JP2007105633A - 排ガス浄化触媒 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温環境下での耐久性に優れた排ガス浄化触媒を提供する。
【解決手段】酸化物から形成される担体2と、担体2に担持された、平均粒径1nm以上50nm以下の多数の酸化パラジウム(PdO)粒子3と、酸化パラジウム(PdO)粒子3と接触して担体2に担持された、平均粒径1nm以上50nm以下の多数の希土類酸化物(LnOx)粒子4と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】酸化物から形成される担体2と、担体2に担持された、平均粒径1nm以上50nm以下の多数の酸化パラジウム(PdO)粒子3と、酸化パラジウム(PdO)粒子3と接触して担体2に担持された、平均粒径1nm以上50nm以下の多数の希土類酸化物(LnOx)粒子4と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車用エンジンに代表される内燃機関から排出される炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)などを含む排ガスを浄化する排ガス浄化触媒に関する。
自動車に代表される内燃機関から排出される排ガス中には、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)などの有害なガスが含まれており、排ガス中に含まれる三成分の有害なガスを同時に浄化できる三元触媒が使用されている。三元触媒は、多孔質体である担体(例えば、アルミナ(γ−Al2O3))に貴金属粒子(例えば、Pt、Rh、Pd)を担持したものを、さらに基材(コージェライト製のハニカム等)上にコーティングして形成される。
三元触媒などの触媒の活性は、担体に担持された貴金属粒子の表面積にほぼ比例するため、担体に微粒の貴金属粒子を均一に分散させて、貴金属粒子の表面積を大きくすることにより触媒の活性を高めている。しかし、貴金属粒子は微粒になりすぎると、その表面エネルギの増大に伴い凝集し易くなり、触媒の活性が低下する恐れを有していた。貴金属粒子の凝集が生じる要因として、このように貴金属粒子自身が移動して凝集することの他にも、担体の収縮に伴って貴金属粒子の凝集が生じるものもある。
近年、ガソリンエンジンの高出力化、高速走行の増加などを背景に、自動車から排気される排ガスが高温となる傾向があり、また、エンジンスタート時の排ガスの浄化温度までの昇温を速やかに行うために、触媒は、エンジン直下に配置されるため、三元触媒などの排ガス浄化触媒は、高温環境下に晒される傾向を有していた。このため、貴金属粒子の移動と担体の収縮とに伴い、貴金属粒子が凝集し易い傾向を有していた。
そこで、高温環境下での耐熱性を向上させた排ガス浄化触媒の開発が進められている。貴金属として、例えば、Pt、Rh、Pdが使用されているが、特に、Pdは、低温での炭化水素(HC)の酸化に優れているものの、耐熱性に劣ることが判明している。
そこで、一般式ABO3で表されるペロブスカイト型構造の複合酸化物から担体を形成し、この複合酸化物に貴金属(Pd)を含浸担持させて、耐熱性を向上させた排ガス浄化触媒が開示されている(特許文献1参照)。また、ペロブスカイト型構造の複合酸化物の組成にPdを含めて担体を構成し、耐熱性を向上させた排ガス浄化触媒も知られている。
特開2005−66559号公報
しかしながら、上述した排ガス浄化触媒においても、実際に排ガスを浄化すると耐熱性が不十分であり、熱に伴う貴金属粒子の粒成長が生じて貴金属粒子の表面積が低下し、この結果、触媒の活性が低下する恐れを有していた。
このような現象が生じる原因として、800℃以上の高温度域においてはPdOの分解によってPdがメタル化して、急速にPd粒子が凝集してしまい、Pd粒子の表面積の低下に伴いPdの活性が低下することが挙げられる。
また、Pd粒子の凝集は、特に還元雰囲気下において生じ易いが、870℃以上の高温度域になると、排ガス浄化触媒が晒される酸化雰囲気あるいは還元雰囲気によらず、Pdのメタル化が起こり、Pd粒子の凝集が生じ易くなる恐れがあるからである。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、すなわち、本発明の排ガス浄化触媒は、酸化物から形成される担体と、担体に担持された、平均粒径1nm以上50nm以下の多数の酸化パラジウム(PdO)粒子と、酸化パラジウム(PdO)粒子と接触して担体に担持された、平均粒径1nm以上50nm以下の多数の希土類酸化物(LnOx)粒子と、を有することを要旨とする。
本発明の排ガス浄化触媒によれば、PdOの分解によりPdが析出される温度を高温度域とすることにより、高温耐久後のPd粒子の粒成長が抑制されて、触媒の活性低下を防ぐことができる。
以下、添付図面を参照し、本発明の実施の形態に係る排ガス浄化触媒を説明する。
本発明の実施の形態に係る排ガス浄化触媒の断面図を図1に示す。排ガス浄化触媒1は、酸化物から形成される担体2に、平均粒径1nm以上50nm以下の酸化パラジウム(PdO)粒子3と、平均粒径1nm以上50nm以下の希土類酸化物(LnOx)粒子4と、がそれぞれ多数担持されており、酸化パラジウム(PdO)粒子3と希土類酸化物(LnOx)粒子4とは互いに接触して配置される。なお、ここでは図示しないが、担体2に助触媒粒子を担持させても良い。
貴金属としてPdを用いた触媒の場合には、PdOからPdへと脱酸素によるメタル化が起こり、これに起因してPd粒子が凝集し、Pd粒子の表面積の低下に伴い触媒の活性が低下してしまう。このため、担体上に、PdO粒子とLnOx粒子(Lnは希土類元素である)とを共存させることにより、PdOからPdの析出温度を高温側にシフトさせることが可能である。従って、本発明において、PdO粒子と酸化パラジウム(PdO)粒子3及び希土類酸化物(LnOx)粒子4のそれぞれの平均粒径を1nm以上50nm以下と規定することにより、Pdの析出温度をさらに高温側とすることができ、三元触媒の使用温度域におけるPdメタル化を抑制し、触媒活性の高い排ガス浄化触媒を得ることができる。
さらに、上述した酸化パラジウム粒子3の平均粒径と、希土類酸化物粒子4の平均粒径とは、1nm以上20nm以下とすることが好ましい。
また、上記排ガス浄化触媒1において、希土類酸化物粒子4は、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ce及びPrの中から選択される少なくとも一種の元素を含む酸化物から形成されることが好ましい。
担体2は、Al2O3、ZrO2、SiO2、TiO2及びCeO2の中から選択される少なくとも一種の酸化物又は二種以上の複合酸化物から形成されることが好ましい。
助触媒粒子は、Mn、Fe、Co及びNiの中から選択される一種の元素、又は、二種以上の複合物(合金、混合粒)から形成することが好ましい。製造する触媒の機能、用途に応じて、任意に選択すると良い。
また、上記排ガス浄化触媒1において、担体2に担持される酸化パラジウム(PdO)粒子3と希土類酸化物粒子(LnOx)4とは、以下に示すモル比とすることが好ましい。
具体的には、酸化パラジウム(PdO)と前記希土類酸化物(LnOx)とのモル比が1:1であるか、又はこのモル比よりもLnOxの割合が高いことが好ましく、また、モル比が1:2であるか、又はこのモル比よりもLnOxの割合が高いことが好ましい。さらに、酸化パラジウム(PdO)と希土類酸化物(LnOx)とのモル比は1:4であるか、又はこのモル比よりもLnOxの割合が高いことが好ましく、また、このモル比は、1:10であるか、又はこのモル比よりもLnOxの割合が高いことがより好ましい。このように希土類酸化物(LnOx)の存在する割合をより高くすることにより、PdOからPdの析出温度を高温度域にシフトさせることが可能となる。特に、酸化パラジウム(PdO)と希土類酸化物(LnOx)とのモル比を1:10とし、希土類酸化物のモル比をより高くして触媒を形成して調べると、XRDの回折ピークではPd、PdOが検出されず、担体にPdとPdOとが高分散の状態として担持された触媒とすることができる。この結果、触媒の活性サイトが多くなり、触媒の活性低下を防ぐことができる。
なお、図1に示す構成の排ガス浄化触媒1に限定されるものではなく、図2に示す排ガス浄化触媒6の構成としても良い。図1及び図2に示す触媒と同一箇所に関しては、同一符号を用いてその説明を省略する。排ガス浄化触媒6は、担体2に、パラジウムと希土類酸化物との複合化合物から形成される複合粒子7を担持して形成されたものである。ここでは、図1に示した酸化パラジウム(PdO)粒子3と希土類酸化物(LnOx)粒子4とが複合化して形成された複合粒子7としたが、完全に複合化したものに限らず、酸化パラジウム(PdO)粒子3と希土類酸化物(LnOx)粒子4とが接触した一部に、パラジウムと希土類元素との複合化合物が形成されたものであっても良い。なお、このパラジウムと希土類元素とを含む複合化合物LnxPdyOzの(x、y、zは任意)を満たす組成式とすることが好ましい。例えば、複合酸化物LnxPdyOzとして、Ln2PdO4、Ln2Pd2O5、Ln4PdO7などを挙げることができる。この場合においても、複合粒子7は触媒活性種として機能するため、触媒の高活性化を図るために、複合粒子7の平均粒径は、1nm以上50nm以下とすることが好ましく、さらに複合粒子7の平均粒径は1nm以上20nm以下とすることが好ましい。このようにPdOとLnOxとの混合物、あるいは両者の複合酸化物は、担体と比較して微粒子であるため、担体上に複合粒子を分散させて担持することにより、触媒の活性を高めることができる。
さらに、前述した本発明の実施の形態に係る排ガス浄化触媒1、6は、前述した触媒を含む触媒スラリとして、触媒スラリを耐火性の無機基材(例えば、コーディエライト製のハニカム)上にコーティングして、触媒層を有する排ガス浄化触媒として実際に使用されることが好ましい。これにより自動車に代表される内燃機関から排出される排ガスを浄化する排ガス浄化触媒として使用することが可能となる。
以下、さらに実施例を用いて具体的に説明する。なお、本発明の実施の形態に係る排ガス浄化触媒は、例示した実施例に限定されないことはもちろんである。
実施例1
水500g中に、Nd(NO3)3・6H2O 6.181gと、硝酸Pd溶液(Pd:20.764wt%)7.22gと、γ-Al2O3 47.8gと、を投入し、1時間攪拌して水溶液とした。この水溶液を150℃の恒温槽中に入れて一昼夜放置した後、水溶液中の水分を蒸発させて乾燥粉末とした。得られた乾燥粉末を400℃で1時間焼成して、Al2O3から形成される担体にPdO粒子とNd2O3粒子とが担持された触媒を得た。
水500g中に、Nd(NO3)3・6H2O 6.181gと、硝酸Pd溶液(Pd:20.764wt%)7.22gと、γ-Al2O3 47.8gと、を投入し、1時間攪拌して水溶液とした。この水溶液を150℃の恒温槽中に入れて一昼夜放置した後、水溶液中の水分を蒸発させて乾燥粉末とした。得られた乾燥粉末を400℃で1時間焼成して、Al2O3から形成される担体にPdO粒子とNd2O3粒子とが担持された触媒を得た。
実施例2
水500g中に、Nd(NO3)3・6H2O 12.361gと、硝酸Pd溶液(Pd:20.764wt%)7.22gと、γ-Al2O3 43.53gと、を投入し、1時間攪拌して水溶液とした。この水溶液を実施例1と同様の方法を用いて、乾燥、焼成し、Al2O3から形成される担体にPdO粒子とNd2O3粒子とが担持された触媒を得た。
水500g中に、Nd(NO3)3・6H2O 12.361gと、硝酸Pd溶液(Pd:20.764wt%)7.22gと、γ-Al2O3 43.53gと、を投入し、1時間攪拌して水溶液とした。この水溶液を実施例1と同様の方法を用いて、乾燥、焼成し、Al2O3から形成される担体にPdO粒子とNd2O3粒子とが担持された触媒を得た。
実施例3
水500g中に、Nd(NO3)3・6H2O 24.722gと、硝酸Pd溶液(Pd:20.764wt%)7.22gと、γ-Al2O3 38.79gと、を投入し、1時間攪拌して水溶液とした。この水溶液を実施例1と同様の方法を用いて、乾燥、焼成し、Al2O3から形成される担体にPdO粒子とNd2O3粒子とが担持された触媒を得た。
水500g中に、Nd(NO3)3・6H2O 24.722gと、硝酸Pd溶液(Pd:20.764wt%)7.22gと、γ-Al2O3 38.79gと、を投入し、1時間攪拌して水溶液とした。この水溶液を実施例1と同様の方法を用いて、乾燥、焼成し、Al2O3から形成される担体にPdO粒子とNd2O3粒子とが担持された触媒を得た。
実施例4
水500g中に、Nd(NO3)3・6H2O 61.806gと、硝酸Pd溶液(Pd:20.764wt%)7.22gと、γ-Al2O3 24.55gと、を投入し、1時間攪拌して水溶液とした。この水溶液を実施例1と同様の方法を用いて、乾燥、焼成し、Al2O3から形成される担体にPdO粒子とNd2O3粒子とが担持された触媒を得た。
水500g中に、Nd(NO3)3・6H2O 61.806gと、硝酸Pd溶液(Pd:20.764wt%)7.22gと、γ-Al2O3 24.55gと、を投入し、1時間攪拌して水溶液とした。この水溶液を実施例1と同様の方法を用いて、乾燥、焼成し、Al2O3から形成される担体にPdO粒子とNd2O3粒子とが担持された触媒を得た。
実施例5
水500g中に、Sm(NO3)3・6H2O 6.267gと、硝酸Pd溶液(Pd:20.764wt%)7.22gと、γ-Al2O3 45.82gと、を投入し、1時間攪拌して水溶液とした。この水溶液を実施例1と同様の方法を用いて、乾燥、焼成し、Al2O3から形成される担体にPdO粒子とSm2O3粒子とが担持された触媒を得た。
水500g中に、Sm(NO3)3・6H2O 6.267gと、硝酸Pd溶液(Pd:20.764wt%)7.22gと、γ-Al2O3 45.82gと、を投入し、1時間攪拌して水溶液とした。この水溶液を実施例1と同様の方法を用いて、乾燥、焼成し、Al2O3から形成される担体にPdO粒子とSm2O3粒子とが担持された触媒を得た。
実施例6
水500g中に、Sm(NO3)3・6H2O 12.534gと、硝酸Pd溶液(Pd:20.764wt%)7.22gと、γ-Al2O3 43.36gと、を投入し、1時間攪拌して水溶液とした。この水溶液を実施例1と同様の方法を用いて、乾燥、焼成し、Al2O3から形成される担体にPdO粒子とSm2O3粒子とが担持された触媒を得た。
水500g中に、Sm(NO3)3・6H2O 12.534gと、硝酸Pd溶液(Pd:20.764wt%)7.22gと、γ-Al2O3 43.36gと、を投入し、1時間攪拌して水溶液とした。この水溶液を実施例1と同様の方法を用いて、乾燥、焼成し、Al2O3から形成される担体にPdO粒子とSm2O3粒子とが担持された触媒を得た。
実施例7
水500g中に、Sm(NO3)3・6H2O 25.068gと、硝酸Pd溶液(Pd:20.764wt%)7.22gと、γ-Al2O3 37.94gと、を投入し、1時間攪拌して水溶液とした。この水溶液を実施例1と同様の方法を用いて、乾燥、焼成し、Al2O3から形成される担体にPdO粒子とSm2O3粒子とが担持された触媒を得た。
水500g中に、Sm(NO3)3・6H2O 25.068gと、硝酸Pd溶液(Pd:20.764wt%)7.22gと、γ-Al2O3 37.94gと、を投入し、1時間攪拌して水溶液とした。この水溶液を実施例1と同様の方法を用いて、乾燥、焼成し、Al2O3から形成される担体にPdO粒子とSm2O3粒子とが担持された触媒を得た。
実施例8
水500g中に、Sm(NO3)3・6H2O 62.669gと、硝酸Pd溶液(Pd:20.764wt%)7.22gと、γ-Al2O3 23.19gと、を投入し、1時間攪拌して水溶液とした。この水溶液を実施例1と同様の方法を用いて、乾燥、焼成し、Al2O3から形成される担体にPdO粒子とSm2O3粒子とが担持された触媒を得た。
水500g中に、Sm(NO3)3・6H2O 62.669gと、硝酸Pd溶液(Pd:20.764wt%)7.22gと、γ-Al2O3 23.19gと、を投入し、1時間攪拌して水溶液とした。この水溶液を実施例1と同様の方法を用いて、乾燥、焼成し、Al2O3から形成される担体にPdO粒子とSm2O3粒子とが担持された触媒を得た。
比較例1
水500g中に、硝酸Pd溶液(Pd:20.764wt%)7.22gと、γ-Al2O3 48.27gと、を投入し、1時間攪拌して水溶液とした。この水溶液を実施例1と同様の方法を用いて、乾燥、焼成し、Al2O3から形成される担体にPdO粒子が担持された触媒を得た。
水500g中に、硝酸Pd溶液(Pd:20.764wt%)7.22gと、γ-Al2O3 48.27gと、を投入し、1時間攪拌して水溶液とした。この水溶液を実施例1と同様の方法を用いて、乾燥、焼成し、Al2O3から形成される担体にPdO粒子が担持された触媒を得た。
比較例2
水500g中に、酸化ネオジム粉末(平均粒径7μm)23.722g硝酸Pd溶液(Pd:20.764wt%)7.22gと、γ-Al2O3 24.55gと、を投入し、1時間攪拌して水溶液とした。この水溶液を実施例1と同様の方法を用いて、乾燥、焼成し、Al2O3から形成される担体にPdO粒子とNd2O3粒子とが担持された触媒を得た。
水500g中に、酸化ネオジム粉末(平均粒径7μm)23.722g硝酸Pd溶液(Pd:20.764wt%)7.22gと、γ-Al2O3 24.55gと、を投入し、1時間攪拌して水溶液とした。この水溶液を実施例1と同様の方法を用いて、乾燥、焼成し、Al2O3から形成される担体にPdO粒子とNd2O3粒子とが担持された触媒を得た。
上記の実施例1〜実施例8及び比較例1、比較例2から得られた各触媒を900℃で3時間焼成した。
得られた焼成後の触媒を用いて、貴金属分散度、PdO粒子及び希土類酸化物粒子(LnOx)粒子の平均粒径を測定した。
貴金属分散度は、金属分散度測定装置(日本ベル株式会社製、BEL-METAL-3)を用いて、以下の手順に従って測定した。試料は、He100%ガス気流中にて、10℃/minで400℃まで昇温した後、さらに、400℃、O2100%ガス気流中にて、15分間酸化処理を行った。そして、He100%ガスにて5分間パージし、400℃、H240%/Heバランスガス気流中にて15分間還元処理を行った。次に、He100%ガス気流中にて50℃まで降温した。その後、CO10%/Heバランスガスをパルス的に流入させて、単位CO吸着量を求めた。
PdO粒子及び希土類酸化物粒子(LnOx)粒子の平均粒径は、まず、触媒をTEM観察する。TEM(透過型電子顕微鏡)は、HF-2000(日立製作所(株)社製)を使用し、加速電圧を200kVとし、切削条件を常温とした。具体的には、触媒粉末をエポキシ樹脂にて包理処理し、エポキシ樹脂が硬化した後、ウルトラミクロトームにより超薄切片を作成した。その切片を用いて、TEM観察により各種結晶粒の分散状態を調べた。得られた映像の中で、コントラスト(影)の部分に焦点を充て、金属種を限定し、その金属の粒径を測定し、測定値の平均値を算出し、PdO粒子及び希土類酸化物(LnOx)粒子の平均粒径とした。
表1に示す結果から、酸化パラジウム(PdO)粒子の平均粒径と、希土類酸化物(LnOx)粒子の平均粒径をそれぞれ1nm以上50nm以下の範囲内とした各実施例は、比較例に比べて貴金属分散度の値が高くなっていることが判明した。これに対して、比較例1は、希土類酸化物粒子が担持されておらず、また、比較例2では、酸化パラジウム(PdO)粒子と希土類酸化物(LnOx)粒子との平均粒径が50nmを超えているため、貴金属分散度が低い値となっていた。各実施例の中でも、実施例4及び8は、酸化パラジウム(PdO)粒子と希土類酸化物(LnOx)粒子とのモル比を1:10として、希土類酸化物(LnOx)粒子が存在する割合を高めたため、特に、貴金属分散度が高い値となっていた。このように貴金属分散度を高めることにより、高温環境下における触媒の活性低下を抑制できることが判明した。
1…排ガス浄化触媒,
2…担体,
3…酸化パラジウム(PdO)粒子,
4…希土類酸化物(LnOx)粒子,
6…排ガス浄化触媒,
7…複合粒子,
2…担体,
3…酸化パラジウム(PdO)粒子,
4…希土類酸化物(LnOx)粒子,
6…排ガス浄化触媒,
7…複合粒子,
Claims (10)
- 酸化物から形成される担体と、
前記担体に担持された、平均粒径1nm以上50nm以下の多数の酸化パラジウム(PdO)粒子と、
前記酸化パラジウム(PdO)粒子と接触して前記担体に担持された、平均粒径11nm以上50nm以下の多数の希土類酸化物(LnOx)粒子と、
を有することを特徴とする排ガス浄化触媒。 - 前記酸化パラジウム粒子及び前記希土類酸化物(LnOx)粒子のそれぞれの平均粒径は、1nm以上20nm以下であることを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化触媒。
- 前記希土類酸化物(LnOx)粒子は、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ce及びPrの中から選択される少なくとも一種の元素を含む酸化物から形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の排ガス浄化触媒。
- 前記酸化パラジウム(PdO)と前記希土類酸化物(LnOx)とのモル比が1:1であるか、又はこのモル比よりも希土類酸化物(LnOx)の割合が高いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒。
- 前記酸化パラジウム(PdO)と前記希土類酸化物(LnOx)とのモル比が1:2であるか、又はこのモル比よりも希土類酸化物(LnOx)の割合が高いことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒。
- 前記酸化パラジウム(PdO)と前記希土類酸化物(LnOx)とのモル比は1:4であるか、又はこのモル比よりも希土類酸化物(LnOx)の割合が高いことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒。
- 前記酸化パラジウム(PdO)と前記希土類酸化物(LnOx)とのモル比は1:10であるか、又はこのモル比よりも希土類酸化物(LnOx)の割合が高いことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒。
- 前記酸化パラジウム(PdO)粒子と前記希土類酸化物(LnOx)粒子とは、両者が接触した箇所の少なくとも一部に、パラジウムと希土類元素とを含む複合酸化物を形成していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒。
- 前記担体は、Al2O3、ZrO2、SiO2、TiO2及びCeO2の中から選択される少なくとも一種の酸化物又は二種以上の複合酸化物から形成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒。
- 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の触媒を含む触媒層を有することを特徴とする排ガス浄化触媒。
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