JP2008000764A - レーザ溶接方法、装置および設備 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】重ね合わせた金属製の二枚の板材2、3間の隙間4が小さい方から大きい方に向けてレーザビーム1を移動させて、前記二枚の板材2、3をレーザ溶接する。
【選択図】図2
Description
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態に係るレーザ溶接方法を図1、図2に示す。
<第2の実施形態>
図3に、本発明の第2の実施形態に係るレーザ溶接方法を示す。これは、溶接開始点から溶接終了点に至るループ状でかつ溶接開始点と溶接終了点とが重ならない溶接軌跡に沿ってレーザビーム1を照射することにより、レーザ溶接を行う場合である。ループ状でかつ溶接開始点と溶接終了点とが重ならない溶接軌跡の例は、C字状、S字状、丸型などの溶接軌跡であり、これによりC型、S型、丸型などの溶接ビードを形成する。溶接開始点と溶接終了点とを重ねないのは、重ねると溶融して孔が開く場合があるからである。そして、このような溶接ビードを形成するに際し、溶接軌跡の溶接面内での向きを、当該溶接軌跡の溶接開始点が常に前記鋼板間の隙間4の小さい方から始まるように設定する。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態として、図4に具体的な例を示す。まず0.5mm〜0.1mmの高さの段差が付いた屈曲部20を有する二枚の鋼板2、3を、図4(a)または図4(b)のように隙間4aまたは隙間4bができるように重ね合わせる。なお、図4(a)と図4(b)では、二枚の鋼板2と鋼板3の屈曲部20の段差が異なっており、図4(a)では屈曲部20の下段側に隙間4aが生じ、図4(b)では屈曲部20の上段側に隙間4bが生じる。その後、溶接すべき部位の両端を、クランプ手段14であるゲージ21とクランプ部材22とで上下からクランプすると、図4(c)の状態となる。この図4(c)の一部を拡大して示したのが図5であり、主ゲージ21aおよびサブゲージ21bとエアシリンダ23で駆動されるクランプ部材22とで上下からクランプすることで、二枚の鋼板2、3間には、クランプ箇所の付近から屈曲部20による空間部24まで続く隙間4が存在する。
<第4の実施形態>
本発明の具体的な第4の実施形態を図6に示す。ここでは、
まず立ちフランジ26の付いた二枚の鋼板2、3を、図6(a)のように隙間4ができるように重ね合わせる。その前提として、隙間4を作るための部品形状を予め得るため、部品単品状態で、平坦部27から立ちフランジ26への角部に、2度〜5度程度の角度で曲面28を形成する。そして、図6(a)のように重ね合わせて位置決めした状態で、鋼板2、3の弾性により立ちフランジ26の先端同士が互いに接触してなじむように構成する。この例では、二枚の鋼板2と鋼板3で曲面28の曲率が異なっており、曲面28と曲面28に挟まれて形成される隙間4は、その最大空間部25から、立ちフランジ26の端部および平坦部27へ向けて徐々に小さくなる形で形成される。
<第5の実施形態>
図7に、本発明の第5の実施形態を示す。これは、下側のゲージ30と、エアシリンダ31で駆動される上側のクランプ部材32とで、ワークとしての二枚の鋼板2、3を上下方向からクランプし、このクランプされた二枚の鋼板2、3の隙間4が発生している部分にレーザビーム1を照射し、且つクランプした箇所に近い方から離れる方向にこのレーザビーム1を移動させてレーザ溶接する例を示したものである。
2、3 鋼板、
4、4a、4b 隙間、
5 接触箇所、
6 直線的な溶接軌跡、
6a 溶接開始点、
6b 溶接終了点、
7 C字状の溶接軌跡、
7A 開口部、
7B クラウン部、
7a 溶接開始点、
7b 溶接終了点、
8 S字状の溶接軌跡、
8A 一方の丸味部、
8B 他方の丸味部、
8a 溶接開始点、
10 レーザ発振器、
11 ロボットハンド、
12 光学ヘッド、
13 光偏向光学系、
14 クランプ手段、
20 屈曲部、
21 ゲージ、
21a 主ゲージ、
21b サブゲージ、
22 クランプ部材、
23 エアシリンダ、
24 空間部、
25 最大空間部、
26 立ちフランジ、
27 平坦部、
28 曲面、
30 ゲージ、
31 エアシリンダ、
32 クランプ部材、
33 遮光板。
Claims (11)
- 重ね合わせた金属製の板材間の隙間が小さい方から大きい方に向けてレーザビームを移動させて、前記板材をレーザ溶接することを特徴とするレーザ溶接方法。
- 前記板材を、一方の板材が他方の板材に対して接触した接触箇所から両板材間の隙間が次第に大きくなるように重ね合わせ、その隙間が発生している部分に前記レーザビームを照射し、隙間の小さい方から大きい方に前記レーザビームを移動させてレーザ溶接することを特徴とする請求項1に記載のレーザ溶接方法。
- 前記板材として段差の付いた屈曲部を有する板材を隙間ができるように重ね合わせてクランプし、
このクランプされた板材同士の隙間が発生している部分における前記クランプした箇所に近い方から離れる方向に前記レーザビームを移動させてレーザ溶接することを特徴とする請求項1に記載のレーザ溶接方法。 - 前記レーザ溶接は、溶接開始点から溶接終了点に至るループ状でかつ溶接開始点と溶接終了点とが重ならない溶接軌跡に沿ってレーザビームを照射する溶接により行い、
その溶接軌跡の溶接開始点が常に前記板材間の隙間の小さい方から始まるように、前記レーザビームを誘導することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のレーザ溶接方法。 - 前記ループ状でかつ溶接開始点と溶接終了点とが重ならない溶接軌跡が、C字状、S字状、丸型などの溶接軌跡であることを特徴とする請求項4に記載のレーザ溶接方法。
- 前記レーザ溶接は、長焦点のレーザビームを光偏向光学系により偏向して前記溶接軌跡に沿って誘導するリモートレーザ溶接であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のレーザ溶接方法。
- 金属製の板材を隙間ができるように重ね合わせてクランプするクランプ手段と、
重ね合わされ且つ前記クランプ手段によりクランプされた前記板材を溶接すべく、そのクランプ箇所に近い方から離れる方向にレーザビームを照射するレーザ装置と、
を有することを特徴とするレーザ溶接装置。 - 金属製の板材同士を隙間ができるように重ね合わせてクランプするクランプ手段と、
重ね合わされ且つ前記クランプ手段によりクランプされた前記板材を溶接すべく、そのクランプ箇所に近い方から離れる方向にレーザビームを照射するレーザ装置と、を備え、
前記レーザ装置が、レーザ発振器と、該レーザ発振器に光ファイバにて接続され、レーザビームの出射方向を偏向する光偏向光学系が内蔵された光学ヘッドと、該光学ヘッドを装着したロボットハンドと、
を有することを特徴とするレーザ溶接設備。 - 重ね合わせた金属製の板材間に隙間を形成して連続的にレーザ溶接された溶接軌跡を有する金属板であって、少なくとも溶接開始点はそれ以降溶接終了点に向かう溶接軌跡よりも隙間が小さくなっていることを特徴とする金属板。
- 前記連続的にレーザ溶接された溶接軌跡は、溶接開始点から溶接終了点に至るループ状でかつ溶接開始点と溶接修了点とが重ならない形状である請求項9に記載の金属板。
- 前記ループ状でかつ溶接開始点と溶接修了点とが重ならない溶接軌跡がC字状、S字状、丸型などの溶接奇跡であることを特徴とする請求項10に記載の金属板。
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