本発明は改質用燃料を反応させて水素を含有する改質ガスを生成する改質装置に関する。
一般的には、改質装置は、蒸発部に改質水を供給する改質水供給部と、蒸発部を経た気相または液相の水と改質用燃料とを反応させることにより、一酸化炭素を含有する改質ガスを生成する改質部と、改質部に改質用燃料を供給する改質用燃料供給部と、改質部で形成された改質ガスに含まれる一酸化炭素を低減させるCOシフト部と、COシフト部よりも下流に配設され、COシフト部を経た改質ガスに残留する一酸化炭素と酸素とを酸化反応させることにより、改質ガスに残留する一酸化炭素を更に低減させるCO酸化除去部と、CO酸化除去部に酸素を供給する酸素供給部とを備えている。
前述したように、改質装置の運転中において、CO酸化除去部は、改質ガスに残留する一酸化炭素と酸素とを酸化反応させることにより一酸化炭素を酸化除去する。CO酸化除去部は、かかる酸化反応を促進させる触媒を有する。しかし改質装置の使用につれて、触媒の性能は次第に低下していく。システムの運転停止中、メンテナンス時等において、還元性をもつ水素を含有する改質ガスが生成されていないため、CO酸化除去部内の触媒は、空気の侵入などにより酸化される条件になり得る。この場合、触媒の性能は酸化により変化する。更に、硫黄成分が触媒の活性を低下させるおそれもある。改質装置の運転が再開されれば、水素を含有する改質ガスが生成されるため、触媒の僅かな酸化であれば、触媒の還元再生が進行する。しかし改質部が長期にわたり使用されると、触媒の性能が次第に変化する。
特許文献1は、改質用燃料を改質部に供給して改質部を運転させて改質ガスを発生させながら、酸素供給部によりCO酸化除去部に酸素を供給する操作を停止し、かつ、CO酸化除去部の触媒の温度を運転温度よりも高温の領域に維持する高温処理を行い、CO酸化除去部における触媒を再生させる技術を開示している。
特許文献2は、水素を主成分とする燃料ガスに含まれる一酸化炭素を酸化除去する一酸化炭素除去触媒(ルテニウム、ロジウム、白金など)と、窒素などの不活性ガスを含むガスとを混合させることにより、一酸化炭素除去触媒を活性化させる技術を開示している。
特許文献3は、燃料および改質水に不活性ガスを加えて改質部に供給することによって、改質装置内に充填された触媒を還元処理させる技術を開示している。
特許文献4は、原燃料と空気とが供給される起動用燃焼器と触媒再生手段とを備える技術を開示している。触媒再生手段は、燃料電池システムの起動時において、起動用燃焼器により高温の還元ガスを触媒反応部に供給することにより触媒を還元させる。
特開2006−169013号公報
特開2002−85983号公報
特開2005−281009号公報
特開2002−124286号公報
しかしながら上記した特許文献1〜4によれば、CO酸化除去部における触媒を再生させ、触媒の長寿命化を図るには必ずしも充分ではない。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、CO酸化除去部における触媒を再生させ、触媒の長寿命化を図るのに有利な改質装置を提供することを課題とする。
本発明に係る改質装置は、(a)水素を含有すると共に一酸化炭素を含有する改質ガスを改質用燃料から生成する改質部と、(b)改質部で形成された改質ガスに含まれている一酸化炭素を第1の温度領域においてかつ酸素含有雰囲気において酸化反応させることにより、改質ガスから一酸化炭素を低減させる触媒を有するCO酸化除去部と、(c)CO酸化除去部に酸素成分を供給する酸素供給部と、(d)CO酸化除去部の触媒を再生させる触媒再生処理を行う制御装置とを具備しており、
触媒再生処理は、
(i)水素を含有する改質ガスをCO酸化除去部内に残留させる残留操作と、
(ii)CO酸化除去部に酸素成分を供給することを停止する酸素供給停止操作と、
(iii)CO酸化除去部の触媒を再生させる触媒再生温度領域にCO酸化除去部の触媒を維持する温度維持操作とを含む。
本発明によれば、制御装置は、(i)(ii)(iii)の条件を満足させる触媒再生処理を行う。
(i)制御装置は、水素を含有する改質ガスをCO酸化除去部内に残留させる。改質ガスは、還元性を有する水素を含有する。ここで、改質ガスは水素を主要成分として含有することが好ましい。改質ガスは水素を10モル%以上、20モル%以上含むことが好ましい。このように還元性をもつ改質ガスをCO酸化除去部内に残留させる。このように改質ガスがCO酸化除去部内に残留するため、停止操作中に残留した水蒸気が冷えて液化したとしても、改質装置内が負圧になりにくい。このため空気が改質装置内に侵入しにくくなる。また、仮に空気が改質装置内に侵入したとしても、改質装置内で残留する改質ガスの水素で空気の酸素が消費されるため、触媒の酸化が抑えられる。空気が改質装置内に侵入し、改質装置内の残留水素で空気の酸素が消費されるとき、侵入した空気中の窒素によって改質装置内の負圧が抑制される効果もある。
(ii)制御装置は、CO酸化除去部に酸素成分を供給することを停止する。故に、CO酸化除去部における触媒の酸化が効果的に抑えられる。よって触媒の酸化している部分の還元が進行し易くなる。
(iii)制御装置は、CO酸化除去部の触媒を再生させる触媒再生温度領域にCO酸化除去部の触媒を維持する。触媒は当該触媒再生温度領域に良好に維持されるため、触媒の酸化部分の還元が進行する。よってCO酸化除去部の触媒が再生される。
ここで、(i)(ii)(iii)の操作を時間的に同時に併行して行っても良いし、時間的に一部ずらしつつ重複するように併行して行っても良いし、重複しないように時間的にずらして行っても良い。なお、(i)の操作の後に、(ii)の操作を行っても良い。あるいは、(ii)の操作の後に、(i)の操作を行っても良い。
本発明に係る改質装置によれば、CO酸化除去部に担持されている触媒の酸化している部分が触媒再生処理により還元されるため、触媒が再生される。よって改質装置の長寿命化を図り得る。
本発明によれば、改質装置の運転中において、改質部は、水素を含有すると共に一酸化炭素を含有する改質ガスを改質用燃料から生成する。CO酸化除去部は触媒を有する。改質装置の運転中に、CO酸化除去部は第1の温度領域に維持される。第1の温度領域は、酸素成分が供給されている状態において触媒が選択酸化する領域の温度を意味する。改質部で形成された改質ガスに含まれている一酸化炭素を第1の温度領域において酸化させることにより、改質ガスから一酸化炭素は二酸化炭素として酸化除去される。改質装置の運転中において、酸素供給部は、一酸化炭素を酸化させるべく、CO酸化除去部に酸素成分を供給する。
制御装置はCO酸化除去部の触媒を再生させる触媒再生処理を行う。触媒再生処理は、改質装置の運転を停止させる停止操作中に行うことが好ましい。場合によっては、改質装置の運転を一時的に中断させている中断操作中に行うことにしても良い。触媒再生処理は次の(i)〜(iii)の全部の操作を含む。
(i)水素を含有する改質ガスをCO酸化除去部内に残留させる残留操作を行う。この場合、改質用燃料を改質部に供給しないで、改質ガスの生成を停止させることが好ましい。還元操作のために余分な燃料を投入すると、トータル効率が低下するためである。
(ii)CO酸化除去部に酸素成分を供給することを停止する酸素供給停止操作を行う。
(iii)CO酸化除去部の触媒を再生させる触媒再生温度領域にCO酸化除去部の触媒を維持する温度維持操作を行う。
上記した触媒再生温度領域は、第1の温度領域よりも高いか、あるいは、第1の温度領域に相当する温度領域である形態が例示される。改質部は、水素を含有すると共に一酸化炭素を含有する改質ガスを改質用燃料から生成する改質部と、改質部を加熱する加熱部とをもつ形態が例示される。
制御装置は、CO酸化除去部の温度が触媒再生温度領域よりも低いとき、加熱部によりCO酸化除去部の温度を触媒再生温度領域に上昇させる上昇操作を実行する。これによりCO酸化除去部の温度は触媒再生温度領域に維持される。
制御装置は、触媒再生処理の前に予め、および/または、触媒再生処理中に、CO酸化除去部を加熱する形態が例示される。これによりCO酸化除去部の温度がこれの触媒再生温度領域に維持され易くなる。
制御装置は、燃焼性燃料(燃焼用燃料)を燃焼部に供給しない状態で、燃焼用空気を燃焼部に供給し、燃焼用空気を燃焼部の余熱および/または改質部の余熱で暖めることにより加熱気体を形成する形態が例示される。CO酸化除去部を覆う断熱部が設けられている形態が例示される。この場合、改質装置の運転を停止させたときにおいても、CO酸化除去部の温度低下が抑制され、CO酸化除去部を触媒再生温度領域に維持するのに有利である。
上記した加熱部は、燃焼性燃料を燃焼させる燃焼部である形態が例示される。燃焼性燃料は、燃料供給源から供給された燃焼性燃料、改質部で生成された改質ガス、燃料電池から排出されたオフガスのうちのいずれかである形態が例示される。
制御装置は、運転中の改質装置を停止させるとき、停止中の改質装置を起動させるとき、改質装置の運転中のときの少なくとも一つにおいて、触媒再生処理を行う形態が例示される。この場合、改質装置の運転を停止させる毎に、あるいは、改質装置の運転を起動させる毎に、触媒再生処理を行なうことにしても良い。このため一酸化炭素の浄化性能が長期にわたり維持される。触媒再生処理の直前には、蒸発部に供給される単位時間当たりの改質水の流量としては、S/Cは3.2以下に制限することができる(2.5以上)。殊に2.5〜3.2の範囲、あるいは2.8〜3.2の範囲、あるいは2.8〜3.1の範囲に制限することができる。この場合、蒸発部に供給する改質水が制限されるため、改質水の蒸発潜熱量が抑えられ、CO酸化除去部の温度が維持され易い。S/Cは、改質装置2に投入された改質水のモル数/改質用燃料中の炭素成分のモル数を意味する。S/Cが2.5未満であると、改質水が少なすぎ、改質部の触媒にコーキングが発生し、炭化が発生するおそれがあり、好ましくない。
操作者(例えばユーザ、工事施工者、メンテナンス者)により操作される操作部が設けられており、制御装置は、操作部への操作者の操作に基づいて触媒再生処理を実行する形態が例示される。操作者の希望に応じて触媒再生処理が実行される。触媒再生処理が1回で充分でなければ、触媒再生処理を複数回連続してあるいは間欠的に行うことも可能である。
改質装置の運転履歴を記憶するメモリ等の運転履歴記憶要素が設けられており、制御装置は運転履歴に応じて触媒再生処理を実行する形態が例示される。運転履歴としては、累積運転時間、起動回数、停止回数のうちの少なくとも一つが例示される。累積運転時間としては、前回実行された触媒再生処理からの累積運転時間、または、改質装置の据付時からの累積運転時間が例示される。
CO酸化除去部で浄化された改質ガスを改質ガス消費部に吐出する改質ガス吐出路と、改質ガス吐出路に設けられた出口弁とが設けられている形態が例示される。この場合、制御装置は、改質器の運転停止時または次回の運転起動時までに、CO酸化除去部内に残留する改質ガスの全量を出口弁の開放により改質ガス吐出路に吐出させる前において、出口弁を閉鎖することにより、改質ガスの一部をCO酸化除去部内に残留させる。改質ガス消費部としては、改質部を加熱する燃焼部、燃料電池が例示される。
CO酸化除去部に担持される触媒として、ルテニウム、白金、白金−ルテニウム等が例示される。CO酸化除去部における反応前に改質ガスの一酸化炭素を低減させるCO浄化部がCO酸化除去部の上流に配置されており、制御装置は、改質器の運転停止操作において、改質ガスをCOシフト部に残留させる形態が例示される。COシフト部が過剰な酸化雰囲気になることが抑制される。故に、COシフト部に担持されている触媒の性能の変化が抑制される。
COシフト部の温度を検知するCOシフト部温度検知器が設けられており、前記CO酸化除去部の温度を検知するCO酸化除去部温度検知器が設けられている形態が例示される。改質装置の運転中において、制御装置は、CO酸化除去部温度検知器で検知したCO酸化除去部の温度、または、COシフト部温度検知器で検知したCOシフト部の温度に応じて、酸素供給部からCO酸化除去部に供給される酸素成分の供給量を制御する形態が例示される。
以下、本発明の実施例1について図1および図2を参照して具体的に説明する。本実施例に係る改質装置は燃料電池システムに適用したものである。図1に示すように、燃料電池1は、プロトン伝導性をもつ固体高分子膜10を燃料極11と酸化剤極12とで厚み方向に挟持する膜電極接合体13を複数組み付けて形成されている。固体高分子膜10の材質としては、炭化フッ素系樹脂(例えばパーフルオロスルホン酸樹脂)または炭化水素系樹脂が例示される。燃料電池1としては、シート状の膜電極接合体13を厚み方向に複数積層する方式でも良いし、チューブ状の膜電極接合体13を複数配置する方式でも良い。
図1に示すように、改質装置2は、燃焼バーナで形成された加熱部として機能する燃焼部30と、燃焼部30により加熱される改質部34とをもつ。改質部34は鉛直方向に沿った中心軸芯をもつ筒形状をなしており、改質用燃料を改質させて改質ガスを生成するものである。改質部34は、燃焼部30に対面する燃焼通路32をもつ。改質部34の回りを包囲するように燃焼通路33が同軸的に形成されている。燃焼通路33に連通するようにこれの外側に燃焼通路35が同軸的に形成されている。燃焼通路33と燃焼通路35との間には、筒状の断熱部31が同軸的に形成されている。更に、燃焼通路35の回りを包囲するように、原料水を蒸発させる蒸発部36が同軸的に形成されている。蒸発部36の回りにCO酸化除去部37(CO選択酸化部ともいう)が同軸的に形成されている。
図1に示すように、改質部34は内通路34iと外通路34pと折返部34mとをもつ。燃焼部30で加熱される改質部34により、蒸発部36は加熱される。蒸発部36の回りを包囲するように、筒状のCO酸化除去部37が配置されているため、蒸発部36とCO酸化除去部37とは互いに熱交換される。改質装置2の運転中においては、一般的に、液相状態の水が蒸発する蒸発部36の温度よりもCO酸化除去部37の温度が高いため、CO酸化除去部37は蒸発部36に熱を与える。CO酸化除去部37の外周部は、これを包囲して保温するために、高い断熱性をもつ筒状の断熱材39(断熱部)で覆われている。但し、図2に示すように、CO酸化除去部37のうち、COシフト部5を経た改質ガスが供給される入口37i付近には、断熱材39が設けられていない。故に断熱材39の下端部39uは入口37iに到達していない。その主たる理由としては、当該改質ガスの温度がCO酸化除去部37の触媒37eの活性化温度よりもやや高いことがあるため、当該改質ガスを冷やすためである。
改質部34は、改質反応を促進させる改質触媒34e(例えばニッケル系、ルテニウム系)を担持する担体を有する。改質触媒34eの活性温度域は一般的には500〜800℃であるが、これに限定されるものではない。改質部34の温度がこれの活性温度域から大きく外れると、改質部34の改質反応が損なわれるおそれがある。改質部34は下記の式(1)に基づいて、改質用燃料と水蒸気とに基づいて水蒸気改質を行い、水素を含有する改質ガスを生成する。改質ガスは一酸化炭素を含む。なお改質部34では下記の式(2)のシフト反応も発生している。
更に、図1および図2に示すように、改質装置2は、改質部34の下方に配置された熱交換部4と、熱交換部4の下方に配置されたCO浄化部として機能するCOシフト部5と、COシフト部5と熱交換部4との間に配置された電気式のヒータをもつ暖機部47とを備えている。ここで、蒸発部36の下流に熱交換部4が設けられ、熱交換部4の下流にCOシフト部5が設けられている。
COシフト部5は、下記の(2)式に基づいて、水蒸気を利用するシフト反応を促進させ、改質ガスに含まれているCOを低減させる。COシフト部5はシフト触媒5e(例えば銅−亜鉛系触媒)を担持する担体を有する。シフト触媒5eの活性温度域は一般的には160〜300℃であるが、これに限定されるものではない。COシフト部5の温度がこれの活性温度域から大きく外れると、COシフト部5のシフト反応が損なわれ、一酸化炭素が充分に浄化されないおそれがある。COシフト部5で浄化された改質ガスに含まれているCOの濃度は、改質用燃料にもよるが、一般的にはモル比で0.2〜1%であるが、これに限られるものではない。COシフト部5は通路5iと通路5vと折返部5mとをもつ。COシフト部5の出口5pと酸化用空気通路75とは、第2合流域M2を介して浄化通路400により接続されている。
CO酸化除去部37は、COシフト部5の下流に配置されており、COシフト部5で浄化された改質ガスに含まれているCOを下記の式(3)に基づいて、酸化させて低減させる酸化反応を促進させるものである。CO酸化除去部37は、触媒37e(例えばルテニウム系、白金系、白金−ルテニウム系等の貴金属系触媒)を担持するセラミックス(例えばアルミナ)製の担体を有する。酸素含有雰囲気において、触媒37eの活性温度域は一般的には100〜200℃である。但しこれに限られるものではない。酸素含有雰囲気においてCO酸化除去部37の温度がこれの活性温度域から大きく外れると、CO酸化除去部37における選択酸化反応が損なわれるおそれがある。CO酸化除去部37で浄化された改質ガスに含まれているCOの濃度は、一般的には10ppm以下である。但しこれに限られるものではない。
式(1)…CH4+H2O→3H2+CO
式(2)…CO+H2O→H2+CO2
式(3)…CO+1/2O2→CO2
COシフト部5はCO酸化除去部37の上流に配置されているため、改質装置2の運転時には、式(2)→式(3)の順に実行される。
本実施例によれば、改質装置2の運転中にCOシフト部5は、水素リッチとなり還元条件となる。このため、COシフト部5の触媒5eが僅かに酸化しているだけであれば、触媒5eは改質装置の運転中に還元され易い。
しかしCO酸化除去部37の触媒37eは、改質装置の運転中だけでは還元されにくい。CO酸化除去部37に酸素が供給されている状態では、CO酸化除去部37の触媒37eの活性温度域(例えば100〜200℃)が存在する。この温度を超えると、酸化雰囲気では触媒37eの劣化が進行し易いため、200℃を越えないことが好ましいと言われている。
一方、酸素が供給されない条件においては、つまり、酸素欠乏雰囲気においては、前記した活性温度領域を上側に越える温度領域に触媒37eが加熱保持されたとしても、劣化が抑えられるばかりか、触媒37eが還元されて再生される。
このようにCO酸化除去部37に酸素が供給されつつ、改質装置2が通常運転されたとしても、CO酸化除去部37の触媒37eの還元は、なかなか進行しないため、再生処理を行うこと好ましい。
上記した再生処理において、CO酸化除去部37の触媒37eの触媒再生温度領域としては、一般的には190℃以上、200℃以上が良い。220℃以上が更に好ましく、250℃以上が更に好ましい。但し、温度は触媒37eの組成によって異なり、限られるものではない。
次に通路系について説明する。図1に示すように、燃料供給源61に弁25aを介して繋がる燃料通路62が設けられている。燃料供給源61の燃料としては気体燃料でも、液体燃料でも、粉化燃料でも良い。具体的には、炭化水素系燃料、アルコール系燃料が例示される。例えば都市ガス、LPG、灯油、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、ガソリン、バイオガス等が例示される。燃料通路62は、弁25a,ポンプ27aを介して改質部34の燃焼部30に繋がる燃焼用燃料通路62と、熱交換部4の入口4iにポンプ27b(改質用燃料搬送要素)、脱硫器62xおよび弁25bを介して繋がる改質用燃料通路62(改質用燃料供給部)とをもつ。空気供給源71に繋がる空気通路72(酸素供給部)が設けられている。空気通路72は、ポンプ27cを介して改質部34の燃焼部30に繋がる燃焼用空気通路73と、空気浄化フィルタ72x、ポンプ27dおよび弁25dを介してCO酸化除去部37の入口37iに繋がる酸化用空気通路75(酸素供給部)とをもつ。
図1および図2に示すように、水タンク81と蒸発部36の入口36iとをポンプ27mおよび弁25mを介して繋ぐ改質水通路82(水供給部)が設けられている。CO酸化除去部37の出口37pと燃料電池1の燃料極11の入口11iとを弁25e(改質装置2の下流の出口弁)を介して繋ぐアノードガス通路100(改質ガス吐出路)が設けられている。CO酸化除去部37の出口37pは、CO酸化除去部37の高さ方向の上部側に形成されている。燃料電池1の燃料極11の出口11pと燃焼部30とを弁25fを介して繋ぐオフガス通路110が設けられている。オフガス通路110は発電反応後のアノードオフガスを排出させる。オフガス通路110とアノードガス通路100とを弁25h(改質装置2の下流の出口弁)を介して繋ぐバイパス通路150が設けられている。
図1に示すように、空気供給源71と燃料電池1の酸化剤極12の入口12iにポンプ27kおよび弁25kを介して連通するカソードガス通路200が設けられている。図1に示すように、改質部34で燃焼された燃焼排ガスを外部に放出させる燃焼排ガス通路250が設けられている。改質装置2の蒸発部36の出口36pと改質用燃料通路62とを第1合流域M1を介して繋ぐ水蒸気通路300が設けられている。水蒸気通路300の上端部300eは蒸発部36の出口36pに繋がる。水蒸気通路300の下端部300fは合流域M1に繋がる。ポンプ27a,27b,27c,27d,27k,27mは流体搬送要素として機能する。
図1および図2に示すように、COシフト部5の出口5pとCO酸化除去部37の入口37iとは、浄化通路400で接続されている。COシフト部5の出口5pから吐出された改質ガス(水素を主要成分とし、一酸化炭素を含有)は、浄化通路400を上向きに矢印W2方向に流れ、第2合流域M2を経てCO酸化除去部37の入口37iに供給される。入口37iは、CO酸化除去部37の高さ方向の下部側に形成されている。
次に改質装置2を起動させるときについて図1を参照して説明する。この場合、ポンプ27cにより燃焼用空気通路73を介して燃焼用空気を改質部34の燃焼部30に供給する。また、弁25aおよびポンプ27aにより燃焼用燃料通路62を介してガス状の燃焼用燃料(燃焼性燃料)を改質部34の燃焼部30に供給する。これにより燃焼部30が着火されて加熱され、ひいては改質部34が改質反応に適するように加熱される。改質部34および外側部35と共に蒸発部36およびCO酸化除去部37も、高温に加熱される。
その後、水タンク81および改質水通路82からポンプ27mおよび弁25mを介して、改質水(改質反応前の水)が蒸発部36の入口36iに供給される。改質水は改質装置2の高温の蒸発部36において水蒸気化される。生成された水蒸気は、蒸発部36の出口36pから水蒸気通路300を経て第1合流域M1に到達する。第1合流域M1は、水蒸気通路300を流れる水蒸気または凝縮水と、改質用燃料通路62を流れる改質用燃料とが合流する領域である。これに対して、改質用燃料は弁25a,ポンプ27b,弁25bにより、脱硫器62x、改質用燃料通路62および第1合流域M1を経て熱交換部4の入口4iに供給される。第1合流域M1において、改質用燃料通路62の改質用燃料と水蒸気通路300の水蒸気とが合流して混合される。合流した混合流体が熱交換部4の入口4iに供給される。
混合流体は熱交換部4の低温側の第1通路4aを通過する。このとき熱交換部4の高温側の第2通路4cを流れる高温の改質ガスと熱交換する。このため、改質反応前の混合流体が加熱される。混合流体は改質部34の外通路34pに流入し、矢印A1方向に流れ、折返部34mを経て内通路34iに流入し、矢印A2方向に流れる。このとき水蒸気(または凝縮水)および改質用燃料が混合した混合流体は、上記した(1)に示す改質反応により、水素リッチな改質ガスとなる。この改質ガスは一酸化炭素を含む。
更に、改質反応を経た高温の改質ガスは、改質部34から熱交換部4に流入する。即ち、高温の改質ガスは、改質部34から熱交換部4の高温側の第2通路4cを通過することにより、低温側の第1通路4aの混合流体を加熱する。更に、改質ガスは、暖機部47を経て、COシフト部5の入口5iからCOシフト部5の内部に流入する。COシフト部5においては、上記した式(2)に示すように、水蒸気を利用したシフト反応が行われる。これにより改質ガスに含まれている一酸化炭素が低減され、改質ガスは浄化される。
更に、COシフト部5において浄化された改質ガスは、COシフト部5の出口5pから浄化通路400を経て矢印W2方向に流れ、第2合流域M2に至る。更に改質ガスは、酸化用空気通路75(酸素供給部)の酸化用空気(酸素成分,CO酸化除去部37における選択反応に使用される選択酸化用空気)と第2合流域M2において合流する。第2合流域M2は、浄化通路400を流れる改質ガスと、酸化用空気通路75を流れる酸化用空気(酸素成分)とが合流する領域である。そして、合流した改質ガスは、CO酸化除去部37の下部に形成されてている入口37iから、CO酸化除去部37内に流入する。CO酸化除去部37においては、上記した式(3)に示すように、酸素を利用した酸化反応(CO+1/2O2→CO2)が行われる。この結果、改質ガスに含まれているCOが浄化されて更に低減される。酸化反応は発熱を伴う。
このように浄化された改質ガスは、CO酸化除去部37の出口37pからアノードガスとして、アノードガス通路100,弁25eを経て燃料電池1の燃料極11の入口11iに供給される。カソードガスとして機能する空気は、ポンプ27k,弁25kによりカソ−ドガス通路200を経て燃料電池1の酸化剤極12の入口12iに供給される。これにより燃料電池1において発電反応が発生し、電気エネルギが生成される。アノードガスの発電反応後のオフガス(燃料電池1から排出されたガス)は、発電反応が行われなかった水素を含むことがある。このためオフガスはオフガス通路110を経て改質部34の燃焼部30に供給されて燃焼され、燃焼部30の熱源となる。
なお、改質装置2の起動開始時では、改質ガスの組成の安定性が必ずしも充分でないときがある。このため、起動開始時では、弁25e,弁25fが閉鎖されている。この状態で、CO酸化除去部37の出口37pから吐出される改質ガスは、弁25hを通過しバイパス通路150およびオフガス通路110を介して燃焼部30に送られ、燃焼部30の熱源となる。改質装置2の起動開始から時間が経過すると、改質ガスの組成が安定する。この場合、弁25hが閉鎖され、弁25e,弁25hが開放される。このため、CO酸化除去部37の出口37pから吐出される改質ガスは、アノードガスとして、アノードガス通路100,弁25eを経て燃料電池1の燃料極11の入口11iに供給され、発電反応に使用される。
図1に示すように、COシフト部5のうち上流側(通路5iの入口側)の温度T11を検知するCOシフト部温度検知器55が設けられている。COシフト部5のうち折返部5m付近の温度T31を検知するCOシフト部温度検知器39が設けられている。CO酸化除去部37のうち上流側の温度T12を検知するCO酸化除去部温度検知器38が設けられている。更に、改質部34の出口側の温度T1を検知する改質部温度検知器31tが設けられている。水蒸気と改質用燃料とが合流する第1合流域M1の温度T2を検知する温度検知器65が設けられている。
さて本実施例によれば、一酸化炭素を含む水素を主要成分とする改質ガスが、改質装置の運転中により生成される。COシフト部5の温度T11が低くてこれの活性温度域よりも低い場合には、CO除去性が充分でないため、制御装置500は、暖機部47のヒータによりCOシフト部5を昇温させる。これによりCOシフト部5を活性温度域に維持させる。
COシフト部温度検知器55,39が検知したCOシフト部5の温度T11,T31の信号と、CO酸化除去部温度検知器38が検知したCO酸化除去部37の温度T12の信号と、改質部温度検知器31tが検知した改質部34の温度T1の信号と、温度検知器65が検知した第1合流域M1の温度T2の信号が、それぞれ、制御装置500に入力される。制御装置500は、酸化用空気通路75(酸素供給部)からCO酸化除去部37に供給される空気(酸素含有ガス,酸素成分)の流量を制御する。これにより、CO酸化除去部37の上流に配設されているCOシフト部5の温度が制御される。
(CO酸化除去部37におけるCO浄化について)
(a)具体的には、改質装置の運転中において、COシフト部5の温度T11が低くてこれの活性温度域よりも低い場合には、制御装置500は、酸化用空気通路75からCO酸化除去部37に供給される空気(酸素含有ガス)の流量を増加させるように制御する。これにより、CO酸化除去部37における反応が促進される。この反応は酸化反応であり、発熱を伴う反応であるため、CO酸化除去部37における発熱量が増加する。従って、相対的に高温のCO酸化除去部37から、相対的に低温の蒸発部36へ伝達される伝熱量が増加される。図1に示すように、CO酸化除去部37が蒸発部36の外側に位置するように、CO酸化除去部37および蒸発部36が互いに隣設しているためである。
改質装置の運転時には、蒸発部36は改質水を蒸発させるため、改質水の蒸発潜熱の影響で、蒸発部36は、一般的には100℃程度の温度領域に維持される。そして、COシフト部5を経た高温の改質ガスが、入口37iからCO酸化除去部37に供給されるため、CO酸化除去部37の温度は高くなる。このため、CO酸化除去部37は相対的に高温側となり、蒸発部36は相対的に低温側となる。故に、CO酸化除去部37が蒸発部36に与える熱量が増加する。この結果、蒸発部36において改質水へ与えられる熱量が増加する。故に蒸発部36おいて蒸気化が促進され、液相の水分比率が相対的に減少し、気相の水分の比率が相対的に増加する。
ここで熱交換部4においては、第2通路4cを流れる高温の改質ガスと、第1通路4aを流れる混合流体とは、前述同様に互いに熱交換する。混合流体に含まれている気相状の水分の比率が相対的に増加している場合には、液相状の水分を蒸気化させる蒸発潜熱量が少なくなり、高温側の改質ガスから低温側の混合流体に伝達される伝熱量が減少し、結果として、熱交換部4の温度が相対的に上昇する。よって、熱交換部4の第2通路4cを経てCOシフト部5に向かう改質ガスの温度が相対的に上昇する。従って、COシフト部5の温度T11,T31が相対的に上昇する。
これに対して混合流体に含まれている液相状の水分の比率が相対的に増加している場合には、液相状の水分を蒸気化させる蒸発潜熱量が多くなり、熱交換部4において、高温側の改質ガスから低温側の混合流体に伝達される伝熱量が増加し、結果として、熱交換部4の温度が相対的に低下する。よって、熱交換部4の第2通路4cを経てCOシフト部5に向かう改質ガスの温度が相対的に低下する。従って、COシフト部5の温度T11が相対的に低下する。
(b)逆に、改質装置の運転中において、COシフト部5の温度T11が過剰に高くこれの活性温度域を越えている場合においても、温度T11を相対的に低下させるように制御装置500が働く。即ち、COシフト部5の温度T11が過剰に高い場合、制御装置500は、酸化用空気通路75からCO酸化除去部37に供給される空気の流量を減少させる。このため、CO酸化除去部37における酸化反応が抑制され、発熱量が抑制される。従って、CO酸化除去部37が蒸発部36に与える熱量が減少する。この結果、蒸発部36において改質水へ与えられる熱量が減少する。故に蒸発部36おいて、液相状の水分の比率が相対的に増加し、気相状の水分の比率が相対的に減少する。この場合、熱交換部4において、第2通路4cを流れる高温側の改質ガスから、第1通路4aを流れる低温側の混合流体に伝達される伝熱量が増加する。この結果、熱交換部4の温度が相対的に低下する。よって、熱交換部4を経てCOシフト部5に向かう改質ガスの温度が相対的に低下し、COシフト部5の温度T11が相対的に低下する。
上記した本実施例によれば、COシフト部5の温度T11が低いときには、制御装置500は、酸化用空気通路75からCO酸化除去部37に供給される空気(酸素含有ガス)の流量を増加させる。これによりCOシフト部5の温度T11は上昇し、COシフト部5はこれの活性温度域に適する温度に良好に維持される。またCOシフト部5の温度T11が高いときには、制御装置500は、酸化用空気通路75からCO酸化除去部37に供給される空気(酸素含有ガス)の流量を減少させる。これによりCOシフト部5の温度T11は低下し、COシフト部5はこれの活性温度域に適する温度に良好に維持される。なお、空気の流量を制御するにあたり、酸化用空気通路75におけるポンプ27dの搬送能力および/または弁25dの開度を制御する。
(触媒再生処理について)
上記した制御装置500は、CO酸化除去部37の触媒37eを再生させる手段としても機能するものである。図1に示す制御装置500は、改質装置を起動させる起動スイッチ504と、改質装置の運転を停止させる停止スイッチ505と、任意の時に触媒再生処理を開始するための再生スイッチ506とを有する。
改質装置2の使用期間が長期にわたると、CO酸化除去部37の触媒37eが次第に酸化し、性能が低下するおそれがある。そこで、改質装置の運転を停止させる毎に、制御装置500は、CO酸化除去部37の触媒37eを還元して再生するため、次の(i)(ii)(iii)の条件を満足させる触媒再生処理を行う。この場合、(i)(ii)(iii)を併行して行っても良いし、あるいは、時間的に一部ずらしつつも併行して行っても良いし、あるいは、時間的に分離して行っても良い。(i)(ii)を実行した後に(iii)を実行しても良い。(ii)(i)を実行した後に(iii)を実行しても良い。
(i)制御装置500は、改質用燃料を改質装置2に供給することを停止すると共に、改質水を蒸発部36に供給することを停止し、以て改質運転を停止する。制御装置500は、弁25h(改質器の出口弁)を所定時間開弁する。所定時間経過後、弁25e,25fを閉弁しつつ弁25hを閉弁する。これにより改質装置2内に存在する改質ガスは、完全に排出されない。結果として、改質装置2内、殊にCO酸化除去部37内に一定量の改質ガスが残留する。このように改質反応は停止される。このように改質ガスがCO酸化除去部37内に残留するため、改質装置2が冷却されたとしても、改質装置2の負圧化が抑制される。故に、空気(酸素成分)が改質装置2内に侵入しにくくなり、触媒37eの酸化が抑えられる。
(ii)制御装置500は、弁25dを閉鎖し、ポンプ27dをオフとする。これにより、制御装置500は、CO酸化除去部37に酸化用空気(酸素成分)を供給することを停止する。この場合、CO酸化除去部37における触媒37eの酸化が抑えられる。このため、触媒37eの酸化している部分の還元が進行し易くなる。
(iii)制御装置500は、CO酸化除去部37の触媒37eを再生させる触媒再生温度領域の最低温度Tx以上(例えば、200℃以上、好ましく220℃以上、更に好ましくは250℃以上)に、CO酸化除去部37の触媒37eを維持する。ここで、CO酸化除去部37の温度T12が触媒再生温度領域未満であれば、制御装置500は、燃焼部30に燃焼用燃料および燃焼用空気を強制的に供給して燃焼させる。これにより改質部34、CO酸化除去部37を強制的に加熱する。結果として、CO酸化除去部37の温度T12は触媒再生温度領域(温度Tx以上)に所定時間tx維持される。
このように本実施例によれば、改質装置の運転が停止されているときであっても、触媒37eの降温が抑制され、触媒37eは触媒再生温度領域に維持される。このため触媒37eの酸化部分の還元が進行し、触媒37eが再生される。更に、CO酸化除去部37は断熱材39で包囲されているため、CO酸化除去部37の温度T12を触媒再生温度領域(温度Tx以上)に維持させるのに有利である。しかも改質装置2の運転停止時には、改質水が蒸発部36に供給されない。このため、蒸発部36およびCO酸化除去部37は互いに隣設しているものの、蒸発部36がCO酸化除去部37を過剰に冷却させることが回避される。よって、CO酸化除去部37の温度T12を触媒再生温度領域に維持させるのに有利となり、触媒37eの再生に有利となる。更には、燃焼部での燃焼により蒸発部36が高温になり、その熱がCO酸化除去部37に与えられる。よってCO酸化除去部37は再生処理に一層有利な高温となる。
図3は実施例2を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。本実施例によれば、実施例1と同様に、制御装置500は、改質装置2の運転停止の操作において上記触媒再生処理を行う。
図3は改質装置の運転を終了するとき、制御装置500が実行するフローチャートを示す。フローチャートは一例であり、これに限定されるものではない。図3に示すように、制御装置500は操作パネルの停止スイッチ505(改質器運転停止要素、燃料電池システム運転停止要素)の状況を読み込む(ステップS102)。停止スイッチ505が操作されていれば(ステップS104のYES)、制御装置500は改質装置2の停止指令を出力する(ステップS106)。所定時間ta待機した(ステップS108)後、制御装置500はファイナル運転として最低負荷発電処理を行う(ステップS110)。一定時間tb経過した(ステップS112)後、制御装置500は空気を燃焼用空気通路73から燃焼部30に供給しつつ、弁25aを閉鎖し、ポンプ27aをオフとし、燃焼用燃料を燃焼部30に供給することを停止する(ステップS114)。これにより燃焼部30が消火される。この場合、制御装置500は、ポンプ27mをオフとし、弁25mを閉鎖する。よって、改質水通路82から改質水が蒸発部36に供給されなくなるので、蒸発部36の過剰低温化が抑えられ、ひいてはCO酸化除去部37から蒸発部36への伝熱が抑制される。このため、CO酸化除去部37の温度T12が高温(触媒再生温度領域)に維持され易く、触媒37eの還元に有利である。更に蒸発部36への改質水の供給が停止されるため、入口4iから熱交換部4の第1通路4aに供給される液相状の水が低減されるため、熱交換部4の温度も高温に維持され、COシフト部5の温度T11が高温に維持され、ひいてはCO酸化除去部37の温度T12が高温に維持される。
ここで、ステップS114において、制御装置500は燃焼用空気通路73のポンプ27cを駆動し続け、燃焼用空気通路73から空気を燃焼部30に供給し続ける。この時点では、燃焼部30は消火されている。燃焼部30に供給された空気は、燃焼部30の余熱、改質部34の余熱で暖められる。暖められた加熱空気(加熱気体)は、燃焼通路32,33を経て燃焼排ガス通路250から排出される。この場合、加熱空気によりCO選択酸化部37が暖められたり、温度低下が抑えられる。よってCO選択酸化部37を触媒再生温度領域に維持し、触媒37eを還元させるのに有利となる。またステップS114において、弁25e,25f(燃料電池の燃料極の入口および出口を閉鎖する閉鎖弁)を閉じる。その後、所定時間tc待機した(ステップS116)後、制御装置500は、弁25h(出口弁)を閉鎖する(ステップS118)。これにより改質装置2に存在する改質ガスは、改質装置2(CO酸化除去部37を含む)内に残留する。
改質装置2の余熱で、改質装置2に残留する水が蒸気化し、昇圧することがある。そこで制御装置500は、改質装置2の内圧を測定する圧力センサ100xの出力値を読み込み、改質装置2の内圧が所定圧Pd(例えばPd=5kPa)を越えているか判定する(ステップS120)。改質装置2の内圧が所定圧Pdまで低下するまで、弁25eが閉鎖されている状態で、制御装置500は、弁25hを開放させ、改質装置2のガスを弁25hおよびオフガス通路110を経て燃焼部30に供給する。燃焼部30は燃焼排ガス通路250から外部に繋がる。このようにステップS118,S120を繰り返し、改質装置2の内圧を所定圧まで低下させる。なお改質装置2の内圧を測定する圧力センサ100xは、改質装置2の下流側、つまり、アノードガス通路100とバイパス通路150との分岐域に設けられている。なお、圧力センサ100xは弁25f,25eよりも改質装置2に近ければ良い。
弁25hの開放により改質装置2の内圧が所定圧Pd以下に達すれば(ステップS120のNO)、改質装置2には適量の改質ガスが残留しているため、ステップS124に進む。そして、CO酸化除去部37の温度T12が触媒再生温度領域となり、触媒再生時間に相当する所定時間tx(5分間)以上経過したか否か判定する。具体的には、CO酸化除去部37の温度T12が触媒再生温度領域の最低しきい値温度Tx(例えばTx=200℃、好ましくは220℃、更に好ましくは250℃)を越えていること、この状態が連続して所定時間tx(例えばtx=5分間)以上継続していることの再生条件が満足されているか否か、制御装置500は判定する。
上記した再生条件が満足されていないとき(ステップS124のNO)、制御装置500は燃焼部30を強制的に再着火させる着火操作を行う(ステップS126)。これによりCO酸化除去部37の温度T12を強制的に上昇させる。着火操作にあたり、燃焼部30に供給する燃焼用空気の単位時間あたりの流量を着火時流量に変更する。更に、弁25aを開放させ、ポンプ27aを駆動させ、燃焼用燃料を燃焼用燃料通路62から燃焼部30に投入する。燃焼部30が着火したか否かを制御装置500は判定する(ステップS128)。
燃焼部30が着火していなければ(ステップS128のNO)、ステップS126に戻る。燃焼部30が着火していれば(ステップS128のYES)、制御装置500はイグナイタをオフとする(ステップS130)。次に、燃焼部30の燃焼に適するように、制御装置500は、燃焼部30に供給される燃焼用空気の単位時間あたりの流量を制御する。燃焼部30に供給される燃焼用燃料の単位時間あたりの流量を制御する(ステップS132)。そして、改質部34の温度T1が所定温度Tw(例えばTw=500℃)を越えているか否か、制御装置500は判定する(ステップS134)。改質部34の温度T1が所定温度Tw(例えばTw=500℃)を越えていれば(ステップS134のYES)、改質部34を冷却させるべく、制御装置500は、燃焼部30に供給される燃焼用燃料の供給を停止し、燃焼部30を消火する。更に、燃焼部30に供給される燃焼用空気の単位時間あたりの流量を増加させ、改質装置2の冷却を促進させる(ステップS136)。この時点において燃焼部30は消火されているものの、空気は燃焼部30の余熱、改質部34の余熱で暖められる。暖められた加熱空気(加熱気体)は、燃焼通路32,33,35を経て燃焼排ガス通路250から排出される。このように暖められた空気(加熱気体)により、CO選択酸化部37の温度低下が抑えられ、CO選択酸化部37を触媒再生温度領域に維持するのに有利となる。所定時間td経過後、ステップS124に戻る。上記したステップS126に示す着火操作により、CO選択酸化部37の触媒37eの温度T12は、触媒再生温度領域となり、所定時間tx以上経過維持される。
CO酸化除去部37の温度T12が触媒再生温度領域に所定時間tx存在するとき(ステップS124のYES)、触媒37eの再生は完了しているとみなしうるため、改質部34の温度T1がTx(例えばTx=200℃)未満に冷却されるまで、制御装置は待機する(ステップS140)。改質部34の温度T1がTx未満に冷却されていれば(ステップS140のYES)、改質装置2の内圧が所定圧Pc(例えばPc=4kPa)未満か判定する(ステップS142)。所定圧Pc(例えばPc=4kPa)以上であれば(ステップS142のNO)、内圧は良好であり、改質部34の負圧化は防止されるため、制御装置500は待機モード(ステップS148)に移行する。
改質装置2の内圧が所定圧Pc(例えばPc=4kPa)未満であれば(ステップS142のYES)、内圧が低すぎるため、脱硫器62xを経た改質反応前の改質用燃料を改質部34に投入する(ステップS144)。改質装置2の内圧が所定圧Pd(例えばPd=5kPa)を越えていれば(ステップS146のYES)、制御装置500は待機モード(ステップS148)に移行する。
しかして改質装置2の内部が負圧になると、外気が改質装置2の内部に侵入し、触媒の酸化を進行させるおそれがある。しかし改質装置2の内部に改質用燃料(13A)が封入されているため、改質装置の運転終了後に改質装置2が常温域に冷却されたとしても、改質装置2の内部が負圧になることが抑制され、改質装置2への外気の侵入が抑えられ、触媒の酸化が抑制される。
図3に示すフローチャートによれば、ステップS114〜ステップS148にわたり、改質装置2の蒸発部36に改質水は投入されていないため、蒸発部36は乾燥状態であり、CO酸化除去部37の温度維持に貢献できる。
以上説明したように本実施例によれば、制御装置500は、CO酸化除去部37の触媒37eを還元して再生する触媒再生処理を行う。特に、改質装置の運転が停止されるごとに、制御装置500は上記触媒再生処理を行う。このため改質装置の使用期間が長期にわたったとしても、CO酸化除去部37の触媒37eの劣化が抑制される。従って、改質装置の改質運転において、CO酸化除去部37の触媒37eが良好に機能し、改質ガスに残留する一酸化炭素の濃度が低減される。
更に本実施例によれば、燃焼部30が消火しており、改質装置の運転が停止されているにもかかわらず、制御装置500は、燃焼用空気通路73のポンプ27cを駆動し続け、燃焼用空気通路73から空気を燃焼部30に供給する。この時点では、燃焼部30は消火されているものの、燃焼部30に供給された空気は、燃焼部30の余熱、改質部34の余熱で暖められる。この場合、CO選択酸化部37の温度低下が抑えられ、CO選択酸化部37を触媒再生温度領域に維持するのに有利となる利点が得られ、触媒37eの再生に有利である。
本実施例によれば、改質装置2の運転履歴を記憶する運転履歴記憶要素として機能するメモリ502が制御装置500に搭載されている。メモリ502に記憶されている改質装置2の運転履歴に応じて、制御装置500は、触媒再生処理を実行する。運転履歴としては、累積運転時間が例示され、具体的には、前回実行された触媒再生処理再生からの累積運転時間、または、改質装置2の据付時からの累積運転時間とされている。累積運転時間が短いとき、制御装置500は、ステップS124における所定時間txを短く設定する。累積運転時間が長いとき、制御装置500は、ステップS124における所定時間txを長く設定するため、触媒再生処理を長時間行う。この場合、CO選択酸化部37の触媒37eは良好に還元されて再生される。
COシフト部5における触媒5eは、常温においても酸素雰囲気であれば、酸化するおそれがある。この点本実施例によれば、上記したように改質装置の運転が停止されているときCOシフト部5の内部に改質ガス(水素)が残留しており、COシフト部5の内部が酸化雰囲気にならないようにされている。よって、COシフト部5における触媒5eの劣化を抑えるのに有利である。
本実施例は実施例1,2と基本的には同様の構成、作用効果を有するため、図1〜図3を準用する。本実施例によれば、実施例1,2と同様に、改質装置2の運転を停止する停止操作において上記触媒再生処理を行う。更に、触媒再生処理開始手段として機能する再生スイッチ506が操作者により操作されると、燃料電池1が発電運転中であっても、制御装置500はこれをトリガーとして、上記したフローチャートに基づいて、改質運転を停止させ、触媒37eを還元して再生する触媒再生処理を行う。
例えば、発電中に電圧が低下する傾向が見られるとき、燃料電池システムの部品交換時等のメイテナンス時、定期的メンテナンス時に、再生スイッチ506が操作者により操作される。更に、長期にわたり改質装置が使用されないときには、触媒37eの酸化が進行するため、改質装置を起動させる起動スイッチ504の操作に伴い、制御装置500は、CO酸化除去部37の触媒37eを再生させる触媒再生処理を行っても良い。
図4は実施例4を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。本実施例によれば、実施例1と同様に、制御装置500は、改質装置2の運転停止時において上記触媒再生処理が行う。更に、改質装置の運転中(燃料電池システムの運転中)であるにもかかわらず、燃料電池1の電圧が低下するとき(例えば、全部のセルの電圧が低下するとき)等には、これをトリガー信号として、制御装置500は上記触媒再生処理を行う。更に、改質装置を起動させるときにも、制御装置500は上記触媒再生処理を行う。
図4は、改質装置2の起動時において実行される触媒再生処理のフローチャートを示す。フローチャートはこれに限定されるものではない。図4に示すように制御装置500は、改質装置2を起動させる起動スイッチ504を読み込む(ステップSB102)。起動スイッチ504が起動側に操作されていると(ステップSB104)、制御装置500は起動指令を出力する(ステップSB106)。暖機部47のヒータによる暖機を開始して良いか否か、制御装置500は判定する(ステップSB108)。暖機を開始してよいときには、暖機部47のヒータによる加熱制御を開始する(ステップSB110)。次に、少量の改質水を蒸発部36に投入して水蒸気の生成を開始する(ステップSB112)。燃焼用空気を燃焼部30に供給すると共に、燃焼用燃料を制御し、燃焼部30を燃焼させる(ステップSB114)。改質部34が次第に暖まってくるので、蒸発部36に供給する改質水を増量させると共に改質用燃料を制御する(ステップSB116)。酸化用空気はCO酸化除去部37に投入されない(ステップSB118)。ステップSB102〜118までは、通常の起動操作と同一である。
この場合、S/C=3を目標値として、蒸発部36に供給する改質水の流量を少な目に制限する(ステップSB118)。目標値がS/C=3であるため、蒸発部36に投入される改質水の流量は、コーキング防止に必要最小限に制限されており、少な目である。この場合、コーキングが抑制されつつ、改質水が少な目であるため、蒸発潜熱量が少なく、CO選択酸化部37の低温化が抑えられ、触媒37eの再生に有利である。更に、酸化用空気はCO選択酸化部37に投入されない(ステップSB118)。その理由としては、CO選択酸化部37の触媒37eを還元させるためである。図4に示すフローチャートにおいて、ステップSB118〜ステップSB130まで、S/C=3を目標値として、CO選択酸化部37の温度を高温域に維持させるため、改質装置2に供給される改質水を必要最小限としつつ、改質水および改質用燃料を改質装置2に供給する。S/Cの目標値としては、S/C=3に設定されているが、必要に応じて、2.5〜3.2の範囲、2.5〜3.0の範囲で変更することができる。
更に、COシフト部5がこれの適温領域となるまで待機する(ステップSB120)。当該適温領域は、温度T11>TK1(例えば250℃)、かつ、温度T31>TK2(例えば200℃)の温度条件が満足される領域である。この温度条件が満足されると、暖機部47のヒータがオフとされる(ステップSB122)。
次に、改質装置2の温度条件が触媒再生温度領域に到達するまで、制御装置500は待機する(ステップSB124)。触媒再生温度領域は、温度T11>TK3(例えば180℃)、かつ、温度T31>TK4(例えば210℃)、かつ、温度T12>TK5(例えば250℃)の条件が満足される領域である。この触媒再生温度条件が満足されると(ステップSB124のYES)、タイマ1がスタートする(ステップSB126)。タイマ1が所定の再生処理時間tk1(例えば30分間)経過したか否か、制御装置500は判定する(ステップSB128)。ステップSB126,SB128は、触媒再生温度領域の経過時間を計測する計測手段として機能する。
再生処理時間tk1が経過していなければ、前記した触媒再生温度条件が満足されているか否か、制御装置500は再び判定する(ステップSB130)。この触媒再生温度条件が満足されていない場合には、制御装置500は、暖機部47のヒータによる加熱制御を開始する(ステップSB132)。これによりCOシフト部5およびCO選択酸化部37を触媒再生温度領域に強制的に昇温させる。再生処理時間tk1(例えば30分間)経過していると、制御装置500は、触媒37e,5eの還元が終了した終了信号を出力し(ステップSB134)、メインルーチンにリターンする。この場合、燃料電池1の発電運転モードに進んでも良いし、進まなくてもよい。
以上をまとめると、本実施例によれば、図5のフローチャートから理解できるように、起動スイッチ504の起動操作→CO選択酸化部37の温度T12をTK5(例えば200℃)を越える触媒再生温度領域とし、CO選択酸化部37の触媒37eの再生処理の開始(蒸発部36に供給する改質水は必要最小限)→所定時間経過→触媒37eの再生処理の終了→蒸発部36に供給する改質水を少量ずつ増加→CO選択酸化部37の温度T12を、酸化雰囲気における活性温度域の上限であるTK6(例えば200℃)未満に降温させる→酸化用空気をCO選択酸化部37に供給する→起動終了という操作順となる。
図5は実施例5を示す。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。本実施例によれば、実施例1と同様に、制御装置500は、改質装置の運転停止時において上記触媒再生処理が行う。更に改質装置の起動時においても、上記触媒再生処理が行う。
図5は、改質装置の起動時において上記触媒再生処理を行うフローチャートを示す。図5の前半部分は、図4に示すフローチャートと共通する。共通する部分は説明を省略する。ステップSB128において、タイマ1が所定の再生処理時間tk1(例えば30分間)経過したか否か、制御装置500は判定する(ステップSB128)。再生処理時間tk1が経過していれば、CO選択酸化部37の触触37eの還元が終了しているため、ステップSB140に進み、制御装置500は、蒸発部36に供給する改質水を少量ずつ増加させる。ステップSB140を経る毎に、改質水は少量ずつ増加される。シフト部5が適温領域であり、CO選択酸化部37が適温領域であるか否か、制御装置500は判定する(ステップSB142)。具体的には、温度T11>TK3(例えば180℃)、かつ、温度T31>TK3(例えば180℃)、かつ、温度T12<TK6(例えば200℃)、かつ、温度T2<TK7(例えば105℃)の温度条件(CO酸化除去温度条件)が満足されているか否か、制御装置500は判定する(ステップSB142)。
この温度条件が満足されていると(ステップSB142のYES)、CO選択酸化部37の温度T12が温度TK6(例えば200℃)よりも低下している。このため、制御装置500は、酸化用空気をCO選択酸化部37に投入し、改質ガスに含まれる一酸化酸素の酸化除去をCO選択酸化部37にて行う(ステップSB144)。
この温度条件が満足されると、タイマ2がスタートする(ステップSB146)。タイマ2が所定時間tk2(例えば90秒)経過したか否か、制御装置500は判定する(ステップSB148)。所定時間tk2が経過していなければ、温度T11>TK3(例えば180℃)、かつ、温度T31>TK3(例えば180℃)、かつ、温度T12<TK6(例えば200℃)、かつ、温度T2<TK7(例えば105℃)の温度条件が満足されているか否か、制御装置500は判定する(ステップSB150)。時間tk2経過していると(ステップSB148)、起動終了信号を出力し(ステップSB152)、メインルーチンにリターンする。
以上をまとめると、本実施例によれば、図5のフローチャートから理解できるように、起動スイッチ504の起動操作→CO選択酸化部37の温度T12をTK5(例えば200℃)を越える触媒再生温度領域とし、CO選択酸化部37の触媒37eの再生処理の開始(蒸発部36に供給する改質水は必要最小限)→所定時間経過→触媒37eの再生処理の終了→蒸発部36に供給する改質水を少量ずつ増加→CO選択酸化部37の温度T12を、酸化雰囲気における活性温度域の上限であるTK6(例えば200℃)未満に降温させる→酸化用空気をCO選択酸化部37に供給する→起動終了という順となる。
(その他)上記した燃料電池システムは車載用でも、定置用でも良い。上記した改質装置は燃料電池システムに適用した例であるが、これに限らず水素製造システムなどの他のシステムに適用しても良い。上記した記載から次の技術的思想も把握できる。
(付記項1)水素を主要成分として含有すると共に一酸化炭素を含有する改質ガスを改質用燃料から生成する改質器と、改質器で形成された改質ガスに含まれている一酸化炭素を第1の温度領域においてかつ酸素含有雰囲気において酸化させることにより、改質ガスから一酸化炭素を低減させる触媒を有するCO酸化除去部と、CO酸化除去部に酸素成分を供給する酸素供給部と、CO酸化除去部の触媒を再生させる触媒再生処理を行う制御装置とを具備する改質装置。この場合、触媒再生処理の温度領域は第1の温度領域よりも相対的に高温、または、第1の温度領域とされており、CO酸化除去部の触媒が再生される。
(付記項2)付記項1において、改質器の運転履歴を記憶する運転履歴記憶要素が設けられており、制御装置は運転履歴に応じて触媒再生処理を実行する改質装置。運転履歴からみて、触媒変化が激しいと推定されるとき、触媒再生処理の時間を長くする。運転履歴からみて、触媒変化が少ないと推定されるとき、触媒再生処理の時間を短縮する。運転履歴に応じて触媒再生処理の実施を指示または警告する手段が設けられていても良い。
(付記項3)水素を主要成分とすると共に一酸化炭素を含有する改質ガスを改質用燃料から生成する改質器と、改質器で形成された改質ガスに含まれている一酸化炭素を第1の温度領域においてかつ酸素含有雰囲気において酸化させることにより、改質ガスから一酸化炭素を低減させる触媒を有するCO酸化除去部と、CO酸化除去部に酸素成分を供給する酸素供給部と、CO酸化除去部の触媒を再生させる触媒再生処理を行う制御装置と、CO酸化除去部で一酸化炭素が低減さたれ改質ガスがアノードガスとして供給されると共にカソードガスが供給されて発電を行う燃料電池とを具備する燃料電池システム。
本発明は燃料電池システム、水素生成シテスム等に使用される改質装置に利用することができる。
実施例1に係り、改質装置のシステム図である。
実施例1に係り、改質装置の要部のシステム図である。
実施例2に係り、制御装置が改質装置の運転停止時に実行する触媒再生処理のフローチャートを示す。
実施例4に係り、制御装置が改質装置の運転中に実行する触媒再生処理のフローチャートを示す。
実施例5に係り、制御装置が改質装置の運転中に実行する触媒再生処理のフローチャートを示す。
符号の説明
1は燃料電池、2は改質装置、25e,25fは弁(出口弁)3は改質器、30は燃焼部(加熱部)、31は改質部、36は蒸発部、37はCO酸化除去部、39は断熱材(断熱部)、4は熱交換部、5はCOシフト部(CO浄化部)、62は燃料通路、72は空気通路(酸素供給部)、81は水タンク、82は改質水通路(改質水供給部)、100はアノードガス通路(改質ガス吐出路)、200はカソードガス通路、400は浄化通路、500は制御装置、31tは改質部温度検知器、38はCO酸化除去部温度検知器、55はCOシフト部温度検知器、65は温度検知器を示す。