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JP2008143194A - 車体前部構造 - Google Patents

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JP2008143194A
JP2008143194A JP2006328954A JP2006328954A JP2008143194A JP 2008143194 A JP2008143194 A JP 2008143194A JP 2006328954 A JP2006328954 A JP 2006328954A JP 2006328954 A JP2006328954 A JP 2006328954A JP 2008143194 A JP2008143194 A JP 2008143194A
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建次郎 三木
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Abstract

【課題】前突時にフロントサイドフレームに入力された衝撃荷重を、結合メンバによりエプロンレインフォースメントに分岐伝達し、フロントサイドフレームのキックアップ部の折れ変形を防止しつつ、結合メンバをアンダ側結合メンバと、アッパ側結合メンバとに分割して、アンダボディとアッパボディとの結合を容易に行ない、車体の生産性向上を図る車体前部構造を提供する。
【解決手段】結合メンバ25は、閉断面の中空部材を屈曲して形成され、中空部材が長手方向に分割されてフロントサイドフレーム1側に結合されるアンダ側結合メンバ25Xと、エプロンレインフォースメント22側に結合されるアッパ側結合メンバ25Yとから構成され、アンダ側結合メンバ25Xとアッパ側結合メンバ25Yとを荷重伝達可能に連結する連結部45を備えたことを特徴とする。
【選択図】図5

Description

この発明は、サスタワー部に沿ってフロントサイドフレームとエプロンレインフォースメントとを結合する結合メンバが設けられたような車体前部構造に関する。
一般に、エンジンルームの左右両側において車両の前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレームは、そのキックアップ部を介してフロアパネル下部のフロアフレームと連続するように設けられているが、正面衝突時の衝突時に上述のフロントサイドフレームに衝撃荷重が入力した場合、そのキックアップ部が破損、座屈する問題点があった。
このような問題点を解決するために、特許文献1または特許文献2に開示された車体前部構造が既に発明されている。
特許文献1に開示された構造は、側面視で直線状に設けられる結合メンバが、フロントサイドフレームにおけるサスタワーの配設位置からカウルサイドとしてのエプロンレインフォースメントの後部とカウルの車幅方向両端部に延び、結合メンバがサスタワーの外周面に溶着され、また結合メンバの前端部が、サスタワーの配設位置の前端部(すなわちサスタワーの前壁部)の側方におけるフロントサイドフレームの上面からカウルサイドに延びるように配置されていて、フロントサイドフレームに作用する衝突荷重を、結合メンバを介してエプロンレインフォースメントに伝達および分散させ、かつ、サスタワーを上記結合メンバにて補強するものである。
特許文献2に開示された構造は、サスタワーの前部において、フロントサイドフレームとホイールアーチ部とエプロンレインフォースメントとを補強すべく前部補強部材(前部結合メンバ)を設けると共に、サスタワーの後部においてフロントサイドフレーム、サスタワー、ダッシュロアパネルの三者に跨がるように荷重伝達部材としての後部補強部材(後部結合メンバ)を設け、フロントサイドフレームに作用する衝突荷重を分散させるものである。
しかしながら、これらの各特許文献1,2の何れにおいても、結合メンバは板部材を屈曲形成した所謂板金スタンプ方式のメンバであるから、荷重分散、荷重伝達が不充分な問題点があった。
加えて、車体構造においては、フロントサイドフレームはアンダボディ側に設けられ、エプロンレインフォースメント要部はアッパボディ側に設けられるのが一般的であって、上記結合メンバがフロントサイドフレームと、エプロンレインフォースメントとを結合する場合、アンダボディとアッパボディとの結合を考慮した構成と成すことが要請されるが、上記特許文献1,2の何れにおいても、アンダボディとアッパボディとの結合、つまり車体の生産性を考慮した結合メンバの構成については開示されていない。
特開2003−182633号公報 特開2006−21590号公報
そこで、この発明は、サスタワー部に沿ってフロントサイドフレームとエプロンレインフォースメントとを結合する結合メンバを設け、該結合メンバを、閉断面構造の中空部材を屈曲して形成すると共に、該中空部材を長手方向に分割して、フロントサイドフレーム側に結合されるアンダ側結合メンバと、エプロンレインフォースメント側に結合されるアッパ側結合メンバとから構成し、かつ、これら両メンバを連結部により荷重伝達可能に連結することで、車両の前突時にフロントサイドフレームに入力された衝撃荷重を、結合メンバによりエプロンレインフォースメントに分岐伝達して、荷重分散を図り、これにより、フロントサイドフレームのキックアップ部の折れ変形を防止するという本来の目的を達成しつつ、結合メンバをアンダ側結合メンバと、アッパ側結合メンバとに分割することで、アンダボディとアッパボディとの結合を容易に行なうことができ、車体の生産性向上を図ることができる車体前部構造の提供を目的とする。
この発明による車体前部構造は、左右一対のフロントサイドフレームと、ヒンジピラーから前方に突出するエプロンレインフォースメントと、車内側下端部が上記フロントサイドフレームに結合され、車外側上端部が上記エプロンレインフォースメントに結合されたサスタワー部と、該サスタワー部に沿って上記フロントサイドフレームと上記エプロンレインフォースメントとを結合する結合メンバが設けられた車体前部構造であって、上記結合メンバは、閉断面構造の中空部材を屈曲して形成されると共に、上記中空部材が長手方向に分割されて上記フロントサイドフレーム側に結合されるアンダ側結合メンバと、上記エプロンレインフォースメント側に結合されるアッパ側結合メンバとから構成され、上記アンダ側結合メンバと上記アッパ側結合メンバとを荷重伝達可能に連結する連結部を備えたものである。
上述の中空部材としては、角パイプやハイドロフォーム成形品を用いることができる。
上記構成によれば、閉断面構造の中空部材から成る結合メンバを、アンダ側結合メンバと、アッパ側結合メンバとに長手方向に分割して、アンダ側結合メンバをフロントサイドフレーム側(つまりアンダボディ側)に結合し、アッパ側結合メンバをエプロンレインフォースメント側(つまりアッパボディ側)に結合し、しかも、これら両メンバ(アンダ側結合メンバとアッパ側結合メンバ)を連結部にて荷重伝達可能に連結したので、アンダボディとアッパボディとの結合を容易に行なうことができ、車体の生産性向上を図ることができる。
また、車両の前突時にフロントサイドフレームに入力された衝撃荷重は、アンダ側結合メンバ、連結部、アッパ側結合メンバを介してエプロンレインフォースメントに分岐伝達され、荷重分散を図り、これにより、フロントサイドフレームのキックアップ部の折れ変形を防止することができる。
さらに、上記結合メンバを閉断面構造の中空部材にて構成したので、板金スタンプ方式で車体側の部材との間に中空断面を形成する構造と比較して、確実にフロントサイドフレームからエプロンレインフォースメントへの荷重伝達を行なうことができ、充分な荷重分散を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記結合メンバが上記サスタワー部に沿って車幅方向に延び上記エプロンレインフォースメントまで延びる該結合メンバの中間部に、上記連結部が設けられたものである。
上記構成によれば、結合メンバにおいて該結合メンバがサスタワー部に沿って車幅方向に延びるその中間部は、荷重伝達の負荷が小さく、応力集中が懸念されない部位であると同時に、アンダ側結合メンバとアッパ側結合メンバとの結合を容易に行なうことができる部位であるから、この部分に連結部を設けることにより、両メンバ(アンダ側結合メンバとアッパ側結合メンバ)の結合を容易に行なうことができる。
この発明の一実施態様においては、上記アンダ側結合メンバの連結部側端部を、第1ブラケットを介してサスタワー部に結合すると共に、上記アッパ部結合メンバの連結部側端部を、第2ブラケットを介してサスタワー部に結合すべく構成したものである。
上記構成によれば、各結合メンバのサスタワー部に対する結合支持剛性を確保した状態で、アンダ側結合メンバとアッパ側結合メンバとの結合を確実に行なうことができる。
この発明の一実施態様においては、上記第ブラケットと第2ブラケットとを重合させた重合部を結合すべく構成したものである。
上記構成によれば、両ブラケット(第1ブラケットと第2ブラケット)の重合部を結合するので、アンダ側結合メンバとアッパ側結合メンバとの結合強度をさらに向上させることができる。
この発明の一実施態様においては、上記重合部に対応する結合メンバの分割部には、結合メンバが存在しない空間部が設けられたものである。
上記構成によれば、上述の空間部を利用して、スポット溶接用の溶接ガンを対設させて、上記重合部をスポット溶接することができるので、アーク溶接により重合部を結合する構造に比較して、車体の生産性の向上を図ることができる。
この発明によれば、サスタワー部に沿ってフロントサイドフレームとエプロンレインフォースメントとを結合する結合メンバを設け、該結合メンバを、閉断面構造の中空部材を屈曲して形成すると共に、該中空部材を長手方向に分割して、フロントサイドフレーム側に結合されるアンダ側結合メンバと、エプロンレインフォースメント側に結合されるアッパ側結合メンバとから構成し、かつ、これら両メンバを連結部により荷重伝達可能に連結したので、車両の前突時にフロントサイドフレームに入力された衝撃荷重を、結合メンバによりエプロンレインフォースメントに分岐伝達して、荷重分散を図り、これにより、フロントサイドフレームのキックアップ部の折れ変形を防止するという本来の目的を達成しつつ、結合メンバをアンダ側結合メンバと、アッパ側結合メンバとに分割して、アンダボディとアッパボディとの結合を容易に行なうことができ、車体の生産性向上を図ることができる効果がある。
車両の前突時にフロントサイドフレームに入力された荷重を、結合メンバを介してエプロンレインフォースメントに分岐伝達しつつ、アンダボディとアッパボディとの結合の容易化を図り、車体の生産性の向上を図るという目的を、左右一対のフロントサイドフレームと、ヒンジピラーから前方に突出するエプロンレインフォースメントと、車内側下端部が上記フロントサイドフレームに結合され、車外側上端部が上記エプロンレインフォースメントに結合されたサスタワー部と、該サスタワー部に沿って上記フロントサイドフレームと上記エプロンレインフォースメントとを結合する結合メンバが設けられたものにおいて、上記結合メンバは、閉断面構造の中空部材を屈曲して形成されると共に、上記中空部材が長手方向に分割されて上記フロントサイドフレーム側に結合されるアンダ側結合メンバと、上記エプロンレインフォースメント側に結合されるアッパ側結合メンバとから構成され、上記アンダ側結合メンバと上記アッパ側結合メンバとを荷重伝達可能に連結する連結部を備えるという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車体前部構造を示し、図1、図2において、エンジンルームの左右両側を車両の前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム1,1を設けている。このフロントサイドフレーム1は図3(但し、図3は図2のA−A線矢視断面図)矢視断面図に示すように、フロントサイドフレームインナ2とフロントサイドフレームアウタ3とを接合固定して、車両の前後方向に延びる閉断面4を備えた車体剛性部材である。
左右一対のフロントサイドフレーム1,1の前端部には、フランジ5,6を介して左右のクラッシュカン7,7を取付けると共に、これら左右のクラッシュカン7,7相互間には車幅方向に延びるバンパビーム8を取付け、また、クラッシュカン7と対応するバンパビーム8の前部には左右一対のプリクラッシュカン9,9をそれぞれ接合固定している。
一方、上述のフロントサイドフレーム1の下方には、フロントサスペンションのロアアーム(図示せず)の取付基部を成すサブフレーム(サスペンションクロスメンバ)としてのぺリメータフレーム10(perimeter frame)が配置されている。
このぺリメータフレーム10は、フロントサイドフレーム1,1の下方において車両の前後方向に延びる左右一対のフレームサイド部10S,10Sと、左右の各フレームサイド部10S,10Sの前部相互間を接続すべく車幅方向に延びるフレーム前部10Fと、左右の各フレームサイド部10S,10Sの後部相互間を接続すべく車幅方向に延びるフレーム後部10Rとを方形枠状に組合わせたもので、フレーム後部10Rよりも前方におけるフレームサイド部10S,10Sの上面には、ホーン(horn、角型)形状に上方に立上がる左右の突出部11,11をそれぞれ一体的に形成している。
また、上述のぺリメータフレーム10におけるフレームサイド部10S,10Sの前端には、フランジ12を介してぺリメータフレーム10側のクラッシュカン13,13を接続し、左右一対のクラッシュカン13,13相互間には車幅方向に延びる車幅方向部材14を張架している。
この車幅方向部材14の上下位置つまり高さ位置は、歩行者の膝より下方に位置し、歩行者の安全を考慮して、車両と歩行者との接触時に、歩行者の足を払って、該歩行者の上体をボンネット上部に倒伏させる所謂足払い部材である。
一方、エンジンルームと車室とを前後方向に仕切るダッシュロアパネル15を設け、このダッシュロアパネル15の下部には、後方に向けて水平に延び、車室の底面を形成するフロアパネル16を連設すると共に、このフロアパネル16の車幅方向中央には、車室内方に突出して車両の前後方向に延びるトンネル部17を、一体または一体的に形成している。
また、上述のフロアパネル16の左右両サイドには、車両の前後方向に延びるサイドシルを接続している。このサイドシルは、サイドシルインナ18と、サイドシルアウタ(図示せず)とを接合して、前後方向に延びるサイドシル閉断面をもった車体剛性部材である。
ここで、上述のサイドシルインナ18は後述するアンダボディ80(図4参照)側に組付けられ、上述のサイドシルアウタはキャブサイドアッシ90(図4参照)側に組付けられるものである。
さらに、上述のトンネル部17を跨いで、左右のサイドシルインナ18,18間を車幅方向に接続する前後のクロスメンバ19,20(車体剛性部材)を前後方向に離間して設け、これら各クロスメンバ19,20と、フロアパネル16との間には、車幅方向に延びる閉断面を形成している。
ところで、ヒンジピラー21から前方に突出する車体剛性部材としてのエプロンレインフォースメント22を設けている。そして、車内側下端部がフロントサイドフレーム1に結合され、車外側上端部がエプロンレインフォースメント22(詳しくは、後述するエプロンレインフロント46)に結合されたサスタワー部23を設けている。このサスタワー部23にはホイールアーチ部24が一体または一体的に形成されている。
しかも、上述のサスタワー部23に沿ってフロントサイドフレーム1とエプロンレインフォースメント22とを結合する結合メンバ25を設けている。この結合メンバ25は荷重伝達を確実に行なう目的で、閉断面構造の中空部材(角パイプ部材)により構成されたものであり、この結合メンバ25により、車両の前突時にフロントサイドフレーム1およびぺリメータフレーム10に入力される荷重を、エプロンレインフォースメント22に分岐伝達して、荷重分散を図り、これにより、フロントサイドフレーム1のキックアップ部の折れ変形を防止するものである。
なお、図1において、26はダッシュロアパネル15の上部に接合されて車幅方向に延びるダッシュアッパパネル、27はダッシュアッパパネル26の上部に接合されて車幅方向に延び、かつカウル閉断面を形成するカウルパネル、28はフロントピラー、29はセンタピラーである。
図4は車体構造を示す分解斜視図であって、車体はアンダボディ80と、アッパボディとしてのキャブサイドアッシ90(但し、アッパボディに含まれるルーフパネル、ダッシュアッパアセンブリ、リヤエンドパネル等の図示は省略している)とに分割して形成され、アンダボディ80に対してキャブサイドアッシ90を外側方から組付けるように構成している。
ここで、上述のアンダボディ80は、フロントサイドフレーム1、ダッシュロアパネル15、フロアパネル16、トンネル部17、サイドシルインナ18、クロスメンバ19,20、サスタワー部23、ホイールアーチ部24、リヤフロア、スペアタイヤパンを含み、上述のキャブサイドアッシ90は、ヒンジピラー21、フロントピラー28、センタピラー29、リヤピラー、ルーフサイド部、サイドシルアウタを含む。
また、上述のエプロンレインフォースメント22は、エプロンレインフロント46、エプロンレインインナ47、エプロンレインリヤ48を備えているが、図4に示すように、エプロンレインフロント46はアンダボディ80側に組付けられており、エプロンレインインナ47およびエプロンレインリヤ48はキャブサイドアッシ90側に組付けられている。
このように、車体がアンダボディ80とアッパボディの一部としてのキャブサイドアッシ90とに分割構成され、これら両者80,90を組付けて、車体を構成する関係上、上述の結合メンバ25はフロントサイドフレーム1側(アンダボディ80側)に結合されるアンダ側結合メンバ25Xと、エプロンレインフォースメント22側(キャブサイドアッシ90側)に結合されるアッパ側結合メンバ25Yとに、その長手方向に2分割されている。
つまり、結合メンバ25を形成する角パイプ等の中空部材が長手方向に2分割されて、アンダ側結合メンバ25Xと、アッパ側結合メンバ25Yとを構成し、これら両メンバ25X,25Yにより結合メンバ25を構成したものである。なお、図4においては、図示の便宜上、後述する第1および第2のブラケット81,82の図示を省略している。
また、上述の結合メンバ25は図1に示すように、サスタワー部23の後部上面に沿って車幅方向に延び上述のエプロンレインフォースメント22まで延びる該結合メンバ25の中間部において、アンダ側結合メンバ25Xとアッパ側結合メンバ25Yとに分割されている。つまり、結合メンバ25は応力集中が懸念されない部位で2分割されている。
図5は車体前部構造を、車幅方向の内方かつ後方から見た状態で示す斜視図であり、図5、図1、図3において、上述のサスタワー部23の後部近傍位置には、フロントサイドフレーム1の下方に配置されるぺリメータフレーム10が結合されるが、図5に示すように、アンダ側結合メンバ25Xの下端部25Aとフロントサイドフレーム1との結合部に対応して、該フロントサイドフレーム1には、その上面がフラットな取付け座部1aが一体形成され、この取付け座部1aと上下方向に対応して該フロントサイドフレーム1の下部には、下面がフラットな取付け面30aを有するサスマウントブラケット30が接合固定されている。
図3に示すように、上述のサスマウントブラケット30は、フロントサイドフレームインナ2のエンジンルーム側の縦壁面下部と、該フロントサイドフレームインナ2の接合フランジ部2aとに跨がって接合固定されたもので、フロントサイドフレーム1の取付け座部1a上部にアンダ側結合メンバ25Xを配設し、サスマウントブラケット30の取付け面30a下部に、ぺリメータフレーム10の突出部11に設けられたマウント部31を配設して、これら三者、すなわち、アンダ側結合メンバ25X、フロントサイドフレーム1、マウント部31の三者を上下方向に貫通する長尺のボルト32(いわゆる貫通ボルト)と、ナット33とを用いて、アンダ側結合メンバ25Xとぺリメータフレーム10のマウント部31とを、フロントサイドフレーム1に対して共締め固定している。この構造により、車両の前突時に、フロントサイドフレーム1およびぺリメータフレーム10から入力される衝撃荷重を、結合メンバ25を介してエプロンレインフォースメント22に分岐伝達し、荷重分散を図るように構成している。
この場合、上述のサスマウントブラケット20の上面(閉空間内)には、予めナット34を溶接固定し、長尺のボルト32を一旦、該ナット34に螺合し、このナット34から下方に突出した突出部に対してマウント部31を配置し、さらに該マウント部31を貫通して下方に突出したボルト32の下端部に上述のナット33を締結することで、弛み防止を図っている。なお、上述のナット33はダブルナット構造と成してもよい。
要するに、図1〜図5に示す如く、アンダ側結合メンバ25Xのフロントサイドフレーム1との結合部が、上記ぺリメータフレーム10のフロントサイドフレーム1との結合位置に対応する位置に設定されたものである。
ここで、図2に示すように、ぺリメータフレーム10の前部は、フロントサイドフレーム1の前部下側に設けられたブラケット35に対して、マウント部36を介して取付けられており、ぺリメータフレーム10の後部は、ボルト37の位置においてボディに取付けられている。つまり、このぺリメータフレーム10は片側3点、左右合計6点でボディに取付けられたものである。
図6に示すように、上述の結合メンバ25は、該結合メンバ25を構成する中空部材(角パイプ)がその長手方向に分割されてアンダボディ80に組付けられるアンダ側結合メンバ25Xと、キャブサイドアッシ90に組付けられるアッパ側結合メンバ25Yとから構成されるが、アンダ側結合メンバ25Xは、同図に示すように、フロントサイドフレーム1およびぺリメータフレーム10に固定される下端部25Aと、該下端部25Aから屈曲してサスタワー部23の側壁部に沿って立上がる中間縦片部25Bと、該中間縦片部25Bから屈曲してサスタワー部23の上部に沿って車幅方向に延びるアンダボディ80側の中間横片部25CXとを有するものである。
アッパ側結合メンバ25Yは、上記アンダボディ80側の中間横片部25CXと車幅方向に連続するようにサスタワー部23の上部に沿ってエプロンレインフォースメント22まで延びるキャブサイドアッシ90側の中間横片部25CYと、この中間横片部25CYから屈曲して、屈曲部25E(いわゆるアール部)を介してエプロンレインフォースメント22に沿って後方に延び、車体に結合される後端部25Dとを有するものである。
さらに、上述のアッパ側結合メンバ25Yの中間横片部25CYと後端部25Dとの間の屈曲部25Eは、これら両者25CY,25D間に斜交状に張架された角パイプ部材(閉断面を有する部材)から成る閉断面構造のコーナガセット59(補強部材)で補強されている。
図7は図2のB−B線矢視断面図、図8は図7の構造を車外側下方から目視した状態で示す斜視図であって、図7、図8に示すように、サスタワー部23の車外側の面には、フロントサスペンションのアッパアーム38(いわゆるAアーム)が設けられる。
このサスペンションアッパアーム38の前後一対の取付基部としての車体側アームブッシュ39,39は、サスタワー部23の車外側面に溶接手段にて接合固定された取付基部補強用のアーム取付部補強部材としての平面視略U字状のブラケット40F,40Rを介して、サスタワー部23に取付けられている。
前側の車体側アームブッシュ39は、サスタワー部23の車内側の前面に予め溶接固定したナット41と、アームブッシュ39およびブラケット40Fを前後方向に貫通するボルト42(いわゆる貫通ボルト)とを用いてブラケット40Fに取付けられている。
後側においては、サスタワー部23の後部に、断面L字状の結合メンバ配設部23aを一体形成し、この配設部23aにアンダ側結合メンバ25Xの中間縦片部25Bを位置させると共に、上述のブラケット40Rと対応するアンダ側結合メンバ25Xの中間縦片部25B後面に予めナット43を溶接固定し、ブラケット40R、車体側アームブッシュ39、サスタワー部23、アンダ側結合メンバ25Xを貫通するボルト44(いわゆる貫通ボルト)を設け、このボルト44と上述のナット43とを用いて、後側の車体側アームブッシュ39を上記ブラケット40Rに取付けている。
要するに、サスタワー部23にはサスペンションアッパアーム38の取付基部としての車体側アームブッシュ39を補強するブラケット40Rを結合し、アンダ側結合メンバ25Xの中間縦片部25Bを該ブラケット40Rに結合したものであって、アンダ側結合メンバ25Xの中間縦片部25Bとサスペンションアッパアーム38とが上述のブラケット40Rに対して、ボルト44、ナット43を用いて共締め固定されたものである。
また、上述のボルト44は、ブラケット40Rが結合された部位のサスタワー部23を車両の前後方向に貫通する所謂貫通ボルトであって、該部位におけるサスタワー部23の前側にサスペンションアッパアーム38が結合され、該部位におけるサスタワー部23の後側にアンダ側結合メンバ25Xの中間縦片部25Bが結合されたものである。
さらに、上述のブラケット40Rに対して共締めされるアンダ側結合メンバ25Xは、図6に示すように、フロントサイドフレーム1に対する結合点Xと、エプロンレインフォースメント22に対する結合点Yとの中間部Zに設定されており、結合メンバ25の中間部Zをサスタワー部23において剛性が高いブラケット40Rに締結することで、該結合メンバ25の充分な結合強度を確保すべく構成すると共に、サスペンションの支持剛性向上を図ったものである。
図8において、70はダンパ、71はロアシート、72は該ロアシート71と図示しないアッパシートとの間に張架されたコイルスプリングである。
図7に示すブラケット40Rの構造に代えて、図9、図10に示すブラケット40Rを用いてもよい。
すなわち、サスタワー部23において、アンダ側結合メンバ25Xの中間縦片部25Bが締結される所定部位は、該アンダ側結合メンバ25Xにより強度が充分確保されるので、図9に示すようにアームブッシュ39の前側のみを支持する平面視L字状のブラケット40Rであってもよく、また、図10に示すようにアームブッシュ39の前側のみを支持するリブ40aを備えた平面視逆L字状のブラケット40Rであってもよい。なお、図9、図10において図7と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略している。
図11は図5の要部拡大斜視図であって、アンダ側結合メンバ25Xとアッパ側結合メンバ25Yとに分割された結合メンバ25は、車両の前突時の衝撃荷重入力を、フロントサイドフレーム1から該結合メンバ25を介して、エプロンレインフォースメント22に伝達する必要があるので、このアンダ側結合メンバ25Xとアッパ側結合メンバ25Yとは連結部45を介して荷重伝達可能に連結されている。
上述の連結部45は、図5、図11に示すように、結合メンバ25がサスタワー部23の上部に沿って車幅方向に延び、エプロンレインフォースメント22まで延びる該結合メンバ25の中間部、すなわち、アンダ側結合メンバ25Xの中間横片部25CXと、アッパ側結合メンバ25Yの中間横片部25CYとの間に設けられている。
しかも、この実施例においては、アンダ側結合メンバ25Xの連結部45側端部を含むように、該アンダ側結合メンバ25Xの中間横片部25CXと中間縦片部25Bとに跨がる第1ブラケット81を設け、アンダ側結合メンバ25Xをその上方から覆う形状の該第1ブラケット81を、これら両部25CX,25Bに接合固定すると共に、該第1ブラケット81の前後のフランジ部81a,81bをサスタワー部23に接合固定している。
また、アッパ側結合メンバ25Yの連結部45側側部には第2ブラケット82を設け、アッパ側結合メンバ25Yの中間横片部25CYをその上方から覆う形状の該第2ブラケット82を、中間横片部25CYに接合固定すると共に、該第2ブラケット82の前後のフランジ部82a,82bをサスタワー部23に接合固定している。
さらに、上述の第1ブラケット81の端部を車幅方向外方に延出する一方、第2ブラケット82の端部を車幅方向内方に延出して、これら両延出部を上下に重合させた重合部83を形成し、両ブラケット81,82を該重合部83にて結合して、上述の連結部45を形成している。
この実施例では、アンダボディ80に対するキャブサイドアッシ90の組付け性、生産性を考慮して、第1ブラケット81の連結部45側延出部分が下位置となり、該第2ブラケット82の連結部45側延出部分が第1ブラケット81の上位置となるように、その上下の位置関係が設定されている。
加えて、上述の重合部83に対応する結合メンバ25の分割部αには、該結合メンバ25が存在しない空間部84が設けられると共に、この空間部84に対応するサスタワー部23には、スポット溶接用の溶接ガンを挿入する開口部85,86が開口形成されている。
図12は図11の連結部45で断面して示す重合部83の断面図であって、サスタワー部23の開口部85および空間部84を利用して白抜き矢印で示すように対設される溶接ガンで、重合部83の後側部をスポット溶接すると共に、サスタワー部23の開口部86および空間部84を利用して白抜き矢印で示すように対設される溶接ガンで、重合部83の上側部をスポット溶接して、第1および第2の各ブラケット81,82をその重合部83にて結合するものである。
また、重合部83において、第1ブラケット81と第2ブラケット82との前側のフランジ部81a,82aはサスタワー部23に対して3枚重ね構造にてスポット溶接されると共に、後側のフランジ部81b,82bも同様にサスタワー部23に対して3枚重ね構造にてスポット溶接される。なお、重合部83以外の部分は各フランジ部81a,81b,82a,82bとサスタワー部23とが2枚重ね構造にてスポット溶接される。
図12で示した重合部83の構成に代えて、図13に示す重合部83の構造を採用してもよい。
すなわち、図134に示す構造は、図12の構造に加えて、第2ブラケット82のフランジ部82a,82bからさらに前後方向に延びる延長フランジ部82c,82dをその重合部83のみに一体形成し、重合部83において、この延長フランジ部82c,82dとサスタワー部23とを2枚重ね構造にてスポット溶接すべく構成したものである。このように構成すると、溶接による接合強度の向上を図ることができる。なお、図13において図12と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略している。
図5に示すように、結合メンバ25の中間部においてサスタワー部23の上面部に沿う部分、すなわち、中間横片部25CX,25CYの車幅方向の全体の長さは、該サスタワー部23の車幅方向長さと近似または略等しくなるように設定され、フロントサスペンションを介してサスタワー部23を下方から上方に突き上げる荷重を、アンダ側結合メンバ25Xとアッパ側結合メンバ25Yの各中間横片部25CX,25CYで受け止めて、サスタワー部23の内倒れを防止すべく構成している。つまり、荷重伝達とサスタワー部23の内倒れ防止との両立を図るように構成したものである。
一方、上述のエプロンレインフォースメント22は、図5、図14、図15に示すように、エプロンレインフロント46と、エプロンレインインナ47と、エプロンレインリヤ48とを備えており、エプロンレインインナ47の車幅方向内方に一体形成したフランジ部49が、図5、図14に示すように、上述の第2ブラケット82の車幅方向外方側の端部にその上方から重合するように構成している。
つまり、サスタワー部23より後部エプロンレインフォースメント22の車内側のパネルとしてのエプロンレインインナ47に、上記第2ブラケット82の端部に重合されるフランジ部49が設けられたものであり、車両の前突時にサスタワー部23の全体が後退しようとするのを、エプロンレインインナ47の縦壁部47aにて防止すべく構成したものである。
図15は図14のC−C線矢視断面図であって、エプロンレインインナ47の上部とエプロンレインリヤ48の上部とが接合固定され、エプロンレインインナ47の下部はダッシュアッパパネル26に接続され、エプロンレインリヤ48の下部はヒンジピラー21を構成するヒンジピラーインナ50に接続されており、エプロンレインフォースメント22には車両の前後方向に延びるエプロンレイン閉断面22Aが形成されている。
しかも、図15に示すように、エプロンレインフォースメント22の内部(閉断面22A内)において、上述のエプロンレインインナ47の車外側にはL字状に屈曲形成されたレインフォースメント51を接合固定している。図5、図15に示すように、上述のアッパ側結合メンバ25Yはその中間部がサスタワー部23より後部のエプロンレイン閉断面22A内に進入し、後方に屈曲して後端部25Dを形成すると共に、この後端部25Dがエプロンレインフォースメント22のパネル部材としての上述のレインフォースメント51(エプロンレインインナ47の車外側に位置するパネル部材)のコーナ部上面に接続されている。
アッパ側結合メンバ25Yの後端部25Dと、レインフォースメント51とを接続する場合、図15に示すように、後端部25Dのコーナ部とレインフォースメント51とをアーク溶接して、アーク溶接部W1,W2により両者を接合固定してもよく、図16に示すように、レインフォースメント51が後端部25Dと対向する部位に溶接用の小孔51a,51bを形成し、この小孔51a,51bを利用して後端部25Dとレインフォースメント51とをアーク溶接して、アーク溶接部W3,W4により両者を接合固定してもよい。
ここで、上述のアッパ側結合メンバ25Yの後端部25Dの最後端位置は、図14に示す位置に設定してもよく、あるいは、該後端部25Dの最後端位置を、図17に示す位置までさらに後方に延ばしてもよい。
図17は図2のD−D線矢視断面図であって、アッパ側結合メンバ25Yとヒンジピラー21との連結構造を示すものである。
上述のヒンジピラー21は、ヒンジピラーインナ50、ヒンジピラーレイン52、キャブサイドアウタ53(ヒンジピラーアウタに相当)を接合固定して構成されており、上下方向に延びるピラー閉断面54を有する車体剛性部材である。
上述のアッパ側結合メンバ25Yの後端部25Dを、キャブサイドアウタ53の前面開口部53aとヒンジピラーレイン52の前面開口部52aとを介してピラー閉断面54内に挿入し、該後端部25Dを車幅方向に貫通する前後一対のスペーサ55,55を、ヒンジピラーインナ50とヒンジピラーレイン52との間に横架した状態で、ドアヒンジブラケット56をボルトアップする一対のボルト57,57を、ヒンジピラーインナ50に溶接固定された一対のナット58,58に締結することにより、上記後端部25Dを車体剛性部材としてのヒンジピラー21に連結固定したものである。
要するに、アッパ側結合メンバ25Yはその中間部がサスタワー部23より後部のエプロンレイン閉断面22A内に進入し、後方に屈曲してエプロンレイン閉断面22A内を後方に延びる後端部25Dを一体形成すると共に、この後端部25Dが、上下方向に延びるヒンジピラー21の前面部(各開口部53a,52a参照)を貫通して、ヒンジピラー部のドアヒンジブラケット56に結合されて、結合強度の向上を図ったものである。
図17に示す結合構造に代えて、図18に示す結合構造を採用してもよい。すなわち、図18に示す構造は、図17で示したスペーサ55を用いることなく、アッパ側結合メンバ25Yの後端部25Dにおける車幅方向内方側の側面に予めナット62,62を溶接固定し、ドアヒンジブラケット56をボルトアップする前後一対のボルト57,57を、ドアヒンジブラケット56、キャブサイドアウタ53、ヒンジピラーレイン52、後端部25Dを貫通させて、一旦、ナット62に螺合し、このナット62から突出したボルト57先端をヒンジピラーインナ50を貫通させて、上述のナット58に締付けることで、アッパ側結合メンバ25Yの後端部25Dをヒンジピラー21およびドアヒンジブラケット56に結合して、結合強度の向上を図ったものである。
ここで、図15(または図16)で示した構造(後端部25Dとレインフォースメント51との接続構造)を採用する場合には、図17(または図18)で示した構造(後端部25Dとドアヒンジブラケット56との結合構造)を省略することができ、逆に、図17(または図18)で示した構造を採用する場合には、図15(または図16)で示した構造を省略することができるが、これら両構造を同時に採用することも可能である。
ところで、図2に側面図で示した構造に代えて、図19〜図22の構造を採用してもよい。
図19に示す構造は、前突時における衝撃荷重の伝達効率向上を図るために、フロントサイドフレーム1の上面と、アンダ側結合メンバ25Xの下端部25A上面とが、車体前後方向に連続するように、フロントサイドフレーム1のアンダ側結合メンバ25Xの下端部25Aとの結合部前部に、該フロントサイドフレーム1とは別体のブラケット60を用いて、突部61を形成し、この突部61の後端面とアンダ側結合メンバ25Xの下端部25A前端面との間に、クリアランスを形成したものである。
このクリアランスを形成すると、ブラケット60等に多少の製作誤差があっても、突部61を形成するブラケット60をフロントサイドフレーム1に適切に連結固定することができる。しかも、上記突部61を形成したことにより、前突時にフロントサイドフレーム1に入力される荷重を効率よくアンダ側結合メンバ25Xに伝達することができる。
図20は、図19に示すクリアランスを零に設定したもので、このように上記クリアランスをなくすことで、前突時における衝撃荷重の伝達効率をさらに向上させることができる。
図21は、フロントサイドフレーム1と別体のブラケット60を用いることなく、該フロントサイドフレーム1に上記突部61を一体形成したものである。このように構成すると、衝撃荷重の伝達率向上を確保しつつ、部品点数の削減を図ることができる。
図22は、フロントサイドフレーム1に一体形成された突部61の上面と、フロントサイドフレーム1の上面(この実施例ではフロントサイドフレームインナ2の上面)とを面一状、かつ、フラットに形成したものであり、特に、この構成を車両左側に採用すると、衝撃荷重の伝達率向上と、バッテリ搭載性の向上との両立を図ることができる。
なお、図19〜図22において前図と同一の部分には同一符号を付している。また、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車両内方を示し、矢印OUTは車両外方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
このように上記実施例の車体前部構造は、左右一対のフロントサイドフレーム1,1と、ヒンジピラー21から前方に突出するエプロンレインフォースメント22と、車内側下端部が上記フロントサイドフレーム1に結合され、車外側上端部が上記エプロンレインフォースメント22に結合されたサスタワー部23と、該サスタワー部23に沿って上記フロントサイドフレーム1と上記エプロンレインフォースメント22とを結合する結合メンバ25が設けられた車体前部構造であって、上記結合メンバ25は、閉断面構造の中空部材を屈曲して形成されると共に、上記中空部材が長手方向に分割されて上記フロントサイドフレーム1側に結合されるアンダ側結合メンバ25Xと、上記エプロンレインフォースメント22側に結合されるアッパ側結合メンバ25Yとから構成され、上記アンダ側結合メンバ25Xと上記アッパ側結合メンバ25Yとを荷重伝達可能に連結する連結部45を備えたものである。
この構成によれば、閉断面構造の中空部材から成る結合メンバ25を、アンダ側結合メンバ25Xと、アッパ側結合メンバ25Yとに長手方向に分割して、アンダ側結合メンバ25Xをフロントサイドフレーム1側に結合し、アッパ側結合メンバ25Yをエプロンレインフォースメント22側に結合し、しかも、これら両メンバ25X,25Yを連結部45にて荷重伝達可能に連結したので、アンダボディ80とアッパボディ(キャブサイドアッシ90参照)との結合を容易に行なうことができ、車体の生産性向上を図ることができる。
また、車両の前突時にフロントサイドフレーム1およびぺリメータフレーム10に入力された衝撃荷重は、アンダ側結合メンバ25X、連結部45、アッパ側結合メンバ25Yを介してエプロンレインフォースメント22に分岐伝達され、荷重分散を図り、これにより、フロントサイドフレーム1のキックアップ部の折れ変形を防止することができる。
さらに、上記結合メンバ25を閉断面構造の中空部材にて構成したので、板金スタンプ方式で車体側の部材との間に中空断面を形成する構造と比較して、確実にフロントサイドフレーム1からエプロンレインフォースメント22への荷重伝達を行なうことができ、充分な荷重分散を図ることができる。
しかも、上記結合メンバ25が上記サスタワー部23の上部に沿って車幅方向に延び上記エプロンレインフォースメント22まで延びる該結合メンバ25の中間部(中間横片部25CX,25CY間参照)に、上記連結部45が設けられたものである。
この構成によれば、結合メンバ25において該結合メンバ25がサスタワー部23に沿って車幅方向に延びるその中間部は、荷重伝達の負荷が小さく、応力集中が懸念されない部位であると同時に、アンダ側結合メンバ25Xとアッパ側結合メンバ25Yとの結合を容易に行なうことができる部位であるから、この部分に連結部45を設けることにより、両メンバ25X,25Yの結合、換言すれば、アンダボディ80とアッパボディ90との結合を容易に行なうことができる。
また、上記アンダ側結合メンバ25Xの連結部45側端部を、第1ブラケット81を介してサスタワー部23に結合すると共に、上記アッパ部結合メンバ25Yの連結部45側端部を、第2ブラケット82を介してサスタワー部23に結合すべく構成したものである。
この構成によれば、各結合メンバ25X,25Yのサスタワー部23に対する結合支持剛性を確保した状態で、アンダ側結合メンバ25Xとアッパ側結合メンバと25Yの結合を確実に行なうことができる。
さらに、上記第ブラケット81と第2ブラケット82とを重合させた重合部83を結合すべく構成したものである。
この構成によれば、両ブラケット81,82の重合部83を結合するので、アンダ側結合メンバ25Xとアッパ側結合メンバと25Yの結合強度をさらに向上させることができる。
加えて、上記重合部83に対応する結合メンバ25の分割部αには、結合メンバ25が存在しない空間部84が設けられたものである。
この構成によれば、上述の空間部84を利用して、スポット溶接用の溶接ガンを対設させて、上記重合部83をスポット溶接することができるので、アーク溶接により重合部を結合する構造に比較して、車体の生産性の向上を図ることができる。
本発明の車体前部構造を示す概略斜視図 図1の要部側面図 図2のA−A線矢視断面図 車体構造を示す分解斜視図 図2の要部の斜視図 結合メンバの斜視図 図2のB−B線矢視断面図 図7の構成を車外側下方から目視した状態で示す斜視図 サスタワー部における結合メンバとブラケットとの連結構造の他の実施例を示す断面図 サスタワー部における結合メンバとブラケットとの連結構造のさらに他の実施例を示す断面図 図5の要部拡大斜視図 図11の要部の断面図 連結部の他の実施例を示す断面図 図2の部分拡大断面図 図14のC−C線矢視断面図 レインフォースメントと結合メンバの他の接合構造を示す断面図 図2のD−D線矢視断面図 結合メンバとヒンジピラーの他の結合構造を示す断面図 結合メンバの下端部と対向して突部を形成した構造を示す側面図 突部の他の実施例を示す側面図 突部のさらに他の実施例を示す側面図 突部のさらに他の実施例を示す側面図
符号の説明
1…フロントサイドフレーム
21…ヒンジピラー
22…エプロンレインフォースメント
23…サスタワー部
25…結合メンバ
25X…アンダ側結合メンバ
25Y…アッパ側結合メンバ
45…連結部
81…第1ブラケット
82…第2ブラケット
83…重合部
84…空間部
α…分割部

Claims (5)

  1. 左右一対のフロントサイドフレームと、
    ヒンジピラーから前方に突出するエプロンレインフォースメントと、
    車内側下端部が上記フロントサイドフレームに結合され、車外側上端部が上記エプロンレインフォースメントに結合されたサスタワー部と、
    該サスタワー部に沿って上記フロントサイドフレームと上記エプロンレインフォースメントとを結合する結合メンバが設けられた
    車体前部構造であって、
    上記結合メンバは、閉断面構造の中空部材を屈曲して形成されると共に、
    上記中空部材が長手方向に分割されて上記フロントサイドフレーム側に結合されるアンダ側結合メンバと、上記エプロンレインフォースメント側に結合されるアッパ側結合メンバとから構成され、
    上記アンダ側結合メンバと上記アッパ側結合メンバとを荷重伝達可能に連結する連結部を備えたことを特徴とする
    車体前部構造。
  2. 上記結合メンバが上記サスタワー部に沿って車幅方向に延び上記エプロンレインフォースメントまで延びる該結合メンバの中間部に、上記連結部が設けられたことを特徴とする
    請求項1記載の車体前部構造。
  3. 上記アンダ側結合メンバの連結部側端部を、第1ブラケットを介してサスタワー部に結合すると共に、
    上記アッパ部結合メンバの連結部側端部を、第2ブラケットを介してサスタワー部に結合すべく構成したことを特徴とする
    請求項1または2記載の車体前部構造。
  4. 上記第ブラケットと第2ブラケットとを重合させた重合部を結合すべく構成したことを特徴とする
    請求項3記載の車体前部構造。
  5. 上記重合部に対応する結合メンバの分割部には、結合メンバが存在しない空間部が設けられたことを特徴とする
    請求項4記載の車体前部構造。
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