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JP2007305635A - 窒化物半導体発光素子 - Google Patents

窒化物半導体発光素子 Download PDF

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JP2007305635A JP2006129792A JP2006129792A JP2007305635A JP 2007305635 A JP2007305635 A JP 2007305635A JP 2006129792 A JP2006129792 A JP 2006129792A JP 2006129792 A JP2006129792 A JP 2006129792A JP 2007305635 A JP2007305635 A JP 2007305635A
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Daisuke Hanaoka
大介 花岡
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Abstract

【課題】 本発明は、高転位密度領域と低転位密度領域を面内に有するウェーハ上に複数の窒化物半導体薄膜を積層して成る窒化物半導体成長層の表面平坦性の影響を受けることなく作製できる端面出射型の窒化物半導体発光素子を提供することを目的とする。
【解決手段】 転位密度が面内で分布している基板や下地となる半導体層上に窒化物半導体による層を形成して窒化物化合物半導体発光素子を作製するとき、ストライプ形状を、共振器端面側の幅が広くなるようにするとともに中央部分の幅が狭くなるような形状とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、窒化物半導体レーザ素子などの窒化物半導体発光素子に関するものである。
GaN、AlGaN、GaInN、AlGaInNなどの窒化物半導体は、AlGaInAs系半導体やAlGaInP系半導体に比べてバンドギャップエネルギーが大きく、かつ直接遷移の半導体材料であるという特徴を有している。このため、これらの窒化物半導体は、紫外線から緑色に当たる短波長の光の発光が可能な半導体レーザや、紫外線から赤色まで広い発光波長範囲をカバーできる発光ダイオードなどの半導体発光素子を構成する材料として注目されており、高密度光ディスクやフルカラーディスプレー、さらには環境・医療分野など、広く応用が考えられている。
又、熱伝導性がGaAs系半導体などよりも高く、高温・高出力動作の素子の応用に期待される。さらに、AlGaAs系半導体における砒素(As)、ZnCdSSe系半導体におけるカドミウム(Cd)などに相当する材料及びその原料(アルシン(AsH3))などを使用しないため、環境への負荷が小さい化合物半導体材料として期待される。
このような窒化物半導体から成る窒化物半導体発光素子において、その窒化物半導体発光素子の信頼性が窒化物半導体層内の転位密度により影響を受ける。即ち、転位密度が小さいほど、動作寿命などの信頼性が高くなる。この転位密度を小さく抑えるには、GaNなどの窒化物半導体層(窒化物半導体薄膜)はGaN基板上に成長させ、形成するのが好ましい。しかし、現在、GaNに格子整合する高品質、大面積のGaN単結晶基板が開発されていない。このため、従来、窒化物半導体薄膜を積層する基板として、例えばサファイア基板が用いられてきたが、サファイア基板はGaNとの格子不整合が大きく(約13%)。このため、サファイア基板上に形成した複数の窒化物半導体薄膜からなる窒化物半導体成長層内の転位密度は非常に大きくなり、結果、十分な信頼性を備えた窒化物半導体発光素子を得ることができなかった。
このような理由から、窒化物半導体成長層内の転移密度を抑える方法の開発が推進されている。特に、発光領域における転移密度を小さく抑える必要があり、このため、発光領域の下地となる窒化物半導体薄膜や基板において、転位密度を小さく抑える技術が多く開発されている。例えば、サファイア基板上にGaNを積層し、さらにその表面にストライプ状のSiO2マスクを形成し、このSiO2マスクを成長抑制膜としてGaNを選択成長させる技術が提案されている(非特許文献1参照)。
そして、この成長抑制膜として用いられたSiO2マスク上に転移密度の小さな領域を形成し、その領域において窒化物半導体発光素子を作製する。この方法によれば、SiO2マスクの形成されていない部分の転位密度は高いが、SiO2マスクの上方の領域には転位密度の低い領域が形成され、その位置に発光領域が形成された発光素子は、比較的信頼性の高い素子を得ることができる。
又、現状得ることができる品質のGaN基板を用いて、このGaN基板上にその表面にストライプ状のSiO2マスクを形成し、このSiO2マスクを成長抑制膜としてGaNを選択成長させる技術が提案されている(非特許文献2参照)。この成長抑制膜として用いられたSiO2マスク上に転移密度の小さな領域を形成し、その領域において窒化物半導体発光素子を作製する。これらのSiO2マスクを成長抑制膜としてGaNを選択成長させる技術は、ELOG(Epitaxially Lateral OverGrown)法と呼ばれる技術であり、ラテラル成長の利用により、欠陥を低減する手法である。
さらに、このELOG法によって形成されたウェーハに対して、HVPE法(Hydride Vapor Phase Epitaxy)により200μm厚のGaN層を形成し、下地であるサファイア基板を除去することで150μm厚のGaN基板を製造する。次に、得られたGaN基板の表面を平坦に研磨する。この様にして得られた基板では、欠陥密度が106cm−2以下と低いことが知られている。
このように非特許特許文献1及び非特許文献2で示された方法を用いると、基板と基板上に積層された窒化物半導体成長層内において、転位密度の大きな領域(以下、「高転位密度領域」とする)と転位密度の小さな領域(以下、「低転位密度領域」とする)とが周期的に形成される。この転位密度の異なる領域の内、低転位密度領域に窒化物半導体発光素子が作製される。
尚、本出願人においても、このように転位密度の大きい領域と転位密度の小さな領域とを周期的に形成した窒化物半導体基板を用いて構成された窒化物半導体レーザ素子を提案している(特許文献1参照)。
Journal of Electronic Materials. Vol.27 No.4 (1998) pp.160-165 Japanese Journal of Applied Physics. Vol.39 (2000) Part2 No.7A pp.L647-L650 特開2004−327655号公報
しかしながら、非特許特許文献1及び非特許文献2で示されたSiO2マスクを形成してGaNなどの窒化物半導体を選択成長させる方法を用いて窒化物半導体発光素子を作製する場合、窒化物半導体成長層を構成する各窒化物半導体薄膜の各膜厚が均一でなくばらつきを有する。即ち、窒化物半導体成長層の層厚がウェーハ面内の位置によって異なるものとなって、その表面平坦性が悪化する場合もある。このため、窒化物半導体発光素子の素子特性が悪影響を受ける。
上述したような窒化物半導体成長層の層厚のばらつきを図5に示す。図5(b)及び図5(c)は転位密度が大きいストライプ状の高転位密度領域300aと転位密度が小さなストライプ状の低転位密度領域300bとが周期400μmで交互に形成されているGaN基板(ウェーハ)上に、層厚設定10μmの窒化物半導体成長層を積層させた場合において、所定の基準高さを設定したとき、この所定の基準高さに対する相対値となる表面高さの分布の測定結果である。図5(a)は、測定したGaN基板の一部を示す。図5(a)に示すように、GaN基板表面において、高転位密度領域300aと低転位密度領域300bとがストライプ状に延在する方向と平行な方向をB方向([1−100])方向とし、高転位密度領域300aと低転位密度領域300bとがストライプ状に延在する方向と垂直な方向をA方向([11−20])とする。図5(b)は所定の基準高さに対する表面高さの分布の測定結果である。この図5(b)の測定結果の場合、層厚分布を表すこととなり、高転位密度領域300a及び低転位密度領域300bの双方と横切って測定している。又、図5(c)は、同様、B方向における層厚分布を表す測定結果であり、測定したのは転位密度の小さな領域である。
図5(c)に示すように、B方向における測定結果は、測定をした範囲内で層厚がほぼ一定であり、良好な表面平坦性を示している。それに対し、図5(b)に示すように、A方向における測定結果は、測定した範囲内において、層厚の一番厚い部分と層厚の薄い部分との差が略3000nmあり、非常に値がばらついている。この層厚の分布は、A方向に沿って、凸形状の山の部分と凹形状の谷の部分が交互に現れる周期的な分布となっている。
このようにウェーハ面内の位置により窒化物半導体成長層の膜厚が異なるのは、基板及び当該基板上に積層した窒化物半導体成長層内に、高転位密度領域300aと低転位密度領域300bとが混在するためである。即ち、高転位密度領域300aと低転位密度領域300bとで、窒化物半導体成長層を構成する窒化物半導体薄膜の成長速度が異なり、低転位密度領域300bにおける窒化物半導体薄膜の成長速度が、高転位密度領域300aにおける窒化物半導体薄膜の成長速度よりも大きいものと思われる。この成長速度に違いがある状態で、更に、各高転位密度領域300aで成長速度のばらつきがあるために、高転位密度領域300aそれぞれに隣接する低転位密度領域300bの成長速度にも影響を与え、層厚分布を生じているものと思われる。
又、ウェーハがオフ角の状態により、窒化物半導体薄膜の原料となる原子・分子のマイグレーション状態が変化し、結果、ウェーハ面内での窒化物半導体成長層の層厚のばらつきが大きくなる場合もある。このとき、[1−100]方向に0.1°〜5°の範囲でオフ角を有する場合、層厚分布を低減できる。又、[1−100]方向のオフ角の大きさ(絶対値)を[11−20]方向のオフ角の大きさ(絶対値)よりも大きくすることによっても、層厚分布を低減できる。そして、例えば、高転位密度領域300aと低転位密度領域300bとの間における段差などのように、ウェーハ上に窒化物半導体成長層を形成する前のウェーハ表面において段差があると、ウェーハ上に形成した窒化物半導体成長層の層厚分布、表面平坦性の悪化がより顕著となる。
このようにウェーハ上に形成した窒化物半導体成長層の層厚がウェーハ面内位置で異なると、当該ウェーハにストライプ状の発光領域を有する端面出射型の窒化物半導体レーザ素子などの窒化物発光素子を作製した際、光学モードが設計したものと異なる等の問題が生じ、結果、歩留まりの低下が生じていた。この場合、発光領域となるストライプは、上述した低転位密度領域に形成されるとともに、ストライプの延在する方向と低転位密度領域の延在する方向とが平行となるように形成される。しかしながら、ストライプの幅が大きい高出力の窒化物半導体発光素子を作製する場合、図5(a)におけるA方向の幅を広くするために、転位密度に起因する窒化物半導体成長層表面の平坦性の影響を受けやすくなり、結果的に、作製された窒化物半導体発光素子の歩留まりの低下が生じる。
このような問題を鑑みて、本発明は、高転位密度領域と低転位密度領域を面内に有するウェーハ上に複数の窒化物半導体薄膜を積層して成る窒化物半導体成長層の表面平坦性の影響を受けることなく作製できる端面出射型の窒化物半導体発光素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の窒化物半導体発光素子は、帯状の転位密度の分布を備えた半導体層に窒化物半導体が積層されて構成され、電流狭窄するためのストライプ構造が形成される窒化物半導体発光素子において、前記ストライプ構造が、転位密度の低い領域の直上に形成されるとともに、光出射端面におけるストライプ幅が前記端面以外におけるストライプ幅よりも広いことを特徴とする。
このような窒化物半導体発光素子において、前記半導体層に備えられた帯状の転位密度の分布が、光出射面となる端面に対して垂直方向に延び、前記ストライプ構造が、電流狭窄するための絶縁層に挟まれるとともに表面から突出したリッジとして形成され、前記リッジとして形成される前記ストライプ構造が、転位密度の低い領域の直上に前記端面に対して垂直方向に延びたストライプ形状で形成されるとともに、前記端面におけるストライプ幅が前記端面以外におけるストライプ幅よりも広いものとする。
このような窒化物半導体発光素子において、前記ストライプ構造が、前記端面側に設けられるとともにストライプ幅が最も広い第1領域と、前記ストライプ形状の中央部に設けられるとともにストライプ幅が最も狭い第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に設けられるとともにストライプ幅が前記第1領域のストライプ幅から前記第2領域のストライプ幅に変化している第3領域と、を備えるものとする。このとき、前記ストライプ構造の前記第3領域の長さを50μm以上とする。
又、上述の窒化物半導体発光素子において、前記ストライプ構造において、前記端面側におけるストライプ幅を10μm以上とする。更に、前記ストライプ構造において、最も広いストライプ幅W1と最も狭いストライプ幅W2との比W1/W2を2以下とする。
又、上述の窒化物半導体発光素子において、前記転位密度の分布を備える前記半導体層が、窒化物半導体からなる窒化物半導体基板としても構わない。この窒化物半導体基板は、転位密度の高い高転位密度領域と転位密度の低い低転位密度領域とが交互にストライプ上に配置された基板であり、成長抑制膜となるマスクを設置したGaAs基板やサファイア基板などの支持基盤に窒化物半導体を成長させることで得られる。
又、上述の窒化物半導体発光素子において、前記転位密度の分布を備える前記半導体層が、基板上に構成された窒化物半導体層による下地層としても構わない。このとき、基板としてサファイア基板などを用いるものとしても構わない。そして、下地層として、このサファイア基板から順番に積層されたGaNバッファ層及びGaN層を備えるとともに、GaN層に成長抑制膜となるマスクを設置することで転位密度領域と転位密度の低い低転位密度領域とが交互にストライプ上に分布するGaN膜を備える。
本発明によると、転位密度が分布している半導体層に窒化物半導体を積層することで構成されるため、ストライプ構造が転位密度の低い領域の直上に形成されるようにすることで、高密度な結晶欠陥が伝播されることを抑制することができるとともに、熱歪み及び格子定数差が原因となる歪みの影響を低減することができる。又、端面におけるストライプ構造のストライプ幅を広くすることにより、端面における光子密度を下げることができ、端面の劣化が大きくなることを防ぐことができる。更に、端面以外におけるストライプ構造のストライプ幅を狭くすることで、半導体層における転位の面内分布の影響を受けることなく発光素子を作製できる。よって、その素子特性を良好なものとするとともに、素子作製歩留まりを高くすることができる。
以下に説明する実施形態では窒化物発光素子の一例として窒化物半導体発光素子について説明するが、これに限定されるものではなく、他の窒化物発光素子にも適用可能である。又、本明細書で説明する窒化物半導体とは、AlxGayInzN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)で構成される。また、窒化物半導体の窒素元素の内、約10%以下(ただし、六方晶系であること)がAs,P,Sbのいずれかの元素に置換されていても構わない。また、前記窒化物半導体中にSi、O、Cl、S、C、Ge、Zn、Cd、Mg、Beがドーピングされていても構わない。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は本実施形態における窒化物半導体発光素子の構成を示す概略断面図である。
まず、窒化物半導体発光素子の構造について説明する。図1の窒化物半導体発光素子は、n型GaN基板200上に順に、n型GaNコンタクト層201、n型Al0.1Ga0.9Nクラッド層202、n型GaNガイド層203、GaInN多重量子井戸活性層204、p型Al0.2Ga0.8Nキャリアバリア層205、p型GaNガイド層206、p型Al0.1Ga0.9Nクラッド層207、p型GaNコンタクト層208が積層され構成されている。尚、GaInN多重量子井戸活性層204は、In0.02Ga0.98Nから成る障壁層とIn0.15Ga0.85Nから成る井戸層が、障壁層/井戸層/障壁層/井戸層/障壁層/井戸層/障壁層の順序で積層されて形成される。このように、3つの井戸層を含む多重量子井戸構造の活性層とした。尚、これらの井戸層、障壁層には、不純物を添加してもしなくても構わない。又、不純物、例えば、Siを添加することにより、活性層からの発光強度を強くすることができる。
又、p型クラッド層207およびp型コンタクト層208には、共振器方向に延伸したストライプ状のリッジストライプ部212が設けられるとともに、このリッジストライプ部212の両側に電流狭窄を目的とした絶縁膜211が設けられている。更に、p型GaNコンタクト層208及び絶縁膜211の表面にp型電極209が設けられるとともに、n型GaN基板200の裏面にn型電極210が設けられる。
尚、このような窒化物半導体発光素子が構成されるn型GaN基板200の材料となるGaNは六方晶系(hexagonal)であるから軸方向や面方位を表すには4つの指数を使う表記方法を採用する。a軸、b軸は120度をなし、長さは等しい(a=b)これらに直交するc軸は特異な軸でありa軸と等しくない(c≠a)。a軸とb軸だけではab面の方向を表す際に対称性がなくなるのでもう一つの軸を想定する。これを仮にd軸とする。尚、a、b、d軸は、a、b軸だけで充分に方位を指定できるが対称性を損なわないようにもう一つ余分のd軸を導入したのであるから、これらは互いに独立でない。
又、一つの平行面群を4つの指数(klmn)で表現したとすると、これは原点から数えて1枚目の面がa軸、b軸、d軸、c軸を切る点の原点からの距離がa/k、b/l、d/m、c/nであるということである。これは他の晶系の場合と同じ定義である。ただしa、b、d軸は平面内に含まれる冗長な座標であるから、k、l、mは独立でなく、常にk+l+m=0である。c軸に関しては立方晶等の場合と同じである。同等な平行面がc軸単位長さにn枚あるときc方向の指数がnとなる。だから4つの指数のうち前3つについては回転対称性があるが、c軸の指数は独立である。
個々の面方位は(…)で表現する。集合的な面方位は{…}によって表現する。集合的なというのはある面方位をその晶系が許す全ての対称操作によって到達できる全ての面方位の集合を意味する。結晶方位も同じ指数によって表現する。結晶方位はそれに垂直な面の指数と同じ指数を用いる。個別の方位は[…]であらわす。集合方位は<…>で表現する。これらは結晶学の常識であるが混乱を避けるため説明した。マイナスの指数は数字の上に横線を引いて示すのが直観的に分かりやすくて結晶学の決まりでもある。しかし、上述したように、本明細書において、数字の上に横線を引く事ができないので、ここでは数字の前に−をつけて負数を示す。
(GaN基板の作製)
このとき、n型GaN基板200は、その基板表面がc面(<0001>方向)となるc面GaN基板であり、その[1−100]方向に沿って帯状に転位密度の高い高転位密度領域250aが構成されるとともに、この高転位密度領域250aに挟まれるとともに高転位密度領域250aと平行となる領域に転位密度の低い低転位密度領域250bが構成される。そして、このn型GaN基板200において、高転位密度領域250aが、[11−20]方向と平行な方向に、その幅が50μm程度とされるとともに、400μm程度のピッチ(周期)で構成される。又、このように高転位密度領域250aが構成されることにより、高転位密度領域250aの間に形成される低転位密度領域250bは、その幅が350μm程度の幅で構成されることになる。しかしながら、高転位密度領域250aからの転位が面内方向に広がることがあるため、実質上、この低転位密度領域250bにおいて安定して使用できる領域幅は300μm弱となる。
このn型GaN基板200が特許文献1や特開2001−102307号広報に記載の方法などが用いられて製造される。このとき、下地基板となる支持基体上に、高転位密度領域を形成する場所に、非晶質又は多結晶の層である転位形成用の種を予め形成される。即ち、支持基体の表面に開口部を持つSiO2のマスク(成長抑制膜)を形成するとき、このSiO2のマスクにおける開口部が転位形成用の種となる。このように転位形成用の種が表面上に形成された支持基体にGaNを成長させることで、成長方向に垂直な面(成長面)以外の面であるファセット面からなる斜面を有して成長させる。
このファセット面となる斜面を維持して成長させることで、転位を成長方向に対して伝播させて所定の位置に集合させることができるとともに、ファセット面の成長した領域は、転位の移動により低転位密度領域となる。又、ファセット面となる斜面の下部には、明確な境界を持った高密度の欠陥領域を有した高転位密度領域の成長がなされて、転位が高転位密度領域の境界或いはその内部に集合するため、この高転位密度領域内で消滅或いは蓄積する。このようにGaN層を成長させることで、ファセット面を埋め込むこと無く、ファセット面を維持して成長を進行させることができるため、転位形成用の種の直上の領域の転位密度が高くなり、交点に領域が形成される。
このとき、この高転位密度領域の形状によって、ファセット面の形状が異なる。即ち、高転位密度領域がドット状となる場合、ファセット面が高転位密度領域を取り巻くように形成され、ファセット面から成るピットが形成される。又、高転位密度領域がストライプ状となる場合、この高転位密度領域のストライプとなる部分を底となるようにして、高転位密度領域の両側にファセット面の斜面を形成してV字型となる。尚、本実施形態では、高転位密度領域をストライプ状とする。このようにして、V字型のファセット面の斜面を形成してその凹部に高転位密度領域を備えたn型GaN層を支持基板上に形成する。
又、n型GaN基板200の作製する際、支持基板からGaN層を成長する行程において、SiO2上は膜が成長しないため、開口部から成長が始まり、開口部から成長したGaN膜の膜厚がSiO2のマスクより厚くなると、SiO2のマスク上で、開口部から横方向に成長する。そして、SiO2のマスクの中心部で、左右からおのおの成長してきたGaN膜が会合する。即ち、このSiO2のマスクの中心部でGaN膜が会合した領域が、n型GaN基板200の低転位密度領域250bの中央部に、紫外線照射時に周囲とコントラストが異なる発光を行う低ルミネッセンス領域(不図示)として形成される。
(窒化物半導体発光素子の製造工程)
このように高転位密度領域と低転位密度領域とを[1−100]方向にストライプ上に形成されたn型GaN基板200上に構成される窒化物半導体発光素子の製造工程について、以下に簡単に説明する。
まず、n型GaN基板200上に、MOCVD装置による有機金属気相成長法により、n型GaNコンタクト層201、n型Al0.1Ga0.9Nクラッド層202、n型GaNガイド層203、GaInN多重量子井戸活性層204、p型Al0.2Ga0.8Nキャリアバリア層205、p型GaNガイド層206、p型Al0.1Ga0.9Nクラッド層207、p型GaNコンタクト層208を形成する。尚、半導体層成長後、p型層の抵抗が高い場合には、熱処理等を施すことにより、抵抗を下げることができる場合がある。
次に、このようにして各層がn型GaN基板200表面上に積層されて構成された窒化物半導体層表面に対してRIE装置などによるエッチングを行うことにより、リッジストライプ部212を形成する。このとき、p型GaNコンタクト層208からp型Al0.1Ga0.9Nクラッド層207の途中までの層がエッチングされて、p型Al0.1Ga0.9Nクラッド層207及びp型GaNコンタクト層208によるリッジストライプ部212がn型GaN基板200の低転位密度領域250bにおける低ルミネッサンス領域(不図示)以外の領域の直上に形成される。このように構成されるリッジストライプ部212は、後述するように、図3に示すように、劈開後に構成される端面(レーザ出射端面)側の幅([11−20]方向の幅)が広くなるとともに、1つの窒化物半導体発光素子の共振器長方向([1−100]方向)における中央部分の幅([11−20]方向の幅)が狭くなるように構成される。
更に、このようにして形成されたリッジストライプ部212を挟むようにして設置され電流狭窄を目的としたSiO2からなる絶縁層211が形成された後、Pd/Mo/Auの積層構造からなるp電極209を真空蒸着装置やスパッタ装置等を利用して形成する。又、同様にして、n型GaN基板200に対して窒化物半導体層を形成した面と反対の面(裏面)に、Hf/Al/Mo/Pt/Auの積層構造からなるn型電極210を形成する。尚、この際、パターニングのためにフォトリソグラフィ法によるマスク形成技術等を適宜利用して、絶縁層211及びp電極209及びn電極210が形成されている。
又、次工程のチップ分割工程において、良好な端面を形成するために、n型電極210を形成する前に、n型GaN基板200を裏面側から一部研磨やエッチングにより除去することで、上述のようにしてn型GaN基板200上に半導体発光素子構造が形成されたウェーハの層厚を薄くし、チップ分割を容易にしておいても構わない。そして、n型GaN基板200に上述の半導体発光素子構造が形成されたウェーハにスクライブ等のチップ分割工程を実施し、図2に示す構成の窒化物半導体発光素子を得ることができる。
尚、チップ分割の工程において、窒化物半導体発光素子の共振器端面(出射端面)の形成後、その端面に誘電体多層膜によるHR(High Reflection)コーティングやAR(Antireflection)コーティングを施してもよい。このようにして、得られた窒化物半導体発光素子は、サブマウント等の支持基体を介して、或いは、直接、ステム等のレーザ素子パッケージ部品に設置され、n電極210及びp電極209に金属ワイヤを接続し、外部との電気的接続を形成することにより、最終的に、通電による素子動作が可能である状態とする。
(リッジ構造)
上述のような製造行程を経て製造される窒化物半導体発光素子のリッジストライプ部212の構造について、図2を参照して説明する。尚、図2は、窒化物半導体発光素子の上面図であり、リッジストライプ部212のストライプ形状を示す図である。まず、共振器長をL1とする窒化物半導体発光素子において、このリッジストライプ部212は、窒化物半導体発光素子の一方の端面Xから共振器長方向([1−100]方向)の長さL2となる領域Laと、領域Laに隣接するとともに共振器長方向の長さL3となる領域Lbと、領域Lbに隣接するとともに共振器長方向の長さL4となる領域Lcと、領域Lcに隣接するとともに共振器長方向の長さL5となる領域Ldと、領域Ldと隣接するとともに窒化物半導体発光素子の他方の端面Yから共振器長方向の長さL6となる領域Leと、を備える。
更に、このように共振器長方向([1−100]方向)に沿って領域La〜Leが形成されるリッジストライプ部212は、領域La,Leの端面X,Yと平行な方向([11−20]方向)の幅(ストライプ幅)がW1とされるとともに、領域Lcの端面X,Yと平行な方向の幅がW1より狭いW2とされる。更に、領域Lbの端面X,Yと平行な方向の幅が領域Lcから領域Laに向かってW2からW1に広がるように変化するとともに、領域Ldの端面X,Yと平行な方向の幅(ストライプ幅)が領域Lcから領域Leに向かってW2からW1に広がるように変化する。
このように構成するとき、端面X,Y側における領域La,Leの幅をW1として広くすることで、端面X,Yにおける光子密度を下げることができるため、この端面X,Yの劣化が大きくなることを防ぐことができる。又、共振器長方向の中央部分における領域Lcの幅をW2として狭くすることで、リッジストライプ部212に対するn型GaN基板200の高転位密度領域の影響による面内分布の不均一性の影響を抑制することができ、素子作製歩留まりを高くすることができる。
(本実施形態の第1例)
このような構成の窒化物半導体発光素子の第1例として、共振器長L1を600μmとするとともに、領域La,Leそれぞれの長さL2,L6を50μmとし、領域Lb,Ldそれぞれの長さL3,L5を75μmとし、領域Lcの長さL4を350μmとする。そして、領域La,Leの幅(ストライプ幅)W1を10μmとするとともに、領域Lcの幅(ストライプ幅)W2を5μmとする。
(比較例1)
又、上述の第1例の窒化物半導体発光素子と比較するための一比較例として、図3のように幅(ストライプ幅)W4を10μmで一定とするとともに共振器長L1を600μmとするストライプ形状のリッジストライプ部212を備える窒化物半導体発光素子を作製する。尚、この窒化物半導体発光素子は、第1及び第2例と同様の窒化物半導体層がn型GaN基板200に積層されたものである。
(比較例2)
又、上述の第1例の窒化物半導体発光素子と比較するための別の比較例として、図3のように幅(ストライプ幅)W4を5μmで一定とするとともに共振器長L1を600μmとするストライプ形状のリッジストライプ部212を備える窒化物半導体発光素子を作製する。尚、この窒化物半導体発光素子は、第1及び第2例と同様の窒化物半導体層がn型GaN基板200に積層されたものである。
比較例1のような構成の窒化物半導体発光素子に対して、例えば500mWの光出力動作といった高出力動作をさせたときの寿命試験を行うと、端面の変質による窒化物半導体発光素子の素子劣化は発生しなかったが、各窒化物半導体発光素子間の素子特性バラツキが大きくなり、素子作製歩留りが低くなる。又、比較例2のような構成の窒化物半導体発光素子に対して、同様の寿命試験を行うと、端面の変質による素子の劣化が発生する窒化物半導体発光素子が多数製造され、その信頼性が不充分であった。
これは、比較例2の窒化物半導体発光素子のように端面近傍でのリッジストライプ部212の幅が狭い場合、リッジストライプ部212における端面での光子密度が高くなるため、端面の劣化が大きくなり、結果として、端面破壊のよる素子劣化を生じ信頼性に問題を生じる。そこで、リッジストライプ部212の端面での光子密度を下げるため、比較例1の窒化物半導体発光素子のようにリッジストライプ部212の幅を広げる場合、端面破壊のよる素子劣化を低減でき、信頼性を上げることはできる。
しかしながら、n型GaN基板200が帯状に高転位密度領域250aと低転位密度領域250bとを周期的に有するため、このn型GaN基板200上に形成される窒化物半導体層の面内分布が良好でなくなる。よって、比較例1の窒化物半導体発光素子のようにリッジストライプ部212の幅を広くなると、高転位密度領域250a及び低転位密度領域250bの帯状の方向と垂直方向の面内分布の影響から、急激に素子特性にバラツキを生じるようになるので、結果として、素子作製歩留りが低下してしまう。
それに対して、本実施形態の第1例における窒化物半導体発光素子の場合、リッジストライプ部212の端面付近の領域La,Leの幅W1を10μmとして、リッジストライプ部212の中央部分の領域Lcの幅W2を5μmより広くすることで、リッジストライプ部212の端面付近における光子密度を低くすることができる。よって、リッジストライプ部212における端面破壊のよる素子劣化を抑制することができる。更に、本実施形態の第1例における窒化物半導体発光素子は、リッジストライプ部212の中央部分の領域Lcの幅W2を5μmとして狭くすることで、窒化物半導体層の面内バラツキの影響がリッジストライプ部212に与えられることを抑制することができる。よって、素子の高い信頼性と高い作製歩留まりを得ることができる。
このように、本実施形態の第1例における窒化物半導体発光素子に対して、上述の比較例1及び比較例2それぞれの窒化物半導体発光素子に対して行ったものと同様の寿命試験を行ったところ、端面破壊を生じず、良好な信頼性を示した上、各素子間の特性バラツキ(例えば、動作電流、動作電圧の値のバラツキ)が少なくなり、高い素子作製歩留りを示した。
又、リッジストライプ部212においてその幅が連続的に変化する領域Lb,Ldそれぞれの長さL3,L5が短すぎると、リッジストライプ部212において、領域Lcから領域La,Leそれぞれへの光子密度の変化が急激なものとなるため、領域Lb,Ldにおける導波ロスが大きくなり、窒化物半導体素子の素子特性が悪化する。このことから、リッジストライプ部212の領域Lb,Ldそれぞれの長さL3,L5を50μm以上とすることが望ましい。
(本実施形態の第2例)
又、本実施形態の窒化物半導体発光素子の第2例として、共振器長L1を600μmとするとともに、領域La,Leそれぞれの長さL2,L6を50μmとし、領域Lb,Ldそれぞれの長さL3,L5を75μmとし、領域Lcの長さL4を350μmとする。そして、領域La,Leの幅(ストライプ幅)W1を20μmとするとともに、領域Lcの幅(ストライプ幅)W2を10μmとする。
(比較例3)
又、上述の第2例の窒化物半導体発光素子と比較するための一比較例として、リッジストライプ部212の構成を図2のような構成とするとともに、領域La,Leの幅(ストライプ幅)W1を20μmとするとともに、領域Lcの幅(ストライプ幅)W2を5μmとする。又、第1例及び第2例の窒化物半導体発光素子と同様、共振器長L1を600μmとするとともに、領域La,Leそれぞれの長さL2,L6を50μmとし、領域Lb,Ldそれぞれの長さL3,L5を75μmとし、領域Lcの長さL4を350μmとする。
比較例3のような構成の窒化物半導体発光素子に対して、上述の本実施形態の第1例における窒化物半導体発光素子に対して行ったものと同様の寿命試験を行ったところ、素子特性が悪化し、又、動作電圧が上昇しやすくなるなど、信頼性に問題がある素子が発生するようになる。これは、リッジストライプ部212の領域La,Leの幅W1が20μmに対して領域Lcの幅W2の5μmとかなり狭まっていることが原因であると考えられる。即ち、領域Lcの幅が狭いため、領域Lcから領域La,Leそれぞれへの光子密度の変化が急激なる。よって、領域Lb,Ldにおける導波ロスが大きくなって素子特性が悪くなるとともに、リッジストライプ部212の領域Lcへの電流の注入が悪くなりやすい傾向となるためと考えられる。
それに対して、本実施形態の第2例における窒化物半導体発光素子の場合、上述の比較例3の窒化物半導体発光素子に対して行ったものと同様の寿命試験を行ったところ、高出力動作時に、高い信頼性と高い作製歩留まりを得ることができる。即ち、リッジストライプ部212における領域La,Leの幅W1に対する領域Lcの幅W2の広さを比較例3の窒化物半導体発光素子に比べて広くとることで、導波ロスを抑制するとともに領域Lcへの電流注入量を増加させることができるため、その信頼性及び作製歩留まりを高くすることができる。よって、リッジストライプ部212の端面X,Yそれぞれにおける領域La,Leの幅W1とリッジストライプ部212の中央部における領域Lcの幅W2との比を大きく取りすぎないことにより、好ましくは、W1/W2を2以下とすることにより、その信頼性及び作製歩留まりを高くすることができる。
尚、高転位密度領域250aと低転位密度領域250bとを周期的に備えるn型GaN基板200に窒化物半導体層を積層することで窒化物半導体発光素子を構成したとき、リッジストライプ部212において、そのストライプ幅が10μmより大きくなると、窒化物半導体層の面内分布の影響が顕著になる。よって、リッジストライプ部212の端面X,Yそれぞれにおける領域La,Leの幅W1が10μmより大きくなるとき、本実施形態のように、リッジストライプ部212の中央部における領域Lcの幅W2を狭くすることで、本発明の効果を十分に得ることができる。
又、上述した素子作製工程において、電極から電気的な接続を形成するため金属線をボンディングすることがある。このとき、本実施形態で用いたn型GaN基板200は、高転位密度領域250aが幅50μm程度で帯状に存在し、且つ、略400μmピッチで分布しているため、ボンディングする位置が高転位密度領域上となった場合、電気的にリークを生じることがあり、素子作製歩留りを低くなることがある。又、ボンディング時におけるリッジストライプ部212の破壊を防ぐために、金属線がリッジストライプ部212以外の領域でボンディングされる。
よって、低転位密度領域250bに金属線をボンディングすることになるが、高出力動作を行うためにリッジストライプ部212の幅を100μm以上に広げた場合、低転位密度領域250bの幅は300μmよりも狭いため、リッジストライプ部212を図3のように形成したとき、ボンディング可能な位置が狭くなり、ボンディングが困難になる。しかしながら、本実施形態で説明するようにリッジストライプ部212を図2のような構成とすることにより、リッジストライプ部212の中央部の領域Lcのようにその幅が狭くなっている部分で金属線をボンディングすれば、ボンディングできる領域が広くなり、ボンディング工程が容易になる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。図4は本実施形態における窒化物半導体発光素子の構成を示す概略断面図である。尚、図4の構成において、図1と同一の目的で構成する部分については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。本実施形態では、第1の実施形態と異なり、基板としてサファイア基板を用いるとともに、この基板表面に、選択成長技術を用いて低転位密度領域を備えた半導体層を下地層として形成する。そして、更に、この下地層の上に窒化物化合物半導体による窒化物半導体層を形成し、窒化物半導体発光素子を作製する。
本実施形態の窒化物半導体発光素子は、c面サファイア基板401上に、まず、MOCVD装置を用いた有機金属気相成長法により、GaNバッファ層402およびGaN層403を順番に形成する。そして、GaN層403上に、フォトリソグラフィ技術を用いてSiO2からなるマスク404をストライプ状に形成する。このマスク404は、GaN結晶に対して<1−100>方向に沿ってストライプ状に、例えば、マスク幅25μm、マスク厚さ0.2μm、スペース幅10μmで周期的に形成する。その後、再度、MOCVD装置により、GaN膜405を形成する。
このようにして下地層400を構成するとき、第1の実施形態においてマスクを表面に形成した支持基板にGaN層を積層することでn型GaN基板を形成したときと同様、下地層405に積層時において、マスク404の間の開口部からGaN層が成長し始める。そして、成長したGaN層の膜圧がマスク404より厚くなると、マスク404上で、マスク404の開口部から横方向に成長し、マスクの中心部で、左右からおのおの成長してきたGaN膜が会合する。
よって、下地層400において、マスク404の開口部の直上に転位密度の高い高転位密度領域450aが<1−100>方向に沿って帯状に形成されるとともに、この高転位密度領域450aに挟まれるように転位密度の低い低転位密度領域450bが<1−100>方向に沿って帯状に形成される。更に、低転位密度領域450bの中心部分には、紫外線照射時に周囲とコントラストが異なる発光を行う低ルミネッセンス領域(不図示)が形成されることとなる。
このように高転位密度領域450aと低転位密度領域450bとが形成された下地層400に表面に対して、第1の実施形態と同様、MOCVD装置による有機金属気相成長法により、n型GaNコンタクト層201、n型Al0.1Ga0.9Nクラッド層202、n型GaNガイド層203、GaInN多重量子井戸活性層204、p型Al0.2Ga0.8Nキャリアバリア層205、p型GaNガイド層206、p型Al0.1Ga0.9Nクラッド層207、p型GaNコンタクト層208を形成する。
そして、RIE装置などによるエッチングを行うことで、p型GaNコンタクト層208からp型Al0.1Ga0.9Nクラッド層207にリッジストライプ部212を形成する。このリッジストライプ部212は、図4のように、マスク404の中央と開口部との境界との間となる領域に<1−100>方向に沿ったストライプ形状で形成することで、低転位密度領域の直上に形成される。
又、このリッジストライプ部212を挟むようにして絶縁層211が形成されるとともに、こリッジストライプ部212におけるp型GaNコンタクト層208を覆うようにp型電極209が真空蒸着装置やスパッタ装置等を利用して形成される。更に、n型電極310については、n型GaNコンタクト層201が露出するまでRIE装置などによるエッチングを行い、この露出したn型GaNコンタクト層201にn型電極310を形成する。
このようにして下地層400が形成されたサファイア基板401に窒化物半導体層を積層した後、第1の実施形態と同様、チップ分割行程において劈開することで窒化物半導体発光素子の共振器端面を形成する。このとき、形成された共振器端面に誘電体多層膜によるHRコーティングやARコーティングを施してもよい。そして、分割された窒化物半導体発光素子は、ステムに設置するとともに、金属ワイヤをn電極310及びp電極209に接続することにより、最終的に、通電による素子動作が可能である状態とする。
このように構成される窒化物半導体発光素子において、リッジストライプ部212の構成は、第1の実施形態と同様、図2のような構成とされる。即ち、リッジストライプ部212の端面X,Y側の領域La,Leの幅W1を広くするとともに、リッジストライプ部212の中央部の領域Lcの幅W2を狭くする。そして、更に、領域La,Leそれぞれと領域Lcとの間の領域Lb,Ldの幅を端面X,Yに向かってW2からW1に広がるように変化させる。
このように構成することで、下地層400において、成長抑制膜となるマスク404が形成されることで、サファイア基板401上に転位密度の低い領域をGaN膜405に形成することができる。そして、リッジストライプ部212を第1の実施形態と同様の構成とすることで、端面X,Yにおける光子密度を下げ、この端面X,Yの劣化が大きくなることを防ぐことができるとともに、下地層400に形成される高転位密度領域450aの影響による面内分布の不均一性の影響を抑制することができ、素子作製歩留まりを高くすることができる。
又、本実施形態の窒化物化合物半導体発光素子において、リッジストライプ部212のストライプ形状を図2のような形状とするとき、リッジストライプ部212の端面X,Y側それぞれの領域La,Leの幅W1を10μm、リッジストライプ部212の中央部の幅W2を6μm、共振器長L1を600μm、領域La,Leの長さL2,L6を25μm、領域Lb,Ldの長さL3,L5を100μm、領域Lcの長さL4を350μmとして作製したところ、第1の実施形態の各例と同様の寿命試験を行った際、動作寿命の信頼性も高く、また、素子作製歩留まりも高かった。
尚、上述の第1及び第2の実施形態において、リッジ型の窒化物半導体発光素子を示したが、この型の窒化物半導体発光素子に限らず、例えば、電極ストライプ型の窒化物半導体発光素子等の別の型でも良い。即ち、電極ストライプ型の窒化物半導体発光素子の場合、電極のストライプ形状を、共振器端面側が広くなるとともに中央部分が狭くなるような形状とする。
又、上述の第1及び第2の実施形態では、図2のように、リッジストライプ部212として、レーザ光の出射する2つの端面両方に同形状の幅を構成するように、窒化物半導体発光素子の中央部に対して対照となる形状のストライプを形成しているが、端面それぞれに対して異なる形状の幅としたストライプとしても構わないし、片方の端面だけに幅を変化させた形状のストライプとしても構わない。更に、図2の形状においては、端面にてストライプ幅が一定となる領域La,Leを設けているが、領域La,Leを除くとともに端面からすぐにストライプ幅を変化させる領域Lb,Ldが形成されるようなストライプ形状としても構わない。
更に、第1及び第2の実施形態では、窒化物半導体発光素子として、レーザダイオードの例を示したが、スーパールミネッセンスダイオードなどのような端面光放出型の発光ダイオードにおいても、リッジのストライプ形状を図2と同様の形状とすることで、端面劣化と素子作製歩留りの点で、同様の効果を得ることができる。
このようにして作製した窒化物半導体発光素子は、照明器具、例えば、窒化物半導体発光素子から発せられた光を蛍光体に照射して照明光を得ることのできる照明器具や、光磁気再生記録装置、高密度記録再生装置、レーザプリンター、バーコードリーダ、プロジェクターなどの光学装置に好ましく用いることができる。
は、本発明の第1の実施形態の窒化物半導体発光素子の構成を示す概略断面図である。 は、本発明の各実施形態の窒化物半導体発光素子のリッジのストライプ形状を示す概略図である。 は、比較例1及び比較例2における窒化物半導体発光素子のリッジのストライプ形状を示す概略図である。 は、本発明の第2の実施形態の窒化物半導体発光素子の構成を示す概略断面図である。 は、帯状に転位密度の分布を有する基板上に形成した窒化物化合物半導体層の層厚分布の関係を示す図である。
符号の説明
200 n型GaN基板
201 n型GaNコンタクト層
202 n型Al0.1Ga0.9Nクラッド層
203 n型GaNガイド層
204 GaInN多重量子井戸活性層
205 p型Al0.2Ga0.8Nキャリアバリア層
206 p型GaNガイド層
207 p型Al0.1Ga0.9Nクラッド層
208 p型GaNコンタクト層
209 p型電極
210,310 n型電極
211 絶縁層
212 リッジストライプ部
400 下地層
401 サファイア基板
402 バッファ層
403 窒化物化合物半導体層
404 成長抑制膜(マスク)
405 窒化物化合物半導体層

Claims (8)

  1. 帯状の転位密度の分布を備えた半導体層に窒化物半導体が積層されて構成され、電流狭窄するためのストライプ構造が形成される窒化物半導体発光素子において、
    前記ストライプ構造が、転位密度の低い領域の直上に形成されるとともに、光出射端面におけるストライプ幅が前記端面以外におけるストライプ幅よりも広いことを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  2. 前記半導体層に備えられた帯状の転位密度の分布が、光出射面となる端面に対して垂直方向に延び、
    前記ストライプ構造が、電流狭窄するための絶縁層に挟まれるとともに表面から突出したリッジとして形成され、
    前記リッジとして形成される前記ストライプ構造が、転位密度の低い領域の直上に前記端面に対して垂直方向に延びたストライプ形状で形成されるとともに、前記端面におけるストライプ幅が前記端面以外におけるストライプ幅よりも広いことを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  3. 前記ストライプ構造が、
    前記端面側に設けられるとともにストライプ幅が最も広い第1領域と、
    前記ストライプ形状の中央部に設けられるとともにストライプ幅が最も狭い第2領域と、
    前記第1領域と前記第2領域との間に設けられるとともにストライプ幅が前記第1領域のストライプ幅から前記第2領域のストライプ幅に変化している第3領域と、
    を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の窒化物半導体発光素子。
  4. 前記ストライプ構造の前記第3領域の長さを50μm以上とすることを特徴とする請求項3に記載の窒化物半導体発光素子。
  5. 前記ストライプ構造において、前記端面側におけるストライプ幅を10μm以上とすることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  6. 前記ストライプ構造において、最も広いストライプ幅W1と最も狭いストライプ幅W2との比W1/W2を2以下とすることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  7. 前記転位密度の分布を備える前記半導体層が、窒化物半導体からなる窒化物半導体基板であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  8. 前記転位密度の分布を備える前記半導体層が、基板上に構成された窒化物半導体層による下地層であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
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