JP2007138977A - 伸縮軸用のエンドカバー取り付け構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】中空軸21の内孔に内軸3をスプライン嵌合またはセレーション嵌合してなる伸縮軸1の中空軸21の内孔において内軸3の挿入方向奥側に、そこを閉塞するためのエンドカバー5を取り付けた構造において、比較的安価でありながら十分な取り付け強度ならびに密封性を確保したうえで、内軸3の大径化を許容可能とする。
【解決手段】中空軸21の内孔において内軸3の挿入方向奥側に、中空軸21のメススプライン部21aより大径の円筒面21bが設けられている。また、エンドカバー5は有底円筒形で、その周壁部が一重とされて、この周壁部が帯状弾性リング9を介して中空軸21の大径円筒面21bに圧入嵌合されている。
【選択図】図2
【解決手段】中空軸21の内孔において内軸3の挿入方向奥側に、中空軸21のメススプライン部21aより大径の円筒面21bが設けられている。また、エンドカバー5は有底円筒形で、その周壁部が一重とされて、この周壁部が帯状弾性リング9を介して中空軸21の大径円筒面21bに圧入嵌合されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、例えば自動車等の車両に備えるプロペラシャフト、ドライブシャフト、アクスルシャフト等といった伸縮軸に用いられるエンドカバー取り付け構造に関する。
従来、例えば上述したようなプロペラシャフトは、中空軸の内孔に内軸をスプライン嵌合またはセレーション嵌合した構成であり、中空軸の内孔において前記内軸の挿入方向奥側に、そこを閉塞するためのエンドカバーが取り付けられるようになっている。
このエンドカバーは、スプライン嵌合部分またはセレーション嵌合部分に塗布されるグリース等の潤滑剤の外部漏洩や、前記嵌合部分への外部の異物(水分や塵埃等)浸入を防止するために、用いられている。
このエンドカバーは、通常、金属板を絞り成形することにより有底円筒形に製作されるが、このエンドカバーの周壁部を直接的に金属製の中空軸の内孔に圧入嵌合する際、嵌め合い長さが長くなるとともに金属同士の嵌め合いとなる関係より、次のような点で好ましくない。
まず、金属同士の嵌め合いそのものによって、嵌め合い面の密封性が不十分となる。しかも、圧力嵌合の締め代によってエンドカバーの周壁部が微小ながらも周方向に波打つ形状に塑性変形する等、真円度が低下するおそれがあって、このことによっても嵌め合い面の密封性が不十分となる。
さらに、エンドカバーを圧入嵌合する際に、エンドカバーの開口端の外周縁が中空軸の内孔内周面と擦れて、削り粉が発生するおそれがある。この削り粉は、スプライン嵌合部またはセレーション嵌合部に入り込むと両軸のスライド動作に支障をきたす原因となるので、好ましくない。
この場合、エンドカバー取り付け後に中空軸や内軸を洗浄して削り粉を除去するか、あるいはエンドカバーの開口端の外周縁にバリ取りあるいは面取りを施すことにより、相手や自身を削れにくくするかといった対策が必要になり、製造コストの増加を余儀なくされる。
これに対し、エンドカバーの開口端側を周壁部の外径側に同心状に折り返すことにより、二重筒構造とすることが考えられている(例えば、特許文献1,2参照。)。このような二重筒構造とする場合、外筒部分と内筒部分とを密着させるように折り返すことは製造上、困難であり、それらの間には適宜の対向隙間が出来るとともに、内筒部分内周面から外筒部分外周面までの厚み寸法が大きくなる。
特開2004−359100号公報
特開2004−360776号公報
上記従来例では、単純な有底円筒形のエンドカバーの場合と同様、依然として金属同士の嵌め合いとなっている関係より、嵌め合い面の密封性が不十分となることが指摘されるだけでなく、エンドカバーを二重筒構造に加工すること自体、手間がかかる等、生産性が低下するとともに製造コストの増大を余儀なくされる。
さらに、二重筒構造のエンドカバーの場合、その内筒部分の内周面から外筒部分の外周面までの厚み寸法を小さくすることが製造上、困難であるために、次のような点で不具合が生ずる。
つまり、仮に、上述したような伸縮軸における中空軸と内軸とを最小に縮めた状態においてエンドカバーの内側へ内軸の内端部分を入り込ませるように設計する場合、エンドカバーの内径寸法を、メススプライン部の歯先それぞれを結ぶ円径と同じかそれより大きく設定する必要があるが、そのためには、中空軸においてエンドカバー装着部分内周面とメススプライン部の歯先それぞれを結ぶ円径との段差を、二重筒構造のエンドカバーにおいて厚み寸法より大きくする必要がある。
このような理由から、中空軸の肉厚寸法を大きくする必要が生じるので、中空軸の重量ならびに入手コストが必要以上に増加することになる。しかも、中空軸の外径寸法が制約される場合には、中空軸のメススプライン部の歯先それぞれを結ぶ円径、つまり内軸の外径寸法を小さくせざるを得なくなり、上述したように中空軸と内軸とを最小に縮めた状態においてエンドカバーの内側へ内軸の内端部分を入り込ませることができなくなるので、伸縮軸の全長を長くする必要があるとともに、伸縮軸の曲げ剛性低下につながることが懸念される。
本発明は、伸縮軸用のエンドカバー取り付け構造において、比較的安価でありながら十分な取り付け強度ならびに密封性を確保したうえで、内軸の大径化を許容可能とすることを目的としている。
本発明は、中空軸の内孔に内軸をスプライン嵌合またはセレーション嵌合してなる伸縮軸の前記中空軸の内孔において前記内軸の挿入方向奥側に、そこを閉塞するためのエンドカバーを取り付けた構造であって、前記中空軸の内孔において前記内軸の挿入方向奥側に、前記中空軸内孔のメススプライン部より大径のエンドカバー装着用の大径円筒面が設けられ、前記エンドカバーが有底円筒形で、その周壁部が一重とされて、この周壁部が帯状弾性リングを介して前記中空軸の大径円筒面に圧入嵌合されていることを特徴としている。
この構成によれば、中空軸の大径円筒面とエンドカバーの周壁部との間に帯状弾性リングを圧入締め代でもって圧縮変形させた状態で介在させているので、エンドカバーが中空軸の大径円筒面に強固に位置決め固定されるようになるとともに、帯状弾性リングが中空軸の大径円筒面とエンドカバーの周壁部とにそれぞれ密に接触するので、各接触面の密封性が向上するようになる。
また、エンドカバーの周壁部が一重であるから、従来例のように二重筒とする場合に比べて製造が容易となるとともに、中空軸における大径円筒面とメススプライン部の歯先それぞれを結ぶ円径との段差を可及的に小さくすることが可能になるから、中空軸の肉厚を薄くすることが可能になり、重量軽減ならびに入手コストの削減に貢献できるようになる。このように中空軸を薄肉にできることに伴い、中空軸の外径寸法をあまり大きくすることなく、エンドカバーの内径を可及的に大きくすることが可能となるから、内軸の大径化に対応可能になる。
さらに、エンドカバーを中空軸の大径円筒面に直接的に圧入せずに、中空軸の大径円筒面に帯状弾性リングを圧入嵌合する形態にしているので、エンドカバーを中空軸の大径円筒面に直接的に圧入する従来例のように削れ粉が発生せずに済む。これにより、従来例のようなエンドカバーの端縁処理や中空軸や内軸等の洗浄処理が不要となり、無駄を省けるようになる。
好ましくは、前記エンドカバーの周壁部の内径寸法が、前記中空軸のメススプライン部の歯先それぞれを結ぶ円径寸法以上とされる。
この構成によれば、中空軸と内軸とを最小に縮めた状態においてエンドカバーの内側へ内軸の内端部分を入り込ませることが可能になる。これにより、伸縮軸の全長を短くすることが可能になるとともに、伸縮軸の十分な曲げ剛性を確保することが可能になる。仮に、中空軸の最大外径寸法が制約される場合でも、中空軸のメススプライン部の歯先それぞれを結ぶ円径、つまり内軸の外径寸法を小さくせずに済むようになる。
好ましくは、前記エンドカバーは、金属板を絞り成形することにより製作されるものであり、その開口端には、径方向外向きに突出して前記帯状弾性リングの端面が当接される屈曲部が設けられる。
この構成によれば、エンドカバーの取り付け時にエンドカバーの外周に装着した帯状弾性リングを前記取り付け方向へ押圧すると、当該押圧力が前記屈曲部に伝達されることになって、エンドカバー全体が中空軸の大径円筒面の奥へ押し込まれることになる。これにより、帯状弾性リング付のエンドカバーであっても、その取り付けが比較的容易に行えるようになる。
しかも、前記屈曲部は、帯状弾性リングに引っ掛かる程度の小さいもので事足りるから、その屈曲作業について絞り成形時において簡単に対処できて、従来例の二重筒形状のエンドカバーに比べて製作が容易となる。
本発明によれば、伸縮軸用のエンドカバー取り付け構造において、比較的安価でありながら十分な取り付け強度ならびに密封性を確保したうえで、内軸の大径化を許容可能とすることができる。
したがって、伸縮軸のスプライン嵌合部分あるいはセレーション嵌合部分の潤滑条件を長期にわたって良好に保つことが可能になるので、伸縮軸の動作円滑性ならびに耐久性等といった信頼性向上に大きく貢献できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1から図6に本発明の一実施形態を示している。本発明に係るエンドカバー取り付け構造の適用対象となる伸縮軸として、自動車等の車両に備えるプロペラシャフトを例に挙げている。
そこで、本発明に係るエンドカバーの取り付け構造の説明に先立ち、伸縮軸としてのプロペラシャフトの基本構成を説明する。
図1に示すように、プロペラシャフト1は、一般的に公知の構成と基本的に同じであり、要するに、外軸2の中心孔(内孔)に内軸3を軸方向変位可能にスプライン嵌合(またはセレーション嵌合)していて、外軸2の外端および内軸3の外端に、それぞれユニバーサルジョイント4,4を取り付けた構成になっている。
外軸2は、小径中空軸21と、大径中空軸21bとを軸方向で連結した2ピース構造になっている。この小径中空軸21が、請求項に記載の中空軸に相当する。但し、この外軸2は、1ピース構造であってもよく、その場合にはこの1ピースの外軸2そのものが請求項に記載の中空軸に相当するものとなる。
外軸2および内軸3は、共に中空に形成されており、外軸2における小径中空軸21の内周面と内軸3の外周面とには、それぞれスプライン(またはセレーション)部21a,31が設けられている。
小径中空軸21のスプライン部21aは、内周面に形成されているので、以下ではメススプライン部と呼ぶことにし、また、内軸3のスプライン部31は、外周面に形成されているので、以下ではオススプライン部と呼ぶことにする。
ユニバーサルジョイント4は、一般的に公知の十字軸継手とされており、十字軸41と、二つのヨーク42,43とを有する構成である。
第1のヨーク42,42は、外軸2における大径中空軸22の外端および内軸3の外端にそれぞれ一体的に取り付けられており、第2のヨーク43,43は、このプロペラシャフト1の連結対象となる軸部材等(図示していない)に連結される。
なお、両ヨーク42,43は、共に、円筒形胴部の一端側の円周上において180度対向する位置に突片を設けた形状になっている。
このような形状のヨーク42,43では、外軸2および内軸3の各内孔を軸方向に貫通したままにして閉塞していないと、両軸2,3のスプライン嵌合部分からそこに塗布されるグリース等の潤滑剤が外部に漏洩したり、両軸2,3のスプライン嵌合部分へ外部から異物(水分や塵埃等)が浸入したりするおそれがある。
このような潤滑剤の外部漏洩や異物浸入を防止するために、前記スプライン嵌合部分の内側開放端をエンドカバー5とエンドプレート6で、また、スプライン嵌合部分の外側開放端を保護カバー7でそれぞれ密封するようになっている。
エンドカバー5は、外軸2の内孔において内軸3の挿入方向奥側(小径中空軸21の内端側)に、そこを閉塞するように取り付けられるが、その取り付け構造については後で詳細に説明する。
エンドプレート6は、中空の内軸3の内端側開口に、そこを閉塞するように取り付けられている。このエンドプレート6は、円板形状で、その外周に輪状部を設けた形状であり、この輪状部が内軸3の内端側開口の大径内周面に圧入嵌合されるようになっている。
なお、この実施形態では、内軸3を重量軽減のために中空にしている関係で、その内端側にエンドプレート6を蓋状に装着することにより、内軸3の内孔の内端側開口を閉塞するようにしている。但し、この内軸3を中実とすることも可能であり、その場合にはエンドプレート6は不要となる。
保護カバー7は、外軸2における小径中空軸21の外周面を非接触で包囲するように、一端側が内軸3の外端側における拡径部32に適宜の方法で固定される円筒形のパイプからなり、その自由端側には、外軸2における小径中空軸21の外周面に接触して密封部を作るシールリング8が装着されている。
このシールリング8は、一般的に公知の各種のシールリングの中から適宜選択されたものからなる。
このような保護カバー7は、外軸2における小径中空軸21と内軸3とのスプライン嵌合部分を覆った状態で、その自由端に装着されるシールリング8で保護カバー7の内周面と外軸2における小径中空軸21の外周面との対向環状空間の開口を閉塞するようになっている。
次に、本発明の特徴部分としてのエンドカバー5の取り付け構造について説明する。
まず、エンドカバー5は、例えば金属板を絞り成形することにより有底円筒形に製作されるものであり、その周壁部が一重とされ、その開口端には僅かに径方向外向きに屈曲する屈曲部51が設けられている。
このエンドカバー5には、それを外軸2における小径中空軸21に取り付ける前に、エンドカバー5の周壁部の開口端側に帯状弾性リング9が外嵌装着される。
帯状弾性リング9は、図示するように、径方向で扁平に形成されて、円筒形状になっており、径方向ならびに軸方向に適宜伸縮しうる材料が選択される。
この帯状弾性リング9の素材については、例えば適宜のゴム(一般的に公知のシールリングに使用されるニトリルゴム、ふっ素系ゴム、クロロプレンゴム)、あるいは適宜の樹脂(熱可塑性ポリエステル系エラストマー等)とすることができる。
一方、外軸2における小径中空軸21の内端側(外軸2の内孔において内軸3の挿入方向奥側)には、当該小径中空軸21のメススプライン部21aの歯先を結ぶ円径寸法R1より大きい内径寸法R2の大径円筒面21bが設けられている。この大径円筒面21bに、エンドカバー5が帯状弾性リング9を介して取り付けられる。
エンドカバー5の外径寸法R3は、大径円筒面21bとの間に所定の環状隙間が出来るように大径円筒面21bの内径寸法R2よりも小さく設定されている。また、エンドカバー5の内径寸法R4は、メススプライン部21aの歯先を結ぶ円径寸法R1と同じか、あるいは若干大きく設定される。
そして、エンドカバー5の取り付け手順について、図5および図6を参照して説明する。
まず、図5の矢印で示すように、エンドカバー5の周壁部の外周に、帯状弾性リング9を圧入により外嵌する。このとき、帯状弾性リング9の圧入方向手前側端面を押圧することにより、帯状弾性リング9の圧入方向奥側端面を、エンドカバー5の開口端側の屈曲部51における径方向立ち上がり壁面に当接させるまで圧入する。
これにより、エンドカバー5上の所定位置に帯状弾性リング9が若干弾性的に拡径した状態で嵌合されるので、その弾性復元力で帯状弾性リング9がエンドカバー5の周壁部に締め付けられるとともに、屈曲部51における径方向立ち上がり壁面で軸方向に位置決めされた状態で、帯状弾性リング9が簡単に外れなくなる。
このように帯状弾性リング9を装着したエンドカバー5を、図6の矢印で示すように、外軸2における小径中空軸21の大径円筒面21bに圧入により内嵌する。このとき、帯状弾性リング9の圧入方向手前側端面を、適宜の治具でもって押圧するのであるが、この押圧力は帯状弾性リング9を通じてエンドカバー5の屈曲部51に伝達されるので、エンドカバー5全体が奥へ押し込まれることになる。
これにより、帯状弾性リング9は、図3に示すように、エンドカバー5の周壁部の外周面と小径中空軸21の大径円筒面21bの内周面との間に弾性的に圧縮変形した状態で介在される。そのため、帯状弾性リング9の外周面が小径中空軸21の大径円筒面21bに、また、帯状弾性リング9の内周面がエンドカバー5の周壁部の外周面に、共に密に接触することになるので、これら両嵌め合い面が密封されることになるとともに、エンドカバー5が抜け出さないように強固に取り付けられることになる。
このようにして、外軸2における小径中空軸21にエンドカバー5を取り付けた後で、この小径中空軸21の内端と、大径中空軸22の内端とを連結する。
この連結は、適宜の方法で行えるのであるが、この実施形態では例えば摩擦溶着法で行うようにする。但し、摩擦溶着法に限られず、電気溶接またはガス溶接等のように外部からの熱を加える溶接としたり、また、一方端部を他方端部に加締めて固定する形態にしたり、さらには、フランジ結合としたりすることができる。
ここで、前記摩擦溶着法は、一般的に公知であるので、その詳細な方法の説明は割愛するが、要するに、小径中空軸21の内端面と大径中空軸22の内端面とを所定圧力で押し付けた状態で相対的に高速回転させるようにする。
これに伴い発生する摩擦熱でもって前記突合せ部分が溶融することになるとともに、互いに固相拡散することにより溶着することになる。
この溶着の過程では、突合せ部分が溶融することによって、図2に示すように、径方向内外にはみ出して、輪状突起11,12が形成されることになる。
このとき、内側の輪状突起11についての突出代について、可及的に大きくすることにより、この輪状突起11の内径寸法R5をエンドカバー5の外径寸法R3よりも小さくなるように管理している。これによって、この内側の輪状突起11は、小径中空軸21からエンドカバー5が軸方向外側へ抜け出すことを防止するためのストッパとして機能するようになる。
以上説明したように、小径中空軸21の大径円筒面21bとエンドカバー5の周壁部との間に帯状弾性リング9を圧入締め代でもって圧縮変形させた状態で介在させているので、エンドカバー5が小径中空軸21の大径円筒面21bに強固に位置決め固定されるようになるとともに、帯状弾性リング9が小径中空軸21の大径円筒面21bとエンドカバー5の周壁部とにそれぞれ密に接触するので、各接触面の密封性が向上するようになる。
また、エンドカバー5の周壁部を一重にしているから、従来例のように二重筒とする場合に比べて製造が容易となるとともに、小径中空軸21における大径円筒面21bとメススプライン部21aの歯先それぞれを結ぶ円径との段差を可及的に小さくすることが可能になる。
これにより、小径中空軸21の肉厚を薄くすることが可能になり、重量軽減ならびに入手コストの削減に貢献できる。このように小径中空軸21を薄肉にできることに伴い、小径中空軸21の外径寸法をあまり大きくすることなく、エンドカバー5の内径を可及的に大きくすることが可能となるので、内軸3の大径化に対応可能になる。
また、エンドカバー5の内径寸法R4を、メススプライン部21aの歯先を結ぶ円径寸法R1と同じか、あるいは若干大きく設定しているので、小径中空軸21と内軸3とを最小に縮めた状態においてエンドカバー5の内側へ内軸3の内端部分を入り込ませることが可能になって、ドライブシャフト1の全長を短くすることが可能になるとともに、ドライブシャフト1の十分な曲げ剛性を確保することが可能になる。仮に、外軸2における小径中空軸21の最大外径寸法が制約される場合でも、小径中空軸21のメススプライン部21aの歯先それぞれを結ぶ円径、つまり内軸3の外径寸法を小さくせずに済むようになる。
さらに、エンドカバー5を小径中空軸21の大径円筒面21bに直接的に圧入せずに、小径中空軸21の大径円筒面21bに帯状弾性リング9を圧入嵌合する形態にしているので、エンドカバー5を小径中空軸21の大径円筒面21bに直接的に圧入する従来例のように削れ粉が発生せずに済む。これにより、従来例のようにエンドカバー5の端縁処理や小径中空軸21や内軸3等の洗浄処理が不要となる等、無駄を省けるようになる。
この他、帯状弾性リング9が帯状であるから、単純にOリング等をエンドカバー5と小径中空軸21との嵌め合い面に介在させる場合に比べて、径方向厚みを薄くしたうえで圧入代を比較的長く確保することが可能になり、エンドカバー5の取り付け強度や嵌め合い面の密封性が向上する。
以下、本発明の他の実施形態を説明する。
(1)上記実施形態では、伸縮軸を、後輪駆動車のトランスミッションからリアデファレンシャルとの間で用いられるプロペラシャフト1としたが、例えば四輪駆動車のトランスファーからリアデファレンシャルの間で用いられるリアプロペラシャフト、およびトランスファーからフロントデファレンシャルギアの間で用いられるフロントプロペラシャフト、あるいは車両の各種ドライブシャフト、アクスルシャフト等、その他、工作機械等の分野に用いる伸縮軸にも本発明を適用することが可能である。
(2)上記実施形態において、外軸2における小径中空軸21、大径中空軸22、内軸3、エンドカバー5は、金属製に限らず、樹脂製とすることも可能である。
但し、樹脂とする場合には、外軸2における小径中空軸21とエンドカバー5との圧入嵌合時に割れ等を起こさないような締め代に設定するのが好ましい。
1 プロペラシャフト
2 外軸
21 外軸を構成する小径中空軸
21a 小径中空軸のメススプライン部
21b 小径中空軸の大径円筒面
22 外軸を構成する大径中空軸
3 内軸
31 内軸のオススプライン部
4 ユニバーサルジョイント
5 エンドカバー
51 エンドカバーの屈曲部
9 帯状弾性リング
2 外軸
21 外軸を構成する小径中空軸
21a 小径中空軸のメススプライン部
21b 小径中空軸の大径円筒面
22 外軸を構成する大径中空軸
3 内軸
31 内軸のオススプライン部
4 ユニバーサルジョイント
5 エンドカバー
51 エンドカバーの屈曲部
9 帯状弾性リング
Claims (3)
- 中空軸の内孔に内軸をスプライン嵌合またはセレーション嵌合してなる伸縮軸の前記中空軸の内孔において前記内軸の挿入方向奥側に、そこを閉塞するためのエンドカバーを取り付けた構造であって、
前記中空軸の内孔において前記内軸の挿入方向奥側に、前記中空軸内孔のメススプライン部より大径のエンドカバー装着用の大径円筒面が設けられ、
前記エンドカバーが有底円筒形で、その周壁部が一重とされて、この周壁部が帯状弾性リングを介して前記中空軸の大径円筒面に圧入嵌合されていることを特徴とする伸縮軸用エンドカバーの取り付け構造。 - 請求項1において、前記エンドカバーの周壁部の内径寸法が、前記中空軸のメススプライン部の歯先それぞれを結ぶ円径寸法以上とされることを特徴とする伸縮軸用エンドカバーの取り付け構造。
- 請求項1または2において、前記エンドカバーは、金属板を絞り成形することにより製作されるものであり、その開口端には、径方向外向きに突出して前記帯状弾性リングの端面が当接される屈曲部が設けられていることを特徴とする伸縮軸用エンドカバーの取り付け構造。
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