JP2008041973A - 低背型インダクタ - Google Patents
低背型インダクタ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008041973A JP2008041973A JP2006215262A JP2006215262A JP2008041973A JP 2008041973 A JP2008041973 A JP 2008041973A JP 2006215262 A JP2006215262 A JP 2006215262A JP 2006215262 A JP2006215262 A JP 2006215262A JP 2008041973 A JP2008041973 A JP 2008041973A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plate
- resin
- magnetic powder
- core member
- magnetic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Coils Or Transformers For Communication (AREA)
Abstract
【課題】2枚の板状コア部材で線材を挟み込む構造を有するインダクタと比べて、より低背化を図ること。
【解決手段】低背型インダクタ1Aは、磁性材料を板形状に形成してなる板状コア部材10と、板状コア部材10の一対の板面の中の少なくとも一方の面に載置される導体11,12と、導体11,12が載置されている板状コア部材10の面上に形成されるとともに、磁性粉体入りの樹脂16が硬化されてなる磁性樹脂層13と、を有するものである。
【選択図】図1
【解決手段】低背型インダクタ1Aは、磁性材料を板形状に形成してなる板状コア部材10と、板状コア部材10の一対の板面の中の少なくとも一方の面に載置される導体11,12と、導体11,12が載置されている板状コア部材10の面上に形成されるとともに、磁性粉体入りの樹脂16が硬化されてなる磁性樹脂層13と、を有するものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、低背型インダクタに関する。
特許文献1は、線材を、一対のコアで挟み込んだ薄型インダクタを開示する。
特許文献1の薄型インダクタは、板状に形成された一対のコアを重ね合わせることで、閉磁路を形成する。板状に形成されるコアには、たとえばそれ単体での強度を確保したりするために、厚さが必要である。特許文献1の薄型インダクタの厚さは、板状に形成されるコアの2枚分以上の厚さとなってしまう。また、特許文献1の薄型インダクタでは、コアの2枚分以下の厚さに形成することはできない。
本発明は、2枚の板状コア部材で線材を挟み込む構造を有するインダクタと比べて、より低背化を図ることが可能な低背型インダクタを得ることを目的とする。
本発明に係る低背型インダクタは、磁性材料を板形状に形成してなる板状コア部材と、板状コア部材の一対の板面の中の少なくとも一方の面に載置される導体と、導体が載置される板状コア部材の面上に形成されるとともに、磁性粉体入りの樹脂が硬化されてなる磁性樹脂層と、を有するものである。
この構成を採用すれば、導体は、磁性粉体入りの樹脂が硬化されてなる磁性樹脂層と、板状コア部材とにより挟まれる。磁性樹脂層と板状コア部材とにより、導体の周囲に閉磁構造が形成される。しかも、この閉磁構造を形成するために板状コア部材は1枚だけ使用する。したがって、仮にたとえば2枚の板状コア部材により導体を挟み込むことで閉磁構造を形成する場合に比べて、インダクタの高さを低くすることが可能である。導体の層数が等しい他のインダクタに比べて、低背化される。
また、この構成を採用すれば、低背型インダクタのインダクタンス値などの特性値は、磁性粉体入りの樹脂の量、磁性粉体入りの樹脂の板状コア部材に対する形成範囲、磁性粉体入りの樹脂中の磁性粉体の濃度(量)などにより変化する。したがって、磁性粉体入りの樹脂の調整により、インダクタンス値などの特性値を容易に変更したり、容易に調整したりすることができる。インダクタンス値などの特性値を変更するために、たとえば導体の配置やターン数を変更したり、そのための冶具を新調したり、導体をプレス加工により形成するための金型を作り直したり、板状コア部材を変更したりする必要がない。手間やコストをかけることなく、設計変更や特別注文などに応じて柔軟に且つ短納期で低背型インダクタを供給することができる。
本発明に係る低背型インダクタは、上述した発明の構成に加えて、導体が、1層構造であるものである。
この構成を採用すれば、導体が1層構造となり、磁性粉体入りの樹脂を用いたことによる低背化の効果を最大限に生かし、低背型インダクタとして、従来にない低さのものを得ることができる。2枚の板状コア部材で線材を挟み込む構造を有するインダクタより、低背化された低背型インダクタとなる。
本発明に係る低背型インダクタは、上述した発明の各構成に加えて、磁性粉体入りの樹脂における磁性粉体が、20重量パーセント以上から85重量パーセント以下までの範囲内の濃度であるものである。
この構成を採用すれば、磁性粉体入りの樹脂を硬化してなる磁性樹脂層と板状コア部材とにより、導体の周囲に閉磁構造を形成することができる。
本発明では、2枚の板状コア部材で線材を挟み込む構造を有するインダクタと比べて、より低背化を図ることが可能である。
以下、本発明の実施の形態に係る低背型インダクタを、図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る低背型インダクタ1Aの構成図である。図1(A)は、低背型インダクタ1Aの平面図であり、図1(B)は、図1(A)の低背型インダクタ1Aの側面図であり、図1(C)は、図1(A)の低背型インダクタ1AのA−A線に沿って切断した状態を示す側断面図である。
図1は、本発明の実施の形態1に係る低背型インダクタ1Aの構成図である。図1(A)は、低背型インダクタ1Aの平面図であり、図1(B)は、図1(A)の低背型インダクタ1Aの側面図であり、図1(C)は、図1(A)の低背型インダクタ1AのA−A線に沿って切断した状態を示す側断面図である。
低背型インダクタ1Aは、板状コア部材10と、導体の一部としての一対の端子部材11と、導体の一部としての丸線材12と、磁性樹脂層13と、を有する。
板状コア部材10は、たとえばNi−Zn(ニッケル−亜鉛)系フェライトやMn−Zn(マンガン−亜鉛)系フェライトにより、平面形状がたとえば四角形や長方形の板形状に形成されるものである。図1の板状コア部材10は、表面が平らな、約0.25ミリメートルの厚さに形成されている。
端子部材11は、図1(C)の断面図に示すように、たとえば長方形の金属板をプレス加工により2段の階段形状に屈曲して形成したものである。端子部材11は、板状コア部材10の対向する二側辺に配設される。2段の階段形状により端子部材11に形成される一方の段部は、板状コア部材10と磁性樹脂層13との間に挟まれる。また、板状コア部材10と磁性樹脂層13との間に挟まれない他方の段部は、図示外のプリント基板などに、はんだ付けされる。
丸線材12は、図1(C)の断面図に示すように、板状コア部材10と、磁性樹脂層13との間に挟まれる。丸線材12は、約0.1ミリメートル太さの断面円形状を有する。なお、丸線材12の替わりに、断面四角形形状の平角線材を使用してもよい。
丸線材12は、板状コア部材10と磁性樹脂層13との間において、ミアンダ形状(ジグザク形状)に配置される。丸線材12をミアンダ形状とすることで、たとえば丸線材12を1本の直線形状とする場合などにくらべて、インダクタンス値を大きくすることができる。
丸線材12の両端は、板状コア部材10の対向する二辺に配設される一対の端子部材11に接続される。これにより、丸線材12は、一対の端子部材11を介して、図示外のプリント基板に接続される。そのため、低背型インダクタ1Aは、インダクタンス素子として機能する。
磁性樹脂層13は、丸線材12および一対の端子部材11を板状コア部材10との間で挟むように、板状コア部材10の一面に配設される。図1では、磁性樹脂層13は、板状コア部材10の上面に配設される。磁性樹脂層13は、磁性粉体入りの樹脂16を硬化させることにより形成されている。
磁性粉体入りの樹脂16中の磁性粉体は、たとえばNi−Zn系フェライトやMn−Zn系フェライトを粉体にしたものである。なお、磁性粉体としては、磁化させた金属粉であってもよい。磁性粉体は、たとえば約0.1〜100マイクロメートルの大きさに形成されていればよく、好ましくは0.5マイクロメートル以上、且つ、60マイクロメートル以下に形成されているとよい。磁性粉体の大きさが0.5マイクロメートルより小さかったり、60マイクロメートルより大きかったりすると、液状の樹脂へ磁性粉体を混合(混練)することが困難となる。すなわち、この場合には、磁性粉体を樹脂中に略均一に分散させ難い。磁性粉体は、球形に近い異方性の粉体形状に形成されていても、薄板形状に近い等方性の粉体形状に形成されていてもよい。
磁性粉体入りの樹脂16中の樹脂は、たとえばエポキシ系樹脂であっても、シリコン系樹脂であっても、さらにはアクリル系樹脂であってもよい。ただし、アクリル系樹脂は、紫外線の照射により硬化するものが一般的に利用されるが、樹脂中に磁性粉体を混ぜた状態では紫外線が磁性粉体により遮られてしまう。そのため、アクリル系樹脂の全体を硬化させ難い。また、アクリル系樹脂は、エポキシ系樹脂やシリコン系樹脂に比べて、その取り扱いが難しい。そのため、磁性粉体を混合する樹脂としては、エポキシ系樹脂およびシリコン系樹脂が好ましい。なお、上述した磁性粉体の説明において、磁性粉体を液状の樹脂へ混合する旨を記載しているが、これは樹脂を常温において液状となるものに限定する意図ではない。たとえば磁性粉体の混合や塗布の際に樹脂が液状化されていればよく、たとえばそれらの工程において樹脂が若干加熱されて液状化しているものであってもよい。
図2は、図1の低背型インダクタ1Aの製造工程の一例の説明図である。図1の低背型インダクタ1Aは、図2(A)から(D)までの工程をそのアルファベット順に実行することで製造することができる。
図2(A)は、端子位置決め工程である。この工程では、板状コア部材10に対して、一対の端子部材11が位置決めして配設される。一対の端子部材11は、板状コア部材10の対向する二側辺に沿って配設される。端子部材11の一方の段部は、板状コア部材10の上面に載置される。
図2(B)は、丸線材12の接続工程である。この工程では、板状コア部材10の上面に、冶具や工作機械などを使用して予めミアンダ形状(所望の形状)に設けられている丸線材12が載置される。丸線材12の両端は、はんだ付けや溶接などにより、一対の端子部材11に接続される。
図2(C)は、磁性粉体入りの樹脂16の塗布(コーティング)工程である。この工程では、丸線材12および一対の端子部材11が位置決めされている板状コア部材10の上面に、磁性粉体入りの樹脂16を塗布する。図2(C)では、板状コア部材10の上面の全面に、磁性粉体入りの樹脂16が塗布されている。磁性粉体入りの樹脂16は、たとえば後述する硬化後の磁性樹脂層13の厚さ(板状コア部材10に接する面から磁性粉体入りの樹脂16の上面までの仕上がり厚さ)が0.2ミリメートルとなるように塗布する。なお、磁性粉体入りの樹脂16は、板状コア部材10の上面の一部に塗布されてもよい。
なお、磁性粉体入りの樹脂16における磁性粉体の濃度は、たとえば20重量パーセント以上から、85重量パーセント以下までとすればよい。磁性粉体の濃度を20重量パーセント以上とすることで、板状コア部材10上に、磁性粉体入りの樹脂16を硬化させてなる磁性樹脂層13を形成することができる。板状コア部材10と磁性樹脂層13とで実用的な閉磁路を形成することが可能となる。また、液状のエポキシ系樹脂やシリコン系樹脂に対して磁性粉体を混合するとき、磁性粉体の量は、80〜85重量パーセントが限界である。
また、図1の低背型インダクタ1Aの特性値は、磁性粉体入りの樹脂16の量、磁性粉体入りの樹脂16の板状コア部材10に対する形成範囲、磁性粉体入りの樹脂16における磁性粉体の濃度(量)などにより変化する。これらの量や範囲は、低背型インダクタ1Aの直流電流重畳特性や直流抵抗値に応じて選択し、決定すればよい。
図2(D)は、磁性粉体入りの樹脂16を硬化させる工程である。磁性粉体入りの樹脂16の樹脂として加熱やUV(紫外線)照射により硬化するものを使用する場合、この工程で、その硬化処理を実行する。なお、磁性粉体入りの樹脂16の樹脂として加熱溶融するものを使用する場合、この工程では、磁性粉体入りの樹脂16を加熱し、その後冷却すればよい。これにより、硬化した磁性粉体入りの樹脂16よりなる磁性樹脂層13が形成される。
板状コア部材10は、フェライトにより形成されている。板状コア部材10の表面には、目に見えない細かい凹凸や孔が多数形成されている。液状の樹脂や加熱などにより液状化した樹脂の一部は、この板状コア部材10の表面の凹凸内や孔内へ入り込む。また、液状化した樹脂は、その後の冷却により硬化して一体化する。そのため、硬化した樹脂は、板状コア部材10の表面と密着し、接着される。樹脂が硬化することで、丸線材12および一対の端子部材11は、硬化した磁性粉体入りの樹脂16と板状コア部材10との間に挟まれた状態で固定される。丸線材12や一対の端子部材11は、磁性粉体入りの樹脂16を硬化するだけで、精度良く位置決めして固定される。
以上の図2(A)から(D)の各工程を順番に実行することで、図1の低背型インダクタ1Aが形成される。図1の低背型インダクタ1Aは、以上の簡略化されている作業により生成することができる。図1の低背型インダクタ1Aの生産性を高めることが可能となる。
なお、磁性粉体として異方性の粉体形状のものを使用する場合、図2(C)の塗布工程と、図2(D)の樹脂の硬化工程との間で、磁性粉体入りの樹脂16に対して磁場を印加するようにしてもよい。これにより、磁性粉体の向きを揃えたりすることができ、磁性粉体の配向度を高くしたりすることができる。
以上のように、この実施の形態1によれば、丸線材12および一対の端子部材11(の一部)は、磁性樹脂層13と板状コア部材10とにより挟まれる。丸線材12の周囲には、磁性樹脂層13中の磁性粉体および板状コア部材10により、閉磁路が形成される。また、この閉磁路を形成するために、板状コア部材10は1枚だけ使用する。したがって、たとえば2枚の板状コア部材10により丸線材12を挟み込むことで閉磁路を形成する場合に比べて、インダクタの高さを低くすることができる。
また、この実施の形態1の丸線材12は、ミアンダ形状(ジグザク形状)に配置され、且つ、1層構造である。このようにすることで、インダクタンス値を稼ぎながら、丸線材12の厚さを必要最小限の0.1ミリメートルの厚さとしている。この場合、磁性粉体入りの樹脂16を硬化させて形成する磁性樹脂層13の厚さは、0.2ミリメートル程度まで薄くすることができる。また、板状コア部材10の厚さは、0.25ミリメートル程度の薄さが限界である。したがって、この実施の形態1の低背型インダクタ1Aの厚さは、0.45〜0.5ミリメートルとなる。磁性粉体入りの樹脂16を用いたことによる低背化の効果を生かし、従来にない薄型の低背型インダクタ1Aとすることができる。なお、2枚の板状コア部材10を使用するインダクタでは、それらを接着する接着剤などが必要となるため、実際には0.7から0.8ミリメートルの薄さが限界である。
また、低背型インダクタ1Aのインダクタンス値、直流電流重畳特性、直流抵抗、透磁率などの特性値は、磁性粉体入りの樹脂16の量、磁性粉体入りの樹脂16の板状コア部材10に対する形成範囲、磁性粉体入りの樹脂16中の磁性粉体の濃度(量)などにより変化する。
したがって、丸線材12の形状や配置を変更することなく、磁性粉体入りの樹脂16の量、範囲、濃度などを調整するにより、インダクタンス値、直流電流重畳特性、直流抵抗、透磁率などの特性値を容易に変更したり、容易に調整したりすることができる。インダクタンス値などの特性値を変更するために、たとえば導体のターン数を変更したり、またそのための冶具や工作機械を新調したり、導体をプレス加工により形成するための金型を作り直したり、板状コア部材10を変更したりする必要がない。
その結果、この実施の形態1の低背型インダクタ1Aは、コイルボビンなどの巻線を巻き付ける部材を持たないにもかかわらず、コイルボビンなどに巻線を巻き付けるインダクタと同等にその特性値の調整がし易いものとなる。手間やコストをかけることなく、設計変更や特別注文などに応じて柔軟に且つ短納期で適切な特性の低背型インダクタ1Aを供給することができる。また、特性が異なる複数種類の低背型インダクタ1Aを、共通の板状コア部材10、共通の丸線材12、および共通する基本構造を用いて形成することができる。そのため、受注生産のインダクタが注文されてから納品するまでの期間を短縮することが可能となるとともに、基本構造を共通化させたラインアップによりコストパフォーマンスを向上させたりすることができる。
また、この実施の形態1の低背型インダクタ1Aは、丸線材12を載せた板状コア部材10に、磁性粉体入りの樹脂16を塗布(コーティング)し、硬化させることで形成することができる。これに対して、2つの板状コア部材10を重ね合わせて形成するインダクタでは、その2つの板状コア部材10を重ね合わせるときに、間に挟まれる丸線材12に位置ずれが生じる可能性がある。丸線材12に位置ずれが生じると、インダクタの特性が変化し、当該特性がばらついてしまう可能性が高い。
また、この実施の形態1では、板状コア部材10と、磁性粉体入りの樹脂16を硬化した磁性樹脂層13とで閉磁路を形成する。ここで、板状コア部材10と磁性樹脂層13との透磁率は、材質の相違により異なっている。そのため、板状コア部材10と磁性樹脂層13との間に、擬似的な磁気ギャップが形成される。また、磁性樹脂層13内にも、擬似的な磁気ギャップが形成される。磁気ギャップが形成されると、閉磁路が飽和し難くなり、直流電流重畳特性が向上する。これらの磁気ギャップが形成されることで、この実施の形態1の低背型インダクタ1Aは、大電流を流すパワーインダクタとして好適に利用することができる。パワーインダクタとして、従来にない低さのものを得ることができる。
また、この実施の形態1では、磁性粉体入りの樹脂16を硬化することで、一対の端子部材11を固定している。一対の端子部材11は、接着剤などにより板状コア部材10に固定する必要がない。
なお、上記実施の形態1の低背型インダクタ1Aでは、図2(B)に示すように、丸線材12は、ミアンダ形状に形成されている。この他にもたとえば、丸線材12は、図3に示すように、直線形状に形成されていてもよい。
上記実施の形態1の低背型インダクタ1Aでは、図2(B)に示すように、ミアンダ形状の丸線材12は、その全体が板状コア部材10と磁性樹脂層13との間に挟まれている。この他にもたとえば、低背型インダクタ1Aは、図4に示すように、ミアンダ形状の丸線材12の一部が、板状コア部材10と磁性樹脂層13との間に挟まれずに露出する構造であってもよい。また、一対の端子部材11は、板状コア部材10の隅角部に配設されてもよい。
上記実施の形態1の板状コア部材10は、図1(C)に示すように、丸線材12が載置される面が平面状に形成されている。この他にもたとえば、板状コア部材10は、図5に示すように、丸線材12が載置される部位に溝部17が形成されていてもよい。これにより、丸線材12は、その溝部17に収容され、板状コア部材10に磁性粉体入りの樹脂16を塗布する際に、丸線材12が移動し難くなる。また、溝部17に丸線材12を入り込ませることにより、磁性樹脂層13の薄型化を図ることが可能となり、低背型インダクタ1Aの一層の低背化を図ることが可能となる。また、この溝部17は、断面略四角形状のものであってもよいが、図5に示すように、丸線材12の両側の斜面が斜めとなる断面略逆台形形状とするとよい。これにより、溝部17と丸線材12との間の隙間に、磁性粉体入りの樹脂16が回り込み易くなる。
上記実施の形態1の磁性樹脂層13は、図1(C)に示すように、1層構造に形成されている。この他にもたとえば、磁性樹脂層は、図6に示すように内側層18と外側層19とからなる2層構造に形成されていても、さらに3層以上の構造に形成されていてもよい。このように磁性樹脂層を2層以上の構造とすることで、たとえば内側層18の磁性粉体の濃度(量)を85%以上としたり、内側層18を磁性粉体のみからなる層としたりすることが可能となる。内側層18を磁性粉体の濃度(量)が85%以上の樹脂で形成したり、磁性粉体のみから形成したりしたとしても、外側層19により成形し、板状コア部材10上に、磁性樹脂層を形成することができる。
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2に係る低背型インダクタ1Bの構成図である。図7(A)は、低背型インダクタ1Bの平面図であり、図7(B)は、図7(A)の低背型インダクタ1Bの側面図であり、図7(C)は、図7(A)の低背型インダクタ1BのA−A線に沿って切断した状態を示す側断面図である。
図7は、本発明の実施の形態2に係る低背型インダクタ1Bの構成図である。図7(A)は、低背型インダクタ1Bの平面図であり、図7(B)は、図7(A)の低背型インダクタ1Bの側面図であり、図7(C)は、図7(A)の低背型インダクタ1BのA−A線に沿って切断した状態を示す側断面図である。
低背型インダクタ1Bは、板状コア部材10と、導体としての金属板部材21と、磁性粉体入りの樹脂16を硬化させてなる磁性樹脂層13と、を有する。
金属板部材21は、図7(A)および図7(C)に示すように、板状コア部材10よりも長手方向に長く形成された矩形状を為すとともに、約0.1ミリメートル程度の厚さの金属板をプレス加工などにより図7(A)に示す所定形状に打ち抜いて、一対の端子部22とその間の線材部23とから構成されている。この図7(A)に示すように、線材部23は、実施の形態1の丸線材12の配置形状と同様の、ミアンダ形状(ジグザク形状)を有する。
なお、上述した以外の低背型インダクタ1Bの構成要素は、実施の形態1の同名の構成要素と同様の素材により同様に形成されたものであり、実施の形態1と同一の符号を付して説明を省略する。
図8は、図7の低背型インダクタ1Bの製造工程の一例の説明図である。図7の低背型インダクタ1Bは、図8(A)から(D)までの工程をそのアルファベット順に実行することで製造することができる。
図8(A)は、金属板部材の位置決め工程である。この工程では、板状コア部材10上に、予め打ち抜き加工が為されている金属板部材21が位置決めして配設される。金属板部材21は、板状コア部材10の両側に、一対の端子部22が突出するように位置決めされる。
図8(B)は、磁性粉体入りの樹脂16の塗布(コーティング)工程である。磁性粉体入りの樹脂16は、たとえば後述する硬化後の磁性樹脂層13の仕上がり厚さ(板状コア部材10に接する面から磁性粉体入りの樹脂16の上面までの仕上がり厚さ)が0.2ミリメートルとなる厚さで塗布する。
図8(C)は、磁性粉体入りの樹脂16を硬化させる工程である。磁性粉体入りの樹脂16に対して、加熱したり、UV(紫外線)を照射したりするにより樹脂を硬化させる。これにより、硬化した磁性粉体入りの樹脂16よりなる磁性樹脂層13が形成される。
図8(D)は、端子部22の形成工程である。この工程では、図8の左右に突出している板状コア部材10の一対の端子部22を折り曲げる。これにより、図7(C)のように、板状コア部材10の対向する2辺に沿って屈曲した一対の端子部22が形成される。
以上の図8(A)から(D)の各工程を順番に実行することで、図7の低背型インダクタ1Bが形成される。図7の低背型インダクタ1Bは、以上の少ない作業工程数により生成することができ、図7の低背型インダクタ1Bの生産性を高めることが可能となる。また、図7の低背型インダクタ1Bは、実施の形態1の低背型インダクタ1Bと同様の効果を奏する。なお、図8(D)の工程は、図8(A)の工程と図8(B)の工程との間において実行されてもよい。
特に、板状コア部材10と磁性樹脂層13とに挟まれる導体を、金属板部材21により形成している。この金属板部材21は、実施の形態1の丸線材12と一対の端子部材22とが一体化されたものである。そのため、実施の形態1における、丸線材12と一対の端子部材22とを接続する工程が不要である。
なお、上記実施の形態2の金属板部材21の線材部23は、図7に示すように、ミアンダ形状の1層構造に形成されている。この他にもたとえば、金属板部材21の線材部23は、図9に示すように2層の巻線構造に形成されていても、さらに3層以上の巻線構造に形成されていてもよい。
実施の形態3.
図10は、本発明の実施の形態3に係る低背型チョークコイル2の構成図である。チョークコイルは、一対の信号線のコモンモードノイズ(同相高周波ノイズ)を除去などするためなどに利用されるものである。低背型チョークコイル2では、複数の低背型インダクタが共通のコアを有する構造に形成されている。図10(A)は、低背型チョークコイル2の平面図であり、図10(B)は、図10(A)の低背型チョークコイル2の側面図である。
図10は、本発明の実施の形態3に係る低背型チョークコイル2の構成図である。チョークコイルは、一対の信号線のコモンモードノイズ(同相高周波ノイズ)を除去などするためなどに利用されるものである。低背型チョークコイル2では、複数の低背型インダクタが共通のコアを有する構造に形成されている。図10(A)は、低背型チョークコイル2の平面図であり、図10(B)は、図10(A)の低背型チョークコイル2の側面図である。
低背型チョークコイル2は、板状コア部材10と、導体としての第一金属板部材31と、第一金属板部材31とは接続されていない別の導体としての第二金属板部材32と、磁性粉体入りの樹脂16を硬化させてなる磁性樹脂層13と、を有する。
第一金属板部材31および第二金属板部材32は、図10に示すように、板状コア部材10より横長に形成された長尺の、約0.1ミリメートル程度の厚さの平板形状を有する。そして、第一金属板部材31および第二金属板部材32は、互いに一定の間隔を開けて配置されるとともに、板状コア部材10と磁性樹脂層13との間に挟まれる。また、第一金属板部材31の両端部と、第二金属板部材32の両端部とは、断面略コの字形状に折り曲げられ、端子部となる。
上述した以外の低背型チョークコイル2の構成要素は、実施の形態1の同名の構成要素と同様の素材により同様に形成されたものであり、実施の形態1と同一の符号を付して説明を省略する。なお、図10の低背型チョークコイル2は、たとえば図8に示す実施の形態2の低背型インダクタ1Bの製造工程と同様の工程により形成することができる。
そして、この低背型チョークコイル2は、実施の形態1の低背型インダクタ1Aと同様の効果を奏しつつ、コモンモードノイズを除去することなどができる。たとえば、低背型チョークコイル2として、従来にない低さのものを得ることができる。
なお、上記実施の形態3の第一金属板部材31および第二金属板部材32は、図10に示すように、直線状の1層構造に形成されている。この他にもたとえば、第一金属板部材31および第二金属板部材32は、図11に示すように2層の巻線構造に形成されていても、さらに3層以上の巻線構造に形成されていてもよい。
上記実施の形態3の磁性樹脂層13は、第一金属板部材31を被覆する部位と、第二金属板部材32を被覆する部位とが共通の1つの樹脂層として形成されている。この他にもたとえば、図10および図11中に一点鎖線で示すように、磁性樹脂層13の第一金属板部材31を被覆する部位と、磁性樹脂層13の第二金属板部材32を被覆する部位とが、分離されていてもよい。この変形例の場合、これらの部位が共通とされる場合に比べて、第一金属板部材31による磁力線が、磁性樹脂層13の第二金属板部材32を被覆する部位に回り込み難くなるとともに、第二金属板部材32による磁力線が磁性樹脂層13の第一金属板部材31を被覆する部位に回り込み難くなる。そのため、別個の複数のインダクタが一体化されたような特性が顕在化する。
以上の各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形や変更が可能である。
たとえば上記各実施の形態では、磁性粉体入りの樹脂16は、板状コア部材10に直接的に塗布されている。この他にもたとえば、磁性粉体入りの樹脂16は、磁性樹脂層13を板状コア部材10に配設するためのバインダや、一対の端子部材11、丸線材12、金属板部材21などを板状コア部材10に固定するための接着剤(樹脂)などを介在して、板状コア部材10上に形成されていてもよい。
本発明は、インダクタの低背化を図るために好適に利用することができる。
1A,1B 低背型インダクタ
2 低背型チョークコイル(低背型インダクタの一種)
10 板状コア部材
11 端子部材(導体の一部)
12 丸線材(導体の一部)
13 磁性樹脂層
16 磁性粉体入りの樹脂
17 溝部
18 内側層(磁性樹脂層の一部)
19 外側層(磁性樹脂層の一部)
21 金属板部材(導体)
31 第一金属板部材(導体)
32 第二金属板部材(別の導体)
2 低背型チョークコイル(低背型インダクタの一種)
10 板状コア部材
11 端子部材(導体の一部)
12 丸線材(導体の一部)
13 磁性樹脂層
16 磁性粉体入りの樹脂
17 溝部
18 内側層(磁性樹脂層の一部)
19 外側層(磁性樹脂層の一部)
21 金属板部材(導体)
31 第一金属板部材(導体)
32 第二金属板部材(別の導体)
Claims (3)
- 磁性材料を板形状に形成してなる板状コア部材と、
上記板状コア部材の一対の板面の中の少なくとも一方の面に載置される導体と、
上記導体が載置される上記板状コア部材の面上に形成されるとともに、磁性粉体入りの樹脂が硬化されてなる磁性樹脂層と、
を有することを特徴とする低背型インダクタ。 - 前記導体は、1層構造であることを特徴とする請求項1記載の低背型インダクタ。
- 前記磁性粉体入りの樹脂における磁性粉体は、20重量パーセント以上から85重量パーセント以下までの範囲内の濃度であることを特徴とする請求項1または2記載の低背型インダクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006215262A JP2008041973A (ja) | 2006-08-08 | 2006-08-08 | 低背型インダクタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006215262A JP2008041973A (ja) | 2006-08-08 | 2006-08-08 | 低背型インダクタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008041973A true JP2008041973A (ja) | 2008-02-21 |
Family
ID=39176650
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006215262A Pending JP2008041973A (ja) | 2006-08-08 | 2006-08-08 | 低背型インダクタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008041973A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011054585A (ja) * | 2009-08-31 | 2011-03-17 | Murata Mfg Co Ltd | インダクタおよびdc−dcコンバータ |
WO2011046125A1 (ja) * | 2009-10-16 | 2011-04-21 | ミツミ電機株式会社 | 高周波用磁性材料及び高周波デバイス |
JP2011086788A (ja) * | 2009-10-16 | 2011-04-28 | Mitsumi Electric Co Ltd | 高周波用磁性材料及び高周波デバイス |
JP2011086846A (ja) * | 2009-10-19 | 2011-04-28 | Mitsumi Electric Co Ltd | 高周波用磁性材料及び高周波デバイス |
CN102074332A (zh) * | 2010-12-15 | 2011-05-25 | 深圳顺络电子股份有限公司 | 一种共模扼流圈及其制作方法 |
CN102610377A (zh) * | 2011-01-21 | 2012-07-25 | 安立股份有限公司 | 线圈及其制造方法 |
JP2013004793A (ja) * | 2011-06-17 | 2013-01-07 | Denso Corp | コイル封止型リアクトル |
CN104488046A (zh) * | 2012-07-26 | 2015-04-01 | 迪睿合电子材料有限公司 | 线圈模块及受电装置 |
CN108738286A (zh) * | 2017-04-13 | 2018-11-02 | 上海光线新材料科技有限公司 | 一种无线充电用电磁屏蔽片及制备方法 |
JP2021019042A (ja) * | 2019-07-18 | 2021-02-15 | 株式会社トーキン | インダクタ |
-
2006
- 2006-08-08 JP JP2006215262A patent/JP2008041973A/ja active Pending
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011054585A (ja) * | 2009-08-31 | 2011-03-17 | Murata Mfg Co Ltd | インダクタおよびdc−dcコンバータ |
WO2011046125A1 (ja) * | 2009-10-16 | 2011-04-21 | ミツミ電機株式会社 | 高周波用磁性材料及び高周波デバイス |
JP2011086788A (ja) * | 2009-10-16 | 2011-04-28 | Mitsumi Electric Co Ltd | 高周波用磁性材料及び高周波デバイス |
CN102598164A (zh) * | 2009-10-16 | 2012-07-18 | 三美电机株式会社 | 高频磁性材料及高频装置 |
JP2011086846A (ja) * | 2009-10-19 | 2011-04-28 | Mitsumi Electric Co Ltd | 高周波用磁性材料及び高周波デバイス |
CN102074332A (zh) * | 2010-12-15 | 2011-05-25 | 深圳顺络电子股份有限公司 | 一种共模扼流圈及其制作方法 |
CN102610377A (zh) * | 2011-01-21 | 2012-07-25 | 安立股份有限公司 | 线圈及其制造方法 |
JP2012151405A (ja) * | 2011-01-21 | 2012-08-09 | Anritsu Corp | コイルおよびその製造方法 |
JP2013004793A (ja) * | 2011-06-17 | 2013-01-07 | Denso Corp | コイル封止型リアクトル |
CN104488046A (zh) * | 2012-07-26 | 2015-04-01 | 迪睿合电子材料有限公司 | 线圈模块及受电装置 |
CN108738286A (zh) * | 2017-04-13 | 2018-11-02 | 上海光线新材料科技有限公司 | 一种无线充电用电磁屏蔽片及制备方法 |
CN108738286B (zh) * | 2017-04-13 | 2024-04-16 | 无锡蓝沛新材料科技股份有限公司 | 一种无线充电用电磁屏蔽片及制备方法 |
JP2021019042A (ja) * | 2019-07-18 | 2021-02-15 | 株式会社トーキン | インダクタ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2008041973A (ja) | 低背型インダクタ | |
JP4535083B2 (ja) | コイル部品 | |
TWI297505B (ja) | ||
US7259650B2 (en) | Magnetic element | |
US6392525B1 (en) | Magnetic element and method of manufacturing the same | |
KR101434351B1 (ko) | 코일 부품 및 그 제조 방법 | |
KR100788337B1 (ko) | 플레이트 부재, 이 플레이트 부재를 사용한 자성 소자 및자성 소자의 제조 방법 | |
JP2003203813A (ja) | 磁性素子およびその製造方法、並びにそれを備えた電源モジュール | |
JP6388015B2 (ja) | コイル部品およびコイル装置 | |
US7353587B2 (en) | Forming distributed gap magnetic cores | |
WO2015115318A1 (ja) | 電子部品 | |
JP2013135232A (ja) | インダクタの製造方法 | |
CN105684111B (zh) | 电子元件的制造方法和电子元件 | |
JP2003257744A (ja) | 磁性素子及びその製造方法並びにそれを用いた電源モジュール | |
JP2001035731A (ja) | インダクタ部品およびその製造方法 | |
JP5098409B2 (ja) | 巻線型電子部品用コア、その製造方法及び巻線型電子部品 | |
CN104425122A (zh) | 电感器的制作方法及其结构 | |
JP3527105B2 (ja) | プリント基板 | |
KR102558332B1 (ko) | 인덕터 및 이의 제조 방법 | |
KR20180017409A (ko) | 인덕터 | |
KR102535253B1 (ko) | 자성코어 조립체 및 이를 포함하는 코일부품 | |
KR100578708B1 (ko) | 면 실장형 코일 부품 및 그 제조 방법 | |
JP7073650B2 (ja) | コイル部品 | |
CN118588413A (zh) | 线圈装置 | |
JP7560992B2 (ja) | 磁気結合型コイル部品 |