコートし、スピンコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールド圧力は10kN/cm2、露光中の真空度は0.2Torrで、5mmの四角パターンを有するポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製 SILPOT184を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドの裏面から500mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、加熱前後の光硬化性樹脂のパターン部の残膜率、透過率、耐擦傷性を測定した。その後、光硬化膜の耐溶剤性を調べた。結果を表7に示す。実施例37の組成物は、残膜率、透過率、耐擦傷性、耐溶剤性に優れ、永久膜としての特性にも優れていた。
実施例38
実施例15に用いた単量体、光重合開始剤、界面活性剤、無機酸化物粒子の種類、配合比は変えないで、組成物中に酸化防止剤(住友化学工業製、スミライザーGA80)を2.0質量%加えて、実施例1と同様にして、組成物を調整した。この調整した組成物をガラス基板上に4μmの膜厚になるようにスピンコートし、スピンコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールド圧力は10kN/cm2、露光中の真空度は0.2Torrで、5mmの四角パターンを有するポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製 SILPOT184を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドの裏面から500mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、加熱前後の光硬化性樹脂のパターン部の残膜率、透過率、耐擦傷性を測定した。その後、光硬化膜の耐溶剤性を調べた。結果を表7に示す。実施例38の組成物は、残膜率、透過率、耐擦傷性、耐溶剤性に優れ、永久膜としての特性にも優れていた。
実施例15に用いた単量体、光重合開始剤、界面活性剤、無機酸化物粒子の種類、配合比は変えないで、組成物中に酸化防止剤(住友化学工業製、スミライザーGA80)を2.0質量%加えて、実施例1と同様にして、組成物を調整した。この調整した組成物をガラス基板上に4μmの膜厚になるようにスピンコートし、スピンコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールド圧力は10kN/cm2、露光中の真空度は0.2Torrで、5mmの四角パターンを有するポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製 SILPOT184を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドの裏面から500mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、加熱前後の光硬化性樹脂のパターン部の残膜率、透過率、耐擦傷性を測定した。その後、光硬化膜の耐溶剤性を調べた。結果を表7に示す。実施例38の組成物は、残膜率、透過率、耐擦傷性、耐溶剤性に優れ、永久膜としての特性にも優れていた。
実施例39
実施例17に用いた単量体、光重合開始剤、界面活性剤、無機酸化物粒子の種類、配合比は変えないで、組成物中に酸化防止剤(スミライザーGA80住友化学工業製)を2.0質量%加えて、実施例1と同様にして、組成物を調整した。この調整した組成物をガラス基板上に4μmの膜厚になるようにスピンコートし、スピンコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールド圧力は10kN/cm2、露光中の真空度は0.2Torrで、5mmの四角パターンを有するポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製、SILPOT184を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドの裏面から500mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、加熱前後の光硬化性樹脂のパターン部の残膜率、透過率、耐擦傷性を測定した。その後、光硬化膜の耐溶剤性を調べた。結果を表7に示す。実施例39の組成物は、残膜率、透過率、耐擦傷性、耐溶剤性に優れ、永久膜としての特性にも優れていた。
実施例17に用いた単量体、光重合開始剤、界面活性剤、無機酸化物粒子の種類、配合比は変えないで、組成物中に酸化防止剤(スミライザーGA80住友化学工業製)を2.0質量%加えて、実施例1と同様にして、組成物を調整した。この調整した組成物をガラス基板上に4μmの膜厚になるようにスピンコートし、スピンコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールド圧力は10kN/cm2、露光中の真空度は0.2Torrで、5mmの四角パターンを有するポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製、SILPOT184を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドの裏面から500mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、加熱前後の光硬化性樹脂のパターン部の残膜率、透過率、耐擦傷性を測定した。その後、光硬化膜の耐溶剤性を調べた。結果を表7に示す。実施例39の組成物は、残膜率、透過率、耐擦傷性、耐溶剤性に優れ、永久膜としての特性にも優れていた。
実施例40
実施例19に用いた単量体、光重合開始剤、界面活性剤、無機酸化物粒子、増感剤の種類、配合比は変えないで、組成物中に酸化防止剤(住友化学工業製、スミライザーGA80を2.0質量%、ADEKA製、アデカスタブAO503)を0.5質量%加えて、実施例1と同様にして、組成物を調整した。この調整した組成物をガラス基板上に4μmの膜厚になるようにスピンコートし、スピンコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールド圧力は10kN/cm2、露光中の真空度は0.2Torrで、5mmの四角パターンを有するポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製 SILPOT184を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドの裏面から500mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、加熱前後の光硬化性樹脂のパターン部の残膜率、透過率、耐擦傷性を測定した。その後、光硬化膜の耐溶剤性を調べた。結果を表7に示す。実施例40の組成物は、残膜率、透過率、耐擦傷性、耐溶剤性に優れ、永久膜としての特性にも優れていた。
実施例19に用いた単量体、光重合開始剤、界面活性剤、無機酸化物粒子、増感剤の種類、配合比は変えないで、組成物中に酸化防止剤(住友化学工業製、スミライザーGA80を2.0質量%、ADEKA製、アデカスタブAO503)を0.5質量%加えて、実施例1と同様にして、組成物を調整した。この調整した組成物をガラス基板上に4μmの膜厚になるようにスピンコートし、スピンコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールド圧力は10kN/cm2、露光中の真空度は0.2Torrで、5mmの四角パターンを有するポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製 SILPOT184を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドの裏面から500mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、加熱前後の光硬化性樹脂のパターン部の残膜率、透過率、耐擦傷性を測定した。その後、光硬化膜の耐溶剤性を調べた。結果を表7に示す。実施例40の組成物は、残膜率、透過率、耐擦傷性、耐溶剤性に優れ、永久膜としての特性にも優れていた。
実施例41
実施例22に用いた単量体、光重合開始剤、界面活性剤、無機酸化物粒子、増感剤の種類、配合比は変えないで、組成物中に酸化防止剤(住友化学工業製、スミライザーGA80)を2.0質量%加えて、実施例1と同様にして、組成物を調整した。この調整した組成物をガラス基板上に4μmの膜厚になるようにスピンコートし、スピンコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールド圧力は10kN/cm2、露光中の真空度は0.2Torrで、5mmの四角パターンを有するポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製、SILPOT184を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドの裏面から500mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、加熱前後の光硬化性樹脂のパターン部の残膜率、透過率、耐擦傷性を測定した。その後、光硬化膜の耐溶剤性を調べた。結果を表7に示す。実施例41の組成物は、残膜率、透過率、耐擦傷性、耐溶剤性に優れ、永久膜としての特性にも優れていた。
実施例22に用いた単量体、光重合開始剤、界面活性剤、無機酸化物粒子、増感剤の種類、配合比は変えないで、組成物中に酸化防止剤(住友化学工業製、スミライザーGA80)を2.0質量%加えて、実施例1と同様にして、組成物を調整した。この調整した組成物をガラス基板上に4μmの膜厚になるようにスピンコートし、スピンコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールド圧力は10kN/cm2、露光中の真空度は0.2Torrで、5mmの四角パターンを有するポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製、SILPOT184を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドの裏面から500mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、加熱前後の光硬化性樹脂のパターン部の残膜率、透過率、耐擦傷性を測定した。その後、光硬化膜の耐溶剤性を調べた。結果を表7に示す。実施例41の組成物は、残膜率、透過率、耐擦傷性、耐溶剤性に優れ、永久膜としての特性にも優れていた。
実施例42
重合性不飽和単量体として、ベンジルアクリレート単量体(R−26)28g、ネオペンチルグリコールジアクリレート単量体(KAYARAD NPGDA;日本化薬製)22.0g、トリメチロールプロパントリアクリレート単量体(S−15)1.9g、光重合開始剤として、2,4,6−トリメチルベンゾイル−エトキシフェニル−ホスフィンオキシド(BASF社製 Lucirin TPO−L)(P−1)3.0g、界面活性剤として、EFTOP EF−122A(フッ素系界面活性剤、W−1)0.05g、酸化防止剤(住友化学工業製、スミライザーGA80)を2.0g、表面処理されたコロイダルシリカ30質量%溶液83.3gを精秤し、室温でメチルエチルケトンが2質量%未満になるまで攪拌し、均一溶液とした。この調整した組成物をガラス基板上に4μmの膜厚になるようにスピンコートし、スピンコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールド圧力は10kN/cm2、露光中の真空度は0.2Torrで、5mmの四角パターンを有するポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製 SILPOT184を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドの裏面から500mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、加熱前後の光硬化性樹脂のパターン部の残膜率、透過率、耐擦傷性を測定した。その後、光硬化膜の耐溶剤性を調べた。結果を表7に示す。実施例42の組成物は、残膜率、透過率、耐擦傷性、耐溶剤性に優れ、永久膜としての特性にも優れていた。
重合性不飽和単量体として、ベンジルアクリレート単量体(R−26)28g、ネオペンチルグリコールジアクリレート単量体(KAYARAD NPGDA;日本化薬製)22.0g、トリメチロールプロパントリアクリレート単量体(S−15)1.9g、光重合開始剤として、2,4,6−トリメチルベンゾイル−エトキシフェニル−ホスフィンオキシド(BASF社製 Lucirin TPO−L)(P−1)3.0g、界面活性剤として、EFTOP EF−122A(フッ素系界面活性剤、W−1)0.05g、酸化防止剤(住友化学工業製、スミライザーGA80)を2.0g、表面処理されたコロイダルシリカ30質量%溶液83.3gを精秤し、室温でメチルエチルケトンが2質量%未満になるまで攪拌し、均一溶液とした。この調整した組成物をガラス基板上に4μmの膜厚になるようにスピンコートし、スピンコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールド圧力は10kN/cm2、露光中の真空度は0.2Torrで、5mmの四角パターンを有するポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製 SILPOT184を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドの裏面から500mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、加熱前後の光硬化性樹脂のパターン部の残膜率、透過率、耐擦傷性を測定した。その後、光硬化膜の耐溶剤性を調べた。結果を表7に示す。実施例42の組成物は、残膜率、透過率、耐擦傷性、耐溶剤性に優れ、永久膜としての特性にも優れていた。
実施例43
実施例29に用いた単量体、光重合開始剤、界面活性剤、無機酸化物粒子の種類、配合比は変えないで、組成物中に酸化防止剤(ADEKA製、アデカスタブAO503)を2質量%加えて、実施例1と同様にして、組成物を調整した。この調整した組成物をガラス基板上に4μmの膜厚になるようにスピンコートし、スピンコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールド圧力は10kN/cm2、露光中の真空度は0.2Torrで、5mmの四角パターンを有するポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製 SILPOT184を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドの裏面から500mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、加熱前後の光硬化性樹脂のパターン部の残膜率、透過率、耐擦傷性を測定した。その後、光硬化膜の耐溶剤性を調べた。結果を表7に示す。実施例43の組成物は、残膜率、透過率、耐擦傷性、耐溶剤性に優れ、永久膜としての特性にも優れていた。
実施例29に用いた単量体、光重合開始剤、界面活性剤、無機酸化物粒子の種類、配合比は変えないで、組成物中に酸化防止剤(ADEKA製、アデカスタブAO503)を2質量%加えて、実施例1と同様にして、組成物を調整した。この調整した組成物をガラス基板上に4μmの膜厚になるようにスピンコートし、スピンコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールド圧力は10kN/cm2、露光中の真空度は0.2Torrで、5mmの四角パターンを有するポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製 SILPOT184を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドの裏面から500mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、加熱前後の光硬化性樹脂のパターン部の残膜率、透過率、耐擦傷性を測定した。その後、光硬化膜の耐溶剤性を調べた。結果を表7に示す。実施例43の組成物は、残膜率、透過率、耐擦傷性、耐溶剤性に優れ、永久膜としての特性にも優れていた。
実施例44
実施例31に用いた単量体、光重合開始剤、界面活性剤、無機酸化物粒子の種類、配合比は変えないで、組成物中に酸化防止剤(ADEKA製、アデカスタブAO503)を2質量%加えて、実施例1と同様にして、組成物を調整した。この調整した組成物をガラス基板上に4μmの膜厚になるようにスピンコートし、スピンコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールド圧力は10kN/cm2、露光中の真空度は0.2Torrで、5mmの四角パターンを有するポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製 SILPOT184を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドの裏面から500mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、加熱前後の光硬化性樹脂のパターン部の残膜率、透過率、耐擦傷性を測定した。その後、光硬化膜の耐溶剤性を調べた。結果を表7に示す。実施例44の組成物は、残膜率、透過率、耐擦傷性、耐溶剤性に優れ、永久膜としての特性にも優れていた。
実施例31に用いた単量体、光重合開始剤、界面活性剤、無機酸化物粒子の種類、配合比は変えないで、組成物中に酸化防止剤(ADEKA製、アデカスタブAO503)を2質量%加えて、実施例1と同様にして、組成物を調整した。この調整した組成物をガラス基板上に4μmの膜厚になるようにスピンコートし、スピンコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールド圧力は10kN/cm2、露光中の真空度は0.2Torrで、5mmの四角パターンを有するポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製 SILPOT184を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドの裏面から500mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、加熱前後の光硬化性樹脂のパターン部の残膜率、透過率、耐擦傷性を測定した。その後、光硬化膜の耐溶剤性を調べた。結果を表7に示す。実施例44の組成物は、残膜率、透過率、耐擦傷性、耐溶剤性に優れ、永久膜としての特性にも優れていた。
実施例45
実施例36に用いた単量体、光重合開始剤、界面活性剤、無機酸化物粒子の種類、配合比は変えないで、組成物中に酸化防止剤(ADEKA製、アデカスタブAO503)を2質量%加えて、実施例1と同様にして、組成物を調整した。この調整した組成物をガラス基板上に4μmの膜厚になるようにスピンコートし、スピンコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールド圧力は10kN/cm2、露光中の真空度は0.2Torrで、5mmの四角パターンを有するポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製 SILPOT184を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドの裏面から500mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、加熱前後の光硬化性樹脂のパターン部の残膜率、透過率、耐擦傷性を測定した。その後、光硬化膜の耐溶剤性を調べた。結果を表7に示す。実施例45の組成物は、残膜率、透過率、耐擦傷性、耐溶剤性に優れ、永久膜としての特性にも優れていた。
実施例36に用いた単量体、光重合開始剤、界面活性剤、無機酸化物粒子の種類、配合比は変えないで、組成物中に酸化防止剤(ADEKA製、アデカスタブAO503)を2質量%加えて、実施例1と同様にして、組成物を調整した。この調整した組成物をガラス基板上に4μmの膜厚になるようにスピンコートし、スピンコートした塗布基膜をORC社製の高圧水銀灯(ランプパワー2000mW/cm2)を光源とするナノインプリント装置にセットし、モールド圧力は10kN/cm2、露光中の真空度は0.2Torrで、5mmの四角パターンを有するポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製 SILPOT184を80℃60分で硬化させたもの)を材質とするモールドの裏面から500mJ/cm2の条件で露光し、露光後、モールドを離し、加熱前後の光硬化性樹脂のパターン部の残膜率、透過率、耐擦傷性を測定した。その後、光硬化膜の耐溶剤性を調べた。結果を表7に示す。実施例45の組成物は、残膜率、透過率、耐擦傷性、耐溶剤性に優れ、永久膜としての特性にも優れていた。
比較例14
比較例1で用い、調整した組成物を実施例36と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表7に示した。なお、実施例36に添加した酸化防止剤は未添加である。比較例14の組成物は、残膜率、透過性、耐溶剤性(NMP)が多少劣る傾向にあり、総合的にも劣っていた。
比較例1で用い、調整した組成物を実施例36と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表7に示した。なお、実施例36に添加した酸化防止剤は未添加である。比較例14の組成物は、残膜率、透過性、耐溶剤性(NMP)が多少劣る傾向にあり、総合的にも劣っていた。
比較例15
比較例2で用い、調整した組成物を実施例36と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表7に示した。比較例12の組成物は、残膜率、耐溶剤性(NMP)が多少劣る傾向にあり、また、透過性が劣っており、さらに、総合的にも劣っていた。
比較例2で用い、調整した組成物を実施例36と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表7に示した。比較例12の組成物は、残膜率、耐溶剤性(NMP)が多少劣る傾向にあり、また、透過性が劣っており、さらに、総合的にも劣っていた。
比較例16
比較例3で用い、調整した組成物を実施例36と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表7に示した。比較例12の組成物は、残膜率および透過率が劣っており、耐溶剤性(NMP、HCl)も多少劣る傾向にあり、総合的にも劣っていた。
比較例3で用い、調整した組成物を実施例36と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表7に示した。比較例12の組成物は、残膜率および透過率が劣っており、耐溶剤性(NMP、HCl)も多少劣る傾向にあり、総合的にも劣っていた。
比較例17
比較例4で用い、調整した組成物を実施例36と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表5に示した。比較例13の組成物は、残膜率、透過率、耐溶剤性(NMP、HCl)が多少劣る傾向にあり、また、透過性が劣っており、さらに、総合的にも劣っていた。
比較例4で用い、調整した組成物を実施例36と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表5に示した。比較例13の組成物は、残膜率、透過率、耐溶剤性(NMP、HCl)が多少劣る傾向にあり、また、透過性が劣っており、さらに、総合的にも劣っていた。
比較例18
比較例9で用い、調整した組成物を実施例36と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表7に示した。比較例18の組成物は、残膜率、透過率、耐溶剤性(NaOH)が多少劣る傾向にあり、また、透過性が劣っており、さらに、総合的にも劣っていた。
比較例9で用い、調整した組成物を実施例36と同様にしてパターニングし、組成物の特性を調べた。その結果を表7に示した。比較例18の組成物は、残膜率、透過率、耐溶剤性(NaOH)が多少劣る傾向にあり、また、透過性が劣っており、さらに、総合的にも劣っていた。
実施例1〜45
実施例1〜45の本発明の光硬性組成物の粘度を測定したところ、いずれも3〜18mPa・sの範囲であった。
実施例1〜45の本発明の光硬性組成物の粘度を測定したところ、いずれも3〜18mPa・sの範囲であった。
比較例1〜7、9、12、13
比較例1〜7、9、12、13の光硬性組成物の粘度を測定したところ、いずれも20mPa以上であった。
比較例1〜7、9、12、13の光硬性組成物の粘度を測定したところ、いずれも20mPa以上であった。
比較例8、10、11
比較例8、10、11の光硬性組成物の粘度を測定したところ、いずれも5〜15mPaの範囲であった。
比較例8、10、11の光硬性組成物の粘度を測定したところ、いずれも5〜15mPaの範囲であった。
本発明の組成物は、半導体集積回路、フラットスクリーン、マイクロ電気機械システム(MEMS)、センサ素子、光ディスク、高密度メモリーデイスク等の磁気記録媒体、回折格子ヤレリーフホログラム等の光学部品、ナノデバイス、光学デバイス、フラットパネルディスプレイ製作のための光学フィルムや偏光素子、液晶ディスプレイの薄膜トランジタ、有機トランジスタ、カラーフィルタ、オーバーコート層、柱材、液晶配向用のリブ材、マイクロレンズアレイ、免疫分析チップ、DNA分離チップ、マイクロリアクター、ナノバイオデバイス、光導波路、光学フィルター、フォトニック液晶等の作製の際の、微細パターン形成のための光ナノインプリントレジスト組成物として用いることができる。
Claims (12)
- 重合性不飽和単量体35〜99質量%、光重合開始剤0.1〜15質量%、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびフッ素・シリコーン系界面活性剤の少なくとも1種0.001〜5質量%、無機酸化物微粒子を0.1〜50質量%を含む、光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物。
- 請求項1に記載の組成物であって、前記重合性不飽和単量体として、分子内にエチレン性不飽和結合を有する部位と、酸素原子、窒素原子およびイオウ原子の少なくとも1種を有する部位とを含有する1官能重合性不飽和単量体を、少なくとも該組成物中に15質量%以上含み、かつ、前記重合性不飽和単量体を48〜99質量%含む、光ナノインプリントリソグラフィ用硬化性組成物。
- 1官能重合性不飽和単量体として、下記(a)、(b)および(c)より選ばれる化合物の少なくとも1種を含む、請求項2に記載の組成物。
(a)1分子中にエチレン性不飽和結合を有する部位およびヘテロ原子を含有する脂肪族環状部位を 有する重合性不飽和単量体
(b)1分子中にエチレン性不飽和結合を有する部位および−C(=O)−結合とNR結合(Rは水 素原子またはメチル基)を有する重合性不飽和単量体
(c)1分子中にエチレン性不飽和結合を有する部位および炭素数が6〜12の脂環部位を有する重 合性不飽和単量体 - 前記(a)の1官能重合性不飽和単量体のヘテロ原子が、酸素原子、窒素原子およびイオウ原子のいずれか1種以上である、請求項3に記載の組成物。
- 前記1官能重合性不飽和単量体が下記一般式(I)〜(VIII)より選択されるいずれか1種以上である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の組成物。
一般式(I)
一般式(II)
一般式(III)
一般式(IV)
一般式(V)
一般式(VI)
(一般式(VI)中、R61は水素原子またはメチル基、R62およびR63は、それぞれ、水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、プロピル基、(CH3)2N−(CH2)m6−(m6は1、2または3)、CH3CO−(CR64R65)p6−(R64およびR65は、それぞれ、水素原子またはメチル基を表し、p6は1、2または3のいずれかである。)、(CH3)2−N−(CH2)p6−(p6は1、2または3のいずれかである。)。但し、該一般式(VI)中の−NR62(R63)の部分が、−N=C=O基であってもよい。またR62およびR63は同時に水素原子になることはない。またX6は−CO−、−COCH2−、−COCH2CH2−、−COCH2CH2CH2−、−COOCH2CH2−のいずれかである。)
一般式(VII)
一般式(VIII)
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物であって、さらに、少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する部位、ならびに、シリコーン原子および/またはリン原子を含有する第2の重合性不飽和単量体を、前記重合性不飽和単量体中0.1質量%以上含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
- 無機酸化物微粒子がコロイダルシリカである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
- コロイダルシリカが表面処理されたコロイダルシリカである、請求項7に記載の組成物。
- コロイダルシリカが反応性(メタ)アクリレート基を有する化合物で表面処理されたコロイダルシリカである、請求項8に記載の組成物。
- 酸化防止剤を含有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物であって、25℃における粘度が25mPa・s以下である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物を塗布する工程、光透過性モールドを基板上のレジスト層に加圧し、前記塗布した組成物を変形させる工程、モールド裏面または基板裏面より光を照射し、塗膜を硬化し、所望のパターンに嵌合するレジストパターンを形成する工程、光透過性モールドを塗膜から脱着する工程を含むパターン形成方法。
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