JP2007160685A - 成形パネル及び成形型 - Google Patents
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Abstract
【課題】硬質発泡樹脂からなる構造部材と表皮材との間にクッション体が成形一体化された成形パネルにあって、部品の脱着に対して十分な強度を有し、肉厚が高精度に寸法制御された係止部を取付孔の周縁に備えた成形パネルを提供する。
【解決手段】本発明により、パネル本体と、前記パネル本体の所定の位置に形成され、部品の取り付けが可能な取付孔、及び、同取付孔の周縁に形成され、前記パネル本体よりも薄肉の係止部を有する部品取付部とを備えた成形パネルであって、同成形パネルは、硬質発泡樹脂からなる構造部材と、同構造部材の前記部品取付部を除く表面に配されたクッション体と、前記構造部材の前記部品取付部に対応する一部表面と前記クッション体の表面とを被覆する表皮材とが成形一体化されてなることを特徴とする成形パネルが提供される。
【選択図】図1
【解決手段】本発明により、パネル本体と、前記パネル本体の所定の位置に形成され、部品の取り付けが可能な取付孔、及び、同取付孔の周縁に形成され、前記パネル本体よりも薄肉の係止部を有する部品取付部とを備えた成形パネルであって、同成形パネルは、硬質発泡樹脂からなる構造部材と、同構造部材の前記部品取付部を除く表面に配されたクッション体と、前記構造部材の前記部品取付部に対応する一部表面と前記クッション体の表面とを被覆する表皮材とが成形一体化されてなることを特徴とする成形パネルが提供される。
【選択図】図1
Description
本発明は、部品の取り付けが可能な部品取付部を備えた成形パネル、及びそれを製造する際に使用する成形型に関し、特に、車両の運転室に設置され、各種スイッチ類やエアコン用グリル等の部品を取り付け可能なダッシュパネル等に適用される成形パネル、及びそれを製造する際に使用する成形型に関する。
一般車両の車室内には多様で且つ多くの内装部材が使われている。その内装部材の構造も様々ではあるが、例えば各種トリムとして使われる内装部材の一例が特開2005−59632号公報(特許文献1)により開示されている。同文献1によれば、軽量化及びコストダウンを図るとともに、成形金型の簡素化、並びに成形後の脱型作業の簡素化を図ることを目的として、軽量で保形性を有する発泡樹脂基材にあって、剛性が要求される部位の内部にだけ硬質樹脂層をインサートして内装部材を製造している。また、この内装部材では、発泡樹脂基材の外部に露呈する表面に加飾材(表皮材)が被覆一体化されている。
特許文献1において、上記発泡樹脂基材としては、熱可塑性樹脂の発泡体を使用している。また、この熱可塑性樹脂は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂などの1種類の熱可塑性樹脂又は2種類以上の熱可塑性樹脂からなるとされている。
一方、上記硬質樹脂層に使用する熱可塑性樹脂材料として、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アイオノマー系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂、ポリカーボネート系樹脂等、通常の熱可塑性樹脂が挙げられている。
また、このような内装部材は、ホイールローダ等の作業用車両の運転席に組み込まれるダッシュパネル等にも用いられている。例えば、図8に示したように、ホイールローダの運転室61は、視界を確保するため前面と左右側面とが上面視で逆凹型にガラス62が配設されており、この前面及び左右側面に配したガラス62の内側底部に沿ってフロントダッシュパネル67が略水平に組み込まれている。また、このフロントダッシュパネル67には、各種の計器類64、各種スイッチ65、エアコン用グリル66、その他モニタ類等が取り付けられている。
一般に、このようなダッシュパネル等に用いられる内装部材は、金型を用いて射出成形することにより製造されており、例えば、金型の成形キャビティ内に表皮材をセットした後、その成形キャビティに前述のようなポリエチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂を射出することにより、表面に表皮材が被覆一体化された内装部材(成形パネル)が作製されている。この射出成形時に、成形パネルには各種部品を取り付けるための取付孔がそれぞれ所定の位置に形成され、その後、この取付孔に前記スイッチ類やエアコン用グリルが嵌め込まれて取り付けられている。
一方、前記図8に示したようなホイールローダの運転室61においては、転倒時に運転者を保護するために鋼製の柱63が運転室61内のコーナー部に張り出すように設置されている。このため、前記フロントダッシュパネル67は、鋼製の柱63の前方にある組込み領域に鋼製の柱63を跨いで組み込まざるを得なく、またフロントダッシュパネル67の左右翼部の先端部は、この柱63に嵌め合わせるべく、上面視で三角形状に切除して、いわゆるアンダーカット部68を形成しなければならない。
このようなアンダーカット部68を有するフロントダッシュパネル67に、例えば前記特許文献1に記載されているような内装部材、即ち、熱可塑性樹脂の発泡体からなる発泡樹脂基材に表皮材が被覆一体化された内装部材を用いた場合では、以下のような問題が生じていた。つまり、上述のようにフロントダッシュパネル67の左右翼部の先端部にアンダーカット部68を形成しても、各翼部の奥行き側の隅部端間の寸法は、前記左右の柱63の内側面間の寸法よりも長くなるため、同柱63が干渉体となって左右翼部の奥行き側の隅部と干渉してしまい、それ以上はフロントダッシュパネル67を前方に差し入れたりすることができない。また、仮に何らかの手段で一旦嵌め込まれると、例えば計器類の交換や修理のためフロントダッシュパネル67を取り外そうとしても容易には取り外すことができない。
そこで従来は、フロントダッシュパネルを組み込み位置から外したり、組み込み位置に取り付けるため、例えば、フロントダッシュパネルは単なるカバー用途であると割り切って、真空成形によりパネルを成形して、組み込み位置への脱着時にはある程度ねじり変形させて脱着することや、或いは、剛性の高いフロントダッシュパネルを中央で2分割し、左右のアンダーカット部を左右の柱に嵌め合わせて固定した後、中央の分割部を組み立てて、ビス止めにより固定することが行われていた。
特開2005−59632号公報
ところで、前記特許文献1に記載されているような内装部材は、上述のように熱可塑性樹脂を金型の成形キャビティ内に射出成形することにより製造されているが、例えば生産量の少ない車両に用いられる内装部材を製造する場合では、金型にかかる費用が高いものの、同金型から成形される成形パネルの生産量が少ないため、コストへの負担が大きいという問題があった。
そこで、このような問題を解消するために、成形パネルの発泡樹脂基材(構造部材)として、特許文献1に例示されているような熱可塑性樹脂を用いるのではなく、硬質の発泡ポリウレタン樹脂を用いることが検討されている。例えば、構造部材の材質に硬質の発泡ポリウレタン樹脂を用いることにより、構造部材の成形を成形圧の低い反応射出成形(RIM成形)で行うことが可能となることから、成形型として安価な樹脂型を用いることができる。これにより、成形型の償却負担を軽減し、製造コストの削減が図れる。
またこの場合、例えば成形パネルの肌触りを向上させ、外観上の柔らかさや高級感を醸し出すこと、更には断熱性や防音性等を確保すること等を目的として、ポリウレタン樹脂の構造部材と表皮材との間にクッション体(例えば、半硬質の発泡ポリウレタン樹脂)をパネル全体に渡って設けることが考えられている。
このようなクッション体を設けた成形パネルを樹脂型により成形する方法の一つとしては、例えば2種類の樹脂型を用いて、RIM成形を2段階で行うことが考えられており、様々な実験が重ねられている。具体的には、先ず一方の樹脂型を用いてポリウレタン樹脂材料の発泡成形を行うことにより所定形状の構造部材を作製し、その後、別の樹脂型を用いて、得られた構造部材を上型のキャビティ面に密着保持するとともに、別途に作製した表皮材を下型のキャビティ面に密着載置して型締めし、この構造部材と表皮材との間に形成された成形キャビティ内にクッション体の樹脂材料を注入して発泡成形を行う。これにより、構造部材と表皮材との間にクッション体が成形一体化された3層構造の成形パネルを製造することが可能となる。
このようなパネル全体に渡って3層構造を有する成形パネルを前記フロントダッシュパネル等の内装部材に用いることを検討した場合、各種スイッチ類やエアコン用グリル等の部品を取り付けるために、例えば図9に示したように、成形パネル81の所定の位置に、部品82の取り付けが可能な取付孔83と、同取付孔83の周縁に部品82の爪部(フック部)84を係止するための係止部85とを形成することが必要とされる。なお、この図9に示した成形パネル81において、符号86は表皮材を、符号88は硬質の発泡ポリウレタン樹脂からなる構造部材を示しており、これら表皮材86と構造部材88との間に半硬質の発泡ポリウレタン樹脂からなるクッション体87が配されている。
本発明者等は、実際に硬質の発泡ポリウレタン樹脂からなる構造部材と表皮材との間に、半硬質の発泡ポリウレタン樹脂のクッション体を配した成形パネルを試作し、種々の実験及び検討を行ったところ、以下のような不具合があることが明らかになった。
即ち、成形パネル81の係止部85は、部品82の爪部84を係止するために十分な強度が求められるとともに、所定形状の部品82を適切に取り付けるために、係止部85の肉厚を部品82の形状及び寸法に合わせることが必要となる。即ち、係止部85の肉厚が薄くなり過ぎると、取り付けた部品82に緩みが生じてガタツキが発生してしまい、一方肉厚が厚くなり過ぎると、部品82の取り付けが窮屈になったり、部品82の爪部84を係止部85に嵌め込むことができなくなる。このため、係止部85には、例えば公差が±0.10mm〜±0.15mm程度の厳しい寸法精度が求められる。
しかし、図9に示した成形パネル81では、表皮材86と構造部材88との間にクッション体87が配されて3層構造を有するため、係止部85にも半硬質のクッション体87が介在し、硬質の構造部材88の肉厚が必然的に薄くなってしまう。このため、係止部85の強度は低く、部品82の脱着時に係止部85が破損し易くなるという問題があった。
また、成形パネル81の成形を上述のように樹脂型を用いて行う場合、成形と同時に取付孔83の形成を高精度に行うことが難しく、また、クッション体87の成形を行う工程において、クッション体の樹脂材料が取付孔に漏出して成形不良が発生し易いという問題もあることがわかった。更に、成形品における肉厚の制御は成形型の剛性に依存するため、金型に比べて剛性が低い樹脂型を用いた場合では、係止部の肉厚を高精度に寸法制御することが難しいという問題も生じた。
更に、例えば樹脂型による成形パネルの成形では、その成形時に取付孔を形成するのではなく、パネル成形後に後加工で穿孔を施して取付孔を形成し、その際に係止部も同時に形成することが考えられる。しかし、このような後加工で係止部を形成する場合でも、上述のような係止部の寸法精度を満足させることは難しいことがわかった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、車輌のフロントダッシュパネル等に用いられ、硬質発泡樹脂からなる構造部材と表皮材との間にクッション体が成形一体化された成形パネルにあって、部品の脱着に対して十分な強度を有し、肉厚が高精度に寸法制御された係止部を取付孔の周縁に備えた成形パネルを提供すること、更に、樹脂材料の漏出といった成形不良を生じさせることなく、前記成形パネルを安定して成形可能な成形型を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明により提供される成形パネルは、基本的な構成として、パネル本体と、前記パネル本体の所定の位置に形成され、部品の取り付けが可能な取付孔、及び、同取付孔の周縁に形成され、前記パネル本体よりも薄肉の係止部を有する部品取付部とを備えた成形パネルであって、同成形パネルは、硬質発泡樹脂からなる構造部材と、同構造部材の前記部品取付部を除く表面に配されたクッション体と、前記構造部材の前記部品取付部に対応する一部表面と前記クッション体の表面とを被覆する表皮材とが成形一体化されていることを最も主要な特徴とするものである。
前記本発明の成形パネルにおいて、前記構造部材は、その表層部にスキン層を備えている。
前記本発明の成形パネルにおいて、前記構造部材は、その表層部にスキン層を備えている。
また、前記成形パネルの表面が面一であるか、或いは前記部品取付部の表面に、前記部品のフランジを嵌着する段差部が形成されていることが好ましい。
更に、本発明の成形パネルにおいて、前記硬質発泡樹脂が熱硬化性の発泡ポリウレタン樹脂であることが好ましく、前記クッション体が半硬質の発泡ポリウレタン樹脂からなることが好ましい。
次に、本発明によれば、前記構成を有する成形パネルの前記構造部材の成形に用いる構造部材用成形型が提供され、この構造部材用成形型は、前記構造部材の成形キャビティを有する樹脂製の構造部材用第1型及び第2型と、前記構造部材用第1型及び第2型間の前記構造部材成形キャビティ内に配されて、前記係止部の成形キャビティを形成する金属中子とを備えていることに特徴を有する。
前記本発明の成形型において、前記金属中子は、前記構造部材用第1型及び第2型の型開き方向に移動可能な第1分割部材及び第2分割部材に分割されており、同第1分割部材と第2分割部材との間に前記係止部成形キャビティを形成している。
この場合、前記第1分割部材及び/又は第2分割部材を、前記型開き方向に沿って他方の分割部材に向けて押圧する押圧手段を更に備えていることが好ましく、更に、前記押圧手段は、前記第1分割部材及び/又は第2分割部材に当接させる金属製の押さえ治具と、同押さえ治具に荷重を与えるシリンダーとを有していることが好ましい。
一方、前記本発明の成形型において、前記金属中子は、形成する前記取付孔の周縁に沿って、前記構造部材成形キャビティ内で型開き方向に対して直角方向に並列に配され、且つ、同直角方向に移動可能な複数の並列分割部材で構成されており、各並列分割部材は前記係止部成形キャビティをそれぞれ形成している。
この場合、前記複数の並列分割部材を配したときに同並列分割部材間に形成される間隙に配され、同並列分割部材を位置決め固定する位置決め部材を更に備えていることが好ましい。
また次に、本発明によれば、前記構成を有する成形パネルの前記表皮材と前記構造部材との間に前記クッション体を成形一体化するときに用いる成形パネル用成形型が提供され、この成形パネル用成形型は、成形時に前記構造部材と前記表皮材とを配し、同構造部材と表皮材との間に前記クッション体の成形キャビティが形成される樹脂製の成形パネル用第1型及び第2型と前記成形パネル用第1型及び第2型間に配され、前記係止部と前記表皮材とを挟持する金属製の第1挟持部材及び第2挟持部材とを備えていることに特徴を有する。
この場合、前記第1挟持部材及び/又は第2挟持部材を、前記成形パネル用第1型及び第2型の型開き方向に沿って他方の挟持部材に向けて押圧する押圧手段を更に備えていることが好ましく、更に、前記押圧手段は、前記第1挟持部材及び/又は第2挟持部材に当接させる金属製の押さえ治具と、同押さえ治具に荷重を与えるシリンダーとを有していることが好ましい。
本発明に係る成形パネルは、部品の取付孔と係止部とを有しており、硬質発泡樹脂からなる構造部材と、同構造部材の前記部品取付部を除く表面に配されたクッション体と、前記構造部材の前記部品取付部に対応する一部表面と前記クッション体の表面とを被覆する表皮材とが成形一体化されている。即ち、本発明の成形パネルでは、パネル本体が構造部材と表皮材との間にクッション体が配された3層構造を有するとともに、係止部は、クッション体が配されておらず、表面に表皮材が被覆一体化された構造部材によって構成されている。これにより、係止部は、高精度に寸法制御された肉厚を有するとともに、部品の脱着に対して十分な強度を確保することができる。このため、部品の取り付けが窮屈になったり、また取り付けた部品に緩みが生じることがなく、部品の装着を安定させることができ、更に係止部に破損が生じることを防止して、部品の取り付けや取り外しを安定して行うことができる。
また、前記構造部材は、その表層部にスキン層を備えているため、係止部の強度を一層向上させることができ、係止部の破損をより確実に防ぐことができる。
本発明の成形パネルは、面一な表面を有することができ、美麗な外観を得ることができる。或いは、前記部品取付部の表面に、前記部品のフランジを嵌着する段差部が形成されていても良く、これにより、成形パネルに部品を取り付けたときに、成形パネルの表面と部品の表面とを同一平面上に配することができ、外観上の見栄えを向上させることが可能となる。
また、前記構造部材を形成する硬質発泡樹脂が熱硬化性の発泡ポリウレタン樹脂であり、前記クッション体が半硬質の発泡ポリウレタン樹脂からなれば、成形パネルの軽量化を図れるとともに、その保形性により成形パネルの形状を安定して維持することができ、その上、肌触りを向上させるとともに、外観上の柔らかさや高級感を得ることができる。また、構造部材、クッション体、及び表皮材における各接着面の接着力が向上し、優れた接着強度を確保することができる。更に、成形型として樹脂型を用いることができるので、成形型の償却負担を軽減し、製造コストの削減を図ることも可能となる。
次に、本発明に係る構造部材用成形型は、構造部材の成形キャビティを有する樹脂製の構造部材用第1型及び第2型と、その第1型及び第2型間に配されて、係止部の成形キャビティを形成する金属中子とを備えている。このように成形パネルの係止部の成形キャビティを剛性の高い金属製の中子で形成することにより、係止部の成形を優れた寸法精度で行うことができる。
本発明において、前記金属中子は、前記構造部材用第1型及び第2型の型開き方向に移動可能な第1分割部材及び第2分割部材に分割させることができる。これにより、金属中子を第1型及び第2型間に容易にセットでき、更に第1分割部材と第2分割部材との間に係止部成形キャビティを安定して形成し、係止部の形状及び肉厚の寸法を容易に且つ高精度に制御することができる。
更に、前記第1分割部材及び/又は第2分割部材を、第1型及び第2型の型開き方向に沿って他方の分割部材に向けて押圧する押圧手段を備えていれば、第1分割部材と第2分割部材とを確実に密着させることができ、係止部にバリ等が形成されることを防止することができる。この場合、前記押圧手段は、前記第1分割部材及び/又は第2分割部材に当接させる金属製の押さえ治具と、同押さえ治具に荷重を与えるシリンダーとを有していれば、押圧手段によって第1分割部材及び/又は第2分割部材を安定して押圧することができる。
一方本発明において、前記金属中子は、形成する取付孔の周縁に沿って、構造部材成形キャビティ内で型開き方向に対して直角方向に並列に配され、且つ、同直角方向に移動可能な複数の並列分割部材で構成することもでき、各並列分割部材には係止部成形キャビティが形成されている。これにより、係止部を非常に優れた寸法精度で形成することができる。
この場合、並列分割部材を位置決め固定する位置決め部材を備えていれば、第1型及び第2型間での並列分割部材の配設位置が安定し、係止部を高精度に、かつ、より安定して形成することができる。
更に、本発明に係る成形パネル用成形型は、成形時に構造部材と表皮材との間にクッション体の成形キャビティが形成される樹脂製の成形パネル用第1型及び第2型と、係止部と表皮材とを挟持する金属製の第1挟持部材及び第2挟持部材とを備えている。これにより、成形パネルを成形するときに、予め構造部材の一部に形成した係止部の形状及び寸法をそのまま維持できるとともに、部品取付部を構成する構造部材と表皮材との間にクッション体の樹脂材料が入り込むことを防止できる。これにより、同樹脂材料が取付孔から漏出して成形不良が生じることを防止し、所望の構成を有する前記成形パネルを安定して得ることが可能となる。
更に、前記第1挟持部材及び/又は第2挟持部材を、成形パネル用第1型及び第2型の型開き方向に沿って他方の挟持部材に向けて押圧する押圧手段を備えていれば、第1挟持部材と第2挟持部材とをより確実に密着させることができ、クッション体の樹脂材料が構造部材と表皮材との間に入り込むことをより確実に防止することができる。この場合、前記押圧手段は、第1挟持部材及び/又は第2挟持部材に当接させる金属製の押さえ治具と、同押さえ治具に荷重を与えるシリンダーとを有していれば、押圧手段によって第1挟持部材及び/又は第2挟持部材を安定して押圧することができる。
以下、本発明の代表的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
先ず、本発明の第1の実施形態に係る成形パネルについて説明する。本第1実施形態の成形パネルは、例えば図8に示したようなホイールローダ等の作業用車輌における運転席の前方に配されるダッシュボードとして用いられることを想定している。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、部品が取り付けられて使用される様々な成形パネルに適用することができる。ここで、図1は、本第1実施形態に係る成形パネルの断面を模式的に示す部分断面図であり、図2の(a)及び(b)は、成形パネルの部品取付部を拡大して示した正面図であり、それぞれ係止部の形態を表している。
先ず、本発明の第1の実施形態に係る成形パネルについて説明する。本第1実施形態の成形パネルは、例えば図8に示したようなホイールローダ等の作業用車輌における運転席の前方に配されるダッシュボードとして用いられることを想定している。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、部品が取り付けられて使用される様々な成形パネルに適用することができる。ここで、図1は、本第1実施形態に係る成形パネルの断面を模式的に示す部分断面図であり、図2の(a)及び(b)は、成形パネルの部品取付部を拡大して示した正面図であり、それぞれ係止部の形態を表している。
図1に示した本第1実施形態の成形パネル1は、パネル本体2と、仮想線で示した部品9の取り付けが可能な取付孔4、及び、同取付孔4の周縁に形成され、パネル本体2よりも薄肉の係止部5を有する部品取付部3とを備えており、取付孔4は、成形パネル1の部品9の取り付けが予定されている所定位置に設けられている。
また、成形パネル1は、構造部材6と、構造部材6の部品取付部3を除く表面に配されたクッション体7と、構造部材6の部品取付部3に対応する一部表面とクッション体7の表面とを被覆する表皮材8とが成形一体化されて構成されている。
即ち、前記パネル本体2は、構造部材6と、成形パネル1の表面を形成する表皮材8と、構造部材6と表皮材8との間に配されるクッション体7とが成形一体化された3層構造を有している。構造部材6は発泡硬質樹脂からなり、構造部材6の表層部には、構造部材6の成形時に発泡が抑えられることによって形成されるスキン層14を有している。本第1実施形態では、構造部材6の発泡硬質樹脂として、熱硬化性の発泡ポリウレタン樹脂が用いられている。これにより、構造部材6の成形を、射出圧が小さい反応射出成形法により行うことが可能となり、構造部材6の成形型として安価な樹脂型を用いることができる。なお、構造部材6の発泡硬質樹脂として、その他にポリウレア樹脂等を用いることも可能である。
前記クッション体7は、半硬質のポリウレタン樹脂からなり、パネル本体2の全体に渡って構造部材6と表皮材8との間に配されている。これにより、成形パネル1の軽量化を図ることができる。また、クッション体7がポリウレタン樹脂であれば、接着性に優れているため、構造部材6や表皮材8との接着強度を高めることができる。なお、本第1実施形態において、クッション体7は、部品取付部3側の領域で、部品取付部3に近づくにつれて厚さが漸減するように構成されており、これにより、パネル本体2と部品取付部3との境界領域近傍での、構造部材6の厚さを厚くしてパネル本体2の剛性を確保している。
前記表皮材8は、その表面に例えばシボ模様が付与されており、また0.6〜0.9mmの膜厚で形成されている。この表皮材8の材質としては、構造部材6及びクッション体7と相溶性に優れた材質及びある程度の可撓性が得られれば、一般の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーが適用できる。本第1実施形態では、構造部材6及びクッション体7には、殆どの合成樹脂との接合性に優れたポリウレタン樹脂が使われているため、表皮材8にはポリエチレン、熱可塑性エラストマーなどの軟質樹脂であれば任意に適用が可能であるが、その中でも対候性及び耐熱性に優れ、可塑剤を添加すると軟化するポリ塩化ビニルが使われている。
一方、前記部品取付部3は、パネル本体2から取付孔4に向けて延出した構造部材6と、この延出した構造部材6の表面を被覆する表皮材8とが成形一体化されて構成されており、これらの間にクッション体7は介在していない。従って、この部品取付部3の係止部5は、硬質発泡樹脂である構造部材6で構成されており、その表層部にはスキン層14を備えているため、部品の脱着に対して十分な強度を確保することができる。
また、係止部5は、以下で説明するように金属中子を用いて成形されているため、部品9のフック部10を適切に係止可能に高精度に寸法制御された形状及び肉厚を有している。例えば、本第1実施形態では、パネル本体2の肉厚、即ち表皮材8(肉厚:0.6〜0.9mm)、クッション体7(肉厚:約3.0mm)、及び構造部材6(肉厚:約3.0mm)の合計の肉厚が6mm程度であり、一方、係止部5は3.0mm±0.1mmの肉厚で形成されており、その公差は非常に小さい。また、係止部5の取付孔4への延出長さは、3.0mm±0.1mmに設定されている。更に、係止部5が高精度に形成されているため、取付孔4自体も、部品9の形状及び寸法に高精度に対応した形状及び寸法で形成されている。
従って、成形パネル1は、部品9を取り付ける際に、フック部10の引掛りが窮屈になったり、また引掛りに緩みが生じることがなく、部品9を適切に装着することができる。また、成形パネル1に部品9を脱着する際に、係止部5に破損が生じることを防止し、部品9の取り付けや取り外しを安定して行うことができる。
なお、本第1実施形態において、係止部5は、図2(a)に示したように、取付孔の周縁の全周に渡って形成されているが、本発明はこれに限定されず、例えば図2(b)に示したように、取付孔の周縁の一部領域に形成される円弧状の係止部5を2箇所又はそれ以上の複数箇所に形成することもできる。
また本第1実施形態において、部品取付部3には、所定の肉厚で形成された係止部5とパネル本体2との間の領域に、それらを繋ぐ中間部11が設けられている。このような中間部11を設けることにより、パネル本体2と部品取付部3との境界領域におけるパネル本体2の剛性を高めることができる。なお、本発明において、前記中間部11は任意に形成することができ、また省略することも可能である。
また、本第1実施形態の成形パネル1は、その表面が略面一に形成されているため、美麗な外観を得ることができる。しかし、実際には、従来技術にて説明したように、構造部材6とクッション体7との境界部に相当する表皮材8の部分には僅かな段差が形成され、またシボ模様のシボ深さもその境界部を境にして変化している。このため、成形パネル1が優れた外観品質を確保するためには、例えば図1に示したように、部品9のフランジ12を構造部材6とクッション体7との境界部を超えて延設させたり、或いは、クッション体7の形成領域を取付孔4に近づけておくことが好ましい。これにより、部品9のフランジ12によって、前記段差やシボ深さの変化を外部から隠して、優れた外観品質を確保することが可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る成形パネルについて説明する。ここで、図3は、本第2実施形態に係る成形パネルの断面を模式的に示す部分断面図である。なお、この第2実施形態にあって、第1実施形態と実質的に同一の構成を有する部分には同一の符号を付しており、その具体的な説明は冗長を避けるために省略する。
図3に示した本第2実施形態の成形パネル1´は、部品取付部3´に部品9を取り付ける際に、部品取付部3´に部品9のフランジ12を嵌着する段差部13が形成されている。段差部13は、例えば構造部材6を成形するときに同時に形成することができる。このような段差部13を設けることにより、部品9を取り付けたときに、成形パネル1´の表面と部品9の表面とを同一平面上に形成することができ、部品9を取り付けた成形パネル1´の外観上の見栄えを向上させることができる。
図3に示した本第2実施形態の成形パネル1´は、部品取付部3´に部品9を取り付ける際に、部品取付部3´に部品9のフランジ12を嵌着する段差部13が形成されている。段差部13は、例えば構造部材6を成形するときに同時に形成することができる。このような段差部13を設けることにより、部品9を取り付けたときに、成形パネル1´の表面と部品9の表面とを同一平面上に形成することができ、部品9を取り付けた成形パネル1´の外観上の見栄えを向上させることができる。
続いて、本発明の第1実施形態に係る前記成形パネル1を製造する方法について説明する。ここで、図4は、成形パネル1の構造部材6の成形に用いる第1の構造部材用成形型の断面を模式的に示す部分断面図であり、図7は、成形パネル1の表皮材8と構造部材6との間にクッション体7を成形一体化するときに用いる成形パネル用成形型の断面を模式的に示す部分断面図である。なお、図4及び図7では、成形パネル1の上下を図1とは反対にして成形が行われている。
始めに、図4に示した第1の構造部材用成形型21を用いて、成形パネル1の構造部材6を反応射出成形法(RIM成形法)により成形する。この第1の構造部材用成形型21は、構造部材6の成形キャビティ30を有する構造部材用第1型(上型)22及び構造部材用第2型(下型)23と、これら上型22及び下型23間の前記構造部材成形キャビティ30内に配されて、係止部5の成形キャビティ31を形成する金属中子24と、型開き方向に沿って金属中子24を押圧する押圧手段25とを備えている。
前記上型22及び下型23は、アルミニウム等の金属微粒子を含んだエポキシ樹脂で所定の形状に成形されており、下型23は固定され、上型22は上方に型開き可能なように構成されている。また、上型22及び下型23には、金属中子24を所定の位置に装着可能なように、金属中子24の形状に合わせて切欠きが形成されている。更に下型23には、金属中子24を固定するマグネット28が設置されている。
前記金属中子24は、上型22の型開き方向に移動可能な第1分割部材(上側分割部材)26と、第2分割部材(下側分割部材)27とに分割されており、これら上側分割部材26と下側分割部材27との間に係止部5の成形キャビティ31を形成している。
前記押圧手段25は、上側分割部材26及び下側分割部材27に当接させる金属製の押さえ治具29と、押さえ治具29に上方から荷重を与えるシリンダー32とを有している。押さえ治具29は、上型22、上側分割部材26、及び下側分割部材27の中心部に設けられた貫通孔内に配設されている。また、押さえ治具29の周面には2つの段差が設けられており、各段差面で上側分割部材26及び下側分割部材27をそれぞれ押圧するように構成されている。この押さえ治具29は、軽量化とコストダウンを図るために中空構造となっている。
このような第1の構造部材用成形型21を用いて、先ず下型23に下側分割部材27と上側分割部材26とを順にセットした後、これらの上に上型22を載置して型締めを行う。さらに、押さえ治具29を上型22、上側分割部材26、及び下側分割部材27の貫通孔内に挿入し、この押さえ治具29にシリンダー32で上方から荷重を与える。これにより、上型22と下型23との間に構造部材6の成形キャビティ30が形成されるとともに、上側分割部材26と下側分割部材27との間に係止部5の成形キャビティ31が形成される。
そして、前記成形キャビティ30、31内に、例えばミキシングヘッド(不図示)により混合されたポリオール、ジイソシアネート、及び水の混合材料が、不図示の材料導入口から導入されることにより、硬質発泡ポリウレタンのRIM成形が行われる。このときの水の混合量は、発泡の度合いにより決められる。因みに、本実施形態における発泡ポリウレタン樹脂の発泡倍率は3倍に設定されている。成形キャビティ30、31に導入された前記混合物は発熱しながら発泡を開始し、やがて硬質の発泡ポリウレタン樹脂が成形キャビティ30、31内に充満し、係止部5を備えた構造部材6が成形される。このときの発泡温度は50〜60℃となる。
このようにして成形された構造部材6は、係止部5が一体に形成されており、またその表層部にはスキン層14が形成されている。特に、係止部5は、金属製の上側分割部材26と下側分割部材27との間で成形されているため、設計された形状及び寸法で正確に形成されており、更にその表層部にはスキン層14がパネル本体となる部位に比べて厚く且つ均質に形成されている。
次に、この第1の構造部材用成形型21で成形された構造部材6にクッション体7及び表皮材8を成形一体化して成形パネル1を製造するために、図7に示した成形パネル用成形型41を用いて、構造部材6と表皮材8との間にクッション体7のRIM成形を行う。
ここで、成形パネル用成形型41は、構造部材6と表皮材8とを配し、これらの間にクッション体7の成形キャビティ50を有する成形パネル用第1型(上型)42及び成形パネル用第2型(下型)43と、これら上型42及び下型43間に配され、係止部5と表皮材8とを挟持する金属製の第1挟持部材(上側挟持部材)44及び第2挟持部材(下側挟持部材)45と、型開き方向に沿って上側挟持部材44と、表皮材8及び下側挟持部材45とを押圧する押圧手段46とを備えている。
前記上型42及び下型43は、アルミニウム等の金属微粒子を含んだエポキシ樹脂で所定の形状に成形されており、下型43は固定され、上型42は上方に型開き可能なように構成されている。また、上型42には上側挟持部材44を所定の位置に装着可能なように切欠きが形成されており、下型43には下側挟持部材45を所定の位置に装着可能なように切欠きが形成され、更に下側挟持部材45を固定するマグネット49が設置されている。
前記押圧手段46は、上側挟持部材44及び表皮材8に当接させる金属製の押さえ治具47と、押さえ治具47に上方から荷重を与えるシリンダー48とを有しており、上側挟持部材44を下側挟持部材45に向けて押圧する。
このような成形パネル用成形型41を用いて成形パネル1を成形するために、先ず、下側挟持部材45を装着した下型43の表面に表皮材8を載置し、更にその上に、成形した構造部材6を載置する。このとき、構造部材6の部品取付部3を構成する部位の表面に接着剤等を塗布しておき、構造部材6と表皮材8とを接着する。なお、表皮材8は、予め別途に作製しておき、その表面にシボ模様を付与しておくことが好ましい。
続いて、上側挟持部材44を所定の位置にセットして、上側及び下側挟持部材44,45間で係止部5と表皮材8とを挟持する。その後、これらの上に上型42をセットして型締めを行う。さらに、押さえ治具47を、上型42及び上側挟持部材44の貫通孔内に挿入し、この押さえ治具47にシリンダー48で上方から荷重を与える。これにより、構造部材6と表皮材8との間にクッション体7の成形キャビティ50が形成され、更に部品取付部3を構成する部位では、構造部材6と表皮材8とを密着させることができる。
そして、このクッション体7の成形キャビティ50内に、半硬質のポリウレタン樹脂材料と水との混合原料が、不図示の材料導入口から導入されることにより、発泡ポリウレタンのRIM成形が行われる。この場合も、前記構造部材6のRIM成形と同様に導入と同時に発泡が開始され、やがて半硬質の発泡ポリウレタン樹脂が成形キャビティ50内に充満して、構造部材6と表皮材8との間でクッション体7が成形一体化する。その後、成形パネル用成形型41から成形品を取り外し、取付孔4上の表皮材8をカットすることにより、前記第1実施形態の成形パネル1を得ることができる。
このようにして成形パネル1を製造することにより、前記第1の構造部材用成形型21によって優れた寸法精度で形成された係止部5の形状及び寸法を維持することができる。それとともに、部品取付部3を構成する部位における構造部材6と表皮材8との間にクッション体7の樹脂材料が入り込むことを防止できる。これにより、クッション体7が部品取付部3に侵入したり、また取付孔4から漏出することを防いで、成形不良が生じることを防止できるので、前記第1実施形態の成形パネル1を安定して得ることができる。
一方、本発明においては、例えば図2(b)に示したように、取付孔4の周縁の一部領域に形成される円弧状の係止部5を2箇所(又はそれ以上の複数箇所)に形成された成形パネルを製造する場合であっても、前記図4に示した上側及び下側分割部材26,27を、円弧状の係止部5の成形キャビティを形成可能なその他の上側及び下側分割部材に変更することによって、容易にかつ安定して製造することができる。
また、その他に、例えば図5に示した第2の構造部材用成形型51を用いることによっても、円弧状の係止部5を2箇所又はそれ以上で備えた成形パネルを製造することができる。以下、この第2の構造部材用成形型51を用いて成形パネルの製造を行う方法について説明する。ここで、図5は、第2の構造部材用成形型の断面を模式的に示す部分断面図であり、図6は、図5に示した構造部材用成形型のVI−VI線における断面図である。
図5に示した第2の構造部材用成形型51は、構造部材6の成形キャビティ58を有する構造部材用第1型(上型)52及び構造部材用第2型(下型)53と、これら上型52及び下型53間の前記構造部材6の成形キャビティ58内に配されて、係止部5の成形キャビティ59を形成する金属中子54と、下型53に固定されて、金属中子54の位置決め固定を行う位置決め部材55と、金属中子54及び位置決め部材55を上方から固定する上側固定部材56とを備えている。
前記上型52及び下型53は、アルミニウム等の金属微粒子を含んだエポキシ樹脂で形成されており、下型53が固定され、上型52が上方に型開き可能なように構成されている。また、下型53には、金属中子54を所定の位置に装着可能なように、金属中子54の形状に合わせて切欠きが形成されている。一方、上型52は、上側固定部材56を装着可能なように構成されている。
前記金属中子54は、形成予定の取付孔4の周縁に沿って、構造部材6の成形キャビティ58内で型開き方向に対して直角方向に並列に配され、且つ、同直角方向に移動可能な2つの並列分割部材57で構成されている。これら各並列分割部材57は、円弧状の係止部5を成形可能な係止部5の成形キャビティ59をそれぞれ有している。
また、各並列分割部材57間には間隙が形成されるため、この間隙内に前記位置決め部材55が配され、この位置決め部材55により各並列分割部材57が所定の位置で固定される。この位置決め部材55は金属であることが好ましく、これにより各並列分割部材57をより高精度に位置決めすることができる。
更に、各並列分割部材57は、前記上側固定部材56によって、その上部側外周部が固定されている。このように各並列分割部材57が位置決め部材55と上側固定部材56とに固定されていることにより、前記成形キャビティ58、59に樹脂材料が導入されても、各並列分割部材57が動かないようにその位置で確実に固定させることができる。
このような第2の構造部材用成形型51を用いて、構造部材6のRIM成形を行う場合、位置決め部材55を有する下型53に各並列分割部材57をセットし、更に位置決め部材55及び並列分割部材57の上方から上側固定部材56を載置した後、これらの上に上型22を載置して型締めを行う。これにより、上型52と下型53との間に構造部材6の成形キャビティ58が形成される。
そして、上型52と下型53との間に形成された構造部材6の成形キャビティ58と各並列分割部材57に形成されている係止部5の成形キャビティ59内に、前記第1の構造部材用成形型21のときと同様に、ポリオール、ジイソシアネート、及び水の混合材料が、不図示の材料導入口から導入されることにより、硬質発泡ポリウレタンのRIM成形が行われる。成形キャビティ58、59に導入された前記混合物は発熱しながら発泡を開始し、やがて硬質の発泡ポリウレタン樹脂が成形キャビティ58、59内に充満し、円弧状の係止部5を2箇所に備えた構造部材6が成形される。
RIM成形が終了した後、上型52、上側固定部材56を順に外した後、並列分割部材57が構造部材6の係止部5に嵌着した状態のままで成形品を下型53から取り外し、その後、並列分割部材57を取付孔4の縮径方向に移動させて抜脱することにより、円弧状の係止部5が一体に形成された構造部材6を得ることができる。
第2の構造部材用成形型51では、上述のように係止部5の各成形キャビティ59がそれぞれ単一の並列分割部材57で形成されているため、例えば前記第1の構造部材用成形型21を用いて成形した構造部材に比べて、係止部5を更に高い寸法精度で形成することができる。なお、この第2の構造部材用成形型51は、成形する構造部材6を挟んで上下の構成を反対にして成形を行うことも可能である。
このようにして第2の構造部材用成形型51で成形された構造部材6は、その後、前記成形パネル用成形型41を用いて、前述と同様に構造部材6と表皮材8との間にクッション体7のRIM成形を行うことにより、これらを成形一体化して成形パネル1を安定して製造することができる。
なお、以上では本発明の典型的な実施の形態を説明したに過ぎず、本発明の基本的な特徴、構成を有していれば、多様な変更が可能である。例えば、図4に示した前記第1の構造部材用成形型21、及び図7に示した前記成形パネル用成形型41には、それぞれ押圧手段25,46が設けられているが、例えば上型の型締め力とマグネットの磁力とにより第1分割部材26を第2分割部材27に向けて押圧する十分な力、又は第1挟持部材44を第2挟持部材45に向けて押圧する十分な力が得られるときは、押圧手段25,46の配設を省略することができる。
1,1´ 成形パネル
2 パネル本体
3,3´ 部品取付部
4 取付孔
5 係止部
6 構造部材
7 クッション体
8 表皮材
9 部品
10 フック部
11 中間部
12 フランジ
13 段差部
14 スキン層
21 第1の構造部材用成形型
22 構造部材用第1型(上型)
23 構造部材用第2型(下型)
24 金属中子
25 押圧手段
26 第1分割部材(上側分割部材)
27 第2分割部材(下側分割部材)
28 マグネット
29 押さえ治具
30 構造部材の成形キャビティ
31 係止部の成形キャビティ
32 シリンダー
41 成形パネル用成形型
42 成形パネル用第1型(上型)
43 成形パネル用第2型(下型)
44 第1挟持部材(上側挟持部材)
45 第2挟持部材(下側挟持部材)
46 押圧手段
47 押さえ治具
48 シリンダー
49 マグネット
50 クッション体の成形キャビティ
51 第2の構造部材用成形型
52 構造部材用第1型(上型)
53 構造部材用第2型(下型)
54 金属中子
55 位置決め部材
56 上側固定部材
57 並列分割部材
58 構造部材の成形キャビティ
59 係止部の成形キャビティ
61 運転室
62 ガラス
63 鋼製の柱
64 計器類
65 各種スイッチ
66 エアコン用グリル
67 フロントダッシュパネル
68 アンダーカット部
81 成形パネル
82 部品
83 取付孔
84 爪部(フック部)
85 係止部
86 表皮材
87 クッション体
88 構造部材
2 パネル本体
3,3´ 部品取付部
4 取付孔
5 係止部
6 構造部材
7 クッション体
8 表皮材
9 部品
10 フック部
11 中間部
12 フランジ
13 段差部
14 スキン層
21 第1の構造部材用成形型
22 構造部材用第1型(上型)
23 構造部材用第2型(下型)
24 金属中子
25 押圧手段
26 第1分割部材(上側分割部材)
27 第2分割部材(下側分割部材)
28 マグネット
29 押さえ治具
30 構造部材の成形キャビティ
31 係止部の成形キャビティ
32 シリンダー
41 成形パネル用成形型
42 成形パネル用第1型(上型)
43 成形パネル用第2型(下型)
44 第1挟持部材(上側挟持部材)
45 第2挟持部材(下側挟持部材)
46 押圧手段
47 押さえ治具
48 シリンダー
49 マグネット
50 クッション体の成形キャビティ
51 第2の構造部材用成形型
52 構造部材用第1型(上型)
53 構造部材用第2型(下型)
54 金属中子
55 位置決め部材
56 上側固定部材
57 並列分割部材
58 構造部材の成形キャビティ
59 係止部の成形キャビティ
61 運転室
62 ガラス
63 鋼製の柱
64 計器類
65 各種スイッチ
66 エアコン用グリル
67 フロントダッシュパネル
68 アンダーカット部
81 成形パネル
82 部品
83 取付孔
84 爪部(フック部)
85 係止部
86 表皮材
87 クッション体
88 構造部材
Claims (15)
- パネル本体と、
前記パネル本体の所定の位置に形成され、部品の取り付けが可能な取付孔、及び、同取付孔の周縁に形成され、前記パネル本体よりも薄肉の係止部を有する部品取付部と、
を備えた成形パネルであって、
同成形パネルは、硬質発泡樹脂からなる構造部材と、同構造部材の前記部品取付部を除く表面に配されたクッション体と、前記構造部材の前記部品取付部に対応する一部表面と前記クッション体の表面とを被覆する表皮材とが成形一体化されてなる
ことを特徴とする成形パネル。 - 前記構造部材は、その表層部にスキン層を備えてなることを特徴とする請求項1記載の成形パネル。
- 前記成形パネルの表面が面一であることを特徴とする請求項1または2記載の成形パネル。
- 前記部品取付部の表面に、前記部品のフランジを嵌着する段差部が形成されてなることを特徴とする請求項1または2記載の成形パネル。
- 前記硬質発泡樹脂が熱硬化性の発泡ポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の成形パネル。
- 前記クッション体が半硬質の発泡ポリウレタン樹脂からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の成形パネル。
- 請求項1〜6のいずれかに記載された成形パネルの前記構造部材の成形に用いる構造部材用成形型にあって、
前記構造部材の成形キャビティを有する樹脂製の構造部材用第1型及び第2型と、
前記構造部材用第1型及び第2型間の前記構造部材成形キャビティ内に配されて、前記係止部の成形キャビティを形成する金属中子と、
を備えてなることを特徴とする成形型。 - 前記金属中子は、前記構造部材用第1型及び第2型の型開き方向に移動可能な第1分割部材及び第2分割部材に分割されており、同第1分割部材と第2分割部材との間に前記係止部成形キャビティを形成してなることを特徴とする請求項7記載の成形型。
- 前記第1分割部材及び/又は第2分割部材を、前記型開き方向に沿って他方の分割部材に向けて押圧する押圧手段を更に備えてなることを特徴とする請求項8記載の成形型。
- 前記押圧手段は、前記第1分割部材及び/又は第2分割部材に当接させる金属製の押さえ治具と、同押さえ治具に荷重を与えるシリンダーとを有してなることを特徴とする請求項9記載の成形型。
- 前記金属中子は、形成する前記取付孔の周縁に沿って、前記構造部材成形キャビティ内で型開き方向に対して直角方向に並列に配され、且つ、同直角方向に移動可能な複数の並列分割部材で構成されており、各並列分割部材は前記係止部成形キャビティをそれぞれ形成してなることを特徴とする請求項7記載の成形型。
- 前記複数の並列分割部材を配したときに同並列分割部材間に形成される間隙に配され、同並列分割部材を位置決め固定する位置決め部材を更に備えてなることを特徴とする請求項11記載の成形型。
- 請求項1〜6のいずれかに記載された成形パネルの前記表皮材と前記構造部材との間に前記クッション体を成形一体化するときに用いる成形パネル用成形型にあって、
成形時に前記構造部材と前記表皮材とを配し、同構造部材と表皮材との間に前記クッション体の成形キャビティが形成される樹脂製の成形パネル用第1型及び第2型と
前記成形パネル用第1型及び第2型間に配され、前記係止部と前記表皮材とを挟持する金属製の第1挟持部材及び第2挟持部材と、
を備えてなることを特徴とする成形型。 - 前記第1挟持部材及び/又は第2挟持部材を、前記成形パネル用第1型及び第2型の型開き方向に沿って他方の挟持部材に向けて押圧する押圧手段を更に備えてなることを特徴とする請求項13記載の成形型。
- 前記押圧手段は、前記第1挟持部材及び/又は第2挟持部材に当接させる金属製の押さえ治具と、同押さえ治具に荷重を与えるシリンダーとを有してなることを特徴とする請求項14記載の成形型。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009166429A (ja) * | 2008-01-18 | 2009-07-30 | Kasai Kogyo Co Ltd | 自動車用内装部品 |
JP2015101079A (ja) * | 2013-11-28 | 2015-06-04 | 南条装備工業株式会社 | 車両用内装材の製造方法 |
KR101770340B1 (ko) * | 2015-02-12 | 2017-08-22 | 주식회사 유포트 | 수평 조정이 용이한 반구형 결합 구조를 갖는 융착 장치용 지그 |
-
2005
- 2005-12-13 JP JP2005359362A patent/JP2007160685A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20090818 |