JP2008074059A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録媒体のインク吸収性に応じてインクの乾燥性を確保するとともに、ベタ画像の濃度低下やドットの位置ずれに起因する白筋等の画像不良も解消することができるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】プリント出力信号が送信されて印刷が開始されると(ステップS2)、制御部20において画像データ中に全てが最大階調である2×2の4画素があるか否かが判断される(ステップS3)。全ての画素が最大階調である2×2の4画素が画像データ中に含まれている場合は、ROM22内の設定テーブルを用いて記録用紙のインク吸収レベルを確認する(ステップS4)。そして、吸収レベルが1であるか否かが判断され(ステップS5)、インク吸収性の悪いレベル1の記録用紙である場合は、4画素中の所定の1画素又は斜め方向の2画素を次に低い階調のドットに置換する。
【選択図】図9
【解決手段】プリント出力信号が送信されて印刷が開始されると(ステップS2)、制御部20において画像データ中に全てが最大階調である2×2の4画素があるか否かが判断される(ステップS3)。全ての画素が最大階調である2×2の4画素が画像データ中に含まれている場合は、ROM22内の設定テーブルを用いて記録用紙のインク吸収レベルを確認する(ステップS4)。そして、吸収レベルが1であるか否かが判断され(ステップS5)、インク吸収性の悪いレベル1の記録用紙である場合は、4画素中の所定の1画素又は斜め方向の2画素を次に低い階調のドットに置換する。
【選択図】図9
Description
本発明は、ファクシミリ、複写機、プリンタ等の記録装置において、用紙等の記録媒体にインクを吐出することによって記録を行うインクジェット記録装置に関するものであり、特にラインヘッド型のインクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置に関するものである。
ファクシミリ、複写機、プリンタ等の画像記録装置は、紙、布、OHP用シート等の記録媒体に画像を記録するように構成されているが、記録を行う方式により、インクジェット式、ワイヤドット式、サーマル式等に分類することができる。また、これらの記録方式はさらに、記録ヘッドが記録媒体上を走査しながら記録を行うシリアル型と、装置本体に固定された記録ヘッドにより記録を行うラインヘッド型に分類することができる。
ラインヘッド型インクジェット記録装置では、装置本体内に備えられた搬送ベルト等の搬送手段によって、用紙等の記録媒体が所定の記録位置まで搬送され、記録媒体の幅以上の記録領域を有するラインヘッド型のインクジェットヘッドにより一括して1行分の記録が行われ、その後、搬送手段によって所定量のみ搬送され、さらに一括して次の行の記録が行われる。そして、このような動作が複数回繰り返されることにより、記録媒体全体の記録が行われる。これにより、記録ヘッドが記録媒体の幅方向に往復動作するシリアル型インクジェット記録装置に比べて高速印字が可能となる。
ここで、シリアル型のインクジェット記録装置では、例えば1回目の走査でベタ画像のドットを間引いて印字し、2回目の走査で間引いた部分のドットを印字することにより、インク滴の打ち込み時間をずらしてインクの乾燥時間を確保可能であるが、一括して一行分の記録を行うラインヘッド型インクジェット記録装置では、シリアル型のように重ね書きができないため、特にインク吸収性の悪い記録媒体を用いる場合、インクの乾燥性を維持することが困難であった。
そこで、ラインヘッド型インクジェット記録装置においてインクの乾燥性を維持する方法が提案されており、例えば特許文献1には、画像データから作成されたドットイメージに応じて印字濃度を標準にするか淡くするかの設定を行うとともに、印字濃度を淡くする場合はドットイメージがこわれないようにドットの間引き処理を行うインクジェット記録装置が開示されている。しかしながら、特許文献1に記載されたインクジェット記録装置では、画像パターンを構成するドット数が減少するため、画像濃度が極端に薄くなってしまう。
また、1つのドットで多段階の階調を表現可能なラインヘッドを用いる場合は、ベタ部分の階調を最大階調から次に低い階調のドットに置換する方法が考えられる。図12は最高階調のドットにより形成されたベタ画像の一部を示す模式図である。ラインヘッドの各ノズルから吐出されたインク滴は記録用紙上に着弾し、最高階調のドットDをマトリクス状に形成している。なお、矢印Xは記録用紙の搬送方向を示している。しかし、記録用紙のインク吸収性が悪いと画像の擦れや未乾燥インクによる汚染が発生するおそれがある。
図13では、搬送方向のドット列L1〜L5の一部(ここではドット列L2及びL4)を、最大階調から次に低い階調のドットに置換している。この方法によれば、ベタ画像の濃度を極端に低下させることなくインク塗布量を減少させてインクの乾燥を促進することができる。しかし、吐出されるインクが目的の位置に飛翔せず、例えば図14のようにドット列L2、L5が位置ずれを起した場合、ドット列L2とL3、L4とL5の間に隙間が生じ、ベタ画像に白筋Wが発生することがあった。
特開平5−270054号公報
本発明においては上述の事情に鑑み、記録媒体のインク吸収性に応じてインクの乾燥性を確保するとともに、ベタ画像の濃度低下やドットの位置ずれに起因する白筋等の画像不良も解消することができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の搬送方向に対し直交する方向に複数のノズルが配列されたラインヘッド型のインクジェットヘッドと、画像データ中の画素の階調に応じて前記各ノズルから吐出されるインク量を調整し、前記インクジェットヘッドにより記録媒体上に形成されるドットの階調を制御する階調制御手段と、を備えたインクジェット記録装置において、前記階調制御手段は、前記画像データ中に全ての画素が最大階調である2×2の4画素がある場合、記録媒体のインク吸収性に応じて、ドットの置換を行わない制御と、その4画素中の所定の1画素を次に低い階調のドットに置換する制御とを選択的に実行することを特徴としている。
また、本発明は、記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の搬送方向に対し直交する方向に複数のノズルが配列されたラインヘッド型のインクジェットヘッドと、画像データ中の画素の階調に応じて前記各ノズルから吐出されるインク量を調整し、前記インクジェットヘッドにより記録媒体上に形成されるドットの階調を制御する階調制御手段と、を備えたインクジェット記録装置において、前記階調制御手段は、前記画像データ中に全ての画素が最大階調である2×2の4画素がある場合、記録媒体のインク吸収性に応じて、ドットの置換を行わない制御と、その4画素中の斜め2つの画素を次に低い階調のドットに置換する制御とを選択的に実行することを特徴としている。
また、本発明は、記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の搬送方向に対し直交する方向に複数のノズルが配列されたラインヘッド型のインクジェットヘッドと、画像データ中の画素の階調に応じて前記各ノズルから吐出されるインク量を調整し、前記インクジェットヘッドにより記録媒体上に形成されるドットの階調を制御する階調制御手段と、を備えたインクジェット記録装置において、前記階調制御手段は、前記画像データ中に全ての画素が最大階調である2×2の4画素がある場合、記録媒体のインク吸収性に応じて、ドットの置換を行わない制御、その4画素中の所定の1画素を次に低い階調のドットに置換する制御、その4画素中の斜め2つの画素を次に低い階調のドットに置換する制御のうちいずれかを選択的に実行することを特徴としている。
本発明の第1の構成によれば、記録媒体のインク吸収性が低い場合は2×2の4画素中の所定の1画素を最大階調の次に低い階調のドットに置換することにより、記録用紙上に打滴されるインクの総量が低減されるため、インク吸収性の低い記録用紙であっても画像の濃度低下を抑えつつ、インクの乾燥を促進することができる。また、階調を下げたドットは搬送方向及びそれと直交する方向のいずれにも連続して並ばないため、隣接するドットとの隙間が白筋となって目立ち難くなる。
また、本発明の第2の構成によれば、記録媒体のインク吸収性が低い場合は2×2の4画素中の斜め2画素を最大階調の次に低い階調のドットに置換することにより、記録用紙上に打滴されるインクの総量が更に低減されるため、難吸収性の記録用紙であっても画像濃度の極端な低下を抑えつつ、インクの乾燥を促進することができる。また、階調を下げたドットは搬送方向及びそれと直交する方向のいずれにも連続して並ばないため、隣接するドットとの隙間が白筋となって目立ち難くなる。
また、本発明の第3の構成によれば、ドットの置換を行わない制御、4画素中の所定の1画素を次に低い階調のドットに置換する制御、4画素中の斜め2つの画素を次に低い階調のドットに置換する制御のうちいずれかを記録媒体のインク吸収性に応じて選択的に実行することにより、画像濃度とインク乾燥性とを記録用紙の種類に応じて最適化しつつ、ドットの位置ずれによる白筋の発生も抑制可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明のインクジェット記録装置の概略構成を示す側面断面図であり、図2は、図1に示すインクジェット記録装置を上方からみた平面図である。
図1に示すように、インクジェット記録装置100の左側部には記録用紙Pを収容する給紙トレイ2が設けられており、この給紙トレイ2の一端部には収容された記録用紙Pを、最上位の記録用紙Pから順に一枚ずつ後述する搬送ベルト5へと搬送給紙するための給紙ローラ3及び給紙ローラ3に圧接され従動回転する従動ローラ4が設けられている。
給紙ローラ3及び従動ローラ4の用紙搬送方向下流側(図1において右側)には、搬送ベルト5が回転自在に配設されている。搬送ベルト5は、用紙搬送方向下流側に配置されたベルト駆動ローラ6と、上流側に配置され搬送ベルト5を介してベルト駆動ローラ6に従動回転するベルトローラ7とに掛け渡されており、ベルト駆動ローラ6が時計方向に回転駆動されることにより、記録用紙Pが矢印Xの方向に搬送される。
ここで、用紙搬送方向Xの下流側にベルト駆動ローラ6を配置したことにより、搬送ベルト5の用紙送り側(図1において上側)はベルト駆動ローラ6に引っ張られるようになるため、ベルトテンションを張ることができ、安定した記録用紙Pの搬送が可能となる。なお、搬送ベルト5には誘電体樹脂製のシートが用いられ、その両端部を互いに重ね合わせて接合しエンドレス形状にしたベルトや、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルト等が好適に用いられる。
また、搬送ベルト5の用紙搬送方向下流側には、図中時計回りに駆動され画像が記録された記録用紙Pを装置本体外へと排出する排出ローラ8、及び排出ローラ8の上部に圧接され従動回転する従動ローラ9が設けられており、排出ローラ8及び従動ローラ9の下流側には、装置本体外へと排出された記録用紙Pが積載される排紙トレイ10が設けられている。
そして、搬送ベルト5の上方には、搬送ベルト5の上面に対して所定の間隔が形成されるような高さに支持され、搬送ベルト5上を搬送される記録用紙Pへと画像の記録を行うラインヘッド11C,11M,11Y及び11Kが配設されている。これらのラインヘッド11C〜11Kには、それぞれ異なる4色(シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック)の着色インクが充填されており、各ラインヘッド11C〜11Kからそれぞれの着色インクを吐出することにより、記録用紙P上にカラー画像が形成される。
これらのラインヘッド11C〜11Kは、図2に示すように、用紙搬送方向と直交する方向に複数のノズルが千鳥状に配列されて、搬送される記録用紙Pの幅以上の記録領域を有しており、搬送ベルト5上を搬送される記録用紙Pに対して、一括して1行分の画像(ドット列)を記録することができるようになっている。
なお、本実施形態においては、長手方向の寸法が搬送ベルト5の幅寸法以上に形成された本体に、記録用紙Pの幅方向に複数のノズルを千鳥状に配列させることで、記録用紙Pの幅以上の記録領域を有するように構成されたラインヘッド型のインクジェットヘッドを用いているが、これは、各々数個のノズルを備えた短尺の記録ヘッドを、搬送ベルト5の幅方向に複数配列することにより、搬送される記録用紙Pの幅方向全幅にわたって画像を記録できるようにしたインクジェットヘッドユニットを用いても構わない。
なお、ラインヘッド11C〜11Kのインクの吐出方式としては、例えば、図示しないピエゾ素子を用いてインクを押し出すピエゾ方式や、発熱体によって気泡を発生させ、圧力をかけてインクを吐出するサーマルインクジェット方式など、各種方式を適用することができる。
図3は、本発明のインクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。図1及び図2と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。インクジェット記録装置100には制御部20が備えられており、制御部20には、インターフェース21、ROM22、RAM23、エンコーダ24、モータ制御回路25、ラインヘッド制御回路26、及び電圧制御回路27等が接続されている。
インターフェース21は、例えば、図示しないパソコン等のホスト装置とデータの送受信を行う。制御部20は、インターフェース21を介して受信された画像信号を、必要に応じて変倍処理或いは階調処理して画像データに変換する。そして、後述する各種制御回路に制御信号を出力する。また、制御部20は画像データ中の画素の階調に応じてラインヘッド11C〜11Kの各ノズルから吐出されるインク量を調整し、記録媒体上に形成されるドットの階調(ドット面積)を制御する階調制御手段としての役割も果たす。インク吐出量は、例えばピエゾ(圧電素子)方式の場合、各ノズルに印加される駆動電圧値や駆動パルス幅を変化させることにより調整される。
ROM22は、ラインヘッド11C〜11Kを駆動させて画像記録を行う際の制御プログラムや、記録用紙の種類とインク吸収性レベルとの関係(後述)を規定したテーブル等を記憶している。RAM23は、制御部20により変倍処理或いは階調処理された画像データを一時的に所定の領域に格納する。
エンコーダ24は、搬送ベルト5を駆動する排紙側のベルト駆動ローラ6に接続されており、ベルト駆動ローラ6の回転軸の回転変位量に応じてパルス列を出力する。制御部20は、エンコーダ24から送信されるパルス数をカウントすることで回転量を算出し、用紙の送り量(用紙位置)を把握する。そして制御部20は、エンコーダ24からの信号に基づいて、モータ制御回路25及びラインヘッド制御回路26に制御信号を出力する。
モータ制御回路25は、制御部20からの出力信号により記録媒体搬送用モータ28を駆動する。記録媒体搬送用モータ28は駆動してベルトローラ6を回転させ、搬送ベルト5を図1の時計回りに回動させて用紙を矢印X方向へと搬送する。
ラインヘッド制御回路26は、制御部20からの出力信号に基づいて、RAM23に格納された画像データをラインヘッド11C〜11Kへ転送し、転送された画像データに基づいてラインヘッド11C〜11Kからのインクの吐出を制御する。かかる制御と、記録媒体搬送用モータ28によって駆動する搬送ベルト5による用紙の搬送の制御とにより、用紙への記録処理が行われる。
電圧制御回路27は、制御部20からの出力信号に基づいて給紙側のベルトローラ7に電圧を印加することにより交番電界を発生させ、搬送ベルト5に用紙を静電吸着させる。静電吸着の解除は、制御部20からの出力信号に基づいてベルトローラ7又はベルト駆動ローラ6を接地させることにより行われる。なお、ここでは給紙側のベルトローラ7に電圧を印加する構成としたが、排紙側のベルト駆動ローラ6に電圧を印加する構成としても良い。
ここで、本発明に係るインクジェット記録装置100においては、画像データ中に全てが最大階調である2×2の4画素(ベタ画像)がある場合、予め入力された記録用紙の種類からその記録用紙のインク吸収レベルを決定し、ドットの置換を行わない制御と、4画素中の所定の画素を最大階調の次に低い階調のドットに置換する制御とを、インク吸収性レベルに応じて選択的に実行することを特徴としている。
次に、本発明におけるインクジェット記録装置100のドット置換パターンについて説明する。図4は、記録用紙上に吐出される2×2の4画素のドット置換パターンの一例を示す拡大平面図であり、図4(a)は4画素のドットを全く置換しない場合、図4(b)は所定の1ドットを置換した場合を示す拡大平面図である。この例では、図4(a)に示した2×2の4画素(図中のマス目)に対応する最高階調のドットD1〜D4のうち右上に位置するドットD3を、図4(b)に示すように、次に低い階調のドットに置換している(以下、第1の置換パターンという)。これにより、記録用紙上に打滴されるインクの総量が低減されるため、インク吸収性の低い記録用紙であってもインクの乾燥を促進することができる。
図4に示した第1の置換パターンを用いて記録されたベタ画像を図5に示す。なお、矢印Xは用紙搬送方向を示している。最高階調のドット面積は画素面積(図5中のマス目の面積)に比べて大きいため、ドットD3の階調を最大階調から1つ下げても、図5(a)に示すように、ドットD3及びこれに隣接するドットD1、D4の間に隙間は生じず、ベタ画像の濃度を極端に低下させるおそれはない。
また、ラインヘッドに吐出不良ノズルが発生し、例えば図5(b)に示すようにドット列L2が左方向に、ドット列L5が右方向に位置ずれを起こした場合でも、階調を下げたドットD3は1画素おきに記録され搬送方向に連続して並ばないため、搬送方向と直交する方向(図の水平方向)のドットの外縁間の距離が小さくなり、隣接するドット列L3、L4との隙間が白筋となって目立ち難くなる。
また、階調を下げたドットD3は搬送方向と直交する方向にも1画素おきに記録されるため、搬送方向と直交する方向の白筋も抑制される。なお、ここでは一例として、4画素のうち右上のドットD3を階調の低いドットに置換したが、ドットD3に代えて他のドットD1、D2、D4のうちいずれかを階調の低いドットに置換しても良い。
図6は、記録用紙上に吐出される2×2の4画素のドット置換パターンの他の例を示す拡大平面図であり、図6(a)は4画素のドットを全く置換しない場合、図6(b)は斜め2ドットを置換した場合を示す拡大平面図である。この例においては、2×2の4画素に対応する最高階調のドットD1〜D4のうち、左下のドットD2及び右上のドットD3を次に低い階調のドットに置換している(以下、第2の置換パターンという)。これにより、1ドットを置換する第1の置換パターンに比べて記録用紙上に打滴されるインクの総量がより一層低減されるため、インクの乾燥をさらに促進することができる。
図6に示した第2の置換パターンを用いて記録されたベタ画像を図7に示す。なお、矢印Xは用紙搬送方向を示している。最高階調のドット面積は画素面積(図7中のマス目の面積)に比べて大きいため、ドットD2及びD3の階調を最大階調から1つ下げても、図7(a)に示すように、ドットD2、D3及びこれに隣接するドットD1、D4の間に隙間は生じず、ベタ画像の濃度を極端に低下させるおそれはない。
また、ラインヘッドに吐出不良ノズルが発生し、例えば図7(b)に示すようにドット列L2が左方向に、ドット列L5が右方向に位置ずれを起こした場合でも、階調を下げたドットD2、D3は1画素おきに記録され搬送方向に連続して並ばないため、隣接するドット列L3、L4との隙間が白筋となって目立ち難くなる。さらに、ドットD2、D3は千鳥状に記録され搬送方向に直交する方向にも連続して並ばないため、水平方向の白筋の発生も抑制される。なお、ここでは一例として、4画素のうち左下のドットD2及び右上のドットD3を階調の低いドットに置換したが、左上のドットD1及び右下のドットD4を階調の低いドットに置換しても良い。
次に、本発明のインクジェット記録装置のドット置換制御について説明する。本発明では、記録用紙の種類毎にインク吸収レベルを設定しておき、ユーザが使用する記録用紙の吸収レベルに応じてベタ画像のドット置換制御を実行するか否かを決定する。図8は記録用紙の種類とインク吸収レベルとの関係を規定する設定テーブルの一例である。
図8に示す設定テーブルでは、記録用紙をインク吸収性の低い順にレベル1、レベル2の2段階に分類しており、レベル1には普通紙、再生紙、薄紙、及び難吸収性のコート紙やトレーシングペーパーが分類され、レベル2にはインク吸収性の良いインクジェット専用紙、写真用紙が分類されている。設定テーブルはROM22(図3参照)内に格納されており、必要に応じて制御部20(図3参照)により読み出され、記録用紙のインク吸収レベルが決定される。
図9は、本発明のインクジェット記録装置におけるドット置換制御手順を示すフローチャートである。図3を参照しながら図9のステップに従い、ベタ画像形成時のドット置換手順について説明する。先ず、ユーザにより使用する記録用紙の種類が入力される(ステップS1)。次に、プリント出力信号が送信されて印刷が開始されると(ステップS2)、制御部20において画像データ中に全てが最大階調である2×2の4画素があるか否かが判断される(ステップS3)。
全ての画素が最大階調である2×2の4画素が画像データ中に含まれている場合は、ROM22内の設定テーブルを用いて記録用紙のインク吸収レベルを確認する(ステップS4)。そして、吸収レベルが1であるか否かが判断され(ステップS5)、インク吸収性の悪いレベル1の記録用紙である場合は、4画素中の所定の1画素(図4(b)参照)又は斜め方向の2画素(図6(b)参照)を次に低い階調のドットに置換する。
そして、置換された画像データに基づいて記録用紙上に画像の印刷を行う(ステップS7)。一方、全ての画素が最大階調である2×2の4画素が画像データ中に含まれていない場合(ステップS3でNO)、及び記録用紙がインク吸収性の良いレベル2である場合(ステップS5でNO)は、ドットの置換を行わずにそのまま印刷を行う。
その後、印刷が継続しているか否かが判断され(ステップS8)、印刷が終了している場合はそのまま処理を終了する。一方、連続印刷が入力され印刷が継続中である場合はステップS2に戻り、以下同様の手順(ステップS3〜S7)を繰り返す。
図10は記録用紙の種類とインク吸収レベルとの関係を規定する設定テーブルの他の例であり、図11は、図10の設定テーブルを用いたドット置換制御手順を示すフローチャートである。図10に示す設定テーブルでは、記録用紙をインク吸収性の低い順にレベル1、レベル2、レベル3の3段階に分類しており、レベル1には難吸収性のコート紙やトレーシングペーパー、レベル2には普通紙、再生紙、薄紙、レベル3にはインク吸収性の良いインクジェット専用紙、写真用紙が分類されている。
図11に示す制御手順では、ステップS3において全ての画素が最大階調である2×2の4画素が画像データ中に含まれており、インク吸収性が悪いレベル1の記録用紙の場合(ステップS5でYES)、第2の置換パターンを用いて斜め2画素のドットを置換し(ステップS6)、インク吸収性が中程度であるレベル2の記録用紙の場合(ステップS7でYES)、第1の置換パターンを用いて所定の1画素のドットを置換し(ステップS8)、インク吸収性が良好なレベル3の記録用紙の場合(ステップS7でNO)、ドットの置換を行わない制御を行うこととしている。
これにより、使用する記録用紙のインク吸収性に適合した段階的なドット置換制御が可能となって、ドットの位置ずれによる白筋の発生を抑制しつつ、ベタ画像濃度とインク乾燥性とを記録用紙の種類に応じて最適化することができる。
その他、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、設定テーブルに分類される記録用紙の種類は記録装置の仕様に応じて任意に変更可能である。また、上記実施形態においては4色のインクに対応するラインヘッド11C〜11Kを備えたカラープリンタを例に挙げて説明したが、本発明は、1つのラインヘッドを備えたモノクロ用のインクジェットプリンタにも全く同様に適用可能である。
本発明は、記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の搬送方向に対し直交する方向に複数のノズルが配列されたラインヘッド型のインクジェットヘッドと、画像データ中の画素の階調に応じて前記各ノズルから吐出されるインク量を調整し、インクジェットヘッドにより記録媒体上に形成されるドットを複数の階調に制御する階調制御手段と、を備えたインクジェット記録装置において、階調制御手段は、画像データ中に全ての画素が最大階調である2×2の4画素がある場合、記録媒体のインク吸収性に応じて、ドットの置換を行わない制御と、その4画素中の所定の1画素又は斜め2画素を次に低い階調のドットに置換する制御とを選択的に実行する。
これにより、インク吸収性の低い記録用紙であっても画像の濃度低下を抑えつつ、インクの乾燥を促進することができ、さらに階調を下げたドットと隣接するドットとの隙間が白筋となって目立ち難いインクジェット記録装置を提供することができる。
また、記録用紙のインク吸収性を3段階に分類し、インク吸収性の低い順に、4画素中の斜め2画素を置換、所定の1画素を置換、及び置換を行わない制御を割り当てることとすれば、使用する記録用紙のインク吸収性に応じた段階的なドット置換制御が可能なインクジェット記録装置となる。
2 給紙トレイ
3 給紙ローラ
4 従動ローラ
5 搬送ベルト(搬送手段)
6 ベルト駆動ローラ
7 ベルトローラ
8 排出ローラ
9 従動ローラ
10 排紙トレイ
11C,11M,11Y,11K ラインヘッド(インクジェットヘッド)
20 制御部(階調制御手段)
100 インクジェット記録装置
P 記録用紙(記録媒体)
3 給紙ローラ
4 従動ローラ
5 搬送ベルト(搬送手段)
6 ベルト駆動ローラ
7 ベルトローラ
8 排出ローラ
9 従動ローラ
10 排紙トレイ
11C,11M,11Y,11K ラインヘッド(インクジェットヘッド)
20 制御部(階調制御手段)
100 インクジェット記録装置
P 記録用紙(記録媒体)
Claims (3)
- 記録媒体を搬送する搬送手段と、
記録媒体の搬送方向に対し直交する方向に複数のノズルが配列されたラインヘッド型のインクジェットヘッドと、
画像データ中の画素の階調に応じて前記各ノズルから吐出されるインク量を調整し、前記インクジェットヘッドにより記録媒体上に形成されるドットの階調を制御する階調制御手段と、を備えたインクジェット記録装置において、
前記階調制御手段は、前記画像データ中に全ての画素が最大階調である2×2の4画素がある場合、記録媒体のインク吸収性に応じて、ドットの置換を行わない制御と、その4画素中の所定の1画素を次に低い階調のドットに置換する制御とを選択的に実行することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 記録媒体を搬送する搬送手段と、
記録媒体の搬送方向に対し直交する方向に複数のノズルが配列されたラインヘッド型のインクジェットヘッドと、
画像データ中の画素の階調に応じて前記各ノズルから吐出されるインク量を調整し、前記インクジェットヘッドにより記録媒体上に形成されるドットの階調を制御する階調制御手段と、を備えたインクジェット記録装置において、
前記階調制御手段は、前記画像データ中に全ての画素が最大階調である2×2の4画素がある場合、記録媒体のインク吸収性に応じて、ドットの置換を行わない制御と、その4画素中の斜め2つの画素を次に低い階調のドットに置換する制御とを選択的に実行することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 記録媒体を搬送する搬送手段と、
記録媒体の搬送方向に対し直交する方向に複数のノズルが配列されたラインヘッド型のインクジェットヘッドと、
画像データ中の画素の階調に応じて前記各ノズルから吐出されるインク量を調整し、前記インクジェットヘッドにより記録媒体上に形成されるドットの階調を制御する階調制御手段と、を備えたインクジェット記録装置において、
前記階調制御手段は、前記画像データ中に全ての画素が最大階調である2×2の4画素がある場合、記録媒体のインク吸収性に応じて、ドットの置換を行わない制御、その4画素中の所定の1画素を次に低い階調のドットに置換する制御、その4画素中の斜め2つの画素を次に低い階調のドットに置換する制御のうちいずれかを選択的に実行することを特徴とするインクジェット記録装置。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006259031A Pending JP2008074059A (ja) | 2006-09-25 | 2006-09-25 | インクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008074059A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011093135A (ja) * | 2009-10-28 | 2011-05-12 | Seiko Epson Corp | 印刷装置および印刷方法 |
JP2015000539A (ja) * | 2013-06-17 | 2015-01-05 | セイコーエプソン株式会社 | 印刷装置 |
JP2015123655A (ja) * | 2013-12-26 | 2015-07-06 | 株式会社Screenホールディングス | 印刷装置の印刷位置補正方法及び印刷装置 |
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2006
- 2006-09-25 JP JP2006259031A patent/JP2008074059A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011093135A (ja) * | 2009-10-28 | 2011-05-12 | Seiko Epson Corp | 印刷装置および印刷方法 |
JP2015000539A (ja) * | 2013-06-17 | 2015-01-05 | セイコーエプソン株式会社 | 印刷装置 |
JP2015123655A (ja) * | 2013-12-26 | 2015-07-06 | 株式会社Screenホールディングス | 印刷装置の印刷位置補正方法及び印刷装置 |
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