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JP2007146908A - 真空調圧システム - Google Patents

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Abstract

【課題】弁部材を駆動するためのピストンの停止位置を設定する調整部材の駆動を、小型で安価な電動モータによって行うことを可能にする。
【解決手段】弁部材15によりメインポート11,12間の弁座14を開閉する弁主体部1と、弁部材を開閉操作するピストン16を有する流体圧駆動部2と、電動モータ45で駆動される調整部材41により弁部材の開度を設定する弁開度調節部3と、上記流体圧駆動部2にパイロット流体を給排し、非通電時にはパイロット流体を排出する電磁弁装置4と、弁部材の開度を制御するコントローラとを備える。上記コントローラは、電動モータの回転負荷を検出する負荷検出手段の出力、及び外部からの制御指令等が入力され、それらに基づいて、電動モータへの駆動電流の制御により、調整部材の位置が指定の位置になるように制御する位置制御、及び、上記電磁弁装置の駆動によりパイロット流体圧を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、理化学機械等において化学反応用の真空チャンバの減圧などに使用する真空調圧システムに関するものである。
例えば、半導体の製造装置においては理化学処理が真空チャンバ内で行われるが、このとき真空チャンバの減圧には真空ポンプが使用され、これらの真空ポンプと真空チャンバとを結ぶ外部流路の開閉には真空調圧用バルブが用いられ、真空調圧システムが形成される。
この真空調圧用バルブは、例えば、特許文献1に記載されているように、真空ポンプと真空チャンバとに接続される二つのポートと、これらのポート同士を結ぶ内部流路と、この内部流路中に形成された弁座と、この弁座を開閉する弁部材と、この弁部材を開閉操作するピストンとを有していて、該ピストンの位置制御により上記弁部材の弁開度を設定し、真空チャンバ内の真空圧力の変化分を補償して、チャンバ内を必要な真空圧力に維持するようにしている。
このような真空調圧用バルブにおける弁部材の開度を、簡単、迅速に精度良く調節できるようにするため、上記特許文献1の真空調圧用バルブにおいては、電動モータによって駆動される調節軸を設けて、位置調節された調節軸に当接する位置まで上記ピストンを駆動するように構成している。
また、一般的に、電動モータ単独で真空調圧用バルブの開度調整を行う場合にも、それを精度よく行うことができる。
しかしながら、電動モータを単独で用いる場合には、その供給電源が遮断されたときに弁部材の駆動力が失われるので、停電時には弁開度がその位置で保持されてしまうという問題がある。
また、上記特許文献1に記載されているような真空調圧用バルブでは、弁部材に連結されたピストンを、電動モータにより駆動されて位置調節された調節軸に当接する位置まで駆動するように構成しているので、該ピストンを調節軸に強い圧接力で圧接した状態で電動モータを駆動する必要が生じ、この駆動を可能にするには、該電動モータを比較的出力が大きいものにすると同時に、該モータの回転運動を往復直線運動に変換する変換機構を上記圧接力に耐えるものとする必要があり、そのため、小型で安価な電動モータや変換機構を使用することができず、この問題に対する対策を考慮する必要があった。
特開2005−76829号公報
本発明の技術的課題は、パイロット流体圧で弁部材を駆動する受圧部材の停止位置を設定するための調整部材の駆動を、小型で安価な電動モータによって行うことを可能にした真空調圧システムを提供することにある。
本発明の他の技術的課題は、上記電動モータを用いた上記受圧部材と調整部材の押付け力をほぼ一定に保ち、それによって、弁部材の開度を迅速且つ正確に制御することができるようにした制御性のよい真空調圧システムを提供することにある。
また、本発明の他の技術的課題は、上記調整部材を駆動するための電動モータに付設する負荷検出手段として、電動モータに供給する駆動電流を検出する検出手段を利用し、更に、電動モータに付設したエンコーダに、弁部材の開度を決定する受圧部材の位置を検出するための位置センサーとしての機能を持たせ、上記受圧部材と調整部材との間に押付け力を検出するための手段を設けたり、受圧部材の位置検出のために一般的な位置センサー(リニアセンサー)を設けたりする場合に比して、構造的に簡単化した真空調圧システムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、真空チャンバ及び真空ポンプに接続するための第1及び第2のメインポート、これら両メインポートを結ぶ流路、及び該流路中に弁座が設けられたバルブハウジングと、該バルブハウジング内に設けられ、上記弁座を開閉する弁部材と、この弁部材から上記バルブハウジングの軸線方向に延びて先端が流体圧駆動部に達する弁シャフトと、上記弁部材を弁座の閉鎖方向に向けて付勢する復帰ばねとを有する弁主体部、上記弁シャフトの先端に取り付けられた受圧部材と、この受圧部材に上記弁部材が開放する方向の流体圧を作用させる受圧室と、この受圧室にパイロット流体を給排するためのパイロットポートとを有する上記流体圧駆動部、並びに、上記受圧部材の背後に当接する調整部材と、該調整部材を回転−直動変換機構を介して任意の位置まで無段階に前後進駆動する電動モータとを有する弁開度調節部を備えることにより構成される真空調圧用バルブに、上記受圧室にパイロット流体を給排する電磁弁装置、並びに、少なくとも、上記電動モータの回転負荷を検出する負荷検出手段の出力、上記電動モータの回転量を検出するエンコーダの出力及び外部からの制御指令が入力され、それらに基づいて、上記電動モータ及び上記電磁弁装置の駆動を制御するコントローラを付設することにより構成される真空調圧システムにおいて、上記コントローラに次のような機能を持たせたことを特徴とするものである。
即ち、上記コントローラは、上記制御指令に基づいて電動モータに必要な駆動電流を供給し、上記エンコーダの出力によって与えられる調整部材の位置が指定の位置になるように制御する位置制御、及び、上記負荷検出手段の出力によって与えられる上記調整部材と受圧部材との押付け力に応じた電動モータの回転負荷が、設定された上限値と下限値との間にあるか否かを検知し、それが当該上下限値間を逸脱する場合に、受圧部材と調整部材とを当該上下限値間の力で押付けるためのパイロット流体圧を上記受圧室に供給するように制御信号を電磁弁装置に出力するパイロット流体圧制御を行い、それによって、上記受圧部材と調整部材とを上記上下限値間の力で押付けた状態で電動モータを動作させる機能を有するものとして構成される。
本発明の真空調圧システムの好ましい実施形態においては、上記パイロット流体圧が、復帰ばねの作用力、弁部材に作用する真空チャンバ内圧力に基づく作用力、及び、上記調整部材と受圧部材との間に常に作用させておくバイアス分との和に相当する押付け力を発生させるものとして設定される。
また、上記流体圧駆動部をシリンダ部によって構成し、上記受圧部材をピストンによって構成することができる。
本発明の真空調圧システムの他の好ましい実施形態においては、上記電動モータの負荷検出手段として、該電動モータに供給する駆動電流を検出する検出手段を用い、コントローラに、上記電動モータの位置制御のための駆動時に上記検出手段で検出した電動モータの駆動電流が、調整部材と受圧部材との押付け力による上記回転負荷の上限値と下限値に対応した電流設定値の上限値と下限値との間にあるか否かを検知し、それが当該上下限値間を逸脱する場合に、上記電動モータの駆動電流が上記電流設定値の上下限間にあるようにするための制御信号を電磁弁装置に出力する機能を具備させ、あるいは、上記電動モータにその回転量を検出するエンコーダを付設し、該エンコーダに弁部材の開度を与える受圧部材の位置を検出するための位置センサーとしての機能を保有させる。
本発明の真空調圧システムの他の好ましい実施形態においては、上記電磁弁装置が、給気用及び排気用の複数の2ポート電磁弁で構成され、該給気用の電磁弁の入力側が空気圧源に接続され、該排気用の電磁弁の出力側が大気に開放され、該給気用の電磁弁の出力側及び排気用の電磁弁の入力側が上記パイロットポートに接続され、あるいは、上記電磁弁装置が、3位置3ポート電磁弁で構成され、該電磁弁の入力側が空気圧源に接続され、該電磁弁の出力側が上記パイロットポートに接続され、該電磁弁の排気側が大気に開放される。
更に、本発明の真空調圧システムの他の好ましい実施形態においては、上記コントローラとして、真空チャンバに設けた圧力センサーによって検知される真空圧力が、真空チャンバの設定圧力になるように、電動モータ及び電磁弁装置の駆動を制御する機能を有するものが用いられる。
この場合、上記コントローラには、予め真空引きの設定速度と設定加速度を保有させ、制御動作開始直後に、上記設定加速度により各制御周期における真空圧力の変化の速度を緩慢に増加させ、真空チャンバの真空引き動作が穏やかに開始される加速度制御領域を経て、真空圧力の変化速度が上記設定速度に達した後にその設定速度を維持するように制御する制御機能を具備させることができる。
上記構成を有する本発明の真空調圧システムにおいては、コントローラに対して真空チャンバの真空圧力についての設定入力が与えられ、それに基づいてコントローラから調整部材を所定の位置まで駆動するための駆動電流が電動モータに送られると、該モータが駆動されて、それに付設したエンコーダから調整部材の位置に対応する信号がコントローラにフィードバックされ、常に指定された位置で該モータが止まるようにサーボ機構が動作する。
上記コントローラにおいては、真空チャンバに設けた圧力センサーによって検知される真空圧力を、予め与えられた真空チャンバの圧力設定値と比較し、上記真空チャンバが設定圧力になるように、調整部材の位置を制御することもできる。
一方、上記コントローラは、流体圧駆動部におけるピストン等の受圧部材とその位置決めを行う調整部材とを、常にほぼ一定の力で押付けた状態で該受圧部材を動作させるために、上記調整部材の位置によって決まる受圧部材の位置に応じて、〔復帰ばねの作用力+弁部材等に作用する真空チャンバ内圧力に基づく作用力+調整部材と受圧部材との間に常に作用させておくバイアス分の力〕に対抗する力を発生させるパイロット流体圧を受圧室に供給するように、コントローラから電磁弁装置に制御信号が出力される。
これにより、受圧部材は上記パイロット流体圧で調整部材にほぼ一定の力で押付ける位置まで駆動され、上記バイアス分の力で常に調整部材に押付けられることになる。このことは、復帰ばねの作用力及び弁部材に作用する真空チャンバ内圧力に基づく作用力を、受圧部材に作用するパイロット空気圧で相殺することにより、電動モータがそれらの作用力に対抗する駆動力を持たなくてもよく、電動モータとしてわずかな力が出力できる小型のものを使用することを可能にするものである。
また、上記コントローラは、上記受圧部材と調整部材とを常にほぼ一定のバイアス分の力で押付けた状態で受圧部材を動作させるように制御するため、電動モータに付設して該電動モータの回転量を検出するエンコーダを、バルブの開度を決定するところの受圧部材位置を検出する位置センサーとして機能させることができる。
更に、上記真空調圧システムにおいては、流体圧駆動部の受圧室に供給されるパイロット流体の圧力によって調整部材への受圧部材の押付け力は変化するが、電動モータが駆動されると、その押付け力に応じて電動モータの負荷検出手段(駆動電流の検知手段)で検出される回転負荷が増減するので、コントローラにおいて、電動モータに与える駆動電流が設定された上限値と下限値との間にあるか否かを検出し、それが当該上下限値間の範囲を逸脱する場合には、電磁弁装置を作動させる信号がコントローラより出力され、該電磁弁装置において、〔復帰ばねの作用力+弁部材に作用する真空チャンバ内圧力に基づく作用力+調整部材と受圧部材との間に常に作用させておくバイアス分の力〕に対抗する力を発生させるパイロット流体圧が受圧室に供給され、受圧部材と調整部材とを常に略一定の力で押付けるため、小型の電動モータを用い得るばかりでなく、回転−直動変換機構等の電動モータから調整部材に至る駆動力伝達部分の構成を小型化しても、調整部材に所期の動作を行わせることができる。
以上に詳述した本発明の真空調圧システムによれば、パイロット流体圧で弁部材を駆動する受圧部材の停止位置を設定するための調整部材の駆動を、小型で安価な電動モータによって行うことができ、また、上記電動モータを用いた上記受圧部材と調整部材の押付け力をほぼ一定に保ち、それによって、弁部材の開度を迅速且つ正確に制御することができる。
更に、上記調整部材を駆動するための電動モータに付設する負荷検出手段として、電動モータに供給する駆動電流を検出する検出手段を利用し、また、電動モータに付設したエンコーダに、弁部材の開度を決定する受圧部材の位置を検出するための位置センサーとしての機能を持たせるので、上記受圧部材と調整部材との間に押付け力を検出するための手段を設けたり、受圧部材の位置検出のために一般的な位置センサーを設けたりする場合に比して、構造的に簡単化した真空調圧システムを得ることができる。
図1は、本発明に係る真空調圧システムにおいて用いる真空調圧用バルブの代表的な実施形態を、図2は該真空調圧用バルブを含む真空調圧システムの全体的な構成例を示している。
この真空調圧用バルブは、第1及び第2のメインポート11,12間の流路13を開閉する弁部材15を備えた弁主体部1と、上記弁部材15を開閉操作するピストン16を備えた流体圧駆動部2と、上記弁部材15の開度を設定する弁開度調節部3とを備え、この真空調圧用バルブに、図2に示すように、上記流体圧駆動部2にパイロット流体を給排する電磁弁装置4、制御指令や後述する電動モータ45の負荷、上記ピストン16の位置の情報等に基づいて上記弁部材15の開度を制御するコントローラを接続している。
更に具体的に説明すると、上記弁主体部1における中空のバルブハウジング10には、図2に示すように、真空チャンバ5に接続するための第1のメインポート11と、真空ポンプ6に接続するための第2のメインポート12とが設けられ、バルブハウジング10の内部には、図1に示すように、上記両メインポート11,12を結ぶ流路13が形成されると共に、上記第1のメインポート11がこの流路13に開口する開口部11aの回りを取り囲むように弁座14が形成されている。
上記バルブハウジング10の内部には、上記弁座14を開閉するポペット式の上記弁部材15が弁座14と同軸状に設けられている。この弁部材15はディスク形をしていて、その外周に近い部位に、上記弁座14に接離する円環状のゴム弾性材からなる弁シール部材17が取り付けられている。
また、上記弁部材15の背面中央部には、弁シャフト20が取り付けられ、この弁シャフト20は、バルブハウジング10の内部をその中心軸線に沿って延び、弁主体部1と連結されていて流体圧駆動部2を区画するシリンダハウジング30の隔壁31を貫通し、その先端が流体圧駆動部2の内部に延出し、ピストン16に連結されている。
更に、上記弁部材15の背面にはばね座22が設けられ、該ばね座22と上記隔壁31に当接する座板32との間に、上記弁部材15を弁座14の閉鎖方向に向けて付勢するコイル状の復帰ばね23が設けられている。また、上記弁部材15の背面には、上記弁シャフト20及び復帰ばね23の回りを取り囲むように、耐食性素材で形成された伸縮自在のベローズ24が設けられ、これによりシャフト20を流路13から隔離すると共に、該流路13の流体圧駆動部2側を封止している。
上記流体圧駆動部2は、上記バルブハウジング10に同軸に結合された上記シリンダハウジング30を有している。このシリンダハウジング30は、上記隔壁31を一体に備えると共に、内部にシリンダ孔33を有し、このシリンダ孔33の内部に上記ピストン16が、シール部材34を介して摺動自在に収容され、上述したように弁シャフト20が隔壁31を摺動自在に貫通してシリンダ孔33内に延出し、その先端部に上記ピストン16が連結されている。そして、上記ピストン16の一面側で、該ピストン16と上記隔壁31との間に受圧室37が形成され、この受圧室37が、上記シリンダハウジング30の側面に開口するパイロットポート38に接続され、上記ピストン16の他面側の室39は外部に開放している。
上記実施例においては、上記流体圧駆動部2における弁シャフト20の駆動を、その先端に取り付けたピストン16によって行うようにしているが、該流体圧駆動部2はシリンダ孔33内にピストン16を摺動自在に挿嵌した構成に限るものではなく、ベロフラムやベローズ等の受圧部材を設けて、該受圧部材により上記弁部材15が開放する方向の流体圧を作用させる受圧室37を形成させ、この受圧室37にパイロット流体を給排するためのパイロットポート38を開口させることができる。
上記弁開度調節部3は、上記シリンダハウジング30の端部に結合されたカバーブロック40の内部に組み込まれ、上記ピストン16の背後に先端が当接する円筒状をした調整部材41と、電動モータ45の出力軸46から互いに噛合する歯車42a,42bを介して回転駆動される回転軸43との間に、回転−直動変換機構47を設けることにより構成されている。該回転−直動変換機構47は、上記回転軸43の回転をその軸線方向の直動に変換し、上記調整部材41を任意の位置まで無段階的に前後進駆動するものである。
上記電動モータ45は、正逆回転可能なモータであり、その出力軸46の回転負荷を検出して、その信号を該コントローラに出力するところの負荷検出手段(図示せず)を備えている。この上記負荷検出手段としては、電動モータ45の駆動電流自体を検知し、あるいは、その駆動電流が予め設定した設定範囲の上限または下限を超えているか否かを検知して、そのデータをコントローラに入力するものとして構成することができる。
また、上記電動モータ45には、その回転量を検出するエンコーダ(図示せず)が付設される。このエンコーダは、弁部材15を開閉するピストン16の位置を検出するための位置センサーとしての機能を有し、従って、その出力によってコントローラには調整部材41の位置が与えられることになる。
上記電動モータ45の正逆回転運動を往復直進運動に変換する上記回転−直動変換機構47は、上記回転軸43におけるボールねじ軸部43aの回転を、上記調整部材41に設けた移動子(ボールねじナット)51の直動に変換するところのボールねじで構成されている。
なお、上記調整部材41及び移動子51には、カバーブロック40内にねじ軸部43aと平行に設置されたガイド軸52に摺動自在に係合して非回転で摺動させるための回転規制部41a,51aを設けている。
また、上記調整部材41としては、上述したボールねじからなる回転−直動変換機構47により駆動されるものに限るものではなく、上記電動モータ45の駆動が直動に変換され、ピストン16等の受圧部材の背後に押付けて、該受圧部材に追随動作するようにした部材であればよい。
上記電磁弁装置4は、図2に示すように、給気用及び排気用の二つの2ポート電磁弁62a,62bで構成され、該給気用の電磁弁62aの入力側が、ピストン16を動作させる最大圧力を設定可能にした圧力調整弁63を介して空気圧源65に接続され、該排気用の電磁弁62bの出力側が大気に開放され、該給気用の電磁弁62aの出力側及び排気用の電磁弁62bの入力側が、管路66を介して上記パイロットポート38に接続されている。上記圧力調整弁63の出力圧は、現実的には、復帰ばね23の作用力、弁部材15に作用する真空チャンバ5内圧力に基づく作用力、及び調整部材41と受圧部材(ピストン16)との間に常に作用させておくバイアス分の力の総和の最大値を主体とし、流体圧駆動部2における摩擦等の影響をも考慮して決定する必要がある。
上記両2ポート電磁弁62a,62bは、上記コントローラからの制御信号により開閉を制御されるが、空気圧源65から上記受圧室37に供給されるパイロット流体を給気用の電磁弁62aによって通断し、また、上記受圧室37から排出されるパイロット流体を排気用の電磁弁62bによって通断し、該受圧室37の圧力を制御するもので、それらの電磁弁62a,62bを一つの3位置3ポート電磁方向切換弁として構成することができる。この場合、上記2ポート電磁弁62a,62bに代えて単一の3位置3ポート電磁弁を用い、該電磁弁を空気圧源65からの圧縮空気を上記パイロットポート38に給排可能に接続することになる。また、上記給気用及び排気用の電磁弁として、オン−オフ弁ばかりでなく、アナログ弁を使用することができる。
上記コントローラは、概略的には、上記電動モータ45に付設した負荷検出手段及びエンコーダの出力、真空チャンバ5の圧力を検出する真空圧力センサー60の出力、並びに外部からの設定圧力等の制御指令の信号が入力され、それらに基づいて、上記電動モータ45及び上記電磁弁装置4の駆動を制御するものである。
更に具体的には、上記コントローラは、上記制御指令に基づいて電動モータ45に必要な駆動電流を供給し、上記エンコーダの出力によって与えられる調整部材41の位置が指定の位置になるように制御する位置制御、及び、上記電動モータ45の位置制御のための駆動時に、上記負荷検出手段の出力によって与えられる上記調整部材41と受圧部材(ピストン16)との押付け力に応じた電動モータ45の回転負荷(駆動電流)が、設定された上限値と下限値との間にあるか否かを検知し、それが当該上下限値間の範囲を逸脱する場合に、調整部材41とピストン16とを当該上下限値間の力で押付けるためのパイロット流体圧を上記受圧室37に供給するように制御信号を電磁弁装置4に出力するパイロット流体圧制御を行い、それによって、上記ピストン16と調整部材41とを上記上下限値間のバイアス分の力で押付けた状態で電動モータを動作させる機能を有するものである。
従って、上記受圧室37に供給するパイロット流体圧は、上記調整部材41の位置によって決まるピストン16の位置に応じた復帰ばね23の作用力、弁部材15に作用する真空チャンバ5内圧力に基づく作用力、及び調整部材41と受圧部材(ピストン16)との間に常に作用させておくバイアス分の力、その他、流体圧駆動部2における摩擦等の総和に対応するものになる。
上記コントローラによる制御について更に具体的に説明すると、まず、該コントローラに対して真空チャンバの真空圧力についての設定入力を含む制御指令が与えられ、それに基づいて、コントローラから調整部材41を所定の位置まで駆動するための駆動電流が電動モータ45に送られると、該モータが駆動されて、それに付設したエンコーダから調整部材41の位置に対応する信号がコントローラにフィードバックされ、常に指定された位置で該モータが止まるようにサーボ機構が動作する。そして、外乱等によりその調整部材41の位置がずれても、即座に修正動作が行われ、調整部材41の位置制御が行われる。
また、上記コントローラにおいては、真空チャンバ5に設けた圧力センサー60によって検知される真空圧力を、予め与えられた真空チャンバ5の圧力設定値と比較し、上記真空チャンバ5が設定圧力になるように、電動モータ45の駆動で調整部材41の位置が制御される。
一方、上記ピストン16は、調整部材41と常にほぼ一定の力で押付けた状態で動作させるために、上記調整部材41の位置によって決まるピストン16の位置に応じて、〔復帰ばね23の作用力+弁部材等に作用する真空チャンバ5の圧力に基づく作用力+調整部材41とピストン16との間に常に作用させておくバイアス分の力〕に対抗する力を発生させるパイロット流体圧を受圧室37に供給するように、コントローラから給気用または排気用電磁弁62a,62bに制御信号が出力される。
これにより、ピストン16は上記パイロット流体圧で調整部材41にほぼ一定の力で押付ける位置まで駆動され、上記バイアス分の力で常に調整部材41に押付けられることになる。このことは、復帰ばね23の作用力及び弁部材15に作用する真空チャンバ5の圧力に基づく作用力を、ピストン16に作用するパイロット空気圧による作用力で相殺することにより、電動モータ45がそれらの作用力に対抗する駆動力を持たなくてもよく、電動モータ45としてわずかな力が出力できる小型のものを使用することを可能にするものである。その結果、真空調圧用バルブを小型にでき、設置上において有利であるばかりでなく、電力的にも優位になる。また、上記コントローラが上記ピストン16と調整部材41とを常にほぼ一定の力で押付けた状態でピストン16を動作させるように制御するため、電動モータ45に付設して該電動モータの回転量を検出するエンコーダを、バルブの開度を決定するところのピストン位置を検出する位置センサーとして機能させることができる。
また、上述したように、電動モータ45で所定の位置に調整部材41を移動させるようにサーボ機構が動作するので、外乱等により調整部材の位置がずれると、即座にその修正動作のために電動モータが駆動され、一方、流体圧駆動部2の受圧室37に供給されるパイロット流体の圧力によって調整部材41へのピストン16の押付け力は変化するが、上記修正動作等のために電動モータ45が駆動されると、その押付け力に応じて電動モータ45の駆動電流が増減し、この電動モータ45への駆動電流の大きさは、外乱の大きさともみなすことができる。
従って、コントローラにおいて、電動モータ45へ与える駆動電流が前記一定の範囲内にあるか否かを検出し、それが設定下限値に満たない場合には、ピストン16が調整部材41に押付けられているか否かが不明であるため、給気用の電磁弁62aを作動させる信号が出力され、受圧室37へのパイロット流体圧の供給によりピストン16を調整部材41に押付ける方向に駆動する。また、電動モータ45に与える駆動電流が設定値上限値を超えることにより過剰な押付け力が負荷されていると判断された場合には、排気用の電磁弁62bを作動させる信号がコントローラより出力され、受圧室37のパイロット流体圧を低下させて、上記押付け力を低下させる。
その結果、上記受圧室37には、常に、〔復帰ばねの作用力+弁部材等に作用する真空チャンバ内圧力に基づく作用力+調整部材と受圧部材との間に常に作用させておくバイアス分の力〕に対抗するパイロット流体圧が供給され、ピストン16と調整部材41とが常に略一定のバイアス分の力で押付けられる。
また、上述したように、上記コントローラが、流体圧駆動部2におけるピストン16と調整部材41とを常にほぼ一定の力で押付ける状態でピストン16を動作させるように制御するので、電動モータ45に付設するエンコーダを、弁部材15の開度を決定するところのピストン16の位置センサーとして機能させることができ、一般的な位置センサー(リニアセンサー)を流体圧駆動部2に内蔵しなくても、コントローラにおいてピストン16の位置、即ち弁部材15の位置を認識することができ、一般的な位置センサーを用いる場合と比較して、構造的に著しく簡易化することができる。
更に、上記真空調圧システムにおいて、上記真空チャンバ5の真空圧力を調整するときには、上記コントローラにおいて、真空チャンバ5内の上記真空圧力センサー60からの圧力信号と該コントローラに与えられた圧力設定値とを比較し、電動モータ45に弁部材15の開度を適切に設定するための調整部材41の位置の制御信号が出力され、それによって上記電動モータ45が正転または逆転し、上記調整部材41を指定された位置まで移動させると共に、電磁弁装置の駆動が前述したように制御され、真空チャンバ5が所期の真空圧力に保持される。
上記真空調圧システムにおいて、コントローラにおいて上記真空圧力センサー60からの圧力信号と圧力設定値とを比較して真空チャンバ5の真空圧力をフィードバック制御するときには、上述したように、弁部材15の開度を適切に設定するための制御信号が電動モータ45に出力されるが、この場合に、上記コントローラには次のような制御機能を具備させるのが望ましい。
即ち、上記コントローラには、予め真空引きの設定速度(真空圧力変化速度)と設定加速度(上記真空圧力変化速度の変化速度)を保有させ、図3に示すように、時刻t1の制御動作開始直後においては、上記設定加速度により各制御周期Tにおける真空圧力の変化の速度が緩慢に増加し、その結果、真空チャンバ5の真空引き動作が飛び出し的に急変して行われることがなく、穏やかに開始され、諸条件によって決まるある程度の制御周期を含む加速度制御領域を経て、上記設定加速度による速度変化の累積により真空圧力の変化速度が上記設定速度に達し、あるいはそれを超えた時刻t4後には、その設定速度を維持するように制御される。
上記真空圧力の変化の制御は、具体的には、コントローラにおける算出により求めた圧力変化分から目標圧力に相当する調整部材41の位置を内部演算し、電動モータ45による調整部材41の位置制御によって行われる。この電動モータ45による位置制御は、空気圧制御に比較して空気の圧縮性による非線形要素がないため、比較的制御よく行うことができる。
そして、このように制御動作開始直後から調整部材41の微小変位を電動モータ45で位置制御することにより、圧力の急変がなく、安定して滑らかに真空度を上げる制御を行うことができる。
なお、大気圧から高真空圧までの範囲で真空チャンバ内の真空圧力をフィードバック制御する制御手段として、コントローラに設定された目標真空圧力変化速度に基づいて算出される真空圧力値をコントローラで内部コマンドとして順次発生させると共に、上記内部コマンドを前記フィードバック制御の目標値として順次変更することにより、前記フィードバック制御を追従制御として実行し、真空チャンバ内の真空圧力を目標真空圧力変化速度で変化させる方法が提案されている(特許第3606754号公報参照)。
しかしながら、この方法では、ある制御周期で目標圧力に対して誤差が生じた場合、その誤差が生じた圧力に次の変化圧力分を加えて目標圧力とすると、誤差が積算されて目標速度から大きく外れる可能性があり、また、算出された目標圧力に変化圧力分を加えて目標圧力とすると、目標速度を中心にハンチングするなどの不都合が生じる可能性がある。
これに対して、上述した設定加速度による加速度制御領域を有する制御を行うことにより、このような不都合がないばかりでなく、動作開始直後から滑らかに真空引きする制御を行うことができる。
また、上記真空調圧システムにおいては、弁部材15に取り付けたゴム弾性材からなる弁シール部材17の復帰ばねによる圧縮状態で生じる反発力と、弁部材17に作用する真空チャンバの圧力に基づく作用力とのバランス位置を、上記弁シール部材17による完全なシール位置(ゼロ点)として、弁座14と弁シール部材17との間の隙間を限りなく0に近いところから調整できるので、容易に実施できる圧力制御の範囲が拡大される。
以上において、本発明の真空調圧システムの実施の態様について詳述したが、本発明は上記実施例等に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載の発明の精神を逸脱しない範囲で、設計において種々の変更ができるものである。
本発明に係る真空調圧システムにおける真空調圧用バルブの構成を示し、左半は弁部材の閉弁状態を、右半は同開弁状態を示す断面図である。 本発明に係る真空調圧システムの構成図である。 本発明における真空圧力の変化の制御について説明するための模式的説明図である。
符号の説明
1 弁主体部
2 流体圧駆動部
3 弁開度調節部
4 電磁弁装置
5 真空チャンバ
6 真空ポンプ
10 バルブハウジング
11 第1メインポート
12 第2メインポート
13 流路
14 弁座
15 弁部材
16 ピストン
20 弁シャフト
23 復帰ばね
37 受圧室
38 パイロットポート
41 調整部材
45 電動モータ
47 回転−直動変換機構
60 真空圧力センサー
62a 給気用2ポート電磁弁
62b 排気用2ポート電磁弁

Claims (9)

  1. 真空チャンバ及び真空ポンプに接続するための第1及び第2のメインポート、これら両メインポートを結ぶ流路、及び該流路中に弁座が設けられたバルブハウジングと、該バルブハウジング内に設けられ、上記弁座を開閉する弁部材と、この弁部材から上記バルブハウジングの軸線方向に延びて先端が流体圧駆動部に達する弁シャフトと、上記弁部材を弁座の閉鎖方向に向けて付勢する復帰ばねとを有する弁主体部、
    上記弁シャフトの先端に取り付けられた受圧部材と、この受圧部材に上記弁部材が開放する方向の流体圧を作用させる受圧室と、この受圧室にパイロット流体を給排するためのパイロットポートとを有する上記流体圧駆動部、並びに、
    上記受圧部材の背後に当接する調整部材と、該調整部材を回転−直動変換機構を介して任意の位置まで無段階に前後進駆動する電動モータとを有する弁開度調節部、
    を備えることにより、真空調圧用バルブが構成され、
    上記真空調圧用バルブに、
    上記受圧室にパイロット流体を給排する電磁弁装置、並びに、
    少なくとも、上記電動モータの回転負荷を検出する負荷検出手段の出力、上記電動モータの回転量を検出するエンコーダの出力及び外部からの制御指令が入力され、それらに基づいて、上記電動モータ及び上記電磁弁装置の駆動を制御するコントローラ、
    を付設することにより構成される真空調圧システムにおいて、
    上記コントローラが、上記制御指令に基づいて電動モータに必要な駆動電流を供給し、上記エンコーダの出力によって与えられる調整部材の位置が指定の位置になるように制御する位置制御、及び、上記負荷検出手段の出力によって与えられる上記調整部材と受圧部材との押付け力に応じた電動モータの回転負荷が、設定された上限値と下限値との間にあるか否かを検知し、それが当該上下限値間を逸脱する場合に、受圧部材と調整部材とを当該上下限値間の力で押付けるためのパイロット流体圧を上記受圧室に供給するように制御信号を電磁弁装置に出力するパイロット流体圧制御を行い、それによって、上記受圧部材と調整部材とを上記上下限値間の力で押付けた状態で電動モータを動作させる機能を有している、
    ことを特徴とする真空調圧システム。
  2. 上記パイロット流体圧が、復帰ばねの作用力、弁部材に作用する真空チャンバ内圧力に基づく作用力、及び、上記調整部材と受圧部材との間に常に作用させておくバイアス分との和に相当する押付け力を発生させるものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の真空調圧システム。
  3. 上記電動モータの負荷検出手段として、該電動モータに供給する駆動電流を検出する検出手段を用い、
    コントローラに、上記電動モータの位置制御のための駆動時に上記検出手段で検出した電動モータの駆動電流が、調整部材と受圧部材との押付け力による上記回転負荷の上限値と下限値に対応した電流設定値の上限値と下限値との間にあるか否かを検知し、それが当該上下限値間を逸脱する場合に、上記電動モータの駆動電流が上記電流設定値の上下限間にあるようにするための制御信号を電磁弁装置に出力する機能を具備させた、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の真空調圧システム。
  4. 上記電動モータにその回転量を検出するエンコーダを付設し、該エンコーダに弁部材の開度を与える受圧部材の位置を検出するための位置センサーとしての機能を持たせた、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の真空調圧システム。
  5. 上記流体圧駆動部がシリンダ部によって構成され、上記受圧部材がピストンによって構成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の真空調圧システム。
  6. 上記電磁弁装置が、給気用及び排気用の複数の2ポート電磁弁で構成され、該給気用の電磁弁の入力側が空気圧源に接続され、該排気用の電磁弁の出力側が大気に開放され、該給気用の電磁弁の出力側及び排気用の電磁弁の入力側が上記パイロットポートに接続されている、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の真空調圧システム。
  7. 上記電磁弁装置が、3位置3ポート電磁弁で構成され、該電磁弁の入力側が空気圧源に接続され、該電磁弁の出力側が上記パイロットポートに接続され、該電磁弁の排気側が大気に開放されている、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の真空調圧システム。
  8. 上記コントローラにおいて、真空チャンバに設けた圧力センサーによって検知される真空圧力が、真空チャンバの設定圧力になるように、電動モータ及び電磁弁装置の駆動を制御する機能を有する、
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の真空調圧システム。
  9. コントローラにおいて上記圧力センサーからの圧力信号と圧力設定値とを比較して真空チャンバの真空圧力をフィードバック制御するに際し、
    上記コントローラに、予め真空引きの設定速度と設定加速度を保有させ、制御動作開始直後に、上記設定加速度により各制御周期における真空圧力の変化の速度を緩慢に増加させ、真空チャンバの真空引き動作が穏やかに開始される加速度制御領域を経て、真空圧力の変化速度が上記設定速度に達した後にその設定速度を維持するように制御する制御機能を具備させた、
    ことを特徴とする請求項8に記載の真空調圧システム。
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