JP2007165508A - 発光素子封止用組成物及び発光素子並びに光半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の発光素子封止用組成物は、平均粒径が50nm以上かつ1μm以下の星形状酸化チタン粒子21を含有し、この星形状酸化チタン粒子21は、放射状に伸びる6個の延在部22と、一対の突部23とを備え、延在部22は、中心軸に対して60°回転することで隣接する延在部22と互いに重なるように配置され、さらに、延在部22各々の先端22aと突部23各々の先端23aとの間には稜24が形成され、全体形状が六角形状の星形状とされていることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
この発光ダイオードは、窒化ガリウム系化合物半導体等を積層してなるLEDチップをリードフレームに搭載し、このLEDチップとリードフレームとを電気的に接続し、このLEDチップを保護機能およびレンズ機能を兼ねた樹脂により封止されている。
また、封止に用いられる樹脂としては、透明性、機械的強度、靭性等が要求されることから、これらの要求に適した樹脂として屈折率が1.4程度のシリコーン樹脂等が広く用いられている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、近年に開発された白色系LEDは、LEDの低電力特性を生かした一般照明用光源としても期待されている。この場合、複数のLEDチップ素子を同一平面上に配列した面発光体、あるいは単体のLED素子を複数個組み合わせたもの等が用いられる。
ところで、この白色系LEDでは、封止樹脂中に混入される蛍光体の平均粒径が2〜10μmと比較的大きいために、この蛍光体の分散性や硬化前の封止樹脂中における分散維持性が良くない等の理由により、白色系LEDの色調に著しい違いが現れてしまうという問題点があり、そこで、この問題点を解消するために、光反射を目的として封止樹脂に光を散乱させる散乱粒子を添加した白色LED素子が提案されている(例えば、特許文献3、4参照)。
したがって、この弱め合う部分に蛍光体が存在している場合、色調の色ムラの原因ともなり、目的としている色調の均一化を効率的に行うことが難しいという問題点があった。
前記酸化チタン粒子は、樹脂中に分散してなることが好ましい。
前記酸化チタン粒子は、アナターゼ型の酸化チタン粒子であることが好ましい。
前記酸化チタン粒子は、中心軸から略垂直方向に放射状に伸びる複数の延在部と、前記中心軸に沿って互いに離間する方向に伸びる一対の突部とを備え、前記複数の延在部各々の先端と前記一対の突部各々の先端との間に稜を有する星形状酸化チタン粒子を含有してなることが好ましい。
前記酸化チタン粒子の含有率は、0.1重量%以上かつ30重量%以下であることが好ましい。
また、高効率に光散乱することができるので、蛍光体の添加量を削減することができ、従来の散乱粒子の添加量よりも少ない添加量にて同一の光散乱効果を得ることができ、しかも高い発光輝度を得ることができる。
さらに、本発明の発光素子を複数個用いれば、複数の発光素子を使用する装置としての性能および歩留まりを向上させることができる。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図において、1はIII−V族化合物半導体からなるLEDチップ、2、3はLEDチップ1を搭載するとともに外部端子を兼ねるリードフレーム、4はLEDチップ1とリードフレーム2、3とを電気的に接続するボンディングワイヤ、5はLEDチップ1を封止しかつ保護機能及びレンズ機能を兼ね備えた封止樹脂(発光素子封止用組成物)、6はLEDチップ1及びリードフレーム2、3を固定・一体化するとともに外部環境から保護するモールド樹脂である。
ここで、酸化チタン粒子を双晶構造に限定した理由は、一つの粒子に光学結晶が複数存在することによって、光学的に光の干渉が粒子周辺部に対し均一におこり、光の散乱の均一化を効率的に行うことができるからである。
この星形状酸化チタン粒子21は、中心軸Axから略垂直方向に放射状に伸びる複数の延在部22(図では、6個)と、中心軸Axに沿って互いに離間する方向に伸びる一対の突部23とを備えており、延在部22各々は、中心軸Axに対して60°回転することで隣接する延在部22と互いに重なるように配置され、さらに、延在部22各々の先端22aと突部23各々の先端23aとの間には稜24が形成され、全体形状が中心軸Axに対して回転対称、かつ中心軸Axに垂直な軸線Ayに対して線対称の六角形状の星形状とされている。
ここで、星形状酸化チタン粒子の平均粒径を50nm以上かつ1μm以下と限定した理由は、平均粒径が50nm未満であると、可視光での光散乱性が乏しくなり、高効率的な光散乱性を発現することが難しくなるからであり、一方、平均粒径が1μmを超えると、透明樹脂と複合体を形成した場合に光取り出し効率が低下するからである。
例えば、450nmの青色を、この星形状酸化チタン粒子の近辺にて散乱させたい場合、50〜200nmの星形状酸化チタン粒子を用いることが好ましく、黄色蛍光体と均一に混合した場合に効率良く黄色蛍光体へ入射可能となる。さらに、550nmの黄色は、100〜300nmの星形状酸化チタン粒子を添加することにより、均一な前方散乱光を得ることが可能となる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等の2官能型のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリス・ヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂等の多官能型のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミニジフェニルメタン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、アニリン型エポキシ樹脂、トルイジン型エポキシ樹脂等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂等が好適に用いられる。
(a)1分子中のケイ素原子に結合した官能基のうち少なくとも2つがアルケニル基であるオルガノポリシロキサン
(b)1分子中のケイ素原子に結合した官能基のうち少なくとも2つが水素原子であるか、または分子鎖の両端が水素原子で封鎖された直鎖状のオルガノポリシロキサン
(c)ヒドロシリル化反応用触媒
また、このアルケニル基以外のケイ素原子に結合した官能基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられ、特に、メチル基が好ましい。
また、(b)成分の含有量は、(a)成分に含まれている合計アルケニル基1モルに対して水素原子が0.1〜10モルの範囲内となる量であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5モルの範囲内となる量であり、さらに好ましくは0.5〜2モルの範囲内となる量である。
この白金系触媒としては、白金微粉末、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金カルボニル錯体等が挙げられ、特に、塩化白金酸が好ましい。
このシリコーン樹脂については、本発明の目的を損なわないかぎり、その他任意の成分として、耐熱剤、染料、顔料、難燃性付与剤等を含有してもよい。
単官能アクリレート及び多官能アクリレートそれぞれの具体例について次に挙げる。
(a)脂肪族単官能(メタ)アクリレートとしては、
ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート
メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート
(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のN−置換アクリルアミド等が挙げられる。
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1.4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブタンジオールジ(メタ)アクリレート、等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート
ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート等のトリ(メタ)アクリレート
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジ−トリメチロールプロパンテトラアクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート
ジペンタエリスリトール(モノヒドロキシ)ペンタアクリレート等のペンタ(メタ)アクリレート
等が挙げられる。
(d)芳香族(メタ)アクリレートのうち、単官能型としては、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等が、また、多官能型としては、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等のジアクリレート類、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(f)エポキシ(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールA型エポキシアクリレート、ノボラック型エポキシアクリレート等が挙げられる。
また、酸化チタンの光触媒作用で樹脂が劣化してしまうのを防止するために、表面に酸化珪素、アルミニウム、ジルコニウム、亜鉛等の酸化物、もしくは二種類以上の金属元素を含む複合酸化物、窒化物等でコーティングしてもよい。
ここで、星形状酸化チタン粒子の含有率を0.1重量%以上かつ30重量%以下と限定した理由は、下限値の0.1重量%は、光学散乱特性の向上が可能となる添加率の最小値であるからであり、一方、上限値の30重量%は、光取り出し効率が損なわれない範囲の添加率の最大値であるからである。
この光透過率は、透明複合体における星形状酸化チタン粒子の含有率により異なり、星形状酸化チタン粒子の含有率が1重量%では85%以上、星形状酸化チタン粒子の含有率が10重量%では80%以上である。
まず、LEDチップ1をリードフレーム2の凹部2a内の所定位置に搭載し、このLEDチップ1の電極13とリードフレーム2とをボンディングワイヤ4を用いて電気的に接続し、外部端子とする。
次いで、このLEDチップ1及びリードフレーム2の凹部2a内を、平均粒径が50nm以上かつ1μm以下の星形状酸化チタン粒子を透明な樹脂中に分散した透明複合体からなる封止樹脂5により封止する。
「星形状酸化チタン分散液」
この星形状酸化チタン分散液は、平均粒径が50nm以上かつ1μm以下の星形状酸化チタン粒子と、分散媒とを含む分散液である。
分散媒は、基本的には、水、有機溶媒、液状の樹脂モノマー、液状の樹脂オリゴマーのうち少なくとも1種以上を含有したものである。
また、上記の液状の樹脂オリゴマーとしては、ウレタンアクリレート系オリゴマー、エポキシアクリレート系オリゴマー、アクリレート系オリゴマー等が好適に用いられる。
ここで、星形状酸化チタン粒子の含有率を1重量%以上かつ70重量%以下と限定した理由は、この範囲が星形状酸化チタン粒子が良好な分散状態を取りうる範囲であり、含有率が1重量%未満であると、星形状酸化チタン粒子としての効果が低下し、また、70重量%を超えると、ゲル化や凝集沈澱が生じ、分散液としての特徴を消失するからである。
星形状酸化チタン粒子以外の無機酸化物粒子としては、ジルコニア、セリア、酸化亜鉛、酸化スズ、アンチモン添加酸化スズ(ATO)、スズ添加酸化インジウム(ITO)等からなる粒子が挙げられる。
また、分散剤としては、リン酸エステル系分散剤等が挙げられる。
上述した星形状酸化チタン分散液と、樹脂のモノマーやオリゴマーを、ミキサー等を用いて混合し、次いで、押出機、加熱ロール、加熱ニーダ等の混練機を用いて加圧混練し、次いで、この混練物を冷却・粉砕し、星形状酸化チタン粒子と樹脂の混合物である樹脂組成物を作製する。
次いで、この樹脂組成物をリードフレーム2の凹部2a内かつLEDチップ1を覆う様に塗布し、得られた塗膜を加熱、あるいは紫外線や赤外線等の照射を施し、この塗膜を硬化させる。
特に、アクリル樹脂等の紫外線(UV)硬化性樹脂を含む樹脂組成物を硬化させる方法としては、様々な方法があるが、代表的には、加熱または光照射により開始されるラジカル重合反応を用いたモールド成形法、トランスファー成形法等が挙げられる。このラジカル重合反応としては、熱による重合反応(熱重合)、紫外線等の光による重合反応(光重合)、ガンマ線による重合反応、あるいは、これらの複数を組み合わせた方法等が挙げられる。
この封止後、LEDチップ1、リードフレーム2、3、ボンディングワイヤ4及び封止樹脂5を覆うように、モールド樹脂6をモールディングし、ボンディングワイヤ4及び外部端子を絶縁処理する。
以上により、図1に示す本実施形態の発光ダイオードを作製することができる。
したがって、光の取り出し効率を向上させることができ、発光輝度を向上させることができる。
「実施例1」
水熱合成法により、平均粒径が200nmの星形状酸化チタン粒子を作製した。この星形状酸化チタン粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)像を図4に示す。
次いで、この星形状酸化チタン粒子10gに、分散媒としてトルエンを87g、分散剤としてCS−141E(旭電化工業(株)社製)を3g加え、1mmφのガラスビーズを用いたビーズミルにより分散処理を行い、平均粒径が200nmの星形状酸化チタン分散液を作製した。
次いで、この樹脂組成物をガラス板で組み上げた型の中に厚みが1mmになるように流し込み、次いで、150℃にて2時間加熱して硬化させ、実施例1の複合体を作製した。この複合体の星形状酸化チタン粒子の含有率は10%であった。
実施例1の星形状酸化チタン分散液50gに、エポキシレジン:エピコート828を7gおよび硬化剤としてエピキュア3080を3g(いずれもジャパンエポキシレジン(株)社製)を加え、真空乾燥により脱溶剤化し、樹脂組成物を作製した。
次いで、この樹脂組成物をガラス板で組み上げた型の中に厚みが1mmになるように流し込み、次いで、80℃にて30分間加熱して硬化させ、実施例2の複合体を作製した。この複合体の星形状酸化チタン粒子の含有率は10重量%であった。
実施例1の星形状酸化チタン分散液50gに、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート5g、ペンタエリスリトールトリアクリレート2.5g、ペンタエリスリトールテトラアクリレート2g、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.5gを加え、真空乾燥により脱溶剤化し、樹脂組成物を作製した。
次いで、この樹脂組成物を、ガラス板で組み上げた型の中に厚みが1mmになるように流し込み、60℃にて5時間、続いて120℃にて2時間加熱して硬化させ、実施例3の複合体を作製した。この複合体の星形状酸化チタン粒子の含有率は10重量%であった。
酸化チタン粒子として球状酸化チタン粒子(和光純薬(株)社製)を用いた以外は、実施例1に準じて分散処理を行い、比較例1の球状酸化チタン分散液を作製した。ちなみに、この球状酸化チタン粒子の平均粒径は200nmであった。
この球状酸化チタン分散液に、実施例1で用いたシリコーンオイル(メチルハイドロジェンポリシロキサンと両末端に各々ビニル基を有するオルガノポリシロキサンとの混合物)及び塩化白金酸を加え、真空乾燥により脱溶剤化し、樹脂組成物を作製した。ただし、この樹脂組成物中の球状酸化チタン粒子の含有率を10重量%とした。
次いで、この樹脂組成物を実施例1に準じて処理し、比較例1の複合体を作製した。
比較例1の球状酸化チタン分散液に、実施例2で用いたエポキシレジン:エピコート828および硬化剤としてエピキュア3080(いずれもジャパンエポキシレジン(株)社製)を加え、真空乾燥により脱溶剤化し、樹脂組成物を作製した。ただし、この樹脂組成物中の球状酸化チタン粒子の含有率を10重量%とした。
次いで、この樹脂組成物を実施例2に準じて処理し、比較例2の複合体を作製した。
比較例1の球状酸化チタン分散液に、実施例3で用いた1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイドを加え、真空乾燥により脱溶剤化し、樹脂組成物を作製した。ただし、この樹脂組成物中の球状酸化チタン粒子の含有率を10重量%とした。
次いで、この樹脂組成物を実施例3に準じて処理し、比較例3の複合体を作製した。
実施例1〜3及び比較例1〜3それぞれの複合体について、拡散可視光透過率の評価を行った。評価方法は下記のとおりである。
色差計(GC−5000)を用いて散乱角度依存性を測定し、光の入射方向より+15度の場所での拡散可視光透過率を測定した。
ここでは、測定用試料を100×100×1mmの大きさのバルク体とし、拡散可視光透過率が30%以上を「○」、30%未満を「×」とした。
以上の評価結果を表1に示す。
一方、比較例1〜3の複合体は、拡散可視光透過率が実施例1〜3と比べて劣ったものであった。
「実施例4」
実施例1の樹脂組成物を用いてLEDチップおよびリードフレームの凹部内を封止し、この樹脂組成物を実施例1と同様にして硬化させ、実施例4の発光ダイオードを10個作製した。
実施例2の樹脂組成物を用いてLEDチップおよびリードフレームの凹部内を封止し、この樹脂組成物を実施例2と同様にして硬化させ、実施例5の発光ダイオードを10個作製した。
実施例3の樹脂組成物を用いてLEDチップおよびリードフレームの凹部内を封止し、この樹脂組成物を実施例3と同様にして硬化させ、実施例6の発光ダイオードを10個作製した。
比較例1の樹脂組成物を用いてLEDチップおよびリードフレームの凹部内を封止し、この樹脂組成物を実施例1と同様にして硬化させ、比較例4の発光ダイオードを10個作製した。
比較例2の樹脂組成物を用いてLEDチップおよびリードフレームの凹部内を封止し、この樹脂組成物を実施例2と同様にして硬化させ、比較例5の発光ダイオードを10個作製した。
比較例3の樹脂組成物を用いてLEDチップおよびリードフレームの凹部内を封止し、この樹脂組成物を実施例3と同様にして硬化させ、比較例6の発光ダイオードを10個作製した。
実施例4〜6及び比較例4〜6それぞれの発光ダイオードについて、発光効率及び発光輝度均一性の評価を行った。評価方法は下記のとおりである。
(1)発光効率
室温において順方向電流を20mA通電した際の光出力を測定した。
ここでは、星形状酸化チタン粒子を含有しない樹脂のみで封止した場合の光出力を基準とし、光出力の向上率が10%以上の場合を「○」、10%未満の場合を「×」とした。
10個の発光ダイオード各々の輝度を暗箱内にて照度計を用いて測定し、最大の輝度と最小の輝度との差が10%未満の場合には「○」、10%以上の場合には「×」とした。
以上の評価結果を表2に示す。
一方、比較例4〜6では、光出力の向上は良好であったが、実施例4〜6と比べて輝度ムラが生じていた。
「実施例7」
実施例1の樹脂組成物に、粒径が30μmのYAG蛍光体を添加した後、混練機を用いて均一混合して蛍光体含有樹脂組成物とし、この蛍光体含有樹脂組成物を用いて青色LEDチップおよびリードフレームの凹部内を封止し、この蛍光体含有樹脂組成物を実施例1と同様にして硬化させ、実施例7の白色発光ダイオードを10個作製した。
実施例2の樹脂組成物に、粒径が30μmのYAG蛍光体を添加した後、混練機を用いて均一混合して蛍光体含有樹脂組成物とし、この蛍光体含有樹脂組成物を用いて青色LEDチップおよびリードフレームの凹部内を封止し、この蛍光体含有樹脂組成物を実施例2と同様にして硬化させ、実施例8の白色発光ダイオードを10個作製した。
実施例3の樹脂組成物に、粒径が30μmのYAG蛍光体を添加した後、混練機を用いて均一混合して蛍光体含有樹脂組成物とし、この蛍光体含有樹脂組成物を用いて青色LEDチップおよびリードフレームの凹部内を封止し、この蛍光体含有樹脂組成物を実施例3と同様にして硬化させ、実施例9の白色発光ダイオードを10個作製した。
比較例1の樹脂組成物に、粒径が30μmのYAG蛍光体を添加した後、混練機を用いて均一混合して蛍光体含有樹脂組成物とし、この蛍光体含有樹脂組成物を用いて青色LEDチップおよびリードフレームの凹部内を封止し、この蛍光体含有樹脂組成物を比較例1と同様にして硬化させ、比較例7の白色発光ダイオードを10個作製した。
比較例2の樹脂組成物に、粒径が30μmのYAG蛍光体を添加した後、混練機を用いて均一混合して蛍光体含有樹脂組成物とし、この蛍光体含有樹脂組成物を用いて青色LEDチップおよびリードフレームの凹部内を封止し、この蛍光体含有樹脂組成物を比較例2と同様にして硬化させ、比較例8の白色発光ダイオードを10個作製した。
比較例3の樹脂組成物に、粒径が30μmのYAG蛍光体を添加した後、混練機を用いて均一混合して蛍光体含有樹脂組成物とし、この蛍光体含有樹脂組成物を用いて青色LEDチップおよびリードフレームの凹部内を封止し、この蛍光体含有樹脂組成物を比較例3と同様にして硬化させ、比較例9の白色発光ダイオードを10個作製した。
実施例7〜9及び比較例7〜9それぞれの白色発光ダイオードについて、白色度の評価を行った。評価方法は下記のとおりである。
10個の白色発光ダイオード各々の輝度を暗箱内にて色差計を用いて、CIE(国際照明委員会)により規格化されたL*a*b*表色系のL*値の最大値と最小値との差ΔL*、及びb*値の最大値と最小値との差Δb*を測定し、ΔL*が10%未満の場合には「○」、10%以上の場合には「×」とした。同様に、Δb*が10%未満の場合には「○」、10%以上の場合には「×」とした。
以上の評価結果を表3に示す。
一方、比較例7〜9では、実施例7〜9と比べて白色度が劣っているために、発光に着色が生じていた。
2、3 リードフレーム
4 ボンディングワイヤ
5 封止樹脂
6 モールド樹脂
11 結晶性の基板
12 半導体層
13 電極
Claims (7)
- 双晶構造を有しかつ平均粒径が50nm以上かつ1μm以下の酸化チタン粒子を含有してなることを特徴とする発光素子封止用組成物。
- 前記酸化チタン粒子は、樹脂中に分散してなることを特徴とする請求項1記載の発光素子封止用組成物。
- 前記酸化チタン粒子は、アナターゼ型の酸化チタン粒子であることを特徴とする請求項1または2記載の発光素子封止用組成物。
- 前記酸化チタン粒子は、中心軸から略垂直方向に放射状に伸びる複数の延在部と、前記中心軸に沿って互いに離間する方向に伸びる一対の突部とを備え、
前記複数の延在部各々の先端と前記一対の突部各々の先端との間に稜を有する星形状酸化チタン粒子を含有してなることを特徴とする請求項3記載の発光素子封止用組成物。 - 前記酸化チタン粒子の含有率は、0.1重量%以上かつ30重量%以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の発光素子封止用組成物。
- 少なくとも光透過領域を、請求項1ないし5のいずれか1項記載の発光素子封止用組成物により封止してなることを特徴とする発光素子。
- 請求項5記載の発光素子を備えてなることを特徴とする光半導体装置。
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