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JP2008017803A - 作業機昇降操作装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トラクタの後部に連結した作業機の高さ位置を変更指示する複数系統の指示手段を備え、その迅速な選択によって作業機のスムーズな昇降操作を可能とするとともに、誤作動を防止することができる作業機昇降操作装置を提供する。
【解決手段】作業機昇降操作装置は、トラクタの後部に連結した作業機を昇降操作する操作具を運転座席(7)の側部に支持されたアームレスト(21)に設け、上記操作具は、作業機の高さ位置を変更指示する2系統の指示手段(21a,21b)からなり、これらをアームレスト(21)の前端部の上面に配置して構成したものである。
【選択図】図3

Description

本発明は、トラクタの後部に連結した作業機を昇降操作するための作業機昇降操作装置に関するものである。
特許文献1に示されるように、トラクタの後部に連結した作業機を昇降操作するための作業機昇降操作装置は、作業機を昇降操作する操作具と、この操作具を運転座席の側部に支持されたアームレストに設けて構成される。その操作具は、スライドノブ式および2択押しボタン式の2系統の指示手段をアームレストの前端部に組込むことにより、状況に応じて、随時、操作態様を切換えて作業機の高さ位置を変更指示することができる。
特開2005−335429号公報
しかしながら、上記作業機昇降操作装置は、2系統の指示手段の一方の2択押しボタン式操作具がアームレストの内側面に配置(図3)されていることから、その操作に際しては、手探りにより、または、視線を移動することにより、操作具位置を確認する必要があるので、その間のタイミング遅れ生じることとなり、往復作業走行の機体旋回の都度要求される作業機昇降を伴う一連の圃場作業の流れが乱され、その積み重なりによって作業の効率低下を招くことがあった。
また、トラクタでは、作業の種類によっては、作業者が立ち姿勢をとったり、体の向きを変えるなど、いろいろな姿勢をとるので、2系統の指示手段の一方のアームレストの内側面配置の2択押しボタン式操作具に触れることがあり、誤作動することがあった。
本発明の目的は、トラクタの後部に連結した作業機の高さ位置を変更指示する複数系統の指示手段を備え、その迅速な選択によって作業機のスムーズな昇降操作を可能とするとともに、誤作動を防止することができる作業機昇降操作装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、トラクタの後部に連結した作業機を昇降操作する操作具を運転座席(7)の側部に支持されたアームレスト(21)に設け、上記操作具は、作業機の高さ位置を変更指示する2系統の指示手段(21a,21b)からなり、これらをアームレスト(21)の前端部の上面に配置してなることを特徴とする。
上記構成により、作業機の高さ位置の変更指示に際し、状況に応じて2系統の指示手段を使い分けすることができ、かつ、そのいずれもがアームレストの前端部の上面に配置されて両方が同時にオペレータの視界内に収まる。また、2系統の指示手段はオペレータの作業姿勢が変化しても体が触れることがない。
請求項2の発明は、請求項1の構成において、前記操作具は、アームレスト(21)の前後方向のストローク範囲(S)のスライド操作と対応して作業機の高さ位置を低位置から高位置までの所定の範囲で変更指示するスライド式指示手段(21a)、および、2択押しボタン操作によって作業機の昇降動作を指示する下降動作指示部(D)と上昇動作指示部(U)を同アームレスト(21)の前後方向位置に配列した2択式指示手段(21b)によって構成してなることを特徴とする。
上記構成の作業機昇降操作装置は、スライド操作と2択押しボタン操作とによる2系統の指示手段の長手方向を揃えてアームレストの幅内に配置することができ、また、操作動線の方向性と作業機の動作方向との関係が共通化される。
請求項1の構成により、作業機の高さ位置の変更指示に際し、状況に応じて2系統の指示手段を使い分けすることができ、そのいずれもがアームレストの前端部の上面に配置されていることから両方がオペレータの視界内に収まり、手探りや視線の切換えを要することなく、随時、迅速な選択によって作業機のスムーズな昇降操作が可能となるので、往復作業走行の機体旋回の都度要求される作業機昇降を伴う一連の圃場作業の流れを乱すことなく、効率の良い作業が可能となるとともに、キャビン内のオペレータの作業姿勢に起因する誤作動を防止することができる。
請求項2の構成により、スライド操作と2択押しボタン操作とによる2系統の指示手段の長手方向を揃えることにより、アームレストの幅内にコンパクトに配置することができ、また、いずれも前後の操作位置と作業機の動作方向との関係が共通することから、操作態様の切換えによっても共通の昇降動作認識による円滑な昇降指示が可能となる。
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
本発明の作業車両の1例としての農用トラクタ1は、機体側面図を図1に示すように、前輪2、2と後輪3、3とを備えた機体の前部を覆うボンネット内に付図示のエンジン4を搭載し、このエンジン4の回転動力をミッションケース5内の変速伝動部5aに伝達し、この変速伝動部5aで適宜減速された動力を前輪2、2と後輪3、3とに伝達するとともに、3Pリンク(付図示)に連結した作業機にPTO軸(付図示)を介して後部出力するように構成されている。
F2/キャビン
キャビン内には、図2の要部平面図に示すように、オペレータ操作のために、ミッションケース5の上部位置に運転座席7を配置し、この運転座席7の片側部になだらかな外形曲面を形成したアームレスト21およびその外側方に操作パネル装置22を設けるほか、運転座席7の他側方に、駐車ブレーキ7b、第1と第2の2つのPTOチェンジレバー7c、7d等を配置して操作部を構成し、また、ステアリングハンドル11の近傍に前後進切換レバー11a、基部にクラッチペダル11b、左右ブレーキペダル11c、11d、アクセルペダル11e等の走行操作具が配置される。
上記第1のPTOチェンジレバー7cは、前から「2速」−「N(中立)」−「1速」のポジションによりPTO回転を変更する。第2のPTOチェンジレバー7dは、正逆切換(前側が正転、後側が逆転)用であり、そのバリエーションとして、エコノミーPTO切換レバー(前側が「切」、後側が「入」)の場合は、「入り」にするとPTOの回転が所定回転ダウンし、グランドPTO切換レバー(前側が「切」、後側が「入」)の場合は、「入り」にするとPTOの回転が車速にシンクロする。
F3/運転座席
アームレスト21には、図3の運転座席7の要部斜視図に示すように、オペレータが肘を置いたまま手指で違和感なく操作できるように、作業機昇降レバー21a、作業機昇降スイッチ21b、走行変速スイッチ21c、21d等の作業走行用の操作具を前端寄り位置にアームレストの外形形状面から突出することなく、埋め込むように構成する。
詳細に説明すると、作業機昇降スイッチ21bは、アームレスト21の要部拡大側面図を図4に示すように、2択押しボタン式のシーソースイッチを前下がり姿勢で溝21e内に埋め込むようにアームレスト21の外形面内に構成し、作業機の昇降動作を指示する下降動作指示部Dと上昇動作指示部Uを前後位置に配列した2択式指示手段によって作業機を設定昇降範囲の上下端位置に昇降する操作具である。
作業機昇降スイッチ21bの操作は、その前側の下降動作指示部Dのワンプッシュ操作により設定済みの下端位置に下降保持し、後側の上昇動作指示部Uのワンプッシュ操作で設定の上端位置に上昇保持する。上昇位置の設定は、調整ダイヤルで別途調節設定し、下降位置設定は、作業機昇降レバー21aで設定調節したスライド操作と対応する高さ位置であり、この昇降範囲でワンプッシュ操作に応じて作業機が昇降される。
上記作業機昇降スイッチ21bは、前下がり姿勢としてその前側を押し下げると作業機が下降するように構成することにより、アームレスト21自体の長さを少しでも短く構成でき、前方の出っ張りを小さくできる。また、作業機昇降スイッチ21bの頂部が後述の仕切21sの高さより下になるように構成することによって誤操作を防止することができる。
さらに、走行変速スイッチ21c、21dの位置がその前方の作業機昇降操作レバーを形成するためのアームレストのR形状部の後端付近に掛かる程度の位置とすることにより、アームレスト自体の長さを短くできるとともに、通常の操作対象となる作業機昇降操作部付近から手指を少し後方に移動するだけで増減速操作ができるので操作性を向上することができる。また、走行変速スイッチ21c、21dが、作業機昇降操作レバーと左右に並ぶ昇降操作部の後方に配置することにより、アームレスト自体の長さを短く構成することができる。
2つ一組の走行変速スイッチ21c、21dは、作業走行における作業負荷に応じて機体の走行速度を変速する際の操作性を確保するために、作業機昇降レバー21aおよび作業機昇降スイッチ21bによる作業機昇降操作部の後方において同アームレスト21上に配置する。詳細には、アームレスト21の上面範囲において運転座席7の内方に僅かに傾斜して形成した溝21f内に埋め込んでアームレスト21の外形面内に走行変速スイッチ21c、21dを配置し、それぞれを1回押すごとに主変速の変速段を1段変更してシフトアップ、シフトダウンし、低速8段、中速8段、高速8段、路上走行速4段(高速8段の高速側4段)の範囲で速度調整する。
上記走行変速スイッチ21c、21dは、その埋め込み構成により誤操作を防止できる。また、アームレスト21の上面内側寄りの配置とすることにより、変速スイッチを親指で簡単に操作できるので、限られた長さのアームレスト自体をコンパクトに構成することができる上に、アームレスト21の内面配置の場合と比較して操作時に手を離してスイッチを探す必要がなく、操作性を確保することができる。
作業機昇降レバー21aは作業機の昇降範囲の下端位置を設定調節する操作具であり、その構成は、アームレスト21の外側カバーを外した内部構成側面図を図5に示すように、作業機昇降スイッチ21bと隣接する位置にスライド操作のためのスライドノブ21pを端部に備えて支軸21qにより軸支する。円弧状範囲Sを前後方向とし、その回動動作角度を検出する回転式ポテンショメータ等のセンサ21rをアームレスト21の内部に設けることにより、操作範囲Sの前側の「低位置」Lから後側の「高位置」Hまでの間で作業機高さ位置を調節可能に形成する。
また、作業機昇降レバー21aは、溝21t内に埋め込むようにアームレスト21の外形面内にスライドノブ21pを配置し、隣接の作業機昇降スイッチ21bの溝21eとの間をアームレスト21のなだらかな外形面を形成する仕切21sによって隔てる。この仕切21sに手を置くことで、視線移動を要することなく2系統の操作具を区別することができる。
また、スライドノブ21pの頂部高さは、仕切21sの高さとほぼ同じ程度とし、スライド操作の全範囲Sで仕切21sの形状と高さの差がほぼ同じになるように構成することにより、誤操作を防止するとともに、仕切21sが操作時にガイドとなり、操作性を確保することができる。また、回動構造による上記作業機昇降レバー21aを構成することにより、アームレスト21の上面を円弧状に形成することができるので、前方の出っ張りを小さくすることができる。
上記構成により、作業機の高さ位置の変更操作に際し、状況に応じて2系統の指示手段を使い分けすることができ、そのいずれもがアームレストの前端部の上面に配置されていることから両方がオペレータの視界内に収まり、手探りや視線の切換えを要することなく、随時、迅速な選択によって作業機の昇降操作が可能となるので、往復作業走行の機体旋回の都度要求される作業機昇降を伴う一連の圃場作業の流れを乱すことなく、効率の良い作業走行が可能となる。
また、スライド操作と2択押しボタン操作とによる2系統の指示手段の長手方向を揃えることにより、アームレストの幅内にコンパクトに配置することができ、また、いずれも操作動線の方向性と作業機の動作方向との関係が共通することから、操作態様の切換えによっても共通の昇降動作認識による円滑な昇降指示が可能となる。
その他に、アームレスト21上面について、作業機昇降レバー21aを外側に、作業機昇降スイッチ21bを内側にそれぞれ配置することにより、逆側配置した場合の窮屈なスライドストローク操作や押しボタン操作による違和感を招くことなく、手指により容易に操作することができる。
F3/支持台
次に、操作パネル装置22について説明する。
操作パネル装置22は、拡大斜視図を図3に示すように、操作性を向上するために作業機や走行系およびエンジン回転数等の操作部を運転座席7の片側方(図例は右側方)に集中配置したものであり、トラクタを構成する走行系および作業系の機器を制御操作するための操作具23a〜25eと、これら操作具23a〜25eを支持して運転座席7の片側方に集中配置する支持台22tとから構成する。
支持台22tは、運転座席7と隣接する平坦状のと、その奥側から急傾斜で起立する中段部24と、その上端から奥高に緩く傾斜して後退する上段部25とからなり、それぞれに操作具を配置する。すなわち、一体のレバーガイドで上面をカバーした支持台22tを構成し、運転座席7に近いところは基段部23による平面部を形成し、この平面部より奥側の座席から遠いところにやや傾斜して平面部よりは高い位置の上段部25による傾斜部を設け、この傾斜部と上記平面部との間を同傾斜部より傾斜角度のきつい中段部24の傾斜面でつなぐように配置面を構成し、全ての面に各々、操作スイッチやレバー等の操作具を配置する。
特に、運転座席7から近い基段部23と中段部24は、スイッチ等の電気系の操作具を配置し、比較的離れている上段部25はストローク動作するレバー類による操作具を配置することにより、操作具に応じた操作性を確保した上で集中配置が可能となる。
F10/基段部23
具体的には、上記基段部23には、取付け面見取図を図10に示すように、PTO入り切りスイッチ23a、PTO手動自動スイッチ23b、デフロックスイッチ23c等のトランスミッションの動力伝達と遮断を直接実施する操作スイッチを配置する。これらスイッチは、操作が比較的複雑なモード設定スイッチと異なり、操作が単純であることから、オペレータが腕を曲げた状態の比較的窮屈な姿勢でも容易に操作することができる。
F11/中段部24
中段部24には、パネル面見取図を図11に示すように、2つのエンジン回転数記憶スイツチ24a、24b、ドラフト比調整ダイヤル24c、上げ調整ダイヤル24d、傾き調整ダイヤル24e、4WD切替スイッチ24f、水平シリンダ手動上げ下げスイッチ24g等を配置する。
上段部25
支持台22tの上段部25には、スロットルレバー25a、副変速レバー25b、作業機に供給する油圧取出用のサブコンレバー25c、25d、オプションのサブコンレバー25e等を配置する。
副変速レバー25bは、前後左右方向のXY動作レバーにより、低速、中速、高速、路上走行速のポジションを備える。各ポジションについて、低速8段、中速8段、高速8段、路上走行速4段(高速8段の上側4段)の変速帯域をカバーする。
上記構成の操作パネル装置22は、基段部23および上段部25についてその広さの範囲内で操作具が配置でき、また、中段部24にはその起立高さ寸法に応じて操作具を配置することができることから、運転座席の片側方における操作具の操作性を損なうことなく、多数の操作具によりコンパクトに多様な機器操作が可能となる。
また、上段部25には、傾動操作用のレバーを有する操作具25a〜25eを配置し、腕を伸ばした位置で運転座席から比較的離れた配置とすることにより、大きなストローク操作を要するレバー式操作具の操作性を確保することができる。したがって、上段部の操作具は、レバー操作によるストローク動作を伝達する機械的なリンク機構を設け、アクチュエータおよび最終稼動部に伝達する構成することにより、入切の操作感覚と対応する大きなストロークを設定することができる。
F6/副変速リンク
上記構成の具体例として副変速レバーのリンク機構について説明する。
副変速レバー25bは、リンク機構の連結系統図を図6に示すように、前後左右方向動作するXYアーム機構27を備え、連結する2本のプッシュプルケーブル27a,27bの他端側をミッションケース5側のブラケット28に連結する。
F7/XY検出部
XYアーム機構27は、拡大斜視図を図7に示すように、副変速レバー25bの前後シフト動作のX方向ストロークを検出する第1の揺動体27cと、副変速レバー25bを軸支するとともにその左右スライド動作のY方向ストロークを検出する第2の揺動体27dとを備え、これら揺動体27c、27dを介してX方向ストロークとY方向ストロークを分離してそれぞれ取り出すプッシュプルケーブル27a,27bを設ける。
これら2本のプッシュプルケーブル27a,27bは、それぞれのホルダー部分が副変速レバー25bの動きに関わらずに完全に機体フレーム側に固定してリンクを構成する。この場合、副変速レバー25bと接する丸棒によるガイド材27g、27gを第1の揺動体27cに設けることにより、XY方向ストローク動作に滑らかに追従動作することができる。
このように、2本のプッシュプルケーブル27a,27bをリンクとしてミッションケース5から出たアーム5bを2方向に動かし、変速を行うトラクタの操作レバー機構において、シフト方向(前後方向)の動きを伝えるケーブル27aとスライド方向(左右方向)の動きを伝えるケーブル27bの両方のホルダー部分がレバーの動きに関わらずに完全に固定される。
従来の構成では、レバー25bの動きに合わせてどちらか片方のホルダー部が追従していたので、ケーブル自体がレバー操作時に動いてしまい、操作フィーリングが悪化していたが、揺動体27cを介してレバー25bとケーブル27aを連結したことから、レバー25bをどの位置に動かしても、各ケーブル27aのホルダー部が完全に固定されているので、ケーブル27aがレバー25bの動きに追従して動くことがなくなり、操作フィーリングが向上する。
F8/ブラケット部
ミッションケース5側のブラケット28については、2本のプッシュプルケーブル27a,27bを受けて変速伝動部5aの変速比を切換えるシフトロッド5bの回動動作および進退動作に変換伝達する伝達機構とその動作範囲を規制する牽制機構を一体に構成する。
すなわち、図8の拡大側面図に示すように、X方向ストロークを受けるプッシュプルケーブル27aは、シフトロッド5bと一体のアーム5cと連結することにより、同シフトロッド5bをその軸線周りに回動し、Y方向ストロークを受けるプッシュプルケーブル27bは、L型リンク28bを介してシフトロッド5bの軸線方向動作に変換し、このシフトロッド5bと一体の円弧状アーム5dと連結することにり、同シフトロッド5bをその軸線方向に進退する。
上記伝達機構を構成したブラケット28は、L型リンク28bの介設によりプッシュプルケーブルを前後方向の配索が容易となり、自然で効率的なレイアウトが可能となる。また、円弧状アーム5dがシフトロッド5bを中心とする同心円に沿うことから、上記L型リンク28bの接触点位置は同シフトロッド5bの回転角度によることなく、一定の半径距離によってアーム比を確保することができる。
このように、単一のブラケットに変速のリンクに関する全ての部品を組み付けていることから組付けの精度がアップしてばらつきを最小限に抑えることができる。また、シフトロッド5bの回動角度位置によることなく、L型リンク28bのアーム比が保持されることから、副変速レバー25bの動きに比例してシフトロッド5bのスライド方向動作を確保することができる。
上記牽制機構については、アーム5cにはピン5eを突設し、かつ、ブラケット28側に穴28c付きの牽制部材28aを起立することにより、副変速レバー25bの所定の前後シフト位置における左右スライド位置で拘束する牽制手段を構成する。すなわち、アーム5cがX方向ストロークを伝達するプッシュプルケーブル27aによって所定角度まで揺動した位置において、Y方向ストロークを伝達するプッシュプルケーブル27bによってシフトロッド5bがスライドした場合に、ブラケット28側の牽制部材28aの穴28cに嵌入して揺動動作を拘束する位置関係に牽制手段を構成する。この牽制手段により「高速」ポジションにおける「路上走行」ポジションを別途設定してニュートラルとの間のダイレクトシフトを牽制することができる。
このように、ブラケットがミッションケースにリジッドに固定され、かつ、変速レバーの動きを伝えるケーブルをダイレクトに保持していることから、このブラケットに直接牽制機構を設けることにより、寸法の誤差、ばらつきを最小限度内に抑えることができ、確実な牽制が可能となる。
また、上記構成のブラケット28は、ミッションケース5の側面から突出し、ケーブルの保持およびシフト牽制手段、シフトセンサ等を組み付けることにより、ミッションケース側の変速装置のレイアウトが容易となり、剛性も確保することができる。
F9/ブレーキ
次に、ブレーキのリンク構成について説明する。
左右ブレーキペダル11c、11dからそれぞれ左右の中継リンク31a,31bを経てブレーキ用のアクチュエータである油圧シリンダ32a,32bと連結するとともに、駐車ブレーキ7bから単一部材である駐車レバー用中継リンク33を介して左右の中継リンク31a,31bと連結して構成されるブレーキ伝達機構において、パーキングブレーキのリンク用アームの動きをボルトを用いて規制することにより、オートブレーキ機構のアクチュエータを作動させたときのペダル側ストッパを構成する。すなわち、上記駐車レバー用中継リンク33に戻り規制用のストッパ34を設ける。このストッパ34により、上記左右の油圧シリンダ32a,32bの短縮動作によってブレーキが作動する際に、前側のロッドがシリンダ側に動かないように規制することができる。
このように、パーキングブレーキのリンク用アームの動きを規制する1カ所のストッパ34についてそのロックボルトを調整することにより、ペダル側のストッパ機構が成立することから、工数が削減される。また、調整の際に、立ち作業によってトラクタの後方から手を入れ容易に調整することができる。したがって、従来の如くの左右それぞれの中継リンク31a,31bのブレーキアームにストッパボルト(B)を設けた場合の左右別々の調整工数が不要となり、また、調整作業のためにトラクタの下から潜り込むような面倒な作業を改善することができる。
農用トラクタの機体側面図である。 キャビン内の要部平面図である。 運転座席の要部斜視図である。 アームレストの拡大側面図である。 アームレストの内部構成(外側)拡大側面図である。 副変速レバーのリンク機構の連結系統図である。 XYアーム機構の拡大斜視図である。 ブラケットの拡大正面図である。 ブレーキのリンク構成図である。 基段部の取付け面見取図である。 中段部のパネル面見取図である。
符号の説明
1 農用トラクタ
2 前輪
3 後輪
21 アームレスト
21a 作業機昇降レバー
21b 作業機昇降スイッチ
21c 走行変速スイッチ
21e 溝
21f 溝
21q 支軸
21s 仕切
21t 溝
D 下降動作指示部
S 円弧状範囲
U 上昇動作指示部

Claims (2)

  1. トラクタの後部に連結した作業機を昇降操作する操作具を運転座席(7)の側部に支持されたアームレスト(21)に設け、
    上記操作具は、作業機の高さ位置を変更指示する2系統の指示手段(21a,21b)からなり、これらをアームレスト(21)の前端部の上面に配置してなることを特徴とする作業機昇降操作装置。
  2. 前記操作具は、アームレスト(21)の前後方向のストローク範囲(S)のスライド操作と対応して作業機の高さ位置を低位置から高位置までの所定の範囲で変更指示するスライド式指示手段(21a)、および、2択押しボタン操作によって作業機の昇降動作を指示する下降動作指示部(D)と上昇動作指示部(U)を同アームレスト(21)の前後方向位置に配列した2択式指示手段(21b)によって構成してなることを特徴とする請求項1記載の作業機昇降操作装置。
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