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JP2008150342A - 固形製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 製剤学的な崩壊性が著しく向上した固形製剤を提供すること。
【解決手段】 本発明は、(A)凝固点が−30℃〜15℃である中鎖脂肪酸トリグリセリド、(B)非イオン性界面活性剤、及び(C)糖アルコールを含有する固形製剤を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、製剤学的な崩壊性が著しく向上した固形製剤に関する。
固形製剤が薬効を発揮するためには、一般にその中に含まれる有効成分が消化管から吸収される必要があり、その前段階として固形製剤は崩壊し溶解しなければならない。従って、服用後に生体内で崩壊しない錠剤や崩壊に時間のかかる錠剤では、生体における有効成分の利用能は低くなる。よって、製剤学的に崩壊性を高めることは、固形製剤の薬効を十分に発揮させるために非常に重要である。
これまでにも、固形製剤の崩壊性を向上させるために様々な試みがなされている。最も一般的に行われているのは、デンプンなどの膨潤性物質を崩壊剤として製剤中に配合する方法である。こうした膨潤性物質は、水を含んで膨潤することにより容積を増大させ、固形製剤の内部構造を破壊して崩壊を促進する。このような崩壊剤としては、例えば、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コーンスターチ、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウムなどが一般によく用いられている(非特許文献1など)。
また、崩壊促進剤として界面活性剤が用いられることも公知である。界面活性剤は、固形製剤の水への濡れ性を高めることにより、上記のデンプンなどの膨潤性物質の膨潤を促進し、それにより固形製剤の崩壊性を高めると考えられている(非特許文献2など)。
しかし、上述のような従来技術によって達成される製剤学的崩壊性は未だ十分に満足できるものではなく、より高い固形製剤の製剤学的崩壊性を達成するために、更なる有用な技術の開発が望まれていた。
南原利夫監修、ミクス薬学シリーズ4製剤学、(株)ミクス、1999年4月2日初版1発行、37頁 南山堂医学大辞典、(株)南山堂、1996年2月1日第17版7刷発行、1805頁
本発明は、かかる従来の問題に鑑み、製剤学的な崩壊性が著しく向上した固形製剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、−30℃〜15℃という極めて低い凝固点を有する中鎖脂肪酸トリグリセリドと、非イオン性界面活性剤と、糖アルコールという三成分を組合せて固形製剤に配合すると、それらの三成分の作用が相まって著しく高い製剤学的崩壊性を奏し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
従って、本発明は以下を提供する。
(1)(A)凝固点が−30℃〜15℃である中鎖脂肪酸トリグリセリド、(B)非イオン性界面活性剤、及び(C)糖アルコールを含有する固形製剤。
(2)(B)非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである、項目(1)記載の固形製剤。
(3)(C)糖アルコールの37℃における臨界相対湿度が70%以上である、項目(1)又は(2)に記載の固形製剤。
(4)(C)糖アルコールが、D−マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、および還元パラチノースからなる群より選択される少なくとも一種である、項目(1)〜(3)のいずれか一項に記載の固形製剤。
(5)錠剤である、項目(1)〜(4)のいずれか一項に記載の固形製剤。
本発明により、服用時(投与時)に水分に触れると極めて迅速に崩壊するという製剤学的崩壊性が著しく高められた固形製剤が提供される。本発明では、上述の三成分を配合するという極めて単純な操作で、そのような著しく高い製剤学的崩壊性を有する固形製剤を得ることができるという点で非常に有益である。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書中において使用される用語は、特に他に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられていることが理解されるべきである。
本明細書において用いられる用語「中鎖脂肪酸」とは、CH(CHCOOHで表される飽和脂肪酸であって、n=4〜10のものをいい、好ましくはn=6〜8のものをいう。
本発明に用いられる「中鎖脂肪酸トリグリセリド」は、単にMCT(Medium Chain Fatty Acid Triglycerideの略) とも称され、グリセリンにエステル結合している3つの脂肪酸の少なくとも1つが中鎖脂肪酸であるトリグリセリド、より好ましくは、グリセリンにエステル結合している3つの脂肪酸の少なくとも2つが中鎖脂肪酸であるトリグリセリド、最も好ましくは、グリセリンにエステル結合している3つの脂肪酸のすべてが中鎖脂肪酸であるトリグリセリドをいう。
本発明には、グリセリンにエステル結合している中鎖脂肪酸種が一種類のみのトリグリセリド(例えば、グリセリンにエステル結合している中鎖脂肪酸がカプリル酸のみのカプリル酸トリグリセリド、カプリン酸のみのカプリン酸トリグリセリドなど)が用いられても良いし、グリセリンにエステル結合している中鎖脂肪酸種が複数種であるトリグリセリド(例えば、グリセリンにエステル結合している中鎖脂肪酸がカプリル酸とカプリン酸である(カプリル酸・カプリン酸)トリグリセリドや、カプリル酸とカプリン酸とラウリン酸である(カプリル酸・カプリン酸・ラウリン酸)トリグリセリドなど)が用いられても良い。本発明の中鎖脂肪酸トリグリセリドには、一種類の中鎖脂肪酸トリグリセリドのみが用いられても良いし、複数種の中鎖脂肪酸トリグリセリドの混合物が用いられても良い。
本発明に用いられる中鎖脂肪酸トリグリセリドは、天然物からの抽出物であってもよいし、合成物であってもよい。また本発明に用いられる中鎖脂肪酸トリグリセリドには市販品も利用可能であり、例えば、花王株式会社(商品名:ココナード)、日清サイエンス株式会社(商品名:ODO−L)、ミツバ貿易株式会社(商品名:ミグリオール)、日本油脂株式会社(商品名:パナセート)、高級アルコール工業株式会社(商品名:TCG−M)、または理研ビタミン株式会社(商品名:アクター)などから容易に入手可能である。
用語「凝固点」は、当業者に一般に理解され得る通り、液体または気体の凝固が始まる温度をいい、例えば、第十五改正日本薬局方に収載される凝固点測定法等により当業者に容易に測定され得る。不純物や混合物の場合、凝固過程で凝固点が変化するので融点と凝固点は一致せず、一般に混合物などの凝固点は純物質の凝固点よりも、やや低くなることが知られている。なお、純物質の場合には、凝固点は融点に一致する。
本発明に用いられる中鎖脂肪酸トリグリセリドは、−30℃〜15℃の凝固点を有する。より好ましくは、本発明に用いられる中鎖脂肪酸トリグリセリドは、−20℃〜10℃の凝固点を有し、さらに好ましくは−15℃〜5℃の凝固点を有し、特に好ましくは−10℃〜0℃の凝固点を有し、最も好ましくは−8℃〜−2℃の凝固点を有する。
本発明の固形製剤中における中鎖脂肪酸トリグリセリドの含有割合は、本願効果を奏し得る限り特に制限されず、また使用する中鎖脂肪酸トリグリセリドの種類や性質などから当業者により適宜変動され得る。しかしより高い本願効果を得るためには、通常は固形製剤全体に対して0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは0.1〜12重量%、特に好ましくは0.4〜10重量%とするのがよい。
本発明に用いられる「非イオン性界面活性剤」とは、当業者に一般に理解される通り、界面活性剤のうち親水基が非イオン性のものをいう。本発明には、任意の非イオン性界面活性剤を用いることができ、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが用いられ得るが、これらに限定されない。なかでも、より確実に高い本願効果を得るためには、本発明には、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが用いられる。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリソルベート20(別名:モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.))、ポリソルベート21(別名:モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(4E.O.))、ポリソルベート40(別名:モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.))、ポリソルベート60(別名:モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.))、ポリソルベート61(別名:モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(4E.O.))、ポリソルベート65(別名:トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.))、ポリソルベート80(別名:モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.))、ポリソルベート81(別名:モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(5E.O.))、ポリソルベート85(別名:トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.))、ポリソルベート120(別名:モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.))などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の固形製剤には、上述のような非イオン性界面活性剤の中から1種類のみが用いられても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
本発明に用いる非イオン性界面活性剤には市販品も利用可能であり、例えば、日光ケミカルズ(株)、日本サーファクタント工業(株)、(株)ADEKA、コグニスジャパン(株)、第一工業製薬(株)、竹本油脂(株)、日本油脂(株)、花王(株)、三洋化成工業(株)などから入手可能である。
本発明の固形製剤中における非イオン性界面活性剤の含有割合は、本願効果を奏し得る限り特に制限されず、また使用する非イオン性界面活性剤の種類や性質などから当業者により適宜変動され得る。しかしより高い本願効果を得るためには、通常は固形製剤全体に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.09〜5重量%、より好ましくは0.4〜3重量%とするのがよい。
また本発明の固形製剤中における、中鎖脂肪酸トリグリセリドと非イオン性界面活性剤を合算した量の割合は、本願効果を奏し得る限り特に制限されず、また使用する両成分の種類や性質などから当業者により適宜変動され得る。しかし通常は、固形製剤全体量に対する上記両成分の合算量の割合は0.02〜20重量%、好ましくは0.05〜15重量%、より好ましくは0.5〜12重量%、特に好ましくは0.9〜10重量%とするのがよい。
また、本発明の固形製剤における中鎖脂肪酸トリグリセリドと非イオン性界面活性剤との配合比は、本発明の効果を奏し得る限り特に制限はなく、また使用する中鎖脂肪酸トリグリセリド及び非イオン性界面活性剤の種類や性質などに基づき当業者により適宜変動され得る。しかしより確実に高い本願効果を得る観点から、好ましくは、中鎖脂肪酸トリグリセリド1重量部に対して、非イオン性界面活性剤が0.01〜20重量部、より好ましくは0.1〜15重量部、特に好ましくは0.1〜10重量部とするのがよい。
本発明に用いられる「糖アルコール」は、糖分子のカルボニル基を還元して得られる任意の多価アルコールをいい、D体またはL体またはDL体のいずれでもあってもよい。例えば、糖アルコールは、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、還元パラチノース(パラチニット)、ソルビトールなどであり得る。
なお、実施例で使用した糖アルコールのD−マンニトールは37℃における臨界相対湿度が比較的高く、約70%以上であることが知られている。よって好ましくは、本発明には、D−マンニトールと同等の性質を示すこの37℃における臨界相対湿度が高いもの、具体的には、37℃における臨界相対湿度が70%以上の糖アルコールが用いられる。用語「臨界相対湿度」とは、臨界比湿度とも呼ばれる当該分野で周知の吸湿性パラメーターであり、目的とする物質に固有の吸湿度を示す。臨界相対湿度が低いことはその物質が吸湿し易い性質を有することを意味し、逆に、臨界相対湿度が高いことはその物質が吸湿し難い性質を有することを意味する。37℃における臨界相対湿度が70%以上である糖アルコールとしては、例えば、エリスリトール、キシリトール、D−マンニトール、マルチトール、ラクチトール、還元パラチノースなどが挙げられ、本発明にはこれらの糖アルコールが好適に用いられ得る。より好ましくは、本発明に用いられる糖アルコールは、エリスリトール、キシリトール、D−マンニトール、及び/又はラクチトールである。
本発明の固形製剤には、上述のような糖アルコールの中から1種類のみが用いられても良いし、2種類以上が組み合わせて用いられても良い。
本発明に用いられる糖アルコールは、天然物からの抽出物であってもよいし、合成物であってもよく、また市販品も利用可能である。例えば、糖アルコールの市販品は、三菱化学工業(商品名:エリスリトール)、東和化成工業(商品名:キシリット、マンニット、ソルビット、アマルティ、レシス、ミルヘンなど)、花王株式会社(商品名:日本薬局方マンニトール花王)、日研化成株式会社(商品名:ラクチトール日研)などから容易に入手可能である。
本発明の固形製剤中における糖アルコールの含有割合は、本願効果を奏し得る限り特に制限されず、また使用する糖アルコールの種類や性質などから当業者により適宜変動され得る。しかしより高い本願効果を得るためには、通常は固形製剤全体に対して30〜97重量%、好ましくは40〜90重量%、特に好ましくは50〜75重量%とするのがよい。
本発明の固形製剤における中鎖脂肪酸トリグリセリドと糖アルコールとの配合比は、本発明の効果を奏し得る限り特に制限はなく、また使用する中鎖脂肪酸トリグリセリド及び糖アルコールの種類や性質などに基づき当業者により適宜変動され得る。しかし通常は中鎖脂肪酸トリグリセリド1重量部に対して、糖アルコールが1.5〜9700重量部、好ましくは2〜900重量部、より好ましくは5〜150重量部とするのがよい。
また本発明の固形製剤における非イオン性界面活性剤と糖アルコールとの配合比も、本発明の効果を奏し得る限り特に制限はなく、また使用する非イオン性界面活性剤及び糖アルコールの種類や性質などに基づき当業者により適宜変動され得る。しかし通常は非イオン性界面活性剤1重量部に対して、糖アルコールが3〜9700重量部、好ましくは8〜900重量部、より好ましくは15〜750重量部とするのがよい。
本発明の固形製剤には、その用途に応じて、他の任意の有効成分を配合してもよい。そのような任意の他の有効成分としては、例えば下記に列挙するような成分が挙げられるが、これらに限定されない。また下記に列挙するような他の任意の有効成分は、その生理学的又は薬学的に許容可能な塩の形態でもあり得る。これらのような他の任意の有効成分は、単独で配合されてもよいし又は二種以上を組合せて配合されてもよい。
配合可能な他の任意の有効成分としては、例えば、薬効成分(生理活性成分、薬理活性成分、又は有効成分)などが挙げられる。これらの成分としては、特に制限されず、例えば、解熱鎮痛成分(アスピリン、サリチル酸メチルなどのサリチル酸誘導体;アセトアミノフェン、サザピリン、エテンザミド、イソプロピルアンチピリン、インドメタシン、イブプロフェンなど)、鎮静催眠成分(ブロムワレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素など)、抗炎症成分(セレコキシブ、リゾチーム、アズレンスルホン酸など)、抗ヒスタミン成分(クロルフェニラミン、メキタジン、ジフェンヒドラミンなど)、抗アレルギー成分(エメダスチンなど)、去痰成分(グアヤコールスルホン酸カリウム、塩酸L−エチルシステイン、クレゾールスルホン酸カリウム、塩酸ブロムヘキシン、塩酸アンブロキソール、グアイフェネシンなど)、鎮咳成分(マオウ、ナンテンジツなどの生薬など)、気管支拡張剤(カフェインなどのキサンチン誘導体など)、副交感神経遮断剤(ベラドンナアルカロイド、ベラドンナ総アルカロイドなど)、殺菌成分(塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩酸クロルヘキシジンなど)、昇圧剤(塩酸フェニレフリンなど)、健胃成分(アニス実、アロエなどの生薬;カルニチンなどの副交感神経興奮剤;メトクロプラミドなどの抗ドーパミン薬;トリメブチン、メントール、グルタミン酸など)、制酸成分(炭酸マグネシウム、沈降炭酸マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ヒスタミンH2受容体拮抗剤(シメチジンなど)、プロトンポンプ阻害剤(ランソプラゾールなど)など)、粘膜修復成分(グリチルリチン酸又はその塩など)、消化酵素(ジアスターゼ、パンクレアチン、ペプシンなど)、細胞賦活成分(レチナール、レチノールなど)、生薬成分、ビタミン類、アミノ酸類、ミネラル類などが例示できる。
上述のような任意の有効成分の配合割合は、固形製剤の大きさや用途などによって適宜選択でき、例えば、固形製剤全体に対して0.001〜80重量%、好ましくは0.001〜30重量%、より好ましくは0.001〜10重量%などであり得る。
本発明の固形製剤はまた、前記以外の他の成分として、医薬部外品や医薬品又は食品などに使用される慣用の成分、例えば、甘味剤、矯味剤、滑沢剤、結合剤、賦形剤、防腐剤、キレート剤、抗酸化剤、清涼化剤、コーティング剤、安定化剤、懸濁化剤、流動化剤、乳化剤、粘稠剤、溶解補助剤、増粘剤、緩衝剤、香料、着色剤、分散剤、吸着剤、湿潤剤、防湿剤、帯電防止剤、発泡剤、可塑剤、甘味剤、溶剤、pH調整剤、消泡剤などを含有してもよく、また公知の崩壊剤を更に含有してもよい。以下に任意に配合できる慣用成分を具体的に例示するが、本発明に用いられる成分はこれらに限定されるものではない。
崩壊剤:デンプン類(トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コーンスターチ、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、部分アルファー化デンプンなど)、セルロース類(カルボキシメチルセルロースカルシウム、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウムなど)、形質無水ケイ酸など。本発明には好ましくはトウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが用いられる。
賦形剤:ブドウ糖、白糖、乳糖、果糖などの糖類、結晶セルロース、カルメロースナトリウム、リン酸水素カルシウム、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、デキストリン、βーシクロデキストリン、軽質無水ケイ酸、酸化チタン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、タルク、カオリンなど。
結合剤:メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アクリル酸系高分子、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、アルファー化デンプン、カンテン、トラガント、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステルなど。
滑沢剤:ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、セタノール、タルク、硬化油、ショ糖脂肪酸エステル、ジメチルポリシロキサン、ミツロウ、サラシミツロウなど)
抗酸化剤:ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、トコフェロール、クエン酸など。
コーティング剤:ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、メタアクリル酸コポリマー、ポリビニルアセタートジエチルアミノアセテート、セラックなど。
着色剤:食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用青色1号、食用黄色4号金属レーキ、銅クロロフィンナトリウム、リボフラビン、ウコン抽出液、カロチン液など。
矯味剤:アスパルテーム、アスコルビン酸、ステビア、メントール、カンゾウ粗エキス、単シロップなど。
可塑剤:クエン酸トリエチル、ポリエチレングリコール、トリアセチン、セタノールなど。
甘味剤:ショ糖、アスパルテームなどの天然又は合成甘味剤。
香料:メントール、カンフル、ボルネオール、シンナムアルデヒドなど。
溶剤:水、エタノール、イソプロパノール、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノールなど。
pH調整剤:クエン酸、リンゴ酸、リン酸水素ナトリウム、リン酸二カリウムなど。
清涼化剤:l−メントール、ハッカ水など。
懸濁化剤:カオリン、カルメロースナトリウム、キサンタンガム、メチルセルロース、トラガントなど。
消泡剤:ジメチルポリシロキサン、シリコン消泡剤など。
粘稠剤:キサンタンガム、トラガント、メチルセルロース、デキストリンなど。
溶解補助剤:エタノール、ショ糖脂肪酸エステル、マクロゴールなど。
上述のような慣用成分の配合割合は、固形製剤の大きさや用途などによって適宜選択でき、例えば、固形製剤全体に対して0.001〜97重量%、好ましくは0.01〜90重量%などであり得る。
本発明の固形製剤は、製剤学的崩壊性を高めることが求められる任意の剤形の製剤であり得る。例えば、本発明の固形製剤は、錠剤、硬カプセル剤、顆粒剤、散剤、ドライシロップ剤、丸剤、トローチ剤、または坐剤などの剤形であり得る。好ましくは、本発明の固形製剤は、より高い崩壊性が一般に望まれる、錠剤、硬カプセル剤、顆粒剤、散剤またはドライシロップ剤であり、なかでも比表面積が小さいために製剤学的崩壊性を向上させることがとりわけ強く望まれる錠剤が特に好ましい。後述の実施例に示すように本発明によれば、錠剤の形態であっても高い製剤学的崩壊性を示し得ることが実証されている。なお錠剤は、素錠であってもよいし、又はフィルムコート基剤や糖類などで被覆処理を施されていてもよい。
また錠剤は任意の服用形態のものであり得るが、好ましくは、口腔内において、必要により咀嚼して崩壊又は溶解することにより嚥下可能な錠剤(本明細書では、この形態を「咀嚼型錠剤」という)である。咀嚼型錠剤の例としては、チュアブル錠、口腔内速崩壊錠、口腔内速溶解錠などが挙げられるが、これらに限定されない。
特に本発明の錠剤は、製剤学的崩壊性が非常に優れているため、口中のわずかな唾液でも良好な製剤学的崩壊性を示し得る。従って本発明の錠剤は、敢えて外部から水分を摂取せずともそのまま水無しで服用できる錠剤などとして好適に利用することができる。
本発明の固形製剤は、製剤学分野における慣用の方法をそのまま又は適宜応用して製造することができる。例えば、錠剤の場合を例示すると、本発明の錠剤は圧縮成形法により調製されてもよいし、一定の型に流し込んで成形する方法などにより調製されてもよい。しかし好ましくは、本発明の錠剤は圧縮成形法により製造される。
圧縮成形法による場合、本発明の錠剤は、具体的には上述したような中鎖脂肪酸トリグリセリド、非イオン性界面活性剤、糖アルコール、及び必要に応じて配合される他の任意成分(例えば、錠剤の形を整えるために配合される賦形剤などが挙げられるが、これに限定されない)などの配合成分を、秤量し混合した後、そのまま直接的にこの混合物を圧縮成型するか(直打法)、または上記のようにして得られた混合物に造粒処理を施して造粒物を製造し、さらに必要に応じてこの造粒物を整粒して顆粒物とした後に、この造粒物又は顆粒物を圧縮成型することにより製造される(間接圧縮法)。
配合成分の混合方法としては、各配合成分を安定かつ均一に混ぜることができる当該分野で公知の任意の方法が利用され得る。最も簡便には、例えば、容器回転型混合機や容器固定型混合機などの混合機を利用して混合され得る。
必要に応じて、圧縮成型処理を施す前に、このようにして得られた混合物に造粒処理をして造粒物を製造するか、又はさらに整粒処理をして顆粒物を製造する。本発明の固形製剤を得るために行われ得る造粒処理方法としては、例えば、押出造粒法、流動層造粒法、転動造粒法、高速攪拌造粒法、スプレードライ法、乳化造粒法などが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の錠剤を得るために行われ得る整粒処理方法としては、湿式解砕整粒法、乾式解砕整粒法、ロール式粉砕法などが挙げられるが、これらに限定されない。
上記のようにして得られた混合物、造粒物又は顆粒物を圧縮成型するためには、当該分野で公知の任意の圧縮成型装置が利用され得る。圧縮成型装置としては、例えば、ロータリー式打錠機、単発打錠機などが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、ロータリー式打錠機を利用して圧縮成型される。
錠剤の形状は、本願効果を奏し得る限り特に制限されず、その用途に応じて当業者により適宜選択され得る。例えば、錠剤の形状は、常法に従って水平面に配置してその上面から眺めたときの形状が、円形、楕円形、多角形(三角形、四角形、五角形等)、星形、動植物形、ドーナツ形などであり得るが、これらに限定されない。しかし特に好ましくは、上述のようにして眺めたときの錠剤の形状は、円形または楕円形とするのがよい。
錠剤の大きさも、本願効果を奏し得るかぎり特に制限されず、その用途に応じて当業者により適宜選択され得る。しかし経口摂取に適し且つより高い本願効果を得るためには、通常は、上述のような上面から眺めたときの形状の外接円の直径が、6〜30mm程度となるのがよく、好ましくは6〜18mm程度となるのがよく、より好ましくは6〜15mm程度となるのがよく、特に好ましくは6〜10mm程度となるのがよい。また錠剤の厚さは、通常は2.0〜6.0mm程度となるのがよく、好ましくは2.5〜5.0mm程度となるのがよく、特に好ましくは3.0〜4.5mm程度となるのがよい。
本発明の固形製剤は、医薬品、医薬部外品、食品(例えば、老人用食品、特別用途食品、特定保健用食品、条件付特定保健用食品、栄養機能食品、機能性食品、健康補助食品、サプリメント、健康食品、製菓、菓子、動物用食品、ペットフード、飼料)などの用途に幅広く利用することができる。医薬品としては、例えば本発明の固形製剤は、鼻炎薬、乗り物酔い薬、胃腸薬、下痢止め薬などの任意の医薬用途に利用され得る。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
(試験錠剤の調製)
実施例1の試験錠剤を下記方法により調製した。
まず、トウモロコシデンプン170重量部、D−マンニトール634重量部、及びヒドロキシプロピルセルロース30重量部を予め混合し、これにエタノールを適量加えて練合し、中鎖脂肪酸トリグリセリド((カプリル酸・カプリン酸)トリグリセリド、凝固点:約−5℃)24重量部及び12重量部のポリソルベート80で分散させた後、押出造粒法により造粒した。この造粒物を整粒して顆粒にし、次いで、この顆粒に軽質無水ケイ酸30重量部、結晶セルロース20重量部、及びステアリン酸マグネシウム25重量部を添加し、V型混合機((株)徳寿工作所製)にて15分間混合した。この混合物を、ロータリー式打錠機(コレクト19、(株)菊水製作所製)により本圧15kN/杵(予圧2kN/杵)で打錠し、円形の咀嚼型錠剤(直径9.5mm、厚さ4.0mm、一錠315mg)を得た。
一方、ポリソルベート80(非イオン性界面活性剤)をラウリル硫酸ナトリウム(イオン性界面活性剤)に変更した以外は上記と同様にして、比較例1の試験錠剤を調製した。
次いで、上記のようにして得られた実施例1及び比較例1の試験錠剤に対して、下記の崩壊試験法に従って錠剤の崩壊性について調べた。
(錠剤の製剤学的崩壊性試験)
一般的な製剤の崩壊性試験法(一般試験法 日本薬局方第15改正)に準じて、これらの試験錠剤の崩壊性を試験した。詳細には、各試験錠剤と試験液(水を使用)をガラスの試験器に入れ(n=6)、試験液の温度を37℃±2℃に保ったままで、1分間に29〜32往復、振幅53〜57mmで滑らかに上下運動させた。そして錠剤の残留物が試験器内に認められなくなる迄の時間を計測した。この消失までの時間が短いほど製剤学的崩壊性が高く、即ち、服用時(投与時)に水分に触れると極めて迅速に崩壊するという優れた製剤学的崩壊性を示し得るということができる。
本試験の結果を、下記表1の最下欄に示す。
Figure 2008150342
この結果から示されるように、非イオン性界面活性剤(ポリソルベート80)を使用することにより、イオン性界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)を使用する場合よりも崩壊時間が著しく短縮され、製剤の崩壊性が顕著に向上することが認められた。
実施例2
実施例2の試験錠剤を下記方法により調製した。
まず、トウモロコシデンプン170重量部、D−マンニトール634重量部、及びヒドロキシプロピルセルロース30重量部を予め混合し、これにエタノールを適量加えて練合し、中鎖脂肪酸トリグリセリド((カプリル酸・カプリン酸)トリグリセリド、凝固点:約−5℃)24重量部及び12重量部のポリソルベート80で分散させた後、押出造粒法により造粒した。この造粒物を整粒して顆粒にし、次いで、この顆粒に軽質無水ケイ酸30重量部、結晶セルロース20重量部、及びステアリン酸マグネシウム25重量部を添加し、V型混合機((株)徳寿工作所製)にて15分間混合した。この混合物を、ロータリー式打錠機(コレクト19、(株)菊水製作所製)により本圧15kN/杵(予圧2kN/杵)で打錠し、円形の咀嚼型錠剤(直径9.5mm、厚さ4.0mm、一錠315mg)を得た。
一方、中鎖脂肪酸トリグリセリドを配合せず、その代わりにD−マンニトールの量を増量した以外は上記と同様にして、比較例2の試験錠剤を調製した。
次いで、上記のようにして得られた実施例2及び比較例2の試験錠剤に対して、実施例1に記載した崩壊試験法に従って錠剤の崩壊性について調べた。その結果を、下記表2の最下欄に示す。
Figure 2008150342
この結果から示されるように、非イオン性界面活性剤(ポリソルベート80)と糖アルコールと共に中鎖脂肪酸トリグリセリドを配合することにより、中鎖脂肪酸トリグリセリドを共に配合しない場合と比べて崩壊時間が著しく短縮され、製剤の崩壊性が顕著に向上することが認められた。
実施例3
実施例3の試験錠剤を下記方法により調製した。
まず、トウモロコシデンプン170重量部、D−マンニトール634重量部、及びヒドロキシプロピルセルロース30重量部を予め混合し、これにエタノールを適量加えて練合し、中鎖脂肪酸トリグリセリド((カプリル酸・カプリン酸)トリグリセリド、凝固点:約−5℃)24重量部及び12重量部のポリソルベート80で分散させた後、押出造粒法により造粒した。この造粒物を整粒して顆粒にし、次いで、この顆粒に軽質無水ケイ酸30重量部、結晶セルロース20重量部、及びステアリン酸マグネシウム25重量部を添加し、V型混合機((株)徳寿工作所製)にて15分間混合した。この混合物を、ロータリー式打錠機(コレクト19、(株)菊水製作所製)により本圧15kN/杵(予圧2kN/杵)で打錠し、円形の咀嚼型錠剤(直径9.5mm、厚さ4.0mm、一錠315mg)を得た。
一方、中鎖脂肪酸トリグリセリド(凝固点:約−5℃)を配合せず、その代わりに常温で固体の油脂状物質であるサラシミツロウ(融点:約60〜67℃)を配合した以外は上記と同様にして、比較例3の試験錠剤を調製した(なお、サラシミツロウは常温で固体である為100℃に加温して溶解した後に使用した)。
次いで、上記のようにして得られた実施例3及び比較例3の試験錠剤に対して、実施例1に記載した崩壊試験法に従って錠剤の崩壊性について調べた。その結果を、下記表3の最下欄に示す。
Figure 2008150342
この結果から示されるように、非イオン性界面活性剤(ポリソルベート80)と糖アルコールと共に中鎖脂肪酸トリグリセリド(凝固点:約−5℃)を配合することにより、サラシミツロウ(融点:約60〜67℃)を共に配合する場合と比べて崩壊時間が著しく短縮され、製剤の崩壊性が顕著に向上することが認められた。
実施例4
実施例4の試験錠剤を下記方法により調製した。
まず、トウモロコシデンプン170重量部、D−マンニトール634重量部、及びヒドロキシプロピルセルロース30重量部を予め混合し、これにエタノールを適量加えて練合し、中鎖脂肪酸トリグリセリド((カプリル酸・カプリン酸)トリグリセリド、凝固点:約−5℃)24重量部及び12重量部のポリソルベート80で分散させた後、押出造粒法により造粒した。この造粒物を整粒して顆粒にし、次いで、この顆粒に軽質無水ケイ酸30重量部、結晶セルロース20重量部、及びステアリン酸マグネシウム25重量部を添加し、V型混合機((株)徳寿工作所製)にて15分間混合した。この混合物を、ロータリー式打錠機(コレクト19、(株)菊水製作所製)により本圧15kN/杵(予圧2kN/杵)で打錠し、円形の咀嚼型錠剤(直径9.5mm、厚さ4.0mm、一錠315mg)を得た。
一方、造粒の際に使用したD−マンニトールを、乳糖(比較例4−1)又は結晶セルロース(比較例4−2)に変更した以外は上記と同様にして、試験錠剤を調製した。
次いで、上記のようにして得られた実施例4、比較例4−1及び比較例4−2の試験錠剤に対して、実施例1に記載した崩壊試験法に従って錠剤の崩壊性について調べた。その結果を、下記表4の最下欄に示す。
Figure 2008150342
この結果から示されるように、非イオン性界面活性剤(ポリソルベート80)と中鎖脂肪酸トリグリセリドと共に糖アルコールを配合することにより、乳糖や結晶セルロースを共に配合する場合に比べて崩壊時間が著しく短縮され、製剤の崩壊性が顕著に向上することが認められた。
実施例5〜7
実施例5の試験錠剤を下記方法により調製した。
まず、トウモロコシデンプン170重量部、D−マンニトール634重量部、及びヒドロキシプロピルセルロース30重量部を予め混合し、これにエタノールを適量加えて練合し、中鎖脂肪酸トリグリセリド((カプリル酸・カプリン酸)トリグリセリド、凝固点:約−5℃)24重量部及び12重量部のポリソルベート80で分散させた後、押出造粒法により造粒した。この造粒物を整粒して顆粒にし、次いで、この顆粒に軽質無水ケイ酸30重量部、結晶セルロース20重量部、及びステアリン酸マグネシウム25重量部を添加し、V型混合機((株)徳寿工作所製)にて15分間混合した。この混合物を、ロータリー式打錠機(コレクト19、(株)菊水製作所製)により本圧15kN/杵(予圧2kN/杵)で打錠し、円形の咀嚼型錠剤(直径9.5mm、厚さ4.0mm、一錠315mg)を得た。
一方、ポリソルベート80を、ポリソルベート60(実施例6)又はポリソルベート20(実施例7)に変更した以外は上記と同様にして、試験錠剤を調製した。
次いで、上記のようにして得られた実施例5〜7の試験錠剤に対して、実施例1に記載した崩壊試験法に従って錠剤の崩壊性について調べた。その結果を、下記表5の最下欄に示す。
Figure 2008150342
この結果から示されるように、非イオン性界面活性剤として、ポリソルベート80を用いる場合のみならず、ポリソルベート60やポリソルベート20などを用いる場合であっても製剤の崩壊性が顕著に向上することが認められ、種々の非イオン性界面活性剤が本発明に使用可能であることが認められた。
実施例8〜9
実施例8の試験錠剤を下記方法により調製した。
まず、トウモロコシデンプン170重量部、D−マンニトール646重量部、及びヒドロキシプロピルセルロース30重量部を予め混合し、これにエタノールを適量加えて練合し、中鎖脂肪酸トリグリセリド((カプリル酸・カプリン酸)トリグリセリド、凝固点:約−5℃)4.5重量部及び4.5重量部のポリソルベート80で分散させた後、押出造粒法により造粒した。この造粒物を整粒して顆粒にし、次いで、この顆粒に軽質無水ケイ酸30重量部、結晶セルロース30重量部、及びステアリン酸マグネシウム30重量部を添加し、V型混合機((株)徳寿工作所製)にて15分間混合した。この混合物を、ロータリー式打錠機(コレクト19、(株)菊水製作所製)により本圧5kN/杵(予圧2kN/杵)で打錠し、円形の咀嚼型錠剤(直径9.5mm、厚さ4.1mm、一錠315mg)を得た。
一方、非イオン性界面活性剤の含有割合を更に少なくし、その分だけD−マンニトールの量を増量した以外は上記と同様にして、実施例9の試験錠剤を調製した。
次いで、上記のようにして得られた実施例8〜9の試験錠剤に対して、実施例1に記載した崩壊試験法に従って錠剤の崩壊性について調べた。その結果を、下記表6の最下欄に示す。
Figure 2008150342
この結果から示されるように、中鎖脂肪酸トリグリセリドと非イオン性界面活性剤の配合量を、本実施例に示される程度まで非常に少量にした場合であっても、製剤の崩壊性を著しく向上させることが可能であることが認められた。
以下に製剤実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
製剤実施例1(錠剤:直径10mm、厚さ3.7mm):
d−マレイン酸クロルフェニラミン 6.0重量部
ベラドンナ総アルカロイド 0.4重量部
無水カフェイン 60.0重量部
塩酸フェニレフリン 15.0重量部
スクラロース 21.0重量部
軽質無水ケイ酸 75.0重量部
トウモロコシデンプン 190.0重量部
ヒドロキシプロピルセルロース 27.0重量部
中鎖脂肪酸トリグリセリド(凝固点:約−5℃) 36.0重量部
ポリソルベート80 12.0重量部
ステアリン酸マグネシウム 30.0重量部
D−マンニトール 残部
合計 1050.0重量部
製剤実施例2(錠剤:直径10mm、厚さ4.2mm):
臭化水素酸スコポラミン 0.5重量部
塩酸ピリドキシン 12.0重量部
塩酸フェニレフリン 15.0重量部
中鎖脂肪酸トリグリセリド(凝固点:約−5℃) 43.2重量部
HCO-60(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油) 21.6重量部
軽質無水ケイ酸 70.0重量部
トウモロコシデンプン 250.0重量部
ヒドロキシプロピルセルロース 36.0重量部
アスパルテーム 30.0重量部
ステアリン酸マグネシウム 40.0重量部
香料 微量
キシリトール 残部
合計 1440.0重量部

Claims (5)

  1. (A)凝固点が−30℃〜15℃である中鎖脂肪酸トリグリセリド、(B)非イオン性界面活性剤、及び(C)糖アルコールを含有する固形製剤。
  2. (B)非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである、請求項1記載の固形製剤。
  3. (C)糖アルコールの37℃における臨界相対湿度が70%以上である、請求項1又は2に記載の固形製剤。
  4. (C)糖アルコールが、D−マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、および還元パラチノースからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の固形製剤。
  5. 錠剤である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の固形製剤。
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