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JP2007165032A - 電池 - Google Patents

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JP2007165032A
JP2007165032A JP2005357181A JP2005357181A JP2007165032A JP 2007165032 A JP2007165032 A JP 2007165032A JP 2005357181 A JP2005357181 A JP 2005357181A JP 2005357181 A JP2005357181 A JP 2005357181A JP 2007165032 A JP2007165032 A JP 2007165032A
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JP2005357181A
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Kenichiro Kami
謙一郎 加美
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】巻締め方式によって電極体を封止した電池において、ケース内に収納された電極体とケース外の外部機器とを接続するための接続構造を簡易な工程で設ける。
【解決手段】正極と負極を有する電極体と、その電極体に接続されている接続端子14と、電極体を収納するケース(18,20)を備えている。ケース(18,20)は、少なくとも第1ケース部材18と第2ケース部材20を有し、第1ケース部材18の周縁18aと第2ケース部材20の周縁20aが巻締めされている。接続端子14は、第1ケース部材18の周縁18a及び第2ケース部材20の周縁20aと共に巻締めされ、その一部が巻締めされた部位からケース外に導出されている。
【選択図】 図8

Description

本発明は、正極と負極を有する電極体と、その電極体を収納するケースを備えた電池に関する。
巻締め方式によって電極体を封止した電池が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示された電池は、電極体を収容するケース本体と、そのケース本体の開口を封止する封口板を備えている。ケース本体の周縁(フランジ部)と封口板の周縁(フランジ部)は巻締めされ、ケース本体と封口板との隙間が密閉封止されている。
特開平6−203813号公報
この種の電池は、通常、外部機器や他の電池と接続するための接続構造を備えている。上述した特許文献の電池では、電極体に接続端子が接続され、ケースには接続端子をケース外に取り出すための孔が設けられる。接続端子は、ケースに設けられた孔を介してケース外に導出されている。したがって、上述した特許文献の電池では、接続端子をケース外に取出すための孔をケースに設けなければならず、また、ケースに設けられた孔とケース外に導出した接続端子との間をレーザ溶接等により接合封止しなければならない。このため、上述した特許文献の電池は、接続端子をケース外に導出するための工程が面倒であり、生産性を低下させるという問題を有していた。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、巻締め方式により電極体を封止した電池において、ケース内に収納された電極体とケース外の外部機器とを接続するための接続構造を簡易な工程で設けることができる電池を提供することである。
本発明の第1の電池は、正極と負極を有する電極体と、その電極体に接続されている接続端子と、電極体を収納するケースと、を備えている。ケースは、少なくとも第1ケース部材と第2ケース部材を有し、第1ケース部材の周縁と第2ケース部材の周縁とが巻締めされることで、第1ケース部材と第2ケース部材の間に電極体を収納する密閉空間が形成されている。そして、接続端子は、第1ケース部材の周縁及び第2ケース部材の周縁と共に巻締めされ、その一部が巻締め部からケース外に導出されている。
この電池では、電極体に接続されている接続端子が、第1ケース部材の周縁及び第2ケース部材の周縁と共に巻締めされ、その一部が巻締め部からケース外に導出される。このため、接続端子をケース外に導出するための孔をケースに設ける必要はない。また、接続端子を第1ケース部材の周縁及び第2ケース部材の周縁と共に巻締めするだけでよいため、簡易な工程で接続端子をケース外に導出することができる。
上記の第1の電池では、接続端子と第1ケース部材の間に配設された第1絶縁フィルムと、接続端子と第2ケース部材の間に配設された第2絶縁フィルムと、をさらに備え、第1絶縁フィルムと第2絶縁フィルムが、巻締め部の全周にわたって配設されていることが好ましい。
このような構成によると、第1絶縁フィルムによって第1ケース部材と接続端子の絶縁性が確保され、第2絶縁フィルムによって第2ケース部材と接続端子の絶縁性を確保することができる。
また、第1絶縁フィルム及び第2絶縁フィルムが、巻締め部の全周にわたって設けられるため、巻締め部の密閉性が向上し、ケース内への水分(水蒸気等)の浸入を抑制することができる。すなわち、第1絶縁フィルム及び第2絶縁フィルムを接続端子の近傍にのみ設けた場合、第1絶縁フィルム及び第2絶縁フィルムが設けられた部分と第1絶縁フィルム及び第2絶縁フィルムが設けられなかった部分の境界に隙間(段差)が生じ、その隙間を通ってケース内へ水分(水蒸気等)が侵入し易くなる。一方、第1絶縁フィルム及び第2絶縁フィルムを巻締め部の全周にわたって設けると、上述した隙間が形成され難くなり、ケース内への水分の浸入を抑制することができる。
本発明の第2の電池は、正極と負極を有する電極体と、その電極体に接続されている接続端子と、電極体を収納するケースと、を備えている。ケースは、少なくとも第1ケース部材と第2ケース部材を有し、第1ケース部材の周縁と第2ケース部材の周縁とが巻締めされることで、第1ケース部材と第2ケース部材の間に電極体を収納する密閉空間が形成されている。そして、第1ケース部材と第2ケース部材は金属で形成されている。接続端子は、電極体の正極に接続された正極リード端子と、電極体の負極に接続された負極リード端子を有している。正極リード端子は、第1ケース部材の周縁及び第2ケース部材の周縁と共に巻締めされる一方で、第1ケース部材と第2ケース部材の一方にのみ電気的に接続されている。負極リード端子は、第1ケース部材の周縁及び第2ケース部材の周縁と共に巻締めされる一方で、第1ケース部材と第2ケース部材の他方にのみ電気的に接続されている。正極リード端子及び負極リード端子は、巻締め部からケース外に導出されていない。
この電池では、電極体の正極に接続された正極リード端子と電極体の負極に接続された負極リード端子が、第1ケース部材の周縁及び第2ケース部材の周縁と共に巻締めされる。第1ケース部材及び第2ケース部材は金属で形成されており、第1ケース部材と第2ケース部材の一方に正極リード端子が電気的に接続され、他方に負極リード端子が電気的に接続される。このため、ケース内に収納された電極体はリード端子及びケース部材を介して外部機器に接続することができる。
この電池でも、ケースに孔を設けなくても、電極体と外部機器を接続することができる。また、第1ケース部材の周縁及び第2ケース部材の周縁と共に正極リード端子及び負極リード端子を巻締めするだけでよいため、電極体と外部機器を接続するための構造を簡易な工程で設けることができる。
さらに、正極リード端子及び負極リード端子が巻締め部からケース外に導出されないため、巻締め部の密閉性を向上することもできる。
下記に詳細に説明する実施例の主要な特徴を最初に列記する。
(形態1)ケースは、一対となった第1ケース部材と第2ケース部材によって構成されている。第1ケース部材の周縁にはフランジ部が形成され、第2ケース部材の周縁にはフランジ部が形成される。第1ケース部材のフランジ部と第2ケース部材のフランジ部が巻締めされることで、第1ケース部材と第2ケース部材の間に電極体を収容する密閉空間が形成される。
(形態2)電極体は、正極と負極とセパレータを有している。正極には正極リード端子が接続されており、負極には負極リード端子が接続されている。
(形態3)正極リード端子は、第1ケース部材のフランジ部及び第2ケース部材のフランジ部と共に巻締めされ、その一部が巻締め部からケース外に導出されている。負極リード端子は、第1ケース部材のフランジ部及び第2ケース部材のフランジ部と共に巻締めされ、その一部が巻締め部からケース外に導出されている。
(形態4)第1ケース部材と第2ケース部材は金属製である。正極リード端子及び負極リード端子は、第1ケース部材のフランジ部及び第2ケース部材のフランジ部と共に巻締めされている。正極リード端子は、第1ケース部材及び第2ケース部材の一方と絶縁されており、他方と電気的に接続されている。負極リード端子は、第1ケース部材及び第2ケース部材の他方と電気的に接続されており、一方と絶縁されている。
<第1実施例>
本発明を具現化した第1実施例に係る電池10について図面を参照して説明する。まず、電池10の概略構成について図1及び図2を参照して説明する。図1は電池10の正面図であり、図2は電池10の側面図である。図1,2に示すように電池10は、電極体13と、電極体13に接続された正極リード端子12及び負極リード端子14と、電極体13を収納するケース16を備えている。
電極体13は、図示しない正極シート(正極)とセパレータと負極シート(負極)とセパレータの積層構造を1単位とし、複数の単位が積層されて形成されている。
正極シートはアルミニウム箔であり、表裏両面にリチウム二次電池用の正極活物質層が塗布されている。正極活物質層には、正極活物質であるニッケル酸リチウム(LiNiO)粉末、集電材であるカーボンブラック、並びに、結着材であるカルボキシメチルセルロース(CMC)とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とポリエチレンオキサイド(PEO)が含まれている。
負極シートは銅箔であり、表裏両面にリチウム二次電池用の負極活物質層が塗布されている。負極活物質層には、負極活物質であるアモルファスコートされたグラファイト、結着材であるスチレンブタジエンブロック共重合体(SBR)とカルボキシメチルセルロース(CMC)が含まれている。
セパレータは、多孔質ポリエチレンシートであり、電解液が含侵している。電解液は、ジメチルカーボネート(DMC)とエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)の混合溶媒に、リチウム塩である六フッ化リチウム(LiPF)を溶解した非水電解液である。この電解液は、水分を吸湿しやすいが、水分を吸湿すると電池性能が低下する性質を備えている。
正極リード端子12は、アルミニウム製の板材(厚み0.30mm)によって作製されている。正極リード端子12は、ケース16の内側から外側にわたって伸びており、ケース内側の端子部12aには、電極体13の正極シートが超音波溶接等によって接続されている。正極リード端子12のケース外側の端子部12bには外部機器等が接続される。なお、正極リード端子12は、ニッケル製の板材によって作製することもできる。
負極リード端子14は、銅製の板材(厚み0.30mm)によって作製されている。負極リード端子14は、ケース16の内側から外側にわたって伸びており、ケース内側の端子部14aには、電極体13の負極シートが抵抗溶接等によって接続されている。負極リード端子14のケース外側の端子部14bには外部機器等が接続される。なお、負極リード端子14は、ニッケル製の板材によって作製することもできる。
ケース16は、電極体13の上面側に配される上ケース18と、電極体13の下面側に配される下ケース20によって構成されている。上ケース18と下ケース20は、ラミネートフィルムをエンボス加工することによって作製されている。上ケース18と下ケース20は、外側から順に、高融点樹脂であるポリエチレンナフタレート層(PEN層;層厚9μm)と、水分を遮断するアルミニウム層(層厚100μm)と、接合層として機能する変性ポリプロピレン層(CPP層;層厚50μm)とが積層された3層構造を有している。
上ケース18の周縁にはフランジ部18aが形成されている(図7参照)。下ケース20の周縁にもフランジ部20aが形成されている(図7参照)。上ケース18のフランジ部18aは、下フランジ20のフランジ部20aより幅広に形成されている(図7参照)。
上ケース18のフランジ部18aと下ケース20のフランジ部20aは巻締めされ、これによって、ケース16の周縁に巻締め部22が形成されている。また、フランジ部18aとフランジ部20aが巻締めされることで、上ケース18と下ケース20の間に密閉された空間が形成され、この密閉空間に電極体13と電解液が収容されている。
なお、正極リード端子12と負極リード端子14は、上ケース18のフランジ部18a及び下ケース20のフランジ部20aと共に巻締めされ、その一部が巻締め部22から外側に導出されている。
次に、巻締め部22の構造について説明する。まず、負極リード端子14を巻締めした部位(図1に示すケース16の左辺)の構造について説明する。図3は負極リード端子14を巻締めした部位の断面図である。
図3に示すように、上ケース18と負極リード端子14との間には絶縁フィルム24が配され、下ケース20と負極リード端子14との間には絶縁フィルム26が配されている。上ケース18のフランジ部と下ケース20のフランジ部は、絶縁フィルム24、負極リード端子14及び絶縁フィルム26を挟んだ状態で折り曲げられている(巻締めされている)。図より明らかなように、負極リード端子14は巻締め部よりケース外に導出されており、絶縁フィルム24,26も巻締め部よりケース外に導出されている。
絶縁フィルム24,26には、ポリプロピレン(PP)製のフィルム(厚み0.1mm)を用いることができる。絶縁フィルム24は、上ケース18の端部(具体的には、上ケース18のアルミニウム層の露出部)と負極リード端子14が接触することを防止する。絶縁フィルム26は、下ケース20の端部(具体的には、下ケース20のアルミニウム層の露出部)と負極リード端子14が接触することを防止する。これによって、負極リード端子14と上ケース18及び下ケース20との絶縁性が確保されている。
なお、絶縁フィルム24,26は、同一形状を有しており、図6に示すように、電極体13に対応した部分が切り抜かれる一方で、上ケース18及び下ケース20のフランジ部の全周が覆われるような形状に形成されている。
図4は正極リード端子12を巻締めした部位(図1に示すケース16の右辺)の断面図である。図4に示すように、正極リード端子12を巻締めした部位も、負極リード端子14を巻締めした部位と同様の構造を有している。すなわち、上ケース18と正極リード端子12との間には絶縁フィルム24が配され、下ケース20と正極リード端子12との間には絶縁フィルム26が配されている。上ケース18のフランジ部と下ケース20のフランジ部は、絶縁フィルム24、正極リード端子12及び絶縁フィルム26を挟んだ状態で折り曲げられている(巻締めされている)。図より明らかなように、正極リード端子12は巻締め部よりケース外に導出され、絶縁フィルム24,26も巻締め部よりケース外に導出されている。
なお、正極リード端子12を巻締めした部位においては、絶縁フィルム24は、上ケース18の端部と正極リード端子12とが接触することを防止し、絶縁フィルム26は、下ケース20の端部と正極リード端子14とが接触することを防止している。
図5はリード端子12,14を巻締めしなかった部位(図1に示すケース16の上下辺)の断面図である。図5に示すように、リード端子12,14を巻締めしなかった部位にも絶縁フィルム24,26が配されている。すなわち、絶縁フィルム24,26は、巻締め部の全周にわたって配されている。この部位においても、上ケース18のフランジ部と下ケース20のフランジ部は、絶縁フィルム24及び絶縁フィルム26を挟んだ状態で折り曲げられている(巻締めされている)。
次に、上述した電池10を組み立てる手順の一例を説明する。まず、下ケース20のフランジ部の上に絶縁フィルム26を配置する。次いで、下ケース20内に電極体13を収納すると共に、電極体13に接続されたリード端子12,14を絶縁フィルム26上に配置する。下ケース20内に電極体13を収容すると、リード端子12,14上に絶縁フィルム24を配置する(図6に示す状態)。図6から明らかなように、この状態では、絶縁フィルム24,26が下ケース20のフランジ部より外側に突出し、リード端子12,14は絶縁フィルム24,26よりさらに外側に突出している。
リード端子12,14上に絶縁フィルム24を配置すると、次に、絶縁フィルム24上に上ケース18を配置する。この状態を図7に示している。図7から明らかなように、上ケース18のフランジ部18aは、下ケース20のフランジ部20aより外側に突出している。また、フランジ部18a,20aの間にリード端子12,14及び絶縁フィルム24,26が配置されている。なお、リード端子12,14が配置されない辺では、フランジ部18a,20aの間に絶縁フィルム24,26のみが配置されている。
図7に示す状態となると、次に、注液口を除いて、上ケース18のフランジ部18aと下ケース20のフランジ部20aを巻締める。すなわち、負極リード端子14を巻締めする部位においては、上ケース18のフランジ部18a、絶縁フィルム24、負極リード端子14及び絶縁フィルム26を重ね合わせた状態(図8の左側に示す状態)から、これらが下ケース20のフランジ部20aを覆うように折り曲げ(図8の中央に示す状態)、さらに、下ケース20のフランジ部20aを含む全体を下側に折り曲げる(図8の右側に示す状態)。負極リード端子14は上ケース18のフランジ部18aより外側に突出しているため、負極リード端子14は巻締め部よりケース外側に突出した状態となっている。
正極リード端子12を巻締めする部位においても、負極リード端子14を巻締めする部位と同様に巻締めされる。これによって、正極リード端子12も巻締め部よりケース外側に突出した状態となる。
リード端子12,14を巻締めしない部位においては、上ケース18のフランジ部18a、絶縁フィルム24及び絶縁フィルム26を重ね合わせた状態から、これらが下ケース20のフランジ部20aを覆うように折り曲げ、さらに、下ケース20のフランジ部20aを含む全体を下側に折り曲げる(図5参照)。
注液口を除いた部位の巻締めが完了すると、注液口からケース16内に電解液を注入してコンディショニングを行い、しかる後、注液口を上述した手順で巻締めする。
上述した説明から明らかなように、本実施例の電池10では、電極体13に接続されたリード端子12,14を、上ケース18のフランジ部18a及び下ケース20のフランジ部20aと共に巻締めし、その巻締め部22からリード端子12,14をケース外に導出する。したがって、リード端子12,14をケース外に導出するために、ケース16に孔を設ける必要はない。また、リード端子12,14をフランジ部18a,20aと共に巻締めするだけでよいため、簡易な工程でリード端子12,14をケース外に導出することができる。
また、巻締め部22には全周にわたって絶縁フィルム24,26が配される。リード端子12,14を巻締めする部位にのみ絶縁フィルムを配した場合には、絶縁フィルムを配した部位と絶縁フィルムを配しなかった部位の境界に段差が生じる。これに対して、巻締め部22の全周にわたって絶縁フィルム24,26が配されると段差が生じず、ケース16内への水分透過を抑制することができる。このため、長期にわたって電池性能が低下することが抑制された信頼性の高い電池とすることができる。
なお、上述した実施例では、上ケース18とリード端子12,14の間に絶縁フィルム24を配し、下ケース20とリード端子12,14の間に絶縁フィルム26を配したが、上ケース20の端部と下ケース20の端部を樹脂コーティング等によって絶縁処理を施すことで、絶縁フィルム24,26を不要とすることができる。すなわち、上ケース18の端部を絶縁処理することで絶縁フィルム24を不要とすることができ、また、下ケース20の端部を絶縁処理することで絶縁フィルム26を不要とすることができる。
また、上述した実施例では、上ケース18と下ケース20をラミネートフィルムによって作製したが、上ケース18と下ケース20を金属製の板材によって作製することもできる。上ケース18と下ケース20を金属製とすることで、耐圧を向上することができる。なお、上ケース18と下ケース20を金属製としても、絶縁フィルム24,26によって上ケース18,下ケース20とリード端子12,14の間に絶縁性を確保することはできる。
また、絶縁フィルム24,26には、ポリプロピレン製のフィルムに代えて、他の絶縁性フィルム(例えば、ポリエチレン製のフィルム等)を用いることもできる。
<第2実施例>
次に、第2実施例に係る電池28について説明する。第2実施例の電池28では、金属製のケースが用いられ、電極体がケースを介して外部機器に接続されている点で第1実施例と相違し、ケース内に収納される電極体や電解液等については第1実施例と同様である。以下、第1実施例と異なる点を詳細に説明する。
図9は電池28の正面図であり、図10は電池28の側面図である。図9,10に示すように電池10は、電極体39(図14参照)を収納するケース33を備えており、ケース33にはコネクタ30,32が取付けられている。
ケース33は、上ケース34と下ケース36によって構成されている。上ケース34は、ステンレス製(SUS)の板材(厚み0.2mm)を絞り加工して作製され、その周縁にフランジ部が形成されている。上ケース34は、後述するように負極リード端子38に電気的に接続される。上ケース34の外表面にはコネクタ(負極端子)30が取付けられている。コネクタ30には外部機器等が接続される。
下ケース36は、アルミニウム製の板材(厚み0.2mm)を絞り加工して作製され、その周縁にフランジ部が形成されている。下ケース36のフランジ部は、上ケース34のフランジ部より幅狭に形成されている。下ケース36は、後述するように正極リード端子42に電気的に接続される。下ケース36の外側にはコネクタ(正極端子)32が取付けられている。コネクタ32には外部機器等が接続される。
上ケース34のフランジ部と下ケース36のフランジ部は巻締めされ、これによって、上ケース34と下ケース36の間に密閉空間が形成され、この密閉空間に電極体39と電解液が収容される。なお、正極リード端子42と負極リード端子38は、上ケース34のフランジ部及び下ケース36のフランジ部と共に巻締めされている。
次に、巻締め部の構造について説明する。まず、負極リード端子38を巻締めした部位の構造について説明する。図11は負極リード端子38を巻締めした部位の断面図である。図11に示すように、負極リード端子38を巻締めした部位では、下ケース36と負極リード端子38との間に絶縁フィルム40が配され、上ケース34と負極リード端子38との間には絶縁フィルムが配されていない。これによって、負極リード端子38と下ケース36との絶縁性が確保される一方で、負極リード端子38と上ケース34とは電気的に接続される。図より明らかなように、負極リード端子38は巻締め部内に収容され、絶縁フィルム40のみが巻締め部よりケース外側に突出している。
図12は正極リード端子42を巻締めした部位の断面図である。図12に示すように、正極リード端子42を巻締めした部位では、上ケース34と正極リード端子42との間に絶縁フィルム40が配され、下ケース36と正極リード端子42との間には絶縁フィルムが配されていない。これによって、正極リード端子42と上ケース34との絶縁性が確保される一方で、正極リード端子42と下ケース36とは電気的に接続されている。図より明らかなように、正極リード端子42も巻締め部内に収容され、絶縁フィルム40のみが巻締め部よりケース外側に突出している。
図13はリード端子38,42を巻締めしなかった部位の断面図である。図13に示すように、リード端子38,42を巻締めしなかった部位にも絶縁フィルム40が配されている。上ケース18のフランジ部と下ケース20のフランジ部は、絶縁フィルム24及び絶縁フィルム26を挟んだ状態のまま折り曲げられている(巻締めされている)。
次に、上述した電池28を組み立てる手順の一例を説明する。まず、下ケース36のフランジ部上に絶縁フィルム40を配置する。絶縁フィルム40は、電極体に対応した部分が切り抜かれ、上ケース34及び下ケース36のフランジ部の全周を覆うような形状とされている(図14参照)。
次いで、下ケース36内に電極体39を収納する。この際、電極体39に接続された正極リード端子42を絶縁フィルム40の下側に配置し、電極体39に接続された負極リード端子38を絶縁フィルム40の上側に配置する(図14に示す状態)。図14から明らかなように、この状態では、絶縁フィルム40が下ケース36のフランジ部より外側に突出し、リード端子38,42は絶縁フィルム40の外縁より内側に位置している。
次いで、絶縁フィルム40上に上ケース34を配置し(図15に示す状態)、上ケース34のフランジ部と下ケース36のフランジ部を巻締める。すなわち、負極リード端子38を巻締めする部位においては、上ケース34のフランジ部34a、負極リード端子38及び絶縁フィルム40を重ね合わせた状態(図16の左側に示す状態)から、これらが下ケース36のフランジ部36aを覆うように折り曲げ(図16の中央に示す状態)、さらに、下ケース36のフランジ部36aを含む全体を下側に折り曲げる(図16の右側に示す状態)。正極リード端子42を巻締めする部位においても、負極リード端子38を巻締めする部位と同様に巻締めされる。
リード端子38,42を巻締めしない部位においては、上ケース34のフランジ部及び絶縁フィルム40を重ね合わせた状態から、これらが下ケース36のフランジ部を覆うように折り曲げ、さらに、下ケース36のフランジ部を含む全体を下側に折り曲げる。
上述した説明から明らかなように、第2実施例の電池28では、負極リード端子38と金属製の上ケース34を、正極リード端子42と金属性の下ケース36を電気的に接続し、電極体を上ケース34及び下ケース36を介して外部機器に接続する。リード端子38,42と上ケース34、下ケース36との電気的接続は、リード端子38,42と上ケース34及び下ケース36とを巻締めするだけでよいため、ケース33に孔を設ける必要はなく、また、巻締めという簡易な工程で行うことができる。
また、第2実施例の電池28では、リード端子38,42が巻締め部からケース外に導出しないため、ケース内への水分(水蒸気)の浸入をより抑制することができる。また、第2実施例の電池28では、上ケース34及び下ケース36を金属製とすることで、ラミネートフィルムを用いる場合と比較して耐圧を上げることができる。
以上、本発明の好適ないくつかの実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
例えば、上記実施例では、複数単位の正極シートとセパレータと負極とセパレータの組を積層した電極体を使用していたが、これに限られるものではない。例えば、正極とセパレータと負極とセパレータの組を積層して捲回した捲回型電極体を使用してもよい。また、複数のセパレータを用いずに、一つのセパレータを襞状に折り曲げて使用してもよい。
また、電極体を収納するケースの形状は、上述した実施例に限られず、種々の形状(例えば、円筒型等)とすることができる。また、上述した実施例では、一対の上ケースと下ケースを組み合わせてケースとしたが、本発明はこのような形態に限られず、一方が開口を有する容器状に形成し、他方をその開口を閉じる板材としてもよい。また、2以上の部材からケースを構成してもよい。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
第1実施例の電池10の正面図。 電池10の側面図。 負極リード端子14を巻締めした部位の断面図。 正極リード端子12を巻締めした部位の断面図。 リード端子12,14を巻締めしていない部位の断面図。 上ケース18と下ケース20とを巻締めする前の電池10の平面図(上ケース18を取り除いた状態)。 上ケース18と下ケース20とを巻締めする前の電池10の側面図(ただし、上ケース18を被せた状態)。 負極リード端子14を巻締めする手順を示す図。 第2実施例の電池28の正面図。 電池28の側面図。 負極リード端子38を巻締めした部位の断面図。 正極リード端子42を巻締めした部位の断面図。 リード端子38,42を巻締めしていない部位の断面図。 上ケース34と下ケース36とを巻締めする前の電池28の平面図(上ケース34を取り除いた状態)。 上ケース34と下ケース36とを巻締めする前の電池28の側面図(ただし、上ケース34を被せた状態)。 負極リード端子38を巻締めする手順を示す図。
符号の説明
10,28:電池
12,42:正極リード端子
13,39:電極体
14,38:負極リード端子
16,33:ケース
18,34:上ケース
20,36:下ケース
22:巻締め部
24,26,40:絶縁フィルム

Claims (3)

  1. 正極と負極を有する電極体と、
    その電極体に接続されている接続端子と、
    前記電極体を収納するケースと、を備えており、
    そのケースは、少なくとも第1ケース部材と第2ケース部材を有し、第1ケース部材の周縁と第2ケース部材の周縁とが巻締めされることで、第1ケース部材と第2ケース部材の間に電極体を収納する密閉空間が形成されている電池であり、
    前記接続端子は、第1ケース部材の周縁及び第2ケース部材の周縁と共に巻締めされ、その一部が巻締め部からケース外に導出されていることを特徴とする電池。
  2. 接続端子と第1ケース部材の間に配設された第1絶縁フィルムと、接続端子と第2ケース部材の間に配設された第2絶縁フィルムと、をさらに備え、
    第1絶縁フィルムと第2絶縁フィルムが、巻締め部の全周にわたって配設されていることを特徴とする請求項1に記載の電池。
  3. 正極と負極を有する電極体と、
    その電極体に接続されている接続端子と、
    前記電極体を収納するケースと、を備えており、
    そのケースは、少なくとも第1ケース部材と第2ケース部材を有し、第1ケース部材の周縁と第2ケース部材の周縁とが巻締めされることで、第1ケース部材と第2ケース部材の間に電極体を収納する密閉空間が形成されている電池であり、
    第1ケース部材と第2ケース部材は金属で形成されており、
    接続端子は、電極体の正極に接続された正極リード端子と、電極体の負極に接続された負極リード端子を有しており、
    正極リード端子は、第1ケース部材の周縁及び第2ケース部材の周縁と共に巻締めされる一方で、第1ケース部材と第2ケース部材の一方にのみ電気的に接続されており、
    負極リード端子は、第1ケース部材の周縁及び第2ケース部材の周縁と共に巻締めされる一方で、第1ケース部材と第2ケース部材の他方にのみ電気的に接続されており、
    正極リード端子及び負極リード端子は、巻締め部からケース外に導出されていないことを特徴とする電池。
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