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JP2008271572A - 特定の色空間を利用した画像再生 - Google Patents

特定の色空間を利用した画像再生 Download PDF

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JP2008271572A
JP2008271572A JP2008121494A JP2008121494A JP2008271572A JP 2008271572 A JP2008271572 A JP 2008271572A JP 2008121494 A JP2008121494 A JP 2008121494A JP 2008121494 A JP2008121494 A JP 2008121494A JP 2008271572 A JP2008271572 A JP 2008271572A
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Kazunori Suenaga
和徳 末永
Kenji Fukazawa
賢二 深沢
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Abstract

【課題】指定された色空間を利用した高画質な処理と、処理の高速化との間のバランスのとれた画像処理を実現する。
【解決手段】画像処理装置が、縮小画像を処理対象とする場合には、前記色空間識別情報の内容に拘わらず所定の基本色空間変換を実行する。また、主画像を処理対象とする場合には、色空間識別情報で指定された色空間を利用した色空間変換を実行する。
【選択図】図3

Description

この発明は、画像データに基づいて画像を再生する技術に関する。
デジタルスチルカメラやビデオカメラなどの画像生成装置で撮影した画像は、コンピュータやプリンタなどの種々の画像再生装置で再生される(例えば特開平9−139876号公報,特開平9−322114号公報)。画像生成装置が作成する画像データは、通常は、標準色空間(例えばsRGB色空間)で再生されることを前提としている。例えば、画像再生装置は、画像生成装置で作成された画像データに対して基本色空間変換を実行することによって、標準色空間で表された再生用画像データを生成し、この再生用画像データに従って画像の再生(表示や印刷)を実行する。
ところで、画像再生時に、標準色空間とは異なる色再現範囲を有する色空間(特に、標準色空間よりも広い色再現範囲を有する色空間)を使用したい場合がある。例えば、画像データの作成時に使用された色空間が標準色空間以外の特定の色空間であることを画像データファイル内で指定しておけば、再生時にその特定色空間が有する色再現範囲を利用することが可能である。
しかし、常に特定色空間を利用して画像を処理すると過大な時間がかかるという問題があった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、指定された色空間を利用した高画質な処理と、処理の高速化との間のバランスのとれた画像処理を実現することを目的とする。
本願発明の一形態としての画像処理装置は、主画像を表す主画像データと、前記主画像の縮小画像を表す縮小画像データと、前記主画像データに関連する色空間を表す色空間識別情報と、が互いに対応付けられた画像データセットに基づいて画像を処理する装置である。前記色空間識別情報は、所定の標準色空間と他の特定色空間とを含む複数の色空間のうちのいずれであるかを示すことが可能であり、前記画像処理装置は、前記主画像データまたは縮小画像データを処理対象データとして選択し、前記処理対象画像データに色空間の変換を含む処理を実行するデータ処理部を備える。前記データ処理部は、前記縮小画像を処理対象とする場合には前記色空間識別情報の内容に拘わらず所定の基本色空間変換を前記縮小画像データに対して実行し、一方、前記主画像を処理対象とする場合には前記色空間識別情報で指定された指定色空間を利用した指定色空間変換を前記主画像データに対して実行する。
この画像処理装置では、縮小画像を処理対象とする場合には所定の基本色空間変換を実行し、主画像を処理対象とする場合には色空間識別情報で指定された色空間を利用した指定色空間変換を前記主画像データに対して実行するので、縮小画像に関して高速な処理を実現することができ、また、主画像に関しては指定された色空間を利用した高画質な処理を実現することが可能である。
本発明による画像再生装置は、画像データと、前記画像データに関連する色空間を表す色空間識別情報と、が互いに対応付けられた画像データセットに基づいて画像を再生する装置である。前記色空間識別情報は、所定の標準色空間と他の特定色空間とを含む複数の色空間のうちのいずれであるかを示すことが可能である。前記画像再生装置は、前記画像データを処理対象画像データとして選択し、前記処理対象画像データに色空間の変換を含む処理を実行して再生用画像データを生成するデータ処理部と、前記再生用画像データに応じて視認可能に画像を出力する画像出力装置と、を備える。前記データ処理部は、前記色空間識別情報で指定された色空間を判別する色空間判別部と、前記特定色空間を利用せずに前記処理対象画像データに対して色空間変換を行う基本色空間変換の機能と、前記特定色空間を利用して前記処理対象画像データの色空間を前記画像出力装置に適した装置依存色空間に変換する装置依存色空間変換の機能と、を有する色空間変換部と、を有している。また、前記データ処理部は、(i)前記色空間識別情報で指定された色空間が前記標準色空間である場合には、前記処理対象画像データに対して前記基本色空間変換を行って前記再生用画像データを生成し、(ii)前記色空間識別情報で指定された色空間が前記特定色空間である場合には、前記処理対象画像データに対して前記装置依存色空間変換を行って前記再生用画像データを生成する。
この画像再生装置は、基本色空間変換の機能と装置依存色空間変換の機能とを有しているので、色空間識別情報で指定された色空間が標準色空間である場合にも、その他の特定色空間である場合にも、それらに適した画像再生を行うことができる。より、具体的には、色空間識別情報で指定された色空間が標準色空間である画像データを再生する際には、その画像データに対して基本色空間変換を行って再生用画像データを生成し、一方、色空間識別情報で指定された色空間が標準色空間以外の特定色空間である画像データを再生する際には、その画像データに対して装置依存色空間変換を行って再生用画像データを生成するので、いずれの場合にも画像データに関連するものとして指定された色空間に応じて適切に画像再生を行うことが可能である。
なお、前記画像データセットは、前記画像データとして、主画像を表す主画像データと、前記主画像の縮小画像を表す縮小画像データとを含んでいてもよい。このとき、前記データ処理部は、前記処理対象画像データが前記主画像データであるときに、前記色空間識別情報に応じて前記(i)または(ii)の処理を実行する。
前記画像再生装置において、前記データ処理部は、前記(ii)の場合に、さらに、前記標準色空間で無いことを意味する通知を前記画像出力装置に出力させるようにしてもよい。
この構成によれば、色空間識別情報で指定された色空間が標準色空間である主画像データを再生する際に、標準色空間で無いことを意味する通知を出力するので、再生された色が必ずしも画像データで再現されるべき色になっていないことをユーザに認識させることができる。
また、前記データ処理部は、さらに、(iii)前記処理対象画像データが前記縮小画像データである場合には、前記色空間識別情報で指定された色空間が前記標準色空間であるか否かに拘わらず、前記縮小画像データに対して前記基本色空間変換を行って前記再生用画像データを生成するようにしてもよい。
この構成によれば、色空間識別情報で指定された色空間のいかんに拘わらず、縮小画像の高速再生を実現することができる。
前記データ処理部は、前記(iii)の場合に、さらに、前記縮小画像とともに、前記標準色空間で無いことを意味する通知を前記画像出力装置に出力させるようにしても良い。
この構成によれば、ユーザが、この通知を参考として画像の選択や処理を進めることができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、画像再生方法および画像再生装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.装置の構成:
B.拡張色空間対応の画像再生装置における画像再生:
C.拡張色空間非対応の画像再生装置における画像再生:
D.プリンタへの適用例:
E.他の実施例:
F.変形例
A.装置の構成:
図1は、本発明の一実施例としての撮像/再生システムの構成を示す説明図である。このシステムは、デジタルカメラ100と、コンピュータ200と、プリンタ300とを含んでいる。デジタルカメラ100は画像生成装置として機能し、コンピュータ200とプリンタ300はそれぞれ画像再生装置として機能する。デジタルカメラ100で生成された画像データファイルMFは、コンピュータ200またはプリンタ300に転送されて再生される。なお、本明細書において、「再生」とはモニタ上の表示と印刷とを含んでいる。以下では、コンピュータ200を使用した画像再生について主に説明する。
図2は、画像データファイルMFの構成を示す説明図である。この画像データファイルMFは、色空間情報CSIと、主画像データMMと、サムネイル画像データTMとを含んでいる。主画像データMMとサムネイル画像データTMは、通常は圧縮データ(例えばJPEG圧縮データ)の形式を有している。なお、サムネイル画像は主画像を縮小した画像なので、「縮小画像」とも呼ぶ。
色空間情報CSIは、画像データ(主画像データMMまたはサムネイル画像データTM)に関連するものとして指定された色空間(「指定色空間」と呼ぶ)を表す情報である。具体的には、色空間情報CSIは、例えば、色空間タグCSTと、再生階調カーブ特性(トーンカーブ)と、参照白色点色度座標値と、原色色度座標値と、を含んでいる。原色色度座標値は、RGBの3原色の色度座標値を含んでいる。通常は、色空間情報CSIで指定される色空間は、画像データの作成時に使用された色空間を表している。
色空間タグCSTの値は、色空間の種類を示している。具体的には、例えば色空間タグCSTの値に応じて色空間が以下のように識別される。
(1)CST=1:標準色空間
(2)CST=2:拡張色空間
以下の説明では、標準色空間として、モニタ用の標準色空間であるsRGB色空間を使用する。拡張色空間としては、例えば、AdobeRGB(アドビ社の商標)を使用することができる。以下の説明では、拡張色空間を「wRGB色空間」と呼び、標準色空間を「sRGB色空間」と呼ぶ。なお、色空間タグCSTによって指定できる標準色空間以外の色空間としては、拡張色空間wRGBに限らず、一般に、標準色空間とは異なる色再現範囲を有する特定の色空間を採用することができる。また、色空間タグCSTで指定できる色空間の数は2に限らず、色空間タグCSTは、一般に、複数の色空間を指定することが可能である。
色空間情報CSIに含まれる他のパラメータ値(再生階調カーブ特性、参照白色点色度座標値、原色色度座標値)は、色空間変換用マトリクスを生成するための色空間変換プロファイルとして利用される。
図3は、拡張色空間wRGBに対応する画像再生装置200の構成を示すブロック図である。この画像再生装置200は、データ処理部220と、モニタ(画像表示装置)250とを備えている。データ処理部220は、データ伸長部222と、3つの色空間変換部224,226,228と、色空間判定部230と、出力制御部240とを有しており、主画像データMMとサムネイル画像データTMのうちの一方を処理対象画像データとして選択して再生処理を実行する。
色空間判定部230は、画像データファイルMFの色空間情報CSI(図2)から指定色空間を判別する。色空間判定部230は、さらに、指定色空間が拡張色空間wRGBである場合に、拡張色空間wRGB用の変換マトリクスMX2を作成して第2色空間変換部226に供給する機能と、警告表示データ(後述する)を出力制御部240に供給する機能とを有している。
データ伸長部222は、処理対象となる圧縮画像データ(主画像データMMまたはサムネイル画像データTM)を伸長して、伸長データMMaを生成する。良く知られているように、JPEG圧縮データは、YCrYb色空間で表現されている。
第1色空間変換部224は、この伸長データMMaに対して基本マトリクスMX1を用いて色空間変換を実行し、RGB色空間の画像データMMbを生成する。基本マトリクスMX1は、YCrYb色空間をRGB色空間に変換するためのマトリクスMX1であり、データ伸長部222内に予め登録されている。この第1色空間変換部224で生成された画像データMMbは、色空間タグCSTで指定された色空間で表現されたデータとなる。すなわち、指定色空間が標準色空間sRGBである場合には、画像データMMbは標準色空間sRGBで表現されたデータになり、指定色空間が拡張色空間wRGBである場合には画像データMMbは拡張色空間wRGBで表現されたデータになる。
本実施例では、標準色空間sRGBはモニタ250に適した色空間(モニタ250用の装置依存色空間)である。従って、処理対象画像データの指定色空間が標準色空間sRGBである場合には、第1色空間変換部224で得られた画像データMMbを用いて、出力制御部240が画像をモニタ250に出力する。一方、処理対象画像データの指定色空間が拡張色空間wRGBである場合には、第1色空間変換部224で得られた画像データMMbに対して、第2と第3の色変換部226,228による追加の色空間変換を実行する。
第2色空間変換部226は、拡張色空間wRGBで表現された画像データMMbを装置非依存色空間(本実施例では、XYZ色空間)に変換する。第2色空間変換部226で使用する変換マトリクスMX2は、色空間判定部230から供給される。この変換マトリクスMX2は、色空間情報CSIの中の参照白色点色度座標値と原色色度座標値から生成されたものである。なお、第2色空間変換部226では、必要に応じて再生階調カーブ特性に応じた階調変換も実行される。これは他の色空間変換でも同様である。
第3色空間変換部228は、XYZ色空間で表現された画像データMMcをモニタ250用の装置依存色空間(本実施例では、sRGB色空間)に変換する。第3色空間変換部228で使用する変換マトリクスMX3は、第3色空間変換部228に予め格納されている。第3色空間変換部228で生成された画像データMMdは出力制御部240に供給され、これに応じて画像がモニタ250に出力される。
このように、拡張色空間対応の画像再生装置では、処理対象画像データの指定色空間が拡張色空間wRGBである場合には、第1色空間変換部224で得られた画像データMMbが拡張色空間wRGBのデータであることを利用して、追加の色空間変換を実行し、装置依存色空間sRGBに変換している。換言すれば、拡張色空間対応の画像再生装置200では、拡張色空間wRGBを利用して色空間を装置依存色空間(sRGB)に変換する装置依存色空間変換の機能を有している。従って、処理対象画像データの指定色空間が拡張色空間wRGBである場合に、忠実に色を再現することが可能である。また、処理対象画像データの指定色空間が標準色空間sRGBである場合にも、第1色空間変換部224による基本色空間変換を行うことによって忠実に色を再現することが可能である。
なお、3つの色空間変換部224,226,228で行われる3回の色空間変換は、1回の色空間変換にまとめることも可能である。
上述のようなデータ処理部220内の各構成要素の一部または全部の機能は、例えばコンピュータプログラムによって実現される。これらコンピュータプログラムは、フレキシブルディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供することが可能である。
図4は、拡張色空間wRGBに対応していない画像再生装置200aの構成を示すブロック図である。図3に示した装置200との差異は、第2と第3の色空間変換部226,228が無い点だけであり、他の構成は同一である。この拡張色空間非対応の画像再生装置200aでは、拡張色空間wRGBを利用して処理対象画像データの色空間を装置依存色空間(sRGB)に変換する装置依存色空間変換の機能を有していない。そこで、この拡張色空間非対応の画像再生装置200aでは、第1色空間変換部224で生成された画像データMMbが標準色空間sRGBのデータであるのか拡張色空間wRGBのデータであるのかを考慮せずに、第1色空間変換部224で生成された画像データMMbに応じてモニタ250上に画像を表示する。従って、指定色空間が標準色空間sRGBである場合には忠実に色を再現することができるが、指定色空間が拡張色空間wRGBである場合には忠実に色を再現することができない。
B.拡張色空間対応の画像再生装置における画像再生:
図5は、拡張色空間対応の画像再生装置200(図3)におけるサムネイル画像の再生処理の手順を示すフローチャートである。ステップS1では、データ伸長部222(図3)がサムネイル画像データTM(図2)を伸長し、第1色空間変換部224が基本色空間変換を実行して、画像データMMbを生成する。ステップS2では、この画像データMMbが出力制御部240からモニタ250に供給されて、サムネイル画像が表示される。そして、ステップS3で次のサムネイル画像を表示することが要求されるとステップS1に戻り、ステップS1,S2の処理が繰り返される。
図6は、サムネイル画像の表示例を示す説明図である。ここでは、複数のサムネイル画像が1つのウィンドウ内に表示されている。また、各サムネイル画像の隣接した位置に、画像データファイルのファイル名が表示されている。なお、サムネイル画像の表示例としては、このように複数のサムネイル画像を同時に表示する場合や、1つのサムネイル画像を次々に高速に切り換えながら表示する場合(いわゆるコマ送り)などがある。これらのいずれの場合にも、図5の処理手順によってサムネイル画像が再生される。
このように、拡張色空間対応の画像再生装置200においては、サムネイル画像を再生するときには、色空間情報CSIを用いた色空間の判定を行わずに画像再生を行うので、高速に画像を再生することができる。ところで、処理対象となるサムネイル画像の指定色空間が拡張色空間wRGBのデータである場合には、第1色空間変換部224で得られる画像データMMbは拡張色空間wRGBのデータである。この画像データMMbに応じてサムネイル画像を表示すると、正しい色から多少ずれた色でサムネイル画像が表示される。しかし、サムネイル画像は画像の選択や確認のための簡易的な表示なので、画質よりも再生速度の方がより重要である場合が多い。従って、本実施例のように、サムネイル画像に関しては、装置依存色空間への色空間変換を行わずに、基本色空間変換のみを行って高速に再生することが好ましい。また、サムネイル画像の再生時には、色空間情報のチェック(色空間の判別)を行わずに処理の高速化を図ることが好ましい。
図7は、拡張色空間対応の画像再生装置200における主画像の再生処理の手順を示すフローチャートである。ステップS11では、色空間判定部230が画像データファイルMFから色空間情報CSI(図2)を取得し、ステップS12において指定色空間を判定する。指定色空間が標準色空間sRGBである場合には、データ伸長と基本色空間変換を実行し(ステップS13)、得られた画像データMMbに応じて画像が出力される(ステップS14)。一方、指定色空間が拡張色空間wRGBである場合には、データ伸長と、3つの色空間変換部224,226,228による装置依存色空間変換を実行し(ステップS15)、得られた画像データMMdに応じて画像が出力される(ステップS16)。また、このとき、標準色空間sRGBで無いことを意味する警告(または通知)を画像に付して出力する。
図8は、拡張色空間対応の画像再生装置200のモニタ250上に表示された主画像の例を示す説明図である。図8(A)は指定色空間が標準色空間sRGBである場合を示し、図8(B)は指定色空間が拡張色空間wRGBである場合を示している。図8(B)の例では、wRGB画像データに基づいて主画像を表示しているが、モニタ250の色再現範囲はwRGB色空間よりも狭いsRGB色空間なので、一部の色は正しく表示できない可能性がある。そこで、指定色空間が拡張色空間wRGBである場合には、図8(B)のように、標準色空間sRGBで無いことを意味する警告(または通知)を表示することが好ましい。こうすれば、表示された画像の色が画像データで再現されるべき本来の色と異なることを、ユーザに通知することができる。なお、このような警告や通知は必ずしも画面に表示する必要は無いが、少なくとも拡張色空間wRGBの画像データであることを意味する何らかの表示を行うことが好ましい。
以上のように、拡張色空間対応の画像再生装置200においてサムネイル画像を再生する場合には、画像データの指定色空間を考慮せずに高速にサムネイル画像を表示し、また、主画像を再生する場合には画像データの指定色空間を考慮して可能な限り忠実に主画像を表示する。すなわち、サムネイル画像の高速な再生と、主画像の高画質な再生との両方を実現することができる。
C.拡張色空間非対応の画像再生装置における画像再生:
拡張色空間非対応の画像再生装置200a(図4)におけるサムネイル画像の再生処理の手順と画像の表示結果は、図5、図6で説明した拡張色空間対応の画像再生装置200におけるものと同じである。すなわち、拡張色空間非対応の画像再生装置200aにおいても、高速なサムネイル画像の表示が実行される。
図9は、拡張色空間非対応の画像再生装置200aにおける主画像の再生処理の手順を示すフローチャートである。色空間情報の取得(ステップS21)と指定色空間の判別(ステップS22)は、図7のステップS11,S12と同じである。また、指定色空間が標準色空間sRGBである場合のステップS23,S24の処理も、図7のステップS13,S14と同じである。図10(A)は、このときの主画像の表示例であり、これは図8(A)と同じものである。
ステップS22において、指定色空間が拡張色空間wRGBである場合には、ステップS25においてモニタ250に警告(または通知)のみを表示する。図10(B)は、この警告の一例を示している。ここでは、処理対象の画像データの指定色空間が標準色空間sRGBでないので、正しく再生できない旨の文が表示されている。また、その警告の下に、画像データの指定色空間が標準色空間sRGBであると見なして強制表示させるためのボタンB1が配置されている。ユーザがこのボタンB1をクリックすると、ステップS23,S24が実行されて主画像が表示される。但し、この場合は、拡張色空間wRGBを利用した装置依存色空間変換を行うことができないので、表示される色は正しい色からかなりはずれている可能性がある。
以上のように、拡張色空間非対応の画像再生装置200aにおいて主画像を再生する場合には、処理対象の画像データの指定色空間が標準色空間sRGBでない場合に警告や通知を表示するので、ユーザが処理対象画像データが標準色空間sRGBのものであると誤って処理を進めてしまうことを防止することができる。
なお、図10(B)のような警告を表示すること無く、指定色空間を標準色空間sRGBであると見なしてステップS23,S24の処理によって主画像を再生するようにしても良い。但し、この場合にも、主画像とともに、標準色空間で無いことを意味する通知を表示することが好ましい。
D.プリンタへの適用例:
図11は、拡張色空間対応のプリンタ300の構成を示すブロック図である。このプリンタ300のデータ処理部220bは、図3に示したデータ処理部220の構成要素の他に、ルックアップテーブル260と、ハーフトーン処理部262とを有している。また、第3色空間変換部228bの処理内容が図3の第3色空間変換部228と若干異なっている。他の構成は図3と同じである。なお、データ処理部220bの機能は、いわゆるプリンタドライバによって実現される。
第3色空間変換部228bは、XYZ色空間を、プリンタ300の色再現範囲に適したRGB色空間(「pRGB色空間」と呼ぶ)に変換する機能を有している。なお、このプリンタ用色空間pRGBとしては、拡張色空間wRGBと同じものを利用することも可能である。この色空間変換は、プリンタ300のインクセットに応じて予め決まっており、その変換マトリクスMX3bは第3色空間変換部228b内に予め格納されている。
ルックアップテーブル260は、RGB色空間をCMYK色空間に変換するためのものであり、色空間変換部の一種である。処理対象画像データの指定色空間が標準色空間sRGBである場合には、第1色空間変換部224で生成された画像データMMbがルックアップテーブル260に入力されて、CMYK色空間の画像データMMfに変換される。一方、処理対象の画像データの指定色空間が拡張色空間wRGBである場合には、第3色空間変換部228bで生成された画像データMMeがルックアップテーブル260に入力されて、CMYK色空間の画像データMMfに変換される。但し、ルックアップテーブル260としては、sRGBデータ用のテーブルと、pRGBデータ用のテーブルとを別々に予め準備しておくことが好ましい。
なお、このデータ処理部228bにおいては、第1色空間変換部224による色空間変換と、ルックアップテーブル260による色空間変換とを合わせたものが、基本色空間変換(拡張色空間wRGBを利用しない色空間変換)に相当する。また、第1ないし第3の色空間変換部224,226,228と、ルックアップテーブル260による色空間変換とを合わせたものが、装置依存色空間変換(拡張色空間wRGBを利用した色空間変換)に相当する。
ハーフトーン処理部262は、ルックアップテーブル260で生成された画像データMMfにハーフトーン処理を行うことによって、印刷データPDを生成する。この印刷データPDは、出力制御部240から印刷実行部310に供給され、ここで印刷が実行される。印刷実行部310は、主走査駆動機構や、副走査駆動機構、印刷ヘッド、印刷ヘッド駆動回路などの種々の構成要素を有しているが、ここではその説明を省略する。
このプリンタ300では、サムネイル画像を印刷する場合には図5の処理手順に従って印刷を行い、また、主画像を印刷する場合には図7の処理手順に従って印刷を行うことができる。従って、サムネイル画像を高速に印刷することができ、また、主画像を高画質に印刷することができる。なお、プリンタ300で印刷を行う場合には、図7のステップS16において警告付きの画像を印刷媒体上に印刷する代わりに、警告を画面に表示して、印刷媒体上には警告の無い画像を印刷するようにしても良い。警告の画面表示は、例えばプリンタ300の操作部の画面上で行うようにしても良く、あるいは、プリンタドライバ(図11のデータ処理部220b)がインストールされたコンピュータのモニタ上で行うようにしても良い。
図12は、拡張色非空間対応のプリンタ300aの構成を示すブロック図である。図11に示したプリンタ300との差異は、第2と第3の色空間変換部226,228bが無い点だけであり、他の構成は同一である。この拡張色空間非対応のプリンタ300aは、図4に示した画像再生装置200aと同様に、第1色空間変換部224で生成された画像データMMbが標準色空間sRGBのデータであるのか拡張色空間wRGBのデータであるのかを考慮せずに、この画像データMMbに応じて画像を印刷する。従って、指定色空間が標準色空間sRGBである場合には忠実に色を再現することができるが、拡張色空間wRGBである場合には忠実に色を再現することができない。
この拡張色空間非対応のプリンタ300aでは、サムネイル画像を印刷する場合には図5の処理手順に従って印刷を行い、また、主画像を印刷する場合には図9の処理手順に従って印刷を行うことができる。この場合に、図9のステップS25においては、警告を印刷する代わりに、警告を画面に表示することが好ましい。
なお、図11や図12のプリンタで画像を印刷するときに、印刷された画像に隣接した位置に、画像データの指定色空間を明示しておけば便利な場合がある。図13は、プリンタで複数のサムネイル画像を印刷媒体PM上に印刷した例を示している。ここでは、各サムネイル画像に隣接した位置(具体的には、その直下)に、画像データファイルのファイル名と、指定色空間の名称とが印刷されている。但し、指定色空間の名称は、標準色空間sRGBである場合は省略されており、拡張色空間wRGBである場合にのみ表示されている。この代わりに、常に指定色空間を示す表示を画像に隣接した位置に表示するようにしても良い。このようにしておけば、画像データファイルを利用する場合に、これらの色空間を参考として画像の選択や処理を進めることができるという利点がある。
なお、図13のような指定色空間の表示は、サムネイル画像に限らず、主画像の印刷時に行うようにしてもよい。また、図3や図4の画像再生装置において、サムネイル画像や主画像の画面表示を行う際に、指定色空間を同時に表示してもよい。
E.他の実施例:
図15は、他の実施例における画像の出力処理の手順を示すフローチャートである。本実施例では、拡張色空間対応の画像出力装置(図3、図11)を使用する。図15のステップS31では、サムネール画像を出力するか主画像を出力するかが判定される。サムネール画像を出力する場合には、データ伸長部222(図3)がサムネイル画像データを伸長し、第1色空間変換部224が基本色空間変換を実行して出力用の画像データMMbを生成する。サムネイル画像データは、通常は標準色空間(例えばsRGB)を利用して作成されているので、基本色空間変換を実行して得られる画像データMMbは標準色空間で定義されたデータとなる。この出力用の画像データMMbは、ステップS33で出力(具体的には表示や印刷)される。一方、主画像を出力する場合には、ステップS34においてデータ伸長部222が主画像データを伸長し、3つの色空間変換部224,226,228が指定色空間変換を実行して出力用の画像データMMdを生成し、ステップS33でこの画像データMMdが出力される。
ステップS34における「指定色空間変換」とは、画像データファイル内の色空間情報CSI(図2)によって指定されている指定色空間を利用した色空間変換を意味している。指定色空間としては、標準色空間と種々の特定色空間(拡張色空間)を指定することが可能である。本実施例では、指定色空間が標準色空間であるときには、指定色空間変換として基本色空間変換のみが実行される。一方、指定色空間が特定色空間である場合には、基本色空間変換と装置依存色空間変換とが実行される。但し、指定色空間変換としては、他の種類の色空間変換を利用することも可能である。すなわち、指定色空間変換は、一般に、色空間情報CSIで指定されている指定色空間を何らかの形で利用した変換であれば良い。
なお、指定色空間としては、標準色空間以外の特定色空間(拡張色空間)が指定されていることが好ましい。この場合には、主画像を出力する際に高画質な画像を得ることが可能である。
以上のように、本実施例では、サムネイル画像を再生する場合には色空間情報の内容に拘わらずに基本色空間変換を実行し、また、主画像を再生する場合には指定色空間を利用した色空間変換を実行するので、サムネイル画像の高速出力と、主画像の高画質出力の両方を実現することが可能である。
F.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
F1.変形例1:
色空間情報の形式としては、上記実施例以外の種々のものを利用することが可能である。また、色空間情報を画像データファイル内に格納する代わりに、画像データファイルのファイル名の一部を色空間情報として利用することも可能である。例えば、画像データファイルのファイル名の拡張子によって、指定色空間を表すようにしても良い。この場合には、指定色空間が標準色空間以外の特定色空間である場合に利用される色空間変換プロファイルを、予め画像再生装置内に格納しておくことが好ましい。この構成では、個々の画像データファイルMF内に色空間変換プロファイルを格納しておく必要が無いという利点がある。
また、色空間情報を画像データとは別個に作成し、これらを互いに対応付けておくようにしてもよい。この場合には、主画像データと、サムネイル画像データ(縮小画像データ)と、色空間情報と、が互いに対応付けられた画像データセットが構成されていることが好ましい。なお、上記実施例における画像データファイルも、主画像データとサムネイル画像データと色空間情報とが互いに対応付けられた画像データセットの一種である。なお、画像データセットは、主画像データとサムネイル画像データの両方を含んでいる必要は無く、その一方のみ(主画像データのみ)を含んでいてもよい。
F2.変形例2:
上記実施例では、処理対象画像データが主画像データである場合には色空間情報による指定色空間の判別を行い、サムネイル画像データである場合には指定色空間の判別を行わないものとしたが、指定色空間の判別は、データ処理部が必要とするときに実行するようにすれば良い。但し、少なくとも主画像を再生する際に、指定色空間の判別を行うことが好ましい。
F3.変形例3:
上記実施例では、画像生成装置としてのデジタルカメラ100によってサムネイル画像データが作成されるものとしていたが、この代わりに、画像生成装置ではサムネイル画像データは作成せずに主画像データと色空間識別情報とを作成し、サムネイル画像データは、閲覧ソフトなどのような他のアプリケーションプログラムによって主画像データから作成されるようにしてもよい。この場合にも、主画像データとサムネイル画像データと色空間識別情報とが互いに対応付けられているので、画像再生時に上記実施例と同様の処理を実行することが可能である。
F4.変形例4:
ディスプレイ付きのデジタルカメラ100は、上記実施例における画像再生装置として使用することも可能である。例えば、デジタルカメラ100の背面に画像表示部(上記実施例の画像出力装置に相当する)が設けられている場合には、その画像表示部に画像を表示する際に、デジタルカメラ100が上記各実施例で説明した拡張色空間対応の画像再生装置、または、拡張色空間非対応の画像再生装置として機能するようにデジタルカメラ100を構成することが可能である。
また、例えば、デジタルカメラ100の画像表示部に画像(主画像またはサムネイル画像)を表示する際に、画像とともに、色空間情報で指定された色空間を識別するための通知を表示するようにしてもよい。図14は、デジタルカメラ100の背面に設けられた画像表示部110に、画像とその色空間とが表示されている例を示している。デジタルカメラ100で撮像された画像データとその色空間情報は、メモリ130内に格納されている。再生処理部120は、画像データと色空間情報とに応じて、画像と色空間とを画像表示部110に表示する処理を実行する。なお、画像の表示の際のみでなく、撮像の際に、使用する色空間を画像表示部に表示してもよい。画像表示部に画像とともに、その色空間を識別するための何らかの通知を表示するようにすれば、その画像を他の画像出力装置(例えばプリンタや表示装置)などに出力する前に、その画像の色空間をユーザが認識することができるので、適切な出力方法や出力装置を選択することができる。
なお、本明細書において、「デジタルカメラ」とは、静止画を撮影するデジタルスチルカメラと、動画を撮影するデジタルビデオカメラとの両方を含んでいる。
F5.変形例5:
上記実施例では、画像データファイル内の主画像データMMとサムネイル画像データTMとがいずれも圧縮されているものとしていたが、これらの画像を圧縮せずに画像データファイルに格納することも可能である。
この発明は、画像処理装置、画像再生装置、デジタルカメラなどに適用可能である。
本発明の一実施例としての画像生成/再生システムの構成を示す説明図である。 画像データファイルMFの構成を示す説明図である。 拡張色空間wRGBに対応する画像再生装置の構成を示すブロック図である。 拡張色空間wRGBに対応していない画像再生装置の構成を示すブロック図である。 拡張色空間対応の画像再生装置におけるサムネイル画像の再生処理の手順を示すフローチャートである。 拡張色空間対応の画像再生装置におけるサムネイル画像の表示例を示す説明図である。 拡張色空間対応の画像再生装置における主画像の再生処理の手順を示すフローチャートである。 拡張色空間対応の画像再生装置における主画像を表示例を示す説明図である。 拡張色空間非対応の画像再生装置における主画像の再生処理の手順を示すフローチャートである。 拡張色空間対応の画像再生装置における主画像再生時の表示例を示す説明図である。 拡張色空間対応のプリンタの構成を示すブロック図である。 拡張色空間非対応のプリンタの構成を示すブロック図である。 プリンタで複数のサムネイル画像を印刷媒体PM上に印刷した例を示す説明図である。 デジタルカメラ100の背面に設けられた画像表示部110に、画像とその色空間とが表示された例を示す説明図である。 他の実施例における画像の出力処理の手順を示すフローチャートである。

Claims (6)

  1. 主画像を表す主画像データと、前記主画像の縮小画像を表す縮小画像データと、前記主画像データに関連する色空間を表す色空間識別情報と、が互いに対応付けられた画像データセットに基づいて画像を処理する装置であって、
    前記色空間識別情報は、所定の標準色空間と他の特定色空間とを含む複数の色空間のうちのいずれであるかを示すことが可能であり、
    前記画像処理装置は、
    前記主画像データまたは縮小画像データを処理対象データとして選択し、前記処理対象画像データに色空間の変換を含む処理を実行するデータ処理部を備え、
    前記データ処理部は、前記縮小画像を処理対象とする場合には前記色空間識別情報の内容に拘わらず所定の基本色空間変換を前記縮小画像データに対して実行し、一方、前記主画像を処理対象とする場合には前記色空間識別情報で指定された色空間を利用した指定色空間変換を前記主画像データに対して実行する、画像処理装置。
  2. 請求項1記載の画像処理装置であって、
    前記色空間識別情報で指定された色空間は前記特定色空間である、画像処理装置。
  3. 画像を処理する方法であって、
    (a)主画像を表す主画像データと、前記主画像の縮小画像を表す縮小画像データと、前記主画像データに関連する色空間を表す色空間識別情報と、が互いに対応付けられた画像データセットを準備する工程と、
    (b)前記縮小画像を処理対象とする場合に、前記色空間識別情報の内容に拘わらず所定の基本色空間変換を前記縮小画像データに対して実行する工程と、
    (c)前記主画像を処理対象とする場合に、前記色空間識別情報で指定された色空間を利用した指定色空間変換を前記主画像データに対して実行する工程と、
    を備える画像処理方法。
  4. 請求項3記載の画像処理方法であって、
    前記色空間識別情報で指定された色空間は前記特定色空間である、画像処理方法。
  5. 主画像を表す主画像データと、前記主画像の縮小画像を表す縮小画像データと、前記主画像データに関連する色空間を表す色空間識別情報と、が互いに対応付けられた画像データセットに基づいて画像を処理するためのコンピュータプログラム製品であって、
    コンピュータ読取可能な媒体と、
    前記コンピュータ読取可能な媒体に格納されたコンピュータプログラムと、
    を備え、
    前記色空間識別情報は、所定の標準色空間と他の特定色空間とを含む複数の色空間のうちのいずれであるかを示すことが可能であり、
    前記コンピュータプログラムは、
    前記縮小画像を処理対象とする場合に、前記色空間識別情報の内容に拘わらず所定の基本色空間変換を前記縮小画像データに対して実行する機能と、
    前記主画像を処理対象とする場合に、前記色空間識別情報で指定された色空間を利用した指定色空間変換を前記主画像データに対して実行する機能と、
    を有しているコンピュータプログラム製品。
  6. 請求項5記載のコンピュータプログラム製品であって、
    前記色空間識別情報で指定された色空間は前記特定色空間である、コンピュータプログラム製品。
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