JP2007201343A - 炭化珪素半導体素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ある程度の膜厚をもつ絶縁膜を成膜する場合であっても、SiO2/SiC界面
に残留するカーボンクラスターを効率的に除去または不活性化できる炭化珪素半導体素子の製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁膜を形成する工程において、O2および/またはH2Oを含有する酸化性ガスの雰囲気下で炭化珪素エピタキシャル膜が成膜された基板を熱処理することにより該基板の表面において熱酸化膜の膜厚を増加させた後、NO、N2OまたはNO2を含有するガスの雰囲気下で該基板を熱処理してSiO2/SiC界面にあるカーボンクラスターを
除去等する工程を、複数回繰り返すようにした。
【選択図】なし
に残留するカーボンクラスターを効率的に除去または不活性化できる炭化珪素半導体素子の製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁膜を形成する工程において、O2および/またはH2Oを含有する酸化性ガスの雰囲気下で炭化珪素エピタキシャル膜が成膜された基板を熱処理することにより該基板の表面において熱酸化膜の膜厚を増加させた後、NO、N2OまたはNO2を含有するガスの雰囲気下で該基板を熱処理してSiO2/SiC界面にあるカーボンクラスターを
除去等する工程を、複数回繰り返すようにした。
【選択図】なし
Description
本発明は、炭化珪素エピタキシャル膜が形成された基板を熱酸化することにより、該炭化珪素エピタキシャル膜の表面に二酸化珪素の絶縁膜を形成する工程を含む炭化珪素半導体素子の製造方法に関し、特に、熱酸化膜の形成時にSiO2/SiC界面に残留したカ
ーボンクラスターを除去または不活性化する技術の改良に関する。
ーボンクラスターを除去または不活性化する技術の改良に関する。
炭化珪素(SiC)は、シリコン(Si)に比べて、約10倍の絶縁破壊電界強度、約3倍の熱伝導率を有するとともに、比較的大きな電子移動度を持つことから、従来のSi系パワー半導体素子に比べて飛躍的な性能向上を実現可能とする半導体材料として期待されている。
最近では、直径3インチまでの4H−SiC、6H−SiC単結晶基板が市販されるようになり、Siの性能限界を大幅に超える各種スイッチング素子の報告が相次いでなされるなど、高性能SiC素子の開発が進められている。
炭化珪素は、Si原子を有しているためシリコンと同様な熱酸化プロセスによって絶縁膜(SiO2膜)を形成できる。この熱酸化プロセスを利用した素子として、MOSFE
T(金属/酸化物/半導体電界効果トランジスタ)などのゲート絶縁膜を有するスイッチング素子が期待されている。近年では、高純度のエピタキシャル成長膜が得られるようになり、多数のMOSデバイスの試作が報告されている。
T(金属/酸化物/半導体電界効果トランジスタ)などのゲート絶縁膜を有するスイッチング素子が期待されている。近年では、高純度のエピタキシャル成長膜が得られるようになり、多数のMOSデバイスの試作が報告されている。
しかし、熱酸化によってゲート絶縁膜を形成したSiC−MOSFETは、デバイス特性に大きな影響を与えるSiO2/SiC界面準位密度が大きい等のため、その特性は理
論的に予想される値に比べて劣っているのが現状である。CVD法によりSiO2膜を堆
積するなど、熱酸化以外の方法でゲート絶縁膜を形成する試みもあるが、熱酸化による方法が有望視されており、さらなる熱酸化膜の特性の向上が求められている。
論的に予想される値に比べて劣っているのが現状である。CVD法によりSiO2膜を堆
積するなど、熱酸化以外の方法でゲート絶縁膜を形成する試みもあるが、熱酸化による方法が有望視されており、さらなる熱酸化膜の特性の向上が求められている。
SiC−MOSFETをパワー半導体装置に用いる場合には、オン抵抗を低減することにより低損失とするために、SiO2/SiC界面における界面準位密度を下げてチャネ
ル抵抗を低くすることが課題とされている。
ル抵抗を低くすることが課題とされている。
SiO2/SiC界面における界面準位の要因として、当該界面に残留するカーボンの
影響が指摘されており、SiO2/SiC界面に炭素に関連した欠陥が形成されることが
報告されている(非特許文献1,2)。この残留カーボンは、カーボンクラスター(アモルファスカーボン)と呼ばれるSiO2/SiC界面特有の欠陥であり、熱酸化膜の形成
中に生成すると考えられ、デバイスの信頼性を下げる一因となっている。
影響が指摘されており、SiO2/SiC界面に炭素に関連した欠陥が形成されることが
報告されている(非特許文献1,2)。この残留カーボンは、カーボンクラスター(アモルファスカーボン)と呼ばれるSiO2/SiC界面特有の欠陥であり、熱酸化膜の形成
中に生成すると考えられ、デバイスの信頼性を下げる一因となっている。
酸素を含む酸化性ガス雰囲気において炭化珪素を1100℃程度の温度に加熱すると酸化が起こる。炭化珪素の酸化は、O原子の結合手がSi原子の結合手と結びつきC原子が酸化物として除去されることで進行する。しかし、C原子の一部はクラスターとしてSiO2/SiC界面に残留する。
このカーボンクラスターに起因した伝導体近傍の高い界面準位により、通常の熱酸化法でゲート絶縁膜を作製したSiC−MOSFETのチャネル移動度は、SiCバルクの電子移動度から予想される値よりも低くなる。そのため、オン抵抗値が物性値から理論的に予想される値よりも高くなる。
このようなカーボンクラスターに起因する界面準位を低減させる方法として、NOガスやN2Oガスの雰囲気における熱処理が提案されている(非特許文献3,4,5および特
許文献1,2)。これらの文献に記載された方法は、乾燥酸素や水蒸気雰囲気での熱酸化によって炭化珪素エピタキシャル膜の表面に熱酸化膜を形成した後、熱酸化によりSiO2/SiC界面に生成したカーボンクラスターを、NOガスやN2Oガスに含まれる窒素原子によって除去または電気的に不活性化するというものである。これらのガス雰囲気におけるアニーリングに関しては、温度、時間などについて適切な条件が調べられている。
特開2005-109396号公報
特開2005−116893号公報
アプライド フィジックス レターズ(Applied Phisics Letters)ボリューム77 No.14 2000年 2186頁〜2188頁
Phisyca Status Solidi (a) ボリューム162 1997年 321頁〜337頁
アプライド フィジックス レターズ(Applied Phisics Letters)ボリューム76 No.13 2000年 1713頁〜1715頁
IEEE エレクトロン デバイス レターズ(IEEE Electron Device Letters)ボリューム22 No.4 2001年 176頁〜178頁
アプライド フィジックス レターズ(Applied Phisics Letters)ボリューム70 No.15 1997年 2028頁〜2030頁
許文献1,2)。これらの文献に記載された方法は、乾燥酸素や水蒸気雰囲気での熱酸化によって炭化珪素エピタキシャル膜の表面に熱酸化膜を形成した後、熱酸化によりSiO2/SiC界面に生成したカーボンクラスターを、NOガスやN2Oガスに含まれる窒素原子によって除去または電気的に不活性化するというものである。これらのガス雰囲気におけるアニーリングに関しては、温度、時間などについて適切な条件が調べられている。
しかし、上記の文献における方法では、乾燥酸素や水蒸気雰囲気での熱酸化を前工程として一度に行い、これにより例えば厚さ20〜50nm程度の熱酸化膜を形成した後、最終工程としてNOガス等の雰囲気における熱処理を行っている。
デバイスの特性を向上させる目的で、熱酸化膜形成後に水素や不活性ガス等の各種ガス雰囲気下において炭化珪素基板を熱処理することも知られているが、この場合も同様に、熱酸化膜を前工程として一度に形成した後に、最終工程として当該熱処理を行っている。
しかしながら、このような従来の方法では、目的の絶縁膜として得るべき膜厚の熱酸化膜を、上記NOガス等による熱処理の前に予め形成するため、ある程度の膜厚をもつ絶縁膜を作製する必要がある場合には、SiO2/SiC界面に残留するカーボンクラスター
を十分な程度まで除去または不活性化するために上記NOガス等による熱処理を長時間要する場合がある。
を十分な程度まで除去または不活性化するために上記NOガス等による熱処理を長時間要する場合がある。
すなわち、熱酸化膜の膜厚がある程度厚くなると、その深部にあるカーボンクラスターの除去等の効率が低下し、熱酸化膜がさらに厚くなると、時間を掛けて熱処理してもカーボンクラスターの除去等が十分な程度まで達成できない場合がある。その要因としては、熱酸化膜が厚くなる程、熱酸化膜の表面から深部へのNOガス等の拡散が抑制されて、カーボンクラスターが残留するSiO2/SiC界面までガスが到達しにくくなることが考
えられる。
えられる。
本発明は、ある程度の膜厚をもつ絶縁膜を成膜する場合であっても、SiO2/SiC
界面に残留するカーボンクラスターを効率的に除去または不活性化できる炭化珪素半導体素子の製造方法を提供することを目的としている。
界面に残留するカーボンクラスターを効率的に除去または不活性化できる炭化珪素半導体素子の製造方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、絶縁膜として得るべき
膜厚をもつ熱酸化膜をNOガス等による熱処理前に一度に形成するのではなく、NOガス等による熱処理工程を間に入れながら熱酸化工程を複数回に分けて行い、これにより、段階的に熱酸化膜の膜厚を増やしてくことによって、SiO2/SiC界面にあるカーボン
クラスターのNOガス等による除去または不活性化を効率的に行えることを見出し本発明を完成するに至った。
膜厚をもつ熱酸化膜をNOガス等による熱処理前に一度に形成するのではなく、NOガス等による熱処理工程を間に入れながら熱酸化工程を複数回に分けて行い、これにより、段階的に熱酸化膜の膜厚を増やしてくことによって、SiO2/SiC界面にあるカーボン
クラスターのNOガス等による除去または不活性化を効率的に行えることを見出し本発明を完成するに至った。
本発明の炭化珪素半導体素子の製造方法は、炭化珪素エピタキシャル膜が形成された基板を熱酸化することにより、該炭化珪素エピタキシャル膜の表面に二酸化珪素の絶縁膜を形成する工程を含む炭化珪素半導体素子の製造方法であって、
前記絶縁膜を形成する工程において、O2および/またはH2Oを含有する酸化性ガスの雰囲気下で前記基板を熱処理することにより該基板の表面において熱酸化膜の膜厚を増加させた後、NO、N2OまたはNO2を含有するガスの雰囲気下で該基板を熱処理する工程を、複数回繰り返すことを特徴としている。
前記絶縁膜を形成する工程において、O2および/またはH2Oを含有する酸化性ガスの雰囲気下で前記基板を熱処理することにより該基板の表面において熱酸化膜の膜厚を増加させた後、NO、N2OまたはNO2を含有するガスの雰囲気下で該基板を熱処理する工程を、複数回繰り返すことを特徴としている。
上記の発明に係る炭化珪素半導体素子の製造方法は、ゲート絶縁膜、犠牲酸化膜、表面保護膜などの絶縁膜を形成する工程に適用できるが、ゲート絶縁膜の形成工程に好適である。
本発明によれば、ある程度の膜厚をもつ絶縁膜を成膜する場合であっても、SiO2/
SiC界面に残留するカーボンクラスターを効率的に除去または不活性化できる。
これにより、例えばオン抵抗などのデバイス特性が向上する。
SiC界面に残留するカーボンクラスターを効率的に除去または不活性化できる。
これにより、例えばオン抵抗などのデバイス特性が向上する。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明では、素子を形成する半導体基板として、炭化珪素エピタキシャル膜を表面から成長させた炭化珪素単結晶基板が好適に使用される。この他、シリコン基板等のような他の半導体単結晶基板の表面に炭化珪素エピタキシャル膜を形成した基板を用いてもよい。
炭化珪素単結晶基板としては、昇華法あるいはCVD法によって得られたバルク結晶をスライスしたものが使用できる。昇華法(改良レーリー法)による場合、例えば、坩堝に炭化珪素粉末を入れて、2200〜2400℃で加熱して気化し、種結晶の表面に典型的には0.8〜1mm/hの速度で堆積させてバルク成長させる。得られたインゴットを所定の厚さに、所望の結晶面が表出するようにスライスする。エピタキシャル膜へのベーサルプレーン転位の伝搬を抑制する等のために、切り出したウエハの表面を、研磨砥粒を用いた研磨処理、水素エッチング、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)などにより処理して鏡面状に平滑化することが好ましい。
この炭化珪素単結晶基板の表面から、炭化珪素単結晶エピタキシャル膜を成長させる。炭化珪素単結晶には結晶多形(ポリタイプ)が存在するが、例えば、4H−SiC(六方晶四回周期型)、6H−SiC(六方晶六回周期型)、2H−SiC(六方晶二回周期型)、15R−SiC(菱面十五回周期型)などが炭化珪素単結晶基板として用いられる。エピタキシャル成長を行う結晶面としては、例えば(0001)Si面、(000−1)C面、(11−20)面、(01−10)面、(03−38)面などが挙げられる。
(0001)Si面、(000−1)C面でエピタキシャル成長させる場合、[01−10]方向、[11−20]方向、あるいは[01−10]方向と[11−20]方向との中間方向のオフ方位に、例えば1〜12°のオフ角で傾斜させて切り出した基板を使用し、この結晶面からステップフロー成長技術により炭化珪素をエピタキシャル成長させる。
炭化珪素単結晶膜のエピタキシャル成長はCVD法を用いて行われる。Cの原料ガスとしてはプロパン等が用いられ、Siの原料ガスとしてはシラン等が用いられる。これらの原料ガスと、水素等のキャリアガスと、ドーパントガスとの混合ガスを炭化珪素単結晶基板の表面に供給する。ドーパントガスとしては、n型エピタキシャル膜を成長させる場合には窒素等が用いられ、p型エピタキシャル膜を成長させる場合にはトリメチルアルミニウム等が用いられる。
これらのガス雰囲気下、例えば1500〜1600℃、40〜80Torrの条件で、2〜20μm/hの成長速度で炭化珪素をエピタキシャル成長させる。これにより、炭化珪素単結晶基板と同一の結晶型の炭化珪素がステップフロー成長する。
エピタキシャル成長を行うための具体的な装置としては、縦型ホットウォール炉を用いることができる。縦型ホットウォール炉には、石英で形成された水冷2重円筒管が設置され、水冷2重円筒管の内部には、円筒状断熱材、グラファイトで形成されたホットウォール、および炭化珪素単結晶基板を縦方向に保持するための楔形サセプタが設置されている。水冷2重円筒管の外側周囲には、高周波加熱コイルが設置され、高周波加熱コイルによりホットウォールを高周波誘導加熱し、ホットウォールからの輻射熱により、楔形サセプタに保持された炭化珪素単結晶基板を加熱する。炭化珪素単結晶基板を加熱しながら水冷2重円筒管の下方より反応ガスを供給することによって、炭化珪素単結晶基板の表面に炭化珪素がエピタキシャル成長する。
このようにしてエピタキシャル膜を形成した炭化珪素単結晶基板を用いて、ドーパントのイオン注入およびアニール、絶縁膜の形成、電極形成など、素子に応じたプロセスを経て各種の半導体素子が作製される。
本発明が適用可能な絶縁膜としては、ゲート絶縁膜、表面保護膜(パッシベーション膜)、犠牲酸化膜などが挙げられる。このうち、ゲート絶縁膜を有する半導体素子の具体例としては、MOSFET、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)、MOS型サイリスタなどのMOS構造をもつ絶縁ゲート型半導体素子が挙げられる。絶縁ゲート型トランジスタの構造には、プレーナ型、バーティカル型、トレンチゲート型などがあるが、これらのいずれにも本発明を適用できる。
これらの中で、MOSFETの作製方法の一例を示すと次のとおりである。まず、前述したように、エピタキシャル成長法により、n型SiC単結晶基板上へn型SiCのドリフト層を形成する。
その後、ドリフト層中における所定間隔で離間した各部位に、レジストをマスクとしてアルミニウム、ボロン等のドーパントをイオン注入して、一対のp型ベース領域を形成する。さらに、これらのp型ベース領域中に、レジストをマスクとして窒素、リン等のドーパントをイオン注入して、n型のソース領域を形成する。これらのイオン注入後、ウェハを高温で熱処理することにより注入イオンが電気的に活性化される。
続いて、熱酸化によってウェハ全面にSiO2からなるゲート絶縁膜を成膜する。その
後、ゲート絶縁膜上にゲート電極を成膜およびパターニングする。ゲート電極は、一対のベース領域およびソース領域が両端部に位置し、ベース領域間に露出したドリフト層が中央に位置するような形状にパターニングされる。
後、ゲート絶縁膜上にゲート電極を成膜およびパターニングする。ゲート電極は、一対のベース領域およびソース領域が両端部に位置し、ベース領域間に露出したドリフト層が中央に位置するような形状にパターニングされる。
さらに、各ソース領域上にあるゲート絶縁膜の残余部分は、リソグラフィ技術およびエッチング技術によって除去し、ソース領域が表面に露出した部位にソース電極を成膜およ
びパターニングする。そして、基板の裏面側にドレイン電極を形成することによりMOSFETの素子構造が得られる。
びパターニングする。そして、基板の裏面側にドレイン電極を形成することによりMOSFETの素子構造が得られる。
本発明の絶縁膜形成工程が適用可能な上記表面保護膜は、外部環境からデバイスを隔離保護し、半導体素子の表面を機械的、化学的に保護するためのいわゆるパッシベーション膜であり、本発明の方法による表面保護膜の形成は、上述した絶縁ゲート型半導体素子以外にも、各種のユニポーラ型素子およびバイポーラ型素子に適用できる。
本発明の絶縁膜形成工程が適用可能な上記犠牲酸化膜は、該酸化膜の形成およびフッ酸等による除去によって、エピタキシャル膜表面のモフォロジーを改善する等の目的で形成するものである。この犠牲酸化膜形成工程において、従来の方法では、カーボンクラスターが表面の各部に残留し、続いて行う熱酸化による絶縁膜の成膜時においてこの残留カーボンが適切な酸化成長の障害となる場合がある。また、SiO2/SiC界面における界
面準位密度が増大する要因にもなり得る。しかし本発明の方法により犠牲酸化膜を成膜すれば、このような点を改善することができる。また、上述した絶縁ゲート型半導体素子以外にも、各種のユニポーラ型素子およびバイポーラ型素子に適用できる。
面準位密度が増大する要因にもなり得る。しかし本発明の方法により犠牲酸化膜を成膜すれば、このような点を改善することができる。また、上述した絶縁ゲート型半導体素子以外にも、各種のユニポーラ型素子およびバイポーラ型素子に適用できる。
本発明の絶縁膜形成工程では、乾燥O2、水蒸気等の酸化性ガスの雰囲気下で、SiC
エピタキシャル膜が成膜された基板を熱処理することによりSiCエピタキシャル膜の表面において熱酸化膜の膜厚を増加させる熱酸化工程と、NO、N2OまたはNO2を含有するガスの雰囲気下で該基板を熱処理するカーボンクラスター低減工程のそれぞれが、交互に複数回繰り返される。
エピタキシャル膜が成膜された基板を熱処理することによりSiCエピタキシャル膜の表面において熱酸化膜の膜厚を増加させる熱酸化工程と、NO、N2OまたはNO2を含有するガスの雰囲気下で該基板を熱処理するカーボンクラスター低減工程のそれぞれが、交互に複数回繰り返される。
これにより、熱酸化膜の膜厚がある程度厚い場合であっても、段階的に膜厚を増加させる複数回の熱酸化膜形成工程を挟んで複数回のカーボンクラスター低減工程を行うようにしたので、SiO2/SiC界面にあるカーボンクラスターを効率良く除去または不活性
化することができる。
化することができる。
熱酸化工程とカーボンクラスター低減工程とは、同一の反応炉内においてガスを切り換えて供給しながら行ってもよく、熱酸化用の反応炉およびNOガス等の熱処理用の反応炉を用意して、各工程後に一旦降温して基板を炉内から取り出し別の炉内へ導入することにより行ってもよいが、同一炉内でガスを交互に切り換える方法が、工程を短縮できる点から好ましい。
上記各工程を行う反応炉としては、例えば、抵抗加熱、赤外線ランプによる加熱、高周波誘導加熱などによって、ガスが流される反応管内に配置された基板を加熱する、コールドウォール型の反応炉、ホットウォール型の反応炉など、従来から知られている構造のものが使用できる。
反応炉には、例えば、O2ガス、NOガス等の熱処理用ガス、不活性ガスなどのボンベ
が、マスフローコントローラ、マニホールドなどと共に反応管のガス入口側に接続され、マスフローコントローラによってガスの流量および混合比率を調節しながら工程に必要なガスが反応管に供給される。反応管のガス出口側には、真空排気系などが設置される。
が、マスフローコントローラ、マニホールドなどと共に反応管のガス入口側に接続され、マスフローコントローラによってガスの流量および混合比率を調節しながら工程に必要なガスが反応管に供給される。反応管のガス出口側には、真空排気系などが設置される。
以下、上記のような反応炉を用いた本発明における絶縁膜形成工程の例を説明する。なお、熱酸化膜を成膜すべき基板のSiC面は、RCA洗浄など、常法に従って予め洗浄処理をしておく。基板を炉内に導入し、熱酸化温度に到達した時点で、反応炉内をAr、N2等の不活性ガス雰囲気から、水蒸気を含んだ酸素雰囲気、乾燥酸素雰囲気等の酸化性ガ
ス雰囲気に切り換え、所定時間この状態を維持する。これにより、SiC面に所定の厚さだけ熱酸化膜を成膜させる。
ス雰囲気に切り換え、所定時間この状態を維持する。これにより、SiC面に所定の厚さだけ熱酸化膜を成膜させる。
熱酸化工程が終了した後、酸化性ガス雰囲気を、Ar、N2等の不活性ガス雰囲気に切
り換え、次工程であるカーボンクラスター低減工程における熱処理温度に到達するまで昇温または降温する。但し、当該熱処理温度が熱酸化温度と同じ場合には、不活性ガス雰囲気への切り換えを省略してもよい。
り換え、次工程であるカーボンクラスター低減工程における熱処理温度に到達するまで昇温または降温する。但し、当該熱処理温度が熱酸化温度と同じ場合には、不活性ガス雰囲気への切り換えを省略してもよい。
例えば、熱酸化工程とカーボンクラスター低減工程とを異なる反応炉で行う場合には、両反応炉間で基板の移動が可能な、例えば700℃以下の温度に一旦降温し、熱酸化工程用の反応炉から基板を取り出してカーボンクラスター低減工程用の反応炉内に導入する。
続いて、反応炉内が所定の温度に到達した時点で、ガス雰囲気をNOガス等の熱処理用ガスの雰囲気に切り換え、カーボンクラスター低減工程を開始する。これにより、SiO2/SiC界面にあるカーボンクラスターが除去または不活性化され、界面準位が減少す
る。なお、NOガス等の雰囲気下においてMOS界面が酸窒化されることにより、酸化膜厚が増加する場合もある。
る。なお、NOガス等の雰囲気下においてMOS界面が酸窒化されることにより、酸化膜厚が増加する場合もある。
カーボンクラスター低減工程が終了した後、温度を変更する場合には上記したように再度不活性ガス雰囲気に切り換えて昇温または降温を行い、温度が安定した時点で上述した酸化性ガスの雰囲気に切り換えて、熱酸化工程を再び行う。熱酸化用に別の反応炉を使用する場合には、上述した場合と同様に降温後炉内から基板を取り出し熱酸化用の反応炉に導入してから熱酸化工程を再び行う。これにより、熱酸化膜の膜厚をさらに所定の厚さだけ増加させる。
続いて、上述した方法によって、再びカーボンクラスター低減工程を行う。このようにして、熱酸化工程とカーボンクラスター低減工程とのそれぞれを交互に複数回行い、これによって、最終的な膜厚となるまでの薄い膜厚である間に、NOガス等による熱処理を複数回行ってカーボンクラスターを除去または不活性化し、最終的には目的とする膜厚の絶縁膜を得る。
熱酸化工程における熱酸化は、乾燥O2を用いたドライ雰囲気で行ってもよく、ウェッ
ト雰囲気で行ってもよい。一般に、ウェット酸化には、加熱した脱イオン水を酸素または不活性ガスでバブリングして蒸気H2Oをウェハまで流す方法と、H2とO2とを反応させ
ることによりH2Oを発生させて行う方法とがあるが、いずれの方法であってもよい。
ト雰囲気で行ってもよい。一般に、ウェット酸化には、加熱した脱イオン水を酸素または不活性ガスでバブリングして蒸気H2Oをウェハまで流す方法と、H2とO2とを反応させ
ることによりH2Oを発生させて行う方法とがあるが、いずれの方法であってもよい。
熱酸化時における基板の加熱温度は、所望の酸化膜厚その他の条件に応じて適宜に設定されるが、例えば900℃〜1200℃の範囲内である。一般に、酸化膜成長速度などによって熱酸化膜の膜質が変化するが、酸化膜成長速度は酸化温度以外に、酸化雰囲気、供給酸素量等にも依存するので条件を適切に設定する必要がある。
カーボンクラスター低減工程は、必要に応じてAr等の不活性ガスにより希釈したNO、N2OまたはNO2雰囲気において、適切な温度での加熱下で行う。熱処理時における基板の加熱温度は、酸化膜厚、雰囲気ガスの種類、供給量等に応じて適宜に設定されるが、例えば900℃〜1200℃の範囲内である。1回の工程における熱処理時間は、条件によるが例えば1〜5時間程度である。
本発明では、以上の熱酸化工程およびカーボンクラスター低減工程が、交互に少なくとも2回以上繰り返される。例えば、ゲート絶縁膜として20nm〜50nmの膜厚のものを得る場合、数回の熱酸化工程を行うことにより、2nm〜10nmごとに熱酸化膜の厚さを増加させ、その間の工程としてNOガス等による熱処理を行うことができる。絶縁膜が表面保護膜、犠牲酸化膜等である場合にも同様である。
また、段階的に行われる各熱酸化工程における条件をそれぞれ調節して膜厚の増加量を変更し、あるいは、各カーボンクラスター低減工程において、熱酸化膜厚等に応じて熱処理条件を変更してもよい。
熱酸化工程およびカーボンクラスター低減工程の繰り返し数は、例えばCV特性の測定等から得られた界面準位密度、固定電荷などを考慮して、従来の一度に熱酸化膜を形成した後にNOガス等によって熱処理する方法と比較した有効性、工程に要する時間等を判断して適宜に設定すればよい。しかし、同一炉内においてガスを切り換えながら熱酸化工程およびカーボンクラスター低減工程を繰り返す前述した方法によれば、当該工程の繰り返しによる時間的な増加は少ない。
Claims (2)
- 炭化珪素エピタキシャル膜が形成された基板を熱酸化することにより、該炭化珪素エピタキシャル膜の表面に二酸化珪素の絶縁膜を形成する工程を含む炭化珪素半導体素子の製造方法であって、
前記絶縁膜を形成する工程において、O2および/またはH2Oを含有する酸化性ガスの雰囲気下で前記基板を熱処理することにより前記炭化珪素エピタキシャル膜の表面において熱酸化膜の膜厚を増加させた後、NO、N2OまたはNO2を含有するガスの雰囲気下で該基板を熱処理する工程を、複数回繰り返すことを特徴とする炭化珪素半導体素子の製造方法。 - 前記絶縁膜は、ゲート絶縁膜であることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体素子の製造方法。
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Cited By (6)
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