JP2006205171A - 溶接装置及びそれを用いた溶接方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】各々、フランジを有する第1及び第2部材を、それらのフランジ同士を溶接するのに用いたときに、高い溶接強度と気密性とが得られる溶接を可能とする溶接装置を提供する。
【解決手段】溶接装置1は、第1及び第2部材2,3の両フランジ26,27を保持するフランジ保持手段18,19と、両フランジ26,27を仮溶接する仮溶接手段18,19と、仮溶接手段18,19と第1及び第2部材2,3を相対移動させる移動手段18,19と、移動手段18,19による移動に伴って両フランジ26,27に沿って順次本溶接する本溶接手段34とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】溶接装置1は、第1及び第2部材2,3の両フランジ26,27を保持するフランジ保持手段18,19と、両フランジ26,27を仮溶接する仮溶接手段18,19と、仮溶接手段18,19と第1及び第2部材2,3を相対移動させる移動手段18,19と、移動手段18,19による移動に伴って両フランジ26,27に沿って順次本溶接する本溶接手段34とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、各々、フランジを有する第1及び第2部材を、それらのフランジ同士を溶接するのに用いられる溶接装置及びそれを用いた溶接方法に関する。
車両等に搭載される燃料タンク等は、液漏れ防止の点から高い気密性が必要とされる。このような燃料タンクは、通常、2つの有底筒状部材からなり、それらの開口縁全周に径方向外側に突出するようにそれぞれ設けられたフランジ同士が溶接により接合されたものである。
ここで、その溶接方法として、例えば、特許文献1には、回転する円盤電極により金属板の重ね合わせ部を加圧・通電して溶接する抵抗シーム溶接方法において、円盤電極表面の抵抗を測定し、その抵抗の測定値が予め設定された抵抗の上限値を超えた場合に、抵抗の測定値が抵抗の上限値以下になるように円盤電極表面を研削・研磨することが開示されている。そして、これによれば、溶接を行う前に電極汚損に起因する溶接不良を予測し、電極表面の研削・研磨または溶接電流制御の何れかの方法により、溶接時の溶接不良を回避することができる、と記載されている。
また、特許文献2には、レーザー溶接にて、容器のフランジを溶接して燃料タンクが製造されるが、そのレーザー溶接は、非接触式だから、被溶接部分の周りの部位と溶接機との干渉を避けることができ、燃料タンクの形状における制約が少なくなり、これにより、設計の自由度が高くなり、燃料タンクに所望の凹凸構造を設けて、隣接部品との間のデッドスペースを削減することができ、もって、燃料タンクの大容量化を図ることができる、と記載されている。
特開2002-239750号公報
特開2003-021012号公報
しかし、特許文献1に開示されているように回転する円板電極により金属板の重ね合わせ部を加圧・通電して溶接する抵抗シーム溶接方法では、電極の耐熱性の限界を考慮すると、あまり大きな電流を流すことができないため、溶接強度が低くなる。
また、特許文献2に開示されているようにレーザーを使用する溶接方法では、表面に母材より低沸点の材質よりなる被膜を有する、亜鉛メッキ 等でメッキ加工されているフランジ表面に対してレーザーを照射した後、溶融したメッキが凝固すると、その中に含まれるガスが完全に脱出しきらないことがある。するとフランジ内でブローホールができ、フランジの長さ方向に亘って溶接が不均一となってしまうために溶接強度や気密性が低くなる。さらに、レーザーによる溶接は非接触であるため、フランジ間の隙間が不揃いな場合にも溶接強度や気密性が悪影響を受ける。
本発明は、斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、各々、フランジを有する第1及び第2部材を、それらのフランジ同士を溶接するのに用いたときに、高い溶接強度と気密性とが得られる溶接を可能とする溶接装置及びそれを用いた溶接方法を提供することである。
請求項1に係る発明は、各々、フランジを有する第1及び第2部材を、それらのフランジ同士を溶接するのに用いられる溶接装置であって、第1及び第2部材の両フランジを、それらの溶接予定部位間が所定間隔以下となるように保持するフランジ保持手段と、上記フランジ保持手段によって所定間隔以下に保持された両フランジの溶接予定部位を仮溶接する仮溶接手段と、上記仮溶接手段が両フランジに沿って溶接予定部位を順次仮溶接するように、該仮溶接手段と第1及び第2部材とを相対移動させる移動手段と、上記仮溶接手段によって仮溶接された両フランジの部分を上記移動手段による移動に伴って両フランジに沿って順次本溶接する本溶接手段と、を備えたことを特徴とするものである。
上記の構成によれば、フランジ保持手段が第1及び第2部材の両フランジをそれらの溶接予定部位間が所定間隔以下となるように保持しながら溶接するため、両フランジ間の隙間が大きいことに起因する溶接強度が低くなるのを防ぐことができる。また、本溶接の前に仮溶接を行うことで、表面に母材より低沸点の材質よりなる被膜を有する、亜鉛メッキ等でメッキ加工されているフランジについては、予め表面のメッキをガスにして除去することができるため、本溶接時にメッキの存在が原因で生じるブローホールの形成を防止することにより両フランジ間の気密性を高めることができる。さらに、上記移動手段が仮溶接手段と第1及び第2部材とを相対移動させることで仮溶接手段が両フランジに沿って溶接予定部位を順次仮溶接できること、及び、仮溶接に続いて本溶接手段が両フランジの仮溶接された部分を順次本溶接できることにより、両フランジ上の各部位を溶接する度に溶接手段と両フランジの位置を変える手間が省けて作業能率が良好となる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載された溶接装置において、上記仮溶接手段が上記フランジ保持手段を兼ねていることを特徴とするものである。
上記の構成によれば、仮溶接手段がフランジ保持手段を兼ねているため、それぞれ独立したもので構成するのと比較して装置構成のコンパクト化を図ることができる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載された溶接装置において、
上記フランジ保持手段を兼ねた上記仮溶接手段は、第1及び第2部材の両フランジを両側から保持する一対のシーム溶接用ローラー電極であることを特徴とするものである。
上記フランジ保持手段を兼ねた上記仮溶接手段は、第1及び第2部材の両フランジを両側から保持する一対のシーム溶接用ローラー電極であることを特徴とするものである。
上記の構成によれば、仮溶接手段であるシーム溶接用ローラー電極が、両フランジを両側から保持しながら両フランジに沿って連続的に転動して進むため、フランジの長さ方向に沿って間隔を空けず連続して仮溶接できる。従って、表面に母材より低沸点の材質よりなる被膜を有する、亜鉛メッキ等でメッキ加工されているフランジであれば、後に本溶接する部位をほとんどメッキが除去された状態にすることができる。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載された溶接装置において、上記本溶接手段が溶接用レーザーであることを特徴とするものである。
仮溶接手段が電極を用いたものである場合に、電極の耐熱性の限界を考慮するとあまり大きな電流を流すことができず、そのような溶接手段だけでは溶接強度が低くなるが、上記の構成によれば、その後、レーザー光というエネルギー密度の高い熱源を用いるレーザーによる本溶接をするので、高速深溶込み溶接が可能となって溶接強度を高くできる。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載された溶接装置において、
上記本溶接手段は、両フランジの上記仮溶接手段によって仮溶接された部位を溶接するように設定されていることを特徴とするものである。
上記本溶接手段は、両フランジの上記仮溶接手段によって仮溶接された部位を溶接するように設定されていることを特徴とするものである。
上記の構成によれば、仮溶接されてメッキの除去された部位を常に本溶接することになるので、ブローホールの形成の防止をほとんど完全なものとすることができる。
請求項6に係る発明は、各々、フランジを有する第1及び第2部材を、それらのフランジ同士を溶接する溶接方法であって、上記第1及び第2部材の両フランジを、それらの溶接予定部位間が所定間隔以下となるように保持するステップと、上記所定間隔以下に保持した両フランジの溶接予定部位を、該両フランジに沿って順次仮溶接するステップと、上記仮溶接された両フランジの部分を、該両フランジに沿って順次本溶接するステップと、を備えたことを特徴とするものである。
上記の方法によれば、第1及び第2部材の両フランジをそれらの溶接予定部位間が所定間隔以下となるように保持しながら溶接するため、両フランジ間の隙間が大きいことに起因する溶接強度が低くなるのを防ぐことができる。また、本溶接の前に仮溶接を行うことで、表面に母材より低沸点の材質よりなる被膜を有する、亜鉛メッキ 等でメッキ加工されているフランジについては、予め表面のメッキをガスにして除去することができるため、本溶接時にメッキの存在が原因で生じるブローホールの形成を防止することにより両フランジ間の気密性を高めることができる。
以上説明したように、本発明によれば、各々、フランジを有する第1及び第2部材を、それらのフランジ同士を溶接するのに用いたときに、高い溶接強度と気密性とが得られる。
以下、本発明の実施形態に係る溶接装置を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は溶接装置1を示す。図2(a)及び(b)は、抵抗シーム溶接用の上側及び下側ローラ電極18,19とレーザー溶接用のレーザーヘッド34との位置関係を示す。
また、この実施形態では、2つの有底筒状な第1及び第2部材2,3を溶接して車両等に搭載される燃料タンクを製造する場合について説明する。
なお、以下では、図1中の第1及び第2部材2,3側から溶接装置1を見たときの面を前面とする。従って、図1に示されている面が溶接装置1の右側面となる。
(溶接装置の構成)
本発明の実施形態に係る溶接装置1は、第1本体部4とそれに設けられた抵抗シーム溶接部(仮溶接手段)5、第2本体部6とそれに設けられたレーザー溶接部(本溶接手段)7、及び、第1及び第2部材2,3を所定位置に移動させるロボットアーム(移動手段)(不図示)で構成されている。
本発明の実施形態に係る溶接装置1は、第1本体部4とそれに設けられた抵抗シーム溶接部(仮溶接手段)5、第2本体部6とそれに設けられたレーザー溶接部(本溶接手段)7、及び、第1及び第2部材2,3を所定位置に移動させるロボットアーム(移動手段)(不図示)で構成されている。
第1本体部4は、ケーシングを有しており、その内部に不図示の溶接制御部と溶接トランス10とが設けられている。また、第1本体部4は、その中央部から、上下に間隔をおいて並行に前方に延びた一対の2次導体11,12が設けられている。一対の2次導体11,12は、それぞれ一端が2次導体取付部材13,14を介して第1本体部4のケーシングの右側面に取り付けられている。また、一対の2次導体11,12は、それぞれ他端が電極支持体20,21に接続されている。電極支持体20,21は、それぞれ前方に延びた回転軸24,25を有する。回転軸24,25は、それぞれ先端に上側及び下側ローラー電極18,19が取り付けられている。上側及び下側ローラー電極18,19は、それらの回転軸24,25が上下に並行に設けられていることにより、回転軸方向が同一となっている。また、上側及び下側ローラー電極18,19は、相互に間隔をおいて位置付けられている。さらに、上側及び下側ローラー電極18,19は、図示しない制御部に接続されている。そして、これらの2次導体11,12、上側及び下側ローラー電極18,19、電極支持体20,21によって抵抗シーム溶接部5が構成されている。
第1本体部4の前面下部には上下可動部16が設けられている。上下可動部16は、ケーシングを有しており、その上に下側電極支持体ホルダ23が取り付けられている。下側電極支持体ホルダ23は、その上に電極支持体21が設けられている。また、上下可動部16は、その内部に加圧シリンダ29が設けられている。さらに、上下可動部16は、第1本体部4との取付部分にリニアガイドが設けられている。
第1本体部4の前面上部には、第2本体部6が設けられている。第2本体部6は、ケーシングを有しており、その前面下部に上側電極支持体ホルダ22が設けられている。上側電極支持体ホルダ22は、その下に電極支持体20が設けられている。第2本体部6は、その下にシリンダロッド30が設けられている。シリンダロッド30は、上下可動部16内の加圧シリンダ29に結合されている。
第2本体部6は、その前面上部に前方に突出した板状のレーザーヘッド支持部材33が設けられている。レーザーヘッド支持部材33は、その右側面にレーザーヘッド34が上端で軸支されて前後に揺動可能なように取り付けられている。レーザーヘッド34は、その上側面に光源からの光ファイバー36が接続されている。また、レーザーヘッド34は、その下面端にレーザー集光レンズ37を有している。さらに、レーザーヘッド34は、不図示の位置検知センサを有する。また、レーザーヘッド34は制御部に接続されている。レーザーヘッド34からのレーザー光が照射される部分には、不図示のシールドガス供給源に接続されているシールドガス供給管42が設けられている。
第2本体部6は、右側面にモーター軸が前方に突出するようにサーボモーター35が取り付けられている。サーボモーター35は、モーター軸にボールネジ38が結合されている。一方、レーザーヘッド支持部材33には、レーザーヘッド34を前後両側から挟むように延びたボールネジ固定部材40,41が設けられている。ボールネジ固定部材40,41は、それぞれレーザーヘッド34の右側に形成されたボールネジ挿通孔にボールネジ38が挿通されている。ボールネジ38は、ボールネジ固定部材40,41間に可動部材39が螺設されている。可動部材39は、それがボールネジ38上を移動することによりレーザーヘッド34が前後に傾動するようにレーザーヘッド34に系合している。そして、これらのレーザーヘッド支持部材33、レーザーヘッド34、サーボモーター35、光ファイバー36、ボールネジ38、可動部材39によってレーザー溶接部7が構成されている。
ロボットアームは、制御部に接続されている。
次に、溶接装置1の動作について説明する。なお、以下の動作は、いずれも制御部の制御により実行されるものである。
この溶接装置1では、ロボットアームにより第1及び第2部材2,3を保持した後、第1及び第2部材2,3の両フランジ26,27が上側ローラー電極18と下側ローラー電極19との間に位置付けられるように、ロボットアームにより第1及び第2部材2,3を移動させるようになっている。また、加圧シリンダ29及びシリンダロッド30により上下可動部16をリニアガイドに沿って上下移動させ、それによって下側ローラー電極19を上下移動させることができ、下側ローラー電極19を上方に移動させることにより両フランジ26,27を上側及び下側ローラー電極18,19間で狭持して保持するようになっている。
そして、上側及び下側ローラー電極18,19が相互に逆向きに回転しながら両フランジ26,27上を走行するように、ロボットアームにより第1及び第2部材2,3を移動させるようになっている。また、このとき、上側及び下側ローラー電極18,19に溶接トランス10から2次導体11,12を介して溶接電流(2次電流)が流れるようになっている。そして、これによって、上側及び下側ローラー電極18,19が両フランジ26,27を介して通電する際に発生するジュール熱でそれらの両フランジ26,27を連続的に抵抗シーム溶接により仮溶接する。
また、同時に、両フランジ26,27の表面に設けられたメッキをガスにして除去する。
また、同時に、両フランジ26,27の表面に設けられたメッキをガスにして除去する。
一方、両フランジ26,27の仮溶接された直後の部位にレーザー光が照射されるようにレーザーヘッド34を位置調節するようになっている。具体的には、図2(a)に示すような両フランジ26,27の真っ直ぐに延びた部分、或いは、図2(b)に示すような両フランジ26,27の曲がった部分のいずれであっても、位置検知センサがレーザーヘッド34と第1部材2のフランジ26との位置関係を検知し、それに基づいて、レーザー集光レンズ37の焦点距離との間の偏差が計算される。そして、その偏差を補正して両フランジ26,27の仮溶接された直後の部位にレーザー光が照射されるように、サーボモーター35を作動させて可動部材39にボールネジ38上を移動させることによりレーザーヘッド34を前後方向に傾斜させて位置調節するようになっている。そして、これによって、レーザーヘッド34からのレーザー光が第1及び第2部材2,3の両フランジ26,27の仮溶接された直後の部位に照射されてその熱によってその部位を強固に本溶接する。
(溶接方法)
次に、溶接方法について説明する。
次に、溶接方法について説明する。
第1及び第2部材2,3のフランジ26,27同士を溶接するに際し、まず、加圧シリンダ29のシリンダロッド30を伸長させて、上側ローラー電極18と下側ローラー電極19とを離間させる。
次いで、ロボットアームにより第1及び第2部材2,3を所定位置に位置づける。
続いて、上側ローラー電極18と下側ローラー電極19との間に、両フランジ26,27を、それらの合わせ面を互いに合わせて上下に重ねた状態で挿入する。
その後、加圧シリンダ29のシリンダロッド30を収縮させて、両フランジ26,27(フランジの長さ方向のどの部分であってもよい)を、その間隔が5mm以下になるように上側ローラー電極18と下側ローラー電極19との間に狭持して保持する。また、このとき、第1及び第2部材2,3を、ロボットアームの移動に伴って移動しないように固定部材により固定する。
次いで、溶接制御装置からの通電信号により溶接トランス10から溶接電流を上側及び下側ローラー電極18,19へ供給すると同時に、ロボットアームにより第1及び第2部材2,3を上記所定位置から両フランジ26,27の長さ方向に沿って移動させる。また、第1部材2のフランジ26の上側ローラー電極18が通過した部位に対してレーザーヘッド34からレーザー光を照射する。このとき、上側及び下側ローラー電極18,19が、両フランジ26,27を狭持して保持した状態で、それぞれフランジ26の上面及びフランジ27の下面の上をフランジ26,27の長さ方向に転がって移動する。両フランジ26,27は、上側及び下側ローラー電極18,19によるシーム溶接により仮溶接される。また、図2(a)に示すように、両フランジ26,27は、上側及び下側ローラー電極18,19により仮溶接された部位がレーザー光によるレーザー溶接により本溶接される。
ロボットアームにより第1及び第2部材2,3を上記所定位置から両フランジ26,27の長さ方向に沿って移動させ、第1及び第2部材2,3が、元の所定位置に戻ったところで、ロボットアームによる第1及び第2部材2,3の移動、溶接制御装置による通電信号、及び、レーザー光の照射を停止する。
以上の動作により、第1及び第2部材2,3は、両フランジ26,27がそれらの長さ方向全体に亘って溶接されて一体となる。
(作用効果)
次に、作用効果について説明する。
次に、作用効果について説明する。
以上の構成の溶接装置によれば、上側及び下側ローラー電極18,19が第1及び第2部材2,3の両フランジ26,27を狭持して、それらの溶接予定部位間が所定間隔以下となるように保持しながら溶接するため、両フランジ26,27間の隙間が大きいことに起因する溶接強度が低くなるのを防ぐことができる。また、本溶接(レーザー溶接)の前に仮溶接(抵抗シーム溶接)を行うことで、表面に母材より低沸点の材質よりなる被膜を有する、亜鉛メッキ等でメッキ加工されているフランジについては、予め表面のメッキをガスにして除去することができるため、本溶接時にメッキの存在が原因で生じるブローホールの形成を防止することにより両フランジ26,27間の気密性を高めることができる。さらに、第1及び第2部材2,3をロボットアームにより移動させることで両フランジ26,27の長さ方向に沿って溶接予定部位を順次シーム溶接できること、及び、仮溶接に続いてレーザーヘッド34が両フランジ26,27の仮溶接された部位を順次本溶接できることにより、両フランジ26,27上の各部位を溶接する度に溶接手段と両フランジ26,27の位置を変える手間が省けて作業能率が良好となる。
上側及び下側ローラー電極18,19がフランジ保持手段及び移動手段を兼ねているため、それぞれ独立したもので構成する場合と比較して装置構成のコンパクト化を図ることができる。
上側及び下側ローラー電極18,19が、両フランジ26,27を両側から狭持して保持しながら両フランジ26,27に沿って連続的に転動して進むため、フランジの長さ方向に沿って間隔を空けず連続して仮溶接できる。従って、表面に母材より低沸点の材質よりなる被膜を有する、亜鉛メッキ等でメッキ加工されている第1部材2のフランジ26であれば、後にレーザー光により本溶接する部位をほとんどメッキが除去された状態にすることができる。
上側及び下側ローラ電極18,19による仮溶接だけでは、それらの電極の耐熱性の限界を考慮するとあまり大きな電流を流すことができず、そのために溶接強度が低くなるが、仮溶接後に、レーザー光というエネルギー密度の高い熱源を用いるレーザーによる本溶接をするので、高速深溶込み溶接が可能となって溶接強度を高くできる。
また、不図示の位置検知センサーにより、レーザーヘッド34と第1部材2のフランジ26との位置関係の情報が、不図示の制御部に伝送されることにより、レーザー集光レンズ37の焦点距離との間の偏差を計算し、その偏差を補正するようにサーボモーター35を作動させて、レーザーヘッド34を所定の角度まで回転させるため、図2(b)に示すように、フランジ26,27が曲がっている部分でも、シーム溶接により仮溶接されてメッキの除去された部位を常に本溶接することができる。したがって、ブローホールの形成の防止がほぼ完全となる。
尚、上記実施形態では、燃料タンクを構成する2つの有底筒状な第1及び第2部材2,3を溶接するようにしたが、互いにフランジで接合される第1部材及び第2部材は、燃料タンクを構成するものに限らず、どのようなものであってもよく、全周に亘ってフランジが形成されたものでなくてもよい。
また、上記実施形態では、仮溶接を抵抗シーム溶接としているが、仮溶接としてはこのような連続溶接に限られず、スポット溶接としてもよい。
さらに、上記実施形態では、フランジ26,27の仮溶接した部位を本溶接しているが、仮溶接した部位と異なる部分を本溶接してもよい。
以上説明したように、本発明は、各々、フランジを有する第1及び第2部材を、それらのフランジ同士を溶接するのに用いられる溶接装置及びそれを用いた溶接方法について有用である。
1 溶接装置
2 第1部材
3 第2部材
4 第1本体部
5 抵抗シーム溶接部
6 第2本体部
7 レーザー溶接部
10 溶接トランス
11,12 2次導体
13,14 2次導体取付部材
16 上下可動部
18 上側ローラ電極
19 下側ローラ電極
20,21 電極支持体
22 上側電極支持体ホルダ
23 下側電極支持体ホルダ
24,25 回転軸
26,27 フランジ
29 加圧シリンダ
30 シリンダロッド
33 レーザーヘッド支持部材
34 レーザーヘッド
35 サーボモーター
36 光ファイバー
37 レーザー集光レンズ
38 ボールネジ
39 可動部材
40,41 ボールネジ固定部材
42 シールドガス供給管
2 第1部材
3 第2部材
4 第1本体部
5 抵抗シーム溶接部
6 第2本体部
7 レーザー溶接部
10 溶接トランス
11,12 2次導体
13,14 2次導体取付部材
16 上下可動部
18 上側ローラ電極
19 下側ローラ電極
20,21 電極支持体
22 上側電極支持体ホルダ
23 下側電極支持体ホルダ
24,25 回転軸
26,27 フランジ
29 加圧シリンダ
30 シリンダロッド
33 レーザーヘッド支持部材
34 レーザーヘッド
35 サーボモーター
36 光ファイバー
37 レーザー集光レンズ
38 ボールネジ
39 可動部材
40,41 ボールネジ固定部材
42 シールドガス供給管
Claims (6)
- 各々、フランジを有する第1及び第2部材を、それらのフランジ同士を溶接するのに用いられる溶接装置であって、
第1及び第2部材の両フランジを、それらの溶接予定部位間が所定間隔以下となるように保持するフランジ保持手段と、
上記フランジ保持手段によって所定間隔以下に保持された両フランジの溶接予定部位を仮溶接する仮溶接手段と、
上記仮溶接手段が両フランジに沿って溶接予定部位を順次仮溶接するように、該仮溶接手段と第1及び第2部材とを相対移動させる移動手段と、
上記仮溶接手段によって仮溶接された両フランジの部分を上記移動手段による移動に伴って両フランジに沿って順次本溶接する本溶接手段と、
を備えたことを特徴とする溶接装置。 - 請求項1に記載された溶接装置において、
上記仮溶接手段が上記フランジ保持手段を兼ねていることを特徴とする溶接装置。 - 請求項2に記載された溶接装置において、
上記フランジ保持手段を兼ねた上記仮溶接手段は、第1及び第2部材の両フランジを両側から狭持することにより、それらの溶接予定部位間を所定間隔以下に保持する一対のシーム溶接用ローラー電極であることを特徴とする溶接装置。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載された溶接装置において、
上記本溶接手段が溶接用レーザーであることを特徴とする溶接装置。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載された溶接装置において、
上記本溶接手段は、両フランジの上記仮溶接手段によって仮溶接された部位を溶接するように設定されていることを特徴とする溶接装置。 - 各々、フランジを有する第1及び第2部材を、それらのフランジ同士を溶接する溶接方法であって、
上記第1及び第2部材の両フランジを、それらの溶接予定部位間が所定間隔以下となるように保持するステップと、
上記所定間隔以下に保持した両フランジの溶接予定部位を、該両フランジに沿って順次仮溶接するステップと、
上記仮溶接された両フランジの部分を、該両フランジに沿って順次本溶接するステップと、
を備えたことを特徴とする溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005016435A JP2006205171A (ja) | 2005-01-25 | 2005-01-25 | 溶接装置及びそれを用いた溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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