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JP2008015075A - 現像ローラ - Google Patents

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Takeo Oshiba
武雄 大柴
Okushi Okuyama
奥士 奥山
Satoru Uchino
哲 内野
Shinya Obara
慎也 小原
Masahiro Yasuno
政裕 安野
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Abstract

【課題】非磁性1成分現像剤を用いた現像方式のプリンタで、多数枚プリントを行っても現像ローラの表面に傷が発生せず、且つ機内にトナーが飛散して機内汚れを発生させない現像ローラを提供する。
【解決手段】導線性シャフト11の外周に導電性を有する被覆層12を形成してなり、該被覆層の表面に非磁性1成分現像剤を担持して該現像剤の薄層を形成し、この状態で静電潜像を表面に保持した潜像保持体に接触せずに該薄層から該現像剤を潜像保持体表面の静電潜像に付着させ、該静電潜像を可視化する現像ローラ32において、上記被覆層中にイオン導電剤を含有し、且つ被覆層表面のユニバーサル硬さHU(N/mm2)と塑性硬さHUplast(N/mm2)との関係を0.25≦HU/HUplast≦0.95とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、複写機、プリンタ或いはファクシミリの受信装置などの電子写真方式を採用した画像形成装置に組み込まれる現像ローラに関し、特に非磁性1成分現像方式を採用した現像装置に用いられる現像ローラに関するものである。
現在広く用いられている電子写真画像形成方法は、電荷付与されたトナーを静電潜像担持体(通常電子写真感光体)上に形成した静電潜像に接触、或いは狭い間隙を介して対向させ、静電潜像をトナーにより顕像化する現像過程を経て形成された静電潜像担持体上のトナー画像を、普通紙等に転写した後、定着して最終画像を形成するものである。
トナー画像を形成するための現像方法として、キャリアとトナーとから構成される2成分現像剤を用いてトナーを帯電させ現像する2成分現像方式や、トナーのみを用いて現像剤を搬送する現像ローラや現像剤規制部材などとの摩擦で帯電させ現像する1成分現像方式がある。この1成分現像方式ではキャリアを使用しないため、現像装置が簡略化できるため、近年ではかなり幅広く使用されている。特に、近年のカラー化の流れに伴い、磁性体を含有しないトナーを用いる非磁性1成分現像方式がカラー化も可能であるため、注目されている。
この方式は、2成分現像方式とは異なり、キャリアを使用せず、トナーのみを帯電部材と摩擦させ、或いは、現像ローラ面等に押圧することにより帯電させるものであり、現像器の機構が複雑でなく、且つコンパクトにできるという大きなメリットがある。その結果、通常、現像機構を4個以上必要とするカラー画像形成装置にも適用し易いという特徴も有する。特に近年、装置の軽量化、小型化が積極的に進められており、プリンタでは非磁性1成分現像剤を用いた現像方式が主流となっている。
この非磁性1成分現像方式における現像ローラとしては、従来、例えば導電性シャフトの外周にシリコーンゴムを用いた弾性層を形成したものが用いられてきた。トナーを帯電させるためには、金属板或いはローラ等の帯電部材を用いて現像ローラ上にトナーの薄層を形成すると共に、これと摩擦させることにより行うため、機構的には極めて単純な構成の現像器となる。
この現像ローラは、金属性の導電性シャフトの外周面にシリコーンゴム等のゴム状弾性体を用いた弾性層が形成されているが、トナーへの帯電付与或いはトナーの搬送性を付与するために、弾性層上に表面層が形成されることがある。この表面層にはトナーの付着や融着を防止するために、フッ素ゴムを用いることが知られている。弾性層上にフッ素ゴムの層を形成するためには、接着性を向上させる必要があり、弾性層表面をシランカップリング剤の中間層を形成させ、更にその上にフッ素ゴム等を主成分として用いた塗布層を形成することが知られている(例えば特許文献1参照。)。
近年の装置の小型化やプリントアウトタイムの短縮により、現像ローラの機能であるトナー搬送、帯電、現像、入れ替えのサイクルが高速になり現像ローラに対する負荷が高まっている。
非磁性1成分現像方式ではトナーと現像ローラの間での電荷の授受が行われ、トナーのカウンター電荷が現像ローラ表面に蓄積する。このカウンター電荷は現像ローラ内部へリークすることで除去され、現像ローラ表面の電荷を常に中和することが必要である。しかしながら、現像サイクルの高速化により、特に低温低湿環境において、現像ローラのチャージアップ(残電上昇)により、トナーの入れ替え性が悪化し、トナー帯電量分布の悪化、搬送量の増大により現像装置からトナーこぼれ、トナー飛散等の問題が発生する課題があった。
この課題に対して、現像ローラの電気抵抗を調整するために電子導電剤として一般的に使用されるカーボンブラックの量を調整してチャージアップを抑制する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、この場合、塗膜の強度が低下するために、ローラ表面に傷が付きやすく、この傷へトナー外添剤(シリカ、チタニア等)が埋め込まれることで徐々に現像ローラ表面の汚染が発生する。
また、塗膜の強度に関係する物性として、塗膜のユニバーサル硬さHUの硬度分布から求められる平均値Aと標準偏差δを規定する検討がされている(例えば、特許文献3参照。)。
特開平8−190263号公報 特開平3−036570号公報 特開平3−036570号公報
しかしながら、現像ローラの被覆層表面のユニバーサル硬さが低すぎると外力により変形が大きくなり磨耗が増大する。またユニバーサル硬さが高くても、塑性硬さが低いと磨耗は少なくなるものの微細な傷が発生しやすくなる。
この現象は、厚い導電性弾性層を持たない、導電性シャフト上に直接塗膜を形成する現像ローラで顕著である。
多数枚プリントするとこの傷に異物が付着し、異物付着からフィルミングへと発展する問題があった。
本発明は、非磁性1成分現像剤を用いた現像方式のプリンタで、多数枚プリントを行っても現像ローラの表面に傷が付かず、結果としてフィルミングが発生せず、且つ機内にトナーが飛散して機内汚れを発生させない現像ローラを提供することを目的とする。
本発明は、下記構成を採ることにより達成される。
1.
導線性シャフトの外周に導電性を有する被覆層を形成してなり、該被覆層の表面に非磁性1成分現像剤を担持して該現像剤の薄層を形成し、この状態で静電潜像を表面に保持した潜像保持体に接触せずに該薄層から該現像剤を潜像保持体表面の静電潜像に付着させ、該静電潜像を可視化する現像ローラにおいて、
上記被覆層中にイオン導電剤を含有し、且つ被覆層表面のユニバーサル硬さHU(N/mm2)と塑性硬さHUplast(N/mm2)との関係が
0.25≦HU/HUplast≦0.95であることを特徴とする現像ローラ。
2.
前記被覆層表面のユニバーサル硬さHU(N/mm2)が、5≦HU≦300であることを特徴とする前記1に記載の現像ローラ。
本発明の現像ローラは、非磁性1成分現像剤を用いた現像方式のプリンタで、多数枚プリントを行っても現像ローラの表面に傷が付かず、結果としてフィルミングが発生せず、且つ機内にトナーが飛散して機内汚れを発生させない優れた効果を有する。
本発明者等は、イオン導電剤を含有し、更に被覆層表面のユニバーサル硬さと塑性硬さをバランスさせることで、上記問題を解決することができることを見出した。
ユニバーサル硬さHU(N/mm2)と塑性硬さHUplast(N/mm2)を0.25≦HU/HUplast≦0.95、好ましくは0.40≦HU/HUplast≦0.80とすると、HUとHUplastとがバランスがとれ、傷の発生を防止でき、傷がトリガーとなって発生するフィルミングの発生を抑えることがでたものと推察している。
また、本発明においてHUは、5≦HU≦300が好ましく、10≦HU≦100がより好ましい。表面の硬さを上記範囲とすることで、多数枚プリントしても、傷の発生を防止でき、フィルミングの発生も防止できたものと推察している。
また、イオン導電剤を被覆層に含有させることにより、被覆層の電気抵抗を好ましい範囲にすることができ、多数枚プリントしても残留電位が上昇せず、トナー飛散による機内汚れを防止できたものと推察している。
更に、本発明の現像ローラの算術平均粗さRaを0.3〜3.0μmとすることで、現像部に好ましい範囲の非磁性1成分現像剤(以下、トナーともいう)を搬送することができ高濃度のトナー画像が得られ好ましい。
最初に、本発明の現像ローラの硬さについて説明する。
《ユニバーサル硬さ及び塑性硬さの定義》
HU及びHUplastは、次の数式(1)、数式(2)、及び数式(3)によって規定される。
Figure 2008015075
Figure 2008015075
Figure 2008015075
上記数式において、Fは、試験荷重(N)、A(h)は圧子が被測定物と接触している表面積(mm2)、hは試験荷重作用時の押込み深さ(mm)である。A(h)は、圧子の形状と押込み深さから計算され、圧子がビッカース圧子の場合、角錐形の貫入体の向かい合う面の角度a(136°)より26.43・h2と計算される。
図1は、h−F曲線の一例を示すグラフを示す。
図1において、hr(mm)は、h−F曲線の(hmax、Fmax)点における接線のh軸交点のh座標値である。
図1における、(1)は荷重を0からFmaxまで加重したときのh−F曲線であり、(2)は、続いて荷重をFmaxから0まで徐荷したときのh−F曲線であり、そして、(3)はh−F曲線の(hmax、Fmax)点における接線である。
《ユニバーサル硬さ及び塑性硬さの測定》
このユニバーサル硬さ及び塑性硬さの測定は、市販の硬度測定装置を用いて行うことができ、例えば、超微小硬度計「H−100V」(フィッシャーインストルメント社製)を用いて測定することができる。
測定条件
測定機:微小硬度計「H−100V」(フィッシャーインストルメント社製)
圧子形状:ビッカース圧子(a=136°)
測定環境:20℃、60%RH
最大試験荷重:3mN
荷重速度:3mN/20sec
最大荷重クリープ時間:5秒
除荷速度:3mN/20sec
尚、測定は各試料とも軸方向に均等間隔で5点、周方向に均等角度で3点の合計15点測定し、その平均値を本発明で定義するユニバーサル硬さHU及び塑性硬さHUplastとする。
《算術平均粗さRaの測定》
算術平均粗さRa(以後,単にRaともいう)について説明する(JIS B 0601に同じ)。
本発明で、Raは粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さLrだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線の方向にx軸を、縦倍率の方向にy軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、下記式(4)によって求められる値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう。
Figure 2008015075
測定機は表面粗さ計「サーフコム1400D」(東京精密社製)で測定した。但し、誤差範囲内で同一の結果を生じる測定器であれば、他の測定器を用いても良い。
表面粗さの測定条件
測定長さL :4.0mm
基準長さLr :0.8mm
カットオフ波長λc :0.8mm
触針先端形状 :先端角度60°円錐
触針先端半径 :2μm
測定速度 :0.3mm/sec
測定倍率 :10000倍
尚、測定は各試料とも軸方向に均等間隔で3点、周方向に均等角度で3点の合計9点測定し、その平均値を本発明で定義する算術平均粗さRaとする。
次に、現像ローラの構成、材料、作製方法について説明する。
《現像ローラの構成》
現像ローラは導電性シャフトとして導電性シャフトを使用し、少なくとも樹脂と導電性材料より構成される被覆層より構成される。
図2は、本発明の現像ローラの一例を示す断面概略図である。
図2において、32は現像ローラ、11は導電性シャフト、12は被覆層、12bは接着層を示す。
本発明の現像ローラは、図2(a)に示すように導電性シャフトに直接被覆層1を設けても、(b)に示すようには、導電性シャフトに接着層を設けその上に被覆層を設ける2層以上の積層でもよい。
《導電性シャフト》
導電性シャフトは、現像ローラ表面に蓄積される電荷をリークさせる部材も兼ねるため、導電性の金属で構成されることが好ましい。代表的なものとして、直径1〜30mmのステンレス鋼(例えばSUS304)、鉄、アルミニウム、ニッケル、アルミニウム合金、ニッケル合金等の導電性金属があり、また導電性樹脂で構成されるものでもよい。
《被覆層》
被覆層は、樹脂成分と、電子導電剤、イオン導電剤、非導電性充填剤、架橋剤等の各種添加剤を適宜配合して得られる塗布液を導電性シャフトの外周面に塗布しこれを乾燥し、所望の場合にはこれを加熱し硬化させて形成することができる。被覆層の導電性は、被覆層中に配合する電子導電剤とイオン導電剤により付与される。
被覆層のユニバーサル硬さ(N/mm2)HUと塑性硬さHUplastを調整する方法としては、被覆層を構成する樹脂成分の種類、導電剤の種類、量、添加剤の種類、量等が挙げられ、適宜調整される。
〈被覆層の樹脂成分〉
被覆層の樹脂成分としては、特に限定されるものではないが、具体的には、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール変性・シリコーン変性等の変性アルキッド樹脂、オイルフリーアルキッド樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ウレタン樹脂等を挙げることができる。この内、自己膜補強性、トナー帯電性等の観点から、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂等が好ましく用いられる。中でも、良好な耐磨耗性や弾性が得られる点から、ウレタン樹脂を用いることが特に好ましい。
ウレタン樹脂としては、例えばポリヒドロキシ化合物とイソシアネート化合物を含むウレタン原料を反応させて得たもの、例えば、プレポリマーを架橋反応させる方法で得たものや、ポリオールをワン・ショット法にてポリイソシアネー卜と反応させる方法で得たものなどが挙げられる。
この場合、ウレタン樹脂を得る際に用いられるポリヒドロキシル化合物としては、一般の軟質ポリウレタンフォームやウレタンエラストマーの製造に用いられるポリオール、例えば、末端にポリヒドロキシル基を有するポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリエステルポリオールが挙げられるほか、ポリブタジエンポリオールやポリイソプレンポリオール等のポリオレフィンポリオール、ポリオール中でエチレン性不飽和単量体を重合させて得られるいわゆるポリマーポリオール等の一般的なポリオールを使用することができる。また、イソシアネート化合物としては、同様に一般的な軟質ポリウレタンフォームやウレタンエラストマーの製造に使用されるポリイソシアネート、即ち、トリレンジイソシアネート(TDIと表すことがある)、粗製TDI、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDIと表すことがある)、粗製MDI、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート及びこれらポリイソシアネートの混合物や変性物、例えば部分的にポリオール類と反応させて得られるプレポリマー等を用いることができる。特に被覆層をユニバーサル硬さを低くする目的でポリイソシアネートの混合比率を低くしてもよい。
また、ウレタン樹脂は、ポリヒドロキシル化合物及びポリイソシアネートを含む、1液型や2液型のウレタン原料を用いて調製してもよいし、必要に応じてエポキシ樹脂やメラミン樹脂を架橋剤として用いても良い。
ポリアミド樹脂としては、ポリアミド6、6・6、6・10、6・12、11、12、12・12及びそれらのポリアミドの異種モノマー間の重縮合から得られるポリアミドなどであり、作業性の面からアルコール可溶性のものが好んで用いられている。例えばポリアミドの3元共重合体や4元共重合体の分子量を調整したもの、またはポリアミド6やポリアミド12をメトキシメチル化し、アルコールや水に可溶性としたものが挙げられる。
また、アクリル樹脂としては、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルエタクリレート、これらの側鎖末端をヒドロキシアルキル基等で置換したもの、及び、これらの共重合体等が用いられる。
本発明で用いられる樹脂としては、シリコーン共重合ポリウレタン樹脂がより好ましい。シリコーン共重合ポリウレタン樹脂は、2官能以上の多価イソシアネート及び2官能以上の水酸基をもつシリコーン骨格を分子中に有する化合物から合成することができる。
このシリコーン共重合ポリウレタン樹脂は特に限定されるものではないが、特公平7−33427号等に開示されるものを使用することができる。
電子導電剤としては、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、銅、錫、ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化チタン、酸化錫一酸化アンチモン固溶体、酸化錫一酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物、これらの導電性材料で被膜された絶縁性物質などの微粉末を用いることができる。この内、カーボンブラックが、比較的容易に入手でき良好な帯電性が得られるので好ましく用いられる。
カーボンブラックは、その種類には、特に制限はなく、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等の従来公知の種々のカーボンブラックを使用することができる。カーボンブラックの配合量は、使用するカーボンブラックの種類によって異なるために特に限定されないが、通常、樹脂成分100質量部に対して5〜50質量部とするのが好ましく、より好ましくは10〜40質量部の範囲において、被覆層に要求される導電性及びユニバーサル硬さに応じて適宜設定される。
カーボンブラックの配合量を50質量部以下とすると、現像ローラの導電性及びユニバーサル硬さが適切なものとなり、更に、樹脂層内での分布の均一性が上がるため、導電性の均一性も向上する。一方、カーボンブラックの配合量を5質量部以上とすると、好ましいレベルの導電性を確保することができる。更に、添加したカーボンブラックを十分パーコレートすることが可能となり、導電性を安定させることができる。
〈イオン導電剤〉
イオン導電剤としては、従来から無機イオン塩や有機イオン塩として公知のものが、何れも適宜に選択使用できる。具体的には、Li、LiCl、NaI、NaBr、KI等のアルカリ金属ハライド、LiClO4、KClO4、CuC12Mg(ClO42等の過塩素酸塩、LiSCN、NaSCN、CsSCN等のチオシアン酸塩等のごとき無機イオン塩や、脂肪族スルホン酸塩、高級あるオール硫酸エステル塩、高級アルコールリン酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加リン酸エステル塩、4級アンモニウム塩、ベタイン等の有機イオン塩を挙げることができる。これらの中で特に好ましいものとして、トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレート、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を挙げることができる。このイオン導電剤は、1種類で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
イオン導電剤の配合量は、特に制限はなく各種状況に応じて適宜選定されるが、被覆層を形成する樹脂成分100質量部に対し0.001〜5質量部が好ましく、0.05〜2質量部がより好ましい。
これにより、1×104〜1×1010Ω・cmの抵抗領域で、電気抵抗の位置ばらつきが少なく、且つ電気抵抗の電圧依存性が少ない上、温湿度の環境変化に対する電気抵抗の変動が少ない導電性を有する被覆層が得られる。
〈非導電性充填剤〉
非導電性充填剤としては、珪藻土、石英粉末、乾式シリカ、湿式シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミノケイ酸、炭酸カルシウム、樹脂粒子等が挙げられる。これらの中では樹脂粒子が好ましく、樹脂粒子としては架橋アクリル樹脂粒子、架橋ウレタン樹脂粒子が特に好ましい。
《現像ローラの作製》
被覆層を導電性シャフトの外周面に付与する手段としては、上記構成材料を有機溶剤に溶解、分散等された塗布液を導電性シャフト上に塗布する方法が有効に採用される。この塗布液の樹脂成分濃度は特に制限はなく、必要とする層厚に応じ、適宜調整すればよいが、塗布液における各種添加剤の分散性や安定性から、樹脂成分濃度は10質量%以上であることが好ましい。塗布液を調製するために用いる溶剤は、上記樹脂成分を溶解することができるものであれば何れのものでもよく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール、メチルエチルケトンなどのケトン類、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどが好ましく用いられる。
被覆層の形成方法としては、例えば樹脂層を構成する樹脂成分の粘度などに応じて、ディッピング、スプレー、ロールコートまたは刷毛塗りなどが挙げられるが、本発明はこの形成方法を特に限定するものではない。
また、本発明の現像ローラの表面粗さ(算術平均粗さRa)は、0.3〜3.0μmが好ましい。この範囲にすることで、トナーの搬送量を好適にすることができる。
被覆層の厚みは、1〜30μmの範囲に設定することが好ましく、5〜20μmが特に好ましい。樹脂層の厚みは、現像ローラより樹脂層を含む断面試料を採取し、断面試料の顕微鏡写真より測定される。
また、導電性シャフトの周りに形成される樹脂層は、表面層や中間層等の複数の層を有する多層構造としてもよい。
次に、本発明の現像ローラを用いる画像形成方法、画像形成装置、現像剤について説明する。
図3は、本発明の現像ローラが装着して用いられる現像器の一例を示す概要断面図である。
図3において、10は潜像保持体(感光体ドラム)であり、潜像形成は図示しない電子写真プロセス手段または静電記録手段により成される。32は現像ローラであり、アルミニウム或いはステンレス等からなる導電性シャフトに被覆層が設けられている。
トナーTはホッパー6に貯蔵されており、供給ロール4によって現像ローラ上へ供給される。供給ロールはポリウレタンフォーム等の発泡材より成っており、現像ローラ32に対して、順または逆方向に相対速度をもって回転し、トナー供給とともに、現像ローラ上の現像後のトナー(未現像トナー)のはぎ取りも行っている。現像ローラ32上に供給されたトナーはトナー薄層化と帯電を行う部材の一種であるトナー規制ブレード5によって均一なトナーの薄層が形成される。
トナー規制ブレードと現像ローラとの当接圧力は、現像ローラ母線方向の線圧として、3〜250N/m、好ましくは10〜30N/mが有効である。当接圧力を上記範囲とすることによりが3N/mより小さい場合、均一なトナーの薄層の形成が困難となり、トナーの帯電量分布がブロードになりカブリや飛散の原因となることがある。また当接圧力が250N/mを超えると、トナーに大きな圧力がかかり、トナーが劣化するため、トナーの凝集が発生するなど好ましくない。また現像ローラを駆動させるために大きなトルクを要するため好ましくない。即ち、当接圧力を3〜250N/mに調整することで、本発明のトナーの凝集を効果的にほぐすことが可能になり、またトナーの帯電量を瞬時に立ち上げることが可能になる。
均一なトナーの薄層の形成と帯電を行う部材としては、弾性ブレードや弾性ローラ等が挙げられ、摩擦帯電によりトナーに所望の極性に帯電させることが可能な材質で形成される。
尚、ブレードにより現像ローラ上にトナーを薄層コートする非磁性1成分トナーにおいては、十分な画像濃度を得るために、現像ローラ上のトナー層の厚さを現像ローラと感光体ドラムとの対向空隙長よりも小さくし、いわゆる非接触現像方式とし、この空隙に交番電場を印加することが好ましい。感光体面と現像ローラ面には50〜500μm、より好ましくは100〜300μmの間隙を設け、一方現像ローラ上に設けるトナー層は、トナー粒子1〜3層程度に重なっている、膜厚としては5〜30μmのトナー層であることが好ましい。尚、現像ローラ上のトナー層の膜厚は顕微鏡観察により求めることができる。
即ち、実際の画像形成装置に装填した現像カートリッジを現像プロセスの断面方向より平行光を照射し、高速・高解像力カメラ(例えば、Photoron社製:FASTCAM MAXにて撮影速度100,000(FPS))により撮影し、現像部の挙動を可視化したものから計測できる。
現像ローラ上のトナー層の膜厚(a)は、感光体に近接する領域の現像ローラ上のトナー層と感光体間の間隙(b)と、現像ローラと感光体に挟まれた現像ニップ中央の間隔(c)を測定し、その差(a=c−b)より求められる。
また、図3に示すバイアス電源7により、現像ローラ32と感光体ドラム10との間に交番電場または交番電場に直流電場を重畳した現像バイアスを印加することにより、現像ローラ上から感光体ドラム上へのトナー移動を容易にし、良質の画像を得ることができる。
図4は、フルカラー画像形成装置の一例を示す概略断面図である。
図4に示すフルカラー画像形成装置においては、回転駆動される感光体ドラム10の周囲に、この感光体ドラム10の表面を所定の電位に均一に帯電させる帯電ブラシ111や、この感光体ドラム10上に残留したトナーを掻き落すクリーナ112が設けられている。
また、帯電ブラシ111によって帯電された感光体ドラム10をレーザビームによって走査露光するレーザ走査光学系20が設けられており、このレーザ走査光学系20はレーザダイオード,ポリゴンミラー,fθ光学素子を内蔵した周知のものであり、その制御部にはイエロー,マゼンタ,シアン,ブラック毎の印字データがホストコンピュータから転送されるようになっている。そして、このレーザ走査光学系20は、上記の各色毎の印字データに基づいて、順次レーザビームとして出力し、感光体ドラム10上を走査露光し、これにより感光体ドラム10上に各色毎の静電潜像を順次形成するようになっている。
また、このように静電潜像が形成された感光体ドラム10に各色のトナーを供給してフルカラーの現像を行うフルカラー現像装置30は、支軸33の周囲にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各非磁性1成分トナーを収容させた4つの色別の現像器31Y、31M、31C、31Bkが設けられており、支軸33を中心として回転し、各現像器31Y、31M、31C、31Bkが感光体ドラム10と対向する位置に導かれるようになっている。
また、このフルカラー現像装置30における各現像器31Y、31M、31C、31Bkにおいては、上記図4に示すように、回転してトナーを搬送する現像剤担持体(現像ローラ)32の外周面にトナー規制部材が圧接されており、このトナー規制部材により、現像ローラ32によって搬送されるトナーの量を規制すると共に、搬送されるトナーを帯電させるようになっている。尚、このフルカラー現像装置30においては、現像ローラによって搬送されるトナーの規制と帯電とを適切に行うために、トナー規制部材を2つ設けるようにしてもよい。
そして、上記のようにレーザ走査光学系20によって感光体ドラム10上に各色の静電潜像が形成される毎に、上記のように支軸33を中心にして、このフルカラー現像装置30を回転させ、対応する色彩のトナーが収容された現像器31Y、31M、31C、31Bkを感光体ドラム10と対向する位置に順々に導き、各現像器31Y、31M、31C、31Bkにおける現像ローラ32を感光体ドラム10に接触させて、上記のように各色の静電潜像が順々に形成された感光体ドラム10上に、帯電された各色のトナーを順々に供給して現像を行うようになっている。
また、このフルカラー現像装置30より感光体ドラム10の回転方向下流側の位置には、中間転写体40として、回転駆動される無端状の中間転写ベルト40が設けられており、この中間転写ベルト40は感光体ドラム10と同期して回転駆動されるようになっている。そして、この中間転写ベルト40は回転可能な1次転写ローラ41により押圧されて感光体ドラム10に接触するようになっており、またこの中間転写ベルト40を支持する支持ローラ42の部分には、2次転写ローラ43が回転可能に設けられ、この2次転写ローラ43によって記録紙等の記録材Sが中間転写ベルト40に押圧されるようになっている。
更に、前記のフルカラー現像装置30とこの中間転写ベルト40との間のスペースには、中間転写ベルト40上に残留したトナーを掻き取るクリーナ50が中間転写ベルト40に対して接離可能に設けられている。
また、普通紙等の記録材Sを中間転写ベルト40に導く給紙手段60は、記録材Sを収容させる給紙トレイ61と、この給紙トレイ61に収容された記録材Sを1枚ずつ給紙する給紙ローラ62と、上記の中間転写ベルト40上に形成された画像と同期して給紙された記録材Sを中間転写ベルト40と上記の2次転写ローラ43との間に送るタイミングローラ63とで構成されており、このようにして中間転写ベルト40と2次転写ローラ43との間に送られた記録材Sを2次転写ローラ43によって中間転写ベルト40に押圧させて、中間転写ベルト40からトナー像を記録材Sへ押圧転写させるようになっている。
一方、上記のようにトナー像が押圧転写された記録材Sは、エアーサクションベルト等で構成された搬送手段66により定着装置70に導かれるようになっており、この定着装置70において転写されたトナー像が記録材S上に定着され、その後、この記録材Sが垂直搬送路80を通して装置本体100の上面に排出されるようになっている。
次に、このフルカラー画像形成装置を用いてフルカラーの画像形成を行う動作について具体的に説明する。
まず、感光体ドラム10と中間転写ベルト40とを同じ周速度でそれぞれの方向に回転駆動させ、感光体ドラム10を帯電ブラシ11によって所定の電位に帯電させる。
そして、このように帯電された感光体ドラム10に対して、上記のレーザ走査光学系20によりイエロー画像の露光を行い、感光体ドラム10上にシアン画像の静電潜像を形成した後、この感光体ドラム10にイエロートナーを収容させた現像器31Yから前記のようにトナー規制部材によって荷電されたイエロートナーを供給してイエロー画像を現像し、このようにイエローのトナー像が形成された感光体ドラム10に対して中間転写ベルト40を1次転写ローラ41によって押圧させ、感光体ドラム10に形成されたイエローのトナー像を中間転写ベルト40に1次転写させる。
このようにしてイエローのトナー像を中間転写ベルト40に転写させた後は、前記のようにフルカラー現像装置30を支軸33を中心にして回転させ、マゼンタトナーが収容された現像器31Mを感光体ドラム10と対向する位置に導き、上記のイエロー画像の場合と同様に、レーザ走査光学系20により帯電された感光体ドラム10に対してマゼンタ画像を露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をマゼンタトナーが収容された現像器31Mによって現像し、現像されたマゼンタのトナー像を感光体ドラム10から中間転写ベルト40に1次転写させ、更に同様にして、シアン画像及びブラック画像の露光,現像及び1次転写を順々に行って、中間転写ベルト40上にイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックのトナー画像を順々に重ねてフルカラーのトナー像を形成する。
そして、中間転写ベルト40上に最終のブラックのトナー像が1次転写されると、記録材Sをタイミングローラ63により2次転写ローラ43と中間転写ベルト40との間に送り、2次転写ローラ43により記録材Sを中間転写ベルト40に押圧させて、中間転写ベルト40上に形成されたフルカラーのトナー像を記録材S上に2次転写させる。
そして、このようにフルカラーのトナー像が記録材S上に2次転写されると、この記録材Sを上記の搬送手段66により定着装置70に導き、この定着装置70によって転写されたフルカラーのトナー像を記録材S上に定着させ、その後、この記録材Sを垂直搬送路80を通して装置本体1の上面に排出させるようになっている。
非磁性1成分現像剤としては、熱定着可能な非磁性1成分トナーを用いる。
非磁性1成分トナーを構成する樹脂としては、比誘電率が2〜4のものを用いることが好ましい。
非磁性1成分トナーの体積基準におけるメディアン径(D50)径は、高品質のトナー画像を得るという観点から3〜9μmのものがこのましい。
非磁性1成分トナーを構成する樹脂の具体例としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂を挙げることができる。
非磁性1成分トナーの製造方法は特に限定されず、公知の重合法や粉砕法により作製することができる。
以下に、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
現像ローラの作製
(導線性シャフト)
現像ローラの導電性シャフトとして、SUS303の中空筒状の導線性シャフトを準備した。これを「シャフト1」とする。
《現像ローラ1》
(被膜層形成用塗布液1)
メチルエチルケトン500質量部に、熱可塑性エラストマーであるウレタン樹脂「ニッポラン5199」(日本ポリウレタン社製)(以下、ウレタン1とも呼ぶ)100質量部を溶解した溶液に、カーボンブラック「ケッチェンブラックEC300J」(ライオン社製)20質量部、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド0.001質量部と、体積基準におけるメディアン径(D50)5μmの架橋アクリル樹脂粒子10質量部とをサンドミルを用いて2時間分散させ、被膜層形成用塗布液を調製した。これを「被膜層形成用塗布液1」とする。
(被覆層形成)
「被覆層形成用塗布液1」を「シャフト1」の外周面にスプレー塗布した後、120℃で1時間乾燥を行い、乾燥後の膜厚が15μmの被覆層を形成し、「現像ローラ1」を作製した。
《現像ローラ2》
(被膜層形成用塗布液2)
メチルエチルケトン500質量部に、熱可塑性エラストマーであるウレタン樹脂「ニッポラン5199」(日本ポリウレタン社製)(以下、ウレタン1とも呼ぶ)100質量部を溶解した溶液に、カーボンブラック「ケッチェンブラックEC300J」30質量部、テトラメチルアンモニウムクロライド2.0質量部と、体積基準におけるメディアン径(D50)5μmの架橋アクリル樹脂粒子10質量部とをサンドミルを用いて2時間分散させ、被膜層形成用塗布液を調製した。これを「被膜層形成用塗布液2」とする。
(被覆層形成)
「被覆層形成用塗布液2」を「シャフト1」の外周面にスプレー塗布した後、120℃で1時間乾燥を行い、乾燥後の膜厚が15μmの被覆層を形成し、「現像ローラ2」を作製した。
《現像ローラ3》
(被膜層形成用塗布液3)
特開2002−220431号公報に記載されている方法で得た、Si含有量が、シリカ質量換算で6.0質量%のアルコキシ基含有シラン変性ポリウレタン樹脂(以下、ウレタン2とも呼ぶ)を100質量部をメチルエチルケトン400質量部、イソプロピルアルコール300質量部の混合溶媒に溶解した。この溶液にカーボンブラック「ケッチェンブラックEC300J」30質量部、テトラメチルアンモニウムクロライド1.0質量部、体積基準におけるメディアン径(D50)20μmの架橋アクリル樹脂粒子10質量部とをサンドミルを用いて2時間分散させ、被膜層形成用塗布液を調製した。これを「被膜層形成用塗布液3」とする。
(被覆層形成)
「被覆層形成用塗布液3」を「シャフト1」の外周面にスプレー塗布した後、130℃で1時間乾燥を行い、乾燥後の膜厚が10μmの被覆層を形成し、「現像ローラ3」を作製した。
《現像ローラ4》
(被膜層形成用塗布液4)
メチルエチルケトン700質量部に、アクリル樹脂「スミペックスLG」(住友化学社製)(以下、アクリル1とも呼ぶ)100質量部を溶解した溶液に、カーボンブラック「ケッチェンブラックEC300J」40質量部、トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレート5.0質量部と、体積基準におけるメディアン径(D50)20μmの架橋アクリル樹脂粒子30質量部とをサンドミルを用いて2時間分散させ、被膜層形成用塗布液を調製した。これを「被膜層形成用塗布液4」とする。
(被覆層形成)
「被覆層形成用塗布液4」を「シャフト1」の外周面にスプレー塗布した後、120℃で1時間乾燥を行い、乾燥後の膜厚が10μmの被覆層を形成し、「現像ローラ4」を作製した。
《現像ローラ5》
(被膜層形成用塗布液5)
メチルエチルケトン700質量部に、アクリル樹脂「パラペットHR−S」(クラレ社製)(以下、アクリル2とも呼ぶ)100質量部を溶解した溶液に、カーボンブラック「ケッチェンブラックEC300J」40質量部、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド0.02質量部と、体積基準におけるメディアン径(D50)20μmの架橋アクリル樹脂粒子20質量部とをサンドミルを用いて2時間分散させ、被膜層形成用塗布液を調製した。これを「被膜層形成用塗布液5」とする。
(被覆層形成)
「被覆層形成用塗布液5」を「シャフト1」の外周面にスプレー塗布した後、120℃で1時間乾燥を行い、乾燥後の膜厚が12μmの被覆層を形成し、「現像ローラ5」を作製した。
《現像ローラ6》
(被膜層形成用塗布液6)
メタノール400質量部と1−ブタノール300質量部の混合溶媒に、ポリアミド樹脂「トレジンMF−30」(ナガノケムテックス社製)(以下、ポリアミド1とも呼ぶ)100質量部を溶解した溶液に、カーボンブラック「ケッチェンブラックEC300J」20質量部、トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレート3.0質量部と、体積基準におけるメディアン径(D50)20μmの架橋アクリル樹脂粒子10質量部とをサンドミルを用いて2時間分散させ、被膜層形成用塗布液を調製した。これを「被膜層形成用塗布液6」とする。
(被覆層形成)
「被覆層形成用塗布液6」を「シャフト1」の外周面にスプレー塗布した後、120℃で1時間乾燥を行い、乾燥後の膜厚が17μmの被覆層を形成し、「現像ローラ6」を作製した。
《現像ローラ7》
(被膜層形成用塗布液7)
メチルエチルケトン500質量部に、ウレタン樹脂「エクセスターES−S2410」(旭硝子ウレタン社製)(以下、ウレタン3とも呼ぶ)100質量部を溶解した溶液に、カーボンブラック「ケッチェンブラックEC300J」20質量部、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド0.04質量部と、体積基準におけるメディアン径(D50)10μmの架橋アクリル樹脂粒子10質量部とをサンドミルを用いて2時間分散させ、被膜層形成用塗布液を調製した。これを「被膜層形成用塗布液7」とする。
(被覆層形成)
「被覆層形成用塗布液7」を「シャフト1」の外周面にスプレー塗布した後、120℃で1時間乾燥を行い、乾燥後の膜厚が8μmの被覆層を形成し、「現像ローラ7」を作製した。
《現像ローラ8》
現像ローラ1の作製で用いたベンジルトリメチルアンモニウムクロライド0.001質量部を添加しなかった以外は同様にして、「現像ローラ8」を作製した。
《現像ローラ9》
現像ローラ4の作製で用いたケッチェンブラック40質量部を50質量部に、トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレート5.0質量部を添加しなかった以外は同様にして、「現像ローラ9」を作製した。
《現像ローラ10》
(被膜層形成用塗布液10)
現像ローラ6の作製で用いたケッチェンブラック20質量部を10質量部に、トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレートを3.0質量部から10.0質量部にした以外は同様にして、「現像ローラ10」を作製した。
表1に、現像ローラ作製に用いた樹脂種、カーボン量、イオン導電剤量、得られた現像ローラの硬さ、表面粗さ等を示す。
Figure 2008015075
《評価》
現像ローラの評価は、カラーレーザプリンタ「Magicolor2300DL」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に上記で作製した現像ローラを順次装着し、常温常湿(20℃、55%RH)環境で多数枚(連続5000枚)プリントして行った。
現像ローラ初期の性能評価は、画素率20%(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色5%のフルカラーモード)でA4サイズの原稿を上質紙(64g/m2)に10枚プリントし、そのトナー画像品質と現像ローラの残留電位で評価した。
その後、画像率2%(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色0.5%のフルカラーモード)の原稿を用いて連続5000枚プリントを行った。
5000枚プリント後の性能評価は、初期性能評価と同じ画素率20%(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色5%のフルカラーモード)でA4サイズの原稿を上質紙(64g/m2)に10枚プリントし、そのトナー画像品質と現像ローラの残留電位、傷の発生と機内汚れで評価した。
〈画像濃度〉
画像濃度は、初期と5000枚プリント後のべた黒画像部の濃度を反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて12点測定して評価した。
評価基準
◎:べた黒画像部の濃度が、1.40以上で優れている
○:べた黒画像部の濃度が、1.20以上、1.40未満で良好である
×:べた黒画像部の濃度が、1.20未満で実用上問題となるレベル。
〈現像ローラの残留電位〉
図5に示す残留電位測定装置に上記で作製した新品現像ローラを取り付け、新品現像ローラの残留電位を下記測定条件で測定した。その後、画像形成装置に現像ローラをセットして連続5000枚プリントを行い、プリント修了後画像形成装置から現像ローラを取り出し、前記残留電位測定装置に取り付け残留電位を測定した。
残留電位の測定結果では、本発明の実施例1〜6は新品での残留電位が低く、5000枚プリント修了後での残留電位の上昇も少なかったのに比較し、本発明外の比較例1〜3は新品での残留電位が高く、5000枚プリント修了後での残留電位の上昇も大きかった。
測定条件
帯電器 :コロトロン
帯電電流Ic :850μA
帯電ギャップ :1mm
回転数 :240rpm
測定環境 :20℃、60%RH
〈フィルミング〉
フィルミングの評価は、5000枚修了後の現像ローラ表面のフィルミングの状態、及びフィルミングに起因するプリント画像欠陥で行った。
評価基準
◎:現像ローラ表面に、フィルミングの発生が見られなかった
○:現像ローラ表面に、軽微なフィルミングの発生が見られたが、プリント画像にフィルミングに起因する欠陥が現れず、実用上問題無いレベル
×:現像ローラ表面に、フィルミングの発生が見られ、プリント画像にもフィルミングに起因する欠陥が現れ、実用上問題となるレベル。
〈機内汚れ〉
機内汚れの評価は、5000枚プリント終了後に現像器周辺のトナーこぼれとトナー飛散による機内汚れ状態を目視で観察した結果と、トナー飛散によるプリント画像の欠陥で行った。
評価基準
◎:トナーこぼれ、トナー飛散による機内汚れ全くなく、トナー飛散によるプリント画像の欠陥もなし
○:軽微なトナーこぼれ、トナー飛散による機内汚れはあるが、トナー飛散によるプリント画像の欠陥が無く、実用上問題無いレベル
×:トナーこぼれ、トナー飛散による機内汚れがひどく、トナー飛散によるプリント画像の欠陥が認められ、実用上問題となるレベル。
表2に、評価結果を示す。
Figure 2008015075
表2の結果から、本発明の実施例1〜6は何れの特性も優れていることが判る。しかし、本発明外の比較例1〜3は、少なくとも何れかの特性に問題がでることが判る。
h−F曲線の一例を示すグラフを示す。 本発明の現像ローラの一例を示す断面概略図である。 本発明の現像ローラが装着して用いられる現像器の一例を示す概要断面図である。 フルカラー画像形成装置の一例を示す概要断面図である。 残留電位測定装置を示す。
符号の説明
4 供給ロール
5 トナー規制ブレード
6 ホッパー
7 バイアス電源
T トナー
11 導電性シャフト
12 被覆層
12b 接着層
32 現像ローラ

Claims (2)

  1. 導線性シャフトの外周に導電性を有する被覆層を形成してなり、該被覆層の表面に非磁性1成分現像剤を担持して該現像剤の薄層を形成し、この状態で静電潜像を表面に保持した潜像保持体に接触せずに該薄層から該現像剤を潜像保持体表面の静電潜像に付着させ、該静電潜像を可視化する現像ローラにおいて、
    上記被覆層中にイオン導電剤を含有し、且つ被覆層表面のユニバーサル硬さHU(N/mm2)と塑性硬さHUplast(N/mm2)との関係が
    0.25≦HU/HUplast≦0.95であることを特徴とする現像ローラ。
  2. 前記被覆層表面のユニバーサル硬さHU(N/mm2)が、5≦HU≦300であることを特徴とする請求項1に記載の現像ローラ。
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