JP2008124104A - 半導体基板の製造方法、半導体基板、半導体装置、電気光学装置、及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板浮遊効果に起因する半導体層の電気的特性の劣化を抑制し、優れた電気的特性を示す、半導体基板の製造方法、半導体基板、半導体装置、電気光学装置、及び電子機器を提供する。
【解決手段】単結晶半導体基板200の一方面側に非単結晶半導体層210を形成し、非単結晶半導体層210の上面に絶縁層211を設ける。そして、絶縁層211側から単結晶半導体基板200中にイオン注入を行い、イオン注入層205を形成する。イオン注入後、単結晶半導体基板200の絶縁層211側に支持基板500を貼り合せ、単結晶半導体基板200における、非単結晶半導体層210とは反対の表層部をイオン注入層205にて分離し、支持基板500上に単結晶半導体層220を形成する。
【選択図】図2
【解決手段】単結晶半導体基板200の一方面側に非単結晶半導体層210を形成し、非単結晶半導体層210の上面に絶縁層211を設ける。そして、絶縁層211側から単結晶半導体基板200中にイオン注入を行い、イオン注入層205を形成する。イオン注入後、単結晶半導体基板200の絶縁層211側に支持基板500を貼り合せ、単結晶半導体基板200における、非単結晶半導体層210とは反対の表層部をイオン注入層205にて分離し、支持基板500上に単結晶半導体層220を形成する。
【選択図】図2
Description
本発明は、半導体基板の製造方法、半導体基板、半導体装置、電気光学装置、及び電子機器に関するものである。
絶縁基板上に珪素膜を形成し、その珪素膜に半導体層を形成するSOI(Silicon On Insulator)技術は、半導体層の高速化や低消費電力化、高集積化の利点を有することから広く研究されている。このSOI技術の1例として、単結晶珪素基板の貼り合わせによるSOI基板の作製技術が知られている。一般に貼り合わせ法と呼ばれるこの手法は、単結晶珪素基板と支持基板を水素結合力によって貼り合わせた後、熱処理によって貼り合わせ強度の強化がなされる。次いで単結晶珪素基板の研磨、又はエッチングを行うことによって、支持基板上に単結晶珪素膜が形成される。この手法では、直接単結晶珪素膜を薄膜化するために、珪素膜の結晶性に優れ、高性能なデバイスを作製できる。
上記貼り合わせ法の応用例としては、単結晶珪素基板上に水素イオンを注入し、これを支持基板と貼り合わせた後、熱処理によって珪素薄膜を単結晶珪素基板の水素注入領域から分離する手法が知られている(例えば特許文献1参照)。また、表面を多孔質化した珪素基板上に単結晶珪素薄膜をエピタキシャル成長させ、これを支持基板と貼り合わせた後に珪素基板を除去し、多孔質珪素層をエッチングすることにより支持基板上にエピタキシャル単結晶珪素薄膜を形成する手法も知られている(例えば特許文献2参照)。上記貼り合わせ法によるSOI基板は通常のバルク半導体基板と同様に、さまざまなデバイスの作製に用いられているが、従来のバルク半導体基板と異なり、支持基板として様々な材料を使用することが可能である。すなわち支持基板として通常の珪素基板はもちろんのこと、透明な石英、あるいはガラス基板などを用いることができる。透明な基板上に結晶性に優れた単結晶珪素膜を形成することにより、光透過性を必要とする電気光学装置、例えば透過型の液晶表示装置などにも高性能な半導体装置を形成することが可能となる。
一般的なバルク半導体基板を用いたMIS(Metal Insulator Semiconductor)型半導体装置では、基板を通じてチャネル形成領域を所定の電位に保持することができるので、チャネル部の電位変化によって半導体装置の電気的特性が変化することはない。
米国特許第5374564号明細書
特開平4−346418号公報
しかしながら、SOI基板を用いたMIS型半導体装置では、チャネル形成領域の下部が下地絶縁膜により完全に分離されているため、チャネル形成領域を所定の電位に保持することができず、所謂、基板浮遊効果が生じ、チャネル形成領域が電気的に浮いた状態となる。そのため、ドレイン電極に高い電圧を印加したとき、ドレイン領域近傍の高電界で加速されたキャリアと結晶格子との衝突によるインパクトイオン化現象により発生した余剰キャリアがチャネルの下部に蓄積する。すると、チャネル電位が上昇し、ソース・チャネル・ドレインのNPN(Nチャネル型の場合)構造が見掛け上のバイポーラ型半導体装置として動作する(寄生バイポーラ効果)。そして、異常電流が生じ、これにより半導体装置のソース・ドレイン間耐圧が劣化するなど、電気的な特性を悪化させるといった問題が生じる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、基板浮遊効果に起因する半導体層の電気的特性の劣化を抑制し、優れた電気的特性を示す、半導体基板の製造方法、半導体基板、半導体装置、電気光学装置、及び電子機器を提供することを目的としている。
本発明の半導体基板の製造方法は、単結晶半導体基板の一方面側に非単結晶半導体層を形成する工程と、前記非単結晶半導体層の上面に絶縁層を設ける工程と、前記絶縁層側から前記単結晶半導体基板中にイオン注入を行い、イオン注入層を形成する工程と、前記イオン注入後、前記単結晶半導体基板の前記絶縁層側に支持基板を貼り合せる工程と、前記単結晶半導体基板における、前記非単結晶半導体層とは反対の表層部を、前記イオン注入層にて分離し、前記支持基板上に単結晶半導体層を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明の半導体基板の製造方法によれば、支持基板の一方の面に設けられた絶縁層上に、非単結晶半導体層と単結晶半導体層とが順に積層された半導体基板が製造できる。この非単結晶半導体層と単結晶半導体層との積層構造からなる半導体層は、例えば半導体層上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を設けることにより、半導体装置の能動層として用いることができる。このとき、ドレイン領域近傍によるインパクトイオン化現象により余剰キャリアが発生した場合でも、非単結晶半導体層に含まれる結晶欠陥が余剰キャリアの再結合中心として働き、余剰キャリアをチャネルの下部に蓄積させ難くすることができる。したがって、寄生バイポーラ効果等の基板浮遊効果の発生が抑制され、優れた電気的特性を示す半導体装置を構成する半導体基板を製造することができる。非単結晶半導体層に含まれる結晶欠陥は余剰キャリアの再結合中心として働けば良い。結晶欠陥が多すぎると、半導体装置の電気特性に悪影響を及ぼすことがある。非単結晶半導体層としては、非晶質半導体層よりも、ある程度の結晶性を有する多結晶半導体層の方が好ましい。
あるいは、本発明の半導体基板の製造方法は、単結晶半導体基板の一方面側からイオン注入を行い、イオン注入層を形成する工程と、支持基板の一方面側に絶縁層を設ける工程と、前記絶縁層上に非単結晶半導体層を設ける工程と、前記支持基板における前記非単結晶半導体層側の面と、前記単結晶半導体基板における前記イオン注入側の面とを貼り合わせる工程と、前記貼り合わせ工程の後、前記単結晶半導体基板を前記イオン注入層の部分で分離する工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明の半導体基板の製造方法によれば、支持基板の一方の面に設けられた絶縁層上に、非単結晶半導体層と単結晶半導体層とが順に積層された半導体基板が製造できる。この非単結晶半導体層と単結晶半導体層との積層構造からなる半導体層は、例えば半導体層上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を設けることにより、半導体装置の能動層として用いることができる。このとき、ドレイン領域近傍によるインパクトイオン化現象により余剰キャリアが発生した場合でも、非単結晶半導体層に含まれる結晶欠陥が余剰キャリアの再結合中心として働き、余剰キャリアをチャネルの下部に蓄積させ難くすることができる。したがって、寄生バイポーラ効果等の基板浮遊効果の発生が抑制され、優れた電気的特性を示す半導体装置を構成する半導体基板を製造することができる。
本発明の半導体基板は、支持基板の一方面側に設けられた絶縁層上に、非単結晶半導体層と単結晶半導体層との積層構造からなる半導体層が設けられてなることを特徴とする。
本発明の半導体基板によれば、支持基板の一方の面に設けられた絶縁層上に、非単結晶半導体層と単結晶半導体層との積層構造からなる半導体層を備えているので、例えば、該半導体層上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を設けることで、半導体装置の能動層として用いることができる。このとき、ドレイン領域近傍によるインパクトイオン化現象により余剰キャリアが発生した場合でも、非単結晶半導体層に含まれる結晶欠陥が余剰キャリアの再結合中心として機能し、これによって余剰キャリアをチャネルの下部に蓄積させ難くすることができる。したがって、寄生バイポーラ効果等の基板浮遊効果の発生が抑制され、優れた電気的特性を示す半導体装置を構成することのできる半導体基板となる。
本発明の半導体装置は、支持基板の一方面側に設けられた絶縁層上に、非単結晶半導体層と単結晶半導体層とが積層されてなる半導体層を備え、該半導体層が能動層として用いられることを特徴とする。
本発明の半導体装置によれば、例えば半導体層上にゲート絶縁膜を設け、MIS型半導体装置を構成することができる。よって、インパクトイオン化現象により余剰キャリアが発生した場合、非単結晶半導体層に含まれる結晶欠陥が余剰キャリアの再結合中心として機能し、余剰キャリアがチャネルの下部に蓄積し難くなる。したがって、寄生バイポーラ効果等の基板浮遊効果の発生が抑制され、優れた電気的特性を示す半導体装置となる。
本発明の電気光学装置は、上記半導体装置を備えることを特徴とする。
本発明の電気光学装置によれば、上述したように寄生バイポーラ効果等の基板浮遊効果の発生が抑制され、優れた電気的特性を示す半導体装置を備えているので、この電気光学装置自体も電気的特性が高く、高信頼性のものとなる。また、半導体装置が微細化されると、上記の基板浮遊効果が顕著となる。そこで、本発明を採用すれば、基板浮遊効果を抑制することができ、半導体装置の小型化を良好に図ることができる。よって、例えば前記半導体装置を電気光学装置の各画素領域のスイッチング素子として用いることで、画素の微細化や高開口率化を図ることができる。
本発明の電子機器は、上記電気光学装置を備えることを特徴とする。
本発明の電子機器によれば、上述したように電気的特性、及び信頼性が高く、しかも微細な画素構造をなす電気光学装置を備えているので、電子機器自体も高性能、かつ高品質なものとなる。
(第1実施形態)
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の一部の態様を示すものであり、本発明を限定するものではない。また、以下の説明に用いる各図面では、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を適宜変更している。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の一部の態様を示すものであり、本発明を限定するものではない。また、以下の説明に用いる各図面では、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を適宜変更している。
図1から図2は、それぞれ本発明の第1実施形態に係る半導体基板の製造方法を示す工程断面図である。
本実施形態では、まず図1(a)に示すように、厚さが例えば750μmの単結晶シリコン基板(単結晶半導体基板)200を用意し、低圧化学気相法(LPCVD法)によって、一方面に非晶質シリコン層(非単結晶半導体層)210を形成する。なお、非晶質シリコン層210の膜厚としては、30〜100nm程度に設定するのが好ましく、より好ましい範囲としては、40〜60nmである。本実施形態では、非晶質シリコン層210の膜厚を50nmとした。非晶質シリコン層を形成した後、600℃以上の窒素雰囲気下での熱処理を行うことによって、非晶質シリコン層を多結晶シリコン層にしても良い。また、非晶質シリコン層を形成する変わりに、直接多結晶シリコン層を形成しても良い。
本実施形態では、まず図1(a)に示すように、厚さが例えば750μmの単結晶シリコン基板(単結晶半導体基板)200を用意し、低圧化学気相法(LPCVD法)によって、一方面に非晶質シリコン層(非単結晶半導体層)210を形成する。なお、非晶質シリコン層210の膜厚としては、30〜100nm程度に設定するのが好ましく、より好ましい範囲としては、40〜60nmである。本実施形態では、非晶質シリコン層210の膜厚を50nmとした。非晶質シリコン層を形成した後、600℃以上の窒素雰囲気下での熱処理を行うことによって、非晶質シリコン層を多結晶シリコン層にしても良い。また、非晶質シリコン層を形成する変わりに、直接多結晶シリコン層を形成しても良い。
次に、図1(b)に示すように、前記非晶質シリコン層210の上面にシリコン酸化膜(絶縁層)211を形成する。このシリコン酸化膜211を形成する方法としては、例えば前記非晶質シリコン層210を1000℃程度の酸素雰囲気下で熱酸化することによって形成する。1000℃程度の高温で熱酸化を行った場合、前記非晶質シリコン層210は多結晶化し、結晶性が向上する。なお、シリコン酸化膜211は、上記熱酸化に代えて、LPCVD法やプラズマ化学気相堆積法(PECVD法)によって形成してもよい。
次に、図1(c)に示すように、シリコン酸化膜211側から単結晶シリコン基板200に水素イオン(H+)を注入し、水素イオン注入層(イオン注入層)205を形成する。
その結果、単結晶シリコン基板200の内部には、図1(c)中に破線で示すような進入深さ分布を示す水素イオン注入層205が形成される。このときの水素イオン注入条件としては、例えば加速エネルギを60〜150keV(本実施形態では、100keV)、ドーズ量を5×1016atoms/cm2〜15×1016atoms/cm2(本実施形態では、10×1016atoms/cm2)とする。なお、水素イオンの加速電圧を変えて水素イオンの注入深さを変えることで、膜厚の異なる単結晶シリコン層を有する半導体基板を得ることができる。
その結果、単結晶シリコン基板200の内部には、図1(c)中に破線で示すような進入深さ分布を示す水素イオン注入層205が形成される。このときの水素イオン注入条件としては、例えば加速エネルギを60〜150keV(本実施形態では、100keV)、ドーズ量を5×1016atoms/cm2〜15×1016atoms/cm2(本実施形態では、10×1016atoms/cm2)とする。なお、水素イオンの加速電圧を変えて水素イオンの注入深さを変えることで、膜厚の異なる単結晶シリコン層を有する半導体基板を得ることができる。
次に、単結晶シリコン基板200のシリコン酸化膜211に貼り合わせる支持基板500を準備する。支持基板500として、ガラスや石英などの光透過性材料からなる基板を採用することで得られる半導体基板を、後述するような透過型の電気光学装置、例えば透過型の液晶装置(ライトバルブ)などに応用することができる。本実施形態では、支持基板500として石英基板を用いた。石英基板は一般のガラス基板に比べて耐熱性が高い為、石英基板を用いることにより、1000℃程度の高温プロセスを採用することができる。また、石英基板は一般のガラス基板に比べて、光透過率が高い為、石英基板を用いることにより、明るい透過型液晶装置を製造することができる。
そして、図2(a)に示すように、単結晶シリコン基板200のシリコン酸化膜211側の表面に支持基板500を接合させ、単結晶シリコン基板200を支持基板500上に室温〜200℃程度で貼り合わせる。本実施形態では、支持基板500としてSiO2を主体とする石英基板を用いたため、上記接合を良好に行うができる。なお、SiO2を主体としない材料からなるものを支持基板として用いる場合には、支持基板の接合面にスパッタリング法やCVD法などにより、シリコン酸化膜やNSG(ノンドープトシリケートガラス)などの酸化膜を形成し、CMP法などによって研磨することで平坦化しておくのが望ましい。この酸化膜は、単結晶シリコン基板200と支持基板500との密着性を確保するための膜で、基板表面のOH基の作用により単結晶シリコン基板200と支持基板500とを絶縁層213を介して貼り合わせることができる。
次に、図2(b)に示すように、貼り合わせ後の単結晶シリコン基板200を薄型化し、単結晶シリコン層(単結晶半導体層)220を形成する。この単結晶シリコン層220の膜厚としては、50nm以上に設定するのが好ましく、本実施形態では200nmとした。
この薄膜化は、貼り合わされた単結晶シリコン基板200と支持基板500とを、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気中で350℃〜700℃の熱処理を施すことにより、水素イオン注入層205の位置で単結晶シリコン基板200を剥離する。これにより、支持基板500の上に非単結晶シリコン層210と単結晶シリコン層220との積層構造からなる半導体層250を具備した半導体基板600が形成される。
この剥離現象は、水素イオン注入層205に形成された欠陥層領域に注入されたイオンによりマイクロキャビティが生じ、半導体結晶の結合が分断されるために生じるものであり、水素イオン注入層205におけるイオン濃度のピーク位置でより顕著なものとなる。そのため、熱処理によって剥離される位置は、前記イオン濃度のピーク位置、つまり水素イオン注入層205と略一致する。なお、剥離した後の単結晶シリコン基板200については、そのまま別の半導体基板の作製に用いることができる。
なお、分離後の基板表面は、単結晶シリコン層220の表面に数nm程度の凹凸が残っているため、これを平坦化する必要がある。このため、本構成例においてはCMP法を用いて基板表面を微量(研磨量10nm未満)に研磨するタッチポリッシュを用いた。この平坦化の手法としては他にも水素雰囲気中にて熱処理を行う水素アニール法を用いることもできる。以上により作製された半導体基板600によれば、支持基板500の一方面側に設けられたシリコン酸化膜211上に、非単結晶シリコン層210と単結晶シリコン層220との積層構造からなる半導体層250が形成される。よって、詳細は後述するが、例えば前記半導体層250を半導体装置の能動層として用いれば、非単結晶シリコン層210に含まれる結晶欠陥が余剰キャリアの再結合中心として働き、基板浮遊効果の発生を抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の半導体基板の第2実施形態について図3を参照して説明する。
本実施の形態における半導体基板の製造方法は、支持基板側に絶縁層、及び非単結晶半導体層を形成し、単結晶半導体基板側にイオン注入層のみを形成する点において第1実施形態と異なっている。図3、4は、第2実施形態に係る半導体基板の製造方法を示す工程断面図である。なお、第1実施形態と同様の部材については、同一符号を付して説明し、接合工程および薄膜化における単結晶シリコン基板200の剥離は第1実施の形態と同じであるため、その詳細な説明については省略する。
次に、本発明の半導体基板の第2実施形態について図3を参照して説明する。
本実施の形態における半導体基板の製造方法は、支持基板側に絶縁層、及び非単結晶半導体層を形成し、単結晶半導体基板側にイオン注入層のみを形成する点において第1実施形態と異なっている。図3、4は、第2実施形態に係る半導体基板の製造方法を示す工程断面図である。なお、第1実施形態と同様の部材については、同一符号を付して説明し、接合工程および薄膜化における単結晶シリコン基板200の剥離は第1実施の形態と同じであるため、その詳細な説明については省略する。
まず、本実施形態では、図3(a)に示すように、厚さが例えば750μmの単結晶シリコン基板200を用意し、一方面側から上記実施形態と同様の条件により水素イオン(H+)を注入する。その結果、単結晶シリコン基板200の内部には、図3(a)中に破線で示すような進入深さ分布を示す水素イオン注入層205が形成される。
次に、図3(b)に示すように、石英基板からなる支持基板500を用意し、この支持基板500の一方面側に絶縁層としてのシリコン酸化膜211を設ける。このシリコン酸化膜211を形成する方法としては、LPCVD法を採用することができ、厚さ数百nm程度に形成する。
次いで、LPCVD法を用いることで、図3(c)に示すようにシリコン酸化膜211上に非晶質シリコン層210を厚さ50nm程度に形成する。第1実施形態と同様に、非晶質シリコン層の変わりに、多結晶シリコン層を形成しても良い。次に、図4(a)に示すように、前記支持基板500における非単結晶シリコン層210側の面と、前記単結晶シリコン基板200における前記イオン注入側の面とを貼り合せる。貼り合わせ工程は熱処理によって2枚の基板を直接貼り合せる方法が採用できる。
続いて、図4(b)に示すように、貼り合わせ後の単結晶シリコン基板200を上記実施形態と同様に熱処理を施すことにより、水素イオン注入層205の位置で単結晶シリコン基板200を剥離させ、単結晶シリコン層220を形成する。これにより、支持基板500の上に半導体層250を具備した半導体基板600が形成される。以上により作製された半導体基板600を用いることで、上記第1実施形態と同様に基板浮遊効果を防止することで、優れた電気的特性を示す半導体装置を提供できる。
(半導体装置)
図5は、本発明の半導体装置の一実施形態の概略構成を示す断面図である。本実施形態に係る半導体装置は、上記第1、第2実施形態により得た半導体基板600を主体として構成されたもので、前記半導体層250が能動層として用いられる。
図5は、本発明の半導体装置の一実施形態の概略構成を示す断面図である。本実施形態に係る半導体装置は、上記第1、第2実施形態により得た半導体基板600を主体として構成されたもので、前記半導体層250が能動層として用いられる。
図5に示す半導体装置700を形成する方法としては、まず上記半導体基板600を用意し、前記非単結晶シリコン層210及び前記単結晶シリコン層220から構成される半導体層250をフォトリソグラフィ法により島状にパターニングする。そして、半導体層250の表面を覆って、シリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜300を、例えば900℃〜1000℃程度の酸素雰囲気で熱酸化することで厚さ20nm程度に形成する。このとき、非単結晶シリコン膜210は高温雰囲気に曝されることで、多結晶シリコン膜210aとなり、結晶性を向上させることができる。そして、ゲート絶縁膜300上にゲート電極310を形成する。なお、ゲート長としては2μm以下がこのましい。
上記半導体層250には、フォトレジストあるいはゲート電極310をマスクにして、ドナーまたはアクセプタとなる不純物イオンを注入し、これによってソース領域250a及びドレイン領域250bが形成され、前記ゲート電極310の直下にはチャネル領域250cが形成される。なお、必要に応じて、後述するようなLDD(Lightly Doped Drain)構造を採用してもよい。そして、前記半導体層250及びゲート電極310を覆うようにして、シリコン酸化膜からなる層間絶縁膜260を形成する。また、層間絶縁膜260、及びゲート絶縁膜300を貫通するコンタクトホールH1,H2を形成し、該コンタクトホールH1,H2を介して、ソース領域250a及びドレイン領域250bに接続するソース電極270及びドレイン電極280を形成する。このようにして、本実施形態に係る半導体装置700を得ることができる。
ここで、本発明の半導体装置の格別の作用効果を説明するために、比較として従来の半導体装置について説明する。従来の半導体装置は、半導体層における能動層が単結晶半導体層(単結晶シリコン層)のみで形成されているため、ドレイン領域近傍の電界で加速されたキャリアと結晶格子との衝突によるインパクトイオン化現象により発生した余剰キャリアがチャネルの下部に蓄積しやすい。そのため、チャネル電位が上昇し、ソース・チャネル・ドレインのNPN(Nチャネル型の場合)構造が見掛け上のバイポーラ型半導体装置として動作する、所謂寄生バイポーラ効果などにより半導体装置の電気的特性が低下してしまうといった問題があった。
一方、本実施形態に係る半導体装置700は、半導体層250の上側が単結晶シリコン膜220で、下側が多結晶シリコン膜210aにより構成されている。この構成によれば、インパクトイオン化現象により余剰キャリアが発生した場合、半導体層250側の下層側に設けられた多結晶シリコン膜(非単結晶半導体層)210aに含まれる結晶欠陥が余剰キャリアの再結合中心として働き、余剰キャリアがチャネルの下部に蓄積し難くなる。よって、寄生バイポーラ効果等の基板浮遊効果の発生が抑制され、優れた電気特性を示すものとなる。
(電気光学装置)
次に、本発明の電気光学装置の一実施形態として、投射型表示装置の光変調手段として用いる液晶ライトバルブ(液晶装置)の例を挙げて説明する。本実施の形態の液晶ライトバルブはアクティブマトリクス方式の液晶パネルであって、TFTアレイ基板と対向基板との間に液晶層を挟持したものである。そして、前記TFTアレイ基板に設けられたスイッチング素子(TFT素子)は、本発明の半導体装置を能動層として用いることで構成されたものとなっている。
次に、本発明の電気光学装置の一実施形態として、投射型表示装置の光変調手段として用いる液晶ライトバルブ(液晶装置)の例を挙げて説明する。本実施の形態の液晶ライトバルブはアクティブマトリクス方式の液晶パネルであって、TFTアレイ基板と対向基板との間に液晶層を挟持したものである。そして、前記TFTアレイ基板に設けられたスイッチング素子(TFT素子)は、本発明の半導体装置を能動層として用いることで構成されたものとなっている。
図6は本発明の電気光学装置の一例である液晶ライトバルブの概略構成図、図7は図6のH−H’線に沿う断面図、図8は液晶ライトバルブを構成するマトリクス状に形成された複数の画素の等価回路図、図9は複数の画素群の平面図、図10は図9のA−A’線に沿う断面図である。
(液晶ライトバルブの全体構成)
本実施の形態の液晶ライトバルブ1の構成は、図6および図7に示すように、TFTアレイ基板10上に、シール材52が対向基板20の縁に沿うように設けられており、その内側に並行して額縁としての遮光膜53(周辺見切り)が設けられている。シール材52の外側の領域には、データ線駆動回路201および外部回路接続端子202がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路104がこの一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。
本実施の形態の液晶ライトバルブ1の構成は、図6および図7に示すように、TFTアレイ基板10上に、シール材52が対向基板20の縁に沿うように設けられており、その内側に並行して額縁としての遮光膜53(周辺見切り)が設けられている。シール材52の外側の領域には、データ線駆動回路201および外部回路接続端子202がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路104がこの一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。
さらに、TFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路104間を接続するための複数の配線105が設けられている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための上下導通材106が設けられている。そして、図7に示すように、図6に示したシール材52とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板20がシール材52によりTFTアレイ基板10に固着されており、TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されている。また、図6に示すシール材52に設けられた開口部は液晶注入口52aであり、封止材25によって封止されている。
(TFTアレイ基板の構成)
図8において、本実施の形態における液晶ライトバルブ1の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素には夫々、画素電極9と当該画素電極9をスイッチング制御するためのTFT30とが形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aがTFT30のソース領域に電気的に接続されている。このTFT30は、本発明に係る半導体装置を能動層として用いることで構成されたものである。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
図8において、本実施の形態における液晶ライトバルブ1の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素には夫々、画素電極9と当該画素電極9をスイッチング制御するためのTFT30とが形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aがTFT30のソース領域に電気的に接続されている。このTFT30は、本発明に係る半導体装置を能動層として用いることで構成されたものである。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
また、TFT30のゲートには走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmをこの順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9は、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけオン状態とすることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。画素電極9を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板20に形成された共通電極(後述する)との間で一定期間保持される。ここで、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9と共通電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70が設けられている。
図9に示すように、TFTアレイ基板10上に、矩形状の複数の画素電極9(点線部9Aにより輪郭が示されている)がマトリクス状に設けられており、画素電極9の縦横の境界に各々沿ってデータ線6aおよび走査線3aが設けられている。また、TFT30を構成する半導体層1aのうち、図9中の右上がりの斜線領域で示したチャネル領域1a’に対向するように走査線3aが配置されており、走査線3aはそのままTFT30のゲート電極として機能する。なお、TFT30の詳細な構造については後述する。
図9および図10に示すように、本実施の形態では、蓄積容量70は、TFT30の高濃度ドレイン領域1eと画素電極9とに電気的に接続された画素電位側容量電極としての中継導電膜71aと、固定電位側容量電極としての容量線300の一部とが、誘電体膜75を介して対向配置されることにより形成されている。
また、蓄積容量70は、遮光膜としての機能も有している。中継導電膜71aは、導電性のポリシリコン膜などからなり、容量線300を構成する第2膜73と比較して光吸収性が高く、第2膜73とTFT30との間に配置された光吸収層としての機能を持つ。さらに、中継導電膜71aは、画素電極9とTFT30との導通を中継する機能を果たす。
また、容量線300は、第1膜72と第2膜73とが積層形成された多層膜からなり、それ自体が遮光膜として機能するものである。第1膜72は、第2膜73とTFT30との間に配置された光吸収層としての機能を持ち、例えば、膜厚50nm〜150nm程度の導電性のポリシリコン膜や非晶質シリコン膜、単結晶シリコン膜等から構成される。また、第2膜73は、TFT30の上側において入射光からTFT30を遮光する遮光層としての機能を持ち、例えば、膜厚150nm程度のTi、Cr、W、Ta、Mo、Pb等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイドや、これらを積層したもの、あるいは、Al等の高融点金属でない金属などからなる。なお、第2膜73は導電性を有する必要はないが、導電性を有する材料によって形成すれば、容量線300をより低抵抗化できる。
また、中継導電膜71aと容量線300との間には、図10に示すように、誘電体膜75が配置されている。誘電体膜75は、例えば、膜厚5〜200nm程度の比較的薄い酸化シリコン膜や、窒化シリコン膜、窒化酸化膜、あるいはそれらの積層膜から構成される。なお、誘電体膜75は、蓄積容量70を増大させる観点から、膜の信頼性が十分に得られる限りにおいて薄い程良い。
また、容量線300は、平面的に見て、走査線3aに沿ってストライプ状に延びる本線部分を含み、この本線部分からTFT30に重なる個所が、図9中上下に突出している。そして、図9中、縦方向に夫々延びるデータ線6aと横方向に夫々延びる容量線300とが交差する領域に、TFTアレイ基板10上におけるTFT30が配置されている。すなわち、TFT30は、対向基板20側から見て、データ線6aと容量線300とにより二重に覆われている。そして、相交差するデータ線6aと容量線300とにより、平面的に見て格子状の遮光層が構成されており、各画素の開口領域を規定している。
また、TFTアレイ基板10上におけるTFT30の下側には、上述した第2膜73と同様の材質などからなる下側遮光膜11aが格子状に設けられている。これによりTFTアレイ基板10の下部側からの光(戻り光)がTFT30に入り込むのを防止している。下側遮光膜11aは、容量線300およびデータ線6aの幅よりも狭く形成され、容量線300およびデータ線6aよりも一回り小さく形成されている。そして、TFT30のチャネル領域1aは、低濃度ソース領域1bおよび低濃度ドレイン領域1cとの接合部を含めて、下側遮光膜11aの交差領域内に位置する。なお、下側遮光膜11aの内面には、光吸収層を設けてもよい。
また、容量線300は、画素電極9が配置された画像表示領域からその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続されて、固定電位とされる。さらに、下側遮光膜11aについても、その電位変動がTFT30に対して悪影響を及ぼすことを避けるために、容量線300と同様に、画像表示領域からその周囲に延設して定電位源に接続するとよい。
図9および図10に示すように、データ線6aはコンタクトホール81を介して中継接続用の中継導電膜71bに接続されており、中継導電膜71bはコンタクトホール82を介して例えばポリシリコン膜からなる半導体層1aのうち高濃度ソース領域1dに電気的に接続されている。また、画素電極9は、中継導電膜71aを中継することにより、コンタクトホール83およびコンタクトホール8を介して半導体層1aのうちの高濃度ドレイン領域1eと電気的に接続されている。なお、中継導電膜71bは、中継導電膜71aと同一膜から同時形成される。
また、走査線3a上には、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール82および高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール83が各々開孔された第1層間絶縁膜41が形成されている。第1層間絶縁膜41上には中継導電膜71a、71bならびに容量線300が形成されており、これらの上には、中継導電膜71aおよび71bへ夫々通じるコンタクトホール81およびコンタクトホール8が各々開孔された第2層間絶縁膜42が形成されている。さらに、第2層間絶縁膜42上には、データ線6aが形成されており、これらの上には、中継導電膜71aへ通じるコンタクトホール8が形成された第3層間絶縁膜43が形成されている。画素電極9は、このように構成された第3層間絶縁膜43の上面に設けられている。
図9および図10に示すように、本実施の形態の液晶ライトバルブ1は、透明な石英基板を基板本体10AとするTFTアレイ基板10と、これに対向配置される透明な対向基板20とを備えている。TFTアレイ基板10にはインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide, 以下、ITOと略記する)等の透明導電膜からなる画素電極9が設けられており、その上側にはラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜16が設けられている。配向膜16は、例えば、ポリイミド膜などの有機膜からなる。また、TFTアレイ基板10の基板本体10Aの液晶層50と反対側には、偏光子17が設けられている。
他方、対向基板20には、基板本体20A上の全面にわたって共通電極21が設けられ、共通電極21の下側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜22が設けられている。共通電極21も画素電極9と同様、例えばITO膜などの透明導電性膜からなる。また配向膜22は、ポリイミド膜などの有機膜からなる。また、対向基板20の基板本体20Aの液晶層50と反対側には、偏光子24が形成されている。
このように構成され、画素電極9と共通電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20との間には、シール材52により囲まれた空間に液晶が封入され、液晶層50が形成される。液晶層50は、画素電極9からの電界が印加されていない状態で、配向膜16、22により所定の配向状態をとる。また、液晶層50は、例えば一種または数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなる。さらに、TFT30の下には下地絶縁膜12が設けられている。下地絶縁膜12は、下側遮光膜11aからTFT30を絶縁する機能の他、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、TFTアレイ基板10の表面の研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等でTFT30の特性の変化を防止する機能を有する。
(TFTの構成)
図10に示すように、本実施形態ではTFT30は、本発明の半導体装置を能動層として用いることで構成されている。すなわち、半導体層1aは非単結晶シリコン層210及び単結晶シリコン層220の積層構造から構成される(図2、図4参照)。また、TFT30は、LDD構造を有しており、走査線3a、当該走査線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a’、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁薄膜2、半導体層1aの低濃度ソース領域1bおよび低濃度ドレイン領域1c、半導体層1aの高濃度ソース領域1dならびに高濃度ドレイン領域1eを備えている。
図10に示すように、本実施形態ではTFT30は、本発明の半導体装置を能動層として用いることで構成されている。すなわち、半導体層1aは非単結晶シリコン層210及び単結晶シリコン層220の積層構造から構成される(図2、図4参照)。また、TFT30は、LDD構造を有しており、走査線3a、当該走査線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a’、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁薄膜2、半導体層1aの低濃度ソース領域1bおよび低濃度ドレイン領域1c、半導体層1aの高濃度ソース領域1dならびに高濃度ドレイン領域1eを備えている。
図11はTFTアレイ基板10の製造工程を示す図である。まず、図11(a)に示すように、透明な石英基板からなる基板本体10Aを用意し、遮光層11を形成する。次に、図11(b)に示すように、遮光層11の上にフォトレジストパターン113を形成する。次に、図11(c)に示すように、フォトレジストパターン113をマスクとして遮光層11のエッチングを行い、トランジスタ形成領域以外の遮光層11をドライエッチングにて除去し、エッチング後のフォトレジストパターン113を剥離することで下側遮光膜11aを形成する。次に、図11(d)に示すように、下側遮光膜11aとその上に形成される半導体層250との間の絶縁を確保するために、下地絶縁膜12を堆積する。この下地絶縁膜12にはシリコン酸化膜を用いた。このシリコン酸化膜は、例えばスパッタ法、あるいはTEOS(テトラエチルオルソシリケート)を用いたプラズマCVD法により形成できる。
下地絶縁膜12は、後述するように下側遮光膜11aの被覆段差を研磨によって平坦化しても半導体層250との十分な絶縁性を確保できる程度の膜厚とするのが好ましい。具体的には下地絶縁膜12は、下側遮光膜11aの膜厚に対して500〜1000nm程度多く堆積するのがよい。本構成例においては下側遮光膜11aの膜厚400nmに対し、シリコン酸化膜をTEOSのプラズマCVDにより1000nm堆積させた。こうして得られた遮光層付きの基板は、基板表面が下側遮光膜11aの有無に応じて凹凸になっているため、このまま単結晶シリコン基板と貼り合わせを行うと凹凸の段差部分にボイド(空隙)が形成され、貼り合わせた際に接合強度の不均一が生じてしまう。
このため、図11(e)に示すように、下側遮光膜11aを形成した基板の表面をグローバルに研磨して平坦化する。研磨による平坦化の手法としては、CMP(化学的機械的研磨)法を用いた。CMP処理を行うことで、遮光層パターン端部の段差を小さくすることができ、単結晶シリコン基板貼り合わせの際にも基板全面で貼り合わせ強度が均一に得られる。その後、下側遮光膜11aが設けられた基板本体10A上に、本発明に係る半導体基板の製造方法により、半導体層1aを形成することでTFTアレイ基板10が得られる。半導体層を形成する以下の工程については、説明を省略する。
(電子機器)
次に、電気光学装置を備えた電子機器の一例である投射型液晶表示装置を、図12を参照して説明する。
図12に示す投射型液晶表示装置(電子機器)1100では、上述した液晶ライトバルブ1を含む液晶モジュールが、RGB用のライトバルブ100R、100G、100Bとして採用されている。
この液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプなどの白色光源のランプユニット1102から光が出射されると、3枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの3原色に対応する光成分R、G、Bに分離され(光分離手段)、対応するライトバルブ100R、100G、100B(液晶ライトバルブ1)に各々導かれる。この際に、光成分Bは、光路が長いので、光損失を防ぐために入射レンズ1122、リレーレンズ1123、および出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G、100Bによって各々変調された3原色に対応する光成分R、G、Bは、ダイクロイックプリズム1112(光合成手段)に3方向から入射して再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120などにカラー画像として投射される。
次に、電気光学装置を備えた電子機器の一例である投射型液晶表示装置を、図12を参照して説明する。
図12に示す投射型液晶表示装置(電子機器)1100では、上述した液晶ライトバルブ1を含む液晶モジュールが、RGB用のライトバルブ100R、100G、100Bとして採用されている。
この液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプなどの白色光源のランプユニット1102から光が出射されると、3枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの3原色に対応する光成分R、G、Bに分離され(光分離手段)、対応するライトバルブ100R、100G、100B(液晶ライトバルブ1)に各々導かれる。この際に、光成分Bは、光路が長いので、光損失を防ぐために入射レンズ1122、リレーレンズ1123、および出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G、100Bによって各々変調された3原色に対応する光成分R、G、Bは、ダイクロイックプリズム1112(光合成手段)に3方向から入射して再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120などにカラー画像として投射される。
上記の構成によれば、本発明の半導体基板600から形成された液晶ライトバルブ1からなるRGB用のライトバルブ100R、100G、100Bを備えているため、投射型液晶表示装置は表示する画像をより高品質化することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、本発明は、反射型液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス(EL)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD、登録商標)、あるいはプラズマ発光や電子放出による蛍光等を用いた、さまざまな電気光学素子を用いた電気光学装置および該電気光学装置を備えた電子機器に対しても適用可能であるということは言うまでもない。
1…液晶ライトバルブ(電気光学装置)、200…単結晶シリコン基板(単結晶半導体基板)、205…水素イオン注入層(イオン注入層)、210…非晶質シリコン層(非単結晶半導体層)、211…シリコン酸化膜(絶縁層)、220…単結晶シリコン層(単結晶半導体層)、250…半導体層、500…支持基板、600…半導体基板、700…半導体装置、1100…投射型液晶表示装置(電子機器)
Claims (6)
- 単結晶半導体基板の一方面側に非単結晶半導体層を形成する工程と、
前記非単結晶半導体層の上面に絶縁層を設ける工程と、
前記絶縁層側から前記単結晶半導体基板中にイオン注入を行い、イオン注入層を形成する工程と、
前記イオン注入後、前記単結晶半導体基板の前記絶縁層側に支持基板を貼り合せる工程と、
前記単結晶半導体基板における、前記非単結晶半導体層とは反対の表層部を、前記イオン注入層にて分離し、前記支持基板上に単結晶半導体層を形成する工程と、を備えたことを特徴とする半導体基板の製造方法。 - 単結晶半導体基板の一方面側からイオン注入を行い、イオン注入層を形成する工程と、
支持基板の一方面側に絶縁層を設ける工程と、
前記絶縁層上に非単結晶半導体層を設ける工程と、
前記支持基板における前記非単結晶半導体層側の面と、前記単結晶半導体基板における前記イオン注入側の面とを貼り合わせる工程と、
前記貼り合わせ工程の後、前記単結晶半導体基板を前記イオン注入層の部分で分離する工程と、を備えたことを特徴とする半導体基板の製造方法。 - 支持基板の一方面側に設けられた絶縁層上に、非単結晶半導体層と単結晶半導体層との積層構造からなる半導体層が設けられてなることを特徴とする半導体基板。
- 支持基板の一方面側に設けられた絶縁層上に、非単結晶半導体層と単結晶半導体層とが積層されてなる半導体層を備え、該半導体層が能動層として用いられることを特徴とする半導体装置。
- 請求項4に記載の半導体装置を備えることを特徴とする電気光学装置。
- 請求項5に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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-
2006
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