JP2007208748A - Ofdm復調装置、ofdm復調方法、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い応答性によりタイムラグ無しで受信信号の状態を把握することができるOFDM復調装置を提供する。
【解決手段】OFDM復調装置1は、アンテナ13により受信されてチューナ14により高周波信号から周波数変換された中間周波数信号を直交復調してベースバンド信号を生成するデジタル直交復調回路3と、ベースバンド信号の狭帯域キャリア周波数誤差を補正する狭帯域キャリア周波数誤差補正回路4と、狭帯域キャリア周波数誤差を補正されたベースバンド信号に対してFFT演算を行うFFT演算回路5と、狭帯域キャリア周波数誤差補正回路4によって狭帯域キャリア周波数誤差を補正されたベースバンド信号に基づいてSNRを算出するSNR算出回路6とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】OFDM復調装置1は、アンテナ13により受信されてチューナ14により高周波信号から周波数変換された中間周波数信号を直交復調してベースバンド信号を生成するデジタル直交復調回路3と、ベースバンド信号の狭帯域キャリア周波数誤差を補正する狭帯域キャリア周波数誤差補正回路4と、狭帯域キャリア周波数誤差を補正されたベースバンド信号に対してFFT演算を行うFFT演算回路5と、狭帯域キャリア周波数誤差補正回路4によって狭帯域キャリア周波数誤差を補正されたベースバンド信号に基づいてSNRを算出するSNR算出回路6とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、デジタル伝送方式にて、映像信号や音声信号を効率よく伝送できる直交周波数分割多重方式(Orthogonal Frequency Division Multiplex、以下、略してOFDM)の復調装置、OFDM復調方法、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
(OFDM放送)
地上デジタル放送では、建物によるゴースト妨害(フェージング、マルチパス)の克服に好適な変調方式として、マルチキャリアのOFDM変復調方式が知られている。OFDM変復調方式は、1チャンネル帯域内に多数(256〜1024程度)のサブ・キャリアを設けて、映像信号や音声信号を効率よく伝送することが可能なデジタル変調・復調方式である。全キャリアを高速フーリエ逆変換(IFFT: Inverse Fast Fourier Transform)によってOFDM変調されたベースバンド(BB:BaseBand)信号を生成する。
地上デジタル放送では、建物によるゴースト妨害(フェージング、マルチパス)の克服に好適な変調方式として、マルチキャリアのOFDM変復調方式が知られている。OFDM変復調方式は、1チャンネル帯域内に多数(256〜1024程度)のサブ・キャリアを設けて、映像信号や音声信号を効率よく伝送することが可能なデジタル変調・復調方式である。全キャリアを高速フーリエ逆変換(IFFT: Inverse Fast Fourier Transform)によってOFDM変調されたベースバンド(BB:BaseBand)信号を生成する。
図10は、OFDM変調波の伝送シンボルの一例を示す図である。IFFT変換の処理窓の期間が、有効シンボル期間tsとなる。有効シンボル期間は、FsクロックN周期に相当する。有効シンボル期間tsを基本単位としてデジタル変調された全キャリアを加え合わせたものを、OFDM伝送シンボルという。
実際の伝送シンボルは、通常、図10に示すように、有効シンボル期間201に、ガードインターバル(GI)202aと呼ばれる期間tgを付加して構成されている。GI期間tg(202a)の波形は、有効シンボル期間tsの後部202bの信号波形を繰り返したものになっている。伝送シンボルのシンボル期間203は、有効シンボル期間201とGI期間202aとの和となる。たとえば、非特許文献1の放送規格によると、有効シンボル期間長は、MODEと呼ばれるパラメータによって次表1の様に定義されている。
さらに、GI期間(単位:μs)は、各有効シンボル期間長に対する比であるGI期間長(GI比)と呼ばれるパラメータによって、次表2の様に定義されている。
また、伝送シンボルを幾つか集めたものを伝送フレームという。これは、情報伝送用シンボルが100個程度集まったものに、フレーム同期用シンボルやサービス識別用シンボルを付加したものである。たとえば非特許文献1では、1フレームが204シンボルと定義されている。
また、非特許文献1によると、QPSK、16QAM、または64QAM変調された1伝送シンボルには、1セグメント当たり、次表3に示すキャリアが配置されている。
この表において、SPは、SP(Scattered Pilot)信号を意味する。このSP信号は、周期的に挿入されるパイロット信号であり、たとえば、キャリア方向において、12キャリアに1回、シンボル方向において、4シンボルに1回、挿入される。TMCCは、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号を意味する。このTMCC信号は、フレーム同期信号や伝送パラメータを伝送するための信号である。AC1は、AC1(Auxiliary Channel)信号を意味する。このAC1信号は、付加情報を伝送するための信号である。TMCCとAC1は、SPと異なり、各キャリアにおいて、非周期的に配置されている。
(従来のOFDM復調装置の基本構成)
従来のOFDM復調装置の一構成例は、たとえば、非特許文献2に示されている。そこで、非特許文献2に開示されているOFDM復調装置について、以下に説明する。
従来のOFDM復調装置の一構成例は、たとえば、非特許文献2に示されている。そこで、非特許文献2に開示されているOFDM復調装置について、以下に説明する。
図11は、従来のOFDM復調装置900の構成を示すブロック図である。OFDM復調装置900は、図11に示すように、アンテナ83、チューナ84、バンドパスフィルタ(BPF)903、A/D変換回路904、DCキャンセル回路905、ベースバンド信号処理部92、誤り訂正処理部85、トランスポートストリーム生成回路919及びRS復号回路920を備えている。
ベースバンド信号処理部92は、デジタル直交復調回路93、狭帯域キャリア周波数誤差補正回路94、狭帯域キャリア周波数誤差検出回路97、FFT演算回路95、波形等化回路910及びMER算出回路96を含んでいる。
誤り訂正処理部85は、周波数デインタリーブ回路911、時間デインタリーブ回路912、デマッピング回路913、ビットデインタリーブ回路914、デパンクチャ回路915、ビタビ回路916、バイトデインタリーブ回路917及び拡散信号除去回路918を含んでいる。
放送局から放送されたデジタル放送の放送波は、OFDM復調装置900のアンテナ83により受信され、RF信号としてチューナ84に供給される。チューナ84は、乗算器902aおよび局部発振器902bからなり、アンテナ83を通じて受信されたRF信号を、IF信号に周波数変換する。チューナ84は、周波数変換したIF信号をBPF903に供給する。
局部発振器902bから発振される受信キャリア信号の発振周波数は、チャンネル選択回路(図示せず)から供給されるチャンネル選択信号に応じて切り換えられる。チューナ84から出力されたIF信号は、BPF903によりフィルタリングされたあと、A/D変換回路904によりデジタル化される。デジタル化されたIF信号は、DCキャンセル回路905によりDC成分が除去され、デジタル直交復調回路93に供給される。
デジタル直交復調回路93は、所定の周波数(キャリア周波数)のキャリア信号を用いて、デジタル化されたIF信号を直交復調し、ベースバンドのOFDM信号を出力する。ベースバンドのOFDM信号は、直交復調された結果、実軸成分(Iチャネル信号)と、虚軸成分(Qチャネル信号)とから構成される複素信号となる。デジタル直交復調回路93から出力されるベースバンドのOFDM信号は、狭帯域キャリア周波数誤差補正回路94に供給される。
狭帯域キャリア周波数誤差補正回路94は、デジタル直交復調回路93から供給されたベースバンドのOFDM信号の狭帯域キャリア周波数誤差を補正して、狭帯域キャリア周波数誤差検出回路97及びFFT演算回路95に供給する。
狭帯域キャリア周波数誤差検出回路97は、ベースバンドのOFDM信号の狭帯域キャリア周波数誤差を検出し、これを補正するための制御信号を狭帯域キャリア周波数誤差補正回路94に供給する。
FFT演算回路95は、中心周波数誤差が補正されたベースバンドのOFDM信号に対してFFT演算を行い、各サブキャリアに直交変調されている信号を抽出して出力する。FFT演算回路95は、1つのOFDMシンボルから有効シンボル長分の信号を抜き出し、抜き出した信号に対してFFT演算を行う。すなわち、FFT演算回路95は、1つのOFDMシンボルからガードインターバル長分の信号を除き、残った信号に対してFFT演算を行う。FFT演算を行うために抜き出される信号の範囲は、その抜き出した信号点が連続していれば、1つのOFDM伝送シンボルの任意の位置でよい。つまり、その抜き出す信号の範囲の開始位置は、GI期間中のいずれかの位置となる。FFT演算回路95により抽出された各サブキャリアに変調されていた信号は、実軸成分(Iチャネル信号)と虚軸成分(Qチャネル信号)とから構成される複素信号である。FFT演算回路95により抽出された信号は、波形等価回路910に供給される。
波形等価回路910には、FFT演算回路95から出力された各サブキャリアから復調された後の信号が供給される。波形等価回路910は、パイロット信号を検出し、パイロット信号をもとに波形等化を行い、その信号に対してキャリア復調を行う。ISDB−T規格のOFDM信号を復調する場合であれば、波形等価回路910は、たとえば、DQPSKの差動復調、または、QPSK、16QAM、および64QAMなどの同期復調を行う。波形等価回路910によってキャリア復調された信号は、MER算出回路96及び周波数デインタリーブ回路911に供給される。
ここで、信号に含まれる雑音成分を表す指標としてMER(Modulation Error Ratio)というものがある。MERとは、復調したコンスタレーションにおいて、理想コンスタレーションポイントからのベクトル誤差の電力換算値と、理想コンスタレーションポイントの電力との比として定義された値である。その為、MERは波形等化後の出力に基づいて算出する必要があるので、MER算出回路96は波形等化回路910の後段に設けられる。
波形等価回路910によってキャリア復調された信号は、周波数デインタリーブ回路911によって周波数方向にデインタリーブ処理される。続いて、時間デインタリーブ回路912によって、時間方向のデインタリーブ処理がされた後、デマッピング回路913に供給される。
デマッピング回路913は、キャリア復調された信号(複素信号)に対して、データの再割付処理(デマッピング処理)を行う。これにより、伝送データ系列を復元する。たとえば、ISDB−T規格のOFDM信号を復調する場合であれば、デマッピング回路913は、QPSK、16QAM、または64QAMに対応した、デマッピング処理を行う。
デマッピング回路913から出力された伝送データ系列は、ビットデインタリーブ回路914、デパンクチャ回路915、ビタビ回路916、バイトデインタリーブ回路917、拡散信号除去回路918を通過する。これにより、多値シンボルの誤り分散のためのビットインタリーブに対応したデインタリーブ処理、伝送ビットの削減のためのパンクチャリング処理に対応したデパンクチャリング処理、畳み込み符号化されたビット列の復号のためのビタビ復号処理、バイト単位でのデインタリーブ処理、およびエネルギ拡散処理に対応したエネルギ逆拡散処理が、それぞれ行われる。その後、伝送データ系列は、トランスポートストリーム生成回路919に入力される。
トランスポートストリーム生成回路919は、たとえば、ヌルパケット等の各放送方式で規定されるデータを、ストリームにおける所定の位置に挿入する。また、トランスポートストリーム生成回路919は、断続的に供給されてくるストリームのビット間隔を平滑化して、時間的に連続したストリームとする、いわゆるスムージング処理を行う。スムージング処理がされた伝送データ系列は、RS復号回路920に供給される。
RS復号回路920は、入力された伝送データ系列に対してリードソロモン復号処理を行う。これにより、MPEG−2システムズで規定されたトランスポートストリームとして出力する。
特開2004−266747号公報(平成16年9月24日(2004.9.24)公開)
特開2005−229207号公報(平成17年8月25日(2005.8.25)公開
「地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式ARIB STD−B31 1.5版」、社団法人電波産業界、2001年5月31日初版策定、2003年7月29日1.5版改定
「地上デジタル音声放送用復調装置標準規格(望ましい仕様)ARIB STD−B30 1.2版」、社団法人電波産業界、2001年5月31日初版策定、2003年年7月29日1.2版改定
算術演算のVLSIアルゴリズム、高木直史著、コロナ社、2005
しかしながら、図11に示す上記従来の構成では、MERを算出するのは、1シンボル分のOFDMベースバンド信号を貯めこんだ後、FFT演算を行うために1シンボル期間以上の遅延が生じるFFT演算回路95により波形等化を行った後であるため、MERを算出するために確実に1シンボル以上の遅延時間を要する事となり、受信信号に含まれる雑音成分を算出する応答性が悪いという問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い応答性によりタイムラグ無しで受信信号の状態を把握することができるOFDM復調装置を実現することにある。
本発明に係るOFDM復調装置は、上記課題を解決するために、アンテナにより受信されてチューナにより高周波信号から周波数変換された中間周波数信号を直交復調してベースバンド信号を生成するデジタル直交復調回路と、前記ベースバンド信号の狭帯域キャリア周波数誤差を補正する狭帯域キャリア周波数誤差補正回路と、前記狭帯域キャリア周波数誤差を補正されたベースバンド信号に対してFFT演算を行うFFT演算回路と、前記狭帯域キャリア周波数誤差補正回路によって狭帯域キャリア周波数誤差を補正されたベースバンド信号に基づいてSNRを算出するSNR算出回路とを備えたことを特徴としている。
上記特徴によれば、FFT演算回路によりFFT演算を行う前のベースバンド信号に基づいてSNR(Signal To Noise Ratio)を算出するので、FFT演算による遅延なく受信信号の状態を把握することができる。この結果、高い応答性によりタイムラグ無しで受信信号の状態を把握することができるOFDM復調装置を提供できる。
本発明に係るOFDM復調装置では、前記狭帯域キャリア周波数誤差を補正されたベースバンド信号から狭帯域キャリア周波数誤差を検出する狭帯域キャリア周波数誤差検出回路をさらに備え、前記狭帯域キャリア周波数誤差検出回路は、前記ベースバンド信号の複素相関を計算して複素相関信号を生成する複素相関回路を含み、前記SNR算出回路は、前記複素相関回路によって生成された複素相関信号に基づいて前記SNRを算出することが好ましい。
上記構成によれば、狭帯域キャリア周波数誤差検出回路に設けられた複素相関回路によって生成された複素相関信号に基づいてSNRを算出する。このため、複素相関信号に基づいて狭帯域キャリア周波数誤差の分散を求めることができ、この狭帯域キャリア周波数誤差の分散に基づいてSNRを推定することができる。
本発明に係るOFDM復調装置では、前記狭帯域キャリア周波数誤差検出回路は、前記狭帯域キャリア周波数誤差検出回路は、前記ベースバンド信号の複素相関を計算して複素相関信号を生成する複素相関回路と、前記複素相関信号に基づいて区間平均信号を生成する区間平均回路とを含み、前記SNR算出回路は、前記区間平均回路によって生成された区間平均信号に基づいて前記SNRを算出することが好ましい。
上記構成によれば、狭帯域キャリア周波数誤差検出回路に設けられた区間平均回路によって生成された区間平均信号に基づいてSNRを算出する。このため、区間平均信号に基づいて狭帯域キャリア周波数誤差の分散を求めることができ、この狭帯域キャリア周波数誤差の分散に基づいてSNRを推定することができる。
本発明に係るOFDM復調装置では、前記狭帯域キャリア周波数誤差検出回路は、前記ベースバンド信号の複素相関を計算して複素相関信号を生成する複素相関回路と、前記複素相関信号に基づいて区間平均信号を生成する区間平均回路と、前記区間平均信号に基づいて位相シフト量を生成する位相シフト量回路とを含み、前記SNR算出回路は、前記位相シフト量回路によって生成された位相シフト量に基づいて前記SNRを算出することが好ましい。
上記構成によれば、狭帯域キャリア周波数誤差検出回路に設けられた位相シフト量回路によって生成された位相シフト量に基づいてSNRを算出する。このため、位相シフト量に基づいて狭帯域キャリア周波数誤差の分散を求めることができ、この狭帯域キャリア周波数誤差の分散に基づいてSNRを推定することができる。
本発明に係るOFDM復調装置では、前記狭帯域キャリア周波数誤差検出回路は、前記ベースバンド信号の複素相関を計算して複素相関信号を生成する複素相関回路と、前記複素相関信号に基づいて区間平均信号を生成する区間平均回路と、前記区間平均信号に基づいて位相シフト量を生成する位相シフト量回路と、前記位相シフト量をシンボル単位で積分する積分回路とを含み、前記SNR算出回路は、前記積分回路によって積分された積分値に基づいて前記SNRを算出することが好ましい。
上記構成によれば、狭帯域キャリア周波数誤差検出回路に設けられた積分回路によって積分された積分値に基づいてSNRを算出する。このため、積分値に基づいて狭帯域キャリア周波数誤差の分散を求めることができ、この狭帯域キャリア周波数誤差の分散に基づいてSNRを推定することができる。
本発明に係るOFDM復調装置では、前記狭帯域キャリア周波数誤差検出回路は、前記ベースバンド信号の複素相関を計算して複素相関信号を生成する複素相関回路と、前記複素相関信号に基づいて区間平均信号を生成する区間平均回路と、前記区間平均信号に基づいて位相シフト量を生成する位相シフト量回路と、前記位相シフト量をシンボル単位で積分する積分回路と、前記積分回路による積分値をサンプリング単位で積分するサンプリング単位積分回路とを含み、前記SNR算出回路は、前記サンプリング単位積分回路によって積分された積分値に基づいて前記SNRを算出することが好ましい。
上記構成によれば、狭帯域キャリア周波数誤差検出回路に設けられたサンプリング単位積分回路によって積分された積分値に基づいてSNRを算出する。このため、サンプリング単位積分回路によって積分された積分値に基づいて狭帯域キャリア周波数誤差の分散を求めることができ、この狭帯域キャリア周波数誤差の分散に基づいてSNRを推定することができる。
本発明に係るOFDM復調方法は、上記課題を解決するために、アンテナにより受信されてチューナにより高周波信号から周波数変換された中間周波数信号を直交復調してベースバンド信号を生成し、前記ベースバンド信号の狭帯域キャリア周波数誤差を補正し、前記狭帯域キャリア周波数誤差を補正したベースバンド信号に対してFFT演算を行う前に、前記狭帯域キャリア周波数誤差を補正したベースバンド信号に基づいてSNRを算出することを特徴とする。
上記特徴によれば、FFT演算を行う前のベースバンド信号に基づいてSNRを算出するので、FFT演算による遅延なく受信信号の状態を把握することができる。この結果、高い応答性によりタイムラグ無しで受信信号の状態を把握することができるOFDM復調方法を提供できる。
本発明に係るプログラムは、上記課題を解決するために、コンピュータに、アンテナにより受信されてチューナにより高周波信号から周波数変換された中間周波数信号を直交復調してベースバンド信号を生成する手順と、前記ベースバンド信号の狭帯域キャリア周波数誤差を補正する手順と、前記狭帯域キャリア周波数誤差を補正したベースバンド信号に対してFFT演算を行う前に、前記狭帯域キャリア周波数誤差を補正したベースバンド信号に基づいてSNRを算出する手順とを実行させることを特徴とする。
本発明に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記課題を解決するために、コンピュータに、アンテナにより受信されてチューナにより高周波信号から周波数変換された中間周波数信号を直交復調してベースバンド信号を生成する手順と、前記ベースバンド信号の狭帯域キャリア周波数誤差を補正する手順と、前記狭帯域キャリア周波数誤差を補正したベースバンド信号に対してFFT演算を行う前に、前記狭帯域キャリア周波数誤差を補正したベースバンド信号に基づいてSNRを算出する手順とを実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とする。
本発明に係るOFDM復調装置は、以上のように、前記狭帯域キャリア周波数誤差補正回路によって狭帯域キャリア周波数誤差を補正されたベースバンド信号に基づいてSNRを算出するSNR算出回路を備えているので、高い応答性によりタイムラグ無しで受信信号の状態を把握することができるOFDM復調装置を提供できるという効果を奏する。
本発明に係るOFDM復調方法は、以上のように、前記狭帯域キャリア周波数誤差を補正したベースバンド信号に対してFFT演算を行う前に、前記狭帯域キャリア周波数誤差を補正したベースバンド信号に基づいてSNRを算出するので、高い応答性によりタイムラグ無しで受信信号の状態を把握することができるOFDM復調方法を提供できるという効果を奏する。
本発明の一実施形態について図1ないし図9に基づいて説明すると以下の通りである。
図1は、実施形態のOFDM復調装置1の構成を示すブロック図である。OFDM復調装置1は、図1に示すように、アンテナ13、チューナ14、バンドパスフィルタ(BPF)103、A/D変換回路104、DCキャンセル回路105、ベースバンド信号処理部2、誤り訂正処理部15、トランスポートストリーム生成回路119及びRS復号回路120を備えている。
ベースバンド信号処理部2は、デジタル直交復調回路3、狭帯域キャリア周波数誤差補正回路4、狭帯域キャリア周波数誤差検出回路7、FFT演算回路5、波形等化回路110及びSNR算出回路6を含んでいる。
誤り訂正処理部15は、周波数デインタリーブ回路111、時間デインタリーブ回路112、デマッピング回路113、ビットデインタリーブ回路114、デパンクチャ回路115、ビタビ回路116、バイトデインタリーブ回路117及び拡散信号除去回路118を含んでいる。
放送局から放送されたデジタル放送の放送波は、OFDM復調装置1のアンテナ13により受信され、RF信号としてチューナ14に供給される。チューナ14は、乗算器102aおよび局部発振器102bからなり、アンテナ13を通じて受信されたRF信号を、IF信号に周波数変換する。チューナ14は、周波数変換したIF信号をBPF103に供給する。
局部発振器102bから発振される受信キャリア信号の発振周波数は、チャンネル選択回路(図示せず)から供給されるチャンネル選択信号に応じて切り換えられる。チューナ14から出力されたIF信号は、BPF103によりフィルタリングされたあと、A/D変換回路104によりデジタル化される。デジタル化されたIF信号は、DCキャンセル回路105によりDC成分が除去され、デジタル直交復調回路3に供給される。
デジタル直交復調回路3は、所定の周波数(キャリア周波数)のキャリア信号を用いて、デジタル化されたIF信号を直交復調し、ベースバンドのOFDM信号を出力する。ベースバンドのOFDM信号は、直交復調された結果、実軸成分(Iチャネル信号)と、虚軸成分(Qチャネル信号)とから構成される複素信号となる。デジタル直交復調回路3からのIQDMD出力(AFC1出力、周波数補正前)ベースバンド信号Z0(m、n)は、狭帯域キャリア周波数誤差補正回路4に供給される。
このベースバンド信号Z0(m、n)は、
Z0(m、n)=I0(m、n)+jQ0(m、n)、
によって表される。
Z0(m、n)=I0(m、n)+jQ0(m、n)、
によって表される。
狭帯域キャリア周波数誤差補正回路4は、デジタル直交復調回路3から供給されたベースバンド信号Z0(m、n)の狭帯域キャリア周波数誤差を補正したAFC1出力(周波数補正後)ベースバンド信号Z1(m、n)を生成して、狭帯域キャリア周波数誤差検出回路7、SNR算出回路6及びFFT演算回路5に供給する。
このベースバンド信号Z1(m、n)は、
Z1(m、n)=I1(m、n)+jQ1(m、n)、
によって表される。
Z1(m、n)=I1(m、n)+jQ1(m、n)、
によって表される。
SNR算出回路6は、狭帯域キャリア周波数誤差補正回路4によって生成されたベースバンド信号Z1(m、n)に基づいてSNRを算出する。
図2は、OFDMシンボルのガードインターバル信号とコピー元信号との差を説明するための図である。ここで、SNR計測方法の説明の前に、OFDMシンボルについて説明する。OFDMシンボルは、送信時にIFFTが行われる信号期間に対応する有効シンボルと、この有効シンボルの後半の一部分の波形がそのままコピーされたガードインターバルとから構成されている。ガードインターバルは、OFDMシンボルの前半部分に設けられている。雑音やフェージングの無い理想条件下ではコピー元信号とガードインターバル信号とは完全に一致する。しかし、雑音が重畳されている場合は、雑音の影響でコピー元信号とガードインターバル信号とは一致しなくなる。
よって、ガードインターバル信号Z1(m、n−N)とコピー元信号Z1(m、n)との差であるδZ(m、n)を求める事により、雑音量を算出する。
ここで、図2に示すように、
δZ(m、n)=Z1(m、n−N)−Z1(m、n)、
ここで、
N:有効シンボル期間長におけるサンプリング点数、
例えば、512(mode2)、1024(mode3)、
である。
δZ(m、n)=Z1(m、n−N)−Z1(m、n)、
ここで、
N:有効シンボル期間長におけるサンプリング点数、
例えば、512(mode2)、1024(mode3)、
である。
また、基準サンプリングクロックFs=64/63MHzであり、基準サンプリングクロック周期Ts=1/Fsである。
狭帯域キャリア周波数誤差補正回路4によって狭帯域キャリア周波数誤差を補正されたベースバンド信号Z1(m、n)を用いて、SNRを算出すれば、この時点で狭帯域キャリア周波数誤差は補正されているので、コピー元信号とガードインターバル信号との差をとったδZ(m、n)は、コピー元信号の雑音成分とガードインターバル信号の雑音成分との和となり、δZ(m,n)/2を算出すればmシンボルのn点で重畳された雑音とmシンボルのn−N点で重畳された雑音との平均値を求める事ができる。
ここで、
m:シンボルのカウント、
n:サンプリング点数のカウント、n=0〜N+NGI−1、
NGI:ガードインターバル(GI)期間長におけるサンプリング点数、
NGI=N・g、
g:ガードインターバル(GI)期間長比、1/4、1/8、1/16、
である。
m:シンボルのカウント、
n:サンプリング点数のカウント、n=0〜N+NGI−1、
NGI:ガードインターバル(GI)期間長におけるサンプリング点数、
NGI=N・g、
g:ガードインターバル(GI)期間長比、1/4、1/8、1/16、
である。
次に、SNR算出方法について詳細に説明する。SNRは(式1)のように、信号電力の平均値Psと、雑音電力の平均値Pnとの比をデシベル換算した結果となる。
よって、信号電力の平均値Psと、雑音電力の平均値Pnとを求めれば、SNRも求まる。ここで、雑音電力の平均値Pnを算出する為に、まず(式2)で定義されるv1を算出する。
次に、信号電力の平均値Psを算出する為に、(式3)で定義されるv0を算出する。
以上の(式2)、(式3)を用いて下記の(式4)のようにSNRを算出する事ができる。
図3は、マルチパス環境における遅延波の雑音電力を説明するための図である。先行波は、ガードインターバルコピー元データ25aをコピーしたガードインターバルデータ24aを有しており、遅延波は、ガードインターバルコピー元データ25bをコピーしたガードインターバルデータ24bを有している。先行波のガードインターバルデータ24aは、時刻t1から開始され、遅延波のガードインターバルデータ24bは、時刻t2から開始され、遅延波は、先行波よりも時間t5(=t2−t1)だけ遅延している。先行波のガードインターバルコピー元データ25aは、時刻t3から開始され、遅延波のガードインターバルコピー元データ25bは、時刻t3から時間t5だけ遅れた時刻t4から開始される。
前述した(式1)〜(式3)に基づくSNRの算出の説明では、無雑音環境であるとすると、ガードインターバルデータ24aとガードインターバルコピー元データ25aとは完全に一致する事を前提にしている。
しかしながら、図3に示すような2波マルチパスの場合においては、遅延波が先行波に混入すると、無雑音環境においても、ガードインターバルデータ24a(Z1(m、n−N))と、ガードインターバルコピー元データ25a(Z1(m,n))とが完全に一致しない。これは、先行波に混入する遅延波の時刻t1から時刻t2までのデータ26が、ガードインターバルデータ24aではなく、まったく相関の無いデータであり、また混入する遅延波の時刻t3から時刻t4までのデータ27が、ガードインターバルコピー元データ25bではなく、まったく相関の無いデータであるからである。よって、前述した(式1)〜(式3)に基づいてSNRを算出すると、無雑音環境化でもデータ26・27に基づく雑音電力が検出されてしまう。よって、実際に重畳された雑音よりも大きい値のSNRを算出してしまう。
マルチパス環境では、以上の事情を考慮してSNRを算出する。ここで、マルチパスの状態を検出する方法は、特開2000−165338号公報、特開2001−251272号公報及び特開2003−92560号公報等で紹介されている。これらの方法を使えば、遅延プロファイルを算出する事ができる為、ここでは遅延プロファイルが既に分かっている事として説明する。
例として、図3に示すような2波マルチパス環境でのSNR算出について説明する。この時、遅延波の遅延時間はτ、DU比(先行波の強度÷遅延波の強度)はρ2とする。
この場合、雑音電力vm1は(式5)により示すことができ、信号電力vm2は、(式6)により示すことができる。
(式5)及び(式6)より、信号電力の平均値Psと雑音電力の平均値Pnとを求めると、(式7)及び(式8)のようになる。
(式7)及び(式8)を(式1)に代入し、SNRを算出する。この様に、遅延プロファイル(遅延時間τ、DU比ρ2)があれば、マルチパス環境下でも正しくSNRを算出する事ができる。
図4は、狭帯域キャリア周波数誤差検出回路7の構成を説明するためのブロック図である。狭帯域キャリア周波数誤差検出回路7は、AFC1出力のベースバンド信号Z1(m、n)に基づいてシンボルmの複素相関を計算して複素相関信号c(m、n)を生成する複素相関回路8を含んでいる。図5は、複素相関回路8の構成を示すブロック図である。図6は、複素相関回路8が計算する複素相関を説明するための図である。複素相関信号c(m、n)は、下記の(式9)によって表される。
複素相関回路8は、互いに並列に配置された一対の遅延用FIFO16a・16bを有している。複素相関回路8には、複素乗算器17が設けられている。複素乗算器17は、互いに並列に配置された4個の乗算器18a・18b・18c・18dと、互いに並列に配置された2個の加算器19a・19bとを有している。
狭帯域キャリア周波数誤差補正回路4によって生成されたベースバンド信号Z1(m、n)のI成分は、遅延用FIFO16aと、乗算器18a・18cに与えられ、ベースバンド信号Z1(m、n)のQ成分は、遅延用FIFO16bと、乗算器18b・18dに与えられる。遅延用FIFO16aは、ベースバンド信号Z1(m、n)のI成分を遅延させて乗算器18a・18bに供給する。遅延用FIFO16bは、ベースバンド信号Z1(m、n)のQ成分を遅延させて乗算器18c・18dに供給する。加算器19aは、乗算器18aからの出力と乗算器18dからの出力とを加算した自己相関信号を出力する。加算器19bは、乗算器18bからの出力と乗算器18cからの出力とを加算した相互相関信号を出力する。
狭帯域キャリア周波数誤差検出回路7には、区間平均回路9が設けられている。図7は、区間平均回路9の構成を示すブロック図である。区間平均回路9は、複素相関信号c(m、n)に基づいてシンボルmにおける区間平均を計算し、区間平均信号d(m)を生成する。区間平均信号d(m)は、複素相関c(m、n)の区間平均であり、下記の(式10)によって表される。
区間平均回路9は、FIFO20と、加減算器21と、演算器22と、除算ビットシフト器23とを有している。複素相関信号c(m、n)は、FIFO20と加減算器21とに供給され、加減算器21は、複素相関信号c(m、n)から、FIFO20によって遅延した複素相関信号c(m、n)を減算して演算器22に供給する。演算器22からの出力は、加減算器21に加算されるとともに、除算ビットシフト器23に供給され、除算ビット処理されて出力される。
狭帯域キャリア周波数誤差検出回路7は、位相シフト量回路10を含んでいる。位相シフト量回路10は、区間平均信号d(m)に基づいて有効シンボル期間長N当たりの位相シフト量δθ(m)を生成する。図6に示すように、位相シフト量δθ(m)は、シンボルmにおける有効シンボル期間長N当たりのAFC1出力Z1の位相回転量である。これは、Nサンプル(=有効シンボル期間長)当たりの位相回転量なので、角周波数をサンプリング角周波数で規格化した「規格化角周波数」に相当すると考えてもよい。この位相シフト量δθ(m)は、下記の(式11)によって表される。
位相シフト量回路10の具体的な実装方法の一例として、非特許文献3に記載のCORDIC法があげられる。CORDICは、三角関数関係の処理を行う回路である。
狭帯域キャリア周波数誤差検出回路7には、シンボル単位積分回路11が設けられている。シンボル単位積分回路11は、位相シフト量δθ(m)を0〜mで積分してシンボルm+1のシンボル単位積分値γ(m)を生成する。シンボル単位積分値γ(m)は、シンボルmで補正すべき有効シンボル期間長N当たりの位相回転量(フィードバック値)である。AFC1でγ(m)を補正したAFC1出力Z1(m,n)から検出した位相回転量が、δθ(m)である。つまり、δθ(m)は、γ(m)を基準とした時のシンボルmで検出した更なる位相回転である。したがって、シンボルmで補正すべきγ(m)は下記の(式12)によって表される。
狭帯域キャリア周波数誤差検出回路7は、サンプリング単位積分回路12を含んでいる。図8は、サンプリング単位積分回路12により生成される位相補正量を説明するための図である。サンプリング単位積分回路12は、シンボル単位積分値γ(m)に基づいて、IQDMD出力Z0(m+1、n)を補正する為のAFC1位相補正量であるサンプリング単位積分値φ(m、n)を計算する。サンプリング単位積分値φ(m+1、n)は、下記の(式13)によって表される。
サンプリング単位積分値φ(m、n)は、シンボルmのサンプリング点nにおいてAFC1位相回転回路で補正するAFC1位相補正量である。AFC1では、IQDMD出力Z0(m、n)をサンプリング点毎に補正するので、この変数を定義した。
φ(m+1、0)=φ(m、0)+γ(m)(N+NGI)/N=φ(m、N+NGI)、
φ(m+1、n)=φ(m+1、0)+γ(m+1)×n/N (n=1〜N+NGI)、
である。
φ(m+1、n)=φ(m+1、0)+γ(m+1)×n/N (n=1〜N+NGI)、
である。
狭帯域キャリア周波数誤差補正回路4は、サンプリング単位積分値φ(m、n)に基づいて、IQDMD出力信号Z0(m、n)をAFC1位相補正量−φ(m−1、n)だけ位相回転してAFC1出力Z1(m、n)とする。AFC1出力Z1(m、n)は、下記の(式14)によって表される。
図9は、狭帯域キャリア周波数誤差検出回路7の他の構成を説明するためのブロック図である。前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。従って、これらの構成要素の詳細な説明は省略する。SNR算出回路6は、狭帯域キャリア周波数誤差検出回路7内の各中間信号のいずれかから、SNRを推定する。即ち、SNR算出回路6は、複素相関回路8によって生成された複素相関信号c(m、n)と、区間平均回路9によって生成された区間平均信号d(m)と、位相シフト量回路10によって生成された位相シフト量δθ(m)と、シンボル単位積分回路11によって積分されたシンボル単位積分値γ(m)と、サンプリング単位積分回路12によって積分されたサンプリング単位積分値φ(m、n)との少なくとも1つに基づいてSNRを算出する。
前述したように、ガードインターバル信号とそのコピー元信号とは、雑音、フェージングの無い条件下においては、完全に一致する。ただし、このような条件であっても、入力ベースバンド信号には狭帯域キャリア周波数誤差を含むので、狭帯域キャリア周波数誤差検出部回路7では、ある一定の狭帯域キャリア周波数誤差を常に検出する。
このように、入力ベースバンド信号に雑音が重畳されていない場合では、狭帯域キャリア周波数誤差回路7は、揺らぐ事なく一定値の狭帯域キャリア周波数誤差を検出し続ける。しかし、入力ベースバンド信号に雑音が重畳された場合には、検出した狭帯域キャリア周波数誤差は揺らぐ事となる。
この狭帯域キャリア周波数誤差の揺らぎはSNRが小さくなる程大きくなる。その為、狭帯域キャリア周波数誤差の分散(揺らぎ)を求め、そこからSNRを推定する事が可能となる。この推定に用いるデータは、狭帯域キャリア周波数誤差だけでなく、狭帯域キャリア周波数誤差回路7の途中で生成される中間信号に基づくデータでもよい。これは、途中で生成される中間信号も、狭帯域キャリア周波数誤差と同様にSNRの影響で分散が変わるからである。分散とSNRとの間の関係式に明確なものはない。よって、分散とSNRとの間の関係式はモデルシミュレーションや、ASIC等の回路化したもので評価した結果から逆算する。つまり、伝播路のSNRが分かる状態において分散値の評価を行い、その結果に基づいて、分散値から伝播路のSNRを算出する関係式を求める。
以上のように、FFT演算回路5によって演算処理される前の信号に基づいて、SNRを求める事により、応答性を上げ、タイムラグ無しで信号の状態を把握する事ができる。SNRは、復調過程において生じた誤差量を含んでいないが、伝送路において重畳された雑音量を比で表している。これに対して、MERは、伝送路における雑音と復調時における雑音との和を比で表す。MERのみならずSNRからも伝送路状況が読み取れる事から、SNRを算出することには有効性がある。
本実施の形態では、地上デジタル放送を受信するためのOFDM復調装置の例を説明したが、本発明はこれに限定されない。OFDM方式に従って信号を受信する装置であればよく、例えば、無線LANのための復調装置、BSデジタル放送、CSデジタル放送を受信するための復調装置、ケーブルテレビの復調装置に対しても本発明を適用することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、上記実施形態のOFDM復調装置の各部や各処理ステップは、CPUなどの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行し、インターフェース回路などの通信手段を制御することにより実現することができる。したがって、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、本実施形態のOFDM復調装置の各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
また、上記プログラムメディアとしては、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD/MO/MD/DVD等のディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する記録媒体等がある。
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
本発明は、デジタル伝送方式にて、映像信号や音声信号を効率よく伝送できるOFDM復調装置、OFDM復調方法、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に適用することができる。また、OFDM方式に従って信号を受信する装置、例えば、無線LANのための復調装置、BSデジタル放送、CSデジタル放送を受信するための復調装置、ケーブルテレビの復調装置に対しても本発明を適用することができる。
1 OFDM復調装置
2 ベースバンド信号処理部
3 デジタル直交復調回路
4 狭帯域キャリア周波数誤差補正回路
5 FFT演算回路
6 SNR算出回路
7 狭帯域キャリア周波数誤差検出回路
8 複素相関回路
9 区間平均回路
10 位相シフト量回路
11 シンボル単位積分回路(積分回路)
12 サンプリング単位積分回路
13 アンテナ
14 チューナ
2 ベースバンド信号処理部
3 デジタル直交復調回路
4 狭帯域キャリア周波数誤差補正回路
5 FFT演算回路
6 SNR算出回路
7 狭帯域キャリア周波数誤差検出回路
8 複素相関回路
9 区間平均回路
10 位相シフト量回路
11 シンボル単位積分回路(積分回路)
12 サンプリング単位積分回路
13 アンテナ
14 チューナ
Claims (9)
- アンテナにより受信されてチューナにより高周波信号から周波数変換された中間周波数信号を直交復調してベースバンド信号を生成するデジタル直交復調回路と、
前記ベースバンド信号の狭帯域キャリア周波数誤差を補正する狭帯域キャリア周波数誤差補正回路と、
前記狭帯域キャリア周波数誤差を補正されたベースバンド信号に対してFFT演算を行うFFT演算回路と、
前記狭帯域キャリア周波数誤差補正回路によって狭帯域キャリア周波数誤差を補正されたベースバンド信号に基づいてSNRを算出するSNR算出回路とを備えたことを特徴とするOFDM復調装置。 - 前記狭帯域キャリア周波数誤差を補正されたベースバンド信号から狭帯域キャリア周波数誤差を検出する狭帯域キャリア周波数誤差検出回路をさらに備え、
前記狭帯域キャリア周波数誤差検出回路は、前記ベースバンド信号の複素相関を計算して複素相関信号を生成する複素相関回路を含み、
前記SNR算出回路は、前記複素相関回路によって生成された複素相関信号に基づいて前記SNRを算出する請求項1記載のOFDM復調装置。 - 前記狭帯域キャリア周波数誤差検出回路は、前記ベースバンド信号の複素相関を計算して複素相関信号を生成する複素相関回路と、
前記複素相関信号に基づいて区間平均信号を生成する区間平均回路とを含み、
前記SNR算出回路は、前記区間平均回路によって生成された区間平均信号に基づいて前記SNRを算出する請求項1記載のOFDM復調装置。 - 前記狭帯域キャリア周波数誤差検出回路は、前記ベースバンド信号の複素相関を計算して複素相関信号を生成する複素相関回路と、
前記複素相関信号に基づいて区間平均信号を生成する区間平均回路と、
前記区間平均信号に基づいて位相シフト量を生成する位相シフト量回路とを含み、
前記SNR算出回路は、前記位相シフト量回路によって生成された位相シフト量に基づいて前記SNRを算出する請求項1記載のOFDM復調装置。 - 前記狭帯域キャリア周波数誤差検出回路は、前記ベースバンド信号の複素相関を計算して複素相関信号を生成する複素相関回路と、
前記複素相関信号に基づいて区間平均信号を生成する区間平均回路と、
前記区間平均信号に基づいて位相シフト量を生成する位相シフト量回路と、
前記位相シフト量をシンボル単位で積分する積分回路とを含み、
前記SNR算出回路は、前記積分回路によって積分された積分値に基づいて前記SNRを算出する請求項1記載のOFDM復調装置。 - 前記狭帯域キャリア周波数誤差検出回路は、前記ベースバンド信号の複素相関を計算して複素相関信号を生成する複素相関回路と、
前記複素相関信号に基づいて区間平均信号を生成する区間平均回路と、
前記区間平均信号に基づいて位相シフト量を生成する位相シフト量回路と、
前記位相シフト量をシンボル単位で積分する積分回路と、
前記積分回路による積分値をサンプリング単位で積分するサンプリング単位積分回路とを含み、
前記SNR算出回路は、前記サンプリング単位積分回路によって積分された積分値に基づいて前記SNRを算出する請求項1記載のOFDM復調装置。 - アンテナにより受信されてチューナにより高周波信号から周波数変換された中間周波数信号を直交復調してベースバンド信号を生成し、
前記ベースバンド信号の狭帯域キャリア周波数誤差を補正し、
前記狭帯域キャリア周波数誤差を補正したベースバンド信号に対してFFT演算を行う前に、前記狭帯域キャリア周波数誤差を補正したベースバンド信号に基づいてSNRを算出することを特徴とするOFDM復調方法。 - コンピュータに、アンテナにより受信されてチューナにより高周波信号から周波数変換された中間周波数信号を直交復調してベースバンド信号を生成する手順と、
前記ベースバンド信号の狭帯域キャリア周波数誤差を補正する手順と、
前記狭帯域キャリア周波数誤差を補正したベースバンド信号に対してFFT演算を行う前に、前記狭帯域キャリア周波数誤差を補正したベースバンド信号に基づいてSNRを算出する手順とを実行させることを特徴とするプログラム。 - コンピュータに、アンテナにより受信されてチューナにより高周波信号から周波数変換された中間周波数信号を直交復調してベースバンド信号を生成する手順と、
前記ベースバンド信号の狭帯域キャリア周波数誤差を補正する手順と、
前記狭帯域キャリア周波数誤差を補正したベースバンド信号に対してFFT演算を行う前に、前記狭帯域キャリア周波数誤差を補正したベースバンド信号に基づいてSNRを算出する手順とを実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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