JP2007168129A - 記録装置、画像形成制御装置、及び記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 メモリ容量や記録条件に応じて最適なオブジェクト属性データの生成を行い、高速かつ高品位な画像形成を可能にする装置や方法を提供することである。
【解決手段】 PDL画像情報を解釈してレンダリングを行い、各オブジェクト毎の属性データとラスタ画像データを生成し、これらのデータに基づいて記録媒体に画像を記録する記録装置に以下の構成を備える。即ち、属性データとラスタ画像データを夫々、圧縮符号化する圧縮手段と、例えば、メモリ容量に従って、圧縮手段での圧縮符号化の目標圧縮率を設定する手段と備える。さらに、そのメモリ容量に従って、属性データの属性数を変更し、その変更された属性データの数に基づいて、属性データを変更する。そして、設定された目標圧縮率を達成するように、圧縮手段により変更された属性データを圧縮符号化し、さらにラスタ画像データを圧縮符号化するように制御する。
【選択図】 図6
【解決手段】 PDL画像情報を解釈してレンダリングを行い、各オブジェクト毎の属性データとラスタ画像データを生成し、これらのデータに基づいて記録媒体に画像を記録する記録装置に以下の構成を備える。即ち、属性データとラスタ画像データを夫々、圧縮符号化する圧縮手段と、例えば、メモリ容量に従って、圧縮手段での圧縮符号化の目標圧縮率を設定する手段と備える。さらに、そのメモリ容量に従って、属性データの属性数を変更し、その変更された属性データの数に基づいて、属性データを変更する。そして、設定された目標圧縮率を達成するように、圧縮手段により変更された属性データを圧縮符号化し、さらにラスタ画像データを圧縮符号化するように制御する。
【選択図】 図6
Description
本発明は記録装置、画像形成制御装置、及び記録方法に関し、特に、例えば、インクジェット方式に従う記録ヘッドを搭載して記録を行う記録装置、画像形成制御装置、及び記録方法に関する。
近年、パーソナルコンピュータ(PC)や複写機等のOA機器が広く普及しており、これらの機器の記録装置の一種としてディジタル画像記録を行うインクジェット記録装置が急速に普及している。特に、OA機器の高機能化とともにカラー化が進んでおり、これに伴なって様々なカラーインクジェット記録装置が開発されてきている。
一般にインクジェット記録装置(以下、記録装置)は、記録ヘッド及びインクタンクを搭載するキャリッジと、記録紙などの記録媒体を搬送する搬送手段と、これらを制御する制御手段とを備えている。そして、複数の吐出口からインク液滴を吐出させる記録ヘッドを記録媒体の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に走査させて記録を行なう一方、非記録時にはその記録幅に等しい量で記録媒体を間欠搬送する。さらには、カラー記録対応の記録装置の場合、複数色のインクを吐出する記録ヘッドから吐出されるインク液滴の重ねあわせによりカラー画像を形成する。
この記録装置においてインク吐出方法としては、次の2つが代表的なものである。
1つは吐出口近傍に発熱素子(電気熱エネルギー変換体)を設け、この発熱素子に電気信号を印加することによりインクを局所的に加熱して圧力変化を起こさせ、インクを吐出口から吐出させるサーマル方式といわれるものである。もう1つは、ピエゾ素子等の電気圧力変換手段を用い、インクに機械的圧力を付与してインクを吐出するピエゾ方式といわれるものである。
一般に、前者のサーマル方式は、ノズルの高密度化が容易で、また記録ヘッドを低コストで構成できる反面、発熱を利用するためにインクや記録ヘッドの劣化を招きやすい。一方、後者のピエゾ方式は、吐出制御性に優れ、またインクの自由度が高く、記録ヘッド寿命が半永久的であるといった特徴がある。
ともあれインクジェット記録方法は、記録信号に応じて微少なインク液滴を吐出口から記録媒体上に吐出することにより文字や図形などの記録を行うものであり次のような利点がある。即ち、ノンインパクト記録方法であるため騒音が少ないこと、ランニング・コストが低いこと、装置が小型化しやすいこと、およびカラー化が容易であることなどである。このため、コンピュータやワードプロセッサ等と併用され、あるいは単独で使用される複写機、プリンタ、ファクシミリ等の記録装置において、記録手段として広く用いられている。
さて、従来のインクジェット記録方法では、インクのにじみのない高発色のカラー画像を得るためにインク吸収層を有する専用コート紙を使用する必要があった。しかしながら、近年はインクの改良等によりプリンタや複写機等で大量に使用される普通紙への記録適性を持たせた方法も実用化されている。
また、OHPシートや布、プラスチックシート等の様々な記録媒体への対応が望まれている。こうした要求に応えるため、インクの吸収特性が異なる記録媒体を必要に応じて選択した際に記録媒体の種類に係わりなく最良の記録が可能な記録装置の開発および製品化が進められている。さらに、記録媒体の大きさについても、宣伝広告用のポスタや衣類等の織布に対しては大きなサイズのものが要求されてきている。このような記録装置は、優れた記録手段として幅広い分野で需要が高まっており、より一層高品位な画像の提供が求められ、また更なる高速化への要求も一段と高まっていると言える。
一般のカラーインクジェット記録方法では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)の3色のカラーインクにブラック(K)を加えた4色のインクを使用してカラー記録を実現する。このような記録装置においては、文字のみを記録するモノクロの記録装置と異なり、カラー画像を記録するにあたっては、インクによる発色性や階調性一様性など様々な要素を考慮する必要がある。
また、このような記録装置では、画像表現を更に多階調もして自然画像をより高品位に形成するため、従来のシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の4色に加えて、さらに別のインクを加えている。即ち、インク濃度の低いライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)、ライトイエロ(LY)の3色を加えた7色インクを用いることにより、ハイライト部分の粒状感軽減を実現している。
このような記録装置の中に、ページ単位のページ記述言語(PDL)方式のカラー多値情報を含む情報を解析してページ単位でプリント出力する所謂ページプリンタがある。PDLとは、ページ上の描画データをオブジェクトと呼ばれる文字や図形や画像といった描画要素に分割してオブジェクトコード化することで少ないデータ量でプリンタへ画像情報を転送するための言語情報である。
PDLを用いる場合、まず、ホストPCからPDLで記述された画像形成すべき情報を送信し、プリンタ側において受信したPDLデータを解釈し、ディスプレイリストと呼ばれる中間データを生成して保持する。次に、この中間データにしたがいレンダリング(ラスタイメージへの変換)を行うことで各種情報から記録解像度に対応した画像情報を生成する。なお、PDLにはPostScript(登録商標)に代表される高度なグラフィックス機能に特徴を持つタイプと、LIPSやPCLに代表される高速に記録できる高速処理機能に特徴を持つタイプのものがある。
図11はカラー画像記録に対応したPDLを用いる記録装置の概略構成を示すブロック図である。図11に示すように、この記録装置は画像形成コントローラ1201と画像形成エンジン1202で構成される。画像形成コントローラ1201は、PC等のホストとの間で画像情報や各種制御情報を授受するためのインタフェースや入力画像情報に基づく画像形成データの生成などを実現するものである。一方、画像形成エンジン1202は、記録媒体の搬送制御やキャリッジ駆動制御を行うとともに記録ヘッドを駆動してインクを記録媒体に吐出して画像を形成する。
次に、画像形成コントローラにおけるデータフローについて詳細に説明する。
PDLデータの描画には大きく2つの方法がある。
1つはコントーンレンダリングと呼ばれる方式であり、RGB多値データ(多くの場合は各色8ビット)でレンダリング処理を実行するもので出力データ形式も同様にRGB多値データとなる。もう1つは中間調レンダリングと呼ばれる方式である。この方式によれば、RGB多値データをエンジン所望のシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)の3色のカラーインクにブラック(K)を加えた色空間に変換したディスプレイリストを生成し、さらにレンダリング処理に先立って中間調処理を行う。そして、中間調レンダリング方式の出力データ形式は階調変換されたKCMYデータとなる。ディスプレイリスト以前の段階で中間調処理を行うことも可能である。
図12はコントーンレンダリング方式に従う画像形成コントローラ内のデータ処理の流れを示す図である。
ブロック1101ではホストPCより各種PDLデータを受信すると、CPUにおいてPDLデータの解析処理を行い、これをブロック1102において高速なレンダリング処理を行うための中間データ(ディスプレイリスト(DL))に変換する。そして、RAMに割り当てられたDLバッファ1103には通常1ページ分のディスプレイリストを格納する。
続いて、ブロック1104では生成格納されたディスプレイリストに従ってRGB各色8ビットのラスタ画像データへの変換処理(レンダリング)を行なう。ここでは、1ページよりも小さなライン数であるバンド単位のディスプレイリストに従いバンドごとのラスタイメージ変換処理を行う。そして、ラスタ画像データを構成する各オブジェクトの種類を認識してオブジェクト種を示す属性データを付加して描画バッファ1105に出力する。
レンダリング処理結果であるラスタ画像データ及び属性データは描画バッファ1105に一時格納された後に、ブロック1006では夫々非可逆方式および可逆方式を用いて圧縮符号化処理を施して、その結果をページバッファ1107に保持する。ブロック1108では、画像記録に際してページバッファ1107に保持されている圧縮データを読み出して伸長(復号化)処理して画像処理バッファ1109に一時格納する。そして、ブロック1110では、RGB多値データに対して属性データを参照しながら色変換及び中間調処理を実行して出力解像度のKCMY成分各色1ビットデータを生成する。
生成したドットデータは画像形成エンジン1202へ転送される。
ここで属性データとはオブジェクトの種類を示すもので、例えば、文字、細線、図形、中間調画像などのほかに有彩色と無彩色などを識別するよう構成する。後段の画像処理において画素単位に付与された属性データを参照しながら適切な色調整や中間調処理を施すことにより最終的なプリント出力の高画質化を実現する。
上述のようにして生成されたラスタイメージと属性データをページ単位で限られたメモリに保持するために圧縮符号化が行われる。カラー画像ではレンダリングにより作成されるラスタイメージは非常に大きく、可逆な圧縮方式では常時高能率なデータ圧縮を行うことは困難であることから非可逆な圧縮方式(例えば、JPEG)が採用されている。JPEG方式ではDCT変換係数を量子化する際の量子化ステップを制御することにより符号量と画質を制御することができる。実際の圧縮率調整では、想定した符号量を越えてしまった場合に圧縮率(量子化パラメータ)を変更して再度圧縮符号化を行う方法や、あらかじめプリスキャンによる符号量見積もりを行って量子化パラメータを設定する方法などが用いられる。
一方、属性データには劣化が許されないことから可逆圧縮(例えば、パックビッツ圧縮)を施すことになる。パックビッツ圧縮などに代表される可逆圧縮方式では符号量調整が行えないので、データの特性によっては圧縮後のサイズが非常に大きくなってしまう場合がある。
属性データの圧縮後のサイズが大きいと全体に占める属性データの割合が大きくなるため、ラスタイメージの圧縮率を高くすることでトータルサイズを小さく抑えなければならない。結果として非可逆圧縮による画質劣化が属性データを使用した画質改善効果を上回って出力画像の画質低下を招いてしまう。
そこで目標となる圧縮率に満たなかった場合に、属性データから置換ビットを決定して属性値の置換処理を行って情報量を削減して圧縮率を高める方式などが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。具体的には、無彩色文字と有彩色文字の識別情報を全て有彩色文字に置き換えたり、文字や線画と中間調画素の識別情報を全て中間調画素を示すよう変更するのである。
特開2003−069835号公報
特開2004−214738号公報
しかしながら上記従来の画像形成コントローラには次のような課題が存在する。
先述のとおり、生成されたラスタイメージと属性データをページ単位で限られたメモリに保持するために圧縮符号化が行われる。ラスタイメージには非可逆な圧縮方式が採用され、量子化テーブルなどのパラメータを選択制御することによって符号量、即ち、圧縮率の調整が可能である。高画質/低圧縮なパラメータから低画質/高圧縮なパラメータに順次変更を繰り返して目標となる符号量に抑えるよう制御される。
また属性データについては可逆な圧縮方式が採用され、元になる属性情報量を削減することによって符号量、即ち、圧縮率の調整を行う。レンダリング時に描画生成したオブジェクト属性種別を初期値として、必要に応じて特定の識別情報を固定化することなどで属性種を削減して情報量を減らし、結果として可逆圧縮後の符号量を抑制する。
ここで、ラスタイメージと属性データが目標圧縮率に満たない場合に生じる上記のようなリトライ処理、即ち、画像再圧縮処理や属性情報削減処理は、処理そのものに多大な時間を必要とするだけでなく、メモリを含めたシステム全体に重い負荷を与える。従って、リトライ処理が繰返し実行されると、スループットの低下を引き起こす場合がある。
また、レンダリング時の属性データの作成においては、多種のオブジェクト属性を識別するほど処理負荷は重くなりレンダリング時間の増大につながる。特に、低価格な記録装置の画像形成コントローラで採用されるCPUによるソフトウエアレンダリングの場合には記録速度低下を招く要因となる。
さらには、ラスタイメージと属性データの高圧縮化が要求される状況下で、過度に属性情報量が大きくなった結果としてラスタイメージを高圧縮で符号化することはバランスの取れた高画質化処理を妨げることにもなる。
実際のページデータ圧縮における目標圧縮率は、システムのメモリ搭載量や、ラスタイメージのサイズ、両面又は片面プリントといった記録条件にしたがい大きく変動する場合が多い。しかしながら上記従来の画像形成コントローラは、設定された目標圧縮率とは無関係にレンダリング段階で識別する画素単位のオブジェクト属性種数を決定(固定化)している。従って、非可逆圧縮における画質劣化抑制と属性適応処理による高画質化の最適なバランスを実現するには非常に数多くのリトライ処理が必要となって、最終的な記録性能の低下を引き起こす場合がある。
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、メモリ容量や記録条件に応じて最適なオブジェクト属性データの生成を行い、高速かつ高品位な画像形成を可能にする記録装置、画像形成制御装置、及び記録方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明の記録装置は、以下のような構成からなる。
即ち、外部より入力されるPDL画像情報を解釈してレンダリングを行い、各オブジェクト毎の属性データとラスタ画像データを生成し該属性データとラスタ画像データとに基づいて記録媒体に画像を記録する記録装置であって、前記属性データを圧縮符号化する第1圧縮手段と、前記ラスタ画像データを圧縮符号化する第2圧縮手段と、前記記録装置の資源と前記記録装置による記録条件との内、少なくともいずれかに従って、前記第1及び第2圧縮手段による圧縮符号化における目標圧縮率を設定する圧縮率設定手段と、前記記録装置の資源と前記記録装置による記録条件との内、少なくともいずれかに従って、前記属性データの属性数を変更する属性数変更手段と、前記属性変更手段により変更された前記属性データの数に基づいて、前記属性データを変更する変更手段と、前記圧縮率設定手段より設定された目標圧縮率を達成するように、前記第1圧縮手段により前記変更手段により変更された属性データを圧縮符号化し、前記第2の圧縮手段により前記ラスタ画像データを圧縮符号化するように制御する圧縮制御手段と、前記第1及び第2圧縮手段により圧縮符号化された符号データを格納する記憶手段と、前記記憶手段に格納された符号データを読み出して伸長して画像処理を施し、前記画像処理が施された画像データに基づいて前記記録媒体に画像を記録する記録手段とを有することを特徴とする。
ここで、前記記録装置の資源とはメモリであり、前記圧縮率設定手段と前記属性数変更手段とは夫々、前記メモリの容量に従って、前記目標圧縮率を設定、前記属性データの属性数を変更すると良い。
また、前記記録装置による記録条件とは、前記記録媒体のサイズと、前記記録媒体の片面への記録或いは両面への記録とを含み、前記圧縮率設定手段と前記属性数変更手段とは夫々、前記目標圧縮率を設定、前記属性データの属性数を変更すると良い。
なお、前記第1圧縮手段は、例えば、パックビッツ方式のような可逆性圧縮方式を用いて圧縮符号化を行い、前記第2圧縮手段は、例えば、JPEG方式のような非可逆性圧縮方式を用いて圧縮符号化を行なうと良い。
さらに、前記属性データは画像各画素について、文字、図形或いは画像の種別、線であるかどうかの区別、有彩色或いは無彩色かの区別を示す情報を含むことが望ましい。この場合、前記変更手段は、前記線であるかどうかの区別と前記有彩色或いは無彩色かの区別との内、少なくともいずれかの区別をしないように前記属性データを変更することが望ましい。
さて、前記圧縮制御手段は、圧縮符号化に用いる量子化パラメータを画質と圧縮率との観点から複数の段階に分類された複数の量子化テーブルと、前記第1圧縮手段と前記第2圧縮手段との内、少なくともいずかにより実行された圧縮符号化により得られた符号量と前記圧縮率設定手段により設定された目標圧縮率から得られる目標符号化量とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果に従って、前記複数の量子化テーブルから前記圧縮符号化に用いるテーブルを切り替えて選択し、該切り替えて選択された量子化テーブルを用いて前記第1圧縮手段或いは前記第2圧縮手段による圧縮符号化を実行するよう制御する繰り返し制御手段とを含むことが望ましい。
さらに、前記比較手段による比較結果に従って、前記変更手段を制御して前記属性データの数を変更するように前記属性データを変更する変更制御手段を含むことが望ましい。ここで、前記変更制御手段は、前記目標圧縮率に従って高圧縮が必要な場合に前記属性データの数を相対的に小さくするように制御すると良い。
なお、前記記録手段はインクジェット記録ヘッドを含み、前記PDL画像情報は、カラー画像情報であることが望ましい。
また他の発明によれば、外部より入力されるPDL画像情報を解釈してレンダリングを行い、各オブジェクト毎の属性データとラスタ画像データを生成し該属性データとラスタ画像データとに基づいて記録媒体に画像を記録するための画像データを生成する画像形成制御装置であって、前記属性データを圧縮符号化する第1圧縮手段と、前記ラスタ画像データを圧縮符号化する第2圧縮手段と、前記記録装置の資源と前記記録装置による記録条件との内、少なくともいずれかに従って、前記第1及び第2圧縮手段による圧縮符号化における目標圧縮率を設定する圧縮率設定手段と、前記記録装置の資源と前記記録装置による記録条件との内、少なくともいずれかに従って、前記属性データの属性数を変更する属性数変更手段と、前記属性変更手段により変更された前記属性データの数に基づいて、前記属性データを変更する変更手段と、前記圧縮率設定手段より設定された目標圧縮率を達成するように、前記第1圧縮手段により前記変更手段により変更された属性データを圧縮符号化し、前記第2の圧縮手段により前記ラスタ画像データを圧縮符号化するように制御する圧縮制御手段と、前記第1及び第2圧縮手段により圧縮符号化された符号データを格納する記憶手段と、前記記憶手段に格納された符号データを読み出して伸長して画像処理を施し、前記画像処理が施された画像データをプリンタエンジンに転送する転送手段とを有することを特徴とする画像形成制御装置を備える。
またさらに他の発明によれば、外部より入力されるPDL画像情報を解釈してレンダリングを行い、各オブジェクト毎の属性データとラスタ画像データを生成し該属性データとラスタ画像データとに基づいて記録媒体に画像を記録する記録方法であって、記録装置の資源と前記記録装置による記録条件との内、少なくともいずれかに従って、前記属性データを圧縮符号化する第1圧縮工程と前記ラスタ画像データを圧縮符号化する第2圧縮工程における圧縮符号化における目標圧縮率を設定する圧縮率設定工程と、前記記録装置の資源と前記記録装置による記録条件との内、少なくともいずれかに従って、前記属性データの属性数を変更する属性数変更工程と、前記属性変更工程において変更された前記属性データの数に基づいて、前記属性データを変更する変更工程と、前記圧縮率設定工程において設定された目標圧縮率を達成するように、前記第1圧縮工程において前記変更工程により変更された属性データを圧縮符号化し、前記第2の圧縮工程において前記ラスタ画像データを圧縮符号化するように制御する圧縮制御工程と、前記第1及び第2圧縮工程において圧縮符号化された符号データを格納した記憶媒体から前記符号データを読み出して伸長して画像処理を施し、前記画像処理が施された画像データに基づいて前記記録媒体に画像を記録する記録工程とを有することを特徴とする記録方法を備える。
従って本発明によれば、搭載するメモリ容量や記録サイズなどに応じて決定される圧縮符号化における目標圧縮率に従って、各オブジェクトの属性データの数を調整することが可能になる。
これにより、属性データ量を抑えることで画像形成に係わるトータルな処理負荷を抑制することが可能になり、結果として、高速な画像形成を行うことができる。
例えば、メモリ容量が相対的に多い場合や、小さなサイズの記録や片面記録の場合においては、細分化された多種のオブジェクト属性を反映した高画質化処理を実現することができる。これに対して、搭載メモリ容量が相対的に少ない場合や、大きいサイズの記録や両面記録の場合においては、画像品質劣化の抑制しつつオブジェクト属性を少なくすることで高速記録に達成することが可能となる。このようにして、高速かつ高品位な画像形成を実現することができる。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施例について、さらに具体的かつ詳細に説明する。
図1は本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置(以下、記録装置)の概略構成を示した図である。
図1において、601はヘッドカートリッジであり、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)の4色のカラーインクが夫々封入されたインクタンクと夫々に対応した独立した4つの記録ヘッドからなるマルチヘッドにより構成されている。各記録ヘッドのノズル数は1280である。また、602はヘッドカートリッジ601を支持し、記録とともにこれらを移動させるキャリッジである。キャリッジ602は非記録状態などの待機時には図のホームポジション(HP)にある。603は搬送ローラであり、補助ローラ(不図示)とともに記録紙605を抑えながら回転し、記録紙605をY方向に随時搬送する。また、604は給紙ローラであり、記録紙605の給紙を行うとともに、搬送ローラ603及び補助ローラと同様に記録紙605を抑える役割を果たす。
なお、4つの記録ヘッド夫々は、搬送方向に1280個のノズルを配置している。
上記構成における基本的な双方向記録動作について、図1を参照して説明する。
待機時にホームポジション(HP)にあるキャリッジ602は記録開始命令によりX方向に移動しながら記録ヘッドの複数のノズルにより記録データに従い記録紙605上にインクを吐出し記録を行う。このキャリッジ移動方向を主走査方向という。記録紙605の端部まで記録が終了すると、搬送ローラ604が回転することによりY方向へ記録紙605を所定幅だけ搬送する。この記録紙搬送方向を副走査方向という。続いて、キャリッジ602はX方向を逆方向に移動しながらインクを吐出して記録を行い、キャリッジ602はホームポジション(HP)に戻る。このようなキャリッジ走査動作と記録紙の搬送動作との繰り返しにより画像記録が実現される。
なお、この記録装置は、図11に示したように、基本的には画像形成コントローラと画像形成エンジンで構成される。
この実施例の記録装置で用いられる夫々が1280個のノズルを有した4つの記録ヘッドからは1回の吐出動作で4plのインク液滴が吐出される。また、各列1280個からなるノズル列は主走査方向にK、C、M、Yインクを吐出するノズル列として順に配列される。また、記録ヘッドのノズル解像度は1200dpiである。
そして、上述のようにして双方向記録を実行し、1パスで解像度1200dpi×1200dpiのドット形成を行う。
図2は双方向記録における記録ヘッドの記録走査の様子を示す図である。
図2に示すように、まず往路走査での1280ラインの画像形成の後に1280ライン相当の記録紙搬送を行い、続いて、復路走査での1280ラインの画像形成の後に1280ライン相当の記録紙搬送を行う。これを繰り返すことで双方向記録を実現する。
図3画像形成コントローラの概略構成を示すブロック図である。
CPU501は通信インタフェース502を介してホストPC503に接続される。CPU501は、制御プログラムを格納したROM505、更新可能な制御プログラムや処理プログラムや各種定数データなどを格納したEEPROM506、ホストPC503から受信したコマンド信号や画像情報を格納するためのRAM504にアクセスする。そして、これらのメモリに格納された情報に基づいて記録動作を制御する。
RAM504は増設ポートを使用することでメモリ容量を拡張できるよう構成されている。操作パネル508よりキー入力される指示情報は操作パネルインタフェース507を介してCPU501に伝達され、またCPU501からの命令により同様に操作パネルインタフェース507を介して操作パネル508のLED点灯やLCD表示が制御される。拡張インタフェース509はHDDなどの拡張カード510を接続することにより機能拡張を行うためのインタフェースである。
レンダリング部511はCPU501によって生成された中間データ(ディスプレイリスト(DL))を解釈してラスタイメージ及び各画素に対応する属性ビットを生成する。非可逆圧縮部514はラスタイメージを非可逆方式で符号化し、非可逆伸張部515は非可逆方式で圧縮符号化されたラスタイメージを復号化処理する。可逆圧縮部512は属性ビットを可逆方式で符号化し、可逆伸張部513は可逆方式で圧縮符号化された属性ビットを復号化処理する。画像処理部516は属性ビットに基づいて文字や図形といったオブジェクト種類にしたがい最適な画像処理を施してエンジン仕様に適合した各色インクによる画像形成データを生成出力する。画像形成データはエンジンインタフェース517を介して画像形成エンジン518へ送出される。
なお、RAM504はメモリ増設が可能であり、標準搭載メモリ128Mバイトに対して増設用メモリ128Mバイトを追加することにより合計で256Mバイトの容量のRAMを備えることができる。
次に、PDL処理及び画像処理について詳細に説明する。
これらの処理の基本的なデータの流れは図11を参照して背景技術において既に説明した通りである。要約すると、まず、ホストPCから受信したPDLデータより解釈生成された中間データであるディスプレイリスト(DL)に従いラスタイメージへの変換処理が行われ、さらに画像形成エンジンでの画像形成に適した形式のドットデータへ変換がなされる。なお、PDLデータとは描画内容が記述された画像データであり、文字や数字を表すフォントデータ、幾何学的な線画を表すベクトルデータ、自然画像など各種のビットマップ画像データなどに区分される。
図4はレンダリング時にラスタイメージとともに生成される属性データの内容を示す図である。
この実施例ではレンダリング時にラスタイメージとともに生成される属性データは画素ごとに4ビットである。図4に示すように、ビット3〜2は“01”が文字、“10”が図形、“11”が中間調画像、“00”はオブジェクトを構成していないことを表す。また、ビット1は“1”のときに細線であることを表わす。ビット0は“1”のときには無彩色を表し、“0”のときは有彩色を表す。例えば、ビット3〜0が“0101”であると無彩色文字を、“1010”であるとは有彩色細線を意味する。
ここで、ラスタイメージはRGB形式の各色8ビットデータであり非可逆圧縮方式としてJPEG方式を用いる。この実施例では8段階の量子化テーブル(QTABLE#0〜#7)を備える。
図5は8段階の量子化テーブルを示す図である。
図5に示されるように、この実施例では、最も高画質/低圧縮なパラメータを表すテーブル(QTABLE#0)から最も低画質/高圧縮なパラメータを表す(QTABLE#7)までを適宜選択して可能なかぎり高画質に圧縮符号化を行うことができる。
また、上述のように、属性データは画素あたり4ビットで構成されており、この実施例では可逆圧縮方式としてパックビッツ圧縮を用いる。可逆なパックビッツ方式では圧縮結果の容量は固定でありデータ量の調整ができない。このため属性データの圧縮情報量の削減は属性種別を減らすことで実現する。具体的には、無彩色を有彩色に(ビット0を“0”に固定)、細線を図形(共通)に(ビット1を“0”に固定)夫々変換(置換)することによって属性種別を削減する。ここでは識別ビットを変換することで対応するが、削減した結果として取りえる値の数に応じてビット数を減らすことも可能である。
なお、圧縮符号化処理では目標圧縮率が設定されており、必要に応じてパラメータ(量子化テーブル)を変更して圧縮処理を繰り返し実行する。上述のとおり、非可逆圧縮では高圧縮化にともないラスタイメージの劣化が生じて画質劣化が視認されることとなる。また属性データについてもビット置換処理(変換処理)によって高圧縮化を実現するものの、失われた属性識別情報は復元することができないため、後段の画像処理におけるオブジェクト属性の適応処理に制限が生じる。
次に、以上のことを踏まえ、目標圧縮率指定に応じたオブジェクト属性数の適応制御処理についてフローチャートを参照して説明する。
図6はオブジェクト属性数の適応制御処理を示すフローチャートである。
図7はRAMのメモリ容量と目標圧縮率とオブジェクト識別数との関係を一覧に示した図である。
この図から分かるように、この実施例では、レンダリング時に識別生成するオブジェクト属性の数(種類)をRAMのメモリ容量に従う目標圧縮率の変動に対して適応的に制御する。メモリ容量が大きいとラスタイメージなどの目標圧縮率を緩く設定できるだけでなく、各種バッファなどを十分に大きく確保することが可能となることから処理全体の高速化にも寄与する。
図6に戻って説明を続ける。まず、ステップS101では、データ処理に先立って記録装置に搭載したメモリが標準メモリだけであるか、或いはメモリが増設された状態であるかを調べる。この搭載メモリの状態に応じてページスプールにおける目標圧縮率、及びレンダリング時に識別生成するオブジェクト属性の数を制御する。
ここで、搭載メモリが標準メモリだけ(即ち、メモリ容量が128Mバイト)であると判別された場合には、処理はステップS102に進み、目標圧縮率(R)として1/12を設定する。さらに、ステップS103ではオブジェクト属性数(N)として“8”を設定する。これに対して、搭載メモリがメモリ増設状態(即ち、メモリ容量ふぁ256Mバイト)であると判別された場合には、処理はステップS104に進み、目標圧縮率(R)として1/8を設定しする。さらに、ステップS105では、オブジェクト属性数(N)として“16”を設定する。
その後、処理はステップS106において、PDLデータが受信されると、処理はステップS107に進み、CPU501はPDLを解釈してディスプレイリスト(DL)を生成する。さらに、ステップS108では生成されたディスプレイリスト(DL)に従ってレンダリング処理を行い、ラスタイメージとメモリ搭載量に応じた種類の属性データが生成される。
さらに、ステップS109では生成ラスタイメージと属性データを圧縮符号化してページバッファ(図11の1107参照)に格納する。ここで、目標圧縮率(R)を達成するまで繰り返し再圧縮処理を実行することで圧縮ページデータが完成する。この再圧縮処理は再レンダリング処理を伴うものであってもよい。さらに、ステップS110では最適な画像処理を施して最終的な画像形成エンジンの所望の画像形成データを生成する。
ここで、ステップS109における圧縮符号化の詳細について説明する。
図8は圧縮符号化の詳細な処理を示すフローチャートである。
まず。ステップS201では、量子化パラメータとして初期パラメータを示すテーブルQTABLE#0が設定される。次に、ステップS202ではレンダリングにより生成されたラスタイメージ及び属性データの圧縮符号化を行い、さらに、ステップS203では
その圧縮結果がページバッファに収まるか否か、即ち、符号量が目標サイズに収まるか否かを検出又は予測する。
その圧縮結果がページバッファに収まるか否か、即ち、符号量が目標サイズに収まるか否かを検出又は予測する。
ここで、圧縮符号化により得られる符号量が目標符号量を越えてしまうと判断された場合には、処理はステップS204に進み、現在の使用中の量子化テーブルがQTABLE#4であるかどうかを調べる。もし、そうであれば処理はステップS208に進み、そうでない場合には処理はステップS205に進む。ステップS205では、現在の使用中の量子化テーブルがQTABLE#6であるかどうかを調べる。もし、そうであれば処理はステップS209に進み、そうでない場合には処理はステップS206に進む。
初期パラメータ(QTABLE#0)を用いた圧縮符号化で得られた符号量が目標値を越える場合には、処理はステップS206に進むことになり、ラスタイメージの圧縮パラメータであるQTABLE番号を“+1”だけインクリメントする。その後、処理はステップS207に進み、ラスタイメージの再圧縮処理を繰り返す。
また、ラスタイメージの圧縮パラメータがQTABLE#4であってもその圧縮符号化で得られた符号量が目標符号量を越えてしまう場合には、処理はステップS208において属性データにおけるオブジェクト属性数を“16”から“8”に削減する。その後、処理はステップS210に進み、属性データの再圧縮処理を行う。
またさらに、ラスタイメージの圧縮パラメータがQTABLE#6であってもその圧縮符号化で得られた符号量が目標符号量を越えてしまう場合には、処理はステップS209において、属性データにおけるオブジェクト属性数を“8”から“4”に削減する。その後、処理はステップS210に進み、属性データの再圧縮処理を行う。
これに対して、ステップS203において、圧縮符号化で得られた符号量が目標符号量以下であると判断された場合には、処理はステップS211に進む。ここで、ページ処理完了かどうかを調べ、処理未完了と判断されれば処理はステップS202に戻り、処理完了と判断されれば圧縮符号化処理を終了する。
このように、搭載するメモリ容量に対応して決定される目標圧縮率に従いレンダリング時に画素単位に生成するオブジェクト属性の種類の数を制御する。これにより、メモリ増設時には大半の画像データに対して比較的多い属性数で目標圧縮率を達成して細かなオブジェクト適応処理を実現することができる。一方、標準メモリのみの場合には少ない属性数からオブジェクト属性数の適応制御処理を開始することにより属性削減処理の繰り返し実行によるスループット低下を回避する。
さて、搭載メモリ容量が少ない状態ではページバッファだけでなくシステム全体の各種バッファの割当て容量が小さくなり、必然的に各種データ処理性能が低下する。特に処理負荷の重いレンダリング処理ではメモリ容量が小さいと性能低下が顕著である。しかし、以上の処理により、識別生成するオブジェクト属性の種類情報量を削減することでレンダリング処理の負荷を軽減するので、プリント速度の低下を最小限にすることができる。
従って以上説明した実施例に従えば、メモリ搭載量に応じた目標圧縮率に従ってレンダリング時に画素単位に生成するオブジェクト属性の種類数を選択制御し、メモリ容量が少ない状態ではオブジェクト属性数を相対的に小さく設定する。これにより、各種バッファ不足によるレンダリング処理性能の低下を回避し、また目標圧縮率達成のための圧縮処理の繰り返し実行を抑制するので、スループット低下を回避することができる。
また、メモリ容量が多い状態では細分化したオブジェクト属性ごとの最適な高画質化処理を行い、メモリ容量が少ない状態では圧縮に伴う画像劣化抑制とオブジェクト属性適応処理による高画質化のバランスをはかることが可能となる。
<その他の実施例>
上記の実施例では、記録装置のメモリ搭載量の増減に応じて目標とする圧縮率及びオブジェクト属性の識別数を設定制御する場合について説明した。この実施例では、ラスタイメージのサイズ、両面又は片面プリントといった記録条件に応じた目標圧縮率制御及びオブジェクト属性識別数制御について説明する。
上記の実施例では、記録装置のメモリ搭載量の増減に応じて目標とする圧縮率及びオブジェクト属性の識別数を設定制御する場合について説明した。この実施例では、ラスタイメージのサイズ、両面又は片面プリントといった記録条件に応じた目標圧縮率制御及びオブジェクト属性識別数制御について説明する。
なお、この実施例で用いる記録装置の基本構成や画像形成コントローラの構成については前述の実施例と同様である。また、この実施例における記録装置では、A3やA4をはじめとする多種のページサイズの記録が可能であり、またA4サイズでは両面プリントにも対応する。さらに、画像形成コントローラ内の基本的なデータフローは図12を参照して説明した通りである。
ここでは、この実施例で特徴的な目標圧縮率指定に応じたオブジェクト属性数の適応制御についてフローチャートを参照して説明する。
図9はオブジェクト属性数の適応制御処理を示すフローチャートである。なお、図9において既に図6を参照して説明したのと同じ処理ステップには同じステップ参照番号を付し、その説明は省略する。
先述のとおり、この実施例における画像形成コントローラは、多種のページサイズのプリント、及び一部サイズでの両面プリントが可能である。従って、この実施例の画像形成エンジンは高速な両面プリントが可能な機構を有しており、圧縮符号化における目標圧縮率は記録装置内部に滞留するページ数とページサイズに従い決定される。
図10は記録サイズと片面/両面プリントと目標圧縮率とオブジェクト識別数との関係を一覧に示した図である。
図10に示すように、この実施例では、目標圧縮率は、記録紙がA4サイズを越える片面プリントでは1/8、記録紙がA4サイズ以下の片面プリントでは1/6、記録紙がA4サイズ以下の両面プリントでは1/10であるとする。
データ処理に先立って、まず、ステップS901では記録ページサイズが記録紙A4サイズを越えるかどうかを調べる。ここで、A4サイズを越えるなら、処理はステップS902に進み、A4サイズ以下なら処理がステップS903に進む。次に、ステップS902では、記録条件として両面プリントであるかどうかを調べる。ここで、両面プリントであれば処理はステップS907に進み、片面プリントであれば処理はステップS905に進む。
ステップS903では、A4サイズを越える片面プリントに対して、目標圧縮率(R)として“1/8”を設定し、さらに、ステップS904では、オブジェクト属性数(N)として“16”を設定する。その後、処理はステップS106に進む。
一方、ステップS905では、A4サイズ以下の片面プリントに対して、目標圧縮率(R)として“1/6”を設定し、さらに、ステップS906では、オブジェクト属性数(N)として“16”を設定する。その後、処理はステップS106に進む。
またさらに、ステップS907では、A4サイズ以下の両面プリントに対して、目標圧縮率(R)として“1/10”を設定し、さらに、ステップS908では、オブジェクト属性数(N)として“8”を設定する。その後、処理はステップS106に進む。
以下前述の実施例で説明したように、ステップS106〜S110の処理を実行する。なお、ステップS109における圧縮符号化の詳細な処理も前述の実施例と同様である。
このようにこの実施例では、記録条件に対応付けて決定される目標圧縮率に従ってレンダリング時に画素単位に生成するオブジェクト属性の種類を制御する。これにより、ページサイズが小さいときや片面プリントには大半の画像データに対して比較的多い属性数でターゲット圧縮率を達成して細かなオブジェクト適応処理を実現する。これに対して、ページサイズが大きいときや両面プリントでは少ない属性数からオブジェクト属性数の適応制御処理を開始することにより属性削減処理の繰り返し実行によるスループット低下を回避する。
記録するページサイズが大きい場合や両面プリントのためにスプールすべきページ枚数が多い場合にはシステム全体の各種バッファ容量の制約が増大し、必然的に各種データ処理性能の低下を引き起こす。特に、処理負荷の重いレンダリング処理ではメモリ容量が少ない場合にはその性能低下が顕著である。しかしながら、この実施例でも、この場合には識別生成するオブジェクト属性の種類情報量を削減することでレンダリング処理の負荷を軽減してプリント速度の低下を回避している。
以上説明した実施例に従えば、記録条件に従ってレンダリング時に画素単位に生成するオブジェクト属性情報の種類数を選択制御することができる。
例えば、ページサイズが大きいときや両面プリントではオブジェクト属性数を相対的に小さく設定する。これにより、各種バッファ不足によるレンダリング処理性能の低下を回避し、また目標圧縮率達成のための圧縮処理の繰り返し実行を抑制してスループット低下を回避することができる。さらに、ページサイズが小さいときや片面プリントでは細分化したオブジェクト属性ごとの最適な高画質化処理を行なうことができる。これにより、ページサイズが小さいときや片面プリントでは圧縮に伴う画像劣化抑制とオブジェクト属性適応処理による高画質化のバランスをはかることが可能となる。
なお、上記の2つの実施例では夫々、搭載メモリ容量、記録条件に応じて、夫々目標圧縮率が設定される場合について説明した。しかしながら、本発明はこれによって限定されるものではない。例えば、これらを組み合わせて制御するものであってもよいし、プリント速度と画像品位の優先度設定や使用媒体種などと組み合わせて決定するものであってもよい。また、記録装置の内部状態に応じて動的に変更されたメモリ割り当てに基づいて変化する目標圧縮率に対応することも可能である。
また、上記2つ実施例では、ラスタイメージ圧縮で使用したパラメータのみから劣化状態を判定してオブジェクト属性識別数の削減処理に移行する例を示した。一方、JPEG方式などの非可逆圧縮は文字に対して劣化が顕著に視認される。このため、属性データに占める文字属性の分布やユーザ設定などから劣化状態を適切に判定して、オブジェクト属性識別数の削減処理の移行閾値を切り替えてもよい。
さらに、上記2つの実施例では、K、C、M、Yの4色インクを用いたインクジェット記録装置を例に挙げて説明したが、記録装置で使用可能なインクの色数や色種はこれに限定されるものではない。例えば、Kを除く3色インクを用いたものであってもよいし、ライトシアン(LC)やライトマゼンタ(LM)、ライトイエロ(LY)、ライトブラック(LB)などの淡色系インクやレッド(R)、ブルー(B)など特別色を追加したものでもよい。また、搭載する記録ヘッドの数は各インクについて1つに限定するものではなく、一部あるいは全てのインク色に対して複数の記録ヘッドを備えて高速記録を実現する構成をとっても良い。
またさらに、本発明は記録ヘッドの動作原理や構成により制限されるものではない。例えば、上述したサーマル方式を採用したものであってもよいし、ピエゾ方式であってもよい。
またさらに上述の実施例では、インクジェット記録装置により画像形成を行なう場合について説明したは、本発明に適用可能な画像形成システムはインクジェット方式に限定されるものではない。例えば、熱転写方式や熱感熱方式などの他のシリアル記録走査方式や電子写真方式の画像形成システムに適用することも可能である。
またさらに上記実施例では、ディスプレイリスト(DL)生成処理やレンダリング処理や画像形成データ生成処理などを全て画像形成システム内部で行う構成について説明したが、本発明はこれによって限定されるものではない。例えば、これらの一部あるいは全部を接続されるホストPC側のドライバやその他の外部装置で実現する構成であってもよいことは明らかである。
また、本発明が適用される画像形成システムの形態は、コンピュータやワードプロセッサをはじめとする情報処理装置の画像出力装置として一体または別体に設けられるものに限定されるものではない。例えば、画像読取装置と組み合わせた複写装置や通信機能を有するファクシミリ装置などにも本発明は適用可能である。
501 CPU
502 通信インタフェース
503 ホストPC
504 RAM
505 ROM
506 EEPROM
507 操作パネルインタフェース
508 操作パネル
509 拡張インタフェース
510 拡張カード
511 レンダリング部
512 可逆圧縮部
513 可逆伸張部
514 非可逆圧縮部
515 非可逆伸張部
516 画像処理部
517 エンジンインタフェース
518 画像形成エンジン
601 ヘッドカートリッジ
602 キャリッジ
603 搬送ローラ
604 給紙ローラ
605 記録紙
502 通信インタフェース
503 ホストPC
504 RAM
505 ROM
506 EEPROM
507 操作パネルインタフェース
508 操作パネル
509 拡張インタフェース
510 拡張カード
511 レンダリング部
512 可逆圧縮部
513 可逆伸張部
514 非可逆圧縮部
515 非可逆伸張部
516 画像処理部
517 エンジンインタフェース
518 画像形成エンジン
601 ヘッドカートリッジ
602 キャリッジ
603 搬送ローラ
604 給紙ローラ
605 記録紙
Claims (14)
- 外部より入力されるPDL画像情報を解釈してレンダリングを行い、各オブジェクト毎の属性データとラスタ画像データを生成し該属性データとラスタ画像データとに基づいて記録媒体に画像を記録する記録装置であって、
前記属性データを圧縮符号化する第1圧縮手段と、
前記ラスタ画像データを圧縮符号化する第2圧縮手段と、
前記記録装置の資源と前記記録装置による記録条件との内、少なくともいずれかに従って、前記第1及び第2圧縮手段による圧縮符号化における目標圧縮率を設定する圧縮率設定手段と、
前記記録装置の資源と前記記録装置による記録条件との内、少なくともいずれかに従って、前記属性データの属性数を変更する属性数変更手段と、
前記属性変更手段により変更された前記属性データの数に基づいて、前記属性データを変更する変更手段と、
前記圧縮率設定手段より設定された目標圧縮率を達成するように、前記第1圧縮手段により前記変更手段により変更された属性データを圧縮符号化し、前記第2の圧縮手段により前記ラスタ画像データを圧縮符号化するように制御する圧縮制御手段と、
前記第1及び第2圧縮手段により圧縮符号化された符号データを格納する記憶手段と、
前記記憶手段に格納された符号データを読み出して伸長して画像処理を施し、前記画像処理が施された画像データに基づいて前記記録媒体に画像を記録する記録手段とを有することを特徴とする記録装置。 - 前記記録装置の資源とは、メモリであり、
前記圧縮率設定手段と前記属性数変更手段とは夫々、前記メモリの容量に従って、前記目標圧縮率を設定、前記属性データの属性数を変更することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。 - 前記記録装置による記録条件とは、前記記録媒体のサイズと、前記記録媒体の片面への記録或いは両面への記録とを含み、
前記圧縮率設定手段と前記属性数変更手段とは夫々、前記記録媒体のサイズと、前記記録媒体の片面への記録或いは両面への記録の区別とに従って、前記目標圧縮率を設定、前記属性データの属性数を変更することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。 - 前記第1圧縮手段は、可逆性圧縮方式を用いて圧縮符号化を行い、
前記第2圧縮手段は、非可逆性圧縮方式を用いて圧縮符号化を行なうことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の記録装置。 - 前記可逆性圧縮方式は、パックビッツ方式を含み、
前記非可逆性圧縮方式は、JPEG方式を含むことを特徴とする請求項4に記載の記録装置。 - 前記属性データは画像各画素について、文字、図形或いは画像の種別、線であるかどうかの区別、有彩色或いは無彩色かの区別を示す情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記変更手段は、前記線であるかどうかの区別と前記有彩色或いは無彩色かの区別との内、少なくともいずれかの区別をしないように前記属性データを変更することを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
- 前記圧縮制御手段は、
圧縮符号化に用いる量子化パラメータを画質と圧縮率との観点から複数の段階に分類された複数の量子化テーブルと、
前記第1圧縮手段と前記第2圧縮手段との内、少なくともいずかにより実行された圧縮符号化により得られた符号量と前記圧縮率設定手段により設定された目標圧縮率から得られる目標符号化量とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に従って、前記複数の量子化テーブルから前記圧縮符号化に用いるテーブルを切り替えて選択し、該切り替えて選択された量子化テーブルを用いて前記第1圧縮手段或いは前記第2圧縮手段による圧縮符号化を実行するよう制御する繰り返し制御手段とを含むことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。 - 前記圧縮制御手段は、さらに、前記比較手段による比較結果に従って、前記変更手段を制御して前記属性データの数を変更するように前記属性データを変更する変更制御手段を含むことを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
- 前記変更制御手段は、前記目標圧縮率に従って高圧縮が必要な場合に前記属性データの数を相対的に小さくすることを特徴とする請求項9に記載の記録装置。
- 前記記録手段はインクジェット記録ヘッドを含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の記録装置。
- 前記PDL画像情報は、カラー画像情報であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の記録装置。
- 外部より入力されるPDL画像情報を解釈してレンダリングを行い、各オブジェクト毎の属性データとラスタ画像データを生成し該属性データとラスタ画像データとに基づいて記録媒体に画像を記録するための画像データを生成する画像形成制御装置であって、
前記属性データを圧縮符号化する第1圧縮手段と、
前記ラスタ画像データを圧縮符号化する第2圧縮手段と、
前記記録装置の資源と前記記録装置による記録条件との内、少なくともいずれかに従って、前記第1及び第2圧縮手段による圧縮符号化における目標圧縮率を設定する圧縮率設定手段と、
前記記録装置の資源と前記記録装置による記録条件との内、少なくともいずれかに従って、前記属性データの属性数を変更する属性数変更手段と、
前記属性変更手段により変更された前記属性データの数に基づいて、前記属性データを変更する変更手段と、
前記圧縮率設定手段より設定された目標圧縮率を達成するように、前記第1圧縮手段により前記変更手段により変更された属性データを圧縮符号化し、前記第2の圧縮手段により前記ラスタ画像データを圧縮符号化するように制御する圧縮制御手段と、
前記第1及び第2圧縮手段により圧縮符号化された符号データを格納する記憶手段と、
前記記憶手段に格納された符号データを読み出して伸長して画像処理を施し、前記画像処理が施された画像データをプリンタエンジンに転送する転送手段とを有することを特徴とする画像形成制御装置。 - 外部より入力されるPDL画像情報を解釈してレンダリングを行い、各オブジェクト毎の属性データとラスタ画像データを生成し該属性データとラスタ画像データとに基づいて記録媒体に画像を記録する記録方法であって、
記録装置の資源と前記記録装置による記録条件との内、少なくともいずれかに従って、前記属性データを圧縮符号化する第1圧縮工程と前記ラスタ画像データを圧縮符号化する第2圧縮工程における圧縮符号化における目標圧縮率を設定する圧縮率設定工程と、
前記記録装置の資源と前記記録装置による記録条件との内、少なくともいずれかに従って、前記属性データの属性数を変更する属性数変更工程と、
前記属性変更工程において変更された前記属性データの数に基づいて、前記属性データを変更する変更工程と、
前記圧縮率設定工程において設定された目標圧縮率を達成するように、前記第1圧縮工程において前記変更工程により変更された属性データを圧縮符号化し、前記第2の圧縮工程において前記ラスタ画像データを圧縮符号化するように制御する圧縮制御工程と、
前記第1及び第2圧縮工程において圧縮符号化された符号データを格納した記憶媒体から前記符号データを読み出して伸長して画像処理を施し、前記画像処理が施された画像データに基づいて前記記録媒体に画像を記録する記録工程とを有することを特徴とする記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005365418A JP2007168129A (ja) | 2005-12-19 | 2005-12-19 | 記録装置、画像形成制御装置、及び記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005365418A JP2007168129A (ja) | 2005-12-19 | 2005-12-19 | 記録装置、画像形成制御装置、及び記録方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007168129A true JP2007168129A (ja) | 2007-07-05 |
Family
ID=38295340
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005365418A Withdrawn JP2007168129A (ja) | 2005-12-19 | 2005-12-19 | 記録装置、画像形成制御装置、及び記録方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007168129A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014060641A (ja) * | 2012-09-19 | 2014-04-03 | Brother Ind Ltd | 画像形成装置 |
-
2005
- 2005-12-19 JP JP2005365418A patent/JP2007168129A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014060641A (ja) * | 2012-09-19 | 2014-04-03 | Brother Ind Ltd | 画像形成装置 |
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