JP2008124806A - スピーカー装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボイスコイルボビン(ボビン)の内側にダンパーを有するスピーカー装置において、センターポール(ポール)に対する接着剤を通じたダンパーの取付時に、その接着剤が主にセンターポールの貫通穴側へ入り込むのを防止する。
【解決手段】スピーカー装置は、ポールを含むヨークを有する磁気回路、ダンパー、ボビンを含む振動体を含む。ダンパーは、円板状の第1部材と円筒状の第2部材を備え、第1部材はボビンを弾性的に支持する可動部を含む。可動部の外周面はボビンの内周面に取り付けられる。ダンパーの第2部材は、ポールの上端面の内周部から外周部にかけて形成された凹状の溝に接着剤を用いて取り付けられている。これにより、ポールにダンパーを取り付ける時に、溝内に塗布された接着剤は溝内に留まる。よって、その接着剤がポールの貫通孔へ入り込むのを防止できると共に、可動部側へはみ出すのを防止でき、音質の向上に寄与し得る。
【選択図】図3
【解決手段】スピーカー装置は、ポールを含むヨークを有する磁気回路、ダンパー、ボビンを含む振動体を含む。ダンパーは、円板状の第1部材と円筒状の第2部材を備え、第1部材はボビンを弾性的に支持する可動部を含む。可動部の外周面はボビンの内周面に取り付けられる。ダンパーの第2部材は、ポールの上端面の内周部から外周部にかけて形成された凹状の溝に接着剤を用いて取り付けられている。これにより、ポールにダンパーを取り付ける時に、溝内に塗布された接着剤は溝内に留まる。よって、その接着剤がポールの貫通孔へ入り込むのを防止できると共に、可動部側へはみ出すのを防止でき、音質の向上に寄与し得る。
【選択図】図3
Description
本発明は、スピーカー装置におけるヨークに対するダンパーの取付構造に関する。
一般的に、スピーカー装置用のダンパーは、ボイスコイルが巻回された円筒状のボイスコイルボビンと、ボイスコイルボビンを取り囲むように設けられたフレームとの間に配置された状態で用いられる。このようなダンパーは、ボイスコイルを磁気ギャップ内の適正な位置に配置すると共に、ボイスコイルボビンを弾性的に支持する役割を有する。
また、ダンパーをボイスコイルボビンの外側に配置するのではなく、ボイスコイルボビンの内部にダンパーを配して構成されるスピーカー装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1に記載のスピーカー装置において、ダンパーは、その内周端が磁気回路に固定され、その外周端がドーム振動板のドーム部の外周端及びボイスコイルボビンの円筒内面に接合されている。これにより、スピーカー装置の全高を低く抑えることができ、同時に、周波数特性および耐入力特性に優れ、大入力時に異音が発生する等のスピーカー不良が生じないとされている。
また、特許文献2にも、ボイスコイルボビンの内面を支持して、ボイスコイルを磁気ギャップ内の適正な位置に位置決めすることのできるダンパーを有するスピーカー装置が記載されている。
特許文献2に記載のスピーカー装置において、リング状のダンパー(特許文献2中ではダンパー部材と呼称している。)は、ヨークのセンターポールの中心Oと同心の円柱状支持部を有し、その円柱状支持部は、センターポールの頂部に載置されている。なお、センターポールの頂部は凹状の断面形状に形成されている。これにより、ボイスコイルの上下振幅のバランスを適性に保つことができ、歪のない音を得ることができるとされている。
なお、特許文献3には、振動板から発生する音波を反射させるべく、その音波を拡散させるような凹凸表面構造を有する上部プレートを備えたスピーカー装置が記載されている。
また、特許文献4には、ボトムヨークのセンターポールの先端面のほぼ中心部分に、円柱状の凹部が形成されてなるスピーカー装置用磁気回路が記載されている。かかる構造により、センターポール内では磁束が周縁部に集中するようになり、磁気空隙内の磁束密度を高めることができるとされている。
また、特許文献5には、磁気回路を樹脂フレームの載置部上に安定した状態で固定することが可能なスピーカー装置が記載されている。この磁気回路は、断面形状が略逆T字状であるポールピースを有し、そのポールピースの中央部に形成されたセンターポールは凹状の断面形状である上端部を有する。このセンターポールの上端部には、高音再生用のスピーカーユニットを支持する支持部材が取り付けられている。
ここで、ボイスコイルボビンが規定する空間内にダンパーが配置される構造を有するスピーカー装置のうち、特に、上記した特許文献2に記載のスピーカー装置では、センターポールの外周部の近傍に、ボイスコイルボビンに向かって延在するダンパーの円柱状支持部を配置するようにしている。このため、凹状の断面形状を有するセンターポールの頂部に、接着剤を用いてダンパーの円柱状支持部を取り付ける際に、その接着剤が円柱支持部の外側に位置するダンパーと、センターポールの外周部との間にはみ出して、さらに、その状態で当該接着剤が硬化することにより、その硬化した接着剤がダンパーの可動を妨げてしまい、音質に悪影響を与えてしまう虞がある。
また、このスピーカー装置では、センターポールの上端部の内周部が音響放射方向に突出した形状を有しないので、接着剤を用いてセンターポールの上端部へのダンパーの円柱状支持部を取り付ける時に、その接着剤がセンターポールの中央部に設けられた円柱状の開口部に入り込んでしまうことがある。例えば、このスピーカー装置をツィータなどの高音再生用スピーカー装置として用い、さらに、その円柱状の開口部に連結部材を介して他のスピーカー装置(ウーファーなどの低音再生用のスピーカー装置)を取り付けることにより、コアキシャルスピーカーを構成する場合には、その円柱状の開口部に連結部材を取り付けることができず、これによりコアキシャルスピーカーを構成することができない虞がある。
本発明が解決しようとする課題としては、上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、ボイスコイルボビンの内部にダンパーが配置される構造を有するスピーカー装置において、ダンパーを接着剤を用いて、音響放射方向に位置するセンターポールの上端面(上端部が有する、振動板側の面)に取り付ける際に、その接着剤がボイスコイルボビンを弾性的に支持するダンパーの部分側へはみ出すのを防止すること、さらに、その接着剤がセンターポールの中央部に設けられた開口へ入り込むのを防止すること、を課題とする。
請求項1に記載の発明は、スピーカー装置であって、ヨークを有する磁気回路と、ボイスコイルボビン及びダンパーを有する振動体と、を備え、前記ヨークは、前記ダンパーを支持する柱状のセンターポールと、前記センターポールに形成された貫通孔と、を有し、
前記ボイスコイルボビンは、前記センターポールを取り囲むように配置され、前記ダンパーは、板状の第1部材と、前記第1部材から音響放射方向と逆側に向けて突出するように設けられた柱状の第2部材と、を備え、前記ダンパーの前記第1部材は、前記ボイスコイルボビンを弾性的に支持する可動部を有すると共に、前記可動部の外周面は、前記ボイスコイルボビンの内周面に取り付けられ、前記ダンパーの前記第2部材は、前記センターポールの内周部から外周部にかけて形成された凹状の溝に取り付けられていることを特徴とする。
前記ボイスコイルボビンは、前記センターポールを取り囲むように配置され、前記ダンパーは、板状の第1部材と、前記第1部材から音響放射方向と逆側に向けて突出するように設けられた柱状の第2部材と、を備え、前記ダンパーの前記第1部材は、前記ボイスコイルボビンを弾性的に支持する可動部を有すると共に、前記可動部の外周面は、前記ボイスコイルボビンの内周面に取り付けられ、前記ダンパーの前記第2部材は、前記センターポールの内周部から外周部にかけて形成された凹状の溝に取り付けられていることを特徴とする。
本発明の1つの実施形態では、スピーカー装置は、ヨークを有する磁気回路と、ボイスコイルボビン及びダンパーを有する振動体と、を備え、前記ヨークは、前記ダンパーを支持する柱状のセンターポールと、前記センターポールに形成された貫通孔と、を有し、
前記ボイスコイルボビンは、前記センターポールを取り囲むように配置され、前記ダンパーは、板状の第1部材と、前記第1部材から音響放射方向と逆側に向けて突出するように設けられた柱状の第2部材と、を備え、前記ダンパーの前記第1部材は、前記ボイスコイルボビンを弾性的に支持する可動部を有すると共に、前記可動部の外周面は、前記ボイスコイルボビンの内周面に取り付けられ、前記ダンパーの前記第2部材は、前記センターポールの内周部から外周部にかけて形成された凹状の溝に取り付けられている。
前記ボイスコイルボビンは、前記センターポールを取り囲むように配置され、前記ダンパーは、板状の第1部材と、前記第1部材から音響放射方向と逆側に向けて突出するように設けられた柱状の第2部材と、を備え、前記ダンパーの前記第1部材は、前記ボイスコイルボビンを弾性的に支持する可動部を有すると共に、前記可動部の外周面は、前記ボイスコイルボビンの内周面に取り付けられ、前記ダンパーの前記第2部材は、前記センターポールの内周部から外周部にかけて形成された凹状の溝に取り付けられている。
上記のスピーカー装置は、ヨークを有する磁気回路と、ボイスコイルボビン及びダンパーを有する振動体と、を備える。ヨークは、ダンパーを支持する柱状のセンターポールと、センターポールに形成された貫通孔と、を有する。ボイスコイルボビンは、センターポールを取り囲むように配置されている。ダンパーは、板状の第1部材と、第1部材から音響放射方向と逆側に向けて突出するように設けられた柱状の第2部材と、を備える。ダンパーの第1部材は、ボイスコイルボビンを弾性的に支持する可動部を有すると共に、可動部の外周面は、ボイスコイルボビンの内周面に取り付けられる。好適な例では、前記ダンパーの前記第2部材は、前記第1部材と、前記第1部材に対向する前記センターポールとの間に所定の間隙を形成すると共に、前記可動部が前記音響放射方向及び前記音響放射方向と逆方向に可動することを可能にする。
このスピーカー装置では、特に、ダンパーの第2部材は、センターポールの内周部から外周部にかけて形成された凹状の溝に取り付けられている。
これにより、接着剤を用いてセンターポールにダンパーを取り付ける時、溝内に塗布された接着剤は当該溝内に留まることになるため、その接着剤がセンターポールの貫通孔へ入り込むのを防止できる。
好適な例では、前記センターポールの前記貫通孔に挿入された連結部材を介して他のスピーカー装置が取り付けられるのが好ましい。これにより、このスピーカー装置を高音再生用スピーカー装置として用い、さらに、その貫通孔に連結部材を介して他のスピーカー装置(例えば、低音再生用のスピーカー装置など)を取り付けて、コアキシャルスピーカーを構成する場合であっても、その接着剤は突出した形状を有する内周部に阻害されて貫通孔に入り込むことがないので、その貫通孔に対して、当該連結部材を確実に取り付けることができ、コアキシャルスピーカーを確実に構成することができる。
また、上記の構成により、接着剤を用いてセンターポールにダンパーを取り付ける時、溝内に塗布された接着剤は当該溝内に留まることになるため、その接着剤がダンパーの可動部側に位置する、センターポールの外周部側へはみ出すのを防止できる。つまり、センターポールの外周部側に接着剤がはみ出した場合には、ダンパーの可動部とセンターポールとが接着されてしまい、前記可動部は振動板の動きに従って可動することが困難になるという問題を解消できる。好適な例では、ダンパーは一体成形されているのが好ましい。ここで、ダンパーが複数の部材で形成されている場合、例えば、第1の部材と第2の部材とが別部材として成形された後に接着剤等を用いて接合されている時、可動部を有する第1の部材がボイスコイルボビンと共に可動するため、その接合した個所にストレスがかかり接合力が時間の経過と共に低下し剥がれてしまう、つまりスピーカー装置の信頼性が低下するという問題を解消することができる。よって、スピーカー装置の駆動時に、その接着剤に阻害されることなくダンパーの可動部を適切に可動させることが可能となり、音質に悪影響を与えるのを防止できる。また、かかる構成により、ダンパーの第2部材の外周面の下端部の全ては、当該溝内に塗布された接着剤により固定されることになるため、センターポールの一端面に対するダンパーの第2部材の接合力を向上させることができる。
上記のスピーカー装置の他の態様では、前記ダンパーの前記第2部材は、前記貫通孔の近傍に取り付けられている。これにより、音響放射方向と直交する方向の、ダンパーの可動部の長さが長くなる。そのため、スピーカー装置の中心軸方向に対するダンパーの可動部の可動範囲(ひいては、ボイスコイルボビンの可動範囲)を大きくできるので、振動板を大きな振幅で動かすことができ、且つ振動板を大きな振幅で振動させ大音量で音を再生することができ、音質の向上に寄与し得る。また、かかる構成により、接着剤を用いセンターポールにダンパーを取り付けた時に、その接着剤はセンターポールの内周部側へは、より一層、はみ出し難くなり、さらにセンターポールとの接着力を大きくできる。よって、センターポールからダンパー、特にダンパーの第2部材がセンターポールから剥がれることを抑止できるので、振動板の振幅を大きくでき、且つ振動板を大きな振幅で振動させ大音量で音を再生することができ、スピーカー装置の信頼性の向上に寄与し得る。
以下、図面を参照して本発明の好適な各種の実施例について説明する。
[スピーカー装置の構成]
図1は、本発明の実施例に係るスピーカー装置100を、その中心軸L1を通る位置で切断した断面図を示す。
図1は、本発明の実施例に係るスピーカー装置100を、その中心軸L1を通る位置で切断した断面図を示す。
スピーカー装置100は、主として、ヨーク1と、マグネット2と、プレート3と、を有する内磁型の磁気回路30と、ボイスコイルボビン4と、ボイスコイル5と、ダンパー6と、振動板7と、を有する振動体31と、フレーム8と、その他の要素と、を備えて構成される。ここで、その他の要素には、吸音材9、コンデンサ10などが含まれる。
(磁気回路の構成)
磁気回路30の構成は次の通りである。
磁気回路30の構成は次の通りである。
ヨーク1は、断面逆T字状の形状を有し、後述するダンパー6を支持する円柱状のセンターポール11と、センターポール11の外周面の下端部から外側へ延在するフランジ部12と、を有する。センターポール11は、音響放射方向Y1に貫通する貫通孔11hを有する。例えば、本スピーカー装置100をツィータなどの高音再生用スピーカー装置として用い、さらに他のスピーカー装置をウーファーなどの低音再生用のスピーカー装置として用いることにより、コアキシャルスピーカーを構成する場合には、その貫通孔(例えば、螺子孔)11hには、連結部材(例えば、ボルトなど;図示略)を介して、当該他のスピーカー装置が取り付けられる。マグネット2は、環状の形状を有し、ヨーク1のフランジ部12上に取り付けられている。プレート3は、環状の形状を有し、マグネット2上に取り付けられている。プレート3の内周面とヨーク1の上端部の外周面との間には、マグネット2の磁束が集中する磁気ギャップ32が形成されている。
(フレームの構成)
フレーム8は、環状の形状を有する。フレーム8は、プレート3上に取り付けられ、振動体31を支持する役割を有する。
フレーム8は、環状の形状を有する。フレーム8は、プレート3上に取り付けられ、振動体31を支持する役割を有する。
(振動体の構成)
振動体31の構成は次の通りである。
振動体31の構成は次の通りである。
ボイスコイルボビン4は、円筒状の形状を有し、センターポール11を取り囲むように配置される。
ボイスコイル5は、ボイスコイルボビン4の下端部の外周面に巻回されており、磁気ギャップ32内に位置している。ボイスコイル5は、一対のプラス/マイナスのリード線(図示略)を有する。プラスのリード線はL(又はR)チャンネル信号の入力配線であり、マイナスのリード線はグランド(GND:接地)信号の入力配線である。一対のプラス/マイナスのリード線は、アンプ側(図示略)と電気的に接続されている。
ダンパー6は、好適な例では樹脂材料やゴム材料により形成され、ヨーク1のセンターポール11に取り付けられている。ダンパー6の下端部は、センターポール11の上端面に取り付けられていると共に、ダンパー6の外周部はボイスコイルボビン4の内周面に取り付けられている。このため、ダンパー6は、ボイスコイルボビン4を含む振動体31を中心軸L1方向に弾性的に支持する役割を有する。ダンパー6の上端面61bには、通気性を有する素材にて形成された吸音材9が設けられている。なお、ダンパー6の詳細な構成については後述する。
振動板7は、ドーム状の形状を有し、音響放射方向Y1に音波を放射する機能を有する放音部7aと、放音部7aの外周部から外側へ連なるように設けられ、半円状の断面形状を有するエッジ7bと、を有する。放音部7aの外周部は、ボイスコイルボビン4の上端部の外周面に取り付けられていると共に、エッジ7bの外周部は、フレーム8の上端部に取り付けられている。
以上の構成を有するスピーカー装置100では、アンプ側から出力された音声電流は、ボイスコイル5の一対のプラス/マイナスのリード線を通じて、当該ボイスコイル5へ入力される。これにより、フレミングの左手の法則に基づき、磁気ギャップ32内でボイスコイル5に駆動力が発生し、振動板7の放音部7aを通じて音響放射方向Y1に音波が放射される。
[ヨークに対するダンパーの取付構造]
次に、図2及び図3を参照して、ヨーク1に対するダンパー6の取付構造について説明する。
次に、図2及び図3を参照して、ヨーク1に対するダンパー6の取付構造について説明する。
図2(a)は、図1において音響放射方向Y1から見たときの本実施例に係るダンパー6の平面図を示す。図2(b)は、図2(a)の切断線A−A’に沿ったダンパー6の中心軸L1を通る断面図を示す。図3は、図1の破線領域E1を拡大した要部拡大断面図であり、特に、ヨーク1に対するダンパー6の取付構造を示す。
まず、本実施例に係るヨーク1の特徴的な構成について述べる。
ヨーク1の基本的な構成は上述した通りである。本実施例では、音響放射方向Y1に位置する、センターポール11の上端面(一端面)11aには、当該センターポール11の内周部11bから外周部11cにかけて凹状の溝11d(図3の一点鎖線にて囲まれる部分)が形成されている。つまり、センターポール11の一端面11aの内周部11b及び外周部11cは、センターポール11の一端面11aから音響放射方向Y1に突出するような形状に形成されている。この溝11d内には、接着剤(図示略)が塗布されており、センターポール11の一端面11aと、後述するダンパー6の第2部材62とがその接着剤を用いて接合される。
次に、本実施例に係るダンパー6の特徴的な構成について述べる。
ダンパー6の基本的な構成は上述した通りである。本実施例では、ダンパー6は、円板状の第1部材61(図2(b)の破線にて囲まれる領域)と、第1部材61の一端面61aから突出するように設けられた円筒状の第2部材62(図2(b)の二点鎖線にて囲まれる領域)と、を備える。
第1部材61は、ボイスコイルボビン4を弾性的に支持する機能を有する可動部61m(図2(b)の一点鎖線にて囲まれる領域)を備える。ダンパー6の中心軸L1と直交する方向の、当該可動部61mの長さd1は、当該可動部61mの前記機能を最大限発揮させるため、つまり、ボイスコイルボビン4を大きな振幅で動かした時、ダンパー6の可動部61mが突っ張ってボイスコイルボビン4の動きを妨げないよう、充分に長く形成されているのが好ましい。また、第1部材61の中央部及び可動部61mには、それぞれ、中心軸L1方向に貫通する開口61hが形成されている。
第2部材62は、図3に示すように、第1部材61の一端面61aと、第1部材61に対向するセンターポール11の一端面11aとの間に所定の間隙を形成する長さd10に設定されていると共に、可動部61mが矢印Y2方向に可動することを可能とする長さd10に設定されている。
ここで、本実施例では、センターポール11にダンパー6を次のように取り付ける。まず、センターポール11の内周部11bと外周部11cとの間に形成された溝11d内(センターポール11の一端面11a)に接着剤(図示略)が塗布される。続いて、その接着剤を介して、ダンパー6の第2部材62が当該センターポール11の一端面11aに取り付けられる。
かかる状態において、ダンパー6は、ボイスコイルボビン4の内部において、第2部材62が音響放射方向Y1と逆側に向けて突出するように配置される。そして、第1部材61の可動部61mの外周面は、図3に示すように、ボイスコイルボビン4の内周面に取り付けられると共に、第2部材62は、センターポール11の貫通孔11hの近傍に、且つ、内周部11bと外周部11cとの間に形成された溝11d内(センターポール11の一端面11a)に接着剤を用いて取り付けられている。これにより、このダンパー6は、スピーカー装置100の駆動時に、可動部61mと第2部材62との接合部分の位置P(図3を参照)を基準に可動部61mが矢印Y2方向に振動し、ボイスコイルボビン4等を中心軸L1方向に弾性的に支持する役割を有する。
次に、比較例と比較した、本実施例に係るヨークに対するダンパーの取付構造の有利な点について述べる。なお、比較例の説明に際しては、本実施例と同一の要素については同一の符号を付し、その説明は省略する。
図4は、図3に対応する、比較例に係るヨークに対するダンパーの取付構造を示す。
比較例と本実施例とを比較した場合、その両者は、ヨーク1におけるセンターポール11の上端面(一端面)11aの形状と、ダンパーの形状と、センターポール11の上端面(一端面)11aに対するダンパーの第2部材62の取付位置と、が夫々若干異なっている。
即ち、まず、比較例に係るセンターポール11の一端面11aに着目した場合、その一端面11aの内周部は突出した形状を有しない点が本実施例と異なる。また、比較例に係るダンパー6xの第2部材62に着目した場合、ダンパー6xの中心軸L1と直交する方向の、当該ダンパー6xの可動部61mの長さd2が極めて短い点が本実施例と異なる。ここで、本実施例の可動部61mの長さd1と、比較例に係る可動部61mの長さd2とを比較した場合、その両者の長さの関係はd1>d2となっている。また、比較例では、そのような構成を有するダンパー6xを備えるため、ダンパー6xの第2部材62は、センターポール11の一端面11aにおける、突出した形状を有する外周部11cの近傍に、且つ、その外周部11cより下側に位置するセンターポール11の一端面11aに接着剤を用いて取り付けられている。
このような構成を有する比較例では、センターポール11に対するダンパー6xの取付時、外周部11cより下側に位置する、センターポール11の一端面11aに接着剤(図示略)が塗布され、その接着剤を介して、ダンパー6xの第2部材62がセンターポール11の一端面11aに取り付けられる。
ここで、比較例では、ダンパー6xの第2部材62が、センターポール11の一端面11aの外周部11cの近傍に取り付けられるので、このとき、その接着剤は矢印Y3に示すように、ダンパー6xの可動部61m側へはみ出し易くなっている。万が一、その接着剤がダンパー6xの可動部61m側へはみ出した状態で硬化してしまった場合には、その硬化した接着剤が、ダンパー6xの可動部61mの、矢印Y2方向への可動を妨げてしまい、音質に悪影響を与える虞がある。
また、比較例では、センターポール11の一端面11aの内周部は突出した形状を有しないので、このとき、その接着剤が矢印Y4方向に流動して、センターポール11の貫通孔11hに入り込んでしまうことがある。ここで、比較例に係るスピーカー装置を、ツィータなどの高音再生用スピーカー装置として用い、さらに、その貫通孔11hに連結部材を介して、他のスピーカー装置(例えば、ウーファーなどの低音再生用のスピーカー装置など)を取り付けて、コアキシャルスピーカーを構成する場合には、その貫通孔11hに入り込んだ接着剤により、その貫通孔11hに対して、当該連結部材を取り付けることができず、コアキシャルスピーカーを構成することができない虞がある。
この点、本実施例では、ダンパー6の第2部材62は、センターポール11の一端面11aの内周部11bから外周部11cにかけて形成された凹状の溝11dに接着剤を用いて取り付けられている。
これにより、接着剤を用いてセンターポール11にダンパー6を取り付ける時、溝11d内に塗布された接着剤は当該溝11d内に留まることになるため、その接着剤がセンターポール11の貫通孔11hへ入り込むのを防止できる。
したがって、本実施例に係るスピーカー装置100をツィータなどの高音再生用スピーカー装置として用い、さらに、その貫通孔11hに連結部材を介して他のスピーカー装置(ウーファーなどの低音再生用のスピーカー装置)を取り付けて、コアキシャルスピーカーを構成する場合であっても、その接着剤は突出した形状を有する内周部11bに阻害されて貫通孔11hに入り込むことがないので、その貫通孔11hに対して、当該連結部材を確実に取り付けることができ、コアキシャルスピーカーを確実に構成することができる。
また、上記の構成により、接着剤を通じたセンターポール11に対するダンパー6の取付時、溝11d内に塗布された接着剤は当該溝11d内に留まることになるため、その接着剤が、ダンパー6の可動部61m側に位置する、センターポール11の外周部11c側へはみ出すのを防止できる。つまり、センターポール11の外周部側に接着剤がはみ出した場合には、ダンパー6の可動部61mとセンターポール11とが接着されてしまい、可動部61mは振動板7の動きに従って可動することが困難になるという問題を解消できる。また、ダンパー6は一体成形されていても良い。ダンパー6が複数の部材で形成されている場合、例えば、第1の部材61と第2の部材62とが別部材として成形された後に接着剤等を用いて接合されている時、可動部61mを有する第1の部材61がボイスコイルボビン4と共に可動するため、その接合した個所にストレスがかかり接合力が時間の経過と共に低下し剥がれてしまう、つまりスピーカー装置100の信頼性が低下するという問題を解消することができる。
よって、スピーカー装置100の駆動時に、その接着剤に阻害されることなくダンパー6の可動部61mを矢印Y2方向へ適切に可動させることが可能となり、音質に悪影響を与えるのを防止できる。
また、かかる構成により、ダンパー6の第2部材62の外周面の下端部の全ては、内周部11bと外周部11cとの間の当該溝11d内に塗布された接着剤により固定されることになるため、比較例と比較して、より一層、センターポール11の一端面11aに対するダンパー6の第2部材62の接合力を向上させることができる。ここで、比較例では、図4に示すように、センターポール11の一端面11aは、その内周部から外周部11cにかけて凹状の溝を有しないので、貫通孔11h側に位置する、ダンパー6xの外周面の下端部と、センターポール11の一端面11aとの接着剤を介した接合力は、その構造上、本実施例と比較して弱く、センターポール11からダンパー6xが剥がれることが懸念され、スピーカー装置の信頼性を損なうことになる。
また、本実施例では、ダンパー6の第2部材62は、センターポール11の貫通孔11hの近傍に、且つ内周部11bと外周部11cとの間に形成された溝11d内(センターポール11の一端面11a)に接着剤を介して取り付けられている。これにより、ダンパー6の可動部61mの長さd1が長くなるので、中心軸L1方向に対するダンパー6の可動部61mの可動範囲(ひいては、ボイスコイルボビン4の可動範囲)を大きくできるので、振動板7を大きな振幅で動かすことができ、且つ振動板7を大きな振幅で振動させ大音量で音を再生することができ、音質の向上に寄与し得る。また、かかる構成により、接着剤を用いてセンターポール11にダンパー6を取り付ける時、その接着剤はセンターポール11の内周部11b側へは、より一層、はみ出し難くなり、さらにセンターポール11との接着力を大きくできる。よって、センターポール11からダンパー6、特にダンパー6の第2部材62がセンターポール11から剥がれることを抑制できるので、振動板7の振幅を大きくでき、且つ振動板7を大きな振幅で振動させ大音量で音を再生することができ、スピーカー装置の信頼性の向上に寄与し得る。
また、本実施例では、図1や図2に見られるように、ダンパー6の可動部61mの端部の断面形状はボイスコイルボビン4に向かって凸状に形成されている。この形状によって、音響放射方向Y1に向かって接着剤を塗布する際の液溜まり部が形成され、ボイスコイルボビン4とダンパー6とをより強固に接合することができる。
また、本実施例では、円形状のスピーカー装置を記載しているが、例えば楕円状のスピーカー装置等でも構わなく、スピーカー装置の形状を限定することはない。
1 ヨーク
4 ボイスコイルボビン
6 ダンパー
11 センターポール
11a 上端面(一端面)
11b 内周部
11c 外周部
11d 溝
11h 貫通孔
61 第1部材
61a 一端面
61m 可動部
62 第2部材
30 磁気回路
31 振動体
100 スピーカー装置
4 ボイスコイルボビン
6 ダンパー
11 センターポール
11a 上端面(一端面)
11b 内周部
11c 外周部
11d 溝
11h 貫通孔
61 第1部材
61a 一端面
61m 可動部
62 第2部材
30 磁気回路
31 振動体
100 スピーカー装置
Claims (5)
- ヨークを有する磁気回路と、ボイスコイルボビン及びダンパーを有する振動体と、を備え、
前記ヨークは、前記ダンパーを支持する柱状のセンターポールと、前記センターポールに形成された貫通孔と、を有し、
前記ボイスコイルボビンは、前記センターポールを取り囲むように配置され、
前記ダンパーは、板状の第1部材と、前記第1部材から音響放射方向と逆側に向けて突出するように設けられた柱状の第2部材と、を備え、
前記ダンパーの前記第1部材は、前記ボイスコイルボビンを弾性的に支持する可動部を有すると共に、前記可動部の外周面は、前記ボイスコイルボビンの内周面に取り付けられ、 前記ダンパーの前記第2部材は、前記センターポールの内周部から外周部にかけて形成された凹状の溝に取り付けられていることを特徴とするスピーカー装置。 - 前記ダンパーの前記第2部材は、前記貫通孔の近傍に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカー装置。
- 前記ダンパーの前記第2部材は、前記第1部材と、前記第1部材に対向する前記センターポールとの間に所定の間隙を形成すると共に、前記可動部が前記音響放射方向及び前記音響放射方向と逆方向に可動することを可能にすることを特徴とする請求項1又は2に記載のスピーカー装置。
- 前記センターポールの前記貫通孔に挿入された連結部材を介して他のスピーカー装置が取り付けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のスピーカー装置。
- 前記ダンパーは一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカー装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006306727A JP2008124806A (ja) | 2006-11-13 | 2006-11-13 | スピーカー装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2006
- 2006-11-13 JP JP2006306727A patent/JP2008124806A/ja active Pending
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