JP4603662B2 - 車両内装部材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両内装部材およびその製造方法に関し、更に詳細には、所要形状に成形した基材と、所要形状に成形した表皮材と、これら基材および表皮材で画成された発泡空間内で発泡成形したウレタンフォームとから構成され、前記表皮材の所要位置に設けられた設置部に各種の付属部品が装着された車両内装部材と、該車両内装部材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
乗用車等の乗員室内には、インストルメントパネル、フロアコンソール、ドアパネル等の各種車両内装部材が設置されている。このうちインストルメントパネルは、図11に示すように、車幅方向に延在する比較的大型の内装部材であって、計器ユニット、グローブボックス、オーディオユニットや空調操作パネル等を設置するようになっている。このようなインストルメントパネル10は、所要形状に成形した基材11の外側に表皮材12を装着し、更に該基材11と表皮材12との間に弾力性を有するウレタンフォーム13等を発泡介在させることで、質感向上や触感向上および衝撃吸収等を図る場合が多い。
【0003】
また、前記インストルメントパネル10の外面所要位置には、乗員室の前方等に搭載した空調ユニット(図示せず)に連通接続した付属部品としてのエアアウトレット14,15,16が設置され、この空調ユニットから送出される調温空気を乗員室内へ吹出し案内するようになっている。このうち、インストルメントパネル10の前面に設けられる第1エアアウトレット14は、乗員室内の後方側へ向けて調温空気を吹出し案内するようになっており、主に該乗員室全体の総合的な空調のために供されるものである。また、インストルメントパネル10の上面後方(車体前方側)に設けられる横長の第2エアアウトレット15は、調温空気をフロントガラス(図示せず)の内面に向けて調温空気を吹付け案内するようになっており、主に該フロントガラスの曇取りのために供されるものである。更に、インストルメントパネル10の上面左右端に設けられる第3エアアウトレット16は、サイドガラス(図示せず)の内面へ向けて調温空気を吹付け案内するようになっており、主に該サイドガラスの曇取りのために供されるものである。
【0004】
そして、前述した基材11、表皮材12およびウレタンフォーム13からなる前記インストルメントパネル10では、前記ウレタンフォーム13の発泡成形工程と各エアアウトレット14,15,16の装着工程とが別工程とされており、ウレタンフォーム13の成形に際して所要位置に成形した設置部17,18,19に対し、別途製作された夫々のエアアウトレット14,15,16を外側から装着する組付構造とされている。例えば図12は、前記第3エアアウトレット16の組付構造につき例示したものであるが、前記ウレタンフォーム13を発泡成形するに際して表皮材12の所要位置に開口状の設置部19を同時に成形し、別体成形された第3エアアウトレット16を背面側からこの設置部19に押込むことにより、該エアアウトレット16の背面側に突出形成した係着片20を基材11に係着することで固定されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来の部品組付構造では、前記ウレタンフォーム13の発泡成形工程と各エアアウトレット14,15,16の装着工程とが別工程であるから、工数の増加に伴って成形作業の合理化が図れないと共に成形コストがアップする課題を内在していた。また、前記ウレタンフォーム13の発泡成形に際して前記設置部17,18,19の内縁寸法に微妙なばらつきが生ずるため、内縁寸法が小さくなった場合でも前記エアアウトレット14,15,16の無理な装着が回避されるように、該設置部17,18,19の基準開口寸法は適切なサイズより大きめに設定している。このため、設置部17,18,19の側面とエアアウトレット14,15,16の外壁面との間に常には隙間39が画成されてしまい、見栄えの悪化に伴う質感低下を招来してしまう問題を内在していた。
【0006】
殊に、前記第2エアアウトレット15および第3エアアウトレット16が設置されるインストルメントパネル10の上面は、フロントガラスやサイドガラスを介して入射する直射日光による紫外線に晒されると共にかなりの高温となり、この部分に位置する前記表皮材12が経年変化により徐々に劣化して収縮すると、前記隙間39がより一層拡大してしまう。すなわちエアアウトレット15,16は、表皮材12およびウレタンフォーム13に全く密着していないので、熱履歴による歪みにより生ずる反りや捻れ等の変形時に殆ど規制を受けず、最悪の場合には対応の設置部18,19から外れてしまうこともあった。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、前述した課題を好適に解決するべく提案されたもので、付属部品および基材に夫々互いに当接するシール部を設けて発泡空間を閉塞することで、発泡成形される前記ウレタンフォームの漏出防止を図り、更には長期間に亘る付属部品の好適な組付保持を図り得るよう構成した車両内装部材と、該車両内装部材の製造方法とを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決して、所期の目的を達成するため本発明は、所要形状に成形した基材と、所要形状に成形した表皮材と、これら基材および表皮材で画成された発泡空間内で発泡成形したウレタンフォームとから構成され、前記表皮材の所要位置に前記基材側へ突出するよう凹設された設置部に、各種の付属部品が該部品の背面側から装着された車両内装部材において、
前記基材における設置部に対向する位置に設けられ、該設置部の輪郭形状に沿って連続的に延在する第1シール部と、
前記設置部に前記第1シール部と整合するように設けられた平面部と、
前記付属部品の背面に前記平面部と整合するように設けられた第2シール部とからなり、
前記第1シール部および前記第2シール部で前記平面部を前記表皮材の厚み方向から挟持することで、該平面部が該第1シール部に密着して前記発泡空間を閉塞するよう構成したことを特徴とする。
同じく、前記課題を解決して、所期の目的を達成するため別の発明は、基材と、表皮材と、前記基材および表皮材の間に配設されたウレタンフォームとから構成され、前記表皮材の所要位置に前記基材側へ突出するよう凹設された設置部に各種の付属部品が装着された車両内装部材の製造方法であって、
所要形状に成形した前記基材を第1発泡成形型にセットし、
所要形状に成形した表皮材を、該表皮材の設置部に設けられた平面部と前記付属部品に設けられた第2シール部とが当接した状態で前記第2発泡成形型にセットし、
前記第1発泡成形型および第2発泡成形型を型締めして、前記基材における設置部に対向する位置に設けられた第1シール部と前記付属部品の前記第2シール部とで、該設置部の平面部を前記表皮材の厚み方向から挟持し、
前記第1シール部と平面部との密着により前記基材と表皮材との間で閉塞状態に画成された発泡空間内で、ウレタン原料の発泡により前記ウレタンフォームを成形することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る車両内装部材およびその製造方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。この実施例では、車両内装部材としてインストルメントパネル10を例示し、また付属部品としては該インストルメントパネル10に装着される第3エアアウトレット16を例示する。なお、図11および図12をもとに説明した従来技術の項で既出の部材と同一部材は、同一の符号を付して説明する。
【0010】
図1は、本実施例に係る車両内装部材の要部断面図であって、インストルメントパネル10に装着した第3エアアウトレット16を例示している。このインストルメントパネル10は、所要形状に成形した基材11と、所要形状に成形した表皮材12と、これら基材11および表皮材12で画成された発泡空間21内で発泡させたウレタンフォーム13とから構成され、この表皮材12の所要位置に形成した設置部19にエアアウトレット16が装着されている。
【0011】
前記基材11は、ABSやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂素材を、例えば図示しないインジェクション成形型を利用して一体的にインジェクション成形したもので、インストルメントパネル10の意匠形状を前提とした形状とされている。そして前記設置部19に対応する部位は、該基材11の裏側に設置された空気案内ダクト38に連通する第1空気流通口22が開設されている。また、前記発泡空間21を指向した内壁面11aにおいて、前記第1空気流通口22の周囲には、この第1空気流通口22を囲繞する平面帯状の第1シール部23が形成されている。
【0012】
前記表皮材12は、例えば図4に示すように、塩化ビニル等を材質とする樹脂粉末をパウダースラッシュ成形型40を利用してパウダースラッシュ成形したり、また図示しないが真空成形型を利用して真空成形することにより、インストルメントパネル10の外面形状に沿った形状に一体成形したものである。そして前記設置部19は、前記エアアウトレット16の外郭形状を前提とした形状に凹設され、当該表皮材12の成形と同時に形成される。また前記設置部19の底面には、基材11に開設した前記第1空気流通口22の輪郭形状に沿って延在する切断予定溝25が形成されており、図9に示すように、この溝25に沿って切れ目を入れてその内側を切除することにより、前記第1空気流通口22に整合する第2空気流通口26を形成するようになっている。また、前記設置部19を形成する側面19aには、溝状の第1係合部27が連続的に形成されている。なお、前記設置部19の底面における前記第2空気流通口26の周囲には、この第2空気流通口26を囲繞する帯状の平面部28が設けられており、この平面部28が前記第1シール部23および後述する第2シール部36で挟圧される。
【0013】
前記ウレタンフォーム13は、後述すると共に図8に示すように、発泡成形金型42を利用したもとで発泡成形され、該発泡成形金型42の第1発泡成形型43に前記基材11をセットすると共に、該成形金型42の第2発泡成形型44に前記表皮材12およびエアアウトレット16をセットしたもとで、これら基材11と表皮材12で画成された発泡空間21内でウレタン原液を発泡・固化させて成形したものである。そして、発泡・固化したウレタンフォーム13は、前記基材11および表皮材12へ全面的に接着するようになる。なお、ウレタンフォーム13は適宜の弾力性を有しているので、表皮材12の外側から指先等で押圧すると適宜凹状に弾性変形して触感向上が図られている。
【0014】
実施例のエアアウトレット16は、前述したようにサイドガラスの霜取り等に供され、例えばABSやポリプロピレン等を材質としたインジェクション成形品であって、図2および図3に示すように、異形枠状の本体30の内側に画成された空気吹出口31に、合計3枚の風向制御フィン31を所要間隔毎に平行に設けたものである。また本体30の側壁面33には、表皮材12の設置部19に形成した前記第1係合部27に係合可能な第2係合部34が、該側壁面33の周囲に沿って連続的に突出形成されている。更に、前記本体30の背面35には、基材11に形成した前記第1シール部23に当接可能な第2シール部36が、前記空気吹出口31を囲繞するように連続的に形成されている。
【0015】
このように構成された実施例のインストルメントパネル10では、表皮材12に凹設された前記設置部19に前記エアアウトレット16が装着された状態において、図1および図2に示すように、基材11に形成した前記第1シール部23およびエアアウトレット16に形成した前記第2シール部36が、表皮材12の前記平面部28を挟んで相互に当接し、これにより前記発泡空間21を閉塞している。また、成形されたウレタンフォーム13の押圧力により、設置部19の側面19aおよびエアアウトレット16の側壁面33とが密着していると共に、表皮材12に形成した前記第1係合部27とエアアウトレット16に形成した前記第2係合部34とが互いに係合していることにより、表皮材12に対するエアアウトレット16の充分な組付強度が得られている。
【0016】
次に、前述のように構成された本実施例に係るインストルメントパネル10の製造方法について、エアアウトレット16を組付ける工程を概略的に説明する。
【0017】
前記基材11およびエアアウトレット16は、前述したように、図示しないインジェクション成形型を利用して前工程においてインジェクション成形される。前記基材11に関しては、インジェクション成形時に、前記第1空気流通口22および前記第1シール部23が同時に成形される。また前記エアアウトレット16に関しては、インジェクション成形時に、前記第2シール部36および第2係合部34が同時に一体成形される。一方、前記表皮材12は、図4に示すように、パウダースラッシュ成形型40を利用して樹脂粉末をパウダースラッシュ成形することにより、設置部19、第1係合部27、切断予定溝25が同時に一体成形される。
【0018】
前述のように前工程において成形されたエアアウトレット16、表皮材12および基材11を、前記ウレタンフォーム13を発泡成形するための発泡成形金型42にセットする。すなわち、先ず発泡成形金型42の第2発泡成形型44に前記装エアアウトレット16をセットし(図5)、次いで該第2発泡成形型44に前記表皮材12をセットする(図6)。このとき、前記エアアウトレット16は前記設置部19に嵌合し、表皮材12の前記第1係合部27と該エアアウトレット16の前記第2係合部34とが係合した状態となり、第2発泡成形型44での両者12,16の仮固定が図られる。また前記基材11は、前記発泡成形金型42の第1発泡成形型43にセットする。なお、先ず表皮材12の設置部19にエアアウトレット16を装着し、次いで表皮材12およびエアアウトレット16を第2発泡成形型44に同時にセットするようにしてもよい。
【0019】
そして図7に示すように、前記第1発泡成形型43および第2発泡成形型44を型締めすることにより、前記基材11と表皮材12との間に発泡空間21が画成される。このとき、基材11の前記第1シール部23とエアアウトレット16の前記第2シール部36とが、第1発泡成形型43および第2発泡成形型44の型締力により、表皮材12の前記平面部28を間に挟んで全面的に当接するようになり、これにより前記発泡空間21を閉塞するようになる。
【0020】
そして、前記第1発泡成形型43および第2発泡成形型44の型締めに先立ち、所要量のウレタン原料を注入しておくことにより、両型43,44の型締め後に該ウレタン原料の発泡反応が開始する。従って所要時間経過後には、図8に示すように、発泡しながら膨張するウレタンフォーム13が、前記発泡空間21の内部全体に充満するようになる。このとき、前記基材11の第1シール部23とエアアウトレット16の第2シール部36とが、表皮材12の前記平面部28を介して相互に密着しているので、第1空気流通口22および第2空気流通口26側へ前記ウレタンフォーム13が漏出するのが好適に防止される。
【0021】
また、ウレタンフォーム13の発泡圧が設置部19に付与されるので、該設置部19の側面19aおよびエアアウトレット16の側壁面33とが全面的に密着するようになり、表皮材12およびエアアウトレット16の間には何等の隙間も画成されない。しかも、ウレタンフォーム13が固化した後では、発泡圧が押付力としてエアアウトレット16に付与されているので、表皮材12に多少の収縮が生じたとしても、表皮材12とエアアウトレット16との間に隙間が画成されることがない。従って、熱履歴によるエアアウトレット16の変形(反りや捻れ等)が好適に阻止されると共に、該エアアウトレット16が設置部19から外れることもない。更に、表皮材12に形成した前記第1係合部27とエアアウトレット16に形成した前記第2係合部34とが互いに係合していることにより、表皮材12に対するエアアウトレット16の充分な組付強度が得られる。
【0022】
そして、ウレタンフォーム13の成形およびエアアウトレット16の組付けが完了した後に、図9に示すように、凹設された設置部19の底面に形成されている前記切断予定溝25に沿って切断することにより、前記第2空気流通口26を成形する。なお、この第2空気流通口26の形成作業は、ウレタンフォーム13の発泡成形前に予め行なってもよい。
【0023】
このように、本実施例に係る車両内装部材の製造方法では、インストルメントパネル10におけるウレタンフォーム13の成形工程およびエアアウトレット16の組付工程とが同一工程でなされるので、工数削減による製造コストの低減を図り得る。しかもウレタンフォーム13の発泡成形に際しては、基材11に形成した第1シール部23とエアアウトレット16に形成した第2シール部36が当接して密着するので、ウレタンフォーム13の漏出が好適に防止される。更に、表皮材12に形成した第1係合部27とエアアウトレット16に形成した第2係合部34とが係合するので、これによりエアアウトレット16の組付強度が充分に確保される。
【0024】
また、エアアウトレット16の側壁面33と設置部19の側面19aとは、表皮材12に付与されたウレタンフォーム13の押圧力により全面的に密着し、エアアウトレット16と表皮材12との間に隙間が全く画成されない。これにより見栄えが良くなるから、インストルメントパネル10の質感向上が図られる。
【0025】
更には、経年変化によって表皮材12が収縮しようとしても、該表皮材12を介してエアアウトレット16に付与されているウレタンフォーム13の押付力により、該エアアウトレット16と表皮材12との間に隙間は画成されない。従って、エアアウトレット16の変形が防止されると共に、該エアアウトレット16が設置部19から外れる等の不都合も回避される。
【0026】
なお、第2空気流通口26を形成した設置部19における表皮端部29は、例えば図10に示すように、エアアウトレット16に形成した係着溝37へ差し込む(極め込む)ようにしてもよい。このようにすれば、表皮端部29が空気吹出口31側へ延出しないので、インストルメントパネル10の外部から該表皮端部29が視認され得る不都合が回避される一方、調温空気の吹出しに支障を来たすことも回避される。
【0027】
前記実施例では、設置部19に設置される第3エアアウトレット16を例示したが、付属部品としては、設置部17に設置される前記第1エアアウトレット14や、設置部18に設置される第2エアアウトレット15も対象とされる。更に付属部品は、前記各エアアウトレットだけに限定されるものではなく、例えばオーナメントや前面パネル等の装飾部品等も対象とされる。また車両内装部材は、実施例のインストルメントパネル10だけに限定されず、例えばフロアコンソールやドアパネル等も対象とされ、本願の部品組付構造はこれらの車両内装部材に対する付属部品の組付けに好適に応用し得る。
【0028】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係る車両内装部材によれば、ウレタンフォームの発泡成形に際しては、基材に形成した第1シール部および付属部品に形成した第2シール部が表皮材を介して相互に当接して発泡空間を閉塞するので、ウレタンフォームの漏出を好適に防止することができる。また、表皮材に付与されたウレタンフォームの押圧力により、表皮材と付属部品とが全面的に密着して両者の間に隙間が画成されないから、見栄えが良くなって車両内装部材の質感向上が図られる。従って、経年変化によって表皮材に収縮が発生しても、該表皮材を介して付属部品に付与されるウレタンフォームの押付力により該付属部品と表皮材との間に隙間は画成されず、車両内装部材の質感低下や付属部品が外れる等の不都合が発生することもない。更に、表皮材に形成した第1係合部と付属部品に形成した第2係合部とが係合するので、これにより付属部品の充分な組付強度が確保される。なお付属部品としては、エアアウトレット等が対象とされる。
【0029】
また、別の発明に係る車両内装部材の製造方法によれば、車両内装部材におけるウレタンフォームの成形工程および付属部品の組付工程とが同一工程でなされるので、工数削減による製造コストの低減を図り得る利点がある。しかもウレタンフォームの発泡成形に際しては、基材に形成した第1シール部および付属部品に形成した第2シール部が表皮材を介して相互に当接して発泡空間を閉塞するので、該発泡空間からのウレタンフォームの漏出が好適に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好適な実施例に係る車両内装部材の縦断面図であって、エアアウトレットを組付けた状態を示している。
【図2】図1の部分断面図であって、基材に設けた第1シール部およびエアアウトレットに設けた第2シール部が当接して、発泡空間が閉塞された状態を示している。
【図3】 (a)は本実施例のエアアウトレットを表側から観察した斜視図、(b)は該エアアウトレットを裏側から観察した斜視図である。
【図4】パウダースラッシュ成形型により樹脂粉末から表皮材をパウダースラッシュ成形した状態を示す断面図である。
【図5】発泡成形金型の第2発泡成形型に、別途成形したエアアウトレットをセットした状態を示す断面図である。
【図6】エアアウトレットをセットした第2発泡成形型に、パウダースラッシュ成形した表皮材をセットした状態を示す断面図である。
【図7】表皮材およびエアアウトレットをセットした第2発泡成形型に、基材をセットした第1発泡成形型を型締めする状態を示す断面図である。
【図8】第1シール部および第2シール部の当接により閉塞された発泡空間内でウレタンフォームを発泡させた状態を示す断面図である。
【図9】表皮材に形成した切断予定溝に沿って切断しその内側を切除することで、設置部に第2空気流通口を形成した状態を示す断面図である。
【図10】別形態例に係るエアアウトレットを組付けた状態を示す縦断面図である。
【図11】エアアウトレットを組付けた車両内装部材としてのインストルメントパネルの斜視図である。
【図12】図11のV−V線部分で破断した断面図であって、インストルメントパネルに設けた設置部に、別体成形したエアアウトレットを後工程で組付ける従来の部品組付構造を示している。
【符号の説明】
11 基材
12 表皮材
13 ウレタンフォーム
14,15,16 エアアウトレット(付属部品)
17,18,19 設置部
19a 側面
21 発泡空間
23 第1シール部
27 第1係合部
28 平面部
33 側壁面
34 第2係合部
35 背面
36 第2シール部
43 第1発泡成形型
44 第2発泡成形型
Claims (4)
- 所要形状に成形した基材(11)と、所要形状に成形した表皮材(12)と、これら基材(11)および表皮材(12)で画成された発泡空間(21)内で発泡成形したウレタンフォーム(13)とから構成され、前記表皮材(12)の所要位置に前記基材(11)側へ突出するよう凹設された設置部(17,18,19)に、各種の付属部品(14,15,16)が該部品(14,15,16)の背面側から装着された車両内装部材において、
前記基材(11)における設置部(17,18,19)に対向する位置に設けられ、該設置部(17,18,19)の輪郭形状に沿って連続的に延在する第1シール部(23)と、
前記設置部(17,18,19)に前記第1シール部(23)と整合するように設けられた平面部(28)と、
前記付属部品(14,15,16)の背面(35)に前記平面部(28)と整合するように設けられた第2シール部(36)とからなり、
前記第1シール部(23)および前記第2シール部(36)で前記平面部(28)を前記表皮材(12)の厚み方向から挟持することで、該平面部(28)が該第1シール部(23)に密着して前記発泡空間(21)を閉塞するよう構成した
ことを特徴とする車両内装部材。 - 前記設置部(17,18,19)における内周の側面(19a)に形成した第1係合部(27)と、前記付属部品(14,15,16)における外周の側壁面(33)に形成され、前記設置部(17,18,19)から該付属部品(14,15,16)が外れる方向で前記第1係合部(27)と係合する第2係合部(34)とを備えた請求項1記載の車両内装部材。
- 基材(11)と、表皮材(12)と、前記基材(11)および表皮材(12)の間に配設されたウレタンフォーム(13)とから構成され、前記表皮材(12)の所要位置に前記基材(11)側へ突出するよう凹設された設置部(17,18,19)に各種の付属部品(14,15,16)が装着された車両内装部材の製造方法であって、
所要形状に成形した前記基材(11)を第1発泡成形型(43)にセットし、
所要形状に成形した表皮材(12)を、該表皮材(12)の設置部(17,18,19)に設けられた平面部(28)と前記付属部品(14,15,16)に設けられた第2シール部(36)とが当接した状態で前記第2発泡成形型(44)にセットし、
前記第1発泡成形型(43)および第2発泡成形型(44)を型締めして、前記基材(11)における設置部(17,18,19)に対向する位置に設けられた第1シール部(23)と前記付属部品(14,15,16)の前記第2シール部(36)とで、該設置部(17,18,19)の平面部(28)を前記表皮材(12)の厚み方向から挟持し、
前記第1シール部(23)と平面部(28)との密着により前記基材(11)と表皮材(12)との間で閉塞状態に画成された発泡空間(21)内で、ウレタン原料の発泡により前記ウレタンフォーム(13)を成形する
ことを特徴とする車両内装部材の製造方法。 - 前記設置部(17,18,19)における内周の側面(19a)に形成した第1係合部(27)と、前記付属部品(14,15,16)における外周の側壁面(33)に形成され、前記設置部(17,18,19)から該付属部品(14,15,16)が外れる方向で前記第1係合部(27)と係合する第2係合部(34)とを、前記ウレタンフォーム(13)の発泡圧により互いに係合させる請求項3記載の車両内装部材の製造方法。
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