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JP2007101185A - 2種類以上の置換(メタ)アクリルアミド誘導体にプローブが固定されたゲル及びそれを用いたマイクロアレイ - Google Patents

2種類以上の置換(メタ)アクリルアミド誘導体にプローブが固定されたゲル及びそれを用いたマイクロアレイ Download PDF

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Abstract

【課題】高いハイブリダイゼーション効率が得られるような多孔質構造を持ち、且つ十分なゲル強度を持ったゲル及びそれを用いたマイクロアレイを提供する。
【解決手段】2種類以上の置換(メタ)アクリルアミド誘導体、架橋剤及びキャプチャープローブを含むゲル前駆体を共重合して得られるゲルを使用する。好ましくは、2種類以上の置換(メタ)アクリルアミド誘導体の内、少なくとも一つは、それを単独で重合したホモポリマーが相転移温度(LCST)を持つ置換(メタ)アクリルアミド誘導体を使用し、ゲルを形成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、2種類以上の置換(メタ)アクリルアミド誘導体にプローブが固定されたゲル及びそれを用いたマイクロアレイに関する。該マイクロアレイは、遺伝子発現解析等に使用される。
遺伝子の分析手段として、特定のプローブを使用して所望の遺伝子の変異解析及び発現解析を一括して実施できるDNAマイクロアレイが開発されている。DNAマイクロアレイとしては、例えば、2次元表面上にフォトリソグラフィーを用いてキャプチャープローブを逐次的に合成されたマイクロアレイ(特許文献1)、予め合成されたキャプチャープローブが2次元表面上にスポッティングされたマイクロアレイ(特許文献2)、樹脂板等の基板に複数の溝又は貫通孔が形成され、それらの溝又は穴の内部にDNAを含むゲルが保持されたマイクロアレイ(特許文献3)、平面基盤上にDNA等を含むゲルのスポットが配置されたマイクロアレイ(特許文献4)等が知られている。本発明者らの一部も中空繊維の中空部にゲルを保持した中空繊維配列体を作製し、該配列体の繊維軸と交叉する方向で切断することにより得られるマイクロアレイを開発している(特許文献5)。
ゲルを使用したマイクロアレイ(特許文献3〜5参照)は、2次元表面にキャプチャープローブが固定されたマイクロアレイに比べて、一区画に固定化できるプローブ量が増加する。よって、ハイブリダイゼーション効率に優れたマイクロアレイといえる。
上記ゲルマイクロアレイは、検査の対象となる試料(以下、検体)がゲルの多孔質構造中で十分に拡散し、ゲル中のキャプチャープローブと反応することにより、高いハイブリダイゼーション効率が達成できる。しかし、これまでに知られているゲルマイクロアレイでは、ゲルの多孔質構造中を検体が十分に拡散できず、ゲル表面しか検査に使用されていない場合もあった。
ゲルの多孔質構造の有効細孔径を大きくし、検体の拡散を向上させる目的で、ゲルを構成するモノマーの種類の検討、モノマー濃度の検討が行われている。例えば、特許文献6には、マイクロアレイに使用する好適なゲルとして、N,N-ジメチルアクリルアミドを2〜7質量%含むゲルを使用することにより、高いハイブリダイゼーション効率を得ることができると記載されている。また、N-イソプロピルアクリルアミドのような感温性ゲルを利用する方法も知られている(非特許文献1)。
米国特許第5405783号 米国特許第5601980号 特開2000-60554号 米国特許第6682893号 特開2000-270877号 特許第3654894号 化学工学会第69年会 I316:「DNAチップ構築のための感温性多孔質ゲルの応用」
しかし、ゲルの濃度を下げて、ゲルの多孔質構造の有効細孔径を大きくする試みは、ゲルの強度が弱くなるため、基板表面や貫通孔にゲルを配置、保持した際、基板表面や貫通孔から脱落するという問題がある。よって、このような解決手段では、検体の拡散の向上及びゲル強度を両立できるゲルを作製することは困難である。また、N-イソプロピルアクリルアミドのようなLCSTを持つホモポリマーを使用する場合、LCST以上の温度で重合した際、重合中に多孔質構造を形成し、不透明なゲルが形成される。このようなゲルは、有効細孔径は大きくなり、検体の拡散速度が速くなるが、例えば蛍光により検体を検出する際に、ゲル内部まで励起光が到達せず、ゲル全体の検体量をすべて検出することが不可能であった。よって、本発明は上記課題を解決したゲル及びそれを用いたマイクロアレイを提供することを目的とする。
本発明者らは上記問題点を解決するために鋭意検討した結果、少なくとも2種類以上の置換(メタ)アクリルアミド誘導体、架橋剤及びプローブを含むゲル前駆体を共重合して得られるゲルが、ハイブリダイゼーション時にはゲルのネットワーク構造が不均一となり、ゲルのポアサイズが拡大し、且つ検出時にはゲルのネットワークが均一に変化し、透明となることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、2種類以上の置換(メタ)アクリルアミド誘導体、架橋剤及びプローブを含むゲル前駆体を共重合して得られるゲルである。
本発明によれば、ハイブリダイゼーション時には、高いハイブリダイゼーション効率が得られるように、ゲルのネットワーク構造が不均一となりポアサイズが大きくなり、検出時にはネットワークが均一に変化し、透明となるゲル及びマイクロアレイを得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、2種類以上の置換(メタ)アクリルアミド誘導体、架橋剤及びプローブを含むゲル前駆体を共重合して得られるゲルである。
本発明において、「プローブ」とは、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、蛋白質、脂質等をいう。これらのプローブは、市販品又は生細胞等から得ることができる。例えば、生細胞からのDNAの抽出は、Blinらの方法(Nucleic Acids Res.3.2303(1976))等により、また、RNAの抽出は、Favaloroらの方法(Methods.Enzymol.65.718(1980))等により実施することができる。
また、DNAとしては、鎖状若しくは環状のプラスミドDNA又は染色体DNAが用いられる。さらには、制限酵素若しくは化学的に切断したDNA断片、試験管内で酵素等により合成されたDNA又は化学合成したオリゴヌクレオチド等を用いることもできる。
後述するように、プローブは、置換(メタ)アクリルアミド誘導体及び架橋剤との共重合反応により、ゲルの網目構造に固定される。よって、プローブには共重合反応可能な不飽和官能基が導入されている(以下、修飾プローブという)。不飽和官能基としては、(メタ)アクリルアミド基、グリシジル基等が挙げられる。不飽和官能基は、プローブの機能を損なわない限り、いずれの部位に導入されていても良い。たとえば、プローブが核酸の場合、不飽和官能基は核酸の末端、鎖中のいずれに導入されていても良い。核酸の鎖の末端に導入されていることが好ましい。修飾プローブの製造方法に関しては、WO 02/062817に記載のごとく製造することができる。
「置換(メタ)アクリルアミド誘導体」とは、一般式Iで示される化合物をいう。
Figure 2007101185
[R1及びR2は、水素原子、飽和アルキル基を示す。]
一般式Iで示される置換(メタ)アクリルアミド誘導体には、重合することにより、相転移温度(LCST)を持つポリマーと、相転移温度(LCST)を持たないポリマーとに分類できる。
置換(メタ)アクリルアミド誘導体の内、ポリマーがLCSTを持つ誘導体としては、例えば、N-エチルアクリルアミド(N-Ethylacrylamide)、N-シクロプロピルアクリルアミド(N-Cyclopropylacrylamide)、N-イソプロピルアクリルアミド(N-isopropylacrylamide、N,N-ジエチルアクリルアミド(N,N-Diethylacrylamide)、N-メチル−N-エチルアクリルアミド(N-Methyl-N-Ethylacrylamide)、N-メチル-N-イソプロピルアクリルアミド(N-Methyl-N-Isopropylacrylamide)、N-メチル-N-n-プロピルアクリルアミド(N-Methyl-N-n-propylacrylamide)等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、N-イソプロピルアクリルアミド(N-isopropylacrylamide、N,N-ジエチルアクリルアミド(N,N-Diethylacrylamide)が用いられる。
ポリマーがLCSTを持たない誘導体としては、メタクリルアミド(metacrylamide)、N−メチルアクリルアミド(N−methlylacrylamide)、N,N-ジメチルアクリルアミド(N,N-dimethylacrylamide)等が挙げられる。好ましくは、N,N-ジメチルアクリルアミド(N,N-dimethylacrylamide)が用いられる。
「架橋剤」とは、エチレン性不飽和結合を2個以上持つ多官能性単量体である。例えばN,N’-メチレンビスアクリルアミド、N,N’-ジアリル(1,2-ヒドロキシエチレン)−ビスアクリルアミド、N,N’-シスタミン−ビスアクリルアミド、N-アクリロイルトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ポリエチレングリコールジメタクリレート等である。好ましくはN,N’-メチレンビスアクリルアミドが用いられる。
次に共重合反応について説明する。
ポリマーがLCSTを持つ置換(メタ)アクリルアミド誘導体と、LCSTを持たない置換(メタ)アクリルアミド誘導体は、モノマーのモル比で2:8〜5:5の範囲とし、上述の修飾プローブ及び架橋剤と共に共重合することが好ましい。LCSTを持つ誘導体のモル比が2以下になると、感温性を示さず、ハイブリダイゼーション時にゲルのネットワークが不均一にならないため、ネットワークのポアサイズが拡大できない。
また、LCSTを持つ誘導体のモル比が5以上になると、LCST以上の温度での重合では、重合時に相分離をしながらゲルが形成、ネットワークが保持された不透明なゲルとなり、検出時に透明なゲルに変化することができない。
共重合反応の際に使用する修飾プローブは、ポリマーがLCSTを持つ置換(メタ)アクリルアミド誘導体と、LCSTを持たない置換(メタ)アクリルアミド誘導体両者のトータルモル数に対して1/10以下が好ましい。
共重合反応に使用する架橋剤の量は、置換(メタ)アクリルアミド誘導体のモノマーの和に対し、モル比で8:2〜500:1の範囲で添加するのが好ましい。
架橋剤のモル比が8:2より大きくなるとゲルネットワークが不均一化し、白濁が生じやすい。一方モル比が500:1以下になるとゲルとしての構造が保てなくなってしまう。
重合開始剤は、重合反応の際にキャプチャープローブの分解が生じないものであればいずれも選択できる。好ましい開始剤は、2,2’-アゾビス〔2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン〕ジハイドロクロライド、APS(過硫酸アンモニウム)、KPS(過硫酸カリウム)等である。また開始剤としてAPSまたはKPSを用いた場合、重合促進剤としてTEMED(テトラメチレンジアミン)を使用することも可能である。
重合温度はアゾ系の開始剤を用いた場合には40℃以上が好ましい。またAPS、KPSを単独で用いた場合には50℃以上が好ましい。APS、KPSにTEMEDを使用した場合には室温から30℃の範囲での重合が好ましい。
上記共重合反応により形成されるゲル中のポリマー濃度は、2〜7質量%の範囲が好ましい。また、なお、上記反応で作成したゲルは、55℃における重合でも重合中に相分離せず透明である。ここで透明とは可視光における透過度が70%以上のものをいう。
このように作製されたゲルは、キャプチャープローブを保持するゲルとして、遺伝子解析のツールとして使用される。例えば、上述のゲルを管状体の中空部に充填することによりゲル保持管状体が作製できる。その管状体は特開平3-47097号公報に記載のごとく、遺伝子変異のツールとして使用できる。中空部へのゲルの保持は、キャピラリーゲル電気泳動に使用されるキャピラリーカラムを作製する要領で実施可能である。
また、マイクロアレイの構成部材としても使用できる。例えば、平面基板上に重合前又は重合開始直後のプローブを含むモノマー溶液を、予め定めた区画にスポッティングすることによりマイクロアレイを製造することができる(特表平6-507486号、USP 5,770,721号公報参照)。区画が溝又は貫通穴により形成されている場合、それら溝又は貫通穴に、重合前又は重合開始直後のプローブを含むモノマー溶液を添加し、区画内で重合反応を実施することによりマイクロアレイを作製することができる(特開2000-60554号公報参照)。
さらには、プローブ固定化ゲルを保持した管状体を複数本、集束し、該集束物を管状体の長手方向に対して交叉する方向で切断を繰り返すことにより、マイクロアレイを作製することができる(WO 00/53736号公報参照)。複数の管状体を集束した後、集束物の各中空部にゲルを保持しても良い。その場合、以下の(1)〜(3)の工程を順次行うことによりマイクロアレイが製造できる。
(1) 複数本の管状体をそれらの長手方向が一致するように集束する工程。
(2) 集束物の各管状体の中空部に、置換(メタ)アクリルアミド誘導体、架橋剤及びプローブを含む溶液を充填する工程。
(3) 中空部内で40℃以上の重合温度で共重合反応する工程。
(4) 集束物の長手方向と交叉する方向で切断する工程。
管状体としては、ガラス管、ステンレス管、中空繊維等が例示できる。加工性、取り扱いの容易さを考慮すると中空繊維を使用することが好ましい。
従来の固定化ゲルでは、ハイブリダイゼーションの効率を高くするためには、ゲルの濃度を下げて網目の有効細孔径を大きくしなければならなかった。このためゲル強度が不十分となり、高いハイブリダイゼーション効率を得ることは困難であった。しかし、本発明のゲルは、従来のゲルと異なり、ハイブリダイゼーション時にはゲルの感温性により、ネットワークが不均一となり、ポアサイズが拡大し(網目の有効細孔径が大きくなり)、ハイブリダイゼーション効率が高くなる。更に、検出時にはゲルのネットワークが均一に変化し、透明なゲルに変化し、蛍光検出の際の励起光をゲル全体に透過させることが可能である。
以下、実施例で実施形態の詳細について説明する。
<実施例1>
1.DNAマイクロアレイの製造
(1)プローブの調製
プローブとして、核酸の5‘末端をビニル化した核酸(65mer)を用いた(核酸A、B、C)。これら核酸は、以下の方法により合成した。
まず、オリゴヌクレオチドをDNA自動合成装置により合成した。合成の際、最終段階で、アミノリンクTM(PEバイオシステムズ社製)を該オリゴヌクレオチドに反応させ、次いで脱保護操作を行うことにより、各オリゴヌクレオチドの末端にアミノヘキシル基が導入された5’-O-アミノヘキシルオリゴヌクレオチドを調製した。次いで、それらオリゴヌクレオチドに、無水メタクリル酸を反応させ、5’末端ビニル化オリゴヌクレオチドを調製した。
(2)中空繊維束の作製
図1に示す配列固定器具を利用して中空繊維束を製造した。なお、図中のx、y、zは直交の3次元軸であり、x軸は繊維の長手方向と一致する。
まず、直径0.32mmの孔(52)が、孔の中心間距離を0.42mmとして、縦横各10列で合計100個設けられた厚さ0.1mmの多孔板(50)2枚を準備した。これらの多孔板(50)を重ね合わせて、そのすべての孔(52)に、ポリカーボネート中空繊維(54)(三菱エンジニアリングプラスチック社製 カーボンブラック1質量%添加)を1本づつ、通過させた。
X軸方向に各繊維に0.1Nの張力をかけた状態で2枚の多孔板の位置を移動させて、中空繊維の一方の端部から20mmの位置と100mmの位置の2ヶ所に固定した。即ち、2枚の多孔板の間隔を80mmとした。次いで、多孔板間の空間の周囲3面を板状物(56)で囲った。このようにして上部のみが開口状態にある容器を得た。次に、この容器の上部から容器内に樹脂原料を流し込んだ。樹脂としては、ポリウレタン樹脂接着剤(日本ポリウレタン工業(株)ニッポラン4276、コロネート4403)の総重量に対し、2.5質量%のカーボンブラックを添加したものを使用した。25℃で1週間静置して樹脂を硬化させた。次いで多孔板と板状物を取り除き、中空繊維束を得た。
(3)ゲル充填中空繊維配列体の製造
表1に示す質量比で混合した単量体及び開始剤を含むゲル前駆体重合性溶液(1、2、3)を調製した。
Figure 2007101185
次に、プローブ核酸(A,B,C)を含むゲル前駆体重合性溶液(1〜3)をデシケーター内に設置した。デシケーター内を減圧状態にしたのち、中空繊維束の繊維束が固定されていない一方の端部をこの溶液中に浸漬した。デシケーター内に窒素ガスを封入し、中空繊維の中空部にキャプチャープローブを含むゲル前駆体重合性溶液(1〜3)を導入した。次いで、容器内を70℃とし、3時間かけて重合反応を行った。このようにしてプローブ核酸がゲル状物を介して中空繊維の中空部に保持された中空繊維束を得た。
次に、得られた中空繊維束を、ミクロトームを用いて繊維の長手方向と直交する方向でスライスし、厚さ0.25mmの薄片シート(DNAマイクロアレイ)を50枚得た。
2.標識ラベル化cDNA溶液(検体液)の調製
次にハイブリダイゼーションに用いる標的核酸分子を含む、検体液の調製を以下の手順に従って行った。なお、本手順はマイクロアレイ1枚に対する調製量である。
まず、200μlのマイクロチューブに表2に示す成分を加え、70℃で5分間静置した。
Figure 2007101185
更に以下の表3に示す成分を順次加え、42℃で50分間、次いで70℃で更に5分間静置した。
Figure 2007101185
上記の試薬は、Atlas TM Power Script TM Fluorescent Labelimg Kit (Clontech #K1860-1)[ベクトン・ディッキンソンアンドカンパニー社製]に包含されているものを使用した。
次に0.5μlのRnaseHを更に加え37℃で15分間静置した。次に0.5μlの0.5M EDTA、2μlのQick Clean Resin を加え、Voltexで1分間処理した後、22um Spin-Filterに入れて、遠心分離機で処理した(14000RPM、1分間)。
次に処理後の通過液分をエタノール沈殿処理して、沈殿物を2×Fluorecent labeling Buffer 10μlに溶解した後、Cy3 Monofunctional reactive dye (アマシャムバイオサイエンス社製)10μlを加えて30分間静置した。
次にQlAquick PCR purification Kit (QIAGEN #28104) [キアゲン社製]で精製し、エタノール沈殿濃縮した後、水で希釈して、20μlの蛍光標識ラベル化cDNA溶液(検体液)を得た。
なお、Quick Clean Resin、Spin-Filter、2×Fluorescent labeling bufferは、Atlas TM Power Script TM Fluorescent Labelimg Kit (Clontech #K1860-1)[ベクトン、ディッキンソンアンドカンパニー社製]に包含されているものを使用した。
3.DNAマイクロアレイのハイブリダイゼーション
次にDNAマイクロアレイを、以下の手順でハイブリダイゼーション操作を行った。まず、表4に示す組成のハイブリ液を調製した。
Figure 2007101185
次いで調製した溶液を94℃で2分間加熱した後、37℃まで冷却し、ハイブリ液とした。次にハイブリパックを用意し、上記で調製したハイブリ液(100μl)およびDNAマイクロアレイ1枚をパックに入れ、熱融着でシールし、密封した。このハイブリパックをインキュベーター内に入れ、65℃で17時間ハイブリダイゼーション反応を行った。
4.ハイブリダイゼーション反応後の洗浄操作
まず、洗浄バッファー液として、2×SSC/0.2% SDS溶液20mlを2セットおよび2×SSC溶液20mlを1セット円筒ケースにそれぞれ入れ、45℃に設定した恒温槽に入れ、45℃に保温しておいた。次にインキュベーターからハイブリパックを取り出し、マイクロアレイを取り出し、先の操作であらかじめ45℃にしておいた2×SSC・0.2% SDS溶液20mlの入った円筒ケースに浸漬させ、45℃に保温して20分間静置した。次に、45℃にしておいた新たな2×SSC・0.2% SDS溶液20mlの入った円筒ケースに入れ替えて、さらに45℃で20分間静置した。
最後に、45℃にしておいた2×SSC溶液20mlの入った円筒ケースに入れ替えて、45℃で10分間静置した。
5.DNAマイクロアレイのハイブリダイゼーションシグナルの検出
洗浄を施したマイクロアレイを、水を入れたシャーレに完全に浸漬させて、固定し、冷却CCDカメラ蛍光顕微鏡でハイブリダイゼーションシグナルを検出した。
ハイブリダイゼーションの結果(Cy5シグナル強度)を表5に示す。
Figure 2007101185
核酸A,B,C全てにおいて重合液2(DMAAm:NIPAM=70:30)が重合液1(DMAAm:NIPAM=100:0)に比較してシグナル強度が高くなった。
なお、重合液3で作成したゲルは室温状態でも白濁し、さらに温度を上げても感温性を示さなかった。よって、ハイブリダイゼーションの結果、有効なシグナルが観測できなかった。
配列固定器具を示した図である。
符号の説明
50 多孔板
52 孔
54 中空繊維
56 板状物

Claims (8)

  1. 2種類以上の置換(メタ)アクリルアミド誘導体、架橋剤及びキャプチャープローブを含むゲル前駆体を共重合して得られるゲル。
  2. 2種類以上の置換(メタ)アクリルアミド誘導体の内、少なくとも一つは、それを単独で重合したホモポリマーが相転移温度(LCST)を持つ置換(メタ)アクリルアミド誘導体である請求項1記載のゲル。
  3. 請求項1又は2記載のゲルが、管状体の中空部に保持されているゲル保持管状体。
  4. 請求項1又は2記載のゲルが、基板上の区画に配置されたマイクロアレイ。
  5. 区画が複数の溝または貫通穴で形成されている請求項4記載のマイクロアレイ。
  6. 請求項3記載の管状体を複数本集束し、その集束物を繊維の長手方向と交差する方向で切断して得られるマイクロアレイ。
  7. 以下の工程を順次含むマイクロアレイの製造方法。
    (1) 複数本の管状体をそれらの長手方向が一致するように集束する工程。
    (2) 集束物の各管状体の中空部に、2種類以上の置換(メタ)アクリルアミド誘導体、架橋剤及びプローブを含むゲル前駆体溶液を充填し、中空部内で40℃以上の重合温度で共重合反応する工程。
    (3) 集束物の長手方向と交叉する方向で切断する工程。
  8. 2種類以上の置換(メタ)アクリルアミド誘導体の内、少なくとも一つは、それを単独で重合したホモポリマーが相転移温度(LCST)を持つ置換(メタ)アクリルアミド誘導体である請求項7記載の製造方法。
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