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JP2007211710A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

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JP2007211710A JP2006033486A JP2006033486A JP2007211710A JP 2007211710 A JP2007211710 A JP 2007211710A JP 2006033486 A JP2006033486 A JP 2006033486A JP 2006033486 A JP2006033486 A JP 2006033486A JP 2007211710 A JP2007211710 A JP 2007211710A
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Abstract

【課題】始動モータに内燃機関の始動に必要な電力を確実に供給し、内燃機関の始動性の悪化を防止可能な内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】始動モータ5と、始動モータ5と接続されたバッテリ6と、始動モータ5にて始動される内燃機関1の吸気通路3にコンプレッサ8aが設けられるとともに内燃機関1の排気通路4にタービン8bが設けられ、かつバッテリ6と接続される電動モータ8cにより駆動可能なターボ過給機8と、を備え、ECU30は、内燃機関1の始動時に始動モータ5を動作させるとともにターボ過給機8により吸入空気が過給されるように電動モータ8cの動作を制御し、かつ内燃機関1の始動時に内燃機関1の始動性を悪化させる要因が生じた場合、内燃機関1の始動時に行われるターボ過給機8による吸入空気の過給が制限されるように電動モータ8cの動作を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動モータにて駆動可能な過給機を備えた内燃機関の制御装置に関する。
エンジンの始動時に回転電機(電動モータ)によりターボ過給機を駆動して過給気圧を上昇させ、シリンダ内の圧縮圧力を増大させるエンジンの始動装置が知られている(特許文献1参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2、3が存在する。
特許第2775195号公報 特開2004−76687号公報 実開平5−69317号公報
一般に内燃機関は始動モータによるクランキングによって始動されるが、内燃機関の始動時に始動モータによって消費される電力を考慮せずに電動モータでターボ過給機を駆動すると、バッテリの電圧が低下してバッテリから始動モータに内燃機関を始動するために必要な電力を十分に供給できないおそれがある。内燃機関の温度が低いほど内燃機関の潤滑油の粘度が高くなるので、内燃機関のフリクションが増加する。そのため、温度が低い内燃機関を始動するときに温度が高い内燃機関を始動するときと同様に電動モータでターボ過給機を駆動すると始動モータに内燃機関を始動するために必要な電力を十分に供給できないおそれがある。これらの場合、始動モータに十分な電力が供給されず、始動モータの出力が不足して内燃機関の始動性が悪化するおそれがある。
そこで、本発明は、始動モータに内燃機関の始動に必要な電力を確実に供給し、内燃機関の始動性の悪化を防止可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関の制御装置は、始動モータと、前記始動モータと電気的に接続されたバッテリと、前記始動モータにて始動される内燃機関の吸気通路にコンプレッサが設けられるとともに前記内燃機関の排気通路にタービンが設けられ、かつ前記バッテリと電気的に接続される電動モータにより駆動可能なターボ過給機と、前記内燃機関の始動時に前記始動モータを動作させるとともに前記ターボ過給機により吸入空気が過給されるように前記電動モータの動作を制御する動作制御手段と、を備えた内燃機関の制御装置において、前記動作制御手段は、前記内燃機関の始動時に前記内燃機関の始動性を悪化させる要因が生じた場合、前記内燃機関の始動時に行われる前記ターボ過給機による吸入空気の過給が制限されるように前記電動モータの動作を制御する過給制限手段を備えていることにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
本発明の制御装置によれば、内燃機関の始動性を悪化させる要因が生じた場合にターボ過給機による吸入空気の過給が制限されるので、電動モータで消費される電力を減少させることができる。これにより、バッテリの電圧低下を抑制して始動モータに供給可能な電力を増加させることができる。そのため、始動モータに内燃機関の始動に必要な電力を確実に供給し、内燃機関の始動性の悪化を防止できる。
本発明の制御装置においては、前記バッテリの電圧を取得する電圧取得手段をさらに備え、前記過給制限手段は、前記電圧取得手段により取得された前記バッテリの電圧が前記内燃機関のフリクションを考慮して設定した判定電圧未満の場合に前記要因が生じたと判断してもよい(請求項2)。始動時のバッテリの電圧が低い場合は、始動モータへの供給電力が不足するおそれがあるため、始動性が悪化するおそれがある。そこで、このような場合にターボ過給機による吸入空気の過給を制限し、電動モータで消費される電力を減少させる。
本発明の制御装置の一形態において、前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記電圧取得手段により取得された前記バッテリの電圧が前記判定電圧未満の場合、前記内燃機関の始動時における前記バッテリの電圧が前記判定電圧以上の場合よりも前記内燃機関の始動時に前記電動モータの回転数を低下させてもよい(請求項3)。このように電動モータの回転数を低下させることにより電動モータによって消費される電力を低減できるので、バッテリの電圧低下を抑制できる。
本発明の制御装置の一形態において、前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記電圧取得手段により取得された前記バッテリの電圧が前記判定電圧未満の場合、前記内燃機関の始動時に前記電動モータによる前記ターボ過給機の駆動を禁止してもよい(請求項4)。この場合、電動モータによって電力が消費されないので、バッテリの電圧低下をさらに抑制できる。そのため、始動モータに供給可能な電力をさらに増加させることができる。また、電動モータによってターボ過給機が駆動されないので、排気通路に配置されたタービンが排気流れの抵抗となる。この場合、気筒からの排気の排出が妨げられるので、気筒内に残留する排気の量を増加させることができる。これにより、この気筒内に残留した排気によって気筒の温度低下を抑制して圧縮行程末期の気筒内の温度、いわゆる圧縮端の温度を上昇させることができるので、内燃機関の始動性を改善できる。
本発明の制御装置の一形態において、前記電動モータは、前記内燃機関の排気エネルギを利用して発電する発電機として機能可能であるとともに発電した電力を前記バッテリに充電可能であり、前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記電圧取得手段により取得された前記バッテリの電圧が前記判定電圧未満の場合、前記内燃機関の始動時に前記電動モータを発電機として機能させて前記バッテリの充電を行ってもよい(請求項5)。この場合、電動モータにおいて発電された電力がバッテリに充電されるので、バッテリの電圧低下をさらに抑制できる。そのため、始動モータに内燃機関の始動に必要な電力を確実に供給できる。また、電動モータを発電機として機能させることによってタービンを回転し難くすることができるので、気筒から排気がさらに排出され難くなる。そのため、気筒内に残留する排気の量をさらに増加させて圧縮端の温度をさらに上昇させ、内燃機関の始動性をさらに改善できる。
本発明の制御装置の一形態においては、前記内燃機関の気筒から排出された排気の一部を再度前記気筒内に戻すEGR手段をさらに備え、前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記電圧取得手段により取得された前記バッテリの電圧が前記判定電圧未満の場合、前記内燃機関の始動時に排気の一部が前記気筒内に戻されるように前記EGR手段の動作を制御してもよい(請求項6)。このように排気の一部を気筒に戻すことにより、気筒の温度低下を抑制することができる。そのため、圧縮端温度を上昇させて内燃機関の始動性を改善できる。
この形態においては、前記EGR手段として、前記吸気通路と前記排気通路とを接続するEGR通路と、前記EGR通路を通過する排気の流量を調整するEGR弁と、前記EGR通路の経路中に配置されて排気を冷却するEGRクーラと、前記EGRクーラをバイパスさせて前記排気通路から前記吸気通路に排気を導くバイパス通路と、前記排気通路から前記EGRクーラを介して前記吸気通路に排気が戻される第1の位置と前記排気通路から前記バイパス通路を介して前記吸気通路に排気が戻される第2の位置とに切り替え可能な流路切替弁と、が設けられ、前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記電圧取得手段により取得された前記バッテリの電圧が前記判定電圧未満の場合、前記内燃機関の始動時に前記吸気通路に排気が戻されるように前記EGR弁を開け、かつ前記流路切替弁を前記第2の位置に切り替えてもよい(請求項7)。この場合、排気中の未燃燃料などのEGRクーラへの付着を抑制できる。そのため、EGRクーラの詰まりの発生を防止できる。また、EGRクーラをバイパスさせることによって吸気通路に戻される排気の温度低下を抑制できる。そのため、圧縮端の温度を上昇させて内燃機関の始動性を改善できる。また、排気を吸気通路に戻すので、白煙の排出を防止できる。
本発明の制御装置の一形態において、前記内燃機関は、前記タービンよりも下流の排気通路に設けられて前記排気通路を流れる排気の流量を調整可能な排気絞り弁を備え、前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記電圧取得手段により取得された前記バッテリの電圧が前記判定電圧未満の場合、前記内燃機関の始動時に前記排気通路の排気流量が減少するように前記排気絞り弁を閉じてもよい(請求項8)。このように排気絞り弁を閉めることによって、内燃機関の気筒から排気が排出され難くなる。そのため、気筒内に残留する排気の量を増加させて圧縮端の温度を上昇させることができる。したがって、内燃機関の始動性を改善できる。
本発明の制御装置の一形態において、前記ターボ過給機は、前記タービンの入口部分の流路断面積を変更可能な可変ノズルを備え、前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記電圧取得手段により取得された前記バッテリの電圧が前記判定電圧未満の場合、前記内燃機関の始動時に前記タービンの入口部分の流路断面積を減少させるべく前記可変ノズルを閉じてもよい(請求項9)。この場合も上述した排気絞り弁と同様に内燃機関の気筒から排気が排出され難くなる。そのため、気筒内に残留する排気の量を増加させることができるので、内燃機関の始動性を改善できる。
本発明の制御装置の一形態においては、前記内燃機関の気筒に設けられる排気弁の閉弁時期を変更可能な可変動弁機構を備え、前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記電圧取得手段により取得された前記バッテリの電圧が前記判定電圧未満の場合、前記内燃機関の始動時に前記排気弁の閉弁時期が早められるように前記可変動弁機構の動作を制御してもよい(請求項10)。このように排気弁の閉弁時期を早め、気筒内から排気が十分に排出される前に排気弁を閉弁することにより、気筒内に残留する排気の量を増加させることができる。そのため、内燃機関の始動性を改善できる。
本発明の制御装置の一形態においては、前記内燃機関の温度を取得する機関温度取得手段と、吸入空気の温度を取得する吸気温度取得手段と、前記内燃機関の始動時に前記機関温度取得手段が取得した前記内燃機関の温度及び前記吸気温度取得手段が取得した吸入空気の温度のそれぞれに基づいて前記判定電圧を補正する判定電圧補正手段と、をさらに備えていてもよい(請求項11)。内燃機関の始動時に始動モータに要求される出力は、吸入空気の温度及び内燃機関の温度によって変化する。例えば内燃機関の温度が低いほど内燃機関のフリクションが増加するので、始動モータに要求される出力は大きくなる。また、吸気温度が低いほど圧縮端の温度が上昇し難くなるので、始動モータの動作時間が長くなる。そこで、吸入空気の温度及び内燃機関の温度によって判定電圧を補正し、始動モータを内燃機関を始動するために必要な出力で確実に動作させる。これにより、内燃機関の始動性を改善できる。
本発明の制御装置の一形態においては、前記内燃機関の温度を取得する機関温度取得手段をさらに備え、前記過給制限手段は、前記機関温度取得手段により取得された前記内燃機関の温度が所定の判定温度未満の場合に前記要因が生じたと判断してもよい(請求項12)。始動時の内燃機関の温度が低い場合は内燃機関のフリクションが増加するので、温度が高い内燃機関を始動する場合よりも始動モータに要求される出力が大きくなる。そこで、ターボ過給機による吸入空気の過給を制限して電動モータで消費される電力を減少させ、始動モータに供給可能な電力を増加させる。
この形態において、前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記機関温度取得手段により取得された前記内燃機関の温度が前記判定温度未満の場合、前記内燃機関の始動時における前記内燃機関の温度が前記判定温度以上の場合よりも前記内燃機関の始動時に前記電動モータの回転数を低下させてもよいし(請求項13)、前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記機関温度取得手段により取得された前記内燃機関の温度が前記判定温度未満の場合、前記内燃機関の始動時に前記電動モータによる前記ターボ過給機の駆動を禁止してもよい(請求項14)。また、前記電動モータは、前記内燃機関の排気エネルギを利用して発電する発電機として機能可能であるとともに発電した電力を前記バッテリに充電可能であり、前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記機関温度取得手段により取得された前記内燃機関の温度が前記判定温度未満の場合、前記内燃機関の始動時に前記電動モータを発電機として機能させて前記バッテリの充電を行ってもよい(請求項15)。電動モータの動作をこのように制御することにより、バッテリの電圧低下を抑制できる。そのため、始動モータに内燃機関の始動に必要な電力を確実に供給し、内燃機関の始動性の悪化を防止できる。
本発明の制御装置の一形態においては、前記内燃機関の気筒から排出された排気の一部を再度前記気筒内に戻すEGR手段をさらに備え、前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記機関温度取得手段により取得された前記内燃機関の温度が前記判定温度未満の場合、前記内燃機関の始動時に排気の一部が前記気筒内に戻されるように前記EGR手段の動作を制御してもよい(請求項16)。また、この形態においては、前記EGR手段として、前記吸気通路と前記排気通路とを接続するEGR通路と、前記EGR通路を通過する排気の流量を調整するEGR弁と、前記EGR通路の経路中に配置されて排気を冷却するEGRクーラと、前記EGRクーラをバイパスさせて前記排気通路から前記吸気通路に排気を導くバイパス通路と、前記排気通路から前記EGRクーラを介して前記吸気通路に排気が戻される第1の位置と前記排気通路から前記バイパス通路を介して前記吸気通路に排気が戻される第2の位置とに切り替え可能な流路切替弁と、が設けられ、前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記機関温度取得手段により取得された前記内燃機関の温度が前記判定温度未満の場合、前記内燃機関の始動時に前記吸気通路に排気が戻されるように前記EGR弁を開け、かつ前記流路切替弁を前記第2の位置に切り替えてもよい(請求項17)。このように排気の一部を気筒に戻すことにより、圧縮端の温度を上昇させることができるので、内燃機関の始動性を改善できる。
本発明の制御装置の一形態において、前記内燃機関は、前記タービンよりも下流の排気通路に設けられて前記排気通路を流れる排気の流量を調整可能な排気絞り弁を備え、前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記機関温度取得手段により取得された前記内燃機関の温度が前記判定温度未満の場合、前記内燃機関の始動時に前記排気通路の排気流量が減少するように前記排気絞り弁を閉じてもよいし(請求項18)、前記ターボ過給機は、前記タービンの入口部分の流路断面積を変更可能な可変ノズルを備え、前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記機関温度取得手段により取得された前記内燃機関の温度が前記判定温度未満の場合、前記内燃機関の始動時に前記タービンの入口部分の流路断面積を減少させるべく前記可変ノズルを閉じてもよい(請求項19)。また、前記内燃機関の気筒に設けられる排気弁の閉弁時期を変更可能な可変動弁機構を備え、前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記機関温度取得手段により取得された前記内燃機関の温度が前記判定温度未満の場合、前記内燃機関の始動時に前記排気弁の閉弁時期が早められるように前記可変動弁機構の動作を制御してもよい(請求項20)。これらの形態では、気筒内に残留する排気の量を増加させて圧縮端の温度を上昇させることができる。したがって、内燃機関の始動性を改善できる。
以上に説明したように、本発明によれば、内燃機関の始動時におけるバッテリの電圧が判定電圧未満の場合、又は内燃機関の始動時における内燃機関の温度が判定温度未満の場合に内燃機関の始動性を悪化させる要因が生じたと判断してターボ過給機による吸気の過給が制限されるように電動モータの動作を制御するので、バッテリの電圧低下を抑制できる。そのため、始動モータに供給可能な電力を増加させることができる。したがって、始動モータに内燃機関の始動に必要な電力を確実に供給し、内燃機関の始動性の悪化を防止できる。
図1は、本発明の一形態に係る制御装置が組み込まれた内燃機関を示している。内燃機関1は、車両に走行用動力源として搭載される4気筒直列式のディーゼルエンジンとして構成されている。以下、内燃機関1をエンジンと呼ぶこともある。エンジン1の各気筒2には、吸気通路3及び排気通路4がそれぞれ接続されている。また、エンジン1は、始動モータ5と、始動モータ5と電気的に接続されたバッテリ6とを備えている。吸気通路3には、吸気濾過用のエアクリーナ7、ターボ過給機8のコンプレッサ8a、吸気を冷却するインタークーラ9、及び吸気の流量を調整する吸気絞り弁10が設けられている。また、図1に示したように吸気通路3には、ターボ過給機8のコンプレッサ8aよりも上流側の吸気通路とコンプレッサ8aよりも下流側の吸気通路とを接続するコンプレッサバイパス通路11と、吸気の流れをコンプレッサ8a又はコンプレッサバイパス通路11のいずれか一方に切り替え可能な吸気バイパス弁12とが設けられている。なお、通常運転時は吸気がコンプレッサ8aに導かれるように吸気バイパス弁12の位置が切り替えられる。排気通路4には、ターボ過給機8のタービン8b、排気通路4を流通する排気の流量を調整する排気絞り弁13、及び排気を浄化するための排気後処理装置14が設けられている。排気絞り弁13の開度は全開状態と全閉状態との間で制御される。なお、排気絞り弁13の開度が全閉状態に変更されても排気通路4が完全に閉鎖されることはない。すなわち、排気絞り弁13を全閉状態にしても排気の一部は排気絞り弁13よりも下流側に流れる。エンジン1は、各気筒2にそれぞれ設けられて各気筒2内に燃料を噴射するインジェクタ15と、各インジェクタ15から噴射する高圧の燃料を蓄えるコモンレール16とを備えている。
図1に示したように、排気通路4と吸気通路3とはEGR通路20で接続され、EGR通路20には排気を冷却するためのEGRクーラ21と吸気通路3に戻される排気(以下、EGRガスと呼ぶこともある。)の流量を調整するEGR弁22とが設けられている。また、図1に示したようにEGR通路20には、EGRクーラ21を迂回して排気を吸気通路3に導くためのEGRバイパス通路23と、EGRガスをEGRクーラ21を介して吸気通路3に戻す第1の位置とEGRガスをEGRバイパス通路23を介して吸気通路3に戻す第2の位置とに切り替え可能な流路切替弁としてのEGRクーラバイパス弁24とが設けられている。なお、エンジン1の通常運転時はEGRクーラ21を介してEGRガスが吸気通路3に戻されるようにEGRクーラバイパス弁24は第1の位置に切り替えられる。なお、以降EGRクーラバイパス弁24を第1の位置に切り替えることをEGRクーラバイパス弁24を閉じると呼び、EGRクーラバイパス弁24を第2の位置に切り替えることをEGRクーラバイパス弁24を開けると呼ぶこともある。
ターボ過給機8は、コンプレッサ8aとタービン8bとを同軸に連結する不図示の連結軸と、この連結軸を回転駆動可能な電動機及びエンジン1の排気によって回転駆動される連結軸の回転を利用して発電可能な発電機として機能する電動モータ8cとを備えている。図1に示したように電動モータ8cはバッテリ6と電気的に接続されている。電動モータ8cが電動機として機能する場合、電動モータ8cはバッテリ6から供給される電力によって駆動される。一方、電動モータ8cが発電機として機能する場合は、電動モータ8cにて発電された電気がバッテリ6に充電される。なお以降、電動モータ8cを発電機として機能させ、エンジン1の排気エネルギを利用して発電した電気をバッテリ6に充電することを回生と呼ぶこともある。また、電動モータ8cによって動作がアシストされるので、ターボ過給機8をMAT(Motor Assist Turbo)と呼ぶこともある。
ターボ過給機8の電動モータ8cの動作は、エンジンコントロールユニット(ECU)30によって制御される。ECU30は、マイクロプロセッサ及びその動作に必要なRAM、ROM等の周辺機器を含んだコンピュータとして構成され、所定のセンサの出力信号を参照してインジェクタ15、吸気バイパス弁12、排気絞り弁13、EGR弁22、及びEGRクーラバイパス弁24などの動作を制御してエンジン1の運転状態を制御する周知のコンピュータユニットである。ECU30が参照するセンサとしては、バッテリ6の電圧に対応した信号を出力する電圧取得手段としての電圧センサ31、エンジン1の冷却水の温度に対応した信号を出力する冷却水温センサ32、及び吸気の温度に対応した信号を出力する吸気温度取得手段としての吸気温センサ33などが設けられる。
ECU30は、モータアシストターボコントローラ(以下、MATコントローラと略称する。)34を介して電動モータ8cの動作を制御している。すなわち、ECU30はこのMATコントローラ34を制御することによって電動モータ8cの動作を制御する。MATコントローラ34は、電動モータ8cを電動機又は発電機のいずれの機器として機能させるか制御するとともに電動モータ8cとバッテリ6との間の電力の授受を制御している。例えば、MATコントローラ34は、電動モータ8cを電動機として機能させる場合にバッテリ6から電動モータ8cへの供給電力を調整し、電動モータ8cを発電機として機能させる場合に電動モータ8cにて発電すべき電力の調整を行う。なお以降では、MATコントローラ34を省略し、ECU30が電動モータ8cの動作を制御すると記述することもある。エンジン1の運転時にECU30は、エンジン1の運転状態に応じて電動モータ8cの動作を制御する。例えば、エンジン1の加速時に過給圧を上昇させるべく電動モータ8cを電動機として機能させてMAT8の動作をアシストさせる。この制御方法は周知の制御方法と同様でよいため、ここでの詳細な説明は省略する。
また、エンジン1の始動時に電動モータ8cを動作させ、MAT8で吸気を過給することにより、エンジン1の始動性を改善できる。図2は、ECU30がエンジン1の始動時に電動モータ8cの動作を制御するために実行するMAT動作制御ルーチンを示している。図2の制御ルーチンは、エンジン1が運転中か否かに拘わりなくECU30の動作中は所定の周期で繰り返し実行される。また、図2の制御ルーチンは、ECU30が実行する他の制御ルーチンと並列に実行される。
図2の制御ルーチンにおいてECU30は、まずステップS11でエンジン1の始動要求が有ったか否か判定する。エンジン1の始動は、例えばイグニッションキーが所定の始動位置に回されるなどイグニッションスイッチがオンの状態に変更された場合に要求されたと判断する。また、エンジン1が、所定の機関停止条件が満たされた場合に運転中のエンジン1を停止させる制御、いわゆるアイドルストップ制御の対象の場合、この所定の機関停止条件が満たされてエンジン1を停止させているときに例えば運転者によってアクセルペダル又はシフトギアが操作された場合にもエンジン1の始動が要求されたと判断する。エンジン1の始動が要求されていないと判断した場合は、今回の制御ルーチンを終了する。
一方、始動要求が有ったと判断した場合はステップS12に進み、ECU30は電圧センサ31、冷却水温センサ32、及び吸気温センサ33のそれぞれの出力信号を参照してエンジン1の冷却水温thw、吸気温度thia、及びバッテリ6の電圧Vbを取得する。続くステップS13において、ECU30はスタータ信号がオンの状態か否か判定する。ECU30は図2の制御ルーチンとは異なる制御ルーチンによって始動モータ5の動作を制御しており、スタータ信号は始動モータ5が動作しているときにこの制御ルーチンから発せられる。すなわち、スタータ信号は、始動モータ5が動作してエンジン1がクランキングされているときにオンの状態になり、始動モータ5が停止しているときにオフの状態になる。スタータ信号がオフの状態であると判断した場合は、今回の制御ルーチンを終了する。
スタータ信号がオンの状態であると判断した場合はステップS14に進み、ECU30は判定電圧αを設定する。判定電圧αは、基準判定電圧αbに冷却水温補正係数A1及び吸気温度補正係数A2を掛けることによって決定される。基準判定電圧αbには例えばエンジン1の温度及び吸気温度がそれぞれ所定温度のとき、すなわちエンジン1のフリクションが所定状態のときにエンジン1を確実かつ速やかに始動できる出力で始動モータ5を動作させることが可能な始動可能電圧範囲の下限値が設定される。このような始動可能電圧範囲はエンジン1の諸元(例えば、圧縮比、気筒数など)に応じて変化するので、基準判定電圧αbはエンジン1の諸元に基づいて適宜変更してよい。また、エンジン1の始動時に始動モータ5に要求される出力は、エンジン1の温度及び吸気温度に影響される。例えばエンジン1の温度が低いほどエンジン1の潤滑油の粘度が高くなるので、エンジン1のフリクションが増加する。また、吸気温度が低いほど圧縮端の温度が上昇し難くなるので、始動モータ5の動作時間が長くなる。このような場合は、始動モータ5に要求される出力が増加するので、バッテリ6から始動モータ5に供給する電力量も増加する。そこで、エンジン1の温度が低いほど、また吸気温度が低いほど判定電圧αを高く設定して始動モータ5に供給可能な電力がより多く確保されるように各補正係数A1、A2を設定する。なお、エンジン1の冷却水温はエンジン1の温度と相関を有しているので、エンジン1の温度の代わりにエンジン1の冷却水温に基づいて補正係数A1を設定する。
図3は、エンジン1の冷却水温thwと冷却水温補正係数A1との関係の一例を示し、図4は、吸気温度thiaと吸気温度補正係数A2との関係の一例を示している。なお、これらの関係は予め実験などにより求め、ECU30にマップとして記憶させておく。図3に示したように、エンジン1の冷却水温thwが低いほど冷却水温補正係数A1が増加する。また、図4に示したように吸気温度補正係数A2も同様に吸気温度thiaが低いほど増加する。このように補正係数A1、A2を設定することにより、始動モータ5に供給するための電力を確保し、始動モータ5の出力低下を抑制する。なお、図3では、エンジン1の冷却水温に基づいて補正係数A1を設定したが、補正係数A1の設定に使用するパラメータは冷却水温に限定されない。エンジン1の潤滑油の温度などエンジン1の温度と相関を有する種々のパラメータを冷却水温の代わりに使用してもよい。なお、このように判定電圧を補正することにより、ECU30は本発明の判定電圧補正手段として機能する。また、上述したようにエンジン1の冷却水の温度はエンジン1の温度と相関を有しているので、冷却水温センサ31が本発明の機関温度取得手段に相当する。
続くステップS15においてECU30は、バッテリ6の電圧Vbが判定電圧α未満か否か判定する。バッテリ6の電圧Vbが判定電圧α未満と判断した場合はステップS16に進み、ECU30は電動モータ8cを発電機として機能させて回生を行う。この回生によりバッテリ6が充電される。続くステップS17においてECU30は、排気絞り弁13の開度を全閉状態に変更する。次のステップS18においてECU30は、EGR弁22を開けるとともにEGRクーラバイパス弁24を開ける。その後、ステップS19においてECU30は、スタータ信号がオフの状態か否か判定する。スタータ信号がオンの状態と判断した場合はステップS15に戻る。一方、スタータ信号がオフの状態と判断した場合は、今回の制御ルーチンを終了する。
ステップS15においてバッテリ6の電圧Vbが判定電圧α以上と判断した場合はステップS20に進み、ECU30は電動モータ8cを電動機として機能させ、MAT8により吸気の過給を行う。続くステップS21においてECU30は、エンジン1の始動時にMAT8により連続して吸気を過給した過給時間(MAT過給時間)が予め設定した判定時間T以上か否か、又はバッテリ6の電圧Vbが判定電圧α未満か否か判定する。電動モータ8cを電動機として機能させた場合、電動モータ8cで消費される電力によってバッテリ6の電圧低下が早まる。そこで、電動モータ8cを動作させることが可能な時間を設定し、バッテリ6の電圧の低下速度を抑制する。判定時間Tには、この電動モータ8cを動作させることが可能な時間が設定される。なお、このような時間は電動モータ8cの消費電力及びバッテリ6の容量などによって異なるので、判定時間Tはこれらのパラメータに基づいて適宜変更してよい。MAT過給時間が判定時間T未満であり、かつバッテリ6の電圧Vbが判定電圧α以上であると判断した場合はステップS13に戻る。一方、MAT過給時間が判定時間T以上、又はバッテリ6の電圧Vbが判定電圧α未満と判断した場合はステップS22に進み、ECU30は電動モータ8cを停止させ、MAT8による吸気の過給を停止する。続くステップS23においてECU30は、スタータ信号がオフの状態か否か判定する。スタータ信号がオンの状態と判断した場合はステップS16に進む。一方、スタータ信号がオフの状態と判断した場合は、今回の制御ルーチンを終了する。
図2の制御ルーチンでは、バッテリ6の電圧Vbが判定電圧α未満の場合、エンジン1の始動性が悪化すると判断してMAT8による吸気の過給を制限し、電動モータ8cを発電機として機能させ、回生を行ってバッテリ6の充電を行うので、始動モータ5の出力低下を抑制することができる。そのため、エンジン1の始動性の悪化を防止してエンジン1を確実に始動することができる。一方、バッテリ6が判定電圧α以上の場合には、MAT8による吸気の過給が行われるので、圧縮端の温度を速やかに上昇させることができる。そのため、エンジン1を確実かつ速やかに始動でき、エンジン1の始動性を改善できる。
MAT8で回生を行う場合は排気絞り弁13の開度を全閉状態に変更する(ステップS17)ので、気筒2内に残留する排気の量、すなわち内部EGRガス量を増加させることができる。また、このときにEGR弁22及びEGRクーラバイパス弁24を開ける(ステップS18)ことにより、ガス温度の低下を抑制して高温のままEGRガスを吸気通路3に戻すとともに吸気通路3に戻すEGRガスの量を増加させることができる。このように内部EGRガス及び外部EGRガスの量を増加させることにより、圧縮端の温度を速やかに上昇させることができる。そのため、エンジン1の始動性を改善できる。また、排気をEGRガスとして吸気通路3に戻すので、白煙の排出を抑制することができる。さらに、EGRクーラバイパス弁24を開け、EGRクーラ21へのEGRガスの流入を抑制することにより、EGRクーラ21への未燃燃料などの流入を抑制できる。そのため、EGRクーラ21への未燃燃料の付着を抑制し、EGRクーラ21の詰まりを抑制できる。
なお、図2の制御ルーチンを実行してエンジン1の始動時にターボ過給機8で吸気を過給することによりECU30は本発明の動作制御手段として機能する。また、図2のステップS15〜S19の処理を実行し、バッテリ6の電圧が判定電圧未満の場合にターボ過給機による吸気の過給を制限することにより、ECU30は本発明の過給制限手段として機能する。
基準判定電圧αbには、始動可能電圧範囲の下限値よりも大きい電圧が設定されてもよい。この場合、バッテリ6の電圧Vbがこの基準判定電圧αbに基づいて設定された判定電圧α未満の場合であっても、バッテリ6によって電動モータ8cを駆動可能である。そこで、この場合は図2のステップS15の処理が肯定判断されても直ぐにMAT8で回生を行わず、バッテリ6の電圧が始動可能電圧範囲の下限値に達するまで、MAT8をバッテリ6の電圧が判定電圧α以上のときに設定される回転数、すなわち図2のステップS20で設定される回転数よりも低い回転数で動作させてもよい。言い換えると、バッテリ6の電圧が判定電圧α未満でもバッテリ6の電圧が始動可能電圧範囲の下限値に達するまで、バッテリ6の電圧が判定電圧α以上のときに行われる吸気の過給よりも制限された状態でMAT8による吸気の過給を行ってもよい。この場合、バッテリ6の電圧が判定電圧α未満でも吸気の過給が行われるので、圧縮端の温度を速やかに上昇させることができる。そのため、エンジン1の始動性を改善できる。なお、バッテリ6の電圧が始動可能電圧範囲の下限値未満に達した場合にはMAT8で回生を行ってバッテリ6を充電する。
また、このように基準判定電圧αbに始動可能電圧範囲の下限値よりも大きい電圧が設定された場合で、かつ吸気の過給よりもEGRガスの増加を優先させる場合は、電動モータ8cを停止させてもよい。すなわち、電動モータ8cによるMAT8の駆動を禁止する。この場合、タービン8bが排気流れの抵抗となるので、排気が流れ難くなる。そのため、内部EGRガスの量を増加させたり、EGR通路20を介して吸気通路3に戻される外部EGRガスの量を増加させることができる。
内部EGRガス及び外部EGRガスを調整する手段は、上述した手段に限定されない。MAT8がタービン8bの入口部分の流路断面積を変更可能な可変ノズルを備えている場合は、エンジン1の始動時にタービン8bの入口部分の流路断面積が減少するようにこの可変ノズルを閉じてもよい。この場合も排気絞り弁13を閉じた場合と同様に気筒2内に残留する内部EGRガスの量を増加させたり、EGR通路20を介して吸気通路3に高温のEGRガスを戻すことができる。また、エンジン1が排気弁の閉弁時期を変更可能な可変動弁機構を有している場合は、エンジン1の始動時に気筒2内からの排気の排出が抑制されるように排気弁の閉弁時期を早めて内部EGRガスの量を増加させてもよい。
図5は、MAT動作制御ルーチンの変形例を示している。なお、図5において図2と同一の処理には同一の参照符号を付し、説明を省略する。図5の制御ルーチンも図2の制御ルーチンと同様にエンジン1が運転中か否かに拘わりなくECU30の動作中は所定の周期で繰り返し実行される。また、図5の制御ルーチンもECU30が実行する他の制御ルーチンと並列に実行される。
図5の制御ルーチンにおいてECU30はステップS11で始動要求が有ったか否か判定する。始動要求が有ったと判断した場合はステップS31に進み、ECU30はエンジン1の冷却水温thwを取得する。次のステップS13においてECU30はスタータ信号がオンか否か判定する。スタータ信号がオンと判断した場合はステップS32に進み、ECU30は冷却水温thwが所定の判定温度β未満か否か判定する。上述したように、エンジン1の温度が低いほどフリクションが増加するので、始動モータ5に要求される出力が増加する。そこで、判定温度βには、例えば電動モータ8cを動作させつつ始動モータ5を動作させたときの始動モータ5の出力によってエンジン1を確実、かつ速やかに始動させることが可能なエンジン1の温度範囲の下限値に対応する冷却水温が設定される。このような冷却水温は例えば実験などにより求めて設定する。
冷却水温thaが判定温度β未満であると判断した場合はステップS16に進み、以下図2の制御ルーチンと同様に処理を進める。一方、冷却水温thaが判定温度β以上であると判断した場合はステップS20に進み、ECU30はMAT8による吸気の過給を行う。続くステップS33においてECU30は、MAT過給時間が判定時間T以上か否か判定する。MAT過給時間が判定時間T未満と判断した場合はステップS13に戻る。一方、MAT過給時間が判定時間T以上と判断した場合はステップS22に進み、以下図2の制御ルーチンと同様に処理を進める。
図5の制御ルーチンでは、エンジン1の温度と相関する冷却水温thwが判定温度β未満の場合、エンジン1の始動性が悪化すると判断してMAT8にて回生を行うので、始動モータ5に供給可能な電力を増加させることができる。そのため、始動モータ5にエンジン1の始動に必要な電力を確実に供給してエンジン1の始動性の悪化を防止できる。一方、冷却水温thwが判定温度β以上の場合は電動モータ8cを動作させてMAT8による吸気の過給を行うので、エンジン1の始動性を改善できる。
冷却水温thwが判定温度β未満の場合、すなわちステップS15が肯定判断された場合でも、バッテリ6の充電状態が良好であれば、冷却水温thwが判定温度β以上のときよりも低い回転数で電動モータ8cを動作させてMAT8で吸気を過給してもよい。この場合、電動モータ8cの回転数を低下させることによって電動モータ8cで消費される電力を低減できるので、始動モータ5に供給可能な電力を増加させることができる。そのため、MAT8で吸気を過給しつつ始動モータ5にエンジン1の始動に必要な電力を確実に供給することができる。なお、エンジン1の始動時に、吸気の過給よりもEGRガスの増加を優先する場合は、電動モータ8cによるMAT8の駆動を禁止してもよい。この場合は、MAT8で排気の流れを阻害することにより、内部EGRガス量及び外部EGRガス量を増加させることができる。
図5の制御ルーチンにおいても、エンジン1が可変動弁機構を有している場合は、排気弁の閉弁時期を早めてもよい。また、MAT8が可変ノズルを有している場合は、流路断面積を減少させるべく可変ノズルを閉じても良い。これらの制御を行うことにより、内部EGRガス量及び外部EGRガス量を増加させることができる。
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本発明の制御装置が適用される内燃機関はディーゼルエンジンに限定されず、ガソリンその他の燃料を利用する各種の内燃機関に適用してよい。また、本発明の制御装置が組み込まれるエンジンは、始動時にバッテリの電力を消費してエンジンを予熱する予熱装置を備えていてもよい。このような予熱装置は、例えばグロープラグ、及び吸気を加熱する吸気ヒータなどである。このようなエンジンでは、予熱装置によってもバッテリの電力が消費されるので、本発明によってMATで消費される電力を抑制したり、MATで回生してバッテリの電圧低下を抑制することによりエンジンの始動性の悪化を抑制できる。
本発明の一形態に係る制御装置が組み込まれた内燃機関を示す図。 ECUが実行するMAT動作制御ルーチンを示すフローチャート。 エンジンの冷却水温と冷却水温補正係数との関係の一例を示す図。 吸気温度と吸気温度補正係数との関係の一例を示す図。 MAT動作制御ルーチンの変形例を示すフローチャート。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
2 気筒
3 吸気通路
4 排気通路
5 始動モータ
6 バッテリ
8 ターボ過給機
8a コンプレッサ
8b タービン
8c 電動モータ
13 排気絞り弁
20 EGR通路(EGR手段)
21 EGRクーラ(EGR手段)
22 EGR弁(EGR手段)
23 EGRバイパス通路(EGR手段)
24 EGRクーラバイパス弁(流路切替弁、EGR手段)
30 エンジンコントロールユニット(動作制御手段、過給制限手段、判定電圧補正手段)
31 電圧センサ(電圧取得手段)
32 冷却水温センサ(機関温度取得手段)
33 吸気温センサ(吸気温度取得手段)

Claims (20)

  1. 始動モータと、前記始動モータと電気的に接続されたバッテリと、前記始動モータにて始動される内燃機関の吸気通路にコンプレッサが設けられるとともに前記内燃機関の排気通路にタービンが設けられ、かつ前記バッテリと電気的に接続される電動モータにより駆動可能なターボ過給機と、前記内燃機関の始動時に前記始動モータを動作させるとともに前記ターボ過給機により吸入空気が過給されるように前記電動モータの動作を制御する動作制御手段と、を備えた内燃機関の制御装置において、
    前記動作制御手段は、前記内燃機関の始動時に前記内燃機関の始動性を悪化させる要因が生じた場合、前記内燃機関の始動時に行われる前記ターボ過給機による吸入空気の過給が制限されるように前記電動モータの動作を制御する過給制限手段を備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記バッテリの電圧を取得する電圧取得手段をさらに備え、
    前記過給制限手段は、前記電圧取得手段により取得された前記バッテリの電圧が前記内燃機関のフリクションを考慮して設定した判定電圧未満の場合に前記要因が生じたと判断することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記電圧取得手段により取得された前記バッテリの電圧が前記判定電圧未満の場合、前記内燃機関の始動時における前記バッテリの電圧が前記判定電圧以上の場合よりも前記内燃機関の始動時に前記電動モータの回転数を低下させることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記電圧取得手段により取得された前記バッテリの電圧が前記判定電圧未満の場合、前記内燃機関の始動時に前記電動モータによる前記ターボ過給機の駆動を禁止することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記電動モータは、前記内燃機関の排気エネルギを利用して発電する発電機として機能可能であるとともに発電した電力を前記バッテリに充電可能であり、
    前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記電圧取得手段により取得された前記バッテリの電圧が前記判定電圧未満の場合、前記内燃機関の始動時に前記電動モータを発電機として機能させて前記バッテリの充電を行うことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記内燃機関の気筒から排出された排気の一部を再度前記気筒内に戻すEGR手段をさらに備え、
    前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記電圧取得手段により取得された前記バッテリの電圧が前記判定電圧未満の場合、前記内燃機関の始動時に排気の一部が前記気筒内に戻されるように前記EGR手段の動作を制御することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記EGR手段として、前記吸気通路と前記排気通路とを接続するEGR通路と、前記EGR通路を通過する排気の流量を調整するEGR弁と、前記EGR通路の経路中に配置されて排気を冷却するEGRクーラと、前記EGRクーラをバイパスさせて前記排気通路から前記吸気通路に排気を導くバイパス通路と、前記排気通路から前記EGRクーラを介して前記吸気通路に排気が戻される第1の位置と前記排気通路から前記バイパス通路を介して前記吸気通路に排気が戻される第2の位置とに切り替え可能な流路切替弁と、が設けられ、
    前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記電圧取得手段により取得された前記バッテリの電圧が前記判定電圧未満の場合、前記内燃機関の始動時に前記吸気通路に排気が戻されるように前記EGR弁を開け、かつ前記流路切替弁を前記第2の位置に切り替えることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記内燃機関は、前記タービンよりも下流の排気通路に設けられて前記排気通路を流れる排気の流量を調整可能な排気絞り弁を備え、
    前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記電圧取得手段により取得された前記バッテリの電圧が前記判定電圧未満の場合、前記内燃機関の始動時に前記排気通路の排気流量が減少するように前記排気絞り弁を閉じることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記ターボ過給機は、前記タービンの入口部分の流路断面積を変更可能な可変ノズルを備え、
    前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記電圧取得手段により取得された前記バッテリの電圧が前記判定電圧未満の場合、前記内燃機関の始動時に前記タービンの入口部分の流路断面積を減少させるべく前記可変ノズルを閉じることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  10. 前記内燃機関の気筒に設けられる排気弁の閉弁時期を変更可能な可変動弁機構を備え、
    前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記電圧取得手段により取得された前記バッテリの電圧が前記判定電圧未満の場合、前記内燃機関の始動時に前記排気弁の閉弁時期が早められるように前記可変動弁機構の動作を制御することを特徴とする請求項2〜9のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  11. 前記内燃機関の温度を取得する機関温度取得手段と、吸入空気の温度を取得する吸気温度取得手段と、前記内燃機関の始動時に前記機関温度取得手段が取得した前記内燃機関の温度及び前記吸気温度取得手段が取得した吸入空気の温度のそれぞれに基づいて前記判定電圧を補正する判定電圧補正手段と、をさらに備えていることを特徴とする請求項2〜10のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  12. 前記内燃機関の温度を取得する機関温度取得手段をさらに備え、
    前記過給制限手段は、前記機関温度取得手段により取得された前記内燃機関の温度が所定の判定温度未満の場合に前記要因が生じたと判断することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  13. 前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記機関温度取得手段により取得された前記内燃機関の温度が前記判定温度未満の場合、前記内燃機関の始動時における前記内燃機関の温度が前記判定温度以上の場合よりも前記内燃機関の始動時に前記電動モータの回転数を低下させることを特徴とする請求項12に記載の内燃機関の制御装置。
  14. 前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記機関温度取得手段により取得された前記内燃機関の温度が前記判定温度未満の場合、前記内燃機関の始動時に前記電動モータによる前記ターボ過給機の駆動を禁止することを特徴とする請求項12に記載の内燃機関の制御装置。
  15. 前記電動モータは、前記内燃機関の排気エネルギを利用して発電する発電機として機能可能であるとともに発電した電力を前記バッテリに充電可能であり、
    前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記機関温度取得手段により取得された前記内燃機関の温度が前記判定温度未満の場合、前記内燃機関の始動時に前記電動モータを発電機として機能させて前記バッテリの充電を行うことを特徴とする請求項12に記載の内燃機関の制御装置。
  16. 前記内燃機関の気筒から排出された排気の一部を再度前記気筒内に戻すEGR手段をさらに備え、
    前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記機関温度取得手段により取得された前記内燃機関の温度が前記判定温度未満の場合、前記内燃機関の始動時に排気の一部が前記気筒内に戻されるように前記EGR手段の動作を制御することを特徴とする請求項12〜15のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  17. 前記EGR手段として、前記吸気通路と前記排気通路とを接続するEGR通路と、前記EGR通路を通過する排気の流量を調整するEGR弁と、前記EGR通路の経路中に配置されて排気を冷却するEGRクーラと、前記EGRクーラをバイパスさせて前記排気通路から前記吸気通路に排気を導くバイパス通路と、前記排気通路から前記EGRクーラを介して前記吸気通路に排気が戻される第1の位置と前記排気通路から前記バイパス通路を介して前記吸気通路に排気が戻される第2の位置とに切り替え可能な流路切替弁と、が設けられ、
    前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記機関温度取得手段により取得された前記内燃機関の温度が前記判定温度未満の場合、前記内燃機関の始動時に前記吸気通路に排気が戻されるように前記EGR弁を開け、かつ前記流路切替弁を前記第2の位置に切り替えることを特徴とする請求項16に記載の内燃機関の制御装置。
  18. 前記内燃機関は、前記タービンよりも下流の排気通路に設けられて前記排気通路を流れる排気の流量を調整可能な排気絞り弁を備え、
    前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記機関温度取得手段により取得された前記内燃機関の温度が前記判定温度未満の場合、前記内燃機関の始動時に前記排気通路の排気流量が減少するように前記排気絞り弁を閉じることを特徴とする請求項12〜17のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  19. 前記ターボ過給機は、前記タービンの入口部分の流路断面積を変更可能な可変ノズルを備え、
    前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記機関温度取得手段により取得された前記内燃機関の温度が前記判定温度未満の場合、前記内燃機関の始動時に前記タービンの入口部分の流路断面積を減少させるべく前記可変ノズルを閉じることを特徴とする請求項12〜18のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  20. 前記内燃機関の気筒に設けられる排気弁の閉弁時期を変更可能な可変動弁機構を備え、
    前記過給制限手段は、前記内燃機関の始動時に前記機関温度取得手段により取得された前記内燃機関の温度が前記判定温度未満の場合、前記内燃機関の始動時に前記排気弁の閉弁時期が早められるように前記可変動弁機構の動作を制御することを特徴とする請求項12〜19のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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