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JP2007306208A - 送信装置並びに利得可変周波数変換回路 - Google Patents

送信装置並びに利得可変周波数変換回路 Download PDF

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JP2007306208A
JP2007306208A JP2006131419A JP2006131419A JP2007306208A JP 2007306208 A JP2007306208 A JP 2007306208A JP 2006131419 A JP2006131419 A JP 2006131419A JP 2006131419 A JP2006131419 A JP 2006131419A JP 2007306208 A JP2007306208 A JP 2007306208A
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信一郎 津田
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Abstract

【課題】RFフロントエンド部の回路段数を削減することで低ノイズ化を図るとともに、回路のバイアスを適応的に調整して低電源電圧動作を実現する。
【解決手段】ギルバート回路のスイッチ段として動作するカスコード段と対をなす別のカスコード段を設け、利得可変機能を備えた周波数変換回路を構成する。各カスコード段のトランジスタのベースに制御用差動電圧を印加し、供給されるバイアス電圧を制御して、利得可変機能を実現する。制御電圧生成回路は、制御用差動電圧の中点電圧検出機能、調整目標電圧生成機能、差動電圧生成機能を持つ。調整目標電圧と中点電圧の電圧差に応じて制御電流を負帰還により制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主に移動体通信用として用いられる送信装置に係り、特に、RFフロントエンド部の回路段数を削減することで低ノイズ化を実現する送信装置に関する。
近年、携帯電話機や無線LANなど、移動体通信技術が広範に普及している。移動体通信端末のRFフロントエンドは、通常、アナログ・ベースバンド信号を周波数変換器(直交変調器)によりRF帯域にアップコンバートし、バンドパス・フィルタにより帯域制限を掛けた後、さらに利得可変増幅回路により送信電力を増幅するというのが一般的な構成である。また、最近の無線通信機では、ベースバンド信号をアップコンバートする周波数変換器として、ローカル周波数fLOと乗算することによりベースバンド信号に直接周波数変換を行なうというダイレクト・コンバージョン方式が採用されている。ダイレクト・コンバージョン方式によれば、IF(Intermediate Frequency:中間周波数)フィルタを用いないため受信機の広帯域化が容易となり、受信機の構成の柔軟性が増す。
ここで、第3世代モバイル通信の国際標準IMT−2000で規定されている無線インタフェース規格の1つとして、W−CDMA(広帯域符号分割多元接続)方式が知られている。この種の通信システムでは、同一の周波数帯域を複数の通信者が共有することから、基地局の遠くの移動局から届く低電力の送信信号が、近くの移動局から届く高電力の送信信号に埋没するという遠近問題が生じる。この問題は、基地局のみならず移動局にも生じ得る。このため、移動局及び基地局からの送信電力を調整する「パワー・コントロール」が不可欠である。
送信電力のクローズドループ制御が適用される場合には、基地局及び移動局の双方において、受信信号に含まれるTPC(Transfer Power Control:送信電力制御)ビットに基づいて送信電力制御が行なわれる。例えば、基地局側で希望波の受信信号障害波電力比を測定し、ブロックエラーレートBERから求めた目標信号・障害波出力比と受信信号障害波出力比を対比することで電力の増減の判断を行ない、基地局側から移動局への信号の送信フレームにTPCビットを定義して送ることで、電力の上昇・下降を可能にし、基地局近傍の移動局からの送信電力を低下させる送信電力制御装置について提案がなされている(例えば、特許文献1を参照のこと)。
このように送信パワー・コントロールが要求される通信システムでは、利得可変増幅回路には90dB近い可変レンジが必要とされる。ところが、高周波でのアイソレーションが困難なことやキャリア・リークの問題を回避するには、1つの利得可変増幅回路での可変レンジは30dB程度となることから、図8に示すような3段構成の増幅回路を用いて90dB近い可変レンジを実現する構成が一般的である。
例えば、粗調整用の利得可変増幅部と微調整用の利得可変増幅部とが複数段、連接配置され、これらによって制御された利得を以って受信信号を増幅して出力する利得可変増幅手段を備えた携帯通信端末装置について提案がなされている(例えば、特許文献2を参照のこと)。
今後の移動体端末には、低電源電圧動作や低ノイズ化がさらに要求されている。とりわけ、低ノイズ化に関しては、周波数変換回路の後段回路の段数を削減することが必須となる。また、低電源電圧動作を実現するためには、回路のバイアスを適応的に調整することが必要である、と本発明者らは思料する。
WO97/50197 特開2005−167519号公報
本発明の目的は、主に移動体通信用として用いられ、RFフロントエンド部の回路段数を削減することで低ノイズ化を実現することができる、優れた送信装置を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、RFフロントエンド部におけるバイアスを適応的に調整することで、低電源電圧動作に適した回路構成を備えた、優れた送信装置を提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、RFフロントエンド部として、利得変換機能付き周波数変換回路と、1段以上の利得可変増幅回路を備えることを特徴とする送信装置である。
W−CDMAを始めとする送信パワー・コントロールが必須となる通信システムでは、90dB近い可変レンジが必要とされるため、送信機のRFフロントエンド部においては、利得可変増幅器を多段接続構成にすることが一般的である。しかしながら、移動体端末の低ノイズ化を実現するためには、周波数変換回路の後段回路の段数を削減する必要がある。また、低電源電圧動作を実現するためには、回路のバイアスを適応的に調整することが必要である。
本発明では、ベースバンド信号をアップコンバートする周波数変換回路として、利得可変機能を備えた直交変調回路を用いることで、後段の利得可変増幅回路の段数を削減したので、低ノイズ化を実現することができる。
周波数変換回路としてギルバート回路が知られている。ギルバート回路は、電圧変換利得を持ち、近似的に、スイッチ段における出力負荷Rc1と増幅段における抵抗RE1との比率が利得になる。しかしながら、RE1はデジェネレーション用に装荷されている抵抗であり、アナログ・ベースバンド信号の歪を解消し、振幅の幅に対して直線性を持たせる役割がある。このことから、ギルバート回路に利得変換機能を持たせるべくRE1を可変制御すると、RE1を小さく制御する領域において、アナログ・ベースバンド信号に対する線形性が劣化し、歪成分を生じてしまうという問題がある。
そこで、本発明に係る送信装置では、利得変換機能付き周波数変換回路は、バイアス電流源と、増幅段と、第1のスイッチ段及び出力負荷が直列に接続されるギルバート回路に対し、前記第1のスイッチ段に並列に接続される第2のスイッチ段をさらに備えている。前記増幅段に入力された入力信号と前記第1のスイッチ段に入力されたローカル信号を混合して、前記第1のスイッチ段と前記出力負荷の間から出力する。このとき、前記第1及び第2のスイッチ段に印加する制御用差動電圧に基づいて、各スイッチ段に供給されるバイアス電流の大小を調整することによって、入力信号に対する混合出力信号の利得を調整することができる。
具体的には、増幅段は1対のトランジスタTr1及びTr2からなり、トランジスタTr1とTr2の各エミッタにバイアス電流Ibiasを供給する定電流源を介して接地されている。
スイッチ段として動作する第1のカスコード段は、2対のトランジスタTr3及びTr4とTr5及びTr6からなり、一方の対のトランジスタTr3及びTr4のエミッタが前記増幅段の一方のトランジスタTr1のコレクタに直列接続されるとともに他方の対のトランジスタTr5及びTr6のエミッタが前記増幅段の他方のトランジスタTr2のコレクタに接続されている。そして、第1のカスコード段におけるトランジスタ対Tr3及びTr5とTr4及びTr6のコレクタにそれぞれ直列接続された出力負荷Rc1及びRc2を介して定電圧電源Vccが接続されている。
また、第1のカスコード段と並列に接続される第2のカスコード段は、2対のトランジスタTr7及びTr8とTr9及びTr10からなり、第1のカスコード段を構成する各トランジスタ対Tr3及びTr4とTr5及びTr6とエミッタ同士が接続されるとともに、カスコード接続されたトランジスタ対Tr7及びTr9とTr8及びTr10のコレクタが定電圧電源Vccに接続されている。
増幅段を構成する各トランジスタTr1及びTr2のベースにそれぞれ入力信号Vinの差動入力が与えられ、また、ローカル信号VLOの差動入力を交流結合して前記第1及び前記第2のカスコード段のトランジスタ対のベースに印加される。そして、出力負荷Rc1及びRc2を介して、入力信号とローカル信号の混合信号の出力電圧Voutが取り出される。
第1及び前記第2のカスコード段のトランジスタ対のベースに制御用差動電圧(Vc−VcX)を差動入力すると、VcにVcXに比べて高いDC電圧を与えると、第2のカスコード段に比べ第1のカスコード段に供給されるバイアス電流が大きくなり、利得は増加する。一方、VcにVcXに比べて低いDC電圧を与えると、第2のカスコード段に比べ第1のカスコード段に供給されるバイアス電流が小さくなり、利得は低下する。したがって、制御用差動電圧によって、周波数変換回路の利得を可変にすることができる。
ここで、低電源電圧環境下で差動電圧(Vc−VcX)を用いて利得の調整を行なう場合には、VcとVcXの中点をより高精度に制御する必要がある。そこで、送信装置は、制御用差動電圧に対して中点電圧が調整された差動電圧を供給する差動電圧生成手段をさらに備えていることが好ましい。この差動電圧生成手段は、例えば、制御用差動電圧の中点電圧を検出する手段と、調整目標電圧を生成する手段と、差動電圧を生成する手段を備え、検出した中点電圧と調整目標電圧の差に応じて制御電流を負帰還により可変制御する。半導体装置のプロセスばらつきや温度変化に対しても、差動電圧(Vc−VcX)の中点電圧を安定して生成することが可能となる。
また、この差動電圧生成手段による制御用差動電圧を用いて利得可変増幅回路の利得制御を行なうことで、安定したバイアス供給が可能となるから、低電源電圧動作時における直線性を確保することができる。
本発明によれば、主に移動体通信用として用いられ、RFフロントエンド部の回路段数を削減することで低ノイズ化を実現することができる、優れた送信装置、RFフロントエンド部に用いられる利得可変周波数変換回路を提供することができる。
また、本発明によれば、RFフロントエンド部におけるバイアスを適応的に調整することで、低電源電圧動作に適した回路構成を備えた、優れた送信装置、RFフロントエンド部に用いられる利得可変周波数変換回路を提供することができる。
本発明に係る送信装置によれば、2個のカスコード段が並列に接続された周波数変換回路を用い、制御用差動電圧を印加してそれぞれのカスコード段に供給されるバイアス電流を制御することで利得可変機能を実現するので、後続の利得可変増幅回路の段数を削減することができる。
また、制御用差動電圧の中点電圧を検出する手段と、調整目標電圧を生成する手段と、差動電圧を生成する手段を備え、検出した中点電圧と調整目標電圧の差に応じて制御電流を負帰還により可変制御する差動電圧生成回路を用いることによって、プロセスばらつきや温度変化に対しても、中点電圧が安定した制御用差動電圧を利得可変周波数変換回路に供給することができる。さらにこの差動電圧生成回路で生成した制御用作動電圧を用いて利得可変増幅回路の利得制御を行なうことで、安定したバイアス供給が可能となり、装置の低電源電圧動作時においても直線性が改善される。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
図1には、本発明に係る送信装置において用いられるRFフロントエンド部の構成を模式的に示している。図示のように、ベースバンド信号をアップコンバートする周波数変換回路として、利得可変機能を備えた直交変調回路を用いることで、後段の利得可変増幅回路の段数を削減することができ、低ノイズ化を実現することができる。
周波数変換利得を備えた周波数変換回路は、「アクティブ・ミキサ」とも呼ばれ、ギルバート回路(Gilbert cell)が知られている。図2には、ギルバート回路を用いて周波数変換回路の一構成例を示している。
図示のギルバート回路は、1対のトランジスタTr1及びTr2からなる増幅段と、2対のトランジスタTr3及びTr4とTr5及びTr6からなるスイッチ段(以下、「カスコード段」とも呼ぶ)を襷(たすき)掛けに直列に接続した回路である。図示の例では、差動対をなすトランジスタTr1とTr2、Tr3とTr4、Tr5とTr6はいずれもバイポーラ型トランジスタからなるが、MOS(Metal Oxide Semiconductor)型トランジスタで構成することも可能である。
高周波信号Vinの差動入力がトランジスタTr1及びTr2のベースにそれぞれ与えられ、ローカル信号VLOの差動入力がトランジスタTr3とTr6のベース及びトランジスタTr4とTr5のベースにそれぞれ与えられる。トランジスタTr3とTr5のコレクタ及びトランジスタTr4とTr6のコレクタはそれぞれ出力負荷Rc1及びRc2を介してハイレベルの電源にそれぞれ接続されるとともに、周波数変換された信号のバランス出力端となる。トランジスタTr1とTr2のエミッタはそれぞれバイアス電流Ibiasを供給する定電流源を介して接地され、また、トランジスタTr1とTr2のエミッタ間には線形性の向上のために、負荷RE1が接続されている。負荷Rc1、Rc2、RE1は実抵抗である他、LやCなどの交流負荷を用いたインピーダンスであってもよい。
そして、トランジスタTr1、Tr2がローカル入力信号VLOによりスイッチングされた電流がI3、I4、I5、I6であり、VLOがマイナスのときはI3=I1、I4=0、I5=0、I6=I2となり、また、VLOがプラスのときにはI3=0、I4=I2、I5=I1、I6=0となる。
ここで、RF入力信号VRFの周波数がωRFであり、ローカル入力信号VLOの周波数がωLOであるとすると、ギルバート回路の出力には、VRFとVLOの周波数和成分(ωLO+ωRF)となる上片側帯(USB:Upper Side Band)と、VRFとVLOの周波数差成分(ωLO−ωRF)となる下片側帯(LSB:Lower Side Band)の2つの周波数成分が得られることが知られている。したがって、送信系では、ギルバート回路の後段でバンドパス・フィルタを用いてUSB成分、あるいはLSB成分のみを取り出して、アップコンバート・ミキサとして使用することができる。また、受信系では逆にLSB成分を取り出してダウンコンバート・ミキサとして使用することができる。
また、ギルバート回路は、電圧変換利得を持つことが知られており、基本的には、出力負荷Rc1とデジェネレーション用の抵抗RE1との比率が利得になることが知られている(例えば、渡辺一雄著「実用アナログ電子回路設計法」第6章高周波回路設計法と設計留意点(平河工業社、1996年6月22日第1版)を参照のこと)。
したがって、一見すると、図1に示したRFフロントエンド部において、利得可変周波数変換回路として図2に示したギルバート回路を適用し、例えば通信相手から受信した送信電力制御ビットに応じてRE1を可変制御することにより、後段の利得可変増幅回路の段数を削減することができるように考えられる。
しかしながら、RE1はデジェネレーション用に装荷されている抵抗であり、アナログ・ベースバンド信号の振幅に対して直線性を持たせる役割があるから、なるべく高い抵抗値に設定する必要がある。言い換えれば、RE1を可変制御すると、RE1を小さく制御する領域において、アナログ・ベースバンド信号に対する線形性が劣化し、歪成分を生じてしまうので、送信系に適用する場合には、RE1を可変にして用いることは得策でない。
そこで、本実施形態に係る送信装置では、利得可変周波数変換回路は、バイアス電流源と、増幅段と、第1のカスコード段及び出力負荷が直列に接続されるギルバート回路に対し、第1のカスコード段に並列接続される第2のカスコードをさらに設け、第1及び第2のカスコード段でスイッチ段を構成している。増幅段に入力された入力信号と第1のカスコード段に入力されたローカル信号を混合して、第1のカスコード段と前記出力負荷の間から出力する。第1及び第2のカスコード段に印加する制御用差動電圧に基づいて、各スイッチ段に供給されるバイアス電流の大小を調整することによって、入力信号に対する混合出力信号の利得を調整することができる。周波数変換機能については一般的なギルバート回路と同様であるから、以下では主に利得可変機能について説明する。
図3には、この利得可変周波数変換回路の具体的構成を示している。図示の周波数変換回路は、バイアス電流源と、増幅段と、第1のカスコード段及び出力負荷が直列に接続されるギルバート回路に対し、前記第1のカスコード段に並列に接続される第2のカスコード段をさらに備えている。
すなわち、第1のカスコード段を構成するカスコード接続された各トランジスタTr3、Tr4、Tr5、Tr6に対して、対をなす同一構成の第2のスイッチ段が設けられている。この第2のカスコード段はトランジスタTr7、Tr8、Tr9、Tr10がカスコード接続されており、第1及び第2のカスコード段の各トランジスタのエミッタ同士が接続されている。
これらの対を成すカスコード段には、抵抗Rb1とRb2、及びRb3とRb4を介して差動電圧(Vc−VcX)が印加され、トランジスタのベース電圧としてバイアスされる。
また、ローカル信号(VLO−VLOX)は、キャパシタンスC1、C2、C3、C4を介して交流結合され、周波数変換回路のスイッチ段として動作する両カスコード段に入力される。
増幅段のトランジスタTr1とTr2はエミッタ接地ペアを構成し、入力差動信号(Vin−VinX)を電流に変換するトランス・コンダクタンス段として動作する。また、このエミッタ接地部は、テール電流Ibiasでバイアスされている。
ここで、差動電圧(Vc−VcX)の信号レベルを制御することにより、各カスコード段に供給されるバイアス電流を制御することができ、その結果として、入力差動信号(Vin−VinX)とローカル信号(VLO−VLOX)の混合出力差動信号(Vout−VoutX)の信号レベルを可変制御することができる。
例えば、VcにVcXに比べて高いDC電圧を与えると、Tr7、Tr8、Tr9、Tr10からなる第2のカスコード段に比べ、Tr3、Tr4、Tr5、Tr6からなる第1のカスコード段に供給されるバイアス電流I11、I12が大きくなるから(図4を参照のこと)、利得が増加する。一方、VcにVcXに比べて低いDC電圧を与えると、Tr7、Tr8、Tr9、Tr10からなる第2のカスコード段に比べ、Tr3、Tr4、Tr5、Tr6からなる第1のカスコード段に供給されるバイアス電流I11、I12が小さくなるから(図4を参照のこと)、利得が低下する。すなわち、図3に示した周波数変換回路が持つ利得は、図5に示すように差動電圧(Vc−VcX)によって制御することが可能である。
なお、図3に示した例では、トランジスタはいずれもバイポーラ型トランジスタからなるが、MOS型トランジスタで構成することも可能である。また、負荷Rc1、Rc2、RE1は実抵抗である他、LやCなどの交流負荷を用いたインピーダンスであってもよい。
ここで、低電源電圧環境下で、差動電圧(Vc−VcX)を用いて利得の調整を行なう場合には、VcとVcXの中点をより高精度に制御する必要がある。
図6には、図3に示した周波数変換回路に対して、中点電圧が安定化された差動電圧(Vc−VcX)を供給することができる差動電圧生成回路の構成の一例を示している。図示の差動電圧生成回路は、制御用差動電圧の中点電圧を検出する中点電圧検出回路と、調整目標電圧を生成する調整目標電圧生成回路と、差動電圧を生成する差動電圧生成回路と、検出した中点電圧と調整目標電圧の差に応じて制御電流を負帰還により可変制御する中点電圧調整回路で構成されている。
図3に示した周波数変換回路において、各カスコード段をそれぞれ完全にオフにするためには、差動電圧として+250mV又は−250mV程度の電圧差が必要である。図2に示した一般的なギルバート回路と異なり、カスコード段のトランジスタに供給するバイアス電圧を変化させるため、この条件下でも充分な直線性が得られるようなバイアス設計が要求される。特に、低電源電圧動作する場合にはより注意が必要である。
図6に示した差動電圧生成回路では、調整目標電圧生成回路は、ICチップ内において比較的容易に精度が得られる抵抗比を利用し、一定の基準電圧Vrefを分圧することによって調整目標電圧Vtgtを生成している。
また、中点電圧検出回路では、制御差動電圧の中点電圧は常に一定になることを利用して、制御の過渡的な中点電圧を検出する。すなわち、差動電圧VcとVcX間の電位差を2個の抵抗体で分圧して中点電圧を取り出し、これを中点電圧調整回路に帰還する。
中点電圧調整回路では、中点電圧検出回路から帰還される中点電圧と調整目標電圧をコンパレータ(COMP)で比較する。そして、調整目標電圧が検出中点電圧よりも高い場合は、スイッチSW1をオン、スイッチSW2をオフにする。さらに、調整目標電圧及び検出中点電圧の電圧差に応じて、負帰還ループ内で可変電流Ivar1を可変制御することで、検出中点電圧を調整目標電圧に収束させる。一方、調整目標電圧が検出中点電圧よりも低い場合は、スイッチSW1をオフ、スイッチSW2をオンにする。さらに、調整目標電圧及び検出中点電圧の電圧差に応じて、負帰還ループ内で可変電流Ivar2を可変制御することで、検出中点電圧を調整目標電圧に収束させる。
このような差動電圧生成回路の構成によれば、プロセスばらつきや温度変化に対しても、適応的に制御用差動電圧の中点電圧を調整目標電圧に高精度に調整することが可能である。したがって、入力アナログ・ベースバンド信号に対する直線性を確保する上で重要となる、周波数変換回路へのバイアス供給を安定して行なうことが可能となる。
また、この差動電圧生成回路の構成を、後段の利得可変増幅回路にも適用することができる。
図7には、図6に示した差動電圧生成回路のシミュレーション結果の一例を示している。但し、調整目標電圧は、電源電圧VDDに比例して変化するように設計している。ここでは、適用的に制御されているさまを確認するために、電源電圧VDD、バンドギャップ・リファレンス電圧V_BGを時間とともに変化させた上で、トランジェント・シミュレーションを行なった。図示のように、検出中点電圧は調整目標電圧に追従して制御されていることが判る。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書では、送信パワー・コントロールが要求される通信システムにおける送信装置に適用した実施形態を中心に説明してきたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではない。送信パワー・コントロールが要求されるか否かに拘らず、アップコンバートしたRF信号の利得増幅回路において大きな可変レンジが要求される送信機や、あるいはダウンコンバートしたベースバンド信号の利得増幅回路において大きな可変レンジが要求される受信機においても、同様に本発明を適用することができる。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
図1は、本発明に係る送信装置において用いられるRFフロントエンド部の構成を模式的に示した図である。 図2は、ギルバート回路を用いて周波数変換回路の一構成例を示した図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る利得可変周波数変換回路の構成例を示した図である。 図4は、差動電圧(Vc−VcX)の調整に伴う各カスコード段に供給されるバイアス電流の変化を示した図である。 図5は、差動電圧(Vc−VcX)の調整による周波数変換回路の可変利得の変化を示した図である。 図6は、図3に示した周波数変換回路に対して、中点電圧が安定化された差動電圧(Vc−VcX)を供給することができる差動電圧生成回路の構成例を示した図である。 図7は、図6に示した差動電圧生成回路のシミュレーション結果の一例を示した図である。 図8は、送信装置のRFフロントエンド部の構成例(従来技術)を示した図である。

Claims (8)

  1. RFフロントエンド部として、利得変換機能付き周波数変換回路と、1段以上の利得可変増幅回路を備える、
    ことを特徴とする送信装置。
  2. 前記利得変換機能付き周波数変換回路は、
    バイアス電流源と、増幅段と、第1のスイッチ段及び出力負荷が直列に接続されるとともに、第2のスイッチ段が前記第1のスイッチ段に並列に接続され、
    前記増幅段に入力された入力信号と前記第1のスイッチ段に入力されたローカル信号を混合して、前記第1のスイッチ段と前記出力負荷の間から出力するとともに、入力信号に対する混合出力信号の利得を前記第1及び第2のスイッチ段に印加する制御用差動電圧により調整する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
  3. 前記利得変換機能付き周波数変換回路は、
    1対のトランジスタTr1及びTr2からなる増幅段と、
    前記増幅段を構成するトランジスタTr1とTr2の各エミッタにバイアス電流Ibiasを供給する定電流源を介して接地する接地手段と、
    カスコード接続された2対のトランジスタTr3及びTr4とTr5及びTr6からなり、一方の対のトランジスタTr3及びTr4のエミッタが前記増幅段の一方のトランジスタTr1のコレクタに直列接続されるとともに他方の対のトランジスタTr5及びTr6のエミッタが前記増幅段の他方のトランジスタTr2のコレクタに接続され、スイッチ段として動作する第1のカスコード段と、
    前記第1のカスコード段においてカスコード接続されたトランジスタ対Tr3及びTr5とTr4及びTr6のコレクタにそれぞれ直列接続された出力負荷Rc1及びRc2を介して定電圧Vccを印加する電源と、
    カスコード接続された2対のトランジスタTr7及びTr8とTr9及びTr10からなり、前記第1のカスコード段を構成する各トランジスタ対Tr3及びTr4とTr5及びTr6とエミッタ同士が接続されるとともに、カスコード接続されたトランジスタ対Tr7及びTr9とTr8及びTr10のコレクタが前記電源に接続された第2のカスコード段と、
    前記増幅段を構成する各トランジスタTr1及びTr2のベースにそれぞれ入力信号(Vin−VinX)の差動入力を与える入力信号印加手段と、
    ローカル信号(VLO−VLOX)の差動入力を交流結合して前記第1及び前記第2のカスコード段のトランジスタ対のベースに印加するローカル信号印加手段と、
    前記増幅段及び前記第1のカスコード段に入力された入力信号Vin及びローカル信号VLOを混合した信号の出力電圧Voutを前記第1のカスコード段と前記出力負荷の間から出力する混合出力手段と、
    前記第1及び前記第2のカスコード段のトランジスタ対のベースに制御用電圧(Vc−VcX)を差動入力する制御用差動電圧入力手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
  4. 前記制御用差動電圧に対して中点電圧が調整された制御用差動電圧を供給する差動電圧生成手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項3に記載の送信装置。
  5. 前記差動電圧生成手段は、制御用差動電圧の中点電圧を検出する手段と、調整目標電圧を生成する手段と、差動電圧を生成する手段を備え、検出した中点電圧と調整目標電圧の差に応じて制御電流を負帰還により可変制御する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の送信装置。
  6. 前記差動電圧生成手段が生成する制御用作動電圧を用いて前記利得可変増幅回路の利得制御を行なう、
    ことを特徴とする請求項4に記載の送信装置。
  7. バイアス電流源と、増幅段と、第1のスイッチ段及び出力負荷が直列に接続されるとともに、第2のスイッチ段が前記第1のスイッチ段に並列に接続され、
    前記増幅段に入力された入力信号と前記第1のスイッチ段に入力されたローカル信号を混合して、前記第1のスイッチ段と前記出力負荷の間から出力するとともに、入力信号に対する混合出力信号の利得を前記第1及び第2のスイッチ段に印加する制御用差動電圧により調整する、
    ことを特徴とする利得可変周波数変換回路。
  8. 1対のトランジスタTr1及びTr2からなる増幅段と、
    前記増幅段を構成するトランジスタTr1とTr2の各エミッタにバイアス電流Ibiasを供給する定電流源を介して接地する接地手段と、
    カスコード接続された2対のトランジスタTr3及びTr4とTr5及びTr6からなり、一方の対のトランジスタTr3及びTr4のエミッタが前記増幅段の一方のトランジスタTr1のコレクタに直列接続されるとともに他方の対のトランジスタTr5及びTr6のエミッタが前記増幅段の他方のトランジスタTr2のコレクタに接続され、スイッチ段として動作する第1のカスコード段と、
    前記第1のカスコード段においてカスコード接続されたトランジスタ対Tr3及びTr5とTr4及びTr6のコレクタにそれぞれ直列接続された出力負荷Rc1及びRc2を介して定電圧Vccを印加する電源と、
    カスコード接続された2対のトランジスタTr7及びTr8とTr9及びTr10からなり、前記第1のカスコード段を構成する各トランジスタ対Tr3及びTr4とTr5及びTr6とエミッタ同士が接続されるとともに、カスコード接続されたトランジスタ対Tr7及びTr9とTr8及びTr10のコレクタが前記電源に接続された第2のカスコード段と、
    前記増幅段を構成する各トランジスタTr1及びTr2のベースにそれぞれ入力信号(Vin−VinX)の差動入力を与える入力信号印加手段と、
    ローカル信号(VLO−VLOX)の差動入力を交流結合して前記第1及び前記第2のカスコード段のトランジスタ対のベースに印加するローカル信号印加手段と、
    前記増幅段及び前記第1のカスコード段に入力された入力信号Vin及びローカル信号VLOを混合した信号の出力電圧Voutを前記第1のカスコード段と前記出力負荷の間から出力する混合出力手段と、
    前記第1及び前記第2のカスコード段のトランジスタ対のベースに制御用電圧(Vc−VcX)を差動入力する制御用差動電圧入力手段と、
    を具備することを特徴とする利得可変周波数変換回路。
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WO2019244271A1 (ja) * 2018-06-20 2019-12-26 三菱電機株式会社 周波数変換器
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