JP2008024698A - 有機化合物、電荷輸送材料、電荷輸送材料組成物及び有機電界発光素子 - Google Patents
有機化合物、電荷輸送材料、電荷輸送材料組成物及び有機電界発光素子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008024698A JP2008024698A JP2007163148A JP2007163148A JP2008024698A JP 2008024698 A JP2008024698 A JP 2008024698A JP 2007163148 A JP2007163148 A JP 2007163148A JP 2007163148 A JP2007163148 A JP 2007163148A JP 2008024698 A JP2008024698 A JP 2008024698A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- ring
- organic
- compound
- substituent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- OVLIWNKSQPWYKZ-PEPZGXQESA-N CC(/C=C\C=C/N)S(C)(C)CO Chemical compound CC(/C=C\C=C/N)S(C)(C)CO OVLIWNKSQPWYKZ-PEPZGXQESA-N 0.000 description 1
- HKUKAPXTFWMDNU-UHFFFAOYSA-N CC1(C=CC=CC11)c(cccc2)c2N1c1cc(Sc2cc(-c3cc(C(C=CC4)=CC4Sc4cccc(N(C5(C)C=CC=CC55)c6c5cccc6)c4)n[n]3-c3cccc(Sc4cc(-[n]5c(cccc6)c6c6c5cccc6)ccc4)c3)ccc2)ccc1 Chemical compound CC1(C=CC=CC11)c(cccc2)c2N1c1cc(Sc2cc(-c3cc(C(C=CC4)=CC4Sc4cccc(N(C5(C)C=CC=CC55)c6c5cccc6)c4)n[n]3-c3cccc(Sc4cc(-[n]5c(cccc6)c6c6c5cccc6)ccc4)c3)ccc2)ccc1 HKUKAPXTFWMDNU-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- AASWSXXTMLHQER-UHFFFAOYSA-N Fc(c([B](c(c(F)c(c(F)c1F)F)c1F)(c(c(F)c(c(F)c1F)F)c1F)c(c(F)c(c(F)c1F)F)c1F)c(c(F)c1F)F)c1F Chemical compound Fc(c([B](c(c(F)c(c(F)c1F)F)c1F)(c(c(F)c(c(F)c1F)F)c1F)c(c(F)c(c(F)c1F)F)c1F)c(c(F)c1F)F)c1F AASWSXXTMLHQER-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- SEGMJRGDBUNYIN-PUVSJKBWSA-N N=C(/C=C(/c1cc2ccccc2c2c1cccc2)\Nc1cccc(N(C2C=CC=CC22)c3c2cccc3)c1)c1cc(cccc2)c2c2c1cccc2 Chemical compound N=C(/C=C(/c1cc2ccccc2c2c1cccc2)\Nc1cccc(N(C2C=CC=CC22)c3c2cccc3)c1)c1cc(cccc2)c2c2c1cccc2 SEGMJRGDBUNYIN-PUVSJKBWSA-N 0.000 description 1
- VPYBPLYPIHHKKX-JJLKIQBQSA-N N=C(/C=C(/c1ccccc1)\Nc1cccc(-[n]2c3ccccc3c3c2cccc3)n1)c1ccccc1 Chemical compound N=C(/C=C(/c1ccccc1)\Nc1cccc(-[n]2c3ccccc3c3c2cccc3)n1)c1ccccc1 VPYBPLYPIHHKKX-JJLKIQBQSA-N 0.000 description 1
- XARHNNNCWWMBDV-UHFFFAOYSA-N O=C(c1cccc(-c2cc(-c3cccc(C(N(c4ccccc4)c4cc(-[n]5c6ccccc6c6c5cccc6)ccc4)=O)c3)n[n]2-c2cc(cccc3)c3c3ccccc23)c1)N(c1ccccc1)c1cc(-[n]2c3ccccc3c3c2cccc3)ccc1 Chemical compound O=C(c1cccc(-c2cc(-c3cccc(C(N(c4ccccc4)c4cc(-[n]5c6ccccc6c6c5cccc6)ccc4)=O)c3)n[n]2-c2cc(cccc3)c3c3ccccc23)c1)N(c1ccccc1)c1cc(-[n]2c3ccccc3c3c2cccc3)ccc1 XARHNNNCWWMBDV-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- OTLLMQQOLPXRQV-UHFFFAOYSA-N O=C(c1nc(-[n](c(-c2nc(-[n]3c(cccc4)c4c4ccccc34)ccc2)c2)nc2-c2cccc(-[n]3c4ccccc4c4c3cccc4)n2)ccc1)N(c1ccccc1)c1ccccc1 Chemical compound O=C(c1nc(-[n](c(-c2nc(-[n]3c(cccc4)c4c4ccccc34)ccc2)c2)nc2-c2cccc(-[n]3c4ccccc4c4c3cccc4)n2)ccc1)N(c1ccccc1)c1ccccc1 OTLLMQQOLPXRQV-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- SIOXPEMLGUPBBT-UHFFFAOYSA-N OC(c1ccccn1)=O Chemical compound OC(c1ccccn1)=O SIOXPEMLGUPBBT-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- KZVLNAGYSAKYMG-UHFFFAOYSA-N OS(c1ccccn1)(=O)=O Chemical compound OS(c1ccccn1)(=O)=O KZVLNAGYSAKYMG-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- CXRZNMLPQOUJOR-UHFFFAOYSA-N c1c(-c2cc(-[n]3c(cccc4)c4c4c3cccc4)ccc2)[n](-c2c(cccc3)c3cc3c2cccc3)nc1-c1cccc(-[n]2c3ccccc3c3c2cccc3)c1 Chemical compound c1c(-c2cc(-[n]3c(cccc4)c4c4c3cccc4)ccc2)[n](-c2c(cccc3)c3cc3c2cccc3)nc1-c1cccc(-[n]2c3ccccc3c3c2cccc3)c1 CXRZNMLPQOUJOR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- YYCGNHNMBDPOTM-UHFFFAOYSA-N c1c(-c2cc(-[n]3c(cccc4)c4c4ccccc34)cc(-[n]3c4ccccc4c4c3cccc4)c2)[n](-c2ccccc2)nc1-c1cc(-[n]2c3ccccc3c3c2cccc3)cc(-[n]2c(cccc3)c3c3c2cccc3)c1 Chemical compound c1c(-c2cc(-[n]3c(cccc4)c4c4ccccc34)cc(-[n]3c4ccccc4c4c3cccc4)c2)[n](-c2ccccc2)nc1-c1cc(-[n]2c3ccccc3c3c2cccc3)cc(-[n]2c(cccc3)c3c3c2cccc3)c1 YYCGNHNMBDPOTM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Electroluminescent Light Sources (AREA)
- Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
Abstract
Description
このような材料としては、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウムが挙げられる。特許文献1では、発光層にトリス(8−キノリノラト)アルミニウムを含有し、正孔注入層及び正孔輸送層にそれぞれ特定構造のアミン化合物を含有して、発光輝度、発光効率及び耐熱性に優れた有機電界発光素子が提案されている。
例えば、これまでに開発された燐光発光性分子を用いた有機電界発光素子の多くは、発光層の材料(ホスト材料)として、以下に示すようなカルバゾリル基を有するビフェニル誘導体が用いられている。
例えば、発光層に用いられるトリス(8−キノリノラト)アルミニウムは、発光効率、最大発光輝度及び色純度の点において不十分であるため、フルカラーディスプレイ用途への適用は限定的であるという問題点がある。
また、燐光発光は用いる試みは、未だ十分な発光効率が得られていないのが現状である。さらに、燐光発光性物質として開発されているカルバゾリル基を有するビフェニル誘導体の場合は、非晶質性あるいは電気化学的な耐久性等が不十分であるため、それを用いた素子は、耐久性に課題を有している。
一方、車搭載等の用途を考えた場合、夏場の車内環境などを考慮すると耐熱性が良好である必要があり、現状の材料ではこの点でも十分ではないという問題を有している。
即ち、本発明の目的は、三重項励起準位が高く、且つ耐熱性が良好な電荷輸送材料を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、三重項励起準位が高く、且つ耐熱性が良好な電荷輸送材料を使用した電荷輸送材料組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、長寿命、且つ発光効率が高い有機電界発光素子を提供することにある。
ここで、さらに燐光発光性色素を含有することが好ましい。
本実施の形態が適用される有機化合物は、下記式(I)で表されることを特徴とする。
このうちベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオランテン環などの、6員環の単環または2〜5縮合環由来の2価の連結基、或いは、それらが複数個連結されて形成された2価の連結基(例えば、ビフェニレン基、ターフェニレン基など)であることが好ましい。より好ましくは直接結合、または、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基などの−(Ph)p−(Phは置換基を有していてもよいフェニレン基を表し、pは1〜8の整数を表す。)で表される、ベンゼン環を1個〜8個連結してなる2価の連結基である。連結基の分子量としては、1000以下が好ましく、500以下がさらに好ましい。
但し、連結基がなく直接に結合することが好ましい。
また一般式(II)で表される部分構造は、さらに他の基で置換されていてもよいが、その置換基や、また一般式(II)においてCzで表される置換基を有してもよいN−カルバゾリル基における置換基は上記例示したものが挙げられる。また、これら置換基は通常500以下、好ましくは300以下である。
本実施の形態の有機化合物は、公知の各種の方法を用いて製造することができ、ピラゾール環の導入とN−カルバゾリル基の導入の2つの工程で合成を行う。
まずピラゾール環を導入し中間生成物Aを得る方法としては、以下の反応例1〜8を含む以下の方法が挙げられる。
反応例1としては、酸性もしくは塩基性条件下(例えば、塩酸もしくは水素化ナトリウム存在下)、無溶媒で、あるいはエーテル、テトラヒドロフラン、トルエンなど任意の溶媒中で、0℃〜100℃程度の温度範囲で、アセチル化合物と混合し、10分〜24時間反応させることにより、1,3−プロパンジオン化合物を得ることができる。
反応例2としては、酸性もしくは塩基性条件下(例えば、塩酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸などの酸触媒もしくは水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム存在下)、無溶媒あるいはエタノール、イソプロパノール、メタノール、水、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテルなどの溶媒中で、0℃〜200℃程度の温度範囲で、1,3−プロパンジオン化合物と置換ヒドラジン化合物と混合し、10分〜48時間反応させることにより、ピラゾール化合物を得ることができる。
反応例3としては、酸性もしくは塩基性条件下(例えば、塩酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸などの酸触媒もしくは水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム存在下)、無溶媒あるいはエタノール、イソプロパノール、メタノール、水、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテルなどの溶媒中で、0℃〜200℃程度の温度範囲で、ヒドラジンまたはヒドラジン水和物と混合し、10分〜48時間反応させることにより、N上に置換基を持たないピラゾール化合物を得ることができる。
反応例4としては、まずアリールハライド(Ra−X、好ましくはX=Br、I)と、N上に置換基を持たないピラゾール化合物とを、銅触媒と塩基性物質の存在下、不活性ガス気流下において無溶媒または、溶媒中で、必要に応じて配位子を加え、20℃〜300℃の温度範囲で、0.5時間〜60時間撹拌混合する方法が挙げられる。
ここで銅触媒としては、銅粉末、銅線、ハロゲン化銅(CuX(X=Cl、Br、I))、酸化銅(CuO)、Cu2O、酢酸銅(Cu(OAc)2)が、塩基性物質としては、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、リン酸カリウム、炭酸セシウム、tert−ブトキシナトリウム、ピリジンが、溶媒としてはニトロベンゼンなどの芳香族溶媒;テトラグライム、ポリエチレングリコールなどのアルコール系溶媒;アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメトキシエタンなどの溶媒が、配位子としては、trans−1,2−シクロヘキサンジアミン、N,N’−ジメチル−1,2−エチレンジアミン、1,2−エチレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン、サリチルアルドキシム、ジメチルグリオキシム、2−ピリジンアルドキシム、1,10−フェナントロリンなどである。
アリールハライドの量は、N上に置換基を持たないピラゾール化合物に対して0.5当量〜100当量であり、銅触媒の量は、Xに対して0.01当量〜10当量程度、塩基性物質の量はハロゲン原子に対して1当量〜100当量程度、また溶媒の量は、通常N上に置換基を持たないピラゾール化合物の1モルに対して、0.1リットル〜100リットルであり、配位子の量は、通常銅触媒1モルに対して、1モル〜10モル程度である。
触媒としては、2価のパラジウム触媒、0価のパラジウム錯体、パラジウム塩化物錯体であり、2価のパラジウム触媒はPd2(dba)3(Pd=パラジウム、dba=ジベンジリデンアセトン)、Pd(dba)2、酢酸パラジウムなど、0価のパラジウム錯体は、BINAP(=2,2’−ビス(ジフェニルフォスフィノ−1,1’−ビナフチル)、トリ(tert−ブチル)フォスフィン、トリフェニルフォスフィン、1,2−ビス(ジフェニルフォスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロパン、1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)ブタン、dppf(=1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン)などのリガンド類の組合せなどであり、パラジウム塩化物錯体はPdCl2(dppf)2などである。
また、塩基性物質としては、tert−ブトキシカリウム、tert−ブトキシナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミンなどであり、溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、キシレン、トルエン、トリエチルアミン、ピリジンなどである。
触媒の量としては、N上に置換基を持たないピラゾール化合物に対して0.001当量〜1当量程度であり、塩基性物質の量としては、通常N上に置換基を持たないピラゾール化合物に対して、2当量〜100当量、溶媒の量としては、通常N上に置換基を持たないピラゾール化合物の1モルに対して、0.1リットル〜100リットルである。
一価の銅触媒は、CuCl、CuBr、CuIなどであり、リガンド類は、N,N’−ジメチルエチレン−1,2−ジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、フェナントロリン、サリチルアルドキシムなどであり、塩基性物質は、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、リン酸カリウム、炭酸セシウム、tert−ブトキシナトリウムなどであり、溶媒は、メタノール、エタノール、ノルマルブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテルなどである。
アリールボロン酸やアリールボロン酸エステルの量は、2当量〜100当量であり、一価の銅触媒の量は、通常中間生成物Aに対して、0.001当量〜5当量であり、リガンド類の量は、ハロゲン原子に対して0.01当量〜100当量程度であり、溶媒の量は、通常中間生成物Aの1モルに対して、0.1リットル〜100リットルである。
塩基としては、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、tert−ブトキシカリウム、tert−ブトキシナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミンなどであり、溶媒としては、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタンである。
アリールフルオリドの量は、N上に置換基を持たないピラゾール化合物に対して0.5当量〜100当量であり、塩基の量は、N上に置換基を持たないピラゾール化合物に対して1当量〜100当量程度であり、溶媒としては、通常N上に置換基を持たないピラゾール化合物の1モルに対して、0.1リットル〜100リットルである。
反応例5としては、アセチル化合物とアルデヒド化合物とを、水酸化ナトリウム、Pipeピロリドンなどの塩基存在下、または硫酸、酢酸、塩酸などの酸存在下、無溶媒あるいはエタノール、酢酸、水、ジメトキシエタンなどの溶媒中で、通常−20℃〜150℃の温度範囲で、0.5時間〜24時間撹拌することにより、ピラゾリン化合物を得ることが出来る。
反応例6は、反応例2と同様の手法で成立させることができるが、過剰の置換ヒドラジン化合物を作用させることにより、一気に中間生成物Aを得ることも可能である。
反応例7は、五塩化アンチモン、クロラニル、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンなどの酸化剤存在下、ピラゾリン化合物を、アセトニトリル、ジメトキシエタン、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレンなどの溶媒中で、−20℃〜150℃で、10分〜24時間撹拌することにより、中間生成物Aを得ることが出来る。
反応例8は、置換または無置換ヒドラジン化合物を、エチニルカルボニル化合物と、溶媒(エタノールなど)中で、−20℃〜200℃で、1時間〜24時間混合することにより、中間生成物Aを得ることが出来る。
N−カルバゾリル基の導入方法としては、例えば、下記のa)〜c)の方法を採用することができる。
置換または無置換のカルバゾールの量は、前記フッ素原子を置換基に有する中間生成物A上のフッ素原子に対して1.1当量〜10当量程度であり、強塩基の量は、置換または無置換のカルバゾールのN上水素に対して0.9当量〜2当量程度である。
銅触媒は、銅粉末、銅線、ハロゲン化銅(CuX(X=Cl、Br、I))、酸化銅(CuO)、Cu2O、酢酸銅(Cu(OAc)2)などであり、塩基性物質は、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、リン酸カリウム、炭酸セシウム、tert−ブトキシナトリウム、ピリジンなどであり、溶媒としては、ニトロベンゼンなどの芳香族溶媒;テトラグライム、ポリエチレングリコールなどのアルコール系溶媒;アセトニトリル;テトラヒドロフラン;N,N−ジメチルホルムアミド;N,N−ジメチルアセトアミド;ジメトキシエタンなどであり、配位子としては、trans−1,2−シクロヘキサンジアミン、N,N’−ジメチル−1,2−エチレンジアミン、1,2−エチレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン、サリチルアルドキシム、ジメチルグリオキシム、2−ピリジンアルドキシム、1,10−フェナントロリンなどである。
銅触媒の量としては、臭素原子または/およびヨウ素原子に対して0.01当量〜10当量程度であり、塩基性物質の量としては、臭素原子または/およびヨウ素原子に対して1当量〜100当量程度であり、溶媒の量は、通常、置換または無置換カルバゾールの1モルに対して、0.1リットル〜100リットルであり、配位子の量は、通常銅触媒1モルに対して、1モル〜10モル程度である。
2価のパラジウム触媒は、Pd2(dba)3(Pd=パラジウム、dba=ジベンジリデンアセトン)、Pd(dba)2、酢酸パラジウムなどであり、リガンド類は、BINAP(=2,2’−ビス(ジフェニルフォスフィノ−1,1’ビナフチル)、トリ(tert−ブチル)フォスフィン、トリフェニルフォスフィン、1,2−ビス(ジフェニルフォスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロパン、1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)ブタン、dppf(=1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン)などであり、0価のパラジウム錯体は、Pd(PPh)4(Ph=フェニル)などであり、パラジウム塩化物錯体はPdCl2(dppf)2などであり、強塩基類は、tert−ブトキシカリウム、tert−ブトキシナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミンなどであり、銅触媒はヨウ化銅などであり、溶媒は、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、キシレン、トルエン、トリエチルアミンなどである。
また触媒の量は、通常前記臭素原子または/およびヨウ素原子を置換基に有する中間生成物A上の臭素原子または/およびヨウ素原子1当量に対して0.01当量〜1当量程度であり、強塩基類は、通常反応で生成し得るハロゲン化水素1当量に対して、1.1当量〜10当量であり、銅触媒は通常反応で生成し得るハロゲン化水素1当量に対して、1当量〜10当量であり、溶媒の量は、通常前記臭素原子または/およびヨウ素原子を置換基に有する中間生成物Aの濃度で0.1ミリモル%〜100ミリモル%程度である。
Chemistry Reviews(2004),248,2337−64に記載の方法や、「第4版実験化学講座20」(日本化学会編、丸善)、第6章(アミン)の項に記載の方法などが適用可能である。
次に、本実施の形態が適用される有機化合物を使用する有機電界発光素子用組成物について説明する。
有機電界発光素子用組成物は、少なくとも上述した有機化合物を含有する。通常、溶剤を含有し、好ましくは発光材料を含有する。
発光材料とは、有機電界発光素子用組成物において、主として発光する成分を指し、有機ELデバイスにおけるドーパント成分に当たる。有機電界発光素子用組成物から発せられる光量(単位:cd/m2)の内、通常10%〜100%、好ましくは20%〜100%、より好ましくは50%〜100%、最も好ましくは80%〜100%が、ある成分材料からの発光と同定される場合、それを発光材料と定義する。
ML”(q−j)L’j (III)
(一般式(III)中、Mは金属を表し、qは上記金属の価数を表す。また、L”およびL’は二座配位子を表す。jは0、1または2を表す。)
一般式(III)中、Mは任意の金属を表し、好ましいものの具体例としては、周期表7ないし11族から選ばれる金属として前述した金属が挙げられる。
また、一般式(III)中の二座配位子L”およびL’は、それぞれ、以下の部分構造を有する配位子を示す。
一般式(IV)中、Mdは金属を表し、具体例としては、周期表7ないし11族から選ばれる金属として前述した金属が挙げられる。中でも好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金または金が挙げられ、特に好ましくは、白金、パラジウム等の2価の金属が挙げられる。
さらに、R92〜R95は互いに連結して環を形成してもよく、この環がさらに任意の置換基を有していてもよい。
本実施の形態が適用される有機電界発光素子組成物に含まれる溶剤としては種々の溶剤が適用化能であり、特に限定されない。例えば、トルエン、キシレン、メチシレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル;シクロヘキサノン、シクロオクタノン等の脂環を有するケトン;メチルエチルケトン、ジブチルケトン等の脂肪族ケトン;メチルエチルケトン、シクロヘキサノール、シクロオクタノール等の脂環を有するアルコール;ブタノール、ヘキサノール等の脂肪族アルコール;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル等の脂肪族エステル等が挙げられる。
これらのうち、水の溶解度が低い点、容易には変質しない点で、トルエン、キシレン、メチシレン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素が好ましい。
次に、有機電界発光素子について説明する。
本実施の形態が適用される有機電界発光素子は、基板上に少なくとも陽極、陰極およびこれらの両極間に設けられた発光層を有するものであって、前述した一般式(I)で表される有機化合物を含有する層を有することを特徴とする。この層は、湿式製膜法により形成された層であることが好ましく、特にこの層は有機発光層であることが好ましい。
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシート等が用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン等の透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
基板1上には陽極2が設けられる。陽極2は発光層側の層(正孔注入層3または発光層5等)への正孔注入の役割を果たすものである。
この陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウムおよび/またはスズの酸化物等の金属酸化物、ヨウ化銅等のハロゲン化金属、カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等により構成される。
陽極2は通常は単層構造であるが、所望により複数の材料からなる積層構造とすることも可能である。
正孔注入層3は陽極2から発光層5へ正孔を輸送する層であるため、正孔注入層3には正孔輸送性化合物を含むことが好ましい。
さらに、必要に応じて、正孔注入層3には電荷のトラップになりにくいバインダー樹脂や、塗布性改良剤を含んでいてもよい。
正孔輸送性化合物としては、4.5eV〜6.0eVのイオン化ポテンシャルを有する化合物が好ましい。
正孔輸送性化合物の例としては、芳香族アミン化合物、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。中でも非晶質性、可視光の透過率の点から、芳香族アミン化合物が好ましい。
芳香族三級アミン高分子化合物の好ましい例として、下記一般式(V)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物が挙げられる。
電子受容性化合物とは、酸化力を有し、上述の正孔輸送性化合物から一電子受容する能力を有する化合物が好ましく、具体的には、電子親和力が4eV以上である化合物が好ましく、5eV以上の化合物である化合物がさらに好ましい。
カチオンラジカル化合物とは、正孔輸送性化合物から一電子取り除いた化学種であるカチオンラジカルと、対アニオンからなるイオン化合物である。但し、カチオンラジカルが正孔輸送性の高分子化合物由来である場合、カチオンラジカルは高分子化合物の繰り返し単位から一電子取り除いた構造となる。
正孔注入層3上に正孔輸送層4が設けられる。正孔輸送層4の材料に要求される条件としては、陽極2からの正孔注入効率が高く、且つ、注入された正孔を効率よく輸送することができる材料であることが必要である。そのためには、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の光に対して透明性が高く、しかも正孔移動度が大きく、更に安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが要求される。また、発光層5に接するために発光層5からの発光を消光したり、発光層5との間でエキサイプレックスを形成して効率を低下させないことが求められる。上記の一般的要求以外に、車載表示用の応用を考えた場合、素子には更に耐熱性が要求される。従って、ガラス転移温度として通常70℃以上、好ましくは85℃以上の値を有する材料が好ましい。
正孔輸送層4の上には、通常、発光層5が設けられる。発光層5は例えば前述の発光材料を含む層であり、電界を与えられた電極間において、陽極2から正孔注入層3を通じて注入された正孔と、陰極9から電子注入層8を通じて注入された電子との再結合により励起されて、主たる発光源となる層である。発光層5は前述した発光材料(ドーパント)と1種または2種以上のホスト材料を含むことが好ましく、発光層5は本実施の形態の有機化合物をホスト材料として含むことがさらに好ましく、真空蒸着法で形成してもよいが、湿式製膜法によって作製された層であることが特に好ましい。
尚、発光層5は、本実施の形態の有機電界発光素子の性能を損なわない範囲で、他の材料、成分を含んでいてもよい。
発光物質として燐光発光性色素を用いたり、青色発光を与える蛍光発光材料を用いたりする場合、正孔阻止層6を設けることが効果的である。正孔阻止層6は正孔と電子を発光層5内に閉じこめて、発光効率を向上させる機能を有する。即ち、正孔阻止層6は、発光層5から移動してくる正孔が電子輸送層7に到達するのを阻止することで、発光層5内で電子との再結合確率を増やし、生成した励起子を発光層5内に閉じこめる役割と、電子輸送層7から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送する役割がある。
電子輸送層7は素子の発光効率をさらに向上させることを目的として、発光層5と電子注入層8との間に設けられる。
電子輸送層7は、電界を与えられた電極間において陰極9から注入された電子を効率よく発光層5の方向に輸送することができる化合物より形成される。電子輸送層7に用いられる電子輸送性化合物としては、陰極9または電子注入層8からの電子注入効率が高く、且つ、高い電子移動度を有し注入された電子を効率よく輸送することができる化合物であることが必要である。
このような条件を満たす材料としては、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体等の金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−または5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第5,645,948号)、キノキサリン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛等が挙げられる。
電子注入層8は陰極9から注入された電子を効率よく発光層5へ注入する役割を果たす。電子注入を効率よく行うには、電子注入層8を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましく、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウム等のアルカリ土類金属が用いられる。電子注入層8の膜厚は0.1nm〜5nmが好ましい。
陰極9は、発光層5側の層(電子注入層8または発光層5等)に電子を注入する役割を果たす。陰極9として用いられる材料は、陽極2に使用される材料を用いることが可能であるが、効率よく電子注入を行うには、仕事関数の低い金属が好ましく、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属またはそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。
以上、図1に示す層構成の素子を中心に説明してきたが、本実施の形態においては、有機電界発光素子における陽極2および陰極9と発光層5との間には、その性能を損なわない限り任意の層を有していてもよく、また発光層5以外の任意の層を省略してもよい。例えば、電子輸送層7および正孔阻止層6は必要に応じて、適宜設ければよく、1)電子輸送層のみ、2)正孔阻止層のみ、3)正孔阻止層/電子輸送層の積層、4)用いない等の用法がある。
または、正孔輸送層4を省略することもできる。
図2は、図1における正孔輸送層4を設けずに作製した本実施の形態が適用される有機電界発光素子の構造例を示す断面模式図である。
図2で示した有機電界発光素子は、基板1、陽極2、正孔注入層3、発光層(有機発光層)5、正孔阻止層6、電子輸送層7、電子注入層8、陰極9が順に積層する。
このため、電子阻止層も湿式製膜適合性を有することが好ましく、このような電子阻止層に用いられる材料としては、上述した有機電界発光素子組成物の他、F8−TFBに代表されるジオクチルフルオレンとトリフェニルアミンの共重合体(WO2004/084260号公報記載)等が挙げられる。
さらに、図1に示す層構成を複数段重ねた構造(発光ユニットを複数積層させた構造)とすることも可能である。その際には段間(発光ユニット間)の界面層(陽極がITO、陰極がAlの場合はその2層)の代わりに、例えばV2O5等を電荷発生層(CGL)として用いると段間の障壁が少なくなり、発光効率・駆動電圧の観点からより好ましい。
本発明の有機化合物を用いた有機電界発光素子は、フラットパネル・ディスプレイ(例えばOAコンピュータ用や壁掛けテレビ)、車載表示素子、携帯電話表示や面発光体としての特徴を生かした光源(例えば、複写機の光源、液晶ディスプレイや計器類のバックライト光源)、表示板、標識灯への応用が考えられ、その技術的価値は大きいものである。
なお、本発明の有機化合物は、有機電界発光素子に限らず、電子写真感光体に利用することも有用である。
また、本発明の有機化合物は、電荷輸送材料用としてだけではなく、各種発光材料用、太陽電池材料用、バッテリー材料(電解液、電極、分離膜、安定剤など)用、医療用、塗料材料用、コーティング材料用、有機半導体材料用、トイレタリー材料用、帯電防止材料用、熱電素子材料用などにおいても有用である。
(実施例1)
式(I)で表される有機化合物(目的物1〜2)の合成例を以下に示す。
得られた混合物にジクロロメタン(150ml)を加え、ろ過後、ろ液を食塩水で洗浄し、得られた溶液に、無水硫酸マグネシウム、活性白土を投入した。
これをさらにろ過し、ろ液を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよびクロロホルム−メタノールからの再結晶で精製し、目的物2(1.80g)を得た。
これを高真空下、260℃で昇華精製し、目的物2の高純度品(1.66g)を得た。
脱離電子イオン化質量分析(Desorption electron Ionization−Mass Spectrum:以下、DEI−MSと記す。)の結果、質量分析値(M+)は461であり、これにより目的物2であることを確認した。
なお、測定装置は日本電子JMS−700/MStation質量分析計を使用し、測定条件としては、加速電圧10kV、イオン化電圧70eV、positive ion modeで行った。
ガラス転移温度:70℃
融点:162℃
気化温度:394℃
式(I)で表される有機化合物(目的物3)の合成例を以下に示す。
徐々に温度を上昇させ、8時間還流した。反応終了後、反応液を0度まで冷却し、水(50mL)をゆっくりと滴下し、水素ガスが発生しなくなったのを確認して、水にあけ塩化メチレン(100mLx3)で抽出した。
反応終了後、溶媒を減圧下に留去し、残渣をカラムクロマトグラフィーに処し、中間体2(10.4g、収率87%)を得た。
不活性ガス雰囲気下、中間体2(2g,3.75mmol)、カルバゾール(2.23g,13.5mmol)、ターシャリーブトキシナトリウム(2.2g,22.5mmol)のトルエン溶液(25mL)に形成させた錯体を滴下し、6時間加熱還流した。
反応終了後、水にあけ、トルエン(50mLx2)で抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下に留去した。
残渣をカラムクロマトグラフィーに処し、目的物3(1.34g、収率45%)を得た。DEI−MSの結果、質量分析値(M+)は792であり、これにより目的物3であることを確認した。
窒素雰囲気下、77Kで、2−メチルテトラヒドロフラン溶媒に、目的物2を溶解させ、337nm波長レーザーで励起したときの燐光発光スペクトルから算出した材料の三重項励起準位は、423nm(2.93eV)であり、非常に高い三重項励起準位を有する化合物であることがわかった。
測定例1と同様にして、目的物3の三重項励起準位を測定した。
三重項励起準位は、424nm(2.92eV)であり、非常に高い三重項励起準位を有する化合物であることがわかった。
測定例1と同様に、下記化合物を評価したところ、三重項励起準位は450nm(2.75eV)であった。
測定例1と同様に、下記化合物を評価したところ、三重項励起準位は450nm(2.75eV)であった。本発明の化合物に比べて三重項励起準位が低かった。
(実施例3)
図1に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
溶媒 安息香酸エチル
塗布液濃度 P−1 2.0重量%
A−1 0.4重量%
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 30秒
乾燥条件 230℃×15分
上記のスピンコートにより膜厚30nmの均一な薄膜が形成された。
輝度/電流:41.0[cd/A]
電圧:7.0[V]
発光効率:18.4[lm/W]
素子の発光スペクトルの極大波長は513nmであり、イリジウム錯体(D−1)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.296,0.618)であった。
このため、この有機化合物よりなる電荷輸送材料、この有機化合物を含む電荷輸送材料組成物及びこの有機化合物を用いた有機電界発光素子によれば、高輝度、高効率且つ長寿命な有機電界発光素子が提供される。
なお、以下の有機化合物、有機電界発光素子についても同様である。
(実施例4)
式(I)で表される有機化合物(目的物4)の合成例を以下に示す。
滴下終了後、常温で2時間、60℃で6時間撹拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、メタノールで残存する水素化ナトリウムを分解した後、水に開け、希塩酸で中和後、塩化メチレンで抽出した。
有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。残渣をエタノール−トルエンで再結晶して中間体3(31.2g,85%)を得た。
反応終了後、減圧下で溶媒を留去して、残渣を塩化メチレンに溶解させ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに処し、中間体4(9.5g,96%)を得た。
反応混合物にクロロホルムを加え、不溶物を濾別した。濾液に含まれるクロロホルムを減圧留去し、エタノール/水(40/1)混合液を加え、析出物を濾別した。濾液に水を加え、析出物を濾取し、エタノールで洗浄後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/塩化メチレン=2/1)で精製することにより、白色結晶の中間体5(17.7g)を得た。
反応混合物を塩化メチレン(100mL)で希釈し、無機物を濾過した。溶媒を減圧下に留去して残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに処し、中間体6(1.9g,58%)を得た。
窒素雰囲気下、中間体6(1.5g,2.42mmol)、カルバゾール(1.0g,6.04mmol)ターシャリーブトキシナトリウム(1.2g,12.4mmol)の乾燥トルエン懸濁液(20mL)に常温で先に合成した触媒を添加し、還流下で8時間撹拌した。
反応混合物にトルエンを加えて希釈したのち水にあけ、トルエンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下に留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに処し、目的物4(1.2g、70%)を得た。
DEI−MSの結果、質量分析値(M+)は792であり、これにより目的物4であることを確認した。また、ガラス転移温度は、131℃であった。
(実施例5)
図2に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
溶媒 アニソール
塗布液濃度 P−2 2.0重量%
A−1 0.4重量%
スピナ回転数 2000rpm
スピナ回転時間 30秒
乾燥条件 230℃×3時間
上記のスピンコートにより膜厚30nmの均一な薄膜が形成された。
溶媒 トルエン
塗布液濃度 E−1 2.0重量%
D−2 0.1重量%
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 30秒
乾燥条件 100℃×1時間(減圧下)
上記スピンコートにより53nmの均一な発光層5が得られた。
ここで、電子輸送層7までの蒸着を行った素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2のITOストライプとは直交するように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置して有機層と同様にして装置内の真空度が2.8×10−4Pa以下になるまで排気した。陰極9として、先ず、フッ化リチウム(LiF)を、モリブデンボートを用いて、蒸着速度0.006nm/秒〜0.02nm/秒、真空度2.1×10−4Pa〜3.2×10−4Paで制御し、0.5nmの膜厚で電子輸送層7の上に成膜した。次に、アルミニウムを同様にモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度0.1nm/秒〜0.5nm/秒、真空度2.5×10−4Pa〜9.0×10−4Paの範囲で制御し、膜厚80nmのアルミニウム層を形成して陰極9を完成させた。以上の2層型陰極9の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
以上の様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。この素子の発光特性は以下の通りである。
電圧:7.3[V]@100cd/m2
発光効率:9.6[lm/W]@100cd/m2
素子の発光スペクトルの極大波長は498nmであり、イリジウム錯体(D−2)からのものと同定された。色度はCIE(x,y)=(0.182,0.405)であった。
図2に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
溶媒 安息香酸エチル
塗布液濃度 PB−1 2.0重量%
A−1 0.4重量%
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 30秒
乾燥条件 230℃×15分
上記のスピンコートにより膜厚30nmの均一な薄膜が形成された。
溶媒 トルエン
塗布液濃度 E−2 1.0重量%
E−3 1.0重量%
D−2 0.1重量%
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 30秒
乾燥条件 100℃×1時間(減圧下)
上記スピンコートにより60nmの均一な発光層5が得られた。
陰極9の成膜は実施例5と同様にして行った。
電圧:8.3[V]@100cd/m2
発光効率:0.6[lm/W]@100cd/m2
素子の発光スペクトルの極大波長は512nmであり、イリジウム錯体(D−2)からの発光だけでなく、ホスト材料からの発光も確認された。
発光層5を以下のように成膜した他は、比較例3と同様にして図2に示す構造を有する有機電界発光素子を作製した。
溶媒 トルエン
塗布液濃度 E−4 2.0重量%
D−2 0.1重量%
スピナ回転数 1500rpm
スピナ回転時間 30秒
乾燥条件 100℃×1時間(減圧下)
上記スピンコートにより60nmの均一な発光層5が得られた。
電圧:8.2[V]@100cd/m2
発光効率:3.8[lm/W]@100cd/m2
素子の発光スペクトルの極大波長は470nmであり、イリジウム錯体(D−2)からの発光と同定された。色度はCIE(x,y)=(0.201,0.362)であった。
Claims (10)
- 下記一般式(I)で表されることを特徴とする有機化合物。
- 前記一般式(II)で表される部分構造に繋がる場合の前記置換基G1〜G3が、直接結合であることを特徴とする請求項1記載の有機化合物。
- 前記置換基G1〜G3の内、少なくとも2つが、互いに独立に、一般式(II)で表される部分構造に繋がる直接結合または任意の連結基で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の有機化合物。
- 前記環Aが、ベンゼン環またはピリジン環であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の有機化合物。
- 請求項1乃至4の何れか1項に記載の有機化合物からなることを特徴とする電荷輸送材料。
- 請求項1乃至4の何れか1項に記載の有機化合物と溶剤とを含有することを特徴とする電荷輸送材料組成物。
- さらに燐光発光性色素を含有することを特徴とする請求項6に記載の電荷輸送材料組成物。
- 基板上に、陽極、陰極、およびこれら両極間に設けられた有機発光層を有する有機電界発光素子であって、請求項1乃至4の何れか1項に記載の有機化合物を含有してなる層を有することを特徴とする有機電界発光素子。
- 前記請求項1乃至4の何れか1項に記載の有機化合物を含有する層が有機発光層である請求項8に記載の有機電界発光素子。
- 前記有機発光層が、請求項1乃至4の何れか1項に記載の有機化合物をホスト材料とし、当該ホスト材料に対して、燐光発光性色素がドープされてなる請求項9に記載の有機電界発光素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007163148A JP2008024698A (ja) | 2006-06-21 | 2007-06-20 | 有機化合物、電荷輸送材料、電荷輸送材料組成物及び有機電界発光素子 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006172010 | 2006-06-21 | ||
JP2007163148A JP2008024698A (ja) | 2006-06-21 | 2007-06-20 | 有機化合物、電荷輸送材料、電荷輸送材料組成物及び有機電界発光素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008024698A true JP2008024698A (ja) | 2008-02-07 |
Family
ID=39115700
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007163148A Pending JP2008024698A (ja) | 2006-06-21 | 2007-06-20 | 有機化合物、電荷輸送材料、電荷輸送材料組成物及び有機電界発光素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008024698A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20100243959A1 (en) * | 2009-03-31 | 2010-09-30 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Derivative With Heteroaromatic Ring, and Light-Emitting Element, Light-Emitting Device, Lighting Device, and Electronic Device Using Derivative With Heteroaromatic Ring |
JP2010254680A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-11-11 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 複素環化合物、複素環化合物を用いた発光素子、発光装置、照明装置及び電子機器 |
CN106810539A (zh) * | 2015-11-27 | 2017-06-09 | 中国科学院大连化学物理研究所 | 一种苯基桥联吡唑基苯并咪唑衍生物及其制备方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003109765A (ja) * | 2001-09-28 | 2003-04-11 | Canon Inc | 有機発光素子 |
WO2003080760A1 (fr) * | 2002-03-22 | 2003-10-02 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Materiau pour dispositifs electroluminescents organiques et dispositifs electroluminescents organiques produits avec ce materiau |
-
2007
- 2007-06-20 JP JP2007163148A patent/JP2008024698A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003109765A (ja) * | 2001-09-28 | 2003-04-11 | Canon Inc | 有機発光素子 |
WO2003080760A1 (fr) * | 2002-03-22 | 2003-10-02 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Materiau pour dispositifs electroluminescents organiques et dispositifs electroluminescents organiques produits avec ce materiau |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20100243959A1 (en) * | 2009-03-31 | 2010-09-30 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Derivative With Heteroaromatic Ring, and Light-Emitting Element, Light-Emitting Device, Lighting Device, and Electronic Device Using Derivative With Heteroaromatic Ring |
JP2010254680A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-11-11 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 複素環化合物、複素環化合物を用いた発光素子、発光装置、照明装置及び電子機器 |
CN101899037A (zh) * | 2009-03-31 | 2010-12-01 | 株式会社半导体能源研究所 | 具有杂芳环的衍生物、使用其的发光元件、发光装置、照明装置以及电子设备 |
US8551625B2 (en) * | 2009-03-31 | 2013-10-08 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Derivative with heteroaromatic ring, and light-emitting element, light-emitting device, lighting device, and electronic device using derivative with heteroaromatic ring |
TWI475017B (zh) * | 2009-03-31 | 2015-03-01 | Semiconductor Energy Lab | 具有雜芳環的衍生物,及使用具有雜芳環的衍生物的發光元件、發光裝置、照明裝置以及電子裝置 |
JP2015078184A (ja) * | 2009-03-31 | 2015-04-23 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | ヘテロ芳香環を有する誘導体、ヘテロ芳香環を有する誘導体を用いた発光素子、発光装置、照明装置、電子機器 |
CN101899037B (zh) * | 2009-03-31 | 2016-12-21 | 株式会社半导体能源研究所 | 具有杂芳环的衍生物、使用其的发光元件、发光装置、照明装置以及电子设备 |
JP2017022386A (ja) * | 2009-03-31 | 2017-01-26 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 発光素子、発光装置、電子機器及び照明装置 |
CN106810539A (zh) * | 2015-11-27 | 2017-06-09 | 中国科学院大连化学物理研究所 | 一种苯基桥联吡唑基苯并咪唑衍生物及其制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4893173B2 (ja) | 有機電界発光素子用組成物及び有機電界発光素子 | |
JP5040216B2 (ja) | 有機化合物、電荷輸送材料、有機電界発光素子用材料、電荷輸送材料組成物及び有機電界発光素子 | |
TWI388549B (zh) | 有機化合物,電荷輸送材料,電荷輸送材料用組成物及有機電致發光元件 | |
JP5168840B2 (ja) | 電荷輸送材料、有機電界発光素子用組成物及び有機電界発光素子 | |
JP5162891B2 (ja) | 有機化合物、電荷輸送材料、電荷輸送材料組成物および有機電界発光素子 | |
JP5167607B2 (ja) | 電荷輸送材料、電荷輸送材料組成物及び有機電界発光素子 | |
JP5499487B2 (ja) | キノリン系化合物、有機電界発光素子用材料、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、有機elディスプレイおよび有機el照明 | |
JP5167747B2 (ja) | 低分子塗布型有機電界発光素子用の電荷輸送材料、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子用薄膜および有機電界発光素子 | |
JP5672858B2 (ja) | 電荷輸送材料、電荷輸送膜用組成物、有機電界発光素子、有機elディスプレイ及び有機el照明 | |
JP5742092B2 (ja) | 有機化合物、電荷輸送材料、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、有機elディスプレイ及び有機el照明 | |
JP2008021687A (ja) | 有機電界発光素子用材料、有機電界発光素子用組成物及び有機電界発光素子 | |
JP6922734B2 (ja) | イリジウム錯体化合物、該化合物を含有する有機電界発光素子、表示装置及び照明装置 | |
JP2007169268A (ja) | 有機化合物、電荷輸送材料、電荷輸送材料組成物および有機電界発光素子 | |
JP5028934B2 (ja) | 炭化水素化合物、電荷輸送材料、電荷輸送材料組成物および有機電界発光素子 | |
JP5617202B2 (ja) | 有機化合物、電荷輸送材料、有機電界発光素子用組成物、有機電界発光素子、有機elディスプレイ及び有機el照明 | |
JP6119171B2 (ja) | イリジウム錯体化合物、該化合物及び溶剤を含有する組成物、該化合物を含有する有機電界発光素子、表示装置及び照明装置 | |
JP4985441B2 (ja) | 高分子化合物、有機電界発光素子材料、有機電界発光素子用組成物および有機電界発光素子 | |
JP2008115131A (ja) | 有機化合物、電荷輸送材料、電荷輸送材料用組成物および有機電界発光素子 | |
JP2008031068A (ja) | 有機化合物、電荷輸送材料、電荷輸送材料組成物および有機電界発光素子 | |
JP5708426B2 (ja) | 有機電界発光素子用組成物及び有機電界発光素子 | |
JP5145652B2 (ja) | 有機化合物、電荷輸送材料、有機電界発光素子用組成物および有機電界発光素子 | |
JP2008001621A (ja) | トリチル化合物、トリチル化合物の製造方法、電荷輸送材料、発光材料及び有機電界発光素子 | |
JP5555972B2 (ja) | 有機電界発光素子 | |
JP5685882B2 (ja) | 電荷輸送材料、電荷輸送膜用組成物、有機電界発光素子、有機電界発光素子表示装置及び有機電界発光素子照明装置 | |
JP2008024698A (ja) | 有機化合物、電荷輸送材料、電荷輸送材料組成物及び有機電界発光素子 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100310 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120703 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120710 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120904 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20121009 |