以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る画像形成装置について説明する。
図1に示す本実施形態の画像形成装置10は、4サイクル方式のフルカラーレーザプリンタであり、図示のように、装置内には、中央よりもやや右上部に、感光体ドラム12が回転可能に配設されている。この感光体ドラム12としては、例えば、表面にOPC等よりなる感光体層が被覆された直径が約47mmの導電性円筒体からなるものが用いられ、図示しないモータにより、矢印方向に沿って約150mm/secのプロセススピードで回転駆動される。
感光体ドラム12の表面は、感光体ドラム12の略真下に配置された帯電ロール14によって所定の電位に帯電された後、帯電ロール14の下方に配置された露光装置16によって、レーザービームLBによる画像露光が施され、画像情報に応じた静電潜像が形成される。
この感光体ドラム12上に形成された静電潜像は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像器18Y、18M、18C、18Kが周方向に沿って配置された回転式現像器18によって現像され、所定の色のトナー像となる。
このとき、感光体ドラム12の表面には、形成する画像の色に応じて、帯電・露光・現像の各工程が、所定回数だけ繰り返される。現像工程では回転式現像器18が回転し、対応する色の現像器18Y、18M、18C、18Kが、感光体ドラム12と対向する現像位置に移動する。
例えば、フルカラーの画像を形成する場合、感光体ドラム12の表面には、帯電・露光・現像の各工程が、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応して4回繰り返され、感光体ドラム12の表面には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応したトナー像が順次形成される。トナー像が形成されるにあたって、感光体ドラム12が回転する回数は、画像のサイズに応じて異なるが、例えば、A4サイズであれば、感光体ドラム12が3回転することによって、1つの画像が形成される。つまり、感光体ドラム12の表面には、感光体ドラム12が3回転するごとに、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応したトナー像が形成される。
感光体ドラム12上に順次形成されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、感光体ドラム12の外周に中間転写ベルト20が巻き付けられた一次転写位置において、中間転写ベルト20上に互いに重ね合わせた状態で一次転写ロール22によって転写される。
この中間転写ベルト20上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像は、所定のタイミングで給紙される記録用紙24上に、二次転写ロール26によって一括して転写される。
一方、記録用紙24は、画像形成装置10の下部に配置された給紙カセット28から、ピックアップロール30によって送り出されるとともに、フィードロール32及びリタードロール34によって1枚ずつ捌かれた状態で給紙され、レジストロール36によって中間転写ベルト20上に転写されたトナー像と同期した状態で、中間転写ベルト20の二次転写位置へと搬送される。
中間転写ベルト20は、感光体ドラム12における回動方向の上流側にて中間転写ベルト20のラップ位置を特定するラップインロール38と、感光体ドラム12上に形成されたトナー像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール22と、ラップ位置の下流側にて中間転写ベルト20のラップ位置を特定するラップアウトロール40と、二次転写ロール26に中間転写ベルト20を介して当接するバックアップロール42と、中間転写ベルト20のクリーニング装置44に対向する第1のクリーニングバックアップロール46と、第2のクリーニングバックアップロール48と、によって所定の張力で張架されており、所定のプロセススピード(約150mm/sec)で循環移動するように、例えば、感光体ドラム12の回転に伴って従動される。
ここで、中間転写ベルト20は、画像形成装置10の小型化を図るため、中間転写ベルト20が張架される断面形状が、偏平な細長い略台形状となるように構成されている。
中間転写ベルト20は、感光体ドラム12と、帯電ロール14と、中間転写ベルト20と、中間転写ベルト20を張架する複数のロール22、38、40、42、46、48と、中間転写ベルト20用のクリーニング装置44と、後述する感光体ドラム12用のクリーニング装置78と、で一体的に像形成ユニット52を構成している。このため、画像形成装置10の上部カバー54を開き、像形成ユニット52の上部に設けられた把手(図示省略)を手で持ち上げることにより、像形成ユニット52全体を画像形成装置10から取り外し可能となっている。
一方、中間転写ベルト20のクリーニング装置44は、第1のクリーニングバックアップロール46によって張架された中間転写ベルト20の表面に当接するように配置されたスクレーパ58と、第2のクリーニングバックアップロール48によって張架された中間転写ベルト20の表面に圧接するように配置されたクリーニングブラシ60とを備え、これらのスクレーパ58やクリーニングブラシ60によって除去された残留トナーや紙粉などは、クリーニング装置44の内部に回収されるようになっている。
なお、クリーニング装置44は、揺動軸62を中心にして、図中反時計回り方向に揺動可能に配置されており、最終色のトナー像の二次転写が終了するまでは、中間転写ベルト20の表面から離間した位置に退避するとともに、最終色のトナー像の二次転写が終了すると、中間転写ベルト20の表面に当接するように構成されている。
さらに、中間転写ベルト20からトナー像が転写された記録用紙24は、定着装置64へと搬送され、この定着装置64によって加熱及び加圧されてトナー像が記録用紙24上に定着される。その後、片面プリントの場合には、トナー像が定着された記録用紙24は、排出ロール66によって画像形成装置10の上部に設けられた排出トレイ68上にそのまま排出される。
一方、両面プリントの場合には、定着装置64により第一面(表面)にトナー像が定着された記録用紙24を、排出ロール66によって排出トレイ68上にそのまま排出せずに、排出ロール66によって記録用紙24の後端部を狭持した状態で、排出ロール66を逆転させるとともに、記録用紙24の搬送径路を両面用の用紙搬送路70に切り替え、この両面用の用紙搬送路70に配設された搬送ロール72によって、記録用紙24の表裏を反転した状態で、再度、中間転写ベルト20の二次転写位置へ搬送して、記録用紙24の第二面(裏面)にトナー像を転写する。そして、記録用紙24の第二面(裏面)のトナー像を定着装置64によって定着させ、記録媒体24を排出トレイ68上に排出する。
さらに、画像形成装置10には、オプションによって、画像形成装置10の側面に手差しトレイ74が開閉自在に装着可能となっている。この手差しトレイ74上に載置された任意のサイズ及び種類の記録用紙24は、給紙ロール76によって給紙され、搬送ロール73及びレジストロール36を介して、中間転写ベルト20の二次転写位置へ搬送されることにより、任意のサイズ及び種類の記録用紙24にも画像を形成することが可能となっている。
なお、トナー像の転写工程が終了した後の感光体ドラム12の表面は、感光体ドラム12が1回転する毎に、感光体ドラム12の斜め下方に配置されたクリーニング装置78のクリーニングブレード80によって、残留トナーや紙粉などが除去され、次の画像形成工程に備えるようになっている。
図2に示すように、感光体ドラム12の下方部には、感光体ドラム12と接触するように帯電ロール14が配置されている。この帯電ロール14は、導電性のシャフト14Aの周囲に帯電層14Bが形成されたものであり、シャフト14Aが回転可能に支持されている。帯電ロール14の感光体ドラム12と反対側の下方部には、帯電ロール14の表面に接触するロール状のスポンジ部材100が設けられている。このスポンジ部材100は、シャフト100Aの周囲にスポンジ層100Bが形成されたものであり、シャフト100Aが回転可能に支持されている。
スポンジ部材100は帯電ロール14に所定の食い込み量でニップし、スポンジ層100Bが帯電ロール14の周面に沿って弾性変形してニップ部101を形成している。感光体ドラム12は、図示しないモータによって図2中の時計回り(矢印2の方向)に回転駆動され、感光体ドラム12の回転により帯電ロール14が矢印4の方向に従動回転する。また、帯電ロール14の回転によりロール状のスポンジ部材100が矢印6の方向に従動回転する。
スポンジ部材100が従動回転することにより、帯電ロール14の表面に付着したトナーや外添剤などの汚れ(異物)がスポンジ部材100によってクリーニングされる。そしてこの異物がスポンジ部材100の発泡体のセル内に取り込まれ、セル内に回収された異物が凝集して適度な大きさになると、スポンジ部材100から帯電ロール14を介して感光体ドラム12に戻され、感光体ドラム12をクリーニングするクリーニング装置78に回収されることで、クリーニング性能の維持継続がなされていると考えられている。
このような帯電ロール14のクリーニング部材としてのスポンジ部材100について、シャフト100Aの材質としては、快削鋼、ステンレス鋼等が使用されており、摺動性などの用途に応じ材質および表面処理方法が適時選択される。また導電性を有さない材質についてはメッキ処理など一般的な処理により加工され導電化処理が行われてもよく、もちろんそのまま使用してもよい。また、スポンジ部材100は、スポンジ層100Bを介して帯電ロール14と適度なニップ圧力で接触するため、ニップ時に撓みのない強度を持った材質またはシャフト長に対して十分剛性をもったシャフト径が選択される。
スポンジ層100Bは、多孔質の3次元構造を有する発泡体からなる。このスポンジ層100Bは、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド、メラミン又はポリプロピレン等の発泡性の樹脂又はゴムを材質としたものより選択される。スポンジ層100Bは、帯電ロール14との従動摺擦により外添剤などの異物を効率的にクリーニングすると同時に、帯電ロール14の表面にスポンジ層100Bの擦れによるキズをつけないために、また、長期にわたり千切れや破損が生じないようにするために、引き裂き、引っ張り強さなどに強いポリウレタンが特に好ましく用いられる。
また、帯電ロール14は、導電性のシャフト14A上に帯電層14Bとして導電性弾性層、表面層が順次形成されたものである。
シャフト14Aの材質としては、快削鋼、ステンレス鋼等が使用され、摺動性などの用途に応じ材質および表面処理方法は適時選択され、導電性を有さない材質についてはメッキ処理など一般的な処理により加工され導電化処理が行われていてもよい。
帯電ロール14の帯電層14Bを構成する上記導電性弾性層は、例えば、弾性を有するゴム等の弾性材、導電性弾性層の抵抗を調整するカーボンブラックやイオン導電材等の導電材、必要に応じて軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、シリカおよび炭酸カルシウム等の充填剤等、通常ゴムに添加され得る材料を加えてもよい。通常ゴムに添加される材料を添加した混合物を、導電性のシャフト14Aの周面に被覆することにより形成される。抵抗値の調整を目的とした導電剤として、マトリックス材に配合されるカーボンブラックやイオン導電剤のような、電子及び/又はイオンを電荷キャリアとして電気伝導する材料を分散したもの等を用いることができる。また、上記弾性材は発泡体であってもかまわない。
帯電層14Bを構成する上記表面層は、トナー等の異物による汚染の防止のためなどに形成しているものであり、表面層の材料としては、樹脂、ゴム等の何れを用いてもよく特に限定するものではない。ポリエステル、ポリイミド、共重合ナイロン、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、メラミン樹脂、フッ素ゴム、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。
また上記表面層には導電性材料を含有させ、抵抗値を調整することができる。該導電性材料としては、粒径が3μm以下であるものが望ましい。
また、抵抗値の調整を目的とした導電剤として、マトリックス材に配合されるカーボンブラックや導電性金属酸化物粒子、あるいはイオン導電剤のような、電子及び/又はイオンを電荷キャリアとして電気伝導する材料を分散したもの等を用いることができる。
上記抵抗値を調整するための導電性粒子である導電性金属酸化物粒子は、酸化錫、アンチモンがドープされた酸化錫、酸化亜鉛、アナターゼ型酸化チタン、ITO等の導電性を有した粒子で、電子を電荷キャリアとする導電剤あれば何れも用いることができ、特に限定されるものではない。これらは、単独で用いても2種類以上を併用することができる。また、本発明を阻害しない限り、何れの粒径であってもよいが、抵抗値調整および強度の点より、好ましくは酸化錫、アンチモンドープがされた酸化錫、アナターゼ型酸化チタンであり、更に、酸化錫、アンチモンドープがされた酸化錫が好ましい。
このような導電性材料によって抵抗制御を行うことにより、表面層の抵抗値は環境条件によって変化せず、安定な特性が得られる。
さらに、上記表面層には、フッ素系あるいはシリコーン系の樹脂が用いられている。特に、フッ素変性アクリレートポリマーで構成されることが好ましい。また、表面層の中に微粒子を添加してもよい。これにより、表面層が疎水性となって帯電ロール14への異物の付着が防止されるように作用する。また、アルミナやシリカのような絶縁性の粒子を添加して、帯電ロール14の表面に凹凸を付与し、感光体ドラム12との摺擦時の負担を小さくして帯電ロール14と感光体ドラム12相互の耐磨耗性を向上させることも可能である。
(第1の実施形態)
次に、本発明の第1の実施形態に係る帯電ロール14及びスポンジ部材100の支持構造ついて詳細に説明する。
図3に示すように、本実施形態では、帯電ロール14とスポンジ部材100が一対の軸受け部材110を介して単一のフレーム120に組み付けられフレーム120内に収容されており、さらに感光体ドラム12もこのフレーム120に組み付けられ、それらがユニット化されている。
図4(A)、(B)に示すように、一つの軸受け部材110は、扁平な直方体状(ブロック状)に形成され単一構成とされている。この軸受け部材110は、高剛性、高摺動性で耐摩耗性に優れたポリアセタールやポリカーボネート等の合成樹脂材料で形成されている。また、耐摩耗性を更に高めるために、上記の合成樹脂材料にガラス繊維やカーボン繊維等を含有させるようにしてもよい。
軸受け部材110には、長手方向(図4の上下方向)に沿って所定の間隔で配置された2つの軸受け孔112、114が形成されている。一方の軸受け孔112には、帯電ロール14のシャフト14A端部に設けられた支持部14aが回転自在に挿通され、他方の軸受け孔114には、スポンジ部材100のシャフト100A端部に設けられた支持部100aが回転自在に挿通されている。
この一対の軸受け部材110に、シャフト14Aの両端の支持部14aが軸支された帯電ロール14と、シャフト100Aの両端の支持部100aが軸支されたスポンジ部材100とは、前述したように、スポンジ部材100が帯電ロール14に所定の食い込み量でニップし、スポンジ層100Bが帯電ロール14の周面に沿って弾性変形しニップ部101を形成した状態で(図2参照)、図4(B)に示す軸間距離L1が一定とされ、圧接方向の相対距離が一定に保たれている。さらに、圧接方向と直交する方向(接触部(ニップ部101)の略接線方向)の位置関係も一定とされて、相対位置が一定に保たれており、これによって接触幅(ニップ幅)が一定とされている。
図3に示すように、フレーム120は、本体部122における帯電ロール14及びスポンジ部材100の軸方向に沿った両端部(図3の左右の側端部)に、上記の一対の軸受け部材110が取り付けられる一対の取付部124が一体的に設けられている。
取付部124には、取付部124の延出方向に沿ったガイド溝126が形成されている。軸受け部材110は、このガイド溝126にはめ入れられてその先端側に配置されており、ガイド溝126にガイドされて取付部124の延出方向(感光体ドラム12に対し接離する方向)に沿って摺動可能とされている。
一対の取付部124の外側面側は厚肉とされて先端側が延出されており、その先端部に、感光体ドラム12を軸支する一対の軸受け部132が設けられている。この一対の軸受け部132には、軸受け孔134が同軸的に形成されており、感光体ドラム12は、シャフト12Aの端部に設けられた支持部12aが各軸受け孔134に回転自在に挿通されて、帯電ロール14及びスポンジ部材100とともにフレーム120に組み付けられている。
また、ガイド溝126内の基端側には、軸受け部材110を感光体ドラム12側へ付勢する圧縮コイルばね128が設けられている。この圧縮コイルばね128のばね力で、軸受け部材110が感光体ドラム12側へ付勢され(矢印8の方向)、帯電ロール14は感光体ドラム12に圧接している。これにより、感光体ドラム12が回転すると、感光体ドラム12の回転に伴って帯電ロール14が従動回転し感光体ドラム12を帯電させ、さらに帯電ロール14の回転に伴ってスポンジ部材100が従動回転し帯電ロール14をクリーニングする。
以上説明したように、本実施形態では、帯電ロール14とスポンジ部材100を軸受け部材110で支持し、圧接方向での相対距離を一定に保つことにより、硬度のばらつきや経時での硬度上昇により接触圧が変化しても、接触幅の変動や縮小が抑えられ、スポンジ部材100のスポンジ層100B(発泡体)でクリーニングに必要なセル数が確保できるようになり、クリーニング性能が安定する。したがって、スポンジ部材100により帯電ロール14を良好にクリーニングすることができる。
また、帯電ロール14及び軸受け部材110を共通の軸受け部材110で支持していることにより、例えばそれらを別部材で個別に支持するような構成に比べ、支持構造や電圧を印加するための給電構造を簡素化することができる。
また、例えば弾性体からなるパット部材を帯電ロールに押し当てるような固定接触式のクリーニング部材等の場合、帯電ロールとの接触部で汚れの蓄積や目詰まりによる硬度上昇が起こりやすくなるが、本実施形態のように、帯電ロール14に従動回転するロール状に構成した回転接触式のスポンジ部材100であれば、そのような硬度上昇が起こらないため、安定したクリーニング性能を維持することができる。また、スポンジ部材100を回転体とすることにより、帯電ロール14の表面にかかる摩擦力が、上記のような弾性体のパット部材等を押し当てる構成に比べて小さくなるため、帯電ロール14の従動回転不良が起こりにくくなる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図5(A)、(B)に示すように、本実施形態では、帯電ロール14をクリーニングするスポンジ部材(クリーニング部材)140が、帯電ロール14の軸方向に沿って延出されたバー状の基板140Aと、基板140Aの片面に形成されたパッド状のスポンジ層(弾性体)140Bとで構成されている。
このスポンジ部材140は、第1の実施形態のスポンジ部材100と同様に、基板140Aの両端部に設けられた支持部140aが、単一構成の軸受け部材150に形成された矩形状の支持孔152にそれぞれ挿通されて、帯電ロール14とともに一対の軸受け部材150により支持されている。
そして第1の実施形態と同様に、スポンジ部材140が帯電ロール14に所定の食い込み量でニップして、スポンジ層140Bが帯電ロール14の周面に沿って弾性変形しニップ部141を形成しており、その圧接状態で、図5(B)に示す圧接方向の相対距離L2が一定に保たれ、接触幅(ニップ幅)が一定とされている。さらに、圧接方向と直交する方向(接触部(ニップ部141)の略接線方向)の位置関係も一定とされて、相対位置が一定に保たれている。
これにより、感光体ドラム12の回転に伴って帯電ロール14が従動回転すると、ロール表面がスポンジ部材140のスポンジ層140Bに摺接されてクリーニングされる。
以上説明したように、本実施形態のような固定接触式のクリーニング部材(スポンジ部材140)においても、スポンジ部材140を帯電ロール14と共に軸受け部材150で支持し、圧接方向での相対距離を一定に保つことにより、硬度のばらつきや経時での硬度上昇による接触幅の変動や縮小が抑えられ、スポンジ層140Bでクリーニングに必要なセル数が確保できるようになってクリーニング性能が安定し、帯電ロール14を良好にクリーニングすることができる。またこのように、帯電ロール14をクリーニングするスポンジ部材140に、回転する帯電ロール14に摺接するパッド状のスポンジ層140Bを設けていることにより、簡素且つ安価の構成で帯電ロール14を良好にクリーニングすることができる。
また、第1の実施形態と同様に、帯電ロール14及び軸受け部材150を共通の軸受け部材150で支持していることで、支持構造及び給電構造を簡素化することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態は、第1の実施形態で説明した軸受け部材110における軸受け部の形状を変更したものであり、図6(A)〜(C)に本実施形態に係る3種類の変形例を示す。
まず、図6(A)に示した軸受け部材160Aでは、帯電ロール14を支持するための軸受け部として、開口形状が逆さU字状とされた軸受け孔162が形成されている。この軸受け孔162は、半円周面状とされた上部の内周面部162Aの内径がシャフト14A(支持部14a)の軸径とほぼ同じにされており、スポンジ部材100側となる下部が下方へ向けて開口され、内周面部162Aに当接支持される帯電ロール14のシャフト14Aの支持部14aとの間に隙間が設けられるよう形成されている。これにより、この軸受け孔162は支持部140aに対して、帯電ロール14とスポンジ部材100が対向する方向に自由度を与える形状とされている。
そして、軸受け部材160Aの軸受け孔162(内周面部162A)にシャフト14Aの支持部14aが支持された帯電ロール14と、軸受け孔114にシャフト100Aの支持部100aが支持されたスポンジ部材100とは、第1の実施形態と同じく、スポンジ部材100が帯電ロール14に圧接しニップ部101を形成した状態で、圧接方向と一致する対向方向の相対距離L3が一定に保たれ、接触幅が一定とされている。
図6(B)に示した軸受け部材160Bでは、スポンジ部材100を支持するための軸受け部として、開口形状がU字状とされた軸受け孔164が形成されている。この軸受け孔164は、半円周面状とされた下部の内周面部164Aの内径がシャフト100A(支持部100a)の軸径とほぼ同じにされており、帯電ロール14側となる上部が上方へ向けて開口され、内周面部164Aに当接支持されるスポンジ部材100のシャフト100Aの支持部100aとの間に隙間が設けられるよう形成されている。これにより、この軸受け孔164は支持部100aに対して帯電ロール14とスポンジ部材100が対向する方向に自由度を与える形状とされている。
そしてこの場合も、軸受け部材160Bの軸受け孔112にシャフト14Aの支持部14aが支持された帯電ロール14と、軸受け孔164(内周面部164A)にシャフト100Aの支持部100aが支持されたスポンジ部材100とは、スポンジ部材100が帯電ロール14に圧接しニップ部101を形成した状態で、圧接方向と一致する対向方向の相対距離L4が一定に保たれ、接触幅が一定とされている。
また、図6(C)に示した軸受け部材160Cは、上記の軸受け孔162、164を備えたものであり、この例では、軸受け孔162の内周面部162Aに当接支持された帯電ロール14の支持部14aと、軸受け孔164の内周面部164Aに当接支持されたスポンジ部材100の支持部100aとが、共に帯電ロール14とスポンジ部材100の対向方向に自由度を持つ構成とされている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図7(A)に示すように、帯電ロール14を支持するために軸受け部材111に形成した軸受け孔113の内径が、シャフト14A(支持部14a)とほぼ同径とされている場合には、帯電ロール14とスポンジ部材100の間でアライメントの精度誤差や経時変化が生じた場合、あるいは、圧接力により帯電ロール14に撓みが生じた場合に、図7(B)に示すように、帯電ロール14のシャフト14Aの支持部14aが軸受け孔113との間にかじりを起こしたり、軸受け孔115を変形させたりして、強く接触するようになる。そのため、回転抵抗が増加して感光体ドラム12に対する帯電ロール14の従動性が悪くなり、帯電性能が低下してしまうことになる。
また、スポンジ部材100側についても同様に、スポンジ部材100を支持する軸受け孔115の内径が、シャフト100A(支持部100a)とほぼ同径とされている場合には、アライメント不良や圧接力の影響によりスポンジ部材100が撓んだ場合に、支持部100aと軸受け孔115と間の接触圧が高まって回転抵抗が増加し、帯電ロール14に対するスポンジ部材100の従動性が悪化してクリーニング性が低下してしまうことになる。
これに対し、図6(A)に示した軸受け部材160Aでは、アライメント不良や圧接力の影響で帯電ロール14に撓みが生じても、帯電ロール14とスポンジ部材100の接触幅がほぼ一定に保たれたまま、シャフト14Aの支持部14aが軸受け孔162に支持された状態で、帯電ロール14とスポンジ部材100の対向方向に変位及び変形することで、接触圧の上昇による回転抵抗の増加が抑えられる。これにより、感光体ドラム12に対する帯電ロール14の従動不良が防止されて帯電性能の低下が抑えられ、且つ、スポンジ部材100による帯電ロール14の良好なクリーニング性能を維持することができる。
また、図6(B)に示した軸受け部材160Bでは、アライメント不良や圧接力の影響でスポンジ部材100に撓みが生じても、帯電ロール14とスポンジ部材100の接触幅がほぼ一定に保たれたまま、シャフト100Aの支持部100aが軸受け孔162に支持された状態で、帯電ロール14とスポンジ部材100の対向方向に変位及び変形することで、接触圧の上昇による回転抵抗の増加が抑えられる。これにより、帯電ロール14に対するスポンジ部材100の従動不良が防止されて、良好なクリーニング性能を安定して維持することができる。
また、図6(C)に示した軸受け部材160Cであれば、図7(C)に示すように、帯電ロール14及びスポンジ部材100に撓みが生じても、帯電ロール14とスポンジ部材100の接触幅をほぼ一定に保持した状態でそれぞれの従動性の悪化を防止することができ、したがって、スポンジ部材100による帯電ロール14の良好なクリーニング性能を維持しつつ、帯電ロール14による感光体ドラム12の帯電性能の低下を防止できる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態も、上述した第3の実施形態と同様に、第1の実施形態で説明した軸受け部材110における軸受け部の形状を変更したものであり、図8(A)〜(C)に本実施形態に係る3種類の変形例を示す。
まず、図8(A)に示した軸受け部材170Aでは、帯電ロール14を支持するための軸受け部として、軸受け部材170Aの上端面を開口した断面U字状の軸受け溝172が形成されている。この軸受け溝172は、半円周面状とされた下部の内周面部172Aの内径がシャフト14A(支持部14a)の軸径とほぼ同じにされており、感光体ドラム12側となる上部が開放されていることで、帯電ロール14のシャフト14Aの支持部14aを内周面部162Aで当接支持した際に、その支持部14aに対して感光体ドラム12への圧接方向に自由度を与える形状とされている。
これにより、本変形例では、帯電ロール14とスポンジ部材140を支持した軸受け部材170Aが圧縮コイルばね128により感光体ドラム12側へ付勢されると、帯電ロール14は感光体ドラム12に圧接しつつシャフト14Aの支持部14aが軸受け溝172の内周面部172Aに当接支持されて所定の位置に配置され、軸受け孔114にシャフト100Aの支持部100aが支持されたスポンジ部材100は、スポンジ層100Bを帯電ロール14に圧接させてニップ部101が形成される。そして、帯電ロール14とスポンジ部材100はその圧接状態で、圧接方向(対向方向)の相対距離L6が一定に保たれ、接触幅が一定とされている。
図8(B)に示した軸受け部材170Bは、図6(B)に示した軸受け部材160Bと実質的に同じ構成であり、スポンジ部材100を支持するための軸受け部として、軸受け部材160Bの軸受け孔164と同形状の軸受け孔174が形成されている。そしてこの変形例では、軸受け孔174は支持部100aに対して帯電ロール14への圧接方向に自由度を与える形状とされている。
そしてこの場合も、軸受け部材170Bの軸受け孔112にシャフト14Aの支持部14aが支持された帯電ロール14と、軸受け孔174(内周面部174A)にシャフト100Aの支持部100aが支持されたスポンジ部材100とは、スポンジ部材100が帯電ロール14に圧接しニップ部101を形成した状態で、圧接方向の相対距離L7が一定に保たれ、接触幅が一定とされている。
また、図8(C)に示した軸受け部材170Cは、上記の軸受け溝172と軸受け孔174を備えたものであり、この例では、感光体ドラム12に帯電ロール14が圧接されることで軸受け溝172の内周面部172Aに当接支持された支持部14aが、感光体ドラム12への圧接方向に自由度を持ち、軸受け孔174の内周面部174Aに当接支持されたスポンジ部材100の支持部100aが、帯電ロール14への圧接方向に自由度を持つ構成とされている。
このように、本実施形態の3種類の軸受け部材170A、170B、170Cの場合も、すなわち、帯電ロール14の軸受け部及びスポンジ部材100の軸受け部の少なくとも一方を支持部14a、100aに対して上記の自由度を与える形状(軸受け溝172、軸受け孔174)とする場合でも、第3の実施形態と同様に、帯電ロール14とスポンジ部材100の間でのアライメント不良や、圧接力による撓みに対し、支持部14aと軸受け溝172、支持部100aと軸受け孔174の間での接触圧の上昇が抑えられるため、帯電ロール14に対する良好なクリーニング性能の維持と、感光体ドラム12に対する良好な帯電性能を得ることができる。
なお、第2の実施形態で説明したスポンジ部材140についても、第3及び第4の実施形態と同様に、基板140Aの支持部140aに対して、帯電ロール14とスポンジ部材140の対向方向に自由度を与える形状、又は、帯電ロール14への圧接方向に自由度を与える形状の支持孔によって支持することにより、同様の効果が得られる。
また、特にこのような固定接触式のクリーニング部材では、帯電ロールとの接触部で経時の汚れの蓄積や目詰まりによる硬度上昇が起こりやすくなるため、回転接触式に比べて、帯電ロール14がクリーニング部材から受ける負荷(回転抵抗)が大きくなり、従動回転不良を起こしやすくなる。
これに対し、上記の構成とした場合には、スポンジ部材140に撓みが生じても、基板140Aの支持部140aが軸受け部材の支持孔に支持された状態で、対向方向や圧接方向に自由に変形(変位)できるため撓みやすくなり、さらに経時での汚れ蓄積によりスポンジ層140Bの硬度が上昇し、それに伴い撓み量が増えて支持部140aの変形量(変位量)が増加しても、その増加分を吸収できるようになる。このように、スポンジ部材140を支持して帯電ロール14に圧接させつつ軸方向の変形性が良好となることにより、帯電ロール14がスポンジ部材140から受ける負荷(回転抵抗)の増加が抑えられ、長期にわたり安定した回転性を維持できるようになる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
第5の実施形態は、上述した第4の実施形態における軸受け部材170Aや軸受け部材170C等のように、帯電ロール14のシャフト14Aの支持部14aを支持する軸受け部が、支持部14aに対して感光体ドラム12への圧接方向に自由度を与える軸受け溝172等のような形状とされている場合の圧接力の設定条件に関するものである。
例えば、軸受け部材170Cを用いた構成で説明すると、図9(A)、(B)に示すように、帯電ロール14に対するスポンジ部材100の圧接力をf、感光体ドラム12に対する帯電ロール14の圧接力をFとしたときに、f<Fを満足するよう各圧接力を設定する。なお、図では圧接力f及び圧接力Fの大きさ各矢印の大きさで模式的に示している。
本実施形態のクリーニング部材のように、ポリウレタン等のスポンジ層100Bを用いたスポンジ部材100の場合、圧接力fは、使用するスポンジの圧縮硬さ(物性)、(帯電ロール14の半径寸法+スポンジ部材100の半径寸法)−帯電ロール14とスポンジ部材100の軸間距離(相対距離)によって求められるスポンジのへこみ量(食い込み量)等に依存し、スポンジの圧縮硬さのバラツキ、使用する環境によるスポンジの圧縮硬さの上昇、通常の使用下では、経時によりスポンジの硬度が上昇して初期状態よりも圧接力が大きくなるため、その増加分を含む最大の圧接力を用いる。
また、本実施形態のように、帯電ロール14及びスポンジ部材100を支持した一対の軸受け部材170Cを2本の圧縮コイルばね128で上方に付勢するような構成の場合、圧接力Fは、帯電ロール14、スポンジ部材100、及び軸受け部材170Cの各重量、圧縮コイルばね128のばね力、軸受け部材170Cの摩擦抵抗力等の依存し、(圧縮コイルばね128のばね力×2)−(帯電ロール14の重量+スポンジ部材100の重量+軸受け部材170Cの重量×2)−(軸受け部材170Cの摩擦抵抗力×2)によってほぼ求められる。
ここで、例えば、帯電ロール14に対するスポンジ部材100の圧接力fよりも、感光体ドラム12に対する帯電ロール14の圧接力Fの方が小さくされていると(f>F)、スポンジ部材100の硬度や外径のばらつきによる圧力変動が生じた場合に、図9(C)、(D)に示すように、軸受け部材170Cが帯電ロール14を支持しつつ感光体ドラム12に圧接させた状態のまま、その帯電ロール14の圧接方向とは反対方向(図の下方)に圧縮コイルばね128のばね力に抗して移動してしまい、軸受け溝172の内周面部172Aが帯電ロール14のシャフト14Aの支持部14aから離間してしまう。言い換えれば、支持部14aが軸受け溝172の内周面部172Aから浮き上がった状態となってしまう。そのため、支持部14aと軸受け溝172の接触不良による給電不良や、帯電ロール14とスポンジ部材100の接触幅の変動によるクリーニング不良が発生してしまうことになる。
これに対し、本実施形態のように、帯電ロール14に対するスポンジ部材100の圧接力fよりも、感光体ドラム12に対する帯電ロール14の圧接力Fの方が大きく設定されていれば、支持部14aが軸受け溝172の内周面部172Aから浮き上がることはなく確実に接触するため、安定した給電状態とクリーニング性能が得られるようになる。
以上、本発明を上述した第1〜第5の実施形態により詳細に説明したが、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の形態が実施可能である。
例えば、上述の実施形態では、感光体ドラム12の下方部に帯電ロール14を接触させ、その帯電ロール14の下方部にスポンジ部材100、140を接触させる構成としているが、感光体ドラム12、帯電ロール14、及びスポンジ部材100、140の位置関係はこれに限定されるものではない。例えば、感光体ドラムの上方部に帯電ロールを接触させ、その帯電ロールの上方部にスポンジ部材を接触させる構成等にも本発明を適用することができる。
また、本発明を適用する画像形成装置については、上述の実施形態のように、回転式現像器18を用いて感光体ドラム12へのトナー像の形成を4回繰り返して行う4サイクル方式の構成に限定されるものではない。例えば、中間転写ベルトの移動方向に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成ユニットを並設する構成であっても、各画像形成ユニットの感光体ドラム、帯電ロール、及びスポンジ部材に本発明を適用することができる。