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JP2007314557A - 芳香族アクリロニトリル誘導体の製法 - Google Patents

芳香族アクリロニトリル誘導体の製法 Download PDF

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JP2007314557A
JP2007314557A JP2007188903A JP2007188903A JP2007314557A JP 2007314557 A JP2007314557 A JP 2007314557A JP 2007188903 A JP2007188903 A JP 2007188903A JP 2007188903 A JP2007188903 A JP 2007188903A JP 2007314557 A JP2007314557 A JP 2007314557A
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Katsumasa Harada
勝正 原田
Shigeyoshi Nishino
繁栄 西野
Naoko Okada
尚子 岡田
Hideyoshi Shima
秀好 島
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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Abstract

【課題】温和な条件下、簡便な方法によって芳香族カルボキシアルデヒド誘導体から、芳香族アクリロニトリル誘導体を製造することが出来る、工業的に有利な芳香族アクリロニトリル誘導体の製法を提供する。
【解決手段】塩基の存在下、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、メチラール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、若しくはそれらの混合有機溶媒中で、芳香族カルボキシアルデヒド誘導体(例えば2,6−ジメチルベンズアルデヒド)にアセトニトリルを反応させることを特徴とする、(E)-芳香族アクリロニトリル誘導体(例えば(E)−2,6−ジメチルシンナモニトリル)の製法。
【選択図】なし

Description

本発明は、芳香族カルボキシアルデヒド誘導体から芳香族アクリロニトリル誘導体を製造する方法に関する。芳香族アクリロニトリル誘導体(その中でも特にトランス体)は、医薬や農薬等の合成中間体として有用な化合物である。
芳香族カルボキシアルデヒド誘導体から芳香族アクリロニトリル誘導体を製造する方法としては、塩基の存在下、芳香族カルボキシアルデヒド誘導体にシアノメチルホスホン酸エステルを反応させて芳香族アクリロニトリル誘導体を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1、非特許文献1〜2参照)。しかしながら、この方法で使用するシアノメチルホスホン酸エステルは高価で、且つ工業原料として入手が困難な化合物であり、又、リン酸廃液処理にコストがかかる等、工業的な製造法としては問題があった。また、粉末の水酸化カリウムとアセトニトリルを混合して加熱還流させた後に、芳香族カルボキシアルデヒド誘導体と反応させることで、芳香族アクリロニトリル誘導体を製造する方法が記載されている(例えば、非特許文献3参照)。しかし、この方法では反応条件が厳しいために、原料の芳香族カルボキシアルデヒド誘導体の種類によっては重合物が多く生じてしまい、目的物(特にトランス体)の収率が極めて低くなる等の問題があった。一方、塩基の存在下、芳香族カルボキシアルデヒド誘導体にシアノ酢酸を反応させて芳香族シアノカルボン酸誘導体を合成し、次いで、それを酸化銅と反応させることで芳香族アクリロニトリル誘導体を製造する方法が開示されている(例えば、非特許文献4参照)。しかし、この方法は、反応系が非常に複雑であると共に、反応後の後処理が煩雑であり、又、目的物の収率が低いという問題があった。
US 4282223、 Synth.Commun.,16,1761(1986)、 Synthesis,1977,126) J.Org.Chem.,44,4640(1979) Tetrahedron Lett.,1975,3843
本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、温和な条件下、簡便な方法によって芳香族カルボキシアルデヒド誘導体から、芳香族アクリロニトリル誘導体(好ましくはトランス体)を製造することが出来る、工業的に有利な芳香族アクリロニトリル誘導体の製法を提供するものである。
本発明の課題は、塩基の存在下、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、メチラール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、若しくはそれらの混合有機溶媒中で、一般式(1)
Figure 2007314557
(式中、Xは、炭素原子又は窒素原子を示す。nは、0〜4の整数を示し、Rは、反応に関与しない基を示す。また、nが2以上の場合には、Rは互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成していても良い。)
で示される芳香族カルボキシアルデヒド誘導体にアセトニトリルを反応させることを特徴とする、一般式(2)
Figure 2007314557
(式中、X、n及びRは前記と同義である。)
で示される(E)-芳香族アクリロニトリル誘導体(トランス体)の製法によって解決される。
本発明により、温和な条件下、簡便な方法によって芳香族カルボキシアルデヒド誘導体から、芳香族アクリロニトリル誘導体(好ましくはトランス体)を製造することが出来る、工業的に有利な芳香族アクリロニトリル誘導体の製法を提供することが出来る。
本発明の反応において使用する原料の芳香族カルボキシアルデヒド誘導体は、前記の一般式(1)で示される。その一般式(1)において、Xは、炭素原子又は窒素原子を示す。また、nは、0〜4の整数であり、その際、芳香族環には、n個のR、(4-n)個の水素原子及び1個のホルミル基が直接結合している。Rは、反応に関与しない基であり、具体的には、同一或いは異なっていても良く、ハロゲン原子;置換基を有していても良い、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基又はアミノ基;カルボキシル基、シアノ基を示す。なお、nが2以上の場合には、Rは互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成していても良い。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
前記アルキル基としては、特に炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基が挙げられる。なお、これらの基は異性体を含む。
前記シクロアルキル基としては、特に炭素数3〜7のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基が挙げられる。
前記アラルキル基としては、特に炭素数7〜10のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基が挙げられる。なお、これらの基は異性体を含む。
前記アリール基としては、特に炭素数6〜14のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントラニル基が挙げられる。なお、これらの基は異性体を含む。
前記アルコキシ基としては、特に炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ベンジルオキシ基が挙げられる。なお、これらの基は異性体を含む。
前記アリールオキシ基としては、特に炭素数6〜14のアリールオキシ基が好ましく、例えば、フェノキシ基、トリルオキシ基が挙げられる。なお、これらの基は異性体を含む。
前記アルコキシカルボニル基としては、特に炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が挙げられる。なお、これらの基は異性体を含む。
前記のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基又はアミノ基は置換基を有していても良い。その置換基としては、炭素原子を介して出来る置換基、酸素原子を介して出来る置換基、窒素原子を介して出来る置換基、ハロゲン原子の中から選ばれる少なくとも一つが挙げられる。
前記炭素原子を介して出来る置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;ベンジル基等のアラルキル基;フェニル基等のアリール基;カルボキシル基;シアノ基が挙げられる。
前記酸素原子を介して出来る置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ベンジルオキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基が挙げられる。
前記窒素原子を介して出来る置換基としては、例えば、ニトロ基、アミノ基が挙げられる。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
本発明の反応において使用する塩基としては、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等の金属水素化物;リチウムアミド、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド等の金属アミド;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムt-ブトキシド、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド等の金属アルコキシド;メチルリチウム、ブチルリチウム、t-ブチルリチウム等のアルキルリチウム;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物が挙げられるが、好ましくは金属水素化物、金属アルコキシド、金属水酸化物、更に好ましくは金属アルコキシド、金属水酸化物が使用される。
前記塩基の使用量は、原料の芳香族カルボキシアルデヒド誘導体に対して、好ましくは0.5〜3.0倍モル、更に好ましくは0.8〜2.0倍モルである。
本発明の反応において使用するアセトニトリルの使用量は、原料の芳香族カルボキシアルデヒド誘導体に対して、好ましくは0.9〜50倍モル、更に好ましくは1.0〜30倍モルである。
本発明の反応で使用される溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の脂肪族系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族系溶媒;メチラール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒が挙げられる。
前記有機溶媒の使用量は、原料の芳香族カルボキシアルデヒド誘導体に対して、好ましくは0.5〜50重量倍、更に好ましくは1〜20重量倍である。これらの有機溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
本発明の反応は、例えば、塩基の存在下、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、メチラール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、若しくはそれらの混合有機溶媒中で、芳香族カルボキシアルデヒド誘導体にアセトニトリルを反応させる等の方法によって、常圧下又は加圧下で行われる。その際の反応温度は、好ましくは30〜140℃、更に好ましくは40〜120℃である。
なお、最終生成物である芳香族アクリロニトリル誘導体は、例えば、反応終了後、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等による一般的な方法によって分離・精製される。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
実施例1
攪拌装置及び温度計を備えた内容積200mlのガラス製フラスコに、アルゴン雰囲気下、2,6-ジメチルベンズアルデヒド3.01g(22.4mmol)、アセトニトリル4.8ml(91.9mmol)、トルエン(25℃における比誘電率は2.38)24ml及びナトリウムメトキシド1.46g(27.0mmol)を加え、70℃で6時間反応させた。次いで、氷浴中で冷却した後、攪拌しながら、トルエン100ml、1mol/l塩酸27.0ml(27.0mmol)の順でゆるやかに加え、有機層と水層に分離した。有機層を取り出し、飽和食塩水60mlで洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、有機層を減圧下で濃縮し、濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填剤:Daisogel 1002W(ダイソー社製)、展開溶媒:ヘキサン→酢酸エチル/ヘキサン(=2/98(容量比)))で精製して、白色固体として純度99%(高速液体クロマトグラフィーによる面積百分率)の(E)-2,6-ジメチルシンナモニトリル3.28gを得た(単離収率92%)。
(E)-2,6-ジメチルシンナモニトリルの物性値は、以下の通りであった。
融点;64〜65℃
元素分析;炭素83.89%、水素7.32%、窒素8.91%
(理論値(C11H11N);炭素84.04%、水素7.05%、窒素8.91%)
EI-MS(m/e);157(M)、CI-MS(m/e);158(M+1)
IR(KBr法、cm-1);3700〜3300、3100〜2800、2221、1622、1464、1384、966、786
1H-NMR(CDCl3、δ(ppm));2.20(6H,s)、5.38(1H,d,J=17.1Hz)、6.8〜7.0(2H,m)、7.0〜7.1(1H,m)、7.37(1H,d,J=17.1Hz)
実施例2
攪拌装置及び温度計を備えた内容積50mlのガラス製フラスコに、アルゴン雰囲気下、2,6-ジメチルベンズアルデヒド1.00g(7.45mmol)、アセトニトリル1.6ml(30.60mmol)、トルエン(25℃における比誘電率は2.38)8ml及びナトリウムメトキシド0.49g(9.03mmol)を加え、原料のアルデヒドが完全に消費されるまで、70℃で6時間反応させた。次いで、氷浴中で冷却した後、攪拌しながら、トルエン40ml、1mol/l塩酸9.10ml(9.10mmol)の順でゆるやかに加え、有機層と水層に分離した。有機層を取り出し、飽和食塩水20mlで洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、有機層を高速液体クロマトグラフィー(内部標準法)により分析したところ、(E)-2,6-ジメチルシンナモニトリルが1.09g(反応収率93%)生成していた。
実施例3
実施例2において、有機溶媒のトルエンをテトラヒドロフラン(25℃における比誘電率は7.58)8ml、反応温度を60℃、反応時間を3時間に変えたこと以外は、実施例2と同様に反応を行った。その結果、(E)-2,6-ジメチルシンナモニトリルが0.77g(反応収率66%)生成していた。
比較例1
実施例2において、有機溶媒のトルエンをt-ブチルアルコール(25℃における比誘電率は12.5)8ml、反応温度を60℃、反応時間を2時間に変えたこと以外は、実施例2と同様に反応を行った。その結果、(E)-2,6-ジメチルシンナモニトリルが0.47g(反応収率40%)生成していた。
比較例2
実施例2において、有機溶媒のトルエンをジメチルスルホキシド(25℃における比誘電率は48.9)8.0ml、反応温度を60℃、反応時間を1時間に変えたこと以外は、実施例2と同様に反応を行った。その結果、(E)-2,6-ジメチルシンナモニトリルは生成していなかった。
本発明は、芳香族カルボキシアルデヒド誘導体から芳香族アクリロニトリル誘導体を製造する方法に関する。芳香族アクリロニトリル誘導体(その中でも特にトランス体)は、医薬や農薬等の合成中間体として有用な化合物である。

Claims (2)

  1. 塩基の存在下、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、メチラール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、若しくはそれらの混合有機溶媒中で、一般式(1)
    Figure 2007314557
    (式中、Xは、炭素原子又は窒素原子を示す。nは、0〜4の整数を示し、Rは、反応に関与しない基を示す。また、nが2以上の場合には、Rは互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成していても良い。)
    で示される芳香族カルボキシアルデヒド誘導体にアセトニトリルを反応させることを特徴とする、一般式(2)
    Figure 2007314557
    (式中、X、n及びRは前記と同義である。)
    で示される(E)-芳香族アクリロニトリル誘導体(トランス体)の製法。
  2. 40〜120℃で反応させる請求項1記載の(E)-芳香族アクリロニトリル誘導体(トランス体)の製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH04123709A (ja) * 1990-09-14 1992-04-23 Tokyo Electric Co Ltd 照明器具

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JPH04123709A (ja) * 1990-09-14 1992-04-23 Tokyo Electric Co Ltd 照明器具

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