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JP2008031016A - 炭化タンタル粉末および炭化タンタル−ニオブ複合粉末とそれらの製造方法 - Google Patents

炭化タンタル粉末および炭化タンタル−ニオブ複合粉末とそれらの製造方法 Download PDF

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武彦 林
Kazuo Sasaya
和男 笹谷
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Abstract

【課題】 複合材料の原料として均一分散が可能な微粒で均粒、且つ化学量論的に炭素と充分に結合し、且つ酸素含有量の少ない炭化タンタル粉末、および炭化タンタル−ニオブの固溶体とそれらの製造方法とを提供すること。
【解決手段】 炭化タンタル粉末および炭化タンタル−ニオブ複合粉末は、比表面積法(BET法)で測定した1次粒子平均粒径が0.10〜0.40μmで、FSSS法で測定した2次粒子平均径が0.40〜1.0μmであり、且つ(1次粒子平均粒径/2次粒子平均径)が0.21〜0.40の範囲内である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高温材料や切削工具材料分野における複合材料の添加物として用いられる炭化タンタル粉末および炭化タンタル−炭化ニオブの固溶体に関し、特に、複合材料の強度向上に寄与できる微粒で均粒、且つ酸素含有量の少ない炭化タンタル粉末および炭化タンタル−ニオブの固溶体とその製造方法、並びにこれを用いた複合材料に関する。
炭化タンタル(TaC)粉末および炭化タンタル−炭化ニオブ(NbC)の固溶体((Ta,Nb)C)は、超微粒超硬合金の焼結過程で起きるWC結晶の成長を抑制する添加物として、また、金属材料等を切削する超硬合金工具やサーメット工具の摩耗抑制や耐熱性、耐酸化性を向上させるための添加物として広く用いられている。
従来、炭化タンタル粉末の製造方法とその特性に関しては、主に次のような技術が開示されている。
特許文献1には、遷移金属アルコキシドを、炭素を懸濁したアルコール液中で前記遷移金属の酸化物の導電点近傍において加水分解した後乾燥することにより、内部に炭素粒子を均一に分散させた酸化物ゲルを作り、前記ゲルを真空中若しくは不活性ガス中で熱処理を施すことにより顆粒状の炭化物を作り、この顆粒状炭化物をほぐすことによって炭化物超微粉を製造する方法が開示されている。
具体的に、特許文献1に開示された方法による炭化タンタル粉末は、タンタル・エトキシド(Ta(CO))の0.1モルを0.35モルの炭素粉末を懸濁したエチルアルコール中で、1モルの水を含有したエチルアルコールを添加することにより加水分解し、アルコールを除いた後60℃で水分を除去している。更に、無定形酸化物中に炭素を均一に分散し、得られたゲルを1400℃の真空中で熱処理を施して炭化タンタルを得ている。同じ方法による特許文献1の図3に示された炭化タンタル粉末は平均粒径が約0.4μmで、最大粒径が約5μmの粒径分布測定結果および特許文献1の図4には、X線回折図形が示されている。しかし、特許文献1には、それ以外の詳細な特性については示されていない。
特許文献2には、IVB族遷移金属(Ti、Zr、Hf)、VB族遷移金属(V、Nb、Ta)、およびVIB族遷移金属(Cr、Mo、W)の酸化物から選択される少なくとも1種の金属酸化物と炭素源の反応性粒子混合物を非酸化性の雰囲気中で100K/秒から100,000,000K/秒の範囲内の速度で熱処理を施すことにより迅速な炭素熱還元を生じさせて前駆体の粒子混合物を作り、次にこの前駆体を仕上げ温度で熱処理を施して仕上げ生成物の金属炭化物を得る製造方法が開示されている。この特許文献2に開示された方法によりタンタルの反応性粒子混合物は1750℃および1950℃の反応温度で熱処理が施され、夫々0.3μmの炭化タンタル粉末が得られること示されている。しかし、それ以外の詳細な特性については示されていない。
特許文献3には、低酸素でかつ低遊離炭素の高品質の炭化タンタルを歩留まり良く製造する方法が開示されている。具体的に、特許文献3では、五酸化タンタルとカーボンを混合し、水素炉で一次炭化を行い、得られた炭化物の遊離カーボンの量を測定し、次いでこの測定結果に基づいてカーボン量を調整して一次炭化物に添加し、次いで真空炭化炉で所定の温度で二次炭化を行う炭化タンタルの製造方法で、一次炭化の処理温度が1400〜1800℃、二次炭化の処理温度が1800〜2000℃であることが示されている。特許文献3の方法によれば、全炭素量6.25質量%、遊離炭素量0.02質量%、酸素0.25質量%の炭化タンタル粉末が得られ、粒子径についてはボールミル等で所望粒子径に粉砕されることが示されている。
超硬合金、サーメット、およびその他複合材料等の強度向上を図るためには添加元素の均一分散が重要となる。
しかしながら、上記の従来技術においては、複合材料内への均一分散性に優れる炭化タンタル粉末、即ち、粉末の凝集が少なく、微粒で均粒であり、且つ化学量論的に充分に炭素と結合した酸素含有量の少ない炭化タンタル粉末は提供されていない。また、同様に、粉末の凝集が少なく、微粒で均粒であり、且つ化学量論的に充分に炭素と結合した酸素含有量の少ない炭化タンタル−ニオブ複合粉末は提供されていない。さらに、これらの粉末を安価に提供できる製造技術、即ち、製造コストが低減できる短い工程の製造技術は提供されていないと言える。
従来の製造方法の問題点、並びに得られた粉末特性の問題点について更に、詳しく述べる。
五酸化タンタルとカーボン、および五酸化ニオブとカーボンの混合物を高温で熱処理を施して炭化物を得る反応は次の化1式および化2式の熱化学反応式に示す通り、大きな吸熱と多量の反応ガス(CO)の生成を伴って進行する。
先行技術に見られる一般的な従来の方法によって、化学量論的に炭素と結合した酸素含有量の少ない微細な炭化タンタルおよび炭化タンタル−ニオブ固溶体を得ようとすると、大きな吸熱反応に対応するための高温での熱処理、および多量の反応ガスを解決するための非酸化性雰囲気中の一次炭化と、これに続く真空雰囲気での二次炭化や前駆体の仕上げ温度への熱処理等の二段階の熱処理が必要となる。
従って、高温熱処理に必要な電力量や製造工程数が増加するという製造コスト面での問題を有している。
また、これらの方法で得られる炭化物は高温で処理されるため粒成長により1次粒子の粗粒化、また上記粒成長の過程で1次粒子同士のネッキングや凝集による大きな2次粒子が形成される問題がある。上記の粗粒化した1次粒子およびネッキングや大きな凝集粒子は、高温で熱処理を施されたもの程、後工程である粉砕工程で微細化され難くなる。また均一に粉砕され難く、強粉砕した場合不純物が混入し易くなる。
上記の粗い炭化タンタル粉末および炭化タンタル−ニオブ複合粉末を、超硬合金、サーメットの複合材料の原料として使用すると、炭化タンタルおよび炭化タンタル−ニオブ固溶体の分散相および固溶相径が粗大となり組織的に均一性を欠くことになる。また不純物混入による組織の欠陥が生じる可能性がある。即ち、その用途となる前述複合材料の強度が低下する問題を有している。
また、タンタル又はニオブの微細な酸化物と炭素の均一な混合物を作り、1400℃以下の低い温度で熱処理を施して微細な炭化タンタル又は炭化ニオブを得ようとしても、充分な還元・炭化反応が行われないため、残留する酸素含有量が多くなる問題点がある。炭化物粉末に残留した酸素は、超硬合金、サーメットおよび炭化タンタルおよび炭化タンタルと炭化ニオブの固溶体を分散させた複合材料の焼結過程で脱炭素反応を引き起こし、欠陥となる脆い相を生成させたり、脱炭素反応の生成ガスによるポアを生成させたりするため、焼結体の強度低下原因となる問題を有している。
特開平2−204319号公報 特表平9−501391号公報 特開2000−44222号公報
従って、本発明の第一の技術的課題は、複合材料の原料として均一分散が可能な微粒で均粒、且つ化学量論的に炭素と充分に結合し、且つ酸素含有量の少ない、結合炭素6.09〜6.22質量%、酸素含有量0.39質量%以下の炭化タンタル粉末、および結合炭素6.19〜10.95質量%、酸素含有量0.39質量%以下の炭化タンタル−ニオブの固溶体を提供することにある。
また、本発明の第二の技術的課題は、適切な選択により従来方法に示される二段階の熱処理を必要としない製造方法、即ち、熱処理を一回のみとする安価な炭化タンタル粉末および炭化タンタル−ニオブ固溶体からなる複合炭化粉末の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明者らは各種実験を重ねた結果、還元・炭化の均一反応化の新たな熱処理手段を見出し、本発明を成すに至ったものである。
即ち、本発明の炭化タンタル粉末は、比表面積法(BET法)で測定した1次粒子平均粒径が0.10〜0.40μmで、FSSS法で測定した2次粒子平均径が0.40〜1.0μmであり、且つ(1次粒子平均粒径/2次粒子平均径)が0.21〜0.40であることを特徴とする。
また、本発明の炭化タンタル粉末は、前記炭化タンタル粉末において、全炭素量が6.13〜6.33質量%、遊離炭素が0.15質量%以下、結合炭素が6.09〜6.22質量%、酸素含有量が0.39質量%以下であることを特徴とする。
また、本発明の炭化タンタル−ニオブ複合粉末は、前記炭化タンタル粉末に更にニオブを含む炭化タンタル−ニオブ複合粉末であって、炭化ニオブは組成比で0.50〜99.5質量%含有してなることを特徴とする。
また、本発明の炭化タンタル−ニオブ複合粉末は、前記炭化タンタル−ニオブ複合粉末において、比表面積法(BET法)で測定した1次粒子平均粒径が0.10〜0.40μmで、FSSS法で測定した2次粒子平均径が0.40〜1.0μmであり、且つ(1次粒子平均粒径/2次粒子平均径)が0.21〜0.40であることを特徴とする。
また、本発明の炭化タンタル−ニオブ複合粉末は、前記いずれか一つの炭化タンタル−ニオブ複合粉末において、全炭素量が6.34〜11.10質量%、遊離炭素が0.15%以下、結合炭素が6.19〜10.95質量%、酸素含有量が0.39質量%以下であることを特徴とする。
また、本発明の炭化タンタル粉末の製造方法は、前記いずれか一つの炭化タンタル粉末を製造する方法であって、酸化タンタル粉末とカーボンブラックとを混合し混合粉末を得る混合工程と、前記混合粉末を造粒機を用いて造粒粉末を得る造粒工程と、前記造粒粉末を炭素製回転管を有した回転炉を用いて、1450〜1600℃の水素または水素−アルゴン混合雰囲気下で熱処理を施し、還元・炭化反応により炭化タンタル粉末の被熱処理物を得る熱処理工程と、前記炭化タンタル粉末の被熱処理物を解砕し微粉末を得る解砕工程とを備えることを特徴とする。
また、本発明の炭化タンタル−ニオブ複合粉末の製造方法は、前記いずれか一つの炭化タンタル−ニオブ複合粉末を製造する方法であって、酸化タンタル粉末とカーボンブラックと酸化ニオブとを混合し混合粉末を得る混合工程と、前記混合粉末を造粒機を用いて造粒粉末を得る造粒工程と、前記造粒粉末を炭素製回転管を有した回転炉を用いて、1450〜1600℃の水素または水素−アルゴン混合雰囲気下で熱処理を施し、還元・炭化反応により炭化タンタル−ニオブ複合粉末の被熱処理物を得る熱処理工程と、前記炭化タンタル−ニオブ複合粉末の被熱処理物を解砕し微粉末を得る解砕工程とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、五酸化タンタル粉末および五酸化ニオブとカーボンブラックを原料として、還元・炭化反応に必要な熱の供給および反応生成ガスの排出を容易にすることにより均一な反応を起こすことができ、凝集がなく、微粒且つ均粒で分散性の優れる炭化タンタル粉末および炭化タンタル−ニオブ複合粉末とそれらの製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、従来の一般的方法より低い温度で、且つ1回のみの熱処理で、酸素が低く炭素が充分結合した炭化タンタル粉末および炭化タンタル−ニオブ複合粉末を得ることができるため、製造コストを顕著に低減できる炭化タンタル粉末および炭化タンタル−ニオブ複合粉末とそれらの製造方法を提供することができる。
また、本発明の炭化タンタル粉末および炭化タンタル−ニオブ複合粉末を超硬合金やセラミックス等の切削工具や高温材料の分野に使用した場合、抗折破壊の起点のサイズは従来の炭化タンタル粉末に比較して小さく、抗折強度の向上に寄与できる。
本発明を更に具体的に説明する。
本発明は、炭化タンタル粉末とそれを用いた炭化タンタル−ニオブ複合粉末と、それらの製造方法を提供するものである。
(I)まず、本発明の炭化タンタル粉末とその製造方法について説明する。
本発明の炭化タンタル粉末は、比表面積法(BET法)で測定した1次粒子平均粒径Dpが0.10〜0.40μmであり、FSSS法で測定した2次粒子平均径Dsが0.40〜1.0μmである。そして、Dp/Ds(1次粒子平均粒径/2次粒子平均径)が0.21〜0.40である。この炭化タンタル粉末は、全炭素量が6.13〜6.33質量%、遊離炭素が0.15質量%以下、結合炭素が6.09〜6.22質量%、酸素含有量が0.39質量%以下である。
本発明の炭化タンタル粉末を製造する方法は、酸化タンタル粉末とカーボンブラックとを混合し混合粉末を得る混合工程と、前記混合粉末を造粒機を用いて造粒粉末を得る造粒工程と、前記造粒粉末を炭素製回転管を有した回転炉を用いて、1450〜1600℃の水素または水素−アルゴン混合雰囲気下で熱処理を施し、還元・炭化反応により炭化タンタル粉末の被熱処理物を得る熱処理工程と、前記炭化タンタル粉末の被熱処理物を解砕し微粉末を得る解砕工程とを備える。
(i)次に、本発明の炭化タンタル粉末の粒径を上記の数値範囲に限定した理由を説明する。
(a)まず、平均粒径について説明する。
BET法で測定した値から算出した1次粒子平均粒径が0.10μm未満の微細粉末は低い熱処理温度で得られるが未反応による残留酸素が多くなり、この残留酸素は複合材料の焼結過程において反応ガスを生成しポア発生の原因となる。一方、高い熱処理温度で得られる0.40μmを超える粗い粉末は凝集やネッキングも強固で粉砕され難くなり超硬合金、サーメットおよびその他複合材料中での均一な分散が困難となるため1次粒子平均粒径を0.10〜0.40μmに限定した。
また、FSSS法で測定した2次粒子平均径が0.40μm未満の微細粉末は低い熱処理温度で得られるが、前述と同じ高酸素でポア発生の問題がある。また、高い熱処理温度で得られる1.0μmを超える粗い粉末は凝集やネッキングも強固で粉砕され難くなり超硬合金、サーメットおよびその他複合材料における均一な分散が困難となるため2次粒子平均粒径を0.40〜1.0μmに限定した。
(1次粒子平均粒径/2次粒子平均径)が0.21未満の粉末は低い熱処理温度で得られるが、残留酸素分が高くなるため複合材料の焼結過程において反応ガス生成によるポア発生を引き起こす原因となる。また、0.40を超える炭化条件では炭化物が粗くなり、超硬合金、サーメットおよびその他複合材料で均一な分散が困難となるため(1次粒子平均粒径/2次粒子平均径)を0.21〜0.40に限定した。
(b)次に、組成について説明する。
炭化タンタル粉末の化学量論的結合炭素は6.23質量%であるが、超硬合金、サーメットおよびその他複合材料を適正な炭素量に調整するために必要とされる炭素量、即ち遊離炭素が0.15質量%以下で、結合炭素量は上記化学量論的結合炭素に近い6.09〜6.22質量%、全炭素量は6.13〜6.33質量%の炭化タンタルに限定した。その理由は、6.13質量%以下の全炭素量の場合は原料の酸化物が充分に還元されておらず酸素含有量が多くなり、6.33質量%を超える場合は遊離炭素が0.15質量%を超えるため複合材料の適正な炭素量調整が困難になるからである。
また、酸素含有量が0.39質量%を超える場合は、複合材料の焼結過程で残留酸素が還元されることによって、CO又はCOガスが発生し、この生成ガスに起因したポアが形成され複合材料の強度低下を招くため0.39質量%以下に限定した。
(c)次に、熱処理について説明する。
本発明の炭化タンタルの製造方法において、酸化タンタル粉末とカーボンブラックの混合物を顆粒状に圧縮成形し、造粒粉末とし、反応炉として炭素製回転管を有した回転炉を用いて熱処理を施す。その理由は、前述したとおり大きな吸熱と多量の反応ガス(CO)の生成を伴って反応が進行するため、回転炉で常に攪拌されることによって炭素製回転管からの熱の供給が充分且つ均一に行え、反応生成ガスの除去が容易になるからである。
また、熱処理温度は1450℃未満の場合、還元反応が不完全となり残留酸素が多くなり、複合材料の焼結過程でCO又はCOガス発生に起因したポア形成を招き、一方、1600℃を超える場合、生成する炭化物粒子の1次および2次粒子が粗く複合材料組織中への均一分散が困難になり高い強度が得られなくなる。このため、熱処理温度を1450〜1600℃に限定した。
(ii)次に、本発明の炭化タンタル粉末の製造方法について具体的に説明する。
(a)まず、タンタル源であるタンタル原料の選択について説明する。
タンタル源は、五酸化タンタル粉末を用いることが望ましい。その理由は、最も化学的に安定であり、工業的に製造されているからである。更に他のタンタル源に比較し安価で、輸送や品質管理の点からも有利だからである。また、五酸化タンタル粉末は微粒であることが望ましい。その理由は、本発明の熱処理手段によれば原料の粒径を活かし目的とする粉末粒径を得ることを実現した技術であるからである。
なお、後述する実施例においては、BET法から求めた1次粒子平均粒径(=6÷(粉体理論密度)÷(BET値))が0.15〜0.21μmの五酸化タンタル粉末を用いた。
(b)次に、炭素源の選択について説明する。
還元および炭化に用いる炭素源は、サーマルブラックやアセチレンブラックを用いても良いが、五酸化タンタル粉末と充分に近接させ、反応性を高める理由で、微細なカーボンブラックが好ましい。また1次粒子粒径は1.0μm以下のものを用いるのが良い。
(c)次に、造粒工程について説明する。
混合粉は顆粒状の造粒粉末にするのが良く、その粒径は0.5mm〜5mmで且つ粒径が揃っていることが望ましい。造粒工程で用いる増粘剤は、熱処理工程にて気化したり、または炭素系物質となるものであればよく、パラフィン、樟脳、ポリアルコール、ポリグリコール等が挙げられる。溶剤は約100℃にて乾燥させ易い水やエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤が望ましい。
(d)次に、熱処理工程について説明する。
五酸化タンタルとカーボンブラックの混合物の熱処理は一般的にカーボン製トレイにこの混合物を充填し、バッチ式やプッシャー式の加熱炉を用いて熱処理が施される。しかし、この方式の場合、被熱処理物が粉末粒子のため断熱性が高く熱が伝わりにくい問題がある。更に吸熱反応のため前記トレイへの充填厚みが増すほど充填した被熱処理物の中心部分へ均一に熱が伝わり難く、中心部まで充分に熱処理するためには過大な熱エネルギーを加えなければならない。上記の何れの熱処理方式の場合も、充填した被熱処理物の中心部まで充分に反応させた場合、生成する炭化物は粗く粒成長した部分と適切な熱エネルギーが加えられた微細な部分が混在することになる。
従って、反応炉は、炭素製回転管を有した回転炉を用いることが望ましい。その理由は、先に述べたとおり、大きな吸熱と多量の反応ガス(CO)の生成を伴って進行するため、常に攪拌されることによって炭素製回転管からの熱の供給が均一且つ充分に行え、反応生成ガスの除去が容易になるからである。尚、上述の反応炉は、均一な熱処理と反応ガスの速やかな排出が可能という理由で流動層炉を用いても達成可能である。
(e)次に、解砕工程について説明する。
炭化物の解砕は衝撃粉砕機や乾式ボールミル、あるいはジェットミルを用いて行った。本発明の炭化タンタル粉末は熱処理後の粒子は強固に結合していないため強粉砕しなくても造粒粉末の解砕は可能である。
(II)次に、本発明の炭化タンタル−ニオブ複合粉末について説明する。
本発明の炭化タンタル−ニオブ複合粉末は、前記炭化タンタル粉末に更にニオブを含む炭化タンタル−ニオブ複合粉末であり、炭化ニオブは組成比で0.50〜99.5質量%含有されている。この炭化タンタル−ニオブ複合粉末は、比表面積法(BET法)で測定した1次粒子平均粒径DTNpが0.10〜0.40μmであり、FSSS法で測定した2次粒子平均径がDTNs0.40〜1.0μmである。そして、DTNp/DTNs(1次粒子平均粒径/2次粒子平均径)が0.21〜0.40である。この炭化タンタル−ニオブ複合粉末は、全炭素量が6.34〜11.10質量%、遊離炭素が0.15%以下、結合炭素が6.19〜10.95質量%、酸素含有量が0.39質量%以下である。
また、本発明の炭化タンタル−ニオブ複合粉末を製造する方法は、酸化タンタル粉末とカーボンブラックと酸化ニオブとを混合し混合粉末を得る混合工程と、前記混合粉末を造粒機を用いて造粒粉末を得る造粒工程と、前記造粒粉末を炭素製回転管を有した回転炉を用いて、1450〜1600℃の水素または水素−アルゴン混合雰囲気下で熱処理を施し、還元・炭化反応により炭化タンタル−ニオブ複合粉末の被熱処理物を得る熱処理工程と、前記炭化タンタル−ニオブ複合粉末の被熱処理物を解砕し微粉末を得る解砕工程とを備える。
(i)次に、本発明の炭化タンタル−ニオブ複合粉末について上記の数値範囲に限定した理由を説明する。
(a)まず、組成について説明する。
炭化タンタル−ニオブ複合粉末については、炭化ニオブの化学量論的結合炭素は11.45質量%であり、前述した炭化タンタル粉末と同じ理由で炭素含有量および酸素含有量の範囲をタンタルとニオブの混合比に応じて適切になる範囲に限定した。
(b)次に、炭化タンタル−ニオブ複合粉末の粒径について説明する。
BET法で測定した値から算出した1次粒子平均粒径が0.10μm未満の微細粉末は低い熱処理温度で得られるが未反応による残留酸素が多くなり、この残留酸素は複合材料の焼結過程において反応ガスを生成しポア発生の原因となる。一方、高い熱処理温度で得られる0.40μmを超える粗い粉末は凝集やネッキングも強固で粉砕され難くなり超硬合金、サーメットおよびその他複合材料中での均一な分散が困難となるため1次粒子平均粒径を0.10〜0.40μmに限定した。
また、FSSS法で測定した2次粒子平均径が0.40μm未満の微細粉末は低い熱処理温度で得られるが、前述と同じ高酸素でポア発生の問題がある。また、高い熱処理温度で得られる1.0μmを超える粗い粉末は凝集やネッキングも強固で粉砕され難くなり超硬合金、サーメットおよびその他複合材料における均一な分散が困難となるため2次粒子平均粒径を0.40〜1.0μmに限定した。
(1次粒子平均粒径/2次粒子平均径)が0.21未満の粉末は低い熱処理温度で得られるが、残留酸素分が高くなるため複合材料の焼結過程において反応ガス生成によるポア発生を引き起こす原因となる。また、0.40を超える炭化条件では炭化物が粗くなるため超硬合金、サーメットおよびその他複合材料で均一な分散が困難となり、(1次粒子平均粒径/2次粒子平均径)を0.21〜0.40に限定した。
(c)熱処理について説明する。
本発明の炭化タンタル−ニオブ複合粉末の製造方法において、酸化タンタル粉末および酸化ニオブとカーボンブラックの混合物を顆粒状に圧縮成形し造粒粉末とし、反応炉として炭素製回転管を有した回転炉を用いて熱処理を施す。その理由は、前述したとおり大きな吸熱と多量の反応ガス(CO)の生成を伴って反応が進行するため、回転炉で常に攪拌されることによって炭素製回転管からの熱の供給が充分且つ均一に行え、反応生成ガスの除去が容易になるからである。
また、熱処理温度は1450℃未満の場合、還元反応が不完全となり残留酸素が多くなり、複合材料の焼結過程でCO又はCOガス発生に起因したポア形成を招き、一方、1600℃を超える場合、生成する炭化物粒子の1次および2次粒子が粗く複合材料組織中への均一分散が困難になり高い強度が得られなくなる。このため、熱処理温度を1450〜1600℃に限定した。
(ii)次に、本発明の炭化タンタル−ニオブ複合粉末の製造方法についてさらに、具体的に説明する。
(a)まず、タンタル源であるタンタル原料およびニオブ源であるニオブ原料の選択について説明する。
タンタル源およびニオブ源は、五酸化タンタル粉末および五酸化ニオブ粉末を夫々用いることが望ましい。その理由は、最も化学的に安定であり、工業的に製造されているからである。更に他のタンタル源やニオブ源に比較し安価で、輸送や品質管理の点からも有利だからである。また、五酸化タンタル粉末および五酸化ニオブ粉末は微粒であることが望ましい。その理由は、本発明の熱処理手段によれば原料の粒径を活かし目的とする粉末粒径を得ることを実現した技術であるからである。なお、後に詳細に説明する実施例においては、BET法から求めた1次粒子平均粒径(=6÷(粉体理論密度)÷(BET値))が0.15〜0.21μmの五酸化タンタル粉末および五酸化ニオブ粉末を用いた。
(b)次に、炭素源の選択について説明する。
還元および炭化に用いる炭素源は、サーマルブラックやアセチレンブラックを用いても良いが、五酸化タンタル粉末や五酸化ニオブ粉末と充分に近接させ、反応性を高める理由で、微細なカーボンブラックが好ましい。また、1次粒子粒径は1.0μm以下のものを用いるのが良い。
(c)次に、造粒工程について説明する。
混合粉は顆粒状の造粒粉末にするのが良く、その粒径は0.5mm〜5mmで且つ粒径が揃っていることが望ましい。造粒工程で用いる増粘剤は、熱処理工程にて気化したり、炭素系物質となるものであればよく、パラフィン、樟脳、ポリアルコール、ポリグリコール等が挙げられる。溶剤は約100℃にて乾燥させ易い水やエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤が望ましい。
(d)次に、熱処理工程について説明する。
五酸化タンタルおよび五酸化ニオブとカーボンブラックの混合物の熱処理は一般的にカーボン製トレイにこの混合物を充填し、バッチ式やプッシャー式の加熱炉を用いて熱処理が施される。しかし、この方式の場合、被熱処理物が粉末粒子のため断熱性が高く熱が伝わりにくい問題がある。更に吸熱反応のため前記トレイへの充填厚みが増すほど、充填した被熱処理物の中心部分へ均一に熱が伝わり難く、中心部まで充分に熱処理するためには過大な熱エネルギーを加えなければならない。上記の何れの熱処理方式の場合も、充填した被熱処理物の中心部まで充分に反応させた場合、生成する炭化物は粗く粒成長した部分と適切な熱エネルギーが加えられた微細な部分が混在することになる。
従って、反応炉は、炭素製回転管を有した回転炉を用いることが望ましい。その理由は、先に述べたとおり、大きな吸熱と多量の反応ガス(CO)の生成を伴って進行するため、常に攪拌されることによって炭素製回転管からの熱の供給が均一且つ充分に行え、反応生成ガスの除去が容易になるからである。尚、上述の反応炉は、均一な加熱と反応ガスの速やかな排出が可能であるという理由で流動層炉を用いても達成可能である。
(e)次に、解砕工程について説明する。
炭化物の解砕は衝撃粉砕機や乾式ボールミル、あるいはジェットミルを用いて行った。
なお、本発明の炭化タンタル−ニオブ複合粉末は熱処理後の粒子は強固に結合していないため、強粉砕しなくても造粒粉末の解砕は可能である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は実施例に限定されるものではないことは勿論である。
(炭化タンタル粉末および炭化タンタル−ニオブ複合粉末の作製)
上記で規定した1次粒子平均粒径範囲が0.15〜0.21μmの五酸化タンタル粉末と平均粒径0.5μmのカーボンブラック、同じく1次粒子平均粒径範囲が0.15〜0.21μmの五酸化ニオブと平均粒径0.5μmのカーボンブラックを、下記表1および表2の実施例1〜8に示すNbC質量%および炭素量になるように夫々所定量を用意し、ヘンシェルミキサーを用いて混合した。
次に、この夫々の混合粉末に炭素系増粘剤としてパラフィンを五酸化タンタル粉末と五酸化ニオブ粉末の総量に対し1質量%および溶剤としてイソプロピルアルコールを適量加えて撹拌した後、押出し式造粒機を用いて直径3mmの顆粒状の造粒粉末を作製した。ここで、溶剤の添加量は、押し出し造粒後、顆粒状の造粒粉末の形状を保持できる量に調節した。造粒時に加えた溶剤は、100℃にて乾燥し除去した。
次に、これら造粒粉を炭素製回転管を有した回転炉を用いて表1および表2に記載した熱処理温度、保持時間、雰囲気で熱処理を施した。尚、保持時間とは回転炉の所定の温度領域を通過する時間であり、炭素製回転管の回転数にて調整した。
得られた炭化物を不二パウダル製衝撃粉砕機アトマイザーKIIW−2型を用いて、回転数は4000rpmで解砕した。解砕して得られた粉末の特性を下記表1および表2に夫々示した。
次に、実施例と同じ原料粉末を用意し、下記表2の比較例9〜12に示すNbC質量%および炭素量になるように夫々所定量を用意し、実施例と同じ手段で混合し、造粒粉末を作製した。比較例9〜11は、還元・炭化反応の温度範囲を見極めるために、表1に示した実施例の上下限を超える温度で熱処理を施した。
比較例12は、実施例に近い全炭素、遊離炭素、結合炭素、酸素量が得られる熱処理条件を確認するために、黒鉛管のヒーターを用いたタンマン式プッシャーを使用した。
上記表1および表2は、炭化タンタル粉末および炭化タンタル−ニオブ粉末の作製条件とそれにより得られた炭化物粉末特性を示している。上記表1および表2に示した実験結果から分かるとおり、熱処理温度が1450℃以下の比較例9および10は微細粒子が得られているが、還元反応が完結していないため原料酸化物の酸素分が残っている。特に1400℃で熱処理を施した比較例1は還元反応半ばで、還元に消費されるべき炭素が多く残った未反応状態で、遊離炭素は多過ぎ分析が出来なかった。また、1430℃で熱処理を施した比較例10の製法においてこの温度が良好な炭化タンタルを得るための境界的な熱処理温度であることが結合炭素、酸素、および(1次粒子平均粒径/2次粒子平均径)の値から判明した。
温度の上昇に伴って得られる炭化物の1次粒子径および2次粒子径は増加した。酸素が超硬合金、サーメット、その他複合材料の原料として良好なレベルまで低下した炭化物は実施例1の1450℃で得られ、全炭素から遊離炭素を差し引いた結合炭素も理論値近くの良好レベルに達した。
1600℃で熱処理を施した実施例3は超硬合金、サーメットおよびその他複合材料に均一分散できる境界の粒子径まで粒成長した。
炭化タンタル粉末および炭化タンタル−ニオブ複合粉末の従来の製法の熱処理温度を比較例11および12にて追試した。この追試で得られた炭化タンタル粉末は市販されているものと同等の1次および2次粒子径であった。
実施例1と比較例12の炭化タンタル粉末を6,000倍の倍率にて走査電子顕微鏡観察した結果を夫々図1および図2に示す。比較例12は粒成長して粗い粒子で強固なネッキングと凝集が観察されるのに対して、実施例1の炭化タンタル粉末の粒子は微細で解砕容易な凝集として観察された。
従って、比較例12によって、熱処理温度を高く、保持時間を長くしても、本発明品が得られないことが判明した。
(超微粒超硬合金特性比較)
上記実施例1〜8および比較例10〜12で得られた炭化タンタルおよび炭化タンタル−ニオブ複合粉末を用いて0.5μmWC−0.80質量%Cr−1.7質量%(Ta,Nb)C−6.5質量%Coの超微粒超硬合金を下記の方法で作製し、焼結前の粉末段階での分散状態と焼結後の超硬合金における特性を夫々比較した。なお、実施例と比較例の作製条件は同じとした。
上記の組成でアトライターを用いてエタノール中で湿式混合し、この溶剤を90℃で加温し乾燥した。
乾燥した上記混合粉末におけるTaの分散状態についてエネルギー分散型X線検出器を用いて調査した。調査サンプルは実施例1と比較例11の粉末とした。実施例1のTa分散状態を図3の写真に、比較例11のTa分散状態を図4の写真にそれぞれ示した。図3および図4中の白い大小の斑点が炭化タンタル粉末を示している。比較例11と比較して実施例1は白色部分のTaが微細で均一に分散されていることが観察された。測定器は、株式会社日立製作所製電界放射形走査電子顕微鏡および株式会社堀場製作所製エネルギー分散形X線検出器EMAXである。
次に、上記の乾燥された混合粉末をプレス圧98MPaで成形し、更に1350℃、1.013MPa、1時間のHIP成形した。これを1430℃の真空雰囲気中で焼結し超硬合金を得た。
得られた超硬合金の特性の評価は、硬さ試験および抗折試験をJIS H5501に準じて、また有孔度はISO 4505に準じて行った。この特性評価を下記表3に示した。下記表3は炭化タンタル粉末および炭化タンタル−ニオブ粉末を用いて得られた超微粒超硬合金の特性を示している。
上記表3に示すとおり、最も微細な実施例1の炭化タンタル粉末を用いた場合には高い抗折強度が得られていることが確認できた。また、実施例1〜8の抗折試験で破断した試験片の破壊起点を観察すると、微細な炭化タンタル粉末を使用するほど破壊起点に現れる固溶タンタル相は小さく分散され、高強度化に寄与していることが確認できた。また有孔度もA02でポアが無く良好に焼結されていることが確認できた。
なお、比較例10は炭化タンタル中の酸素に起因すると考えられるポアの有孔度がA04と劣り、著しく抗折力が低下した。また比較例11および12は破壊起点に現れる固溶タンタル相が大きく、強度の改善はできなかった。
以上の結果により、本発明による炭化タンタル粉末および炭化タンタル−ニオブ複合粉末を粉末冶金により製造される複合材料の原料として用いた場合、微粒子を均一に分散することができるため、複合材料の強度改善に寄与することが明らかになった。
なお、上述の超微粒超硬合金への適用例は本発明の用途を限定するものではなく、炭化タンタル粉末および炭化タンタル−ニオブ複合粉末を原料として使用する粉末冶金に広く適用することができる。
本発明に係る炭化タンタル粉末および炭化タンタル−ニオブ複合粉末は、超硬合金又はサーメット等の高温材料や切削工具材料分野における複合材料の添加物に適用される。
本発明の実施例1の炭化タンタル粉末の粒度を示す走査電子顕微鏡写真(6,000倍)である。 従来条件で得られた比較例12の炭化タンタル粉末の粒度を示す走査電子顕微鏡写真(6,000倍)である。 本発明の実施例1による炭化タンタル粉末を用いたアトライター混合粉末のX線検出器による倍率1,100倍でのTa分布イメージを示す写真である。 比較例12の炭化タンタル粉末を用いたアトライター混合粉末のX線検出器による倍率1,100倍でのTa分布イメージを示す写真である。

Claims (7)

  1. 比表面積法(BET法)で測定した1次粒子平均粒径が0.10〜0.40μmで、FSSS法で測定した2次粒子平均径が0.40〜1.0μmであり、且つ(1次粒子平均粒径/2次粒子平均径)が0.21〜0.40の範囲内であることを特徴とする炭化タンタル粉末。
  2. 請求項1に記載の炭化タンタル粉末において、前記炭化タンタル粉末に含有される全炭素量が6.13〜6.33質量%、遊離炭素が0.15質量%以下、結合炭素が6.09〜6.22質量%、酸素含有量が0.39質量%以下であることを特徴とする炭化タンタル粉末。
  3. 請求項1に記載の炭化タンタル粉末に更にニオブを含む炭化タンタル−ニオブ複合粉末であって、炭化ニオブを組成比で0.50〜99.5質量%含有することを特徴とする炭化タンタル−ニオブ複合粉末。
  4. 請求項3に記載の炭化タンタル−ニオブ複合粉末において、比表面積法(BET法)で測定した1次粒子平均粒径が0.10〜0.40μmで、FSSS法で測定した2次粒子平均径が0.40〜1.0μmであり、且つ(1次粒子平均粒径/2次粒子平均径)が0.21〜0.40であることを特徴とする炭化タンタル−ニオブ複合粉末。
  5. 請求項3乃至4に記載の炭化タンタル−ニオブ複合粉末において、全炭素量が6.34〜11.10質量%、遊離炭素が0.15質量%以下、結合炭素が6.19〜10.95質量%、酸素含有量が0.39質量%以下であることを特徴とする炭化タンタル−ニオブ複合粉末。
  6. 請求項1乃至2に記載の炭化タンタル粉末の製造方法であって、酸化タンタル粉末とカーボンブラックとを混合し混合粉末を得る混合工程と、
    前記混合粉末を造粒機を用いて造粒粉末を得る造粒工程と、
    前記造粒粉末を炭素製回転管を有した回転炉を用いて、1450〜1600℃の水素または水素−アルゴン混合雰囲気下で熱処理を施し、還元・炭化反応により炭化タンタル粉末の被熱処理物を得る熱処理工程と、
    前記炭化タンタル粉末の被熱処理物を解砕し微粉末を得る解砕工程と
    を備えることを特徴とする炭化タンタル粉末の製造方法。
  7. 請求項3乃至5に記載の炭化タンタル−ニオブ複合粉末の製造方法であって、酸化タンタル粉末とカーボンブラックと酸化ニオブ粉末とを混合し混合粉末を得る混合工程と、
    前記混合粉末を造粒機を用いて造粒粉末を得る造粒工程と、
    前記造粒粉末を炭素製回転管を有した回転炉を用いて、1450〜1600℃の水素または水素−アルゴン混合雰囲気下で熱処理を施し、還元・炭化反応により炭化タンタル−ニオブ複合粉末の被熱処理物を得る熱処理工程と、
    前記炭化タンタル−ニオブ複合粉末の被熱処理物を解砕し微粉末を得る解砕工程と
    を備えることを特徴とする炭化タンタル−ニオブ複合粉末の製造方法。
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