JP2008045805A - 床暖房システムの運転制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】就寝前は通常モード(室温設定T1)で運転継続されている(ステップS101)。使用者のコントローラ7による睡眠モードの選択、又はタイマー設定により、睡眠モード運転が開始される。すなわち、第一段階として運転OFF状態となり(ステップS103)、この状態がt1時間継続される(ステップS104)。t1時間以上経過したときは運転が再開される。この場合の室温設定はT2(T2<T1)となる(ステップS105)。この状態で運転が継続される。この間、起床予定時刻τ4と現在時刻(τ)との差が比較される(ステップS106)。両者の差がt2時間以下となったときは(ステップS106においてYES)睡眠モードを終了して通常モード(室温設定T1)に戻る。
【選択図】図2
Description
請求項1の発明は、床暖房システムにおいて、運転モードとして通常モードと睡眠モードとを備えており、かつ、睡眠モードが選択されたときは、睡眠モード開始とともに制御対象の設定値を通常モードにおける第一の設定値より低い第二の設定値で運転を継続し、その後、予め設定されている起床予定時刻の所定時間(t2)前からは、通常モード運転に移行することを特徴とする床暖房システムの運転制御方法である。
本発明において、「床暖房システム」は熱源種類、熱媒種類(温水・電気等)を問わない。また「制御対象」とは、熱源エネルギー消費量、温水温度、室内温度など、最終的に人体の体温変化に合わせた室内環境制御が可能な対象を指す概念である。
上記において、睡眠モード開始とともに運転を停止し、所定時間(t1)経過後に運転再開するステップを、さらに含むことを特徴とする(請求項2)。
上記において、制御対象が室内温度であり、第一の設定値が第一の設定温度(T1)であり、第二の設定値が第二の設定温度(T2)であることを特徴とする(請求項3)。
上記発明において、所定時間(t1)経過後運転を再開することに替えて、室温が前記第二の設定温度(T2)以下となったときに運転を再開することができる(請求項4)。
また、所定時間(t2)の設定を、睡眠モード運転時における熱源出力の経時変化率に基づいて行うことができる(請求項5)。
ここにいう「熱源出力」とは、熱源(ガス、灯油、電気等)のエネルギー消費量をいう。「経時変化率」とは、単位時間当たりエネルギー消費量の経時変化率を言う。
また、所定時間(t2)の設定を外気温に基づいて行うことができる(請求項6)。
一般に、朝一番の立ち上げ時間は外気温に依存する。従って、所定時間(t2)の設定を外気温に基づいて行うことにより、気象条件等に対応してより快適な起床時環境を実現することができる。
本発明は、寝室床暖房のプログラム運転制御に関する。図12は、本発明の作用を示す図である。請求項1以下の発明が同図Aの範囲に関する制御であるのに対して、本発明の範囲はBに拡大されている。このうちB1は、睡眠モード開始の準備(部屋・床を予め暖めておく)のために、就寝予定時刻(τ1)のt3時間前に通常モード運転を開始するものである。またB2は、起床後は寝室が無人となることが多いため、起床予定時刻(τ4)から一定時間(t4)運転後に、通常モード運転を停止するものである。このような制御により、利用者は運転操作を行うことなく快適な就寝環境を享受できる。
請求項8の発明は、上記各発明において床暖房システムは、さらに寝具モードとして布団モードを含む複数のモードを備えており、布団モードが選択され、かつ、睡眠モード運転時における単位時間当たりエネルギー消費量が定格値に対して所定の値以下となったときは、所定時間(t5)運転を停止することを特徴とする。
床暖房パネル上に布団を敷くと閉塞温度上昇(こもり熱)が発生し、快適な睡眠環境を妨げることになる。これを回避するため、本発明は、寝具モードとして布団モードが選択されたときは、睡眠モード運転時においてエネルギー消費量が小さい場合に一定時間運転を停止し、こもり熱を防止するものである。
「所定の値」は熱源種類、居室条件等に対応して適当に定めることができる。
温水式床暖房の場合、床暖房パネル上に布団が敷かれていると床暖房パネルからの放熱が妨げられ、結果的に戻り温水温度が上昇する。この変化を検知することにより、床暖房パネル上に布団が敷かれているか否かを判定することが可能になる。なお、戻り温水温度に替えて床表面温度変化を検知する方式とすることも可能である。
本発明により、布団が敷かれたときの各部温度変化に対応して快適環境が実現できる。
さらに、通常モード運転における立ち上げ時の熱源機出力が所定の値以下のときは、自動的に布団モードと判定することができる(請求項11)。
本実施形態は主として請求項1、2に対応するものであり、睡眠モード開始後、一定時間運転停止し、運転再開後は通常モード運転時の設定温度より低温の設定温度で運転継続することを特徴とする。図1は、本実施形態に係る床暖房システム1の全体構成を示す図である。図2は、本実施形態における制御フローを示す図である。図3は、本制御中における熱源機出力及び室内温度の経時変化を示す図である。
図1を参照して、床暖房システム1は屋外に設置された熱源機3、家屋2の寝室6の床面9に敷設された床暖房パネル4、寝室6壁面に設置された床暖房コントローラ7を主要構成として備えている。床暖房パネル4上にはベッド10が置かれている。熱源機3と床暖房パネル4間は、往側温水配管5a及び戻側温水配管5bで結ばれており、熱源機3で作られた温水を循環可能に構成されている。熱源機3は、筐体3a内部に燃焼部3b、熱交換部3dを主要構成として備えており、ガス供給系統(図示せず)を介して供給される都市ガスを熱源として暖房用温水を作り、床暖房パネル4に供給するように構成されている。床暖房コントローラ7表面には温度センサS2が設けられており、寝室6の室内温度を計測するように構成されている。また、床暖房コントローラ7は、図示を省略するが後述する運転モード(通常モード、睡眠モード)、熱源機発停タイマー設定等の各種ボタンを備えている。熱源機3内の戻側系統3f経路中には温度センサS1が配設されており、戻側温水温度を計測するように構成されている。温度センサS1、S2の計測値は熱源機3内の制御部3cに取り込まれ、後述の温水温度制御に用いられる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態は、主として請求項3に対応する。本実施形態の構成は第一の実施形態に係る床暖房システム1と同一であるので、重複説明を省略する。本実施形態が第一の実施形態と異なる点は、第一の実施形態では睡眠モード開始後に一定時間運転停止するのに対して、本実施形態では室内温度が睡眠モード時の設定室温T2となるまで運転停止することである。
さらに本発明の他の実施形態について、図6、7をも参照して説明する。本実施形態の構成についても、第一の実施形態に係る床暖房システム1と同一であるので、重複説明を省略する。本実施形態が上述の実施形態と異なる点は、上述の各実施形態では通常モードへの移行時刻を起床予定時刻から逆算しているのに対して、本実施形態では運転再開後の熱源機出力の経時変化に基づいて定めることである。
図6を参照して、移行時間テーブルは出力変化率(ΔW/Δt)増加に伴って移行時間(t2)が増加するように設定されている。ここに、出力変化率(ΔW/Δt)は、図7の時刻τ2’以降の傾きαb、αa、αcに該当する。なお、例えばαa=(W3a−W2)/(τ3a−τ2)である。これらの値は、睡眠モード運転時における外気温低下度により定まる値である。すなわち、外気温低下度が大きいときは出力変化率も高くなり(ΔW/Δt=αb)、移行時間は移行時間テーブル(図6)においてαbに対応するt2bとなる。また、外気温低下度が標準値のときは出力変化率も標準値(αa)となり、移行時間はt2aとなる。さらに、外気温低下度が小さいときは出力変化率小(αc)となり、移行時間はt2cとなる。このように、時刻τ2に運転再開された後の外気温低下度に対応して移行時間が変化するため、外気温に関わらず起床時において室内温度を設定値(T1)に立ち上げることが可能となる。
さらに、外気温計測手段及び出力変化率に替えて外気温に対する移行時間テーブルを備えることにより、外気温に基づいて移行時間を決定する形態とすることもできる。
さらに、図8、9を参照して本発明の他の実施形態について説明する。図8を参照して、本実施形態に係る床暖房システム20が上述の実施形態に係る床暖房システム1と異なる点は、床暖房システム20では床暖房パネル9上にベッドではなく布団21が敷かれている点である。また、図示はしないが、床暖房コントローラ7が寝具モード(布団/ベッド)選択ボタンを備えている点である。さらに、寝具モードとして布団が選択されたときは、運転OFF継続時間(t1)、通常モード移行までの時間(t2)に替えて、布団を敷いた状態の床表面温度上昇に対応した時間t1’及びt2’を用いる点である。
ステップS307において戻り温水温度がT4未満のときは、上述の実施形態と同様に現在時刻(τ)と起床予定時刻τ4が比較され(ステップS308)、両者の差がt2’時間以下となったときは睡眠モードを終了し、通常モード(室温設定T1)に戻る(ステップS308においてYES)。
2 家屋
3 熱源機
4 床暖房パネル
5a 往側温水配管
5b 戻側温水配管
7 床暖房コントローラ
S1、S2 温度センサ
Claims (11)
- 床暖房システムにおいて、運転モードとして通常モードと睡眠モードとを備えており、かつ、
睡眠モードが選択されたときは、睡眠モード開始とともに制御対象の設定値を通常モードにおける第一の設定値とは異なる第二の設定値で運転を継続し、
その後、予め設定されている起床予定時刻の所定時間(t2)前からは、通常モード運転に移行することを特徴とする床暖房システムの運転制御方法。 - 請求項1において、睡眠モード開始とともに運転を停止し、所定時間(t1)経過後に運転再開するステップを、さらに含むことを特徴とする床暖房システムの運転制御方法。
- 請求項1又は2において、前記制御対象が室内温度であり、前記第一の設定値が第一の設定温度(T1)であり、前記第二の設定値が第二の設定温度(T2)であることを特徴とする床暖房システムの運転制御方法。
- 請求項3において、所定時間(t1)経過後運転を再開することに替えて、室温が前記第二の設定温度(T2)以下となったときに運転を再開することを特徴とする床暖房システムの運転制御方法。
- 前記所定時間(t2)の設定を、睡眠モード運転時における熱源機出力の経時変化率に基づいて行うことを特徴とする請求項1乃至4に記載の床暖房システムの運転制御方法。
- 前記所定時間(t2)の設定を、外気温に基づいて行うことを特徴とする請求項1乃至4に記載の床暖房システムの運転制御方法。
- 予め設定されている就寝予定時刻の所定時間(t3)前から通常モード運転を開始するステップと、
予め設定されている起床予定時刻の所定時間(t4)経過後に通常モード運転を停止するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至6に記載の床暖房システムの運転制御方法。 - 前記床暖房システムは、さらに寝具モードとして布団モードを含む複数のモードを備えており、布団モードが選択され、かつ、睡眠モード運転時における単位時間当たりエネルギー消費量が定格値に対して所定の値以下となったときは、所定時間(t5)運転を停止することを特徴とする請求項1乃至7に記載の床暖房システムの運転制御方法。
- 請求項8において、前記床暖房システムが温水式であり、かつ、「単位時間当たりエネルギー消費量が定格値に対して所定の値以下となったときは、所定時間(t5)運転を停止する」ことに替えて、「戻り温水温度が所定の閾値(T4)を超えたときは、所定時間(t5)運転を停止する」ことを特徴とする床暖房システムの運転制御方法。
- 請求項8又は9において、寝具モードとして布団が選択されたときは、前記所定時間(t1)及び前記所定時間(t2)に替えて、布団を敷いた状態の床表面温度上昇に対応した所定時間(t1’)及び所定時間(t2’)を採用することを特徴とする床暖房システムの運転制御方法。
- 通常モード運転における立ち上げ時の熱源機出力が所定の値以下のときは、自動的に布団モードと判定することを特徴とする請求項8乃至10に記載の床暖房システムの運転制御方法。
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