JP2008259767A - 飲み込み型医療機器の動作切替機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成でカプセル内視鏡の動作状態を切り替える。
【解決手段】カプセル外殻11の左端面11Bに穴21を設ける。カプセル外殻11の内壁11Cには、穴21を取り囲むようにパッキン22を設ける。穴21に挿通する挿通部23Aと、挿通部の右端部に一体に形成される密着部23Bとを有する防水部材23を設ける。カプセル外殻11の内部に板ばね25を設ける。初期状態において、ケース部材40は、防水部材23を押圧して保持することにより、板ばね25を撓み変形させ、板ばね25を第1の接点部24から離間させる。カプセル内視鏡10をケース部材40から取り出すと、板ばね25が復元し、密着部23Bがパッキン22に密着して、穴21がシールされる。また、板ばね25の折り曲げ先端部25E(第2の接点部)が第1の接点部24に接触し、回路ユニット14の動作が開始する。
【選択図】図1
【解決手段】カプセル外殻11の左端面11Bに穴21を設ける。カプセル外殻11の内壁11Cには、穴21を取り囲むようにパッキン22を設ける。穴21に挿通する挿通部23Aと、挿通部の右端部に一体に形成される密着部23Bとを有する防水部材23を設ける。カプセル外殻11の内部に板ばね25を設ける。初期状態において、ケース部材40は、防水部材23を押圧して保持することにより、板ばね25を撓み変形させ、板ばね25を第1の接点部24から離間させる。カプセル内視鏡10をケース部材40から取り出すと、板ばね25が復元し、密着部23Bがパッキン22に密着して、穴21がシールされる。また、板ばね25の折り曲げ先端部25E(第2の接点部)が第1の接点部24に接触し、回路ユニット14の動作が開始する。
【選択図】図1
Description
本発明は、カプセル内視鏡等の飲み込み型医療機器における動作切替機構に関し、特に使用開始時における動作切替の機構に関する。
近年、胃腸等の体内を撮影するための内視鏡として、飲み込み型のカプセル内視鏡が実用化されつつある。カプセル内視鏡は、その内部に設けられた電池等によって、内部回路が駆動されるが、電池の充電量は限られており、電池による回路駆動は短時間しか行うことができない。したがって、嚥下直前に医師等によって電源が投入され、内部回路の駆動が開始されるのが一般的である。この電源投入動作は、防水等の観点からカプセル内視鏡を分解させず、かつ簡単な操作で行われることが望ましい。
従来、カプセル内視鏡の使用開始に当たって、カプセル内視鏡の電源を投入するための機構としては、磁石を備えるケース内にカプセル内視鏡が保管され、その保管ケースからカプセル内視鏡が取り出されると、磁場変化に基づき、カプセル内視鏡の電源が投入される機構が知られている(特許文献1参照)。このような機構によれば、カプセル内視鏡をケースから取り出すことによって自動的に電源が投入されるので、カプセル内視鏡を分解せずに、電源を投入することができ、電源投入操作を簡素化することができる。
特表2003−523795号公報
特許文献1に記載された機構によれば、各カプセル内視鏡を保管するための保管ケースそれぞれに磁石が設けられ、カプセル内視鏡の数に応じた数の磁石が必要となる。しかし、カプセル内視鏡及び保管ケースは通常使い捨てで使用されるので、上記機構によれば大量の磁石が必要とされる。また、カプセル内視鏡は、電源投入後においては、その内部の気密性が確保されることが好ましい。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みて成されたものであり、磁石を用いず、かつカプセル内視鏡を分解せずに、簡単な構成で電源投入などの動作を切り替えることが可能であって、電源投入と共にカプセル内視鏡の内部を気密にすることが可能な動作切替機構を提供することを目的とする。
本発明に係る動作切替機構は、嚥下可能な飲み込み型医療機器の外殻の内部に設けられた回路の動作を切り替えるための動作切替機構であって、外殻内部に設けられ、電気的に接続されることにより回路の動作を切り替える第1及び第2の接点部と、外殻の一部に穴が設けられ、その穴内部に変位可能に挿通する挿通部と、穴を囲むように外殻に設けられた被密着部と、被密着部に対して変位可能に設けられ、被密着部に密着することによって、穴をシール可能な密着部と、挿通部の外力によって変形させられ、その変形した状態で保持されるばね部材とを備える。そして、挿通部による外力が解放されることによりばね部材が復元し、その復元力によって、第2の接点部が変位し、第2の接点部が第1の接点部に電気的に接続され、又は切断されると共に、復元力により密着部が変位し被密着部に密着して穴をシールすることを特徴とする。
挿通部を、ばね部材を変形させる所定位置に保持する保持部を備える場合、挿通部が保持部の保持から解放されると、ばね部材が復元することが好ましい。保持部は、例えば、飲み込み型医療機器を内部に格納し、その格納された状態で、挿通部を所定位置に保持するケース部材である。飲み込み型医療機器がケース部材から取り出されると、挿通部が保持部の保持から解放される。保持部は、または飲み込み型医療機器の外殻及び挿通部の両方に貼り付けられるシール部材である。
回路に電力を供給する電池を備える場合、上記第2の接点部は電池の一方の端部に設けられた電極となる。この場合、ばね部材は電池の他方の端部に支持されるとともに、電池の一方の端部が挿通部によって押圧されることにより、ばね部材が電池を介して変形させられる。また、電池の一方の端部に密着部が当接する場合、ばね部材は、密着部及び電池を介して挿通部によって押圧変形させられ、ばね部材の復元力により、密着部が電池と共に、変位させられる。ばね部材は例えば、その一端部が電池の他方の端部に支持され、他端部が外殻に設けられた支持部材に支持されるコイルばねである。
ばね部材は、例えば、基端部が外殻の内壁に固定され、かつ先端部が第2の接点部に形成された板ばねである。板ばねは、挿通部を介した外部からの押圧により、基端部を起点に撓み変形させられて保持される。好ましくは、板ばねは、基端部を有する第1の本体部と、先端部を有する第2の本体部と、第1及び第2の本体部を接続し、これら本体部よりも細幅に形成された接続部とによって一体に形成される。この場合、板ばねが復元されると、その復元力によって、板ばねの先端部が第1の接点部に押圧して接触すると共に、第2の本体部が接続部を起点に折り曲げられる。このような構成によれば、板ばねは、第1の接点部に接触した後も変位することができる。
密着部は、例えば、挿通部と一体に形成されるが、別体に形成されていても良く、この場合、例えば挿通部は穴から抜き去ることが可能である。
被密着部が外殻の内壁側に形成される場合、密着部は、ばね部材によって、外殻の内部から内壁に向けて押圧変位させられることにより、被密着部に密着する。一方、被密着部が外殻の外壁側に形成される場合、密着部は外殻の外部側に配置されており、ばね部材によって、外殻外部から外壁に向けて引っ張られて変位して、被密着部に密着する。
第2の接点部に電気的に接続されることにより、上記回路とは別の回路の動作を切り替える第3の接点部を備えていても良い。この場合、ばね部材の復元力が解放されると、第2の接点部が変位し、第3及び第2の接点部の電気的な接続が切断されると共に、第1及び第2の接点部が電気的に接続される。
例えば、第3の接点部は板ばねで構成され、その一面から突出する突出部を有し、第1の接点部は、絶縁膜を介して第3の接点部の一面に固定され、突出部の突出高さが第1の接点部の高さより高くなる。この場合、第2の接点部は、ばね部材が変形した状態で、突出部の先端部に当接すると共に、第1の接点部を覆うように配置される。一方、ばね部材が復元すると、その復元力により、第2の接点部が変位する。そして、突出部を介して、第3の接点部が押圧され撓み変形させられると共に、第1の接点部を覆う第2の接点部の一部が第1の接点部に接触する。その接触した後は第1の接点部を介して、第3の接点部がばね部材によって押圧されて撓み変形させられ、第3の接点部の突出部が第2の接点部からから離間する。
例えば、回路は、第1及び第2の回路を含み、第1及び第2の回路それぞれは、第1及び第2の接点部それぞれに電気的に接続され、第2の接点部が第1の接点部に電気的に接続され、又は切断されて、第1回路と第2の回路との接続状態が変化する。第1及び第2の回路それぞれは、例えば、一方が電源であり、他方が電源からの供給電力により動作する動作回路である。
本発明においては、挿通部を介して外部からばね部材への押圧状態を変化させることにより、電力供給状態が変化するので、飲み込み型医療機器を分解せずに、簡単な構成で、回路動作を切り替えることができる。また、挿通部を挿通させるために設けられた穴は、動作切替と共に、密着部によってシールされるので飲み込み型医療機器内部の気密性が確保される。
以下本発明について図面を用いて説明する。
図1〜3は、本発明の動作切替機構がカプセル内視鏡に適用された第1の実施形態を示す。なお、以下に説明する実施形態においては、飲み込み型医療機器の動作の切替として、カプセル内視鏡の電源の投入を例としている。なお、以下の説明においては、カプセル外殻11の軸が図1における左右方向に延びるものとし、図1における左右上下を左右上下として説明する。
図1〜3は、本発明の動作切替機構がカプセル内視鏡に適用された第1の実施形態を示す。なお、以下に説明する実施形態においては、飲み込み型医療機器の動作の切替として、カプセル内視鏡の電源の投入を例としている。なお、以下の説明においては、カプセル外殻11の軸が図1における左右方向に延びるものとし、図1における左右上下を左右上下として説明する。
カプセル内視鏡10は、嚥下されることにより体内に飲み込まれ、体内の様子を観察することができる飲み込み型医療機器である。図1に示すようにカプセル内視鏡10は、その内部がカプセル外殻11で密閉されて構成される。カプセル外殻11は、円筒形状の本体部11Jと、本体部11Jの両端部に連設され、外側に膨らんで略半球面状に形成される一端面(右端面)11A及び他端面(左端面)11Bとによって構成される。カプセル外殻11の右端面11Aは、被写体が撮像でき、かつ照明光が外部に照射できるように、透明カバーで構成されると共に、カプセル外殻11の他の部分は不透明カバーで構成される。
カプセル外殻11の内部には、被写体を撮像するための撮像素子12と、撮像素子12に被写体像を結像させるためのレンズ13と、各種回路を備える回路ユニット14(第1の回路)と、電池から構成され、回路ユニット14に電力を供給するための電源15(第2の回路)と、体内を照明するための光源装置16とが設けられる。
カプセル外殻11の左端面11Bの先端部Yには、穴21が設けられると共に、穴21内部に挿通される防水部材23が設けられる。先端部Yにおいて、カプセル外殻11の内壁11Cには、穴21を取り囲むように円環状のパッキン22(被密着部)が固着されている。パッキン22は、例えば生体適合性が良好なゴム、樹脂等で形成され、断面四角形に形成される。
穴21は、カプセル外殻11の外部に連通する第1の穴部21Aと、カプセル外殻11の内部及び第1の穴部21Aに連通し、第1の穴部21Aより径の大きい第2の穴部21Bで構成される。このように、穴21は径の異なる2つの部分で形成されることにより、内壁11C側に凹陥部21Eが形成され、その凹陥部21Eに円環状のパッキン22が嵌合している。そして、穴21の内周面及びパッキン22の内周面は同一の曲率を有する円周面に形成され、これらの内部は、軸がカプセル外殻11の軸に一致して左右方向に延びる円柱空間に形成される。
防水部材23は、略円柱状に形成される挿通部23Aと、挿通部23Aの右端部に一体に形成される密着部23Bとを備える。防水部材23及びパッキン22の軸は、穴21の軸に一致する。挿通部23Aは、穴21の内部及びパッキン22の内部を挿通し、その左端部がカプセル外殻11の外壁11Dから突出して、カプセル外殻11の外部に配置される。また、挿通部23Aの右端部及び密着部23Bがカプセル外殻11の内部に配置される。挿通部23Aの外周面は、穴21及びパッキン22の内周面に密着しておらず、防水部材23(すなわち、挿通部23A及び密着部23B)は、カプセル外殻11の外部又は内部から押圧等されることにより、カプセル外殻11に対して、左右に変位することが可能である。
密着部23Bは、その径が挿通部23Aの径よりも大きくかつ右側(すなわち、外殻11の内部側)に向かうにつれて徐々に大きくされ、密着部23Bの右端面23Cが略平面状に形成された略半球形に形成される。防水部材23は、例えば生体適合性の良好なゴム、樹脂等で形成され、後述する板ばね25との絶縁性を保つために好ましくは絶縁体で形成される。また、高いシール性を確保しやすくするために、防水部材23は、弾性を有し、パッキン22と同一の材料で形成されることが好ましい。
カプセル外殻11の左端面11Bの内壁11C側には、金属で構成される第1の接点部24と、細長の金属で形成される板ばね25が配置されている。第1の接点部24は、穴21より下側において内壁11Cに固定されており、例えば金属片が接着剤等によって内壁11Cに接着されて形成され、又は金属が蒸着されることによって内壁11Cに形成される。
図3に示すように、板ばね25は、略同一幅を有する第1及び第2の本体部25B、25Cと、これら第1及び第2の本体部25B、25Cを接続し、第1及び第2の本体部25B、25Cより細幅の接続部25Dによって一体に形成される。図1に示すように、第1の本体部25Bの上端部25Aは、穴21の右上側の内壁11Cに、接着剤等で固定され、板ばね25の基端部を構成する。第1の本体部25Bは、上端部25Aから僅かに左側に湾曲しつつ下方向に延出する。
板ばね25の第2の本体部25Cは、その下端部が第1の接点部24に近づくように左側に折り曲げられており、折り曲げ先端部25Eに形成される。折り曲げ先端部25Eは、図2に示すように、板ばね25が復元された状態では、第1の接点部24に接触する第2の接点部を構成する。板ばね25の第1の本体部25Bの左面には、密着部23Bの右端面23Cが固着され、これにより、板ばね25と防水部材23とは一体に形成される。但し、右端面23Cは板ばね25に当接していれば、板ばね25に固着していなくても良い。
回路ユニット14及び電源15は、それぞれ第1の接点部24及び板ばね25(第2の接点部)に導線等によって導通される。板ばね25の折り曲げ先端部25Eが、第1の接点部24に接触し、第1の接点部24と折り曲げ先端部25Eとが電気的に接続すると、電源15から回路ユニット14へ電力が供給される。また、折り曲げ先端部25Eが第1の接点部24から離間し、これらが電気的に切断されると、回路ユニット14には電源15から電力が供給されない。
回路ユニット14への電源の供給が開始されると、回路ユニット14の駆動が開始され、光源装置16から照明光が照射されると共に、撮像素子12が駆動され映像信号の生成が開始される。回路ユニット14の駆動開始後、カプセル内視鏡10は患者等の被検査者によって嚥下される。嚥下されたカプセル内視鏡10は、光源装置16の照明光を用いて体内(被写体)を照明し、撮像素子12によって、照明した被写体を撮像し、画素信号が生成される。
カプセル内視鏡10は、工場出荷時(すなわち、初期状態では)、ケース部材40に格納され、その格納された状態で使用される直前まで保管される。ケース部材40は、一方の面が、カプセル内視鏡10の出し入れのために開口された直方体の箱形状を呈する。カプセル内視鏡10がケース部材40の内部に保管されるとき、ケース部材40の開口部40Aは蓋部42によって覆われ、カプセル内視鏡10はケース部材40及び蓋部42によって密閉されて保管される。
ケース部材40の長さは、カプセル外殻11の軸方向(すなわち、左右方向)の長さに略等しく、カプセル内視鏡10がケース部材40の内部に格納されると、防水部材23は、ケース部材40の内面41に押圧され、相対的に左側に変位し、所定位置に配置された状態で静止される。防水部材23が所定位置に配置された状態では、板ばね25は基端部25Aを起点に、右側に撓み変形した状態で静止され、上述したように第1の接点部24から離間されている。また、密着部23Bは、パッキン22から離間して配置される。
一方、カプセル内視鏡10がケース部材40から取り出されると、防水部材23は、ケース部材40に押圧されなくなる。したがって、板ばね25は、防水部材23からの外力が解放されて復元し、そのばね部材25の復元力により、折り曲げ先端部25Eが左側に変位し、折り曲げ先端部25Eが第1の接点部24に接触する。折り曲げ先端部25E及び第1の接点部24が接触すると、回路ユニット14の駆動が開始される。防水部材23も同様に、ばね部材25の復元力によって押圧されて左方向に(すなわち、防水部材23の密着部23Bが、カプセル外殻11の内部から内壁11Cに向けて)変位し、これにより密着部23Bの外周面23Eは、パッキン22に全周にわたって密着し、穴21がシールされる。
板ばね25は、折り曲げ先端部25Eが第1の接点部24に接触した状態からさらに左方向に押圧され、第2の本体部25Cが細幅の接続部25Dを起点に右側に折り曲げられる。これにより、板ばね25は、第1の接点部24に接触した後も、第1の本体部25Bが復元力によって左方向に撓み変位することが可能であるので、密着部23Bは左方向に押圧されてパッキン22に密着し、これらの間は高い密着性が確保される。
以上のように本実施形態では、カプセル内視鏡10がケース部材40から取り出されることにより、自動的に電源が投入されるので、カプセル内視鏡10を分解したり、特別な装置を用いたりすることなく、容易かつ確実に電源を投入することができる。また、電源15は、初期状態においては、回路ユニット14から電気的に分離されているので、初期状態における電源15の電力消費を抑えることができる。また、電源投入後、穴21のシール性は、密着部23B及びパッキン22から形成されるシール構造により確保されるので、カプセル内視鏡10の内部への水等の浸入が防止され、カプセル外殻11内部の気密性が確保される。
さらに、本実施形態では、ケース部材40からカプセル内視鏡10が取り出され電源が投入された後でも、カプセル内視鏡11を再度ケース部材40の内部に格納することにより、回路ユニット14への電源供給が停止する。したがって、本実施形態では、電源のオンオフを容易に切り替えることができる。
図4は、本発明の第2の実施形態に係るカプセル内視鏡を部分的に示すための断面図である。本実施形態では、密着部23Bが、挿通部23Aと別体に設けられている点、及び板ばね25の内壁11Cへの固定構造を除いて第1の実施形態と同様である。以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を説明する。
本実施形態に係る挿通部23Aは、円柱の両端が面取りされた形状を呈し、穴21及びパッキン22の内部を挿通し、挿通部23Aの左端部がカプセル外殻11の外部に、右端部がカプセル内視鏡11の内部に配置される。
挿通部23Aと別体に設けられた密着部23Bは、左方向に向けて膨らんだ略半球形に形成される。密着部23Bの右端面23Cは平面状に形成され、第1の実施形態と同様に板ばね25の第1の本体部25Bの左面に固着されていると共に、密着部23Bの左先端部は密着部23Bの右端部に接触している。
穴21の右上側の内壁11Cには、内壁11Cから内部に向けて突出する突出壁11Fが設けられ、その突出壁11Fには、内壁11Cに沿うように左下方向に向けて開口するスリット11Gが形成される。板ばね25の上端部25Aは、そのスリット11Gの内部に挿入され、スリット11Gに固定されている。
カプセル内視鏡10が保持部41内部に格納された初期状態では、挿通部23Aは、ケース部材40によって右側に押圧されており、板ばね25も、挿通部23A及び密着部23Bを介して右方向に押圧された状態にある。したがって、板ばね25は初期状態において、右側に撓み変形した状態で静止され、折り曲げ先端部25Eは第1の接点部24から離間している。
一方、カプセル内視鏡10がケース部材40から取り出されると、板ばね25の復元力により、折り曲げ先端部25Eが左方向に変位し、折り曲げ先端部25Eが第1の接点部24に接触する。また、密着部23Bも左方向に変位し、パッキン22に密着する。さらには、挿通部23Aも左方向に押圧されて変位し、穴21から抜き去られる。
したがって、本実施形態でも、カプセル内視鏡10をケース部材40から取り出し、かつ挿通部23Aが抜き去られることにより、回路ユニット14(図1参照)の駆動が開始されるので、簡単な操作で電源を投入することができる。また、穴21のシール性も、パッキン22と密着部23Bによって確保することができる。さらには、板ばね25は、スリット11Gの内部に挿入されることによりカプセル内視鏡の内壁11Cに固定されるので、板ばね25を安定的にカプセル内視鏡10に取り付けることができる。また、挿通部23Aは、穴21から抜き去られるので、カプセル内視鏡が嚥下されるとき、外壁11Dから突出する部分がなくなり、嚥下等を円滑に行いやすくなる。
なお、本実施形態では、挿通部23Aがケース部材40に固定されることにより、ケース部材40と挿通部23Aが一体に形成されていても良い。このような構成によれば、板ばね25の復元力によらずに、カプセル内視鏡10をケース部材40から取り出すことによって自動的に挿通部23Aを穴21から抜き去ることができる。なお、挿通部23Aは、ケース部材40と一体に形成されていない場合でも、板ばね25の復元力によらず、穴21から引っ張られて抜き取られても良い。
なお、挿通部23Aを抜き去るために、図5に示すように、挿通部23Aには、抜き去るのを介助するための挿通部23Aと一体に形成されたハンドル部71があってもよい。また、図6のように、挿通部23Aは、糸72などでケース部材40と接続されていても良い。これにより、抜き忘れを防止できる。
図7、8は、本発明の第3の実施形態に係るカプセル内視鏡を示す。第1の実施形態においては、密着部23Bがカプセル外殻11の内部に配置されているが、本実施形態では、密着部23Bがカプセル外殻11の外部に配置されている。また、密着部に密着されるパッキンが設けられず、密着部に密着される被密着部はカプセル外殻11の外壁11Dそのもので構成される。以下、第3の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態において、先端部Yの穴21は、カプセル外殻11の内部に連通する略円柱形の第1の穴部21Aと、第1の穴部21Aの左側に連通し、かつカプセル外殻11の外部に連通する第2の穴部21Cで構成される。第2の穴部21Cは、その径が第1の穴部21Aの径よりも大きくかつ左側(すなわち、外殻11の外部側)に向かうにつれて徐々に大きくされた略半球形に形成される。
穴21には、第1の実施形態と同様に、軸が穴21の軸に一致する防水部材23が挿通されている。防水部材23は、略円筒状に形成される挿通部23Aと、挿通部23Aの左端部に一体に形成される密着部23Bとを備える。挿通部23Aの右端部はカプセル外殻11の内部側に配置されると共に、密着部23Bはカプセル外殻11の外部側に配置される。
挿通部23Aは、その径が第1の穴部21Aの径よりも小さく、第1の穴部21Aの内周に密着しないように、第1の穴部21Aの内部に挿通されている。また、密着部23Bは、挿通部23Bより径が大きく、左側に向かうに従ってその径が徐々に大きくなる形状を呈し、その外周面23Eが第2の穴部21Cの内周に略一致した形状を呈する。また、密着部23Bの左端面23Dは、左端部11Bの外壁11Dの曲率に略一致するように中央部が僅かに膨らんだ形状を呈する。
カプセル外殻11の内部には、左端面11Bの内壁11Cの上方側に接続され、かつ上下方向に平行な第1の壁面11Hと、第1の壁面11Hよりも右側において左端面11Bの内壁11Cの下方側に接続され、かつ上下方向に平行な第2の壁面11Iとが設けられる。第1及び第2の壁面11H、11Iそれぞれには、板ばね25及び第1の接点部24が設けられる。
第1の接点部24は、金属板等の導電体で形成され、一部が第2の壁面11Iに固着されると共に、一部が第2の壁面11Iから上方に突出するように設けられている。板ばね25は、略同一幅を有する第1及び第2の本体部25B、25Cと、これら第1及び第2の本体部25B、25Cを接続し、第1及び第2の本体部25B、25Cより細幅の接続部25Dによって一体に形成される。第1の本体部25Bは、第1の壁面11Hに固着される板ばねの基端部を構成する。第2の本体部25Cは接続部25Dを介して第1の本体部25Bから下方に向けて延出する。第2の本体部25Cは、その下端部が第1の接点部24に近づくように右側に折り曲げられ、折り曲げ先端部25Eに形成される。
板ばね25は、外力が作用されていないとき、図8に示すように、折り曲げ先端部25Eを除いて上下方向に直線的に延在すると共に、折り曲げ先端部25Eの先端部が、第1の接点部24の第2の壁面11Iから突出した部分に接触している。また、板ばね25の第2の本体部25Cの左面には、挿通部23Aの右端部が固着され、板ばね25と防水部材23は一体的に形成される。したがって、防水部材23が左方向に引っ張られて変位すると、その変位に合わせて板ばね25は左方向に撓められる。
初期状態において、密着部23Bは、カプセル外殻11の外壁11Dから突出した位置に配置されており、第2の穴部21Cの内周面と、密着部23Bの外周面23Eとの間には隙間Sが形成される。そして、その隙間Sには、シート状の差込部材30が差し込まれ、密着部23Bは第2の穴部21Cから離間した位置に配置されて保持される。このような状態において、板ばね25は防水部材23によって、左方向に引っ張られて撓め変形させられており、折り曲げ先端部25Eの先端部は第1の接点部24から離間する。なお、板ばね25は、撓められるとき、接続部25Dを起点に第2の本体部25Cが折り曲げられて撓められる。
本実施形態では、差込部材30が引き抜かれることにより電源が投入される。すなわち、差込部材30が引き抜かれると、防水部材23による引張力が解放されることにより、板ばね25が復元し、折り曲げ先端部25Eが右方向に変位し第1の接点部24に接触する。また、板ばね25の復元力により、防水部材23が右方向に引っ張られて変位するので、密着部23Bも合わせて右方向に変位し、密着部23Bの外周面23Eが第2の穴部21Cの内周面に密着される。ここで、密着部23Bの外周面23Eと第2の穴部21Cの内周面は一致する形状を呈するため、密着部23Bと第2の穴部21Cとの間には隙間が生じない。
以上のように、本実施形態においては、第1の実施形態と同様に簡単な構成で電源を投入することができ、また電源投入後においては、穴21が密着部23Bによってシールされるので、カプセル外殻11内部の気密性が確保される。
なお、本実施形態においても、密着部23Bが密着される被密着部は、第2の穴部21Cの内周面、すなわち、カプセル外殻11の外壁11Dそのものであったが、第2の穴部21Cの内周面にはパッキンが設けられていても良い。パッキンは、例えば、第1の穴部21Aを取り囲むように円環状に形成される。
図9は本発明の第4の実施形態に係るカプセル内視鏡の断面図である。本実施形態では、ばね部材として板ばねの代わりにコイルばねが設けられた実施形態である。以下、本実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態では、左端面11Bが上下方向に平行な平面に形成されると共に、その左端面11Bの中央部に穴21が設けられる。左端面11Bの内壁11Cには、第1の実施形態と同様のパッキン22が取り付けられ、穴21、パッキン22には、第1の実施形態と同様に防水部材23が挿通される。すなわち、防水部材23は、挿通部23A及び密着部23Bで構成され、挿通部23Aの左端部はカプセル外殻11の外壁11Dから外部に向けて突出すると共に、密着部23Bはカプセル外殻11の内部に配置される。
左端面11Bの内壁11Cにおいて、穴21の下側には第1の端子部24が設けられる。第1の端子部24は、左端面11Bの内壁11Cに固定される基端部24Aと、その基端部24Aから右上に向けて延出する延出部24Bと、延出部24Bの上端が左上に折り曲げられて形成された折り曲げ部24Cとから成る。第1の端子部24は、金属等の導電体であって、板ばねで構成され、折り曲げ部24Cと延出部24Bとの接続部24Eが、最も右側に位置し、接続部24Eが後述する電池31の左端面31Lに接触する。
カプセル外殻11の本体部11Jの内壁11Cには、左右方向における同一の位置に、第1及び第2の突起(支持部材)33A、33Bが連設される。第1及び第2の突起33A,33Bは、内壁11Cから上下方向に平行に内側に向けて突出する第1の突出部34と、第1の突出部34の先端部から左方向に向けて突出する第2の突出部35によって鉤状に形成される。
カプセル外殻11の内部には、電池(第2の回路)31と、コイルばね32とがカプセル外殻11に同心的に配置される。電池31はボタン電池であって、その外径がカプセル外殻11の本体部11Jの内径に略等しい。コイルばね32は、その内周面側に第1及び第2の突起33A、33Bそれぞれの第2の突出部35が挿入され、コイルばね32の軸が左右方向に対して傾くのが防止される。コイルばね32の一端部32Aは、第1の突起33Aの第1の突出部34に当接して支持される。
電池31は、その右端面31R及び左端面31Lそれぞれがマイナス電極、プラス電極となり、電池31の左端面31Lが密着部23Bの右端面23Cに当接されると共に、右端面31Rはコイルばね32の他端部32Bに当接して支持されている。
カプセル外殻11の内部には、さらに、第1の実施形態と同様に、回路ユニット14、撮像素子12、光源装置16、レンズ13が設けられている。回路ユニット14は、コイルばね32に例えば導線によって接続されて導通しており、これにより回路ユニット14はコイルばね32を介して、電池31のマイナス電極に導通している。一方、回路ユニット14は、例えば、不図示の導線を介して、第1の端子部24に導通している。したがって、電池31の左端面31L(プラス電極)が第1の端子部24に接触すると、電池31から回路ユニット14へ電力が供給される。また、第1の端子部24が第1の接点部24から離間し、これらが電気的に切断されると、回路ユニット14には電池31から電力が供給されない。
本実施形態の初期状態においては、防水部材23は、ケース部材40によって押圧されることにより、電池31を押圧する位置に保持させられている。すなわち、電池31の左端面31Lは、防水部材23に押圧された状態で保持され、第1の端子部24から離間させられる。したがって、電池31から回路ユニット14には、電力が供給されていない。また、コイルばね32は、電池31を介して防水部材23に押圧された状態で保持され、圧縮変形した状態で保持されている。
一方、カプセル内視鏡10がケース部材40から取り出されると、防水部材23からの外力が解放されてコイルばね32が復元する。その復元力により、電池31及び防水部材23は左方向に変位し、電池31の左端面31Lが第1の端子部24を押圧して接触することとなる。したがって、電池31から回路ユニット14に、電力が供給される。なお、このとき、第1の端子部24は、板ばねで構成されるため、左方向に撓め変形させられる。また、防水部材23の変位により、防水部材23の密着部23Bがパッキン22に密着し、穴21がシールされる。
以上のように、本実施形態でも、カプセル内視鏡10をケース部材40から取り出すことによって、回路ユニット14の駆動が開始される。また、回路ユニット14の駆動が開始されると、密着部23Bとパッキン21によって穴21がシールされ、カプセル外殻11の内部の気密性が確保される。また本実施形態では、コイルばね32の内部に設けられた空間には、回路基板等配置することが可能であり、スペースの有効活用が可能となる。
なお、第1の端子部24は撓み変形させられるため、その復元力によって電池を押圧することになるが、第1の端子部24の復元力は、コイルばね32の復元力に比べて小さいので、密着部23Bがパッキン22に密着することを妨げることはない。また、初期状態において第1の端子部24の接続部24Eは、パッキン22より右側に配置されるので、第1の接点部24と電池31の左端面31Lとの接触は確実に確保される。なお、接続部24Eは、カプセル内視鏡10がケース部材40から取り出された状態では電池31によって押圧され、左右方向においてパッキン22と同一位置に配置される。
なお、本実施形態では、コイルばね32の一端部32Aは、回路ユニット14が装着される回路基板(不図示)のグランドパターンに当接させられることで、回路基板によって支持されていても良い。この場合、コイルばね32と回路ユニット14とを接続するための配線は不要になる。また、本実施形態の場合、コイルばね32を用いているため、電池31に加わる弾性が電池31の底面周囲に均一に加わるので、電池31が円滑に移動できると共に、電池31の移動量を比較的大きく確保できる。
また、ばね部材の復元力によって電池31が変位する本実施形態においても、図10の変形例のように、コイルばね32の代わりに、板ばね25が用いられても良い。本変形例では、内壁11Cから上下方向に平行に突出する突起(支持部)133A、133Bに回路基板73が設けられると共に、その回路基板73の左面にグランドパターン74が設けられる。そして、そのグランドパターン74に半田付けされた板ばね125によって、電池31及び防水部材23が左方向に押圧付勢されている。このような構成によれば、本体部11Jの内容積を小さくできる。
図11は本発明の第5の実施形態に係るカプセル内視鏡の断面図である。第4の実施形態では、挿通部23Aと一体に形成された密着部23Bが設けられるが、本実施形態では、電池31の左端面がパッキン22(被密着部)に密着する密着部となる。以下、本実施形態について、第4の実施形態との相違点について説明する。
第5の実施形態においては、左端面11Bの内壁11Cの中央部には、内壁11Cから右方向に立ち上げられるボス部36が設けられ、穴21はそのボス部36を左右方向に貫通する。ボス部36の立ち上がり端面36Aには、第4の実施形態と同様に、穴21を取り囲むように円環状に形成されたパッキン22が取り付けられる。ボス部36の下側における、左端面11Bの内壁11Cには、第4の実施形態と同様に、第1の端子部24が設けられる。
本実施形態に係る挿通部23Aは、円柱が面取りされた形状を呈し、穴21及びパッキン22の内部を挿通して配置される。挿通部23Aの左端部はカプセル外殻11の外部に配置される。また挿通部23Aの右端部は、カプセル外殻11の内部に配置され、電池31の左端面31Lに当接している。なお、本実施形態において、電池31は、左右方向に直列接続されて並べられた2つのボタン電池31Dで構成される。なお本実施形態において、電池31の左端面31Lは、第1の端子部24に接触する部分以外は、絶縁膜で被膜されている。このような構成により、電池31の端面の金属部分が外部に露出することが防止される。勿論、使用態様によっては絶縁膜が省略されても良い。
初期状態において、挿通部23Aは、ケース部材40によって電池31を押圧する位置に保持される。すなわち、電池31及びコイルばね32は挿通部23Aによって右方向に押圧され、コイルばね32は圧縮変形させられている。また、電池31の左端面31Lは第1の端子部24から離間して配置される。
一方、カプセル内視鏡10がケース部材40から取り出されると、コイルばね32の復元力により、電池31及び挿通部23Aが左方向に変位する。左方向に変位した電池31の左端面31Lは、第1の端子部24の接続部24Eに接触して押圧し、第1の端子部24を左方向に撓めさせると共に、パッキン22にも密着する。挿通部23Aは、コイルばね32の復元力により、又は外部から引っ張られることによって穴21から抜き去られる。なお、本実施形態でも、挿通部23Aには、抜き去るのを介助するためのハンドル部があってもよいし、糸などでケース部材40と接続されていてもよい。
本実施形態でも、第1〜第4の実施形態と同様に、ケース部材40からカプセル内視鏡10を取り出すことによって、又はカプセル内視鏡10を取り出すと共に挿通部23Aを引っ張られることによって電源が投入される。電源投入後、電池31は、コイルばね32の復元力により左方向に押圧させられた状態でパッキン31に密着するので、穴21は電池31の左端面とパッキン22によって確実にシールされ、カプセル外殻内部の気密性が確保される。
図12は、本発明の第6の実施形態に係るカプセル内視鏡の断面図である。第5の実施形態では、電池の左端面31Lが密着部として直接パッキンに密着して、穴21がシールされたが、本実施形態では、電池31の左端面に電池31とは別体のシート状密着部38が貼付されている。また、本実施形態では、左端面11Bの内壁11Cには、パッキン22を取り囲むように円環状のサブパッキン37がパッキン22に同心的に設けられる。パッキン22及びサブパッキン37は、本実施形態では、断面円形に形成されるが、第1の実施形態と同様に断面四角形に形成されても良い。なお、シート状密着部38は、例えば、ゴム、樹脂等の絶縁体で形成され、パッキン22、37に密着しやすいように弾性を有し、好ましくはパッキン22、37と同一の材料で形成される。
本実施形態では、穴21に連通せず、円環状に形成された断面半円の溝部21Dがボス部36の立ち上がり端面36Aに設けられ、溝部21Dにパッキン22が嵌合される。また、ボス部36を取り囲むように、円環状の突起47も設けられ、その突起47の先端面にサブパッキン37を嵌合するための、円環状で断面半円のサブ溝47Bが設けられる。
カプセル内視鏡10がケース部材40から取り出されると、コイルばねの復元力により、シート状密着部38及び電池31が左方向に変位させられる。そして、シート状密着部38がパッキン22及びサブパッキン37に密着し、これにより穴21がシールされる。なお、本実施形態では、電池31とは別体のシート状密着部38と、サブパッキン37が設けられたことにより、カプセル外殻11の内部の気密性がより確実に確保される。
図13、14は、第7の実施形態に係るカプセル内視鏡を示すための断面図である。第7の実施形態におけるカプセル内視鏡10の内部には、回路として、回路ユニット14に加えて副回路ユニット19が設けられ、さらに第3の接点部29が設けられている点が第1の実施形態と相違する。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態における副回路ユニット19は、例えば、電力が供給されることにより、時間を計時するタイマーである。回路ユニット14及び副回路ユニット19それぞれは、第1の接点部24、第3の接点部29に導通していると共に、電源15は板ばね25に導通している。
第3の接点部29は、金属等の導電体から成る板ばねで構成される。第3の接点部29は、略同一幅を有する第1及び第2の本体部29B、29Cと、これら第1及び第2の本体部29B、29Cを接続し、第1及び第2の本体部29B、29Cより細幅の接続部29Dによって一体に形成される。したがって、図14に示すように、第2の本体部29Cは接続部29Cを起点に左方向に容易に折り曲げ可能である。
第1の本体部29Bは、板ばねの基端部を構成し、穴21の右下側において内壁11Cに固定される。第2の本体部29Cは、接続部29Dを介して第1の本体部29Aから上方向に延出する。また、第2の本体部29Cは、その上端部が右方向に突出して突出部29Eに形成される。第3の本体部29Cの右面側には、さらに第1の接点部24が固着されている。第1の接点部24と第3の接点部29との間は、絶縁膜が被膜されており、これにより、第1の接点部24と第3の接点部29との間は絶縁される。なお、突出部29Eの突出高さは、第1の接点部24の高さより高く、突出部29Eの先端部は、第1の接点部24の右面よりも右側に配置される。
板ばね25は、本実施形態では、穴21の左上方において、内壁11Cに固定される上端部25Xと、左方向に僅かに湾曲しつつ上端部25Xから下方に向けて延出する延出部25Yと、延出部25Yの下端部に連設される先端部25Zから成る。先端部25Zは、第1及び第3の接点部24、29に接触するための第2の接点部となる。
板ばね25は、初期状態において、防水部材23によって押圧され、右方向に撓み変形させられた状態にある。その撓められた状態で、板ばね25の先端部25Zは、第3の接点部29の突出部29Eに接触していると共に、その先端部25Zの下側部分が第1の接点部24の右面を覆うように配置される。したがって、初期状態において、副回路ユニット19は、電源15に電気的に接続され、電源15から電力が供給されている。一方、回路ユニット14には、電源15に電気的に接続されず、電源15から電力が供給されない。
カプセル内視鏡10がケース部材40から取り出されると、挿通部23Aによる外力が解放されることにより、板ばね25が復元する。板ばね25の復元により、板ばね25の先端部25Zは左方向に変位し、第3の接点部29は突出部29Eを介して左方向に押圧される。この押圧により、第3の接点部29は、接続部29Dを起点に左方向に折り曲げられて撓み変形し、第2の接点部24の右面を左方向に傾けさせ、第2の接点部24の右面を先端部25Zの第2の接点部24を覆う部分に接触させる。これらの接触後は、板ばね25によって、第1の接点部24を介して、第3の接点部29が押圧されて撓み変形させられ、突出部29が板ばね25の先端部25Zから離間させられる。これにより、回路ユニット14は、電源15に電気的に接続され、電源15から電力が供給されると共に、電源15から副回路ユニット19への電力供給は停止される。
以上のように、本実施形態では、カプセル内視鏡10がケース部材から取り出されることにより、電力が供給される回路ユニットが、副回路ユニット19から回路ユニット14に変化させることができる。
図15は、第8の実施形態に係るカプセル内視鏡を示すための図である。本実施形態は、第5の実施形態において、回路ユニットとして、回路ユニット14に加えて副回路ユニット19が設けられ、さらには第3の接点部29が設けられた場合の実施形態である。なお、図15においては、撮像素子12、レンズ13、及び光源装置16は省略される。
本実施形態では、カプセル外殻11の左端面11Bの内壁11Cに、第7の実施形態と同様の構成を有する第1及び第3の接点部24、29が設けられ、初期状態において、電池31の左端面31Lが第3の接点部29に接触されている。そして、ケース部材40からカプセル内視鏡10が取り出されると、コイルばね32が復元し、これにより、電池31が第3の接点部29を押圧し、第7の実施形態と同様に、電池31の左端面31Lが第1の接点部24に接触することとなる。
以上のように、本実施形態でも、カプセル内視鏡10がケース部材から取り出されることにより、電力が供給される回路ユニットが、副回路ユニット19から主回路ユニット14に切り替えることができる。また、折り曲げ先端部25E、第3の接点部29の間の接続は切断されるので、電源15から副回路ユニット19への電力供給は停止される。
なお、上記各実施形態において、挿通部23A及び密着部23Bは、穴21の軸を中心に回転してできる回転体であれば、それぞれ略円柱形及び略半球形に形成されていなくても良い。また、上記各実施形態において、パッキンは適宜省略されても良い。また、各パッキン及びサブパッキンは周状に形成されていれば、円環状でなくても良く、例えば四角形の周状、楕円環状等に形成されていても良い。
また、上記各実施形態の初期状態では、カプセル内視鏡10がケース部材40の内部に格納されることによって、挿通部23Aがカプセル外殻11に対して一定位置に保持される。しかし、その他の部材によって挿通部23Aが一定位置に保持され、ばね部材(板ばね25又はコイルばね32)が押圧された状態が保持されていても良い。例えば、カプセル外殻11の外壁11Dと、挿通部(又は密着部)の左端部の両方に貼り付けられるシール部材によって、挿通部が一定位置に保持されても良い。
本発明における動作切替機構は、飲み込み型医療機器であれば、カプセル内視鏡以外にも適用可能である。また、電源の投入に限らず、複数の回路基板同士の接続を切り替えて、機能選択をおこなうような場合にも適用できる。
10 カプセル内視鏡
11 カプセル外殻
11B 左端面(他端面)
14 回路ユニット(第1の回路)
15 電源(第2の回路)
21 穴
23 防水部材
23A 挿通部
23B 密着部
24 第1の接点部
25 板ばね
25E 折り曲げ先端部(第2の接点部)
29 第3の接点部
40 ケース部材(保持部)
11 カプセル外殻
11B 左端面(他端面)
14 回路ユニット(第1の回路)
15 電源(第2の回路)
21 穴
23 防水部材
23A 挿通部
23B 密着部
24 第1の接点部
25 板ばね
25E 折り曲げ先端部(第2の接点部)
29 第3の接点部
40 ケース部材(保持部)
Claims (16)
- 嚥下可能な飲み込み型医療機器の外殻の内部に設けられた回路の動作を切り替えるための動作切替機構であって、
前記外殻内部に設けられ、電気的に接続されることにより前記回路の動作を切り替える第1及び第2の接点部と、
前記外殻の一部に穴が設けられ、その穴内部に変位可能に挿通する挿通部と、
前記穴を囲むように前記外殻に設けられた被密着部と、
前記被密着部に対して変位可能に設けられ、前記被密着部に密着することによって、前記穴をシール可能な密着部と、
前記挿通部の外力によって変形させられ、その変形した状態で保持されるばね部材とを備え、
前記挿通部による外力が解放されることにより前記ばね部材が復元し、その復元力によって、前記第2の接点部が変位し、前記第2の接点部が前記第1の接点部に電気的に接続され、又は切断されると共に、前記復元力により前記密着部が変位し前記被密着部に密着して前記穴をシールすることを特徴とする動作切替機構。 - 前記挿通部を、前記ばね部材を変形させる所定位置に保持する保持部を備え、
前記挿通部が前記保持部の保持から解放されると、前記ばね部材が復元することを特徴とする請求項1に記載の動作切替機構。 - 前記保持部は、前記飲み込み型医療機器を内部に格納し、その格納された状態で、前記挿通部を前記所定位置に保持するケース部材であって、
前記飲み込み型医療機器が前記ケース部材から取り出されると、前記挿通部が前記保持部の保持から解放されることを特徴とする請求項2に記載の動作切替機構。 - 前記回路に電力を供給する電池を備え、
前記第2の接点部が前記電池の一方の端部に設けられた電極であり、
前記ばね部材が前記電池の他方の端部に支持され、
前記一方の端部が前記挿通部によって押圧されることにより、前記ばね部材が前記電池を介して変形させられることを特徴とする請求項1に記載の動作切替機構。 - 前記電池の一方の端部に密着部が当接し、
前記ばね部材は、前記密着部及び前記電池を介して前記挿通部によって押圧変形させられ、
前記ばね部材の復元力により、前記密着部は前記電池と共に、変位させられること特徴とする請求項4に記載の動作切替機構。 - 前記ばね部材はその一端部が前記電池の他方の端部に支持され、他端部が外殻に設けられた支持部材に支持されるコイルばねであることを特徴とする請求項4に記載の動作切替機構。
- 前記ばね部材は、基端部が前記外殻の内壁に固定され、かつ先端部が前記第2の接点部に形成された板ばねであり、
前記板ばねは、前記挿通部を介した外部からの押圧により、前記基端部を起点に撓み変形させられて保持されることを特徴とする請求項1に記載の動作切替機構。 - 前記板ばねは、前記基端部を有する第1の本体部と、前記先端部を有する第2の本体部と、前記第1及び第2の本体部を接続し、これら本体部よりも細幅に形成された接続部とによって一体に形成され、
前記板ばねが復元されると、その復元力によって、前記板ばねの先端部が前記第1の接点部に押圧して接触すると共に、前記第2の本体部が前記接続部を起点に折り曲げられることを特徴とする請求項7に記載の動作切替機構。 - 前記密着部は、前記挿通部と一体に形成されることを特徴とする請求項1に記載の動作切替機構。
- 前記被密着部は前記外殻の内壁側に形成されると共に、
前記密着部は、前記ばね部材によって、前記外殻の内部から前記内壁に向けて押圧変位させられることにより、前記被密着部に密着することを特徴とする請求項1に記載の動作切替機構。 - 前記被密着部は、前記外殻の外壁側に形成されると共に、前記密着部は外殻の外部側に配置されており、
前記密着部は、前記ばね部材によって、前記外殻外部から前記外壁に向けて引っ張られて変位して、前記被密着部に密着することを特徴とする請求項1に記載の動作切替機構。 - 前記密着部が挿通部と別体に形成されると共に、
前記挿通部は前記穴から抜き去ることが可能であることを特徴とする請求項1に記載の動作切替機構。 - 前記第2の接点部に電気的に接続されることにより、前記回路とは別の回路の動作を切り替える第3の接点部を備え、
前記ばね部材の復元力が解放されることにより、前記第2の接点部が変位し、前記第3及び第2の接点部の電気的な接続が切断されると共に、前記第1及び第2の接点部が電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の動作切替機構。 - 前記第3の接点部は板ばねで構成され、その一面から突出する突出部を有し、
前記第1の接点部は、絶縁膜を介して前記第3の接点部の一面に固定されると共に、
前記突出部の突出高さは、前記第1の接点部の高さより高く、
前記ばね部材が変形した状態で、前記第2の接点部は、前記突出部の先端部に当接すると共に、前記第1の接点部を覆うように配置され、
前記ばね部材の復元力により、前記第2の接点部が変位することによって、前記突出部を介して、前記第3の接点部が押圧され撓み変形させられると共に、前記第1の接点部を覆う第2の接点部の一部が前記第1の接点部に接触し、
その接触した後は前記第1の接点部を介して、前記第3の接点部が前記ばね部材によって押圧されて撓み変形させられ、前記第3の接点部の突出部が前記第2の接点部からから離間することを特徴とする請求項13に記載の動作切替機構。 - 前記回路は、第1及び第2の回路を含み、
前記第1及び第2の回路それぞれは、前記第1及び第2の接点部それぞれに電気的に接続され、
前記第2の接点部が前記第1の接点部に電気的に接続され、又は切断されて、前記第1回路と前記第2の回路との接続状態が変化することを特徴とする請求項1に記載の動作切替機構。 - 前記第1及び第2の回路それぞれは、一方が電源であり、他方が前記電源からの供給電力により動作する動作回路であることを特徴とする請求項15に記載の動作切替機構。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007106419A JP2008259767A (ja) | 2007-04-13 | 2007-04-13 | 飲み込み型医療機器の動作切替機構 |
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JP (1) | JP2008259767A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102934983A (zh) * | 2012-10-24 | 2013-02-20 | 刘思德 | 一种胶囊内镜自稳的方法及自稳胶囊内镜 |
WO2013051258A1 (ja) * | 2011-10-03 | 2013-04-11 | パナソニック株式会社 | カプセル型内視鏡 |
JP2015509402A (ja) * | 2012-02-24 | 2015-03-30 | ウィルソン,ゴードン | 医療用カプセルのための電源制御 |
-
2007
- 2007-04-13 JP JP2007106419A patent/JP2008259767A/ja active Pending
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