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JP2007276036A - 等高線作成装置、制御方法、及びプログラム - Google Patents

等高線作成装置、制御方法、及びプログラム Download PDF

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JP2007276036A JP2006104258A JP2006104258A JP2007276036A JP 2007276036 A JP2007276036 A JP 2007276036A JP 2006104258 A JP2006104258 A JP 2006104258A JP 2006104258 A JP2006104258 A JP 2006104258A JP 2007276036 A JP2007276036 A JP 2007276036A
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Abstract

【課題】等高線形状の経路における折れ曲がりの発生等を防止し、等高線形状を高精度で滑らかな形状として得ることを可能とした等高線作成装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、中央処理装置1、記憶装置4を備える。中央処理装置1は、モデル形状に沿って工具が移動する軌跡である等高線形状を計算するための計算高さの断面形状を記憶装置4から取り出し、該断面形状を構成する各要素に要素IDを定義する。次に、オフセット処理対象となる断面形状を記憶装置4から選択し、該断面形状からオフセット形状を計算し、該オフセット形状を構成する要素間を連結する補間円弧に要素IDを定義する。次に、記憶装置4から取り出した断面形状と計算したオフセット形状とを合成する。次に、合成形状から補間円弧が連続する要素区間を抽出し、該要素区間の形状を変形させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、数値制御(NC)加工等におけるNCデータを自動的に作成する場合に好適な等高線作成装置、制御方法、及びプログラムに関する。
従来、工具を自動的に位置決めし切削加工を行うNC工作機械で使用する工具の経路を作成する工具経路作成方法に関しては、以下のような各種の技術がある。
上記の工具経路作成方法を実現する装置の第1の従来例としては、入力手段、逃げ形状作成手段、干渉臨界形状作成手段、加工エリア作成手段を備えた装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
第1の従来例(特許文献1)において、入力手段は、加工目標形状、少なくとも加工高さを含む加工情報を入力する。逃げ形状作成手段は、入力手段により入力された加工目標形状を拡張した逃げ形状を作成する。干渉臨界形状作成手段は、入力手段により入力された加工高さより高い形状を干渉臨界形状として作成する。加工エリア作成手段は、逃げ形状作成手段、干渉臨界形状作成手段により夫々作成された逃げ形状、干渉臨界形状に基づいて加工エリアを作成する。
更に、上記の工具経路作成方法を実現する装置の第2の従来例としては、第1の算出手段、第2の算出手段を備えた装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
第2の従来例(特許文献2)において、第1の算出手段は、切削部分の端部先端に、平面状の円形部とその周囲に断面形状が半径Rの円弧で形成されるエッジ部とを有する切削工具の予め生成された形状データから、その切削工具端部のデータと仮想の円柱工具データとを算出する。第2の算出手段は、切削工具端部の半径R分、輪郭線をオフセットした仮想の輪郭線データを算出する。
また、上記の工具経路作成方法においては、逆オフセット法が広く知られている。
特許第03372582号 特開平9−81221号公報
しかしながら、従来技術においては次のような問題があった。NC工作機械による加工対象が、例えば抜き方向に勾配を設定した面が多く複雑な形状を有する金型の場合、加工効率を考慮して等高線形状の加工を行うことが多い。工具としてラジアスエンドミル、ボールエンドミル(先端の横断面方向の円形部の半径が0)を使用して等高線形状の経路を算出する場合、以下のように行う。
例えば図2に示すように、ラジアスエンドミルの場合には符号11で示す点の移動軌跡、ボールエンドミルの場合には符号12で示す点の移動軌跡となる等高線形状を一旦算出し、該等高線形状を加工目標形状或いは仮想輪郭として工具経路を算出する。そのため、加工目標形状或いは仮想輪郭となる等高線形状を高精度に算出する必要がある。しかしながら、逆オフセット法で得られる工具参照面から等高線形状の経路を作成する場合、逆オフセット法は離散的な手法であるため、等高線形状の経路に折れ曲がりが発生してしまうという問題点がある。
本発明の目的は、等高線形状の経路における折れ曲がりの発生等を防止し、等高線形状を高精度で滑らかな形状として得ることを可能とした等高線作成装置、制御方法、及びプログラムを提供することにある。
上述の目的を達成するために、本発明の等高線作成装置は、工具による加工対象の断面形状を記憶する記憶手段と、加工対象に沿って工具が移動する軌跡である等高線形状を計算するための計算高さの断面形状を前記記憶手段から取り出し、該断面形状を構成する各要素に要素IDを定義する第1の処理手段と、オフセット処理対象となる断面形状を前記記憶手段から選択し、該断面形状からオフセット形状を計算し、該オフセット形状を構成する要素間を連結する補間円弧に要素IDを定義する第2の処理手段と、前記第1の処理手段により前記記憶手段から取り出した断面形状と前記第2の処理手段により計算したオフセット形状とを合成する合成手段と、前記合成手段により合成した合成形状から前記補間円弧が連続する要素区間を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出した前記補間円弧が連続する要素区間の形状を変形させる変形手段と、を備えることを特徴とする。
上述の目的を達成するために、本発明の制御方法は、等高線作成装置の制御方法であって、加工対象に沿って工具が移動する軌跡である等高線形状を計算するための計算高さの断面形状を、工具による加工対象の断面形状を記憶する記憶手段から取り出し、該断面形状を構成する各要素に要素IDを定義する第1の処理ステップと、オフセット処理対象となる断面形状から前記記憶手段から選択し、該断面形状からオフセット形状を計算し、該オフセット形状を構成する要素間を連結する補間円弧に要素IDを定義する第2の処理ステップと、前記第1の処理ステップにより前記記憶手段から取り出した断面形状と前記第2の処理ステップにより計算したオフセット形状とを合成する合成ステップと、前記合成ステップにより合成した合成形状から前記補間円弧が連続する要素区間を抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップにより抽出した前記補間円弧が連続する要素区間の形状を変形させる変形ステップと、を備えることを特徴とする。
上述の目的を達成するために、本発明のプログラムは、等高線作成装置の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、加工対象に沿って工具が移動する軌跡である等高線形状を計算するための計算高さの断面形状を、工具による加工対象の断面形状を記憶する記憶手段から取り出し、該断面形状を構成する各要素に要素IDを定義する第1の処理モジュールと、オフセット処理対象となる断面形状から前記記憶手段から選択し、該断面形状からオフセット形状を計算し、該オフセット形状を構成する要素間を連結する補間円弧に要素IDを定義する第2の処理モジュールと、前記第1の処理モジュールにより前記記憶手段から取り出した断面形状と前記第2の処理モジュールにより計算したオフセット形状とを合成する合成モジュールと、前記合成モジュールにより合成した合成形状から前記補間円弧が連続する要素区間を抽出する抽出モジュールと、前記抽出モジュールにより抽出した前記補間円弧が連続する要素区間の形状を変形させる変形モジュールと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、作成した等高線形状の経路における折れ曲がりの発生や、断面形状とオフセット形状の合成処理で発生する補間円弧の連結部におけるくぼみ部の発生を防止することができ、等高線形状を高精度で滑らかな形状として得ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る等高線作成装置としての情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図1において、情報処理装置は、中央処理装置1、入力装置2、表示装置3、記憶装置4、入出力制御装置5、外部記憶装置6、通信インターフェイス7、バスライン8を備えている。情報処理装置は、CAD(コンピュータ支援設計)/CAM(コンピュータ支援生産)システムを用いて、工具による切削加工を行うためのNCデータを算出するための等高線形状(モデル形状に沿って工具が移動する移動軌跡)を作成する。尚、本構成は一例を示すものであり、図示の構成に限定されるものではない。
上記各部の構成を詳述すると、中央処理装置1は、バスライン8を介して上記各部を制御すると共に、記憶装置4に格納された等高線作成処理プログラムに基づき図4のフローチャートに示す等高線作成処理を実行する。本実施の形態では、等高線作成処理プログラムは、入出力制御装置5を介して外部記憶装置6から記憶装置4にインストールされる。尚、等高線作成処理プログラムの記憶先は外部記憶装置6に限定されるものではない。入力装置2は、データやパラメータ等の入力を行うためのキーボード及びマウス等として構成されている。表示装置3は、データやパラメータ等の表示を行うものであり、例えば液晶ディスプレイから構成されている。
記憶装置4は、半導体メモリ、磁気ディスク等から構成されており、制御プログラム及び各種データを記憶すると共に、外部記憶装置6から上記等高線作成処理プログラムがインストールされる。各種データには以下のようなものがある。加工対象となる3次元のモデル形状や幾何形状等の図形要素。工具(ラジアスエンドミル、ボールエンドミル)の形状。モデルの等高線(以下では、オフセット後の等高線と区別するため、入力となるモデルの等高線は、モデル断面線或いは断面形状と呼ぶ)及びその作成条件。モデルの最上部の高さ。モデル断面線の数。モデル断面線の高さ。モデルの切断面位置での傾斜角情報。各断面形状の構成情報。等高線作成条件。計算結果として得られる等高線。
外部記憶装置6は、磁気テープ、磁気ディスク、光磁気ディスク等から構成されており、上記の等高線作成処理プログラムを格納している。通信インターフェイス7は、例えばLAN(Local Area Network)9に接続されており、本情報処理装置と、等高線作成処理プログラムが動作する別の情報処理装置や他の情報処理装置との間の通信を司る。バスライン8は、上記各部の間の信号を伝送する共通信号路である。
図2は、工具経路の計算対象となる工具の断面形状を示す図であり、(a)は、ラジアスエンドミルの断面形状及び各部の寸法関係を示す図、(b)は、ボールエンドミルの断面形状及び各部の寸法関係を示す図である。
図2において、図2(a)に示すように、ラジアスエンドミルは、先端部の角が円弧状に形成されている。符号11で示す点は移動軌跡を構成する。また、図2(b)に示すように、ボールエンドミルは、先端部が半円状に形成されている。符号12で示す点は移動軌跡を構成する。D1、D2、D3は、それぞれ、ラジアスエンドミル、ボールエンドミルの小径部、中径部、大径部の径寸法を示す。
L1、L2、L3は、それぞれ、ラジアスエンドミル、ボールエンドミルの、先端部から小径部の基端部までの長さ、先端部から中径部の基端部までの長さ、先端部から大径部の基端部までの長さを示す。D0eは、工具先端より上部の径寸法を示す。D0sは、工具先端の径寸法を示す。本実施の形態では、円弧状、半円状に形成されている部分を工具先端角Rと呼ぶ。
図3は、工具先端角とオフセット処理の対象となる断面形状(モデル断面線)を示す図である。
図3において、101〜106は、オフセット処理の対象となるモデルの断面形状(モデル断面線)を示す。z=h1は、モデルの計算高さを示す。断面形状101〜105は、h1〜h1+r1の高さに位置する。断面形状106は、断面形状105の1つ上の層に位置する。C1(1本の線)は、後述する合成処理後の合成形状を示し、C2(6本の線)は、合成処理前の形状を示している。図示のZは工具軸方向の座標軸である。
次に、上記構成を有する本実施の形態の情報処理装置による等高線作成処理について図1乃至図11を参照しながら詳細に説明する。
図4は、等高線作成処理を示すフローチャートである。図5は、モデル断面線をオフセットして得られる補間円弧部を示す図である。図6は、オフセット量の算出方法を示す図であり、(a)は、断面形状106の場合のオフセット量を示す図、(b)は、断面形状103の場合のオフセット量を示す図である。図7は、オフセット形状合成後の補間円弧部の形状を取り出した状態を示す図である。
図8は、等高線作成処理により形状変形をした場合に得られる等高線形状の作成例を示す図である。図9は、モデル断面線をZ軸の正方向から見た状態を示す図である。図10は、形状変形のために円弧上に点列を発生した状態を示す図である。図11は、形状変形をしない場合に得られる等高線形状の作成例を示す図である。
図4乃至図11において、中央処理装置1は、等高線形状(モデル形状に沿って工具が移動する移動軌跡)を計算するための指定計算高さ(Z軸上における工具先端角の座標値)(以下計算高さと表記する)に位置する断面形状のデータを記憶装置4から取り出す。次に、中央処理装置1は、記憶装置4から取り出した断面形状を構成する各要素に付随する情報として要素IDを定義する。計算高さに断面形状がない場合は、中央処理装置1は、計算高さより低い断面形状で且つ最も計算高さに近い高さに位置する断面形状のデータを記憶装置4から取り出す。
記憶装置4から取り出した上記断面形状に対しては、オフセット処理を実施しない。そのため、本実施の形態では、例えば、断面形状を構成する全ての要素に要素IDとして0を登録し、記憶装置4に記憶する。そして、中央処理装置1は、上記断面形状に形状1という名称を付けて記憶装置4に記憶する(ステップS101)。
次に、中央処理装置1は、記憶装置4に記憶されている断面形状のデータからオフセット処理の対象となる断面形状のデータを選択する。ここで、選択する断面形状は、計算高さの断面形状と、該計算高さからZ軸(工具軸方向)上方へ工具先端角R分を足した高さに位置する断面形状と、更に選択した断面形状の最も高い位置より更に1層分高い位置にある断面形状とする。
例えば図3に示すように、計算高さをz=h1、工具先端角Rの半径をr1とした場合、h1〜h1+r1の高さに位置するモデルの断面形状101、102、103、104、105が選択される。更に、モデルの断面形状105の1層分上に位置するモデルの断面形状106が選択される。中央処理装置1は、選択したオフセット処理対象となる断面形状のデータを記憶装置4に記憶する(ステップS102)。
次に、中央処理装置1は、上記ステップS102で記憶装置4に記憶した断面形状のデータを高さ単位(層単位)に記憶装置4から取り出し(ステップS103)、オフセット処理対象の断面形状が存在するかどうかを判定する(ステップS104)。オフセット処理対象の断面形状が存在する場合には、ステップS105の処理へ移行し、オフセット処理対象の断面形状が存在しない場合には、ステップS108の処理へ移行する。
次に、上記ステップS104の判定でステップS105の処理へ移行した場合の、ステップS105〜ステップS107の合成処理について説明する。
中央処理装置1は、上記ステップS103で記憶装置4から取り出した断面形状の高さと計算高さとの差分からオフセット量を算出し、得られたオフセット量でオフセットしたオフセット形状を算出する。オフセット形状は、計算高さの平面上に投影される。断面形状を構成する要素の進行方向(要素の始点から終点に向かう方向)に対し、右手側にモデル形状が存在するよう定義されている場合には左側にオフセットし、左手側にモデル形状が存在するよう定義されている場合には右側にオフセットする。この場合、オフセット前の断面形状を構成する全ての要素の要素IDを1としておき、オフセット処理でこの要素IDを継承させる。
中央処理装置1は、オフセット形状を作成した後、オフセット形状を構成する要素の各要素IDを記憶装置4から取り出す。要素IDが1の場合は、中央処理装置1は、要素IDを0に置き換える。また、要素IDが0の場合は、中央処理装置1は、計算高さからn(nは1以上の整数)番目の断面形状であった場合には、nを登録する。中央処理装置1は、上記オフセット形状に形状2という名称を付けて記憶装置4に記憶する(ステップS105)。
ここで、補間円弧について図5に基づき説明する。e1、e2をそれぞれオフセットすると、図中矢印で示すように、e1はe3にオフセットされ、e2はe4にオフセットされる。この時、e3とe4との連結部が離れるため、その間をつなぐ要素として、点p1を中心とする円弧e5を補う。この円弧e5のことを補間円弧と呼ぶ。要素IDが継承されることから、元の構成要素にない要素(補間円弧)が追加され、この要素のIDを0とすることで識別することができる。
これにより、オフセット形状を構成する要素IDが0の要素は、補間円弧となり、最終的には、計算高さから数えて何番目(何層目)の断面形状であるかを示すIDへと置き換わる。また、e3とe4を補間円弧と区別してオフセット要素と呼ぶ。
ここで、オフセット量の算出方法について図6に基づき説明する。図6(a)に示すように、断面形状106は、計算高さz=h1からh1+r1以上離れているため、オフセット量はr1となる。また、図6(b)に示すように、例えば断面形状103は、断面形状103の高さに工具先端角Rの形状を逆さまにし(工具先端角Rは切削加工時は下向きとなるが図示のように上向きにし)、その先端が断面形状103の高さとなるよう配置する。計算高さz=h1の交差位置と工具先端角Rの中心を通るZ軸に平行な直線との距離を計算することで、オフセット量として√(r1*r1−(r1−h2+h1)*(r1−h2+h1))が得られる。
次に、中央処理装置1は、上記ステップS101で形状1として記憶装置4に記憶した形状と、上記ステップS105で形状2として記憶装置4に記憶した形状とを合成することで、合成形状を作成する。この合成処理においても、要素IDは継承される。そして、中央処理装置1は、合成形状に形状3という名称を付けて記憶装置4に記憶する(ステップS106)。更に、中央処理装置1は、継続して合成処理を実行できるように、記憶装置4に形状3として記憶された形状を形状1として置き換える(ステップS107)。
上記ステップS105〜ステップS107の合成処理により、合成形状を形状1として得ることができる。形状1を構成する要素には、0からオフセット計算対象となった断面形状の層の数までのIDを持つ要素が含まれる。
上記図3のC2部分の合成形状を取り出したものが図7である。ID1は、断面形状101のオフセット円弧から構成される。以下同様に、ID2は、断面形状102のオフセット円弧から構成される。ID3は、断面形状103のオフセット円弧から構成される。ID4は、断面形状104のオフセット円弧から構成される。ID5は、断面形状105のオフセット円弧から構成される。ID6は、断面形状106のオフセット円弧から構成される。
要素IDは、ID1が1、ID2が2、ID3が3、ID4が4、ID5が5、ID6が6となり、図7に示すように前記各要素区間の前後にID0のオフセット要素が隣接する。要素の進行方向に対し右手に形状が存在するものとした場合、補間円弧の連結部では、くぼみが発生することとなる。補間円弧の連結部は、ID1の円弧とID2の円弧の連結点における、ID1の接線ベクトルv1とID2の接線ベクトルv2の外積の値で判定することができる。つまり、Z一定平面上に上記の合成形状が求まるため、X、Y成分を持つ接線ベクトルの外積v1×v2の値が、正の場合はくぼみ(凹)となり、負の場合は突起(凸)となる。
同様に、図11は、図9のモデル断面線から得られる合成形状の例である。図11の符号21で示すようなくぼみが発生し、これを基に工具経路を計算した場合、くぼみ21の部分に削り残し形状が発生することとなる。しかし、実際の加工対象形状をオフセットした形状の断面線は楕円や双曲線などであり、このようなくぼみは発生しない。そのため、くぼみを取り除く必要がある。
次に、上記ステップS104の判定でステップS108の処理へ移行した場合の、ステップS108〜ステップS109の処理について説明する。
中央処理装置1は、上記合成形状から要素IDが1以上の値を持つ要素(補間円弧)が連続する区間を取り出し、その要素IDの並び順と接続関係などから、連続して処理すべき要素区間に分割し、分割した単位ごとにグループを構成する。即ち、形状1を構成する要素で補間円弧が連続する区間を分割する。中央処理装置1は、グループの構成を示す情報を記憶装置4に記憶する(ステップS108)。
上記図7に示した補間円弧の場合、補間円弧ID1〜ID6が連続する要素IDを持ち且つその並び順が昇順となるため、連続する6つの補間円弧ID1〜ID6が1つのグループとなる。ここで、補間円弧ID1〜ID6の並び順が昇順の場合を例に挙げているが、並び順は昇順に限定されるものではなく降順でもよい。
次に、中央処理装置1は、上記ステップS108で分割したグループを構成する要素を1つの集まりとし、補間円弧の分割した連続する要素区間単位に形状を変形させることで滑らかな形状に変形させる処理を実行する。中央処理装置1は、変形して得られる形状は元の形状と置き換え、記憶装置4に記憶する(ステップS109)。
滑らかな形状への変更方法としては、例えば図10に示すように、各補間円弧ID1〜ID6上の通過点s0〜s25を発生させ、各補間円弧ID1〜ID6の区間を点列として近似し、各点の凹凸の判定を実施して、不要な点を削除する。更に、残った点列を円弧近似し線分補間を実施することで、凹連結部がない滑らかな形状に変形することができる。
尚、上記滑らかな形状への変更方法は、一例であり、他の手法を用いても良い。他の手法としては、各モデル断面線をオフセットして得られる補間円弧には、精密な位置となる点が1点のみ存在している。そこで、各補間円弧上にこの1点を算出し、それを通るスプライン曲線を作成しても良い。
以上の処理を、工具軸方向の範囲におけるモデルの高さから計算された高さ情報に基づく全ての高さに対して実施することで、工具による切削加工を行うためのNCデータを算出するための高精度で滑らかな等高線形状を作成することができる。ここで、図8は、図11と同じ部分を情報処理装置による等高線作成処理により作成した例である。図8では、図11に示すくぼみ21(凹形状部)がなくなり、滑らかな形状に変換されていることが確認できる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下の等高線作成処理を行う。先ず、モデル形状に沿って工具が移動する軌跡である等高線形状を計算するための計算高さの断面形状を記憶装置4から取り出し、該断面形状を構成する各要素に要素IDを定義する。次に、オフセット処理対象となる断面形状を記憶装置4から選択し、該断面形状からオフセット形状を計算し、該オフセット形状を構成する要素間を連結する補間円弧に要素IDを定義する。次に、記憶装置4から取り出した断面形状と計算したオフセット形状とを合成する。次に、合成形状から補間円弧が連続する要素区間を抽出し、該要素区間の形状を変形させる。
これにより、作成した等高線形状の経路における折れ曲がりの発生や、形状1(断面形状)と形状2(オフセット形状)の合成処理で発生する補間円弧の連結部におけるくぼみ部の発生を防止することができ、等高線形状を高精度で滑らかな形状として得ることが可能となる。また、作成した等高線形状の経路を含む工具経路は、不要な削り残し部の計算がないため、工具経路の計算時間を短縮することが可能となる。また、不要な削り残し部を切削するための追加工経路が無くなり、加工効率を向上させることが可能となる。
[他の実施の形態]
また、本発明の目的は、前述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、次のプログラムコードの指示に基づき、その拡張機能を拡張ボードや拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
本発明の実施の形態に係る等高線作成装置としての情報処理装置の構成を示すブロック図である。 工具経路の計算対象となる工具の断面形状を示す図であり、(a)は、ラジアスエンドミルの断面形状及び各部の寸法関係を示す図、(b)は、ボールエンドミルの断面形状及び各部の寸法関係を示す図である。 工具先端角とオフセット処理の対象となる断面形状(モデル断面線)を示す図である。 等高線作成を示すフローチャートである。 モデル断面線をオフセットして得られる補間円弧部を示す図である。 オフセット量の算出方法を示す図であり、(a)は、断面形状106の場合のオフセット量を示す図、(b)は、断面形状103の場合のオフセット量を示す図である。 オフセット形状合成後の補間円弧部の形状を取り出した状態を示す図である。 等高線作成処理により形状変形をした場合に得られる等高線形状の作成例を示す図である。 モデル断面線をZ軸の正方向から見た状態を示す図である。 形状変形のために円弧上に点列を発生した状態を示す図である。 形状変形をしない場合に得られる等高線形状の作成例を示す図である。
符号の説明
1 中央処理装置(第1の処理手段、第2の処理手段、合成手段、抽出手段、変形手段)
2 入力装置
3 表示装置
4 記憶装置(記憶手段)
5 入出力制御装置
6 外部記憶装置
7 通信インターフェイス
8 バスライン
101〜106 断面形状
R 工具先端角(工具先端部)
h1 計算高さ
C1 合成形状
ID0〜ID6 要素ID

Claims (7)

  1. 工具による加工対象の断面形状を記憶する記憶手段と、
    加工対象に沿って工具が移動する軌跡である等高線形状を計算するための計算高さの断面形状を前記記憶手段から取り出し、該断面形状を構成する各要素に要素IDを定義する第1の処理手段と、
    オフセット処理対象となる断面形状を前記記憶手段から選択し、該断面形状からオフセット形状を計算し、該オフセット形状を構成する要素間を連結する補間円弧に要素IDを定義する第2の処理手段と、
    前記第1の処理手段により前記記憶手段から取り出した断面形状と前記第2の処理手段により計算したオフセット形状とを合成する合成手段と、
    前記合成手段により合成した合成形状から前記補間円弧が連続する要素区間を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段により抽出した前記補間円弧が連続する要素区間の形状を変形させる変形手段と、
    を備えることを特徴とする等高線作成装置。
  2. 前記第2の処理手段は、前記オフセット処理対象となる断面形状として、計算高さの断面形状、該計算高さから工具軸方向上方へ工具先端部の分を足した高さに位置する断面形状、及び該断面形状の更に上方にある断面形状を前記記憶手段から選択することを特徴とする請求項1記載の等高線作成装置。
  3. 前記第2の処理手段は、前記記憶手段から選択した前記オフセット処理対象となる断面形状の高さと計算高さとの差分に基づきオフセット量を計算し、該オフセット量に基づきオフセット処理することでオフセット形状を計算することを特徴とする請求項1記載の等高線作成装置。
  4. 前記抽出手段は、前記補間円弧が連続する要素区間として、前記補間円弧の要素IDが連続し且つその並び順が昇順或いは降順となっている要素区間を取り出すことを特徴とする請求項1記載の等高線作成装置。
  5. 前記変形手段による形状変形方法は、前記補間円弧の連続する要素区間を点列として近似し不要点を削除した残りの点列を線分補間することで形状変形を行う方法、前記補間円弧の精密な位置となる点を通るスプライン曲線を作成することで形状変形を行う方法を含む群から選択されることを特徴とする請求項1記載の等高線作成装置。
  6. 等高線作成装置の制御方法であって、
    加工対象に沿って工具が移動する軌跡である等高線形状を計算するための計算高さの断面形状を、工具による加工対象の断面形状を記憶する記憶手段から取り出し、該断面形状を構成する各要素に要素IDを定義する第1の処理ステップと、
    オフセット処理対象となる断面形状から前記記憶手段から選択し、該断面形状からオフセット形状を計算し、該オフセット形状を構成する要素間を連結する補間円弧に要素IDを定義する第2の処理ステップと、
    前記第1の処理ステップにより前記記憶手段から取り出した断面形状と前記第2の処理ステップにより計算したオフセット形状とを合成する合成ステップと、
    前記合成ステップにより合成した合成形状から前記補間円弧が連続する要素区間を抽出する抽出ステップと、
    前記抽出ステップにより抽出した前記補間円弧が連続する要素区間の形状を変形させる変形ステップと、
    を備えることを特徴とする制御方法。
  7. 等高線作成装置の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    加工対象に沿って工具が移動する軌跡である等高線形状を計算するための計算高さの断面形状を、工具による加工対象の断面形状を記憶する記憶手段から取り出し、該断面形状を構成する各要素に要素IDを定義する第1の処理モジュールと、
    オフセット処理対象となる断面形状から前記記憶手段から選択し、該断面形状からオフセット形状を計算し、該オフセット形状を構成する要素間を連結する補間円弧に要素IDを定義する第2の処理モジュールと、
    前記第1の処理モジュールにより前記記憶手段から取り出した断面形状と前記第2の処理モジュールにより計算したオフセット形状とを合成する合成モジュールと、
    前記合成モジュールにより合成した合成形状から前記補間円弧が連続する要素区間を抽出する抽出モジュールと、
    前記抽出モジュールにより抽出した前記補間円弧が連続する要素区間の形状を変形させる変形モジュールと、
    を備えることを特徴とするプログラム。
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