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JP2007162567A - エンジン排ガスフィルタの再生時期制御装置及び再生時期制御方法 - Google Patents

エンジン排ガスフィルタの再生時期制御装置及び再生時期制御方法 Download PDF

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JP2007162567A JP2005360061A JP2005360061A JP2007162567A JP 2007162567 A JP2007162567 A JP 2007162567A JP 2005360061 A JP2005360061 A JP 2005360061A JP 2005360061 A JP2005360061 A JP 2005360061A JP 2007162567 A JP2007162567 A JP 2007162567A
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Abstract

【課題】エンジン排ガスフィルタの再生制御の開始時期を適切に設定することができるエンジン排ガスフィルタの再生時期制御装置を提供する。
【解決手段】エンジンの排ガス中に含まれる排気微粒子を捕捉して大気への排出を防止する排ガスフィルタに堆積する排気微粒子の堆積量を算出する堆積量算出手段(ステップS2)と、前回の再生制御が終了してからの走行距離を算出する走行距離算出手段(ステップS1)と、堆積量算出手段で算出した堆積量が規定量を超えた場合、又は走行距離算出手段で算出した走行距離が規定距離を超えた場合には、排ガスフィルタに堆積する排気微粒子を除去する再生制御を開始する再生開始手段(ステップS7)と、堆積量算出手段で算出した堆積量が規定量を超えることなく、走行距離算出手段で算出した走行距離が規定距離を超えた場合に、再生制御の開始時期を延期する再生開始延期手段(ステップS5−S6)とを有する。
【選択図】図4

Description

この発明は、エンジンから排出される排ガス中に含まれる排気微粒子を捕捉して大気への排出を防止する排ガスフィルタの再生時期を制御する装置及び方法に関する。
従来から、ディーゼルエンジンは、排ガスの浄化対策として排気通路に粒子状物質(Particulate Matter;以下「PM」という)を捕捉するディーゼルパーティキュレートフィルタ(Diesel Particulate Filter;以下「DPF」という)を装着している。DPFがPMを捕捉し続けると、やがて目詰まりを生じてしまう。そこでPMがある程度堆積したら排ガス温度を上昇させて、堆積したPMを強制的に燃焼除去してDPFを再生する。
DPFの再生が必要なほどPMが堆積したか否かを判定するために、PM堆積量を、DPFの入口と出口との差圧(前後差圧)に基づいて推定したり、エンジンの運転状態(例えば回転速度と燃料噴射量)によるPM排出量に基づいて推定している(例えば特許文献1)。
特開2002−97930号公報
しかし、前述した従来の方法は、いずれもPMの堆積量を実際に検出するのではなく間接的に検出して推定しているため、誤推定してしまうおそれがあった。万一、少なめに誤推定してしまい、実際に堆積したPM量が多くなってしまった場合には、PM燃焼除去時にPMが過燃焼し、DPFが溶損するおそれがある。
そこで万一少なめに誤推定してもDPFが溶損することがないように、本件発明者らは、PM堆積推定量がDPF再生開始量を超えなくても走行距離が規定値を超えた場合には強制再生制御を開始するようにした。
ところが運転状態によっては、再生制御の開始時期が早すぎることがあった。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、エンジン排ガスフィルタの再生制御の開始時期を適切に設定することができるエンジン排ガスフィルタの再生時期制御装置及び再生時期制御方法を提供することを目的としている。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、エンジン(10)の排ガス中に含まれる排気微粒子を捕捉して大気への排出を防止する排ガスフィルタ(52)と、前記排ガスフィルタ(52)に堆積する排気微粒子の堆積量を算出する堆積量算出手段(ステップS2)と、前回の再生制御が終了してからの走行距離を算出する走行距離算出手段(ステップS1)と、前記堆積量算出手段で算出した堆積量が規定量を超えた場合、又は前記走行距離算出手段で算出した走行距離が規定距離を超えた場合には、前記排ガスフィルタ(52)に堆積する排気微粒子を除去する再生制御を開始する再生開始手段(ステップS7)と、前記堆積量算出手段で算出した堆積量が規定量を超えることなく、前記走行距離算出手段で算出した走行距離が規定距離を超えた場合に、再生制御の開始時期を延期する再生開始延期手段(ステップS5−S6、ステップS8−S10)とを有することを特徴とする。
本発明によれば、堆積量算出手段で算出した排気微粒子の堆積量が規定量を超えることなく、走行距離が規定距離を超えた場合に、再生制御の開始時期を延期するようにしたので、エンジン排ガスフィルタの再生制御の開始時期を適切に設定することができるようになった。
以下では図面等を参照して本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は、ディーゼルエンジンの通常運転におけるDPFの作用を説明する模式図であり、図1(A)はPMを捕捉するときの様子を示し、図1(B)はDPFの温度が高く、自然再生するときの様子を示す。
まず初めに、本発明の理解を容易にするために、図1を参照して発明者らの知見について説明する。上述のように従来から、PM堆積量を、DPFの入口と出口との差圧(前後差圧)に基づいて推定したり、エンジンの運転状態(例えば回転速度と燃料噴射量)によるPM排出量に基づいて推定し、この推定したPM堆積量に基づいて、DPFの再生開始時期を判定している。しかしこのようにPM堆積量を間接的に検出して推定しては、誤推定してDPFが溶損するおそれがある。そこで万一少なめに誤推定してもDPFが溶損することがないように、本件発明者らは、PM堆積推定量がDPF再生開始量を超えなくても走行距離が規定値を超えた場合には強制再生制御を開始することとした。
ところが運転状態によっては、再生制御の開始時期が早すぎることがあった。発明者らは日夜鋭意研究することで、この原因がDPFの自然再生にあるとの知見を得た。
この点について図1を参照して詳述する。DPFは、例えばコージェライト等のセラミックから成る多孔質のハニカム構造である。DPFには、多孔質薄壁によって格子状に流路が区画される。図1(A)に示すように、各流路の入口は、交互に目封じされる。入口が目封じされない流路は、出口が目封じされる。
DPFに流入した排ガスは、図中の矢印で示すように、各流路を区画する多孔質薄壁を透過して下流へ排出される。通常運転時には、図1(A)に示すように、排ガスに含まれるPMが、多孔質薄壁の内側表面で捕捉されて堆積する。捕捉されたPMの一部はDPFで燃焼するものの、DPFの温度(BED温度)が高温でなければ燃焼量は少なく、PMの燃焼量よりも堆積量のほうが多いこととなる。この状態が継続しDPFがPMを捕捉し続けると、やがて目詰まりを生じてしまう。そこでPMがある程度堆積したら排ガス温度を上昇させて、堆積したPMを強制的に燃焼除去する。
一方、高速走行時は、排ガス温度が高温で、DPFの温度(BED温度)も高温になる。この状態では、図1(B)に示すように排ガスに含まれるPMがDPFの多孔質薄壁の内側表面で捕捉されると、堆積することなく自然燃焼する。
このように、本件発明者らによれば、排ガス温度が高温で、DPFの温度(BED温度)も高温になると、PMが燃焼してDPFが自然再生することを見いだした。そしてこのような自然再生を考慮しないと、再生制御の開始時期が早すぎることがある、という点を本件発明者らは見いだしたのである。
そこで本発明では、走行距離が規定値を超えた場合には、PM堆積推定量がDPF再生開始量を超えなくても再生制御を開始するようにするとともに、この場合であってDPFが自然再生するときには強制再生せず、再生制御の開始時期を遅らせるようにしたのである。
図2は、本発明の第1実施形態によるエンジン排ガスフィルタの再生時期制御装置を示す全体システム図である。
エンジン排ガスフィルタの再生時期制御装置1は、ディーゼルエンジン10と、吸気通路21と、スロットルバルブ22と、排気通路23と、排ガス再循環装置(Exhaust Gas Recirculation;以下「EGR装置」という)30と、ディーゼル酸化触媒(Diesel Oxidative Catalyst;以下「DOC」という)40と、DPFアッセンブリ50と、センサ類61〜64と、コントローラ70とを有する。
ディーゼルエンジン10には、高圧ポンプ14で高圧化されコモンレール13に一旦蓄圧された燃料がインジェクタ12から噴射タイミングに応じて噴射される。
ディーゼルエンジン10から排出された排ガスの一部がEGR装置30を介して吸気通路21に還流する。EGR装置30は、EGR通路31にEGRクーラ32とEGRバルブ33とを有する。EGRクーラ32は排気通路23から還流する排ガスを冷却する。EGRバルブ33は開閉してEGR量を調整する。EGRバルブ33は、コントローラ70によってデューティ制御される。
DOC40は、ディーゼルエンジン10の排気通路23に設けられ、パラジウム、白金などの触媒による酸化作用で粒子状物質を減少させる。DOC40に未燃成分(炭化水素HC)が流入すると、触媒反応によって高温になった排ガスがDOC40から流出する。
DPFアッセンブリ50は、DOC40のさらに下流に設けられる。DPFアッセンブリ50は、DPFハウジング51にDPF52を内蔵する。DPF52は、例えばコージェライト等のセラミックから成る多孔質のハニカム構造である。DPF52には、多孔質薄壁によって格子状に流路が区画される。図1に示すように、各流路の入口は、交互に目封じされる。入口が目封じされない流路は、出口が目封じされる。
差圧センサ61は、DPFハウジング51の上流室51a(DPF52の入口)及び下流室51b(DPF52の出口)の差圧を検出し、差圧信号をコントローラ70に出力する。
DPF入口温度センサ62は、DPF52の入口温度Tinを検出し、入口温度信号をコントローラ70に出力する。
DPF出口温度センサ63は、DPF52の出口温度Toutを検出し、出口温度信号をコントローラ70に出力する。
クランク角センサ64は、ディーゼルエンジン10のクランクシャフト11の回転速度を検出する。
コントローラ70は、差圧センサ61の差圧信号を入力し、この差圧の大小に基づいてDPF52のPM堆積量PMa1を推定する。またエンジンの運転状態(例えば回転速度と燃料噴射量)毎のPM排出量マップに基づいてPM排出量を積算することでDPF52へのPM堆積量PMa21を求める。またDPFの状態(前回推定されたPM堆積量、BED温度及び入口温度)を、あらかじめROMに格納された特性マップに適用してDPFのPM燃焼量PMa22を求める。そしてPM堆積量PMa21からPM燃焼量PMa22を減算してPM堆積量PMa2を推定する。コントローラ70は、DPF入口温度センサ62の入口温度信号及びDPF出口温度センサ63の出口温度信号を入力し、これらに基づきDPF52のBED温度を算出する。コントローラ70は、エンジンの運転状態から最適な変速段(ギヤ比)を決定し、クランク角センサ64の信号とあわせて、走行距離を算出する。
またコントローラ70は、入力信号に基づいてインジェクタ12及び高圧ポンプ14を制御して燃料噴射量、噴射時期を調整する。コントローラ70は、入力信号に基づいてスロットルバルブ22の開度を調整する。コントローラ70は、EGRバルブ33をデューティ制御する。コントローラ70は、これらをコントロールすることで空気過剰率(空燃比)を調整(λコントロール)して排ガス中に含まれる未燃成分(炭化水素HC)を調整し、DOC40から流出する排ガス温度を上昇させてDPF再生を実行する。
コントローラ70は中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。
次にコントローラ70の動作を中心として、本発明によるエンジン排ガスフィルタの再生時期制御装置の具体的な動作を説明する。
図3は、エンジン排ガスフィルタの再生時期制御装置の再生開始距離閾値設定ルーチンを説明するフローチャートである。なおコントローラ70はこの処理を前回の再生制御を終了したときに一度だけ実行している。
ステップS101において、コントローラ70は、前回の再生制御によってDPF52が完全再生したか否かを判定する。具体的には前回のDPF再生制御が終了したときのPM残留堆積量に基づいて完全再生したか否かを判定する。完全再生したときはステップS102へ処理を移行し、部分再生のときはステップS103へ処理を移行する。
ステップS102において、コントローラ70は、再生開始距離閾値LCとしてL1を設定する。
ステップS103において、コントローラ70は、再生開始距離閾値LCとしてL2を設定する。なおL2はL1よりも小さい。
図4は、エンジン排ガスフィルタの再生時期制御装置の第1実施形態の動作を説明するメインフローチャートである。なおコントローラ70はこの処理を一定微少時間(例えば10ミリ秒)毎に繰り返し実行している。
ステップS1において、コントローラ70は、エンジンの回転速度及び変速段(ギヤ比)から今回の処理サイクル中の走行距離L0を求め、積算走行距離Lに加算する。これにより前回再生制御の終了からの走行距離Lが算出される。
ステップS2において、コントローラ70は、PMの堆積量PMaを推定する。具体的な推定方法は後述する。
ステップS3において、コントローラ70は、PM堆積量PMaが再生開始閾値PMcよりも大きいか否かを判定する。大きければステップS7へ処理を移行し、そうでなければステップS4へ処理を移行する。なお再生開始閾値PMcはあらかじめ実験を通じて設定される。
ステップS4において、コントローラ70は、積算走行距離Lが再生開始距離閾値Lcよりも大きいか否かを判定する。大きければステップS5へ処理を移行し、そうでなければ一旦処理を抜ける。なお再生開始距離閾値Lcは、上述の再生開始距離閾値設定ルーチンにおいて設定されている。
ステップS5において、コントローラ70は、DPF52が自然再生状態であるか否かを判定し、フラグFを設定する。具体的な処理は後述する。
ステップS6において、コントローラ70は、フラグFが1(すなわちDPF52が自然再生状態)であるかを判定する。フラグFが1であれば一旦処理を抜け、そうでなければステップS7へ処理を移行する。
ステップS7において、コントローラ70は、DPF52の再生制御を開始する。
図5は、PM堆積量推定処理を示すサブルーチンのフローチャートである。
ステップS21において、コントローラ70は、差圧センサ61のDPF前後差圧検出値ΔPを、あらかじめROMに格納された特性マップに適用してDPF52に堆積するPM堆積量PMa1を求める。このマップはあらかじめ実験を通じて設定される。
ステップS22において、コントローラ70は、エンジン運転状態(回転速度及び燃料噴射量)を、あらかじめROMに格納された特性マップに適用してエンジンからのPM排出量を算出し、このPM排出量を積算することでDPF52へのPM堆積量PMa21を求める。またDPFの状態(前回推定されたPM堆積量、BED温度及び入口温度)を、あらかじめROMに格納された特性マップに適用してDPFのPM燃焼量PMa22を求める。そしてPM堆積量PMa21からPM燃焼量PMa22を減算してPM堆積量PMa2を求める。すなわちPMa2=PMa21−PMa22である。なおこれらのマップはあらかじめ実験を通じて設定される。
ステップS23において、コントローラ70は、DPF前後差圧によるPM堆積量PMa1が、運転状態によるPM堆積量PMa2よりも大きいか否かを判定する。大きければステップS24へ処理を移行し、そうでなければステップS25へ処理を移行する。
ステップS24において、コントローラ70は、PM堆積量PMaとして、DPF前後差圧によるPM堆積量PMa1を設定する。
ステップS25において、コントローラ70は、PM堆積量PMaとして、運転状態によるPM堆積量PMa2を設定する。
図6は、自然再生判定処理を示すサブルーチンのフローチャートである。
ステップS51において、コントローラ70は、平均車速Vaveを算出する。なおこの平均車速Vaveは現在から所定時間前までの移動平均値であり、上述のステップS1で求める処理サイクル中の走行距離L0を逐次記憶しておき計算する。
ステップS52において、コントローラ70は、平均車速Vaveが自然再生走行速度閾値Vcよりも小さいか否かを判定する。小さければ一旦処理を抜け、そうでなければステップS7へ処理を移行する。なおこの自然再生走行速度閾値Vcは、あらかじめ実験を通じて設定される。平均車速Vaveが自然再生走行速度閾値Vcよりも大きいときは、排ガス温度が高く、DPF52の内部でPMが燃焼し、DPF52の自然再生が行われる。
ステップS53において、コントローラ70はフラグFに0を設定する。
ステップS54において、コントローラ70はフラグFに1を設定する。
図7は、第1実施形態の制御結果を示す図である。横軸は前回の再生終了時からの走行距離であり、縦軸はDPF内のPM堆積量及び平均車速である。なお前回は完全再生し、走行距離ゼロでのPM堆積量はゼロである。そのため、再生開始距離閾値設定ルーチンによって再生開始距離閾値LCとしてL1が設定されている。またフローチャートとの対応が分かりやすくなるように、ステップ番号をS付けで併記した。
PM堆積量PMaが閾値PMcを超えるか、走行距離がL1を超えるまで、ステップS1→S2→S3→S4の処理が繰り返される。
図7ではPM堆積量PMaが閾値PMcを超えることなく、走行距離がL1に達する。するとステップS4からステップS5へ処理を移行し、自然再生判定を行う。平均車速Vaveが自然再生走行速度閾値Vcよりも大きいので、フラグFに1が設定され(ステップS54)、ステップS6から一旦処理を抜ける。走行距離がL3に達するまで、ステップS1→S2→S3→S4→S5→S6が繰り返される。そして図7に示すようにこの間ではDPF52は自然再生し、PM堆積量が減少する。
そして平均車速Vaveが低下し、走行距離L3で平均車速Vaveが自然再生走行速度閾値Vcよりも小さくなった。するとステップS53でフラグFに0が設定される。これを受けてステップS6からステップS7に移行し、DPF52の再生制御が開始される。
本実施形態によれば、PMの推定堆積量のみならず、走行距離によっても再生制御を開始するようにしたので、万一、PMの堆積量を少なめに誤推定してもDPFが溶損することがない。そして高速走行によるDPFの自然再生を考慮し、再生開始距離閾値Lcを延期するようにしたので、無駄な再生制御が発生せず、燃費悪化を防止することができる。
(第2実施形態)
図8は、エンジン排ガスフィルタの再生時期制御装置の第2実施形態の動作を説明するメインフローチャートである。コントローラ70はこの処理を一定微少時間(例えば10ミリ秒)毎に繰り返し実行している。なお以下では第1実施形態と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。第2実施形態は、ステップS8、ステップS9、ステップS10が第1実施形態との相違点であり、これらを中心に説明する。
ステップS8において、コントローラ70は、閾値延期フラグFが1であるか否かを判定する。このフラグの初期値はゼロであり、ステップS10で1に設定される。フラグFが1であればステップS7に処理を移行し、そうでなければステップS9に処理を移行する。
ステップS9において、コントローラ70は、再生開始距離閾値Lcを修正する。具体的な修正方法は後述する。
ステップS10において、コントローラ70は、閾値延期フラグFを1に設定する。
図9は、再生開始距離閾値修正処理を示すサブルーチンのフローチャートである。
ステップS91において、コントローラ70は、ΔPMを計算する。
ステップS92において、コントローラ70は、ΔPMを、あらかじめROMに格納された図10に示す特性マップに適用して閾値延長量Lamendを算出する。
ステップS93において、コントローラ70は、閾値延長量Lamendを加算して再生開始距離閾値Lcを修正する。
図11は、第2実施形態の制御結果を示す図である。横軸は前回の再生終了時からの走行距離であり、縦軸はDPF内のPM堆積量である。なお前回は完全再生し、走行距離ゼロでのPM堆積量はゼロである。そのため、再生開始距離閾値設定ルーチンによって再生開始距離閾値LCとしてL1が設定されている。またフローチャートとの対応が分かりやすくなるように、ステップ番号をS付けで併記した。
PM堆積量PMaが閾値PMcを超えるか、走行距離がL1を超えるまで、ステップS1→S2→S3→S4の処理が繰り返される。
図11ではPM堆積量PMaが閾値PMcを超えることなく、走行距離がL1に達する。するとステップS4からステップS8へ処理を移行し、閾値延期フラグFが1であるか否かを判定する。フラグFの初期値はゼロであるので、ステップS9に進む。
再生開始閾値PMcとPM堆積量PMaとの差ΔPMが計算され(ステップS91)、閾値延長量Lamendが算出され(ステップS92)、再生開始距離閾値Lcが延期される(ステップS93)。そしてステップS10で閾値延期フラグFが1に設定される。
そして次サイクルでは、ステップS1→S2→S3→S4→S8→S7と進んで、DPF52の再生制御が開始される。
本実施形態によっても、PMの推定堆積量のみならず、走行距離によっても再生制御を開始するようにしたので、万一、PMの堆積量を少なめに誤推定してもDPFが溶損することがない。そして再生開始閾値PMcとPM堆積量PMaとの差ΔPMに応じて再生開始距離閾値Lcを延期するようにしたので、寒地での高速走行のように、速度は高速であるがDPFに流入する排ガス温度がそれほど高温にならないようなときでも、適切な再生制御を行うことができ、燃費悪化を防止することができる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明と均等であることは明白である。
例えば、第1実施形態においては、DPFの自然再生を走行速度に基づいて判断し、走行速度が高速であれば、自然再生するとしている。しかしこのような考え方には限定されず、例えばエンジン回転速度に基づいて、高回転が規定時間連続したときに自然再生を判定してもよい。またDPFのBED温度やDPFの入口温度に基づいてDPFの自然再生を判定してもよい。なおDPFのBED温度は、DPFにセンサを取り付けて検出してもよい。またマップは一例に過ぎず、実験によって適宜選択すればよい。また前回の再生制御によってDPFが完全制御したか否かで二値的に再生開始距離閾値Lcを設定してるが、PM残留堆積量に比例するように再生開始距離閾値Lcを設定してもよい。
また第2実施形態においては、再生開始距離閾値Lcを1度だけ延期しているが、2度以上延期するようにしてもよい。
さらに上記実施形態においては、エンジンとしてディーゼルエンジンを一例に挙げて説明してるが、ガソリンエンジンであってもよい。
ディーゼルエンジンの通常運転におけるDPFの作用を説明する模式図である。 本発明の第1実施形態によるエンジン排ガスフィルタの再生時期制御装置を示す全体システム図である。 エンジン排ガスフィルタの再生時期制御装置の再生開始距離閾値設定ルーチンを説明するフローチャートである。 エンジン排ガスフィルタの再生時期制御装置の第1実施形態の動作を説明するメインフローチャートである。 PM堆積量推定処理を示すサブルーチンのフローチャートである。 自然再生判定処理を示すサブルーチンのフローチャートである。 第1実施形態の制御結果を示す図である。 エンジン排ガスフィルタの再生時期制御装置の第2実施形態の動作を説明するメインフローチャートである。 再生開始距離閾値修正処理を示すサブルーチンのフローチャートである。 閾値延長量Lamendを求めるための特性マップである。 第2実施形態の制御結果を示す図である。
符号の説明
1 エンジン排ガスフィルタの再生時期制御装置
10 ディーゼルエンジン
50 DPFアッセンブリ
52 DPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)
61 差圧センサ
62 DPF入口温度センサ
63 DPF出口温度センサ
70 コントローラ
ステップS1 走行距離算出手段/走行距離算出工程
ステップS2 堆積量算出手段/堆積量算出工程
ステップS7 再生開始手段/再生開始工程
ステップS5−S6、ステップS8−S10 再生開始延期手段/再生開始延期工程

Claims (8)

  1. エンジンの排ガス中に含まれる排気微粒子を捕捉して大気への排出を防止する排ガスフィルタと、
    前記排ガスフィルタに堆積する排気微粒子の堆積量を算出する堆積量算出手段と、
    前回の再生制御が終了してからの走行距離を算出する走行距離算出手段と、
    前記堆積量算出手段で算出した堆積量が規定量を超えた場合、又は前記走行距離算出手段で算出した走行距離が規定距離を超えた場合には、前記排ガスフィルタに堆積する排気微粒子を除去する再生制御を開始する再生開始手段と、
    前記堆積量算出手段で算出した堆積量が規定量を超えることなく前記走行距離算出手段で算出した走行距離が規定距離を超えた場合に、再生制御の開始時期を延期する再生開始延期手段と、
    を有するエンジン排ガスフィルタの再生時期制御装置。
  2. 前記再生開始延期手段は、前記堆積量算出手段で算出した堆積量が規定量を超えることなく前記走行距離算出手段で算出した走行距離が規定距離を超えた場合に、前記排ガスフィルタが自然再生中のときは、自然再生が終了するまで再生制御の開始時期を延期する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のエンジン排ガスフィルタの再生時期制御装置。
  3. 前記再生開始延期手段は、車速に基づいて前記排ガスフィルタが自然再生中であるか否かを判定する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のエンジン排ガスフィルタの再生時期制御装置。
  4. 前記再生開始延期手段は、エンジンの回転速度に基づいて前記排ガスフィルタが自然再生中であるか否かを判定する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のエンジン排ガスフィルタの再生時期制御装置。
  5. 前記再生開始延期手段は、前記排ガスフィルタの温度に基づいて、その排ガスフィルタが自然再生中であるか否かを判定する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のエンジン排ガスフィルタの再生時期制御装置。
  6. 前記再生開始延期手段は、前記堆積量算出手段で算出した堆積量が規定量を超えることなく前記走行距離算出手段で算出した走行距離が規定距離を超えた場合には、その堆積量算出手段で算出した堆積量の規定量に対する余裕代に応じて再生制御の開始時期を延期する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のエンジン排ガスフィルタの再生時期制御装置。
  7. 前記規定距離を、前回の再生制御で残留するPM量に基づいて変更する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のエンジン排ガスフィルタの再生時期制御装置。
  8. エンジンの排ガス中に含まれる排気微粒子を捕捉して大気への排出を防止する排ガスフィルタに堆積する排気微粒子の堆積量を算出する堆積量算出工程と、
    前回の再生制御が終了してからの走行距離を算出する走行距離算出工程と、
    前記堆積量算出工程で算出した堆積量が規定量を超えた場合、又は前記走行距離算出工程で算出した走行距離が規定距離を超えた場合には、前記排ガスフィルタに堆積する排気微粒子を除去する再生制御を開始する再生開始工程と、
    前記堆積量算出工程で算出した堆積量が規定量を超えることなく前記走行距離算出工程で算出した走行距離が規定距離を超えた場合に、再生制御の開始時期を延期する再生開始延期工程と、
    を有するエンジン排ガスフィルタの再生時期制御方法。
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