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JP2007174941A - コンバイン - Google Patents

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JP2007174941A
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

【課題】刈取装置から排稈搬送装置に至るまでの藁の搬送の安定化。
【解決手段】走行装置1を有する車台2上の一側に脱穀装置9を設け、該脱穀装置9の他側には該脱穀装置9で脱穀選別した穀粒を一時貯留するグレンタンク10を設け、前記車台2の前方には植立穀稈を刈り取って後方の脱穀装置9へ向けて搬送する刈取装置6を設け、前記グレンタンク10の前方にコンバインの運転操作をする操作部3を設けたコンバインにおいて、前記刈取装置6と脱穀装置9のフィードチェン7及び該フィードチェン7の搬送下手側の排稈搬送装置92の駆動は、単一の油圧無段変速装置41で駆動するように構成したことを特徴とするコンバインの構成とする。
【選択図】図8

Description

この発明は、圃場内の植立穀稈を刈り取る農業機械であるコンバインに関する。
単一の油圧無段変速装置を用いて、刈取装置と脱穀装置のフィードチェンを駆動する構成である。(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−237271号公報
前述のような技術では、刈取装置と脱穀装置のフィードチェンについては、単一の油圧無段変速装置で駆動するものの、排稈搬送装置については、駆動する構成ではない。このため、刈取装置から排稈搬送装置までにおいて、搬送が安定しないという欠点がある。
本発明の課題は、前述のような不具合を解消するコンバインを提供することである。
本発明の上記課題は次の構成によって達成される。
すなわち、請求項1記載の発明では、走行装置1を有する車台2上の一側に脱穀装置9を設け、該脱穀装置9の他側には該脱穀装置9で脱穀選別した穀粒を一時貯留するグレンタンク10を設け、前記車台2の前方には植立穀稈を刈り取って後方の脱穀装置9へ向けて搬送する刈取装置6を設け、前記グレンタンク10の前方にコンバインの運転操作をする操作部3を設けたコンバインにおいて、前記刈取装置6と脱穀装置9のフィードチェン7及び該フィードチェン7の搬送下手側の排稈搬送装置92の駆動は、単一の油圧無段変速装置41で駆動するように構成したことを特徴とするコンバインとしたものである。
請求項1の作用は、圃場内に植立している穀稈は、刈取装置6で刈り取られて後方の脱穀装置9へ向けて搬送され、その後、穀稈はフィードチェン7に引き継ぎ搬送される。フィードチェン7に引き継がれた穀稈は、搬送されながら脱穀装置9で脱穀選別され、選別された穀粒はグレンタンク10内に一時貯留される。
刈取装置6と脱穀装置9のフィードチェン7及び排稈搬送装置92の駆動は、単一の油圧無段変速装置41で駆動される。
請求項2記載の発明では、前記油圧無段変速装置41の動力伝達方向下手側には、刈取装置6の伝動を入り切りする刈取クラッチ48を設けると共に、脱穀装置9のフィードチェン7の伝動を入り切りするフィードチェンクラッチ51を設けたことを特徴とする請求項1に記載のコンバインとしたものである。
請求項2の作用は、請求項1の作用に加え、油圧無段変速装置41へ変速された動力は、刈取クラッチ48の入り切りによって、刈取装置6への動力の断続が行なわれると共に、フィードチェンクラッチ51の入り切りによって、フィードチェン7への動力の断続が行なわれる。 請求項3記載の発明では、前記油圧無段変速装置41内には、リリーフバルブ41cを設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンバインとしたものである。
請求項3の作用は、請求項1又は請求項2の作用に加え、刈取装置6と脱穀装置9のフィードチェン7及び排稈搬送装置92に過負荷が作用すると、リリーフバルブ41cが作動して、刈取装置6と脱穀装置9のフィードチェン7及び排稈搬送装置92への駆動が行なわれなくなる。
本発明は上述のごとく構成したので、請求項1記載の発明においては、刈取装置6から排稈搬送装置92までにいたる一連の搬送経路において、藁の搬送が安定して行なわれるようになる。
請求項2記載の発明においては、請求項1の効果に加え、刈取クラッチ48、フィードチェンクラッチ51が故障しても、油圧無段変速装置41からの出力を停止することで、刈取装置6とフィードチェン7の駆動が停止するので、安全性を確保できる。
請求項3記載の発明においては、請求項1又は請求項2の効果に加え、刈取装置6と脱穀装置9のフィードチェン7及び排稈搬送装置92に過負荷が作用すると、リリーフバルブ41cが作動して、刈取装置6と脱穀装置9のフィードチェン7及び排稈搬送装置92への駆動が行なわれなくなるので、刈取装置6、脱穀装置9のフィードチェン7及び排稈搬送装置92の破損を防止できるようになる。特に、リリーフバルブ41cは、刈取装置6、フィードチェン7及び排稈搬送装置92の駆動力に適した値を設定しているので、過負荷になり過ぎるのを防止できるようになる。
図1及び図2には、本発明を具現化した農業機械であるコンバインが示されている。
走行装置1を有する車台2の前方には、刈取装置6が設けられている。この刈取装置6には、植立穀稈を分草する複数の分草具6aと、植立穀稈を引き起こす複数の引起装置6bと、植立穀稈を刈り取る刈刃6cと、該刈刃6cにて刈り取られた穀稈を挟持して後方に搬送する搬送装置6dが設けられている。この搬送装置6dは刈刃6c後方の株元搬送装置6eと該株元搬送装置6eから搬送されてくる穀稈を引き継いで脱穀装置9に供給する供給搬送装置6fとから構成されている。
前記刈取装置6は、車台2の前部に立設する懸架メタル42の上方に設ける回転軸42aを支点にして上下動する刈取装置支持フレーム60にて、その略左右中間部で支持されている。そして、刈取装置6は操作部3に設けるレバー4を前後方向に傾動させることによって刈取装置支持フレーム60と共に上下動する構成である。
車台2の上方には、前記供給搬送装置6fから搬送されてくる穀稈を引き継いで搬送するフィードチェン7を有する脱穀装置9と、該脱穀装置9の右側方であって、この脱穀装置9で脱穀選別された穀粒を一時貯溜するグレンタンク10と、該グレンタンク10の前方に位置していてコンバインの各種操作を実行する操作部3が載置されている。また、車台2の前部には走行装置1を駆動する走行伝動装置13が設けられている。
脱穀装置9の後方には、前記フィードチェン7から搬送されてくる排稈を引き継いで搬送する排稈チェン61と、該排稈チェン61の終端部下方には排稈を切断するカッター装置62が設けられている。また、この実施例のカッター装置62の後方には、排稈を結束するノッター等の他の作業機を装着してもよい。
前記グレンタンク10内の穀粒量が満杯となると、縦オーガ11と横オーガ12から穀粒を機外へと排出する。縦オーガ11は電気モータ(図示せず)にて旋回可能に構成され、また、横オーガ12は油圧シリンダ(図示せず)にて昇降可能に構成されている。そして、横オーガ12は縦オーガ11の上部に連結されて一体的に構成され、縦オーガ11が旋回すると、横オーガ12も一緒に旋回する構成となっている。
また、コンバインは操作部3に設ける副変速レバーを操作して走行伝動装置13内の副変速の位置を決定し、その後、走行変速レバー63を操作してエンジン39からの動力を油圧無段変速装置16及び走行伝動装置13を介して走行装置1の左右のクローラ37L、37Rに伝動して任意の速度で走行する構成である。このように、前記走行変速レバー63の操作量によって速度が変速されるとともに、走行変速レバー63の前方向と後方向の操作によってコンバインが前後進する構成である。
また、コンバインは操作部3に設ける前記レバー4を左右方向に傾倒操作することによって左右方向に旋回する構成であり、さらに、レバー4の左右方向への傾倒操作量によって旋回半径が決定される構成である。
このようなコンバインを前進させて刈取作業をすると、圃場面に植立している穀稈は、分草具6aにて分草され、その後、引起装置6bにて引き起こされて刈刃6cにて刈り取られる構成である。その後、刈り取られた穀稈は株元搬送装置6eにて後方へ搬送され、供給搬送装置6fへと引き継ぎ搬送される。この供給搬送装置6fに引き継がれた穀稈は、さらに後方へと搬送されて、脱穀装置9のフィードチェン7へと引継ぎ搬送され、穀稈はフィードチェン7で後方へ搬送されながら脱穀装置9にて脱穀選別される構成である。
このように脱穀選別された穀粒は、一番揚穀筒64からグレンタンク10内へと搬送されて一時貯留され、このグレンタンク10内に貯留される穀粒量が満杯になると、操作部3の報知手段(ブザーや表示装置)でオペレータに報知される構成である。その後、刈取作業を中断して、グレンタンク10内の穀粒を機外へと排出する作業を開始する。コンバインを任意の位置(トラック近傍位置)へと移動させ、横オーガ12をオーガ受け65から離脱させて穀粒排出口12aをトラックの荷台等の位置へ移動させる。そして、操作部3に設けている穀粒排出レバーを入り状態として、グレンタンク10内の穀粒を機外へと排出し、グレンタンク10内の穀粒排出が終了すると、横オーガ12は再びオーガ受け65へと収納されていく構成である。
前記レバー4を左方向に傾動すると、走行伝動装置13の左クラッチが切れて、さらに、左方向へ傾動すると左側ブレーキが作動してコンバインは左旋回し、右方向に傾動させると右クラッチが切れて、さらに、右方向へ傾動すると右側ブレーキが作動してコンバインは右旋回する構成である。
前記走行伝動装置13について、図3に基づいて説明する。
走行伝動装置13には、エンジン39からの動力を入力するプーリ15が設けられている。また、該プーリ15からの動力を受けて変速する油圧無段変速装置16が設置されている。
走行伝動装置13の上部には、軸17が設けられ、カウンタギヤケ−ス5を介して前記油圧無段変速装置16と接続している。カウンタギヤケ−ス5内には歯車5a、5b、5cが設けられていて、歯車5aは歯車5bと噛み合い、歯車5bは歯車5cと噛み合っていて、動力を減速している構成である。38は油圧無段変速装置16を冷却するファンである。
軸17には移動体18が左右方向移動自在に遊嵌されている。また、軸17には歯車19が遊嵌している。前記移動体18には、歯車22と歯車21が形成されていて、さらに、移動体18には、前記歯車19に接続する爪部20が形成されている。
軸17の下手側には、軸23が設けられ、該軸23には、歯車22と噛み合う歯車26、歯車21と噛み合う歯車25、歯車19と噛み合う歯車24がそれぞれ固定されている。この構成は副変速機構であり、操作部3に設けている副変速レバー(図示せず)にて、オペレータが圃場の状況等を確認して任意に設定する構成である。さらに、軸23には、歯車27が固定されている。
前記軸23の下手側には、サイドクラッチ軸28が設けられている。該サイドクラッチ軸28の中間部には、前記歯車27と常時噛み合う歯車29が固定していて、その両端部には、ブレーキ30L,30Rが設けられている。さらに、サイドクラッチ軸28には、サイドクラッチ31L,31Rが設けられ、長手方向に移動可能に構成されている。該サイドクラッチ31L,31Rには歯車32L,32Rが構成されていて、圧縮バネ33L,33Rの付勢力にて、共に歯車29方向へ付勢されていて、歯車29の爪部29L,29Rを介して歯車29と噛み合っている構成である。
サイドクラッチ軸28の下手側には、走行軸34L,34Rが設けられている。走行軸34L,34Rの一端には歯車35L,35Rが固定していて、歯車32L,32Rと常時噛み合っている。走行軸34L,34Rの他端には、スプロケット36L,36Rが固定していて、該スプロケット36L,36Rにはクローラ37L,37Rが巻き回している構成である。
前述のごとく構成されたコンバインを走行させて刈取作業を実行する作用について説明する。
レバー4を前方へ傾動させて、刈取装置6を下降させ、操作部3の刈取装置6を駆動する刈取レバー(図示せず)と、脱穀装置9を駆動する脱穀レバー(図示せず)を入り状態とする。
次に、前述の走行伝動装置13内の副変速機構を任意に設定する。そして、操作部3に設けているHSTレバー40を前進側に傾動させる。すると、油圧無段変速装置16の可変油圧ポンプ16aの斜板が傾斜して、内部の油が定量油圧モータ16bへと送油される。これにより、エンジンからの動力は、カウンタギヤケ−ス5を経由して走行伝動装置13内の軸17が回転し、移動体18が回転する。前記走行用の油圧無段変速装置16の定量油圧モータ16bについては、可変油圧モ−タとすることで、前述した副変速機構が不要となる。
前記移動体18の歯車22,21と、軸17に遊嵌している歯車19は副変速部であり、軸23に固着されている歯車26,25,24とそれぞれ噛み合わせて、低速,中速,高速を決定する。これにより、軸23と共に、該軸23に固着している歯車27が回転する。該歯車27の回転力は、歯車29に伝達され、その後、左爪部29L,歯車32L,歯車35Lを介して、左スプロケット36Lを駆動する。右側の伝動系は、その対称であり、歯車29に伝達されている動力は、右爪部29R,歯車32R,歯車35Rを介して、右スプロケット36Rを駆動する。
従って、左右のスプロケット36L,36Rが同じ速度で回転するので、コンバインは前進する。
このように前進走行することにより、圃場の植立穀稈は刈取装置6にて刈り取られ、供給搬送装置8で搬送されながら扱ぎ深さが調節され、さらに後方のフィードチェン7へと引継ぎ搬送されていく。該フィードチェン7にて搬送されながら、脱穀装置9にて脱穀選別されて、穀粒はグレンタンク10内へ一時貯留される。グレンタンク10内の穀粒が所定量(満杯)となると、縦オーガ11,横オーガ12からトラック等の荷台の機外へと排出する。
コンバインが圃場の端まで来て、旋回を行なう時は、次のようにする。
左方向へ進路変更する時は、レバー4を左方向へ傾動させる。すると、図示しないシフタにより、左サイドクラッチ31Lは圧縮バネ33Lの付勢力に抗して左方向へ移動して、左爪部29Lが歯車29から離脱する。これにより、左スプロケット36Lへの直進動力は断たれるが、コンバインは少し左方向へ進路変更するだけである。そこで、さらにシフタを左方向へ移動することにより、左サイドクラッチ31Lを左へ移動させて、ディスク形式の左ブレーキ30Lを作動させる。これにより、左スプロケット36Lはロックされるので、コンバインは左方向へ旋回していく。
右方向への進路変更する時は、レバー4を右方向へ傾動させるが、その作用は前記左方向と対称なので説明は省略する。
一方、刈取装置6と脱穀装置9のフィードチェン7については、脱穀装置9の唐箕(図示せず、又その他どこでもよい)から駆動するように構成する。特に、唐箕から駆動することで、高速回転が必要な油圧無段変速装置41の入力には適している。図4に示すように、脱穀装置9の一部の動力は、油圧無段変速装置41へと入力され、可変ポンプ41aの斜板の角度が変更されて定量油圧モ−タ41bへと送油される。この送油量によって定量油圧モ−タ41bから出力される回転数が変更される。即ち、油圧無段変速装置41は、左側の刈取懸架メタル42に固定して設ける構成としているので、油圧無段変速装置41を取り付けるための専用の部材が不要となる。
定量油圧モ−タ41bから出力された動力は、刈取装置6を支持する左右の刈取懸架メタル42のうち左側の刈取懸架メタル42の中を通過するように構成している。そして、左側の刈取懸架メタル42の適宜位置から出力されて、刈取装置6とフィ−ドチェン7を駆動するように構成している。
このように、刈取装置6とフィ−ドチェン7への伝動系を、左側の刈取懸架メタル42内に設ける構成としているので、専用の伝動ケ−スが不要となり廉価に構成可能となる。
具体的には、定量油圧モ−タ41bから出力された動力は、左側の刈取懸架メタル42内の歯車43,44,45で減速され、その後、軸46から出力される。軸46の動力は、ベルトプ−リ47を介して刈取装置6に伝達される。また、このベルトプ−リ47には、刈取装置6のベルトテンションクラッチ48が設けられている。
また、軸46の動力は、ベルトプ−リ49と変速部50を介してフィ−ドチェン7に伝達される。前記ベルトプ−リ49には、フィ−ドチェン7のベルトテンションクラッチ51が設けられている。また、変速部50には、有段変速部が設けられている。この有段変速部については、シフタによる複数段の変速であるが、本実施例では、2段変速としている。
54は脱穀装置9全体の伝動を入り切りする脱穀のベルトテンションクラッチである。このベルトテンションクラッチ54が入りでないと、前記フィ−ドチェン7のベルトテンションクラッチ51を入りとしてもフィ−ドチェン7が駆動されないので安全である。
前記油圧無段変速装置41の可変ポンプ41aの斜板が傾斜しており、定量油圧モ−タ41bから回転駆動力が出力されていても、前記ベルトテンションクラッチ48を切りにすると、刈取装置6の駆動は停止される。また、ベルトテンションクラッチ51を切りにすると、フィ−ドチェン7の駆動は停止される。このように、油圧無段変速装置41及び刈取装置6とフィードチェン7のクラッチ部でも、刈取装置6とフィードチェン7の駆動をそれぞれ停止できるので、二重の安全機構となる。
前記油圧無段変速装置41内にはリリーフバルブ41cを設けているので、刈取装置6やフィードチェン7に詰まりが発生すると、リリーフバルブ41cが作動して破損を帽子できるようになる。もちろん、前記リリーフバルブ41cの出力トルク規制は、刈取装置6とフィードチェン7の詰まり状態に適した値としている。
従来においては、走行伝動装置13から刈取装置6やフィードチェン7を駆動していたので、走行伝動装置13を駆動するための油圧無段変速装置16の出力トルク規制値で刈取装置6やフィードチェン7の駆動が停止されていたので、過大な負荷が作用した場合には、刈取装置6やフィードチェン7が破損するということがあったが、このような不具合を防止できるようになる。
図5には、コンバインの車速に対する刈取装置6とフィードチェン7の駆動速度の関係を示している。刈取装置6とフィードチェン7の駆動速度の可変は、前述のごとく一つの油圧無段変速装置41で行う構成である。
このため、倒伏時や湿材時においては、刈取装置6の駆動速度を油圧無段変速装置41で減速させると、フィードチェン7の駆動速度も減速してしまう。この場合においては、脱穀装置9を通過する穀稈の速度が遅くなるために、藁屑の発生が多くなってロスが多くなるという不具合が起きてしまう。そこで、フィードチェン7については、前記変速部50で変速して、フィードチェン7を高速で駆動させるようにする。具体的には、レバー50aを操作してシフタ50bをチェンジして高速歯車50dに噛み合わせるようにする。50cは低速歯車である。
このように、刈取装置6への伝動系と分岐後において、フィードチェン7を変速する専用の変速部50を設けるように構成したので、廉価な構成となる。
前記油圧無段変速装置41から出力後の伝動系については、図6に示すように左側のクローラ37Lの上方に配置するように構成している。これにより、伝動系に落下する藁屑は、クローラ37L上に落下し、絶えずクローラ37Lで圃場上に搬送されるので、藁屑が堆積するのを防止できるようになる。
前記刈取装置6は、図7に示すように、回動支点52を軸芯として左側方へ回動可能に構成している。そして、刈取装置6を側方へ回動させる際には、刈取装置6を動力を伝達するベルト47aが緩む方向に構成している。これにより、刈取装置6を左方向へ回動させるときには、刈取装置6への伝動ベルト47aを外すことなく刈取装置6の左側方向への回動が可能となる。
図8に示すように、脱穀装置9へ入力された動力は、プーリ66aから唐箕66を駆動する。この唐箕66からプーリ68、ベルト69、プーリ70、軸71を介して、油圧無段変速装置41へ入力される構成である。一方、この実施例の脱穀装置9においては、唐箕66の前方上方に第二唐箕67を設ける構成としている。この第二唐箕67の回転動力は、前記油圧無段変速装置41で変速後の、軸46、プーリ72、ベルト73、プーリ74、軸75を介して駆動するように構成している。これにより、第二唐箕67の駆動が容易になる。また、第二唐箕67は油圧無段変速装置41で変速されるので、フィードチェン7と同調して変速されることになり、コンバインの車速に応じた選別風を起風できて選別性能の向上を図ることができるようになる。
76は脱穀装置9の一番ラセンと二番ラセンとの間にある第三唐箕である。この第三唐箕76は、前記第二唐箕67を駆動する軸75に設けているプーリ77、ベルト78、プーリ79、軸80を介して駆動するように構成している。これにより、第三唐箕76の伝動系が廉価に構成可能となる。また、第三唐箕76は油圧無段変速装置41で変速されるので、フィードチェン7と同調して変速されることになり、コンバインの車速に応じた選別風を起風できて選別性能の向上を図ることができるようになる。(図9)また、第三唐箕76よりも、第二唐箕67の駆動速度を速く構成している。
コンバインが後進する場合においては、前記油圧無段変速装置41の可変油圧ポンプ41aの斜板を中立にして、定量油圧モータ41bからの出力を停止する。これにより、コンバインが後進を開始すると、刈取装置6、フィードチェン7、第二唐箕67、第三唐箕76の回転が停止する。コンバインが後進する最には、脱穀装置9内の被選別物量は少なくなるので、前記第二唐箕67、第三唐箕76の回転を止めることで、選別のしすぎを抑制し、三番飛散を防止できるようになる。
図8に示す61は、前述した排稈チェン61である。また、81は排稈の穂先を搬送する穂先搬送ラグを駆動する穂先チェンである。この排稈チェン61と穂先チェン81(排稈搬送装置92)は、前述した第三唐箕76から駆動するように構成する。即ち、刈取装置6、フィードチェン7、排稈チェン61及び穂先チェン81については、単一の油圧無段変速装置41で駆動する構成である。これにより、刈取装置6から排稈チェン61及び穂先チェン81までの搬送系が同調回転するので、搬送が安定するようになる。また、単一の油圧無段変速装置41で駆動するので、廉価な構成となる。
また、ライン82は、脱穀装置9の右側の端部を示している。そして、排稈チェン61と穂先チェン81は、脱穀装置9の右側から駆動する構成としているので、伝動が容易となる。特に、搬送される排藁の影響を受けなくなるので、伝動が安定し、搬送される排藁も安定して搬送されるようになる。
また、コンバインの車速がゼロとなりコンバインが停車した状態においては、前記油圧無段変速装置41からの出力回転を停止させて、前記刈取装置6から排稈チェン61及び穂先チェン81までの搬送系の駆動回転も停止させるようにする。これにより、搬送される穀稈も停止するので、稈こぼれ等が防止できて搬送が安定するようになる。
また、前記刈取装置6から排稈チェン61及び穂先チェン81までの搬送系に加えて、前述した第二唐箕67、第三唐箕76についても、単一の油圧無段変速装置41から駆動されるので、廉価な構成になると共に伝動系が簡素になる。
図10に示す油圧無段変速装置41については、走行伝動装置13に取り付ける構成としている。そして、走行伝動装置13を無段変速する油圧無段変速装置16の可変油圧ポンプ16aから前記油圧無段変速装置41を駆動する構成としている。具体的には、油圧無段変速装置16の可変油圧ポンプ16aから軸83を介して油圧無段変速装置41の可変油圧ポンプ41aを駆動する構成である。
そして、油圧無段変速装置41の定量油圧モータ41bから出力された動力は、変速部84で変速され、その後、刈取クラッチ48を介して刈取装置6が駆動される構成である。また、フィードチェンクラッチ51を介してフィードチェン7が駆動される構成である。前記フィードチェンクラッチ51とフィードチェン7との間には軸85を設けているが、この軸85から、プーリ86、ベルト87、プーリ88、軸67aを介して第二唐箕67を駆動する構成である。66の唐箕については、エンジン39から脱穀クラッチ54を介して駆動される構成である。54aのプーリからは、脱穀装置9内の扱胴、処理胴、選別部を駆動する構成である。
前記第二唐箕67を駆動する軸67aにはプーリ89が設けられ、このプーリ89からベルト90、プーリ91、軸76bを介して第三唐箕76を駆動する構成としている。
前述のごとく、油圧無段変速装置41は、走行伝動装置13に設ける構成としているので、走行伝動装置13を駆動するための油圧無段変速装置16の近傍に配置されることになり、コンパクトな構成となる。また、油圧無段変速装置41を駆動するための伝動系が簡素になる。また、冷却ファン38によって、油圧無段変速装置16と油圧無段変速装置41の両方を冷却できるので、効率が良くなる。
前記操作部3にはグレンタンク10内の穀粒を排出する排出レバーを設けているが、この排出レバーを入り状態にしてグレンタンク10内の穀粒を排出する際においては、前記走行伝動装置13を変速する油圧無段変速装置16からの出力を停止するようにする。具体的には、可変油圧ポンプ16aの斜板にモータを設けておいて、このモータを制御して斜板を中立状態となるようにする。これにより、穀粒排出時においてはコンバインは走行しないので、排出オーガが移動するのを防止できるようになり、穀粒のこぼれを防止できるようになる。
また、前記可変油圧ポンプ16aの斜板を制御するモータにポジションセンサを設け、このポジションセンサの値を検出してフィードバックすることで、斜板が中立状態から外れるようとしても、斜板は中立状態に戻るので、穀粒排出時におけるコンバインの走行を防止できるようになる。
また、コンバインが走行している場合は、前記排出レバーを入り状態にしても、穀粒排出を行わないようにしてもよい。
コンバインの左側面図 コンバインの平面図 正面の一部の断面図 伝動線図 車速と刈取装置速、フィードチェン速との関係図 正面の一部の断面図 伝動線図 伝動線図 車速と第二唐箕速、第三唐箕速との関係図 伝動線図
符号の説明
1 走行装置
2 車台
3 操作部
6 刈取装置
7 フィードチェン
9 脱穀装置
10 グレンタンク
41 油圧無段変速装置
41c リリーフバルブ
48 刈取クラッチ
51 フィードチェンクラッチ
92 排稈搬送装置

Claims (3)

  1. 走行装置(1)を有する車台(2)上の一側に脱穀装置(9)を設け、該脱穀装置(9)の他側には該脱穀装置(9)で脱穀選別した穀粒を一時貯留するグレンタンク(10)を設け、前記車台(2)の前方には植立穀稈を刈り取って後方の脱穀装置(9)へ向けて搬送する刈取装置(6)を設け、前記グレンタンク(10)の前方にコンバインの運転操作をする操作部(3)を設けたコンバインにおいて、前記刈取装置(6)と脱穀装置(9)のフィードチェン(7)及び該フィードチェン(7)の搬送下手側の排稈搬送装置(92)の駆動は、単一の油圧無段変速装置(41)で駆動するように構成したことを特徴とするコンバイン。
  2. 前記油圧無段変速装置(41)の動力伝達方向下手側には、刈取装置(6)の伝動を入り切りする刈取クラッチ(48)を設けると共に、脱穀装置(9)のフィードチェン(7)の伝動を入り切りするフィードチェンクラッチ(51)を設けたことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
  3. 前記油圧無段変速装置(41)内には、リリーフバルブ(41c)を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンバイン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008072991A (ja) * 2006-09-22 2008-04-03 Kubota Corp 刈取作業機
JP2014027882A (ja) * 2012-07-31 2014-02-13 Iseki & Co Ltd コンバイン
JP2015186447A (ja) * 2014-03-26 2015-10-29 株式会社クボタ コンバイン

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