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JP2007285368A - スプリングクラッチ - Google Patents

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JP2007285368A
JP2007285368A JP2006111715A JP2006111715A JP2007285368A JP 2007285368 A JP2007285368 A JP 2007285368A JP 2006111715 A JP2006111715 A JP 2006111715A JP 2006111715 A JP2006111715 A JP 2006111715A JP 2007285368 A JP2007285368 A JP 2007285368A
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spring
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clutch spring
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Takahide Saito
隆英 齋藤
Masafumi Nakakoji
雅文 中小路
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NTN Corp
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

【課題】クラッチばねが疲労によって折損するのを防止することができるようにした耐久性に優れたスプリングクラッチを提供することである。
【解決手段】プーリ1とその内側に組込まれたプーリハブ2との間に断面が角形の線材からなる円筒形のクラッチばね17を組込み、そのクラッチばね17の一端のコイル部端末をプーリハブ2に係止する。プーリ1の内周にクラッチ面16を形成し、そのクラッチ面16のクラッチばね17の係止側端部と対向する端部に大径孔部16aを形成する。プーリ1の一方向への回転時にクラッチばね17を拡径し、その拡径時、クラッチばね17の係止側端部を大径孔部16aで拡径させるようにして、クラッチで発生する急激なトルクを緩和し、クラッチの耐久性を向上する。
【選択図】図1

Description

この発明は、入力部材と出力部材間に組込まれたクラッチばねによって入力部材の一方向の回転を出力部材に伝達すると共に、出力部材の回転速度が入力部材の回転速度を上回った場合に入力部材から出力部材への回転伝達を遮断するスプリングクラッチに関するものである。
一般に、エンジンのクランク軸の回転をベルト伝動装置によってエンジン補機の回転軸に伝えるようにした補機駆動装置においては、エンジンを急減速した場合、エンジン補機の回転軸に取付けられたプーリも同様に急減速しようとする。このとき、エンジン補機がオルタネータの場合、そのオルタネータの回転軸は慣性力が大きいため、エンジンが急減速されても回転軸は急減速されることはなく、その回転軸上に取付けられたプーリは一定の速度で回り続けようとする。
この場合、クランク軸上のプーリとオルタネータの回転軸上のプーリ間に大きな回転速度差が生じ、ベルトの張力が増大して破損し易くなる。
また、クランク軸は1回転中において角速度が変化しており、その角速度変動に起因してプーリとベルトの間で滑りを生じ、その滑りによってベルトが摩耗し、耐久性が低下することになる。
特許文献1には、そのような不都合を解消することができるようにしたクラッチプーリ装置が提案されている。
上記特許文献1に記載されたクラッチプーリ装置においては、プーリとその内側に組込まれたプーリハブとの間に断面が角形の線材からなるクラッチばねを組込み、そのクラッチばねの外周をプーリの内周に形成された円筒形のクラッチ面に弾性接触し、クラッチばねの一端のコイル部端末をプーリハブに係止し、上記プーリの一方向への回転時にクラッチばねを拡径させてクラッチ面に対する係合力を強め、そのクラッチばねを介してプーリの回転をプーリハブに伝達するようにしている。
また、プーリハブの回転速度がプーリの回転速度を上回った場合に、クラッチばねを縮径させ、プーリのクラッチ面とクラッチばねの接触部で滑りを生じさせてプーリをフリー回転させるようにしている。
特開2003−322174号公報
ところで、上記特許文献1に記載されたクラッチプーリ装置においては、プーリハブの端部に形成されたうず巻き溝内にクラッチばねの一方の端末部を挿入して係止する構造であるため、うず巻き溝の入口部より外側においてコイル部の外周とプーリの内周に形成されたクラッチ面間に隙間が形成される。
このため、トルク伝達時のクラッチばねの変形モードは、クラッチばねの前記うず巻き溝の入口部と対応する位置に折れ曲がり部が形成されることになり、その折れ曲がり部にトルク入力時の応力が集中することになる。
したがって、伝達トルクが繰り返し負荷された場合に、上記折れ曲がり部が疲労によって折損するおそれがあり、耐久性を向上させるうえにおいて改善すべき点が残されていた。
この発明の課題は、クラッチばねが疲労によって折損するのを防止することができるようにした耐久性に優れたスプリングクラッチを提供することである。
上記の課題を解決するため、第1の発明においては、円筒形のクラッチ面を内周に有する入力部材と、その入力部材の内側に組込まれて相対的に回転自在に支持された出力部材と、前記入力部材と出力部材間に組込まれて一方の端末部が出力部材に係止された円筒形のクラッチばねとから成り、前記入力部材の一方向の回転時にクラッチ面との接触によりクラッチばねを拡径させて入力部材から出力部材へ回転トルクを伝達するようにしたスプリングクラッチにおいて、前記クラッチ面に前記クラッチばねの拡径を許容して圧接係合されることのない大径孔部を少なくとも1つ以上形成した構成を採用したのである。
ここで、大径孔部をクラッチばねの係止側端部と対向する位置にのみ形成すると、クラッチ面内に対するクラッチばねの組込み時に、そのクラッチばねに引っかかりを生じさせることなくスムーズに組込むことができ、クラッチばねの組込みの容易化を図ることができる。
また、第2の発明においては、円筒形のクラッチ面を内周に有する入力部材と、その入力部材の内側に組込まれて相対的に回転自在に支持された出力部材と、前記入力部材と出力部材間に組込まれて一方の端末部が出力部材に係止された円筒形のクラッチばねとから成り、前記入力部材の一方向の回転時にクラッチ面との接触によりクラッチばねを拡径させて入力部材から出力部材へ回転トルクを伝達するようにしたスプリングクラッチにおいて、前記クラッチばねに、その拡径状態で前記クラッチ面に圧接係合されることのない小径のコイル部を少なくとも1つ以上形成した構成を採用したのである。
上記第2の発明において、小径のコイル部をクラッチばねの係止側端部にのみ形成すると、クラッチ面内に対するクラッチばねの組込み時に、第1の発明と同様に、そのクラッチばねに引っかかりを生じさせることなくスムーズに組込むことができ、クラッチばねの組込みの容易化を図ることができる。
第1の発明のように、クラッチ面に大径孔部を少なくとも1つ以上形成すると、
入力部材が出力部材に対して一方向に相対回転してクラッチばねが拡径するクラッチの係合時、クラッチばねの上記大径孔部と対向するコイル部は拡径するのみであってクラッチ面に圧接しないため、クラッチで発生する急激なトルク入力が緩和されることになり、その結果、クラッチの耐久性を向上させることができる。
また、第2の発明のように、クラッチばねに小径のコイル部を少なくとも1つ以上形成することによって、入力部材が出力部材に対して一方向に相対回転してクラッチばねが拡径するクラッチの係合時、クラッチばねの小径のコイル部は拡径するのみであってクラッチ面に圧接しないため、第1の発明と同様に、クラッチで発生する急激なトルク入力が緩和されることになり、クラッチの耐久性を向上させることができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、入力部材としてのプーリ1の内側には出力部材としてのプーリハブ2が組込まれている。
プーリハブ2は、金属から成る出力軸2aと、その外側に設けられたスリーブ2bとから成る。この出力軸2aは両端に小径部3、4を有し、一端の小径部3の外周とプーリ1の一端部内周間にプーリ1とプーリハブ2を相対的に回転自在に支持する位置決め手段としての片シール軸受5が組込まれている。
また、他端の小径部4の外周にはプーリ1の他端部内周に取付けられたシール部材6の内径部が弾性接触している。
スリーブ2bは合成樹脂の成形品から成る。このスリーブ2bは出力軸2aの外周に圧入され、シール部材6側の端部内周には環状突出部7が形成されている。環状突出部7は出力軸2aの他端部外周に形成された肩部8と出力軸2aの小径部4の外周に取付けた止め輪9とによって軸方向に非可動とされている。
また、スリーブ2bの両端部外周には一対の鍔10、11が形成され、その一対の鍔10、11間がグリース溜りとされている。一対の鍔10、11は外径が相違し、シール部材6側の大径鍔10の外径はプーリ1の内径より少し小径とされ、その大径鍔10の外径面はプーリ1と出力軸2aとを相対的に回転自在に支持するラジアル軸受面12とされている。
片シール軸受5側の小径鍔11は大径鍔10より幅広とされている。図2に示すように、小径鍔11には片シール軸受5と対向する側面に一対の嵌合凹部13が180°の間隔をおいて形成されている。一方、出力軸2aの片シール軸受5側の端部外周には各嵌合凹部13に嵌合される一対の突出部14a、14bが180°の間隔をおいて設けられ、その突出部14a、14bと嵌合凹部13の嵌合によってスリーブ2bは出力軸2aに回り止めされている。
一対の突出部14a、14bは長さが相違し、長さの長い突出部14aの先端部は小径鍔11の外径面より外方に位置してその外周がプーリ1の内周に近接している。
また、小径鍔11の外径面には長さの長い突出部14aが嵌合された嵌合凹部13から周方向に延びる切欠部15が設けられている。
図1に示すように、プーリ1の内周には、片シール軸受5とシール部材6間に円筒形のクラッチ面16が形成され、そのクラッチ面16の内側に円筒形のクラッチばね17が設けられている。
クラッチばね17は断面が角形の線材から成り、そのクラッチばね17は自然状態でクラッチ面16の小径端側の内径より大径とされ、縮径された状態でプーリ1内に組込まれてシール部材6側の端部外周面がクラッチ面16と弾性接触している。
図1乃至図3に示すように、クラッチばね17の片シール軸受5側のコイル部17aにおける端末部にはトルク伝達用突部19が係止され、そのトルク伝達用突部19がスリーブ2bの外径面に形成された切欠部15内に嵌合されている。その切欠部15内に対するトルク伝達用突部19の嵌合によって、クラッチばね17は、片シール軸受5側の一端部がプーリハブ2に対する係止端とされ、他端がフリー側の端部とされ、そのフリー側の端部外周が円筒形クラッチ面16に弾性接触している。
突出部14aのトルク伝達用突部19の先端面と対向する側面はテーパ面20とされ、一方、トルク伝達用突部19の突出部14aと対向する先端面も上記テーパ面20に適合するテーパ面21とされている。
ここで、クラッチばね17の端末部とトルク伝達用突部19の係止に際し、図3に示すように、トルク伝達用突部19の上面にL形の係合凹部22を形成し、一方、クラッチばね17の端末にL形の係合片23を設け、その係合片23を係合凹部22に係合させるようにしている。
図1に示すように、クラッチ面16には、クラッチばね17の係止側の端部と対向する位置に大径孔部16aが設けられている。
図1に示すように、片シール軸受5と出力軸2aの一端部外周に形成された肩部24間には位置決めリング25が設けられている。位置決めリング25の外周には位置決め片26が設けられ、その位置決め片26はトルク伝達用突部19の側面に当接しており、上記位置決め片26とスリーブ2bの大径鍔10とによってクラッチばね17は軸方向に位置決めされている。
上記の構成から成るスプリングクラッチにおいて、エンジン補機としてのオルタネータの駆動に際しては、そのオルタネータの回転軸にプーリハブ2を取付けて回り止めし、プーリ1とクランク軸上のプーリ間にかけ渡されたベルトを介してクランク軸の回転をプーリ1に伝達する。
上記のような使用状態において、クランク軸の回転がプーリ1に伝達され、そのプーリ1が図2の矢印で示す方向に回転すると、クラッチばね17がクラッチ面16との接触により拡径して、クラッチ面16に圧接係合する。
このとき、クラッチ面16には、クラッチばね17の係止端部と対向する位置に大径孔部16aが形成されているため、クラッチばね17の係止端部側のコイル部は拡径するのみであって大径孔部16aの内径面に圧接係合することはない。
また、クラッチばね17の拡径によって、クラッチばね17の一端のトルク伝達用突部19は突出部14aのテーパ面20に沿って半径方向外方にスムーズに摺動し、その摺動部から突出部14aに回転トルクが伝達され、プーリハブ2がプーリ1と同方向に回転する。なお、トルク伝達用突部19とクラッチばね17は軸方向および周方向には相対移動なきことは説明済みであるが、半径方向にも移動しない構造となっている。
このように、プーリ1からプーリハブ2への回転トルクの伝達時、クラッチばね17は係止端部側のコイル部が拡径するのみであって大径孔部16aの内径面に圧接係合することはないため、クラッチで発生する急激なトルク入力は緩和されることになり、クラッチの耐久性の向上を図ることができる。
図1では、クラッチ面16のクラッチばね17の係止端部と対向する位置にのみ大径孔部16aを設けるようにしたが、大径孔部16aの形成位置および数はこれに限定されるものではなく、複数の大径孔部16aを軸方向に間隔をおいて形成するようにしてもよい。
プーリ1からプーリハブ2への回転トルクの伝達状態において、プーリハブ2の回転速度がプーリ1の回転速度を上回ると、切欠部15とトルク伝達用突部19との係合により、クラッチばね17の一端のコイル部17aが引きずられ、コイル部17aは自己の復元弾性によりスリーブ2bの径方向内方に移動して図2に示すように、クラッチ面16から離れると共に、クラッチばね17が縮径し、そのクラッチばね17とクラッチ面16との接触部で滑りが生じてプーリ1がフリー回転し、プーリ1からプーリハブ2への回転伝達が遮断される。
このように、プーリハブ2の回転速度がプーリの回転速度を上回っても、切欠部15とトルク伝達用突部19の係合によって、そのトルク伝達用突部19は突出部14aから離れないため、プーリ1の回転速度がプーリハブ2の回転速度を上回ると、トルク伝達用突部19は突出部14aのテーパ面20を直ちに押圧することになり、プーリハブ2に対して回転トルクを素速く伝達することができる。
図4および図5は、この発明に係るスプリングクラッチの他の実施の形態を示す。この例においては、プーリ1の内周に形成したクラッチ面16を円筒形とし、一方、クラッチばね17には、プーリハブ2に対する係止側端部に数巻きの小径のコイル部17aを設けるようにしている。他の構成は図1に示すスプリングクラッチと同一であるため、同一部品には同一の符号を付して説明を省略する。
上記のように、クラッチばね17の係止側端部に小径のコイル部17aを形成することにより、クラッチばね17の拡径による回転トルクの伝達時、小径のコイル部17aは拡径するのみであってクラッチ面16に圧接係合することはない。このため、図1に示すスプリングクラッチと同様に、クラッチで発生する急激なトルク入力は緩和されることになり、クラッチの耐久性の向上を図ることができる。
図4では、クラッチばね17の係止側端部にのみ小径のコイル部17aを設けるようにしたが、小径コイル部17aの形成位置および数はこれに限定されるものではない。例えば、複数の小径コイル部17aを軸方向に間隔をおいて形成するようにしてもよい。
この発明に係るスプリングクラッチの実施の形態を示す縦断正面図 図1のII−II線に沿った断面図 クラッチばねとプーリハブの連結部を示す斜視図 この発明に係るスプリングクラッチの他の実施の形態を示す縦断正面図 図4のV−V線に沿った断面図
符号の説明
1 プーリ(入力部材)
2 プーリハブ(出力部材)
16 クラッチ面
16a 大径孔部
17 クラッチばね
17a 小径コイル部

Claims (4)

  1. 円筒形のクラッチ面を内周に有する入力部材と、その入力部材の内側に組込まれて相対的に回転自在に支持された出力部材と、前記入力部材と出力部材間に組込まれて一方の端末部が出力部材に係止された円筒形のクラッチばねとから成り、前記入力部材の一方向の回転時にクラッチ面との接触によりクラッチばねを拡径させて入力部材から出力部材へ回転トルクを伝達するようにしたスプリングクラッチにおいて、
    前記クラッチ面に前記クラッチばねの拡径を許容して圧接係合されることのない大径孔部を少なくとも1つ以上形成したことを特徴とするスプリングクラッチ。
  2. 前記大径孔部をクラッチばねの係止側端部と対向する位置にのみ形成した請求項1に記載のスプリングクラッチ。
  3. 円筒形のクラッチ面を内周に有する入力部材と、その入力部材の内側に組込まれて相対的に回転自在に支持された出力部材と、前記入力部材と出力部材間に組込まれて一方の端末部が出力部材に係止された円筒形のクラッチばねとから成り、前記入力部材の一方向の回転時にクラッチ面との接触によりクラッチばねを拡径させて入力部材から出力部材へ回転トルクを伝達するようにしたスプリングクラッチにおいて、
    前記クラッチばねに、その拡径状態で前記クラッチ面に圧接係合されることのない小径のコイル部を少なくとも1つ以上形成したことを特徴とするスプリングクラッチ。
  4. 前記小径のコイル部をクラッチばねの係止側端部にのみ形成した請求項3に記載のスプリングクラッチ。
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