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JP2008089208A - 給湯システム及び給湯システムの運転モード診断方法 - Google Patents

給湯システム及び給湯システムの運転モード診断方法 Download PDF

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JP2008089208A JP2006267855A JP2006267855A JP2008089208A JP 2008089208 A JP2008089208 A JP 2008089208A JP 2006267855 A JP2006267855 A JP 2006267855A JP 2006267855 A JP2006267855 A JP 2006267855A JP 2008089208 A JP2008089208 A JP 2008089208A
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Abstract

【課題】使用実績に基づいて、最適な運転モードを選択してユーザに提示することが可能な給湯システム及びその運転モード診断方法を提供する。
【解決手段】給湯システムは、複数の運転モードから選択された運転モードにしたがって給湯システムの動作を制御する制御部(35)を有する。制御部(35)は、所定期間内の出湯量及び出湯された温水の温度に基づいて、温水の沸き増し条件を決定する運転基準量を算出する運転基準量算出手段(353)及び給湯システムの使用実績を表す使用実績量を算出する使用実績量算出手段(354)と、運転基準量と、使用実績量又は選択された運転モードについて定められた第1の適用条件を複数有し、その複数の第1の適用条件のうち満たされるものと対応する推奨運転モードを選択する推奨モード選択手段(355)とを有し、選択された推奨運転モードを操作表示部(37)に表示させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、給湯システム及び給湯システムの運転モード診断方法に関するものであり、より詳しくは、ユーザの使用実績に基づいて、最適な運転モードをユーザに提示可能な給湯システム及び給湯システムの運転モード診断方法に関する。
近年、省エネルギーで給湯を行える給湯システムとして、温水の加熱を熱交換によって行うヒートポンプ式給湯システムが注目されている。また、ヒートポンプ式給湯システムでは、従来より、湯を沸かすタイミングなどの制御方法が異なる複数種類の運転モードが準備され、ユーザの嗜好に合わせて選択することができるようになっている。そのような運転モードとして、例えば、常時使用可能な湯量を貯湯タンクいっぱいになるようにする「満タン」モード、深夜時間帯(23:00〜7:00)にのみ湯を沸かす「深夜のみ」モード、及び給湯システムの判断で適宜湯を沸かす「おまかせ」モードがある。しかし、ユーザは、どの運転モードが自分にとって最適なモードか分からず、自分の使用状況と合わない運転モードを選択してしまう場合があった。例えば、1日の使用湯量が少なく、「深夜のみ」モードで運転すれば十分な場合に、「満タン」モードが選択されてしまうと、不必要にもかかわらず日中に湯を沸かすこととなり、余計な運転コストが掛かってしまう。
そこで、ユーザによる過去の使用湯量に基づいて、どの運転モードがユーザに対してお勧めかを判断し、表示する給湯システムが開発されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載された給湯システムは、操作盤に設けられたナビスイッチを備え、そのナビスイッチを押すと、過去1週間の使用湯量などに基づいて、「満タン」「おまかせ」「深夜のみ」の3種類の運転モードから、最も適切と思われるものを選択して表示する。
しかし、特許文献1では、具体的にどのような基準で運転モードの選択を行うかまでは開示されていなかった。また、ユーザが主として何を求めているかを知る手段を有さないため、使用湯量に対して十分な余裕をもっている場合のみ「深夜のみ」モードをお勧めモードとするなど、消極的な誘導しかできなかった。
特開2004−294047号公報
本発明の目的は、上述した従来技術による問題点を解消することを可能とする給湯装置およびその制御方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、給湯システムの使用実績に基づいて、最適な運転モードを選択してユーザに提示することが可能な給湯システム及び給湯システムの運転モード診断方法を提供することにある。
本発明の請求項1に記載の形態によれば、本発明に係る給湯システムは、貯湯タンク(21)からの出湯量を測定する出湯量測定部(24、32)と、少なくとも貯湯タンク(21)から出湯された温水の温度を測定する温度測定部(29、31)と、出湯量測定部(24、32)で測定された出湯量及び温度測定部(29、31)で測定された温水温度を記憶する記憶部(36)と、給湯システムの動作を規定する複数の運転モードから選択された運転モードにしたがって給湯システムの動作を制御する制御部(35)とを有する。そして制御部(35)は、記憶部(36)に記憶された所定期間内の出湯量及び温水温度に基づいて、貯湯タンクに貯湯する温水の沸き増し条件を決定する運転基準量を算出する運転基準量算出手段(353)と、所定期間内の出湯量及び温水温度に基づいて、給湯システムの使用実績を表す使用実績量を算出する使用実績量算出手段(354)と、ユーザに提示する推奨運転モードと対応する第1の適用条件を複数有し、運転基準量と、使用実績量又は選択された運転モードに基づいて、第1の適用条件の各々について満たすか否か判定し、満たすと判定された第1の適用条件と対応する推奨運転モードを選択する推奨モード選択手段(355)とを有し、選択された推奨運転モードを操作表示部(37)に表示させる。
係る構成を有することにより、給湯システムの使用実績を勘案して、最適と考えられる運転モードを選択できるため、ユーザに対して適切な運転モードを提示することができる。
また請求項2に記載のように、推奨モード選択手段(355)は、ユーザに提示するアドバイス情報と対応する第2の適用条件を複数有し、選択された推奨運転モードと、使用実績量または選択された運転モードに基づいて、第2の適用条件の各々について満たすか否か判定し、満たすと判定された第2の適用条件と対応するアドバイス情報を選択し、且つ制御部(35)は、選択されたアドバイス情報を操作表示部(37)に表示させることが好ましい。
係る構成を有することにより、給湯システムの使用実績に基づいた適切なアドバイスをユーザに対して行うことができる。
さらに請求項3に記載のように、推奨モード選択手段(355)は、ユーザの重視する項目に応じて定められた複数の診断モードを有し、操作表示部(37)から受信した診断種別信号に基づいて、その複数の診断モードのうちの何れか一つを選択し、選択された診断モードに応じて第1の適用条件又は第2の適用条件を変更することが好ましい。
係る構成を有することにより、ユーザの嗜好あるいは重視する項目に応じて推奨する運転モード又はアドバイスメッセージを変更することができるので、ユーザは、自分の嗜好に合った最適な運転モードを選択することが容易となる。
さらに請求項4に記載のように、推奨モード選択手段(355)が診断モードとして給湯システムの運転コストの軽減を重視するモードを選択した場合、第1の適用条件で用いられる運転基準量は、貯湯タンク(21)に蓄積する湯量を熱量で表した目標蓄積熱量と、ヒートポンプユニット(10)で温水を加熱する際の目標到達温度である沸き増し温度とを含むことが好ましい。目標蓄積熱量及び沸き増し温度を判断基準として用いることにより、無駄な運転コストが生じているか否かを正確に判断できるので、適切な推奨運転モードを選択することができる。
あるいは請求項5に記載のように、推奨モード選択手段(355)が診断モードとして浴槽(7)に貯められた温水の再加熱を重視するモードを選択した場合、第1の適用条件で用いられる運転基準量は、貯湯タンク(21)内の標準貯湯量である学習貯湯量と、沸き増し温度とを含み、且つ第1の適用条件で用いられる使用実績量は、貯湯タンク(21)内の残湯を用いて浴槽(7)に貯められた温水の再加熱を行えない追い焚き待機状態の発生の有無を表す指標を含むことが好ましい。運転基準量及び使用実績量としてこのような指標などを用いることにより、追い焚き待機状態の発生を抑制できるような運転モードをユーザに推奨運転モードとして提示することができる。
あるいは請求項6に記載のように、推奨モード選択手段(355)が診断モードとして使用可能な湯量を重視するモードを選択した場合、第1の適用条件で用いられる運転基準量は、学習貯湯量と、沸き増し温度とを含み、且つ第1の適用条件で用いられる使用実績量は、所定期間における貯湯タンク(21)に貯められた使用可能湯量の最小値である最小残湯量を含むことが好ましい。運転基準量及び使用実績量としてこのような指標などを用いることにより、使用可能な湯量が不足する湯切れ状態の発生を抑制できるような運転モードをユーザに推奨運転モードとして提示することができる。
さらに請求項7に記載のように、第2の適用条件で用いられる使用実績量は、所定期間における1日当たりの使用湯量のバラツキを表す指標であることが好ましい。このような指標としては、例えば、所定期間における1日当たりの使用湯量の最大値と最小値の差、所定期間における1日当たりの使用湯量の最大値と1日当たりの平均使用湯量の差、あるいは、1日当たりの使用湯量の標準偏差を用いることができる。
さらに請求項8に記載のように、第2の適用条件は、選択された運転モードと、推奨された運転モードが一致するか否かを含むことが好ましい。係る条件に基づいてアドバイスメッセージを選択することにより、ユーザが不適切な運転モードで給湯システムを動作させている場合、適切な運転モードに変更するよう促すことができる。
また、請求項9に記載の形態によれば、温水を加熱するヒートポンプユニット(10)と、加熱された温水を貯湯する貯湯タンク(21)を有し、貯湯タンク(21)から浴槽(7)又は給湯栓(8)への出湯を行うタンクユニット(20)と、ユーザインターフェースを有する操作表示部(37)と、貯湯タンク(21)からの出湯量を測定する出湯量測定部(24、32)と、少なくとも貯湯タンク(21)から出湯された温水の温度を測定する温度測定部(29、31)と、出湯量測定部(24、32)で測定された出湯量及び温度測定部(29、31)で測定された温水温度を記憶する記憶部(36)と、動作を規定する複数の運転モードから選択された運転モードにしたがって動作を制御する制御部(35)とを有する給湯システムの運転モード診断方法が提供される。係る運転モード診断方法は、記憶部(36)に記憶された所定期間内の出湯量及び温水温度に基づいて、貯湯タンク(21)に貯湯する温水の沸き増し条件を決定する運転基準量を算出するステップと、所定期間内の出湯量及び温水温度に基づいて、給湯システムの使用実績を表す使用実績量を算出するステップと、ユーザに提示する推奨運転モードと対応する複数の第1の適用条件について、運転基準量と、使用実績量又は設定された運転モードに基づいて、第1の適用条件の各々について満たすか否か判定し、満たすと判定された前記第1の適用条件と対応する推奨運転モードを選択するステップと、選択された推奨運転モードを操作表示部(37)に表示するステップと、を有する。
さらに請求項10に記載のように、ユーザに提示するアドバイス情報と対応する複数の第2の適用条件について、選択された推奨運転モードと、使用実績量または選択された運転モードに基づいて、第2の適用条件の各々について満たすか否か判定し、満たすと判定された第2の適用条件と対応するアドバイス情報を選択するステップと、選択されたアドバイス情報を前記操作表示部(37)に表示するステップとを有することが好ましい。
さらに請求項11に記載のように、操作表示部(37)から診断種別信号を取得するステップと、診断種別信号に基づいて、ユーザの重視する項目に応じて定められた複数の診断モードのうちの何れか一つを選択し、その選択された診断モードに応じて第1の適用条件又は第2の適用条件を変更するステップとを有することが好ましい。
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る給湯システムについて詳細に説明する。本発明に係る給湯システムは、1日ごとの使用湯量の変動などに基づいて、ユーザによる給湯システムの使用実績を解析し、その解析結果から得られた基準量について、所定の条件を満たすか否かを調べることにより、ユーザに対して最適と思われる運転モード及びアドバイスを選択して提示するものである。
図1に、本発明に係る給湯システムの概略構成図を示す。本発明に係る給湯システム1は、ヒートポンプユニット10と、タンクユニット20を有する。
ヒートポンプユニット10は、電動ポンプ11、電気膨張弁12、蒸発器13、コンプレッサ14、電動ファン15、水冷媒熱交換器16、制御部17を有する。そして、電動ポンプ11は、ヒートポンプユニット10とタンクユニット20との間で温水を循環させるためのヒートポンプ配管(タンクユニット20からヒートポンプユニット10へ温水を流入させるヒートポンプ行き配管3a、ヒートポンプユニット10からタンクユニット20へ温水を戻すヒートポンプ戻り配管3b)に設けられ、ヒートポンプ配管3a、3bを通じて両ユニット間で温水の循環を行わせる。
また、電気膨張弁12、蒸発器13、コンプレッサ14、電動ファン15及び水冷媒熱交換器16は、ヒートポンプサイクルを構成する。そのヒートポンプサイクルでは、コンプレッサ14にて圧縮され、高圧となった冷媒が水冷媒熱交換器16に流入する。水冷媒熱交換器16において、その高圧の冷媒は、タンクユニット20より送られてきた温水と熱交換して温水を加熱する。一方、水冷媒熱交換器16を通過した放熱後の高圧の冷媒は、電気膨張弁12へ送られ、低圧状態に減圧される。そして低圧状態となった冷媒は蒸発器13へ送られ、蒸発器13で大気等から吸熱して蒸発し、その後、コンプレッサ14に吸入され、再度圧縮される。また電動ファン15は、蒸発器13に向けて外気を送風し、冷媒の蒸発を助ける。
ヒートポンプユニット10の制御部17は、例えば、組み込み型のマイクロプロセッサ及び不揮発性のメモリなどで構成される。そして、制御部17は、タンクユニット20の制御部35から通信用電線(図示せず)を通じて受信される、設定温度等の制御信号等に基づいて、温水の加熱温度を調節するために、電動ポンプ11、電気膨張弁12、コンプレッサ14及び電動ファン15を制御する。
一方、タンクユニット20は、貯湯タンク21と、貯湯タンク21に接続される浴槽配管5、給湯配管6及び水道配管9を有する。さらに、タンクユニット20は、貯湯タンク21及び各配管に設けられた各種の弁やサーミスタなどのセンサと、それらを制御する制御部35と、各種のデータを記憶する記憶部36と、ユーザからの操作指示信号の入力及び各種情報の表示を行う操作表示部37を有する。
貯湯タンク21は、ヒートポンプユニット10と接続されるヒートポンプ配管(ヒートポンプ行き配管3a及びヒートポンプ戻り配管3b)に接続されている。そして、貯湯タンク21は、ヒートポンプユニット10で加熱された高温の温水を保温貯蔵する。本実施形態では、貯湯タンク21として、370L(リットル)の容量を有するものを使用した。しかし、他の容量のタンクであってもよい。
さらに、タンクユニット20は、貯湯タンク21に貯められた温水を、貯湯タンク21の上方に取り付けられた取水口から浴槽配管5を通じて浴槽7に出湯させたり、取水口から給湯配管6を通じて給湯栓8に出湯させることができる。また、水道より供給される水道水が、水道配管9を通じて供給される。水道配管9は、湯張り混合弁22で浴槽配管5と接続される。同様に、水道配管9は、給湯混合弁30で給湯配管6と接続される。そして、湯張り混合弁22及び給湯混合弁30は、制御部35からの制御信号に基づいて、貯湯タンク21より出湯される温水と水道配管9を通じて供給される水道水を所定の割合で混合し、所定温度の温水を浴槽7又は給湯栓8に供給する。
さらに、水道配管9は、貯湯タンク21にも接続され、貯湯タンク21にユーザが使用した湯量に相当する水量の水道水を供給し、貯湯タンク21内の温水量を一定に保つ。
浴槽配管5には、湯張り混合弁22の下流側(浴槽7側)に、湯張り電磁弁23が設けられる。湯張り電磁弁23は、制御部35からの制御信号に基づいて、浴槽配管5を開閉し、浴槽7への出湯量を制御する。
また、浴槽配管5は、浴槽流量カウンタ24の下流側で、浴槽行き配管51と浴槽戻り配管52に分岐する。そして、浴槽行き配管51には、フロースイッチ28が設けられる。一方、浴槽戻り配管52には、上流側(貯湯タンク21側)から順に循環ポンプ25、循環電動弁26が設けられる。
循環ポンプ25は、浴槽行き配管51及び浴槽戻り配管52内に溜まったエアーを浴槽7に排出する。そのために、循環ポンプ25は、浴槽行き配管51及び浴槽戻り配管52内で温水を循環させる。
循環電動弁26は、浴槽戻り配管52を開閉し、浴槽7への湯張り、浴槽行き配管51と浴槽戻り配管52での温水の循環を循環ポンプ25とともに制御する。
また、浴槽行き配管51には、貯湯タンク21内の温水と、浴槽行き配管51を通る温水との間で熱交換を行う熱交換器(図示せず)が設けられる。そして、熱交換器は、浴槽行き配管51及び浴槽戻り配管52で循環させた浴槽7内の温水を再加熱して、所謂追い焚きを行う。
フロースイッチ28は、例えば、面積流量計の原理にしたがって動作するものを使用することができる。そして、フロースイッチ28は、浴槽行き配管51を流れる温水の流量を検出し、その流量が所定の閾値(例えば5リットル/分)以上の場合と未満の場合で異なる信号を制御部35に通知する。
上記の各部には、温水温度を測定する温度測定部として機能するサーミスタや出湯量を測定する出湯量測定部として機能する湯量カウンタなどが設けられる。そして、それらのサーミスタや湯量カウンタなどは、制御部35と通信可能に接続され、それらで測定された測定値を制御部35へ送信する。具体的には、タンク残湯サーミスタ33a〜33fが、貯湯タンク21の外表面に、貯湯タンク21の上側から下側にかけて順に貼り付けられる。そして、タンク残湯サーミスタ33a〜33fは、貯湯タンク21内の温水温度をそれぞれ測定する。本実施形態では、タンク残湯サーミスタ33a〜33fを、上から順に、タンク内の湯量が満杯となる状態で、貯湯された湯面の上端からの湯量が20L、50L、100L、150L、250L、330Lの位置に設置した。
また、給湯配管6には、給湯混合弁30よりも給湯栓8側に給湯温度サーミスタ31及び給湯カウンタ32が設けられる。そして、温度測定部として機能する給湯温度サーミスタ31は、給湯栓8より出湯される温水の温度を測定する。一方、出湯量測定部として機能する給湯カウンタ32は、給水栓8から出湯された温水の量を測定する。さらに、水道水温度サーミスタ34は、水道配管9に設けられ、供給される水道水の温度を測定する。
さらに、浴槽配管5には、電磁弁23の下流側に、浴槽流量カウンタ24及び浴槽循環温度サーミスタ29が設けられる。出湯量測定部として機能する浴槽流量カウンタ24は、浴槽配管5を流れる温水の流量を測定する。また、温度測定部として機能する浴槽循環温度サーミスタ29は、浴槽7に出湯される温水の温度を測定する。
さらに、浴槽7には、浴槽7内に貯められた温水の水位を検出する水位センサ27が設けられる。水位センサ27は、例えば圧力検知式のものを使用することができる。この場合、水位センサ27は、浴槽7内の側面に取り付けられ、水位センサ27に対して掛かる水圧が高くなるほど高い信号値を出力する。
制御部35は、組み込み型のマイクロプロセッサ及び不揮発性のメモリなどで構成される。そして、内蔵のメモリから読み込まれたプログラムにしたがって動作し、制御部35と通信可能な操作表示部37から受信した操作信号及び各サーミスタなどから取得したセンサ信号に基づいて、給湯システム1全体の制御を行う。また制御部35は、ユーザによる給湯システムの使用実績を解析して、ユーザに対して最適と思われる運転モード及びアドバイスを選択する。
図2に、制御部35の機能ブロック図を示す。制御部35は、給湯制御手段351、状態監視手段352、運転基準量算出手段353、使用実績量算出手段354、推奨モード選択手段355を有する。これらの各手段は、制御部35に読み込まれたプログラムによる機能モジュールとして実装される。
給湯制御手段351は、複数準備された運転モードのうち、操作表示部37を通じて設定された運転モードに基づいて、その運転モードに対応する沸き上げ温度TP、限界残湯量LSETなど、各種の設定パラメータを記憶部36から読み込む。そして、給湯制御手段351は、貯湯タンク21内の残湯量が所定量以下あるいは所定時間になると、設定された運転モードに従って、貯湯タンク21に貯湯される温水を所定の沸き上げ温度に加熱するために、ヒートポンプユニット10の制御部17に対する制御信号を通信用電線を通じて送信する。
また、給湯制御手段351は、操作表示部37から取得した操作信号などに基づいて、湯張り混合弁22、湯張り電磁弁23、循環ポンプ25、循環電動弁26、給湯混合弁30など、タンクユニット20の各機能ユニットに所定の制御信号を送信することにより、給湯される温水の温度や浴槽7に貯められる湯量がユーザの所望する値となるように制御する。
さらに、給湯制御手段351は、操作表示部37を通じて追い焚き指示がなされた場合、貯湯タンク21内の熱量と、浴槽7に貯められた温水の熱量をそれぞれ算出して比較することにより、追い焚き可能か否かを調べる。なお、貯湯タンク21内の熱量は、残湯量×温水温度で求めることができ、浴槽7に貯められた温水の熱量は、水位センサから取得した水位情報に基づいて求められる浴槽7内の湯量×浴槽循環温度サーミスタ29で測定した温度で求めることができる。給湯制御手段351は、貯湯タンク21内の熱量の方が浴槽7側の熱量よりも所定量以上多いと追い焚き可能と判断し、浴槽7に貯められた温水を浴槽配管51、52内で循環させ、熱交換器により加熱する。一方、貯湯タンク21内の熱量が浴槽7側の熱量に上記の所定量加えた量よりも少なければ、追い焚き不能と判断し、追い焚き待機状態とする。
なお、各機能ユニットの制御及びヒートポンプユニットの制御は、周知の様々な方法を用いて行うことが可能であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
図3に、本実施形態で使用可能な運転モードの系統図を示す。図3に示すように、使用可能な運転モードとして、深夜中にのみヒートポンプユニット10で温水を加熱して使用可能な湯を貯める「深夜のみ」モード301、残湯量が限界残湯量LSETを下回ると自動的に沸き増しを行う「おまかせ」モード302、及び常時使用可能な湯量を貯湯タンクいっぱいになるようにする「満タン」モード303がある。
また、「深夜のみ」モード301では、さらに温水をヒートポンプユニット10で加熱する際の目標温度である沸き上げ温度TPによって、湯多めモード311、標準モード312及び控えめモード313に分類される。湯多めモード311では、沸き上げ温度TPが90℃に設定される。また、標準モード312では、過去1週間の使用湯量に基づいて、沸き上げ温度TPは自動的に決定される。なお、沸き上げ温度TPの決定方法については後述する。そして、控えめモード313では、沸き上げ温度TPが65℃に設定される。
さらに、「おまかせ」モード302についても、貯湯タンク21内に最低限維持する使用可能湯量を表す限界残湯量LSETによって、湯量多めモード321、湯量中モード322、湯量少なめモード323及び湯量控えめモード324に分類される。そして、湯量多めモード321では、限界残湯量LSETは150Lに設定される。一方、湯量中モード322では、限界残湯量LSETは、過去1週間の使用湯量に基づいて、50L又は100Lの何れかに設定される。なお、この場合の限界残湯量LSETの決定方法については、後述する。また、湯量少なめモード323では、限界残湯量LSETは50Lに設定される。さらに、湯量控えめモード324では、限界残湯量LSETは20Lに設定される。なお、「おまかせ」モード302に含まれる各モード321〜324では、何れについても、沸き上げ温度TPを、上記の標準モード312と同様に自動的に決定する。
「満タン」モード303では、沸き上げ温度TPは90℃に設定され、限界残湯量LSETは250Lに設定される。
給湯制御手段351は、ユーザの選択により、上記の何れかの運転モードに従って動作する。なお、初期設定状態では、運転モードは「おまかせ」モード302の湯量中モード322に設定される。
状態監視手段352は、給湯システム1の動作情報を、ログ情報として生成し、記憶部36に記憶する。例えば、状態監視手段352は、出湯がなされた場合の出湯量、出湯温度、給水温度、強制沸き増し(すなわち、操作表示部37を通じてユーザが沸き増し指示を行うことによる温水加熱)の実施の有無及びその実施時の目標沸き上げ温度、沸き上げ時間、貯湯タンク21内の残湯量などを、操作表示部37からの指示信号、各サーミスタ又は出湯カウンタから取得したセンサ信号などに基づいて取得して、ログ情報に書き込む。さらに、状態監視手段352は、浴槽7に貯められた温水の再加熱、いわゆる追い焚きが操作表示部37を通じて指示された場合には、追い焚き沸き増しがされたこと、及び追い焚き待機となった場合には、そのこともログ情報に書き込む。そして、それらの値を、運転基準量算出手段353及び使用実績量算出手段354で各情報量を算出できるように、ログ情報を記憶部36に記憶する。
運転基準量算出手段353は、操作表示部37から運転モード診断の実行指示を受けた場合、あるいは、実際に沸き増しを行う場合など、必要に応じて、記憶部36に記憶されたログ情報に基づいて、1週間単位でユーザの1日平均使用湯量及びばらつきを計算する。そして、計算結果に基づいて、貯湯タンク21内に貯める湯量、湯温などを決定するための指標となる運転基準量を算出する。また、その運転基準量は、ユーザに提示する推奨運転モードの選択指標としても使用される。本実施形態では、運転基準量算出手段353は、運転基準量として、目標とする蓄積湯量を熱量換算した目標蓄熱量Qo、ヒートポンプユニット10で加熱される温水の目標温度である沸き上げ温度TP、貯湯タンク21内に最低限維持する使用可能湯量を表す限界残湯量LSET、貯湯タンク21内の標準貯湯量を表す学習貯湯量LTを算出する。
まず、沸き上げ温度TPを算出するために、運転基準量算出手段353は、目標蓄熱量Qoを以下の式に基づいて算出する。
Qo=Qave+Qσ×α (1)
ここで、Qaveは平均使用熱量であり、過去1週間における1日あたりの平均使用湯量を熱量に換算した値である。なお、平均使用湯量から平均使用熱量への換算は、(平均出湯温度THave−平均給水温度TSave)×出湯量Lfで求められる。そして、平均出湯温度THaveは、各出湯時において、給湯栓8から出湯される温水の温度を給湯温度サーミスタ31で測定し、あるい浴槽7に出湯される温水の温度を浴槽循環温度サーミスタ29で測定し、それらを平均することにより得られる。また、平均給水温度TSaveは、各出湯時において、水道から供給される水道水の温度を水道水温度サーミスタ34で測定し、それらを平均することにより得られる。さらに、出湯量Lfは、給湯栓8又は浴槽7へ出湯された温水の量を給湯カウンタ32又は浴槽流量カウンタ24で測定することにより得られる。また、Qσは過去1週間における1日当たりの使用熱量の標準偏差を表す。そして、αは係数であり、本実施形態では、運転モードが「おまかせ」モード302の湯量多めモード321のとき、α=1.1、運転モードが「おまかせ」モード302の湯量中モード322、「満タン」モード303又は「深夜のみ」モード301の標準モード312のとき、α=1.0、運転モードが「おまかせ」モード302の湯量少なめモード323のとき、α=0.9、運転モードが「おまかせ」モード302の湯量控えめモード324のとき、α=0.8にそれぞれ設定される。
また、運転基準量算出手段353は、限界残湯量LSETを決定する。上記のように、限界残湯量LSETは、湯量多めモード321、湯量少なめモード323及び湯量控えめモード324に対して、それぞれ150L、50L、20Lに設定される。そして、湯量中モードまたは深夜のみ標準モード312に対しては、過去1週間における、90℃換算した1日当たりの平均使用湯量Laveと、その90℃換算した1日当たりの使用湯量の標準偏差Lσに基づいて、以下のように設定される。
a)Lave>150LかつLσ>30Lの場合:LSET=100L
b)Lave>150LかつLσ≦30Lの場合:LSET=50L
c)Lave≦150LかつLσ>50Lの場合:LSET=100L
d)Lave≦150LかつLσ≦50Lの場合:LSET=50L
なお、Laveなどを算出するために必要な実測値が得られるまでは、初期値としてLSETは100Lに設定される。
運転基準量算出手段353は、目標蓄熱量Qo及び限界残湯量LSETを求めると、以下の式に基づいて、「おまかせ」モード302で使用される沸き上げ温度TPを決定する。
TP=(Qo/(ASC−LSET))+TSave (2)
ただし、TP<65℃となるときは、TP=65℃、TP>90℃となるときは、TP=90℃に設定される。また、ASCは貯水タンク21の容量であり、本実施形態ではASC=370である。また、「深夜のみ」モード301の標準モード312用に沸き上げ温度TPを算出する場合も同様である。また、目標蓄熱量Qoなどを算出するために必要な実測値が得られるまでは、初期値として、沸き上げ温度TPは90℃に設定される。
また、運転基準量算出手段353は、1日当たりの使用湯量を賄える貯湯量に相当する学習貯湯量LTを、以下の式で算出する。
LT=Qo/(TP−TSave) (3)
運転基準量算出手段353は、上記の各基準量を算出すると、制御部35の他の手段でそれらを利用可能なように、制御部35を構成するメモリ又は記憶部36に記憶する。
使用実績量算出手段354は、操作表示部37から運転モード診断の実行指示を受けた場合、記憶部36に記憶されたログ情報に基づいて、推奨運転モード又はユーザに提示するアドバイスメッセージの選択指標となる使用実績量を求める。本実施形態では、使用実績量算出手段354は、使用実績量として、過去1週間以内の1日当たりの使用湯量の最大値と最小値の差LD、指示された測定時における貯湯タンク21内の残湯量LR、過去1週間において残湯量が最小となったときの値である最小残湯量LMINを求める。なお、残湯量LRは、以下のように算出される。貯湯タンク21内には、ヒートポンプユニット10で加熱された湯は貯湯タンク21の上方からタンク内に供給され、一方貯湯タンク21の下部には、水道配管9を通じて使用した湯量に相当する水量が供給されるから、貯湯タンク21内では、上から下へ向けて順に湯温が低下する。そこで、貯湯タンク21内の湯温をタンク残湯サーミスタ33a〜33fで調べ、使用限界温度まで低下した位置の湯量を残湯量LRとする。そのために、使用実績量算出手段354は、各タンク残湯サーミスタ33a〜33fの測定温度を上側に設置されたサーミスタから順に調べ、最初に使用可能限界温度(例えば、42℃)よりも低下した測定温度を返すサーミスタを特定する。そして、その測定温度と、そのサーミスタの上方に隣接するサーミスタによる測定温度とで線形補間を行うことにより、使用限界温度となる位置を求める。
使用実績量算出手段354は、上記の各使用実績量を算出すると、制御部35の他の手段でそれらを利用可能なように、制御部35を構成するメモリ又は記憶部36に記憶する。
推奨モード選択手段355は、運転基準量算出手段353で算出された運転基準量及び使用実績量算出手段354で算出された使用実績量と、現在設定されている運転モードと、推奨運転モード及びアドバイスメッセージとの関係を記述した参照テーブルに基づいて、ユーザに提示する推奨運転モード及びアドバイスメッセージを決定する。
さらに、推奨モード選択手段355は、ユーザの嗜好にあわせて推奨運転モード及びアドバイスメッセージを決定するために、ユーザが重視する事項に応じて設定された診断モードごとに参照テーブルを有する。そして、推奨モード選択手段355は、操作表示部37を通じて入力された、診断モードの種別を表す診断種別信号にしたがって、参照テーブルを選択し、推奨運転モード等の選択に使用する。
図4〜図6に、参照テーブルの例を示す。なお、図4は、ユーザが運転コストの軽減、所謂省エネを重視する診断モードの参照テーブル401を示し、図5は、ユーザが追い炊き機能を重視する診断モードの参照テーブル501を示し、図6は、ユーザが使用可能な湯量を重視する診断モードの参照テーブル601を示す。
図4を参照しつつ、推奨運転モードの選択及びアドバイスメッセージの選択手順について以下に説明する。
参照テーブル401は、推奨運転モードを選択するための適用条件(第1の適用条件)を示した推奨運転モード分析欄411と、推奨運転モード分析欄411の各項目に対応する推奨運転モードを示した推奨運転モード欄412と、アドバイスメッセージを選択するための適用条件(第2の適用条件)を示した使用法分析欄413と、使用法分析欄413の各項目に対応するアドバイスメッセージを示したアドバイスメッセージ欄414を含む。
まず、推奨モード選択手段355は、運転基準量の一つである目標蓄熱量Qoなどに基づいて、参照テーブル401のうち、推奨運転モード分析欄411の各項目に示された各適用条件を満たすか否か調べる。何れかの項目について、適用条件を満たすと、その適用条件を満たす項目に対応する、推奨運転モード欄412の項目を選択する。そして、その欄に示されている運転モードを推奨運転モードとする。例えば、目標蓄熱量Qoが深夜沸き上げ可能熱量Qn以下であり、沸き上げ温度TPが80℃であれば、推奨運転モード分析欄411の項目411aの適用条件を満たすので、その項目411aに対応する推奨運転モード欄412の項目412aから、推奨運転モードとして「深夜のみ」モードの標準モードが選択される。なお、目標蓄熱量Qoが深夜沸き上げ可能熱量Qn以下であり、沸き上げ温度TPが65℃であれば、推奨運転モードとして「深夜のみ」モードの控えめモードが選択される。なお、深夜沸き上げ可能熱量Qnは、深夜中にヒートポンプユニット10を稼動して得られる最大熱量であり、ヒートポンプユニット10の能力に応じて決定される。
また、目標蓄熱量Qoが深夜沸き上げ可能熱量Qnより大きい場合には、項目411b〜411d及びそれらの項目に対応する推奨運転モード欄412の項目412b〜412dから、「おまかせ」モードの何れかのモードが選択される。すなわち、設定された運転モードが「おまかせ」モードの湯量中モードでかつ過去1週間の最小残湯量LMINが50L以上であれば、推奨運転モード分析欄411の項目411bの適用条件を満たすので、その項目411bに対応する推奨運転モード欄412の項目412bから、推奨運転モードとして「おまかせ」モードの湯量少なめモードが選択される。あるいは、沸き上げ温度TPが65℃かつ過去1週間の最小残湯量LMINが20L以上であれば、推奨運転モード分析欄411の項目411cの適用条件を満たすので、その項目411cに対応する推奨運転モード欄412の項目412cから、推奨運転モードとして「おまかせ」モードの湯量控えめモードが選択される。それ以外の場合には、推奨運転モードとして「おまかせ」モードの湯量中モードが選択される。
推奨モード選択手段355は、推奨運転モードを選択すると、その推奨運転モードに対応する使用法分析欄413の各項目について、適用条件を満たすものを調べる。そして、適用条件を満たす項目を見つけると、その項目に対応するアドバイスメッセージを、アドバイスメッセージ欄414から選択する。
例えば、推奨運転モードが「深夜のみ」モードの標準モードと決定された場合において、過去1週間以内の1日当たりの最大使用湯量と最小使用湯量の差LDが200L以上であれば(すなわち、使用法分析欄413の項目413aの適用条件aを満たせば)、その項目413aに対応するアドバイスメッセージ欄414の項目414aから、アドバイスメッセージとして、Aの「お湯使用がバラツキ傾向です。安定するとより省エネになります」が選択される。あるいは、過去1週間において、午後11時における残湯量LRが常に100L以上であり、且つ強制沸き増しが実施されたことが有る場合には、使用法分析欄413の項目413bの適用条件bを満たすので、その項目413bに対応するアドバイスメッセージ欄414の項目414bから、アドバイスメッセージとして、Bの「強制沸き増し量が多い傾向です。控えると省エネになります」が選択される。さらに、適用条件a、bが満たされない場合であって、設定されている運転モードと推奨運転モードが一致する場合、使用法分析欄413の項目413cの適用条件cを満たすので、その項目413cに対応するアドバイスメッセージ欄414の項目414cから、アドバイスメッセージとして、Cの「上手に使われております」が選択される。さらにまた、適用条件a〜cの何れも満たされない場合は、適用条件dに該当するため、アドバイスメッセージ欄414の項目414dから、アドバイスメッセージとして、Dの「推奨運転モードをご使用願います」が選択される。
また、推奨運転モードとして「おまかせ」モードの湯量控えめが選択された場合において、上記の差LDが100L以下であり、且つ深夜間(23:00〜7:00)における過去1週間の残湯量LRが常に20L以上50L以下の場合、使用法分析欄413の項目413bの適用条件bを満たすので、その項目413fに対応するアドバイスメッセージ欄414の項目414fから、アドバイスメッセージとして、Fの「非常に省エネな使われ方です。そのままのお使いをお勧めします」が選択される。一方、推奨運転モードとして「おまかせ」モードの湯量中が選択された場合において、最小残湯量LMINが20L以下の場合は項目413jの適用条件eを満たすので、その項目413jに対応するアドバイスメッセージ欄414の項目414jから、アドバイスメッセージとしてEの「湯切れによる昼間沸き増しが出ています。使用湯量を控えると省エネになります」が選択される。なお、使用法分析欄413の項目413e及びアドバイスメッセージ欄414の項目414eは、簡単化のためにそれぞれ一つの項目として記載した。しかし実際には、項目413eには、項目413a〜413dと同様に適用条件a〜dの何れかを含む4個の項目が含まれる。また項目414eには、適用条件a〜dにそれぞれアドバイスメッセージA〜Dが対応するように、4個の項目が含まれる。項目413g〜413i、414g〜414iについても同様である。
同様に、他の参照テーブル501、601が使用される場合にも、推奨モード選択手段355は、推奨運転モード分析欄のうち、適用条件を満たす項目を見つけて推奨運転モードを選択し、その後、使用法分析欄のうち、適用条件を満たす項目をみつけてアドバイスメッセージを選択する。例えば、診断を重視する項目として、追い焚きが選ばれ、図5に示す参照テーブル501が選択された場合について説明する。この場合において、学習貯湯量LTが(370−β)未満で、過去1週間において追い焚き待機発生及び追い焚き沸き増しがともに無く、且つ沸き上げ温度TPが80℃以上かつ90℃以下であれば、推奨運転モードとして「深夜のみ」モードの湯多めモードが推奨運転モードとして選択される。なお、上記のβは、安全係数であり、例えば20Lに設定される。また、学習貯湯量LTが(370−β)未満で、過去1週間において追い焚き待機発生及び追い焚き沸き増しがともに無く、且つ沸き上げ温度TPが65℃以上かつ79℃以下であれば、推奨運転モードとして「深夜のみ」モードの標準モードが推奨運転モードとして選択される。
また、推奨運転モードとして「深夜のみ」モードの湯多め又は標準が選択された場合において、設定されている運転モードと推奨運転モードが一致する場合(すなわち、適用条件gを満たす場合)、アドバイスメッセージとして、Gの「上手に使われております」が選択される。一方、設定されている運転モードと推奨運転モードが一致しない場合(すなわち、適用条件hを満たす場合)、アドバイスメッセージとして、Hの「推奨運転モードをご使用願います」が選択される。
一方、学習貯湯量LTが(370−β)以上か、過去1週間において追い焚き待機若しくは追い炊き沸き増しが発生した場合には、設定運転モードの種類に応じて推奨運転モードが選択される。例えば、設定運転モードが「おまかせ」モードの湯量多めで追い焚き待機発生有の場合、推奨運転モードとして「満タン」モードが選択される。この場合、アドバイスメッセージとして、Iの「追い焚き待機に入る場合は、事前の強制沸き増しをお勧めします」が選択される。
また、設定運転モードが湯量多め以外の「おまかせ」モードで追い焚き待機発生有の場合、推奨運転モードとして「おまかせ」モードの湯量多めが選択される。この場合、設定されている運転モードと推奨運転モードが一致すれば(すなわち、適用条件gを満たす場合)、アドバイスメッセージとして、IとともにGが選択され、設定されている運転モードと推奨運転モードが一致しない場合(すなわち、適用条件hを満たす場合)、アドバイスメッセージとして、IとともにHが選択される。
さらにまた、設定運転モードが「おまかせ」モードの湯量少なめで、過去1週間において追い焚き待機発生及び追い焚き沸き増しがともに発生していない場合、推奨運転モードとして「おまかせ」モードの湯量少なめが選択される。この場合、アドバイスメッセージとして自動的にGが選択される。それ以外の場合には、推奨運転モードとして、「おまかせ」モードの湯量中が選択される。そして、使用法分析として上記の適用条件g又はhの何れを満たすかが調べられる。そして、gが満たされると判断された場合はメッセージG、hが満たされると判断された場合はメッセージHが、アドバイスメッセージとして選択される。
また、診断を重視する項目として、湯量が選ばれ、図6に示す参照テーブル601が選択された場合について、以下に説明する。この場合において、学習貯湯量LTが(370−β)未満で、過去1週間における最小残湯量LMINが100Lより多く、且つ沸き上げ温度TPが80℃以上かつ90℃以下であれば、推奨運転モードとして「深夜のみ」モードの湯多めモードが推奨運転モードとして選択される。なお、上記のβは、参照テーブル501の推奨運転モード解析で用いられているものと同様の安全係数であり、例えば20Lに設定される。また、学習貯湯量LTが(370−β)未満で、過去1週間における最小残湯量LMINが100Lより多く、且つ沸き上げ温度TPが65℃以上かつ79℃以下であれば、推奨運転モードとして「深夜のみ」モードの標準モードが推奨運転モードとして選択される。
また、推奨運転モードとして「深夜のみ」モードの湯多め又は標準が選択された場合において、設定されている運転モードと推奨運転モードが一致する場合(すなわち、適用条件jを満たす場合)、アドバイスメッセージとして、Jの「上手に使われております」が選択される。一方、設定されている運転モードと推奨運転モードが一致しない場合(すなわち、適用条件kを満たす場合)、アドバイスメッセージとして、Kの「推奨運転モードをご使用願います」が選択される。
一方、学習貯湯量LTが(370−β)以上か、過去1週間における最小残湯量LMINが100L以下となる場合には、設定運転モードの種類及び最小残湯量LMINに応じて推奨運転モードが選択される。例えば、設定運転モードが「おまかせ」モードの湯量多めで最小残湯量LMINが100L未満か、設定運転モードが「満タン」モードで最小残湯量LMINが100L以上150L未満の場合、推奨運転モードとして「満タン」モードが選択される。この場合において、1日当たりの使用湯量の最大値が、(過去1週間の1日当たりの平均使用湯量+200L)よりも多く、最小残湯量LMINが50L未満であれば(すなわち、使用法分析の適用条件lを満たせば)、アドバイスメッセージとして、Lの「来客等で、いつもより多く使用される場合は、満タンモードをお勧めします」が選択される。また、適用条件lを満たさず、適用条件jを満たす場合は、アドバイスメッセージとしてJが選択され、適用条件kを満たす場合は、アドバイスメッセージとしてKが選択される。
また、設定運転モードが湯量多め以外の「おまかせ」モードで最小残湯量LMINが100L未満であれば、推奨運転モードとして「おまかせ」モードの湯量多めが選択される。それ以外の場合には、推奨運転モードとして、「おまかせ」モードの湯量中が選択される。そして、推奨運転モードとして、「おまかせ」モードの湯量多め又は湯量中が選択される場合、使用法分析として上記の適用条件l、j、kが順に調べられる。そして、それら適用条件l、j、kのうち、満たされるものに対応するメッセージL、J、Kの何れかがアドバイスメッセージとして選択される。
なお、上記のように、各参照テーブルは、適用条件として条件分岐の判断を伴う。そのため、各参照テーブルは、推奨モード選択手段355を実現するプログラムモジュールに直接組み込むことによって実装される。
記憶部36は、不揮発性メモリ、磁気ディスク又は光ディスクなどで構成され、制御部35で使用する各種情報及びプログラムを記憶する。具体的には、状態監視手段352により作成されたログ情報、上記の運転基準量などを記憶する。
操作表示部37は、例えば、制御部35と赤外線通信を行うリモコン装置で構成される。あるいは、制御部35と通信用電線を通じて電気的に接続されるものであってもよい。また、操作表示部37は、ユーザインターフェースとして機能する、操作信号を生成するための複数の操作ボタン及び液晶ディスプレイで構成される表示部などを有する。そして、操作表示部37は、ユーザが操作ボタンを押すことによって、所定の操作信号を制御部35へ送信する。また操作表示部37は、制御部35から受信した通知信号に基づき、各種の情報を表示部に表示する。なお、操作信号は、例えば、給湯システム1のオン/オフ信号、タンクユニット20から取水される温水の設定温度を表す信号、強制沸き増しの実行信号、浴槽7への湯張り実行信号、追い焚き指示信号などである。
さらに、操作表示部37は、給湯システム1の運転モード設定及び運転モードの診断指示を行う。そして、運転モードの診断結果を表示する。
図7(a)に、運転モード診断実行指示時における操作表示部37の概略図を示す。操作表示部37の表示領域371には、診断時において重視する項目(省エネ、追い焚き、湯量)が表示される。ユーザが、操作表示部37の下部に設けられた操作ボタンを操作して、その項目の中から何れか一つを選択すると、操作表示部37から制御部35に対して、その選択した項目に一意に対応する診断種別信号及び診断実行信号が送信される。そして、制御部35で、運転モードの診断が開始される。そして、診断結果が得られると、制御部35から操作表示部37に対して、その診断結果が送られる。
図7(b)に運転モード診断結果表示時における操作表示部37の概略図を示す。操作表示部37の表示領域371には、診断時に重視した項目(図の例では、省エネ重視)、推奨される運転モード(図の例では、深夜のみモードの標準モード)、及びアドバイスメッセージが表示される。ユーザは、その表示を参照することで、給湯システム1に対して容易に自分が重視する項目について適切な運転モードを選択することができ、また使用法の改善を図ることができる。
以下に、本発明に係る給湯システム1の運転モード診断時の処理について、図8を用いて説明する。なお、係る動作は、タンクユニット20の制御部35に読み込まれたプログラムにしたがって制御される。
図8に示すように、操作表示部37を通じて診断実行指示がなされると、まず、制御部35は、ユーザが重視する診断項目を示す診断種別信号を操作表示部37から取得する(ステップS101)。そして、制御部35の推奨モード選択手段355は、取得した診断種別信号にしたがって、参照テーブルを選択する(ステップS102)。次に、制御部35の運転基準量算出手段353は、選択された参照テーブルにおいて、推奨運転モードを選択するために、過去1週間のログ情報に基づいて、各運転基準量を算出する(ステップS103)。また、制御部35の使用実績量算出手段354は、推奨運転モード及びアドバイスメッセージを選択するために、過去1週間のログ情報に基づいて、使用実績量を算出する(ステップS104)。なお、各運転基準量及び使用実績量の算出方法については、上述したとおりである。そして、推奨モード選択手段355は、貯湯基準情報及び設定されている運転モードに基づいて、選択された参照テーブルから該当する項目を選択し、その項目に関連付けられている運転モードを推奨運転モードとして選択する(ステップS105)。また、例えば、診断モードが追い焚き重視の場合などには、追い焚きに関する追い焚き情報も、推奨運転モードの選択に利用する。次に、推奨モード選択手段355は、使用湯量に関連する使用状況情報、設定されている運転モード及び推奨運転モードに基づいて、選択された参照テーブルから該当する項目を選択し、その項目に関連付けられているアドバイスメッセージを選択する(ステップS106)。最後に、選択された推奨運転モード及びアドバイスメッセージを操作表示部37に送り、その表示部に表示させる(ステップS107)。
以上説明してきたように、本発明に係る給湯システムは、1日ごとの使用湯量の変動などに基づいて、ユーザによる給湯システムの使用実績及び使用法を解析し、予め準備された解析パターンと比較することにより、ユーザに対して最適と思われる運転モード及びアドバイスを提示することができる。さらに、ユーザの嗜好又は重視する項目に合わせて、推奨運転モード及びアドバイスメッセージの選択に関する条件を変更するので、ユーザは、本発明に係る給湯システムについて、自分の嗜好に合った最適な運転モードを選択することが容易となり、また無意味な運転コストの増加を避けることができる。
なお、上述してきた実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では、給湯システムは、診断指示がなされたときに、推奨運転モード及びアドバイスメッセージを表示するだけであったが、推奨運転モードが現在実行中の運転モードと異なる場合には、運転モードを推奨運転モードに自動的に変更する運転モード選択手段を制御部35に設けてもよい。
また、運転モードの診断を、操作表示部を通じて指示された場合に行うのではなく、例えば、前回の診断時から、所定期間(例えば、1週間)経過すると、自動的に実行するようにしてもよい。さらに、上記の各参照テーブルに記述される推奨運転モード分析又は使用法分析の各適用条件、アドバイスメッセージの内容も、上述したものに限られない。さらにまた、上記の実施形態では、運転基準量及び使用実績量を、その算出時を基準とした過去1週間のデータを用いて算出した。しかし、それらの量の算出に用いるデータの期間は1週間に限られず、例えば、10日間、2週間あるいは1ヶ月間としてもよい。
また、本発明を、ヒートポンプ式給湯システムを利用した床暖房システムに適用することもできる。この場合、運転モードの診断時に重視する項目として床暖房が追加され、その項目に対応した参照テーブルが推奨モード選択手段355に追加される。そして、床暖房重視の診断を行うために、推奨運転モードを決定するための運転基準量として、床暖房使用中の残湯量に基づいて、床暖房使用可能熱量を算出する。そして、例えば、推奨運転モードの診断時から過去1週間以内に、床暖房使用可能熱量が、床暖房の設定温度及び暖房面積によって定められる必要熱量を下回ることが観測されたか否かを、参照テーブルの推奨運転モード分析欄の適用条件の一つとして設定することができる。そして、その条件を満たす場合の推奨運転モードとして、「満タン」モードが選択されるように、推奨運転モード欄を作成する。同様に、診断時から過去1週間以内における床暖房の使用時間を、使用実績量として求め、その床暖房使用時間が、全て深夜時間であるか否かを、参照テーブルの推奨運転モード分析欄の適用条件の一つとして設定してもよい。そして、その条件を満たす場合の推奨運転モードとして、「おまかせ」モードが選択されるように、推奨運転モード欄を作成する。さらに、設定されている運転モードが「満タン」モードの場合で、且つ床暖房使用可能熱量が、必要熱量を下回ることが観測されたか否かを、参照テーブルの使用法分析欄の適用条件の一つとして設定することができる。そして、その条件を満たす場合のアドバイスメッセージとして、「床暖房使用時間の削減をお勧めします」といったメッセージが選択されるように、アドバイスメッセージ欄を作成することができる。
上記のように、本発明に係る給湯システムは、本発明の範囲内で適宜最適化される。
本発明を適用した給湯システムの構成ブロック図である。 タンクユニットの制御部の機能ブロック図である。 本発明を適用した給湯システムで使用可能な運転モードの系統図である。 省エネを重視する場合の推奨運転モード及びアドバイスメッセージの参照テーブルである。 追い焚きを重視する場合の推奨運転モード及びアドバイスメッセージの参照テーブルである。 使用可能湯量を重視する場合の推奨運転モード及びアドバイスメッセージの参照テーブルである。 (a)は運転モード診断実行指示時における操作表示部の表示画面の概略図であり、(b)は運転モード診断結果表示時における操作表示部の表示画面の概略図である。 本発明を適用した給湯システムの推奨運転モード診断処理の動作手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 給湯システム
5 浴槽配管
6 給湯配管
7 浴槽
8 給湯栓
9 水道配管
10 ヒートポンプユニット
20 タンクユニット
21 貯湯タンク
24 浴槽流量カウンタ
27 水位センサ
29 浴槽循環温度サーミスタ
31 給湯温度サーミスタ
32 給湯カウンタ
33a〜33f タンク残湯サーミスタ
34 水道水温度サーミスタ
35 制御部
351 給湯制御手段
352 状態監視手段
353 運転基準量算出手段
354 使用実績量算出手段
355 推奨モード選択手段
36 記憶部
37 操作表示部

Claims (11)

  1. 温水を加熱するヒートポンプユニット(10)と、加熱された温水を貯湯する貯湯タンク(21)を有し、該貯湯タンク(21)から浴槽(7)又は給湯栓(8)への出湯を行うタンクユニット(20)とを有する給湯システムであって、
    ユーザインターフェースを有する操作表示部(37)と、
    前記貯湯タンク(21)からの出湯量を測定する出湯量測定部(24、32)と、
    少なくとも前記貯湯タンク(21)から出湯された温水の温度を測定する温度測定部(29、31)と、
    前記出湯量測定部(24、32)で測定された出湯量及び前記温度測定部(29、31)で測定された温水温度を記憶する記憶部(36)と、
    前記給湯システムの動作を規定する複数の運転モードから選択された運転モードにしたがって前記給湯システムの動作を制御する制御部であって、
    前記記憶部(36)に記憶された所定期間内の出湯量及び温水温度に基づいて、前記貯湯タンク(21)に貯湯する温水の沸き増し条件を決定する運転基準量を算出する運転基準量算出手段(353)と、
    前記所定期間内の出湯量及び温水温度に基づいて、前記給湯システムの使用実績を表す使用実績量を算出する使用実績量算出手段(354)と、
    ユーザに提示する推奨運転モードと対応する第1の適用条件を複数有し、前記運転基準量と、前記使用実績量又は前記選択された運転モードに基づいて、前記第1の適用条件の各々について満たすか否か判定し、満たすと判定された前記第1の適用条件と対応する前記推奨運転モードを選択する推奨モード選択手段(355)とを有し、選択された前記推奨運転モードを前記操作表示部(37)に表示させる制御部(35)と、
    を有することを特徴とする給湯システム。
  2. 前記推奨モード選択手段(355)は、ユーザに提示するアドバイス情報と対応する第2の適用条件を複数有し、前記選択された推奨運転モードと、前記使用実績量または前記選択された運転モードに基づいて、前記第2の適用条件の各々について満たすか否か判定し、満たすと判定された前記第2の適用条件と対応する前記アドバイス情報を選択し、且つ前記制御部(35)は、前記選択されたアドバイス情報を前記操作表示部(37)に表示させる、請求項1に記載の給湯システム。
  3. 前記推奨モード選択手段(355)は、ユーザの重視する項目に応じて定められた複数の診断モードを有し、前記操作表示部(37)から受信した診断種別信号に基づいて、該複数の診断モードのうちの何れか一つを選択し、該選択された診断モードに応じて前記第1の適用条件又は前記第2の適用条件を変更する、請求項2に記載の給湯システム。
  4. 前記推奨モード選択手段(355)が前記診断モードとして前記給湯システムの運転コストの軽減を重視するモードを選択した場合、前記第1の適用条件で用いられる前記運転基準量は、前記貯湯タンク(21)に蓄積する湯量を熱量で表した目標蓄積熱量と、前記ヒートポンプユニット(10)で温水を加熱する際の目標到達温度である沸き増し温度とを含む、請求項3に記載の給湯システム。
  5. 前記推奨モード選択手段(355)が前記診断モードとして浴槽(7)に貯められた温水の再加熱を重視するモードを選択した場合、前記第1の適用条件で用いられる前記運転基準量は、前記貯湯タンク(21)内の標準貯湯量である学習貯湯量と、前記ヒートポンプユニット(10)で温水を加熱する際の目標到達温度である沸き増し温度とを含み、且つ前記第1の適用条件で用いられる前記使用実績量は、前記貯湯タンク(21)内の残湯を用いて浴槽(7)に貯められた温水の再加熱を行えない追い焚き待機状態の発生の有無を表す指標を含む、請求項3に記載の給湯システム。
  6. 前記推奨モード選択手段(355)が前記診断モードとして使用可能な湯量を重視するモードを選択した場合、前記第1の適用条件で用いられる前記運転基準量は、前記貯湯タンク(21)内の標準貯湯量である学習貯湯量と、前記ヒートポンプユニット(10)で温水を加熱する際の目標到達温度である沸き増し温度とを含み、且つ前記第1の適用条件で用いられる前記使用実績量は、前記所定期間における前記貯湯タンク(21)に貯められた使用可能湯量の最小値である最小残湯量を含む、請求項3に記載の給湯システム。
  7. 前記第2の適用条件で用いられる前記使用実績量は、前記所定期間における1日当たりの使用湯量のバラツキを表す指標である、請求項4に記載の給湯システム。
  8. 前記第2の適用条件は、前記選択された運転モードと、前記推奨された運転モードが一致するか否かを含む、請求項4〜6の何れか一項に記載の給湯システム。
  9. 温水を加熱するヒートポンプユニット(10)と、加熱された温水を貯湯する貯湯タンク(21)を有し、該貯湯タンク(21)から浴槽(7)又は給湯栓(8)への出湯を行うタンクユニット(20)と、ユーザインターフェースを有する操作表示部(37)と、前記貯湯タンク(21)からの出湯量を測定する出湯量測定部(24、32)と、少なくとも前記貯湯タンク(21)から出湯された温水の温度を測定する温度測定部(29、31)と、前記出湯量測定部(24、32)で測定された出湯量及び前記温度測定部(29、31)で測定された温水温度を記憶する記憶部(36)と、動作を規定する複数の運転モードから選択された運転モードにしたがって動作を制御する制御部(35)とを有する給湯システムの運転モード診断方法であって、
    前記記憶部(36)に記憶された所定期間内の出湯量及び温水温度に基づいて、前記貯湯タンクに貯湯する温水の沸き増し条件を決定する運転基準量を算出するステップと、
    前記所定期間内の出湯量及び温水温度に基づいて、前記給湯システムの使用実績を表す使用実績量を算出するステップと、
    ユーザに提示する推奨運転モードと対応する複数の第1の適用条件について、前記運転基準量と、前記使用実績量又は前記選択された運転モードに基づいて、前記第1の適用条件の各々について満たすか否か判定し、満たすと判定された前記第1の適用条件と対応する推奨運転モードを選択するステップと、
    選択された前記推奨運転モードを前記操作表示部(37)に表示するステップと、
    を有することを特徴とする運転モード診断方法。
  10. ユーザに提示するアドバイス情報と対応する複数の第2の適用条件について、前記選択された推奨運転モードと、前記使用実績量または前記選択された運転モードに基づいて、前記各第2の適用条件の各々について満たすか否か判定し、満たすと判定された前記第2の適用条件と対応するアドバイス情報を選択するステップと、
    前記選択されたアドバイス情報を前記操作表示部(37)に表示するステップと、
    を有する請求項9に記載の運転モード診断方法。
  11. 前記操作表示部(37)から診断種別信号を取得するステップと、
    前記診断種別信号に基づいて、ユーザの重視する項目に応じて定められた複数の診断モードのうちの何れか一つを選択し、該選択された診断モードに応じて前記第1の適用条件又は前記第2の適用条件を変更するステップと、
    を有する請求項10に記載の運転モード診断方法。
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