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JP2007144799A - 基板の加工方法、及び電子機器 - Google Patents

基板の加工方法、及び電子機器 Download PDF

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JP2007144799A JP2005342586A JP2005342586A JP2007144799A JP 2007144799 A JP2007144799 A JP 2007144799A JP 2005342586 A JP2005342586 A JP 2005342586A JP 2005342586 A JP2005342586 A JP 2005342586A JP 2007144799 A JP2007144799 A JP 2007144799A
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adhesive
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forming substrate
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Osamu Fujimori
修 藤森
Takehide Matsuo
剛秀 松尾
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

【課題】本発明は、樹脂の塗布工程の段階から気泡の除去を行って、保護基板を好適に貼り合わせる方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、一方の面側に複数の構造体(36)が設けられた基板10の他方の面側を加工する方法であって、基板(10)の一方の面側に接着剤(400)を塗布する第1工程と、接着剤に陽圧及び負圧を順に付与する第2工程と、接着剤上に保護基板(420)を配置する第3工程と、基板の他方の面側を加工する第4工程と、基板から保護基板(420)を剥離する第5工程と、を含む基板(10)の加工方法を提供するものである。
【選択図】図6

Description

本発明は、一面側に構造体が設けられた基板の他面側を加工する方法等に関する。
シリコン基板をベースにするマイクロデバイスの製造工程等において、ドライエッチング法等により基板の一面側を所定のパターンに加工する際、基板の他面側に構造物等が設けられることによって凹凸が形成されている場合がある。このような場合、その構造物等を保護しながら上記一面側を加工する方法として、例えば特開2005−191550号公報(特許文献1)には、まず当該他面側にサポート基板を貼り合わせてから上記一面側の加工を行い、加工後にサポート基板を取り外す方法が開示されている。
この方法において、サポート基板はシリコン基板に樹脂等の接着剤を塗布して貼り合わせられるが、このような接着剤には気泡が入りやすい。接着剤中の気泡は、真空処理プロセスで破裂して基板の破損を生じる原因となりうる。また、ドライエッチング等温度上昇を伴う加工を行う場合には基板の冷却処理を同時に行うことがあるが、接着剤中の気泡が温度の伝達を妨げるために、基板の温度にムラが生じ、所望の形状に加工できないこともある。
このような問題を防ぐため、サポート基板とシリコン基板との貼り合わせを真空雰囲気中で行うことによって気泡が入るのを防ぐ方法がとられている。また、サポート基板に溝または貫通孔を設けて、接着剤中の気泡を当該溝中に逃がしたり、貫通孔から除去する方法も提案されている。
特開2005−191550号公報
しかしながら、基板の貼り合わせを真空雰囲気で行う方法や、サポート基板に溝等を設ける方法も十分とはいえず、微細な気泡が接着剤中に残存してしまうことがある。特に、構造体の側面等に付着した気泡はその場に留まって、接着剤中から除去するのが困難である。これらの微細な気泡は、樹脂の乾燥工程で凝集し、より大きな気泡へと成長して種々の問題を引きおこしうる。
そこで、本発明は、樹脂の塗布工程の段階から気泡の除去を行って、保護基板を好適に貼り合わせる方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る基板の加工方法は、一方の面側に複数の構造体が設けられた基板の他方の面側を加工する方法であって、前記基板の一方の面側に接着剤を塗布する第1工程と、前記接着剤に陽圧及び負圧を順に付与する第2工程と、前記接着剤上に保護基板を配置する第3工程と、前記基板の他方の面側を加工する第4工程と、前記基板から前記保護基板を剥離する第5工程と、を含むことを特徴とする。
このような構成によれば、第2工程において、接着剤に陽圧を付与することにより、構造体間の凹部にまで接着剤が押し込まれる結果、基板表面や構造体の側面等に付着した気泡も当該面から引き剥がされ、接着剤中に浮上する。一方、負圧を付与すると、接着剤内の気泡は膨張して浮力が増加するので、接着剤層表面から気泡が逃げやすくなる。ここで、陽圧を付与するとは、接着剤を塗布された基板を加圧雰囲気(大気圧よりも高い圧力)に暴露することを意味し、負圧を付与するとは、同基板を減圧雰囲気(大気圧よりも低い圧力)に暴露することを意味する。陽圧及び負圧をかける順序、回数は特に限定されない。
上記第2工程において、陽圧を付与した後に負圧を付与することが好ましい。これにより、陽圧によって樹脂中に浮上した気泡を、負圧によって樹脂膜表面から効率よく除去することができる。
上記第2工程において、接着剤に陽圧及び負圧を交互にそれぞれ2回以上付与することも好ましい。これにより、樹脂中に残存する気泡の量をより少なくすることができる。
上記第2工程における陽圧の付与は、密閉容器の中に水蒸気、接着剤の溶媒の蒸気、及び/又は不活性ガスを加えることによって行うことが好ましい。接着剤の溶媒の蒸気や水蒸気を加えると、これらの蒸気が接着剤中に入り込んで粘度を低下させ、気泡の除去効果を向上させる。また、不活性ガスを用いれば、第1の基板や構造体と反応することなく、陽圧を付与することができる。
尚、本明細書において接着剤の溶媒とは、接着剤を溶解する液体のみならず、接着剤が溶解せず分散する場合は分散媒を意味するものとする。
上記第2工程における負圧の付与の際、雰囲気中に水蒸気または接着剤の溶媒の蒸気を加えることが好ましい。これにより、接着剤の溶媒が蒸発して流動性が失われ粘着性が低下するのを防ぐことができる。
上記第2工程の後、第3工程に先立って、接着剤に超音波を照射することも好ましい。超音波の照射によっても、樹脂に陽圧及び負圧を付与するのと同等の効果が得られ、気泡をより完全に除去することができる。
上記第1工程の後、第2工程及び接着剤への超音波の照射を該接着剤が必要な厚さになるまで繰り返し行い、その後第3工程を行うことも好ましい。陽圧及び負圧の付与や超音波照射による気泡の除去の効果は、接着剤層が薄いほうが得られやすい。従って、一度に塗布する接着剤の量を少なくして、気泡の除去及び塗布を繰り返し行うことによって、より効果的に気泡を除去することができる。
上記第1工程に先立って、接着剤を脱気処理することも好ましい。即ち、第1の基板に塗布する前に、接着剤自体から気泡を除去しておくことにより、接着剤中に残存する気泡をより少なくすることができる。接着剤の脱気処理には、接着剤に超音波を照射する方法や、接着剤を真空雰囲気に暴露する方法等が挙げられる。
上記接着剤が感光性成分を含むことも好ましい。これにより、光を照射して接着剤層を所望の形状に加工することができる。例えば、基板の凹凸に合わせて成形し、略一様な厚さとなるように加工すれば、保護基板を剥離しやすくなり、また温度の伝達も略一様にできるという利点がある。
また、本発明は、本発明に係る基板の製造方法により製造された基板を備える電子機器をも提供するものである。ここで、電子機器には、ビデオカメラ、テレビ、大型スクリーン、携帯電話、パーソナルコンピュータ、携帯型情報機器(いわゆるPDA)、その他各種のものが含まれる。
以下に、図面を参照して、本発明に係る基板の加工方法及び電子機器の製造方法を詳細に説明する。本実施形態では、インクジェット式記録ヘッドに用いられる流路形成基板を加工することを目的として、本発明に係る基板の加工方法により、流路形成基板の母材にサポート基板を貼り合わせる。
<インクジェット式記録ヘッド>
まず、図1〜3を用いて、本発明に係る基板の加工方法を用いて製造されるインクジェット式記録ヘッドの構成を説明する。
図1は、インクジェット式記録ヘッドの実施形態を示す分解斜視図であり、図2は、図1に示すインクジェット式記録ヘッドの平面図および断面図である。図3は、図1に示すインクジェット式記録ヘッド1を備えるインクジェットプリンタを示す概略図である。
以下、ヘッド1について、図1および図2を参照しつつ詳述する。
図1および図2に示すように、ヘッド1は、ノズルプレート320と、流路形成基板10と、弾性膜50と、弾性膜50上に設けられた圧電素子300と、リザーバ形成基板30と、リザーバ形成基板30上に設けられた駆動IC120とを備えている。なお、このヘッド1は、ピエゾジェット式ヘッドを構成する。
本実施形態では、流路形成基板10は、面方位(110)のシリコン単結晶基板で構成されているが、面方位(100)のシリコン単結晶基板で構成されていても良い。流路形成基板10の一方の面には、予め熱酸化により形成された二酸化シリコンで構成される厚さ1〜2μm程度の弾性膜50が設けられている。流路形成基板10には、個別(複数)のインク室(圧力発生室)12がその幅方向に側壁11を介して並設されている。
また、インク室12の長手方向外側の領域には、連通部13が形成され、連通部13と各インク室12とが、各インク室12に設けられたインク供給路14を介して連通されている。
なお、連通部13は、後述するリザーバ形成基板30に設けられたリザーバ部31と連通して個別のインク室12にインクを供給する共通のインク室として機能するリザーバ100の一部を構成する。
また、インク供給路14は、インク室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13からインク室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。
また、流路形成基板10の開口面側には、絶縁膜51を介して、インク室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍で、各インク室12に対応して連通するノズル孔321がそれぞれ穿設されたノズルプレート320が、接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着(貼着)されている。
なお、ノズルプレート320は、厚さが例えば、0.01〜1mm程度で、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]程度であるガラスセラミックス、シリコン単結晶基板または不錆鋼等で構成されている。
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側の面には、上述したように、厚さが例えば1.0μm程度の弾性膜50が設けられている。また、この弾性膜50上には、厚さが例えば、0.4μm程度の絶縁体膜55が形成されている。さらに、この絶縁体膜55上には、厚さが例えば、0.2μm程度の下電極膜60と、厚さが例えば、1.0μm程度の圧電体層70と、厚さが例えば、0.05μm程度の上電極膜80とが、この順で積層されて、液滴の吐出を制御する圧電素子(駆動素子)300を構成している。すなわち、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70および上電極膜80を含む部分をいう。
本実施形態では、下電極膜60が圧電素子300の共通電極として形成され、上電極膜80が圧電素子300の個別電極として、圧電体層70とともに、各インク室12に対応する位置にパターニング(形成)されている。なお、上電極膜80および圧電体層70により構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。また、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータという。
一般的には、下電極膜60および上電極膜80のうちいずれか一方の電極が共通電極として構成され、他方の電極および圧電体層70が各インク室12にパターニングして構成されていればよく、駆動回路や配線の都合で下電極膜60と上電極膜80との構成が逆になっていてもよい。いずれの場合においても、各インク室12に対応して圧電体能動部が形成されることになる。
また、本実施形態では、弾性膜50および絶縁体膜55が振動板として作用するが、この絶縁体膜55上に形成された下電極膜60も振動板としての役割を果たす。下電極膜60は、インク室12の長手方向に対して、インク室12に対向する領域の内側でパターニングされ、かつ、複数のインク室12に対応する領域において、連続的に設けられている。
また、下電極膜60は、インク室12の列の外側の領域で流路形成基板10の端部近傍まで延設されている。そして、その先端部が後述する駆動IC120から延設された接続配線130を接続する接続部60aを構成している。
圧電体層70および上電極膜80は、基本的にはインク室12に対向する領域内に設けられているが、インク室12の長手方向では、インク室12に対向する領域よりも外側まで延設されており、下電極膜60のノズル孔321側の端面が圧電体層70により覆われている。
また、上電極膜80のノズル孔321側の端部近傍には、リード電極90が接続されている。このリード電極90は、流路形成基板10の端部近傍まで延設されており、その先端部が、下電極膜60の接続部60aと同様に、接続配線130を接続する接続部90aを構成している。
また、流路形成基板10の圧電素子300が設けられている面側と、リザーバ100の一部を構成するリザーバ部31を備えるリザーバ形成基板30とは、例えば、エポキシ系の接着剤のような接合部剤35aで構成される接着剤層35を介して接着(固着)されている。
本実施形態では、このリザーバ部31は、リザーバ形成基板30の厚さ方向に貫通するとともに、インク室12の幅方向に亘って形成されており、前述のように流路形成基板10の連通部13と連通されて各インク室12のリザーバ100を構成している。
なお、本実施形態では、流路形成基板10とリザーバ形成基板30とを接着剤層35により接着する場合について説明したが、このような場合に限定されず、密着性を有する金属等によりこれらの基板同士を接合(金属接合)するようにしてもよい。
また、連通部13とリザーバ部31とを連通する貫通部110のリザーバ部31側の開口周縁部と、リザーバ形成基板30のリザーバ部31の開口周縁部とが接着剤層35によって接着されるとともに、貫通部110の内側の縁部(内面)がこの接着剤層35により完全に覆われている。
なお、この貫通部110は、それぞれ、連通部13に対向する領域の弾性膜50、絶縁体膜55および下電極膜60を厚さ方向に貫通することで設けられている。
すなわち、貫通部110は、弾性膜50を貫通することで設けられた第1の貫通孔111と、絶縁体膜55を貫通することで設けられた第2の貫通孔112と、下電極膜60を貫通することで設けられた第3の貫通孔113とで構成されている。
そして、リザーバ部31内のインクは、貫通部110を介して連通部13に供給されるようになっている。
また、リザーバ形成基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の振動を阻害しない程度の空間が確保可能な圧電素子保持部32が設けられている。
圧電素子300は、この圧電素子保持部32内に設けられているため、外部環境の影響を殆ど受けない状態で保護されている。
なお、このようなリザーバ形成基板30の構成材料としては、例えば、ガラス、セラミックス材料、金属、樹脂等が挙げられ、これらの中でも、流路形成基板10の熱膨張率とほぼ同一の材料で構成されているのが好ましく、流路形成基板10と同一材料すなわち本実施形態ではシリコン単結晶で構成されているのがより好ましい。
また、下電極膜60の接続部60aおよびリード電極90の接続部90aは、圧電素子保持部32の外側に設けられている。そして、これら接続部60aおよび接続部90aに、リザーバ形成基板30上に実装された駆動IC120から延設される接続配線130の一端が接続されている。さらに、リザーバ形成基板30上には、封止膜41および固定板42で構成されるコンプライアンス基板40が接合されている。
封止膜41は、厚さが例えば、6μm程度のポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルムのような剛性が低く可撓性を有する材料で構成され、この封止膜41によってリザーバ部31の連通部13と連通するのと反対側の面が封止されている。
また、固定板42は、厚さが例えば、30μm程度のステンレス鋼(SUS)のような金属等の硬質の材料で構成されている。この固定板42のリザーバ100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ100が可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このようなヘッド1では、図示しない外部インク供給手段からインクを取り込み、リザーバ100からノズル孔321に至るまで内部をインクで満たした後、駆動IC120からの記録信号により、各インク室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加する。これにより、弾性膜50、絶縁体膜55、下電極膜60および圧電体層70にたわみが生じ、すなわち、振動板にたわみが生じることにより、各インク室12内の圧力が瞬間的に高まり、その結果、ノズル孔321からインク滴が吐出する。
1回のインクの吐出が終了すると、駆動IC120は、下電極膜60と上電極膜80との間への電圧の印加を停止する。これにより、圧電素子300は、ほぼ元の形状に戻り、インク室12の容積が増大する。なお、このとき、インクには、インクカートリッジ231からノズル孔321へ向かう圧力(正方向への圧力)が作用している。このため、空気がノズル孔321からインク室12へ入り込むことが防止され、インクの吐出量に見合った量のインクがインクカートリッジ931(リザーバ100)からインク室12へ供給される。
このようにして、ヘッド1において、印刷させたい位置の圧電素子300に、駆動ICを介して電圧を印加すること、すなわち、吐出信号を順次入力することにより、任意の(所望の)文字や図形等を印刷することができる。

なお、ヘッド1は、前述したような構成のものに限らず、例えば、駆動素子として圧電素子300に代えてヒータを備え、このヒータでインクを加熱して沸騰させ、それによって生じた圧力によりインクを液滴としてノズル孔321から吐出するように構成されたもの等であってもよい。
<インクジェット式記録ヘッド1の製造方法>
次に、このようなヘッド1を、本発明に係る基板の加工方法を用いて製造する工程を説明する。
図4〜図8は、それぞれ、図1および図2に示すインクジェット記録式ヘッドの製造方法を説明するための図(縦断面図)である。
なお、本実施形態では、流路形成基板10として、ドライエッチング可能な、面方位(110)のシリコン単結晶基板を用いることとするが、面方位(100)のシリコン単結晶基板を用いるようにしてもよい。
[1] まず、図4(a)に示すように、流路形成基板10を拡散炉で熱酸化することにより、流路形成基板10の表面に弾性膜50および酸化膜51を構成する二酸化シリコン膜52を形成する。
流路形成基板10の表面を熱酸化する際の雰囲気の温度は、800〜1500℃程度であるのが好ましく、1000〜1200℃程度であるのがより好ましい。
[2] 次に、図4(b)に示すように、弾性膜50(二酸化シリコン膜52)上に、例えば、ジルコニウム(Zr)層を形成した後、拡散炉で熱酸化することにより酸化ジルコニウム(ZrO2)で構成される絶縁体膜55を形成する。
ジルコニウム層を熱酸化する際の雰囲気の温度は、500〜1200℃程度であるのが好ましく、600〜900℃程度であるのがより好ましい。
[3] 次に、図4(c)に示すように、絶縁体膜55上に、例えば、白金およびイリジウムのような金属材料をこの順で積層して積層体を形成する。
その後、この積層体を所定の形状にパターニングすることにより下電極膜60を形成する。
これらの金属材料の積層には、それぞれ、例えば、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDのような化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング(低温スパッタリング)、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、ゾル・ゲル法、MOD法等を用いることができる。
また、前記積層体のパターニングには、例えば、ドライエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法、ウエットエッチング等の化学的エッチング法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、この下電極膜60の形成の際に、流路形成基板10の連通部13が形成される領域と対向(接触)する部分の積層体を除去して第3の貫通孔113を形成しておく。
[4] 次に、図4(d)に示すように、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等で構成される第1の金属層70'と、例えば、イリジウム等で構成される第2の金属層80'とを流路形成基板10の一方の面側の全面に順次積層する。
そして、図4(e)に示すように、積層された第1の金属層70'および第2の金属層80'を、後述する各インク室12の位置に対応するようにパターニングして圧電体層70および上電極膜80を形成して、圧電素子300を得る。
なお、第1の金属層70'および第2の金属層80'の形成、および、第1の金属層7
0'および第2の金属層80'のパターニングには、前記工程[3]の積層体のパターニングで説明したのと同様の方法を用いることができる。
[5] 次に、リード電極90を形成する。
具体的には、図5(A)に示すように、流路形成基板10の一方の面側の全面に亘って、例えば、チタンタングステン(TiW)やニッケルクロム(NiCr)のような密着性を有する金属で構成される密着層91を形成し、この密着層91上の全面に、例えば、金(Au)等で構成される金属層92を形成する。
そして、図5(B)に示すように、密着層91および金属層92を各圧電素子300に対応するようにパターニングしてリード電極90を形成する。
なお、密着層91および金属層92の形成、および、リード電極90のパターニングには、前記工程[3]の金属材料の積層、および、積層体のパターニングで説明したのと同様の方法を用いることができる。
[6] 次に、貫通部110を形成する。
具体的には、図5(C)に示すように、まず、連通部13が形成される領域に対向する部分、すなわち、第3の貫通孔113内に露出した絶縁体膜55を除去して第2の貫通孔112を形成する。
次に、この第2の貫通孔112内に露出した弾性膜50を除去して第1の貫通孔111を形成する。
これにより、第1〜第3の貫通孔111,112,113で構成され、階段状の縁部を有する貫通部110が形成される。
なお、絶縁体膜55および弾性膜50の除去には、前記工程[3]の積層体のパターニングで説明したのと同様の方法を用いることができる。
[7] 次に、図5(D)に示すように、流路形成基板10の圧電素子300が設けられている側の面とリザーバ形成基板30とを接合部剤35aにより接着する。
これにより、貫通部110の内側の縁部に接合部剤35aで構成される接着剤層35が形成される。その結果、流路形成基板10とリザーバ形成基板30とが接着剤層35を介して接着される。
[8] 基板の貼り合わせ工程
次に、ドライエッチング法を用いて、流路形成基板10に、インク室12と、インク供給路14および連通部13により構成される凹部とを形成する加工を行う。この加工(エッチング)のために、本発明の基板の加工方法が適用される(以下、インク室12と、インク供給路14と、連通部13とを総称して、「インク流路」ということもある。)。
即ち、流路形成基板10には、その一面側に、弾性膜50、絶縁体膜55、リザーバ形成基板30等からなる構造体36が設けられているところ、その他面側を加工することになるため、本発明に係る基板の加工方法に従って、上記一面側に保護基板を貼り合わせて加工を行い、加工後に保護基板を剥離する。
図6に流路形成基板10と保護基板39との貼り合わせ工程を、説明の便宜上図5(D)と上下反転して示す。
まず、本発明の第1工程として、図6(A)に示されるように、流路形成基板10の、リザーバ形成基板30等の構造体が設けられている表面に接着剤として樹脂400を塗布する。樹脂400は、両基板を接着しうるものであれば特に限定されないが、例えば、ポリイミド系樹脂、ポリパラキシリレン、ベンゾシクロブテン、ポリビニルフェノール、ノボラック樹脂のような芳香族系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなフッ素系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のようなアクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテンのようなポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられる他、ネガ型およびポジ型のレジスト材料が挙げられる。
レジスト材料等の感光性材料を用いれば、塗布した後に接着剤層を所望の形状に成形することができ、本実施形態では、このような感光性を有する樹脂を用いるものとする。感光性樹脂としては、ネガ型のレジスト材料である、ロジン−重クロム酸塩、ポリビニルアルコール(PVA)−重クロム酸塩、セラック−重クロム酸塩、カゼイン−重クロム酸塩、PVA−ジアゾ、アクリル系フォトレジスト等のような水溶性フォトレジスト、ポリケイ皮酸ビニル、環化ゴム−アジド、ポリビニルシンナミリデンアセタート、ポリケイ皮酸β−ビニロキシエチルエステル等のような油溶性フォトレジスト等、また、ポジ型のレジスト材料として、o−ナフトキノンジアジド等のような油溶性フォトレジスト等を用いることができる。
上述した樹脂は、必要に応じて適宜溶媒(分散媒を含む)に溶解(または分散)して塗布に供される。溶媒の具体例としては、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、水、二硫化炭素、四塩化炭素、エチレンカーボネイト等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒のような各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
樹脂を溶媒に溶解(または分散)して得られた樹脂溶液、樹脂分散液は、スピン塗布法、スプレー塗布法、スキャン塗布法、スキージ塗布法等、公知の方法によって流路形成基板10の表面に塗布することができる。
図6(A)にこれらの方法で樹脂400を流路形成基板10表面に塗布した様子を示す。樹脂400中には気泡Aが入っており、特にリザーバ形成基板30等の構造体36に付着した気泡Aは、当該構造体から離れにくく、樹脂から外に放出されにくい。
そこで、本実施形態では、本発明の第2工程として、まず樹脂400に陽圧を付与する。陽圧の付与は、例えば、流路形成基板10が載置されている密閉容器中の気圧を上昇させることによって行うことができる。容器中の気圧を上昇させるためには、水蒸気、樹脂400の溶媒または分散媒の蒸気、またはアルゴン、ヘリウム、窒素等の不活性ガス等を加えるとよい。樹脂400の溶媒または分散媒の蒸気や水蒸気を加えれば、これらの蒸気が樹脂400中に侵入して粘度を低下させるので、気泡を除去する効果がより向上させることができる。
図6(B)に陽圧を付与した様子を示す。陽圧を付与することによって樹脂400が構造体36間の凹部に押し込まれる結果、気泡Aがリザーバ形成基板30等の構造体から引き剥がされ、樹脂400中に浮上する。
続いて、図6(C)に示されるように、樹脂400に負圧を付与する。負圧を付与すると、樹脂400中に浮上した気泡Aが膨張し、その浮力が増加するので、気泡Aが浮上して樹脂400表面から雰囲気中に放出されるのを促進することができる。負圧の付与は、例えば、陽圧の付与とは逆に、密閉容器中から気体を排出し雰囲気の気圧を低下させることによって行うことができる。尚、負圧の付与をする間も、気圧を上げない範囲で、樹脂400の溶媒の蒸気を供給することが望ましい。こうすることにより、樹脂400の溶媒が蒸発して流動性を失うのを防ぐことができる。
本実施形態では、陽圧の付与の後、負圧を付与しているが、陽圧と負圧の付与を繰り返してもよく、また、負圧の付与を先に行ってもよい。
陽圧及び負圧の付与の後、樹脂400に超音波を照射してもよい。このような処理を行うことによって、樹脂400中の気泡をさらに少なくすることができる。また、流路形成基板10上に塗布する前に、樹脂400の脱気処理を行ってもよい。脱気処理は、例えば樹脂400に超音波を照射したり、樹脂400を真空雰囲気に暴露したりすることによって行うことができる。このような前処理によっても、樹脂400中の気泡をさらに少なくすることができる。
尚、本実施形態では、樹脂400の塗布を1回のみ行っているが、樹脂400は少量ずつ繰り返し行ってもよい。この場合、樹脂400の塗布と、陽圧及び負圧の付与とを1セットとし、樹脂400が必要な厚さになるまで、このセットを繰り返し行う。陽圧及び負圧の付与による気泡の除去は、樹脂400が薄いほど効果的なため、複数回にわけて樹脂400を塗布することによって、樹脂400中に残存する気泡をより少なくすることが可能である。
[9] 樹脂成形工程
次に、図7に示すように、樹脂400を成形する。構造体36間の凹部が樹脂400で埋め尽くされていると、この領域のみ樹脂層が厚くなってしまい、樹脂を除去しにくくなるとともに、温度が伝達されにくくなるという問題がある。そこで、本成形では、流路形成基板10の加工後に樹脂400を除去しやすくすることと、流路形成基板10への温度の伝達を均一にすることを目的として、樹脂400を流路形成基板10表面の形状に沿った略均一な厚みとする。
まず図7(A)に示すように、樹脂400上にマスク410を介して、矢印の方向に光を照射する。上述したように、本実施形態では、樹脂400として感光性を有するレジスト材料が用いられているので、光を照射した後現像することによって、同図(B)に示されるように樹脂400に凹部411が形成される。その結果、樹脂400は、リザーバ形成基板30等の構造体による凹凸を有する流路形成基板10表面に沿った略均一な厚みとなる。
続いて、図7(C)に示すように、本発明の第3工程として、樹脂400上にサポート基板420を重ねて貼り合わせる。サポート基板420には、樹脂400に形成された凹部411の位置に貫通孔422が形成されている。貫通孔422がない場合、凹部411が密閉され、続くドライエッチング工程で真空下に置かれたとき、凹部411内の空気が膨張して母材10’が破損等されるおそれがあるため、第3工程後に凹部411を形成した場合には、貫通孔422が必要である。貫通孔422が設けられていれば、サポート基板420側から冷却する場合に貫通孔422を通じて凹部411内も冷却されるので、流路形成基板10を均等に冷却しやすいという効果も得られる。
[10] マスク形成工程
次に、図8(A)に示すように、本発明の第4工程として、酸化膜51上に、インク室12、連通部13およびインク供給路14を形成する領域に対応した開口部を有するレジスト層(マスク)56を形成する。レジスト層56は、例えば、フォトリソグラフィー法等により得ることができる。
具体的には、酸化膜51上に、レジスト材料を塗布(供給)した後、インク室12、連通部13およびインク供給路14の形状に対応したフォトマスクを介してこのレジスト材料を、i線、紫外線および電子線等により露光・現像することにより得ることができる。
レジスト材料およびレジスト材料を塗布する方法としては、上述したレジスト材料、および、樹脂材料を含む溶液または分散液を塗布する方法と同様のものを用いることができる。
なお、本実施形態では、レジスト層56は、レジスト材料を主材料として構成される場合について説明したが、このような場合に限定されず、例えば、レジスト層は、レジスト層56の下層として金属層を備える積層体であってもよい。
これにより、次工程において、当該レジスト層をマスクとして用いて、ドライエッチング法によりインク流路を形成する際に、流路形成基板10をエッチング(加工)するのにしたがって、このレジスト層もエッチングされるのをより好適に防止または抑制して、より寸法精度の優れたインク流路を形成することができる。このような金属層としては、例えば、Al、Cu、Fe、NiおよびCrのうちの少なくとも1種を主材料とするものが挙げられる。なお、金属層は、酸化膜51上のほぼ全面に金属膜を形成し、さらにこの金属膜上に前述したような方法でレジスト層56を形成した後、レジスト層56をマスクとして用いて、ウエットエッチング法により、この金属膜をレジスト層56と同様の形状にエッチングすることにより得ることができる。
なお、ウエットエッチング法に用いるエッチング液としては、例えば、NaOH、KOHのようなアルカリ金属水酸化物の水溶液、Mg(OH)2のようなアルカリ土類金属水酸化物の水溶液、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの水溶液、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系有機溶媒等が挙げられ、これらを単独または混合して用いることができる。
[10]エッチング工程
次に、図8(B)に示すように、流路形成基板10の下側すなわち樹脂400の下側から冷却媒体ガスを吹き付けて基板10を冷却する際に、樹脂400の存在により流路形成基板10に温度ムラが生じるのを低減または防止しつつ、流路形成基板10の上側の面に対して、ドライエッチング法を用いて、インク室12と、連通部13およびインク供給部14で構成される凹部とを形成する。
なお、本実施形態では、振動板の連通部13に対向する領域には、貫通部110が設けられているため、このドライエッチングにより連通部13が形成されると、貫通部110を介して連通部13とリザーバ部31とが連通されることにより、リザーバ100が形成される。
ドライエッチング法は、チャンバと、チャンバ内にプラズマ発生用ガスを導入するための第1の導入バルブと、流路形成基板10を冷却する冷却媒体ガスを導入するための第2の導入バルブと、チャンバ内に対向するように設けられた一対の電極と、一方の電極側に設置された流路形成基板10を冷却媒体ガスが通過可能な連通孔を通じて冷却する冷却板と、流路形成基板10を固定するための設置台とを備えたドライエッチング装置を用いて行うものである。
すなわち、ドライエッチング法は、一方の電極と構造体36とが対向するように基板10を、この電極側に設けられた設置台にセットし、チャンバ内を減圧する。そして、第2の導入バルブから導入した冷却媒体ガスを流路形成基板10の下側に吹き付けて冷却板および冷却媒体ガスの温度を伝えて冷却し、かつ、第1の導入バルブから導入したプラズマ発生用ガスを一対の電極間に供給した状態で、この電極間に高周波電圧を印加するものである。これにより、電極間の間でプラズマが発生し、これにより生じたイオンや電子がレジスト層56を備える流路形成基板10の上面に衝突することによりインク室12および凹部(インク流路)が形成される。
プラズマ発生用ガスとしては、例えば、フッ素系ガス、塩素および臭素のうちの少なくとも1種を含有するハロゲン系ガス等が挙げられるが、本実施形態のように基板10がシリコン単結晶で構成される場合には、SF6、C48、CBrF3、CF4/O2、Cl2、SF6/N2/Ar、BCl2/Cl2/Arガスを用いるのが好ましく、特に、SF6およびC48ガスのうちのいずれかを単独で、またはこれらの混合ガスを用いるのが好ましい。これにより、流路形成基板10のエッチングを効率よく行うことができる。
冷却媒体ガスとしては、冷却効率に優れ、プラズマの発生に影響を与えないようなものであればよく、特に限定されるものではないが、例えば、ヘリウム、アルゴン、窒素のような不活性ガス等が挙げられ、これらの中でも、ヘリウムを主成分とするのが好ましい。ヘリウムは、特に冷却効果に優れるものであることから冷却媒体ガスとして好適に用いられる。
また、冷却板の温度すなわち冷却媒体ガスの温度は、−20〜60℃程度であるのが好ましく、−10〜10℃程度であるのがより好ましい。これにより、流路形成基板10を冷却して適切な温度を維持することができるようになる。
[11] 除去工程
次に、図8(C)に示すように、本発明の第5工程として、レジスト層56および樹脂400を同時または個別に除去する。
なお、レジスト層56の構成材料、および、樹脂400の構成材料として、それぞれ、前述したようなもののうち、ほぼ同様の化学的性質を有するものや、同一のものを選択した場合には、レジスト層56および樹脂400を同時に除去することができる。
このようなレジスト層56および樹脂400の除去は、例えば、大気圧または減圧下において酸素プラズマやオゾン蒸気に晒すこと、または、これらのものを溶解し得るアセトン、アルキルベンゼンスルホン酸のようなレジスト剥離液に浸漬することにより、レジスト層56および樹脂400の全てまたはその一部を液状化することにより行うことができる。
[12] ノズルプレート接合工程
次に、酸化膜51を介して、インクを液滴として吐出するノズル孔321が複数設けられたノズルプレート320を基板10の他方の面側に接合する(図1参照)。
[13] 次に、リザーバ形成基板30上に駆動IC120を実装すると共に、コンプライアンス基板40を接合する。さらに、駆動IC120と下電極膜60およびリード電極90の接続部60a,90aとの間を、ワイヤボンディングすることにより接続配線130を形成する。
以上のような工程を経て、ヘッド1が製造される(図1参照)。
なお、このようなヘッド1は、上述したような製造方法により1つずつ形成されるものであってもよいし、ウェハ上に、同時に多数形成した後、分割することにより得られるものであってもよい。
また、本実施形態では、第3の貫通孔113を形成した後に連通部13を形成する場合
について説明したが、このような場合に限定されず、例えば、連通部13を形成した後に第3の貫通孔113を形成するようにしてもよい。すなわち、連通部13を形成する際に弾性膜(薄膜)50を残存させるようにしてもよい。
このような場合に、本発明の基板の製造方法を適用すると、空間37中には樹脂400が充填されていることから、弾性膜50に冷却媒体ガスが直接吹き付けられるのを防止して、構造体36から露出する弾性膜50の損傷を防止または抑制し得ることから、冷却媒体ガスにより弾性膜50が突き破られる(貫通する)のを確実に阻止することができる。
さらに、本実施形態では、構造体としては、圧電素子(駆動素子)を備える駆動素子構造体を含むものを一例に説明したが、このような場合に限定されず、例えば、構造体は、配線、端子、絶縁体または光学素子等であってもよい。
また、本発明の基板の製造方法は、本実施形態のようにインクジェット式記録ヘッド1が備える基板の製造に適用できる他、例えば、振動子、センサーおよびジャイロ等が備える基板の製造方法に適用することができる。
以上、本発明の基板の加工方法を、インクジェット式吐出ヘッドの製造方法を例に挙げて図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明の基板の製造方法は、ドライエッチング法により板状の母材をエッチングして基板を製造する際に適用することができる他、例えば、化学的気相成長法(CVD法)により板状の母材に成膜して基板を製造する際等に適用することができる。これにより、母材を均一に冷却することができることから、母材上に形成される膜が成長する速さが一定なものとなり、得られる膜を均一な厚さのものとすることができる。
また、本発明に係る基板の加工方法は、貼り合せた基板の一方を加工した後剥離するものに限定されず、貼り合せた状態で、電子機器の製造に用いられることもある。また、本発明に係る基板の加工方法を応用して製造される電子機器は、インクジェット式プリンタに限られない。
また、本発明の基板の製造方法および液滴吐出ヘッドの製造方法は、任意の目的の工程が1または2以上追加されていてもよい。
インクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図である。 インクジェット式記録ヘッドを示す平面図および断面図である。 インクジェットプリンタを示す概略図である。 本発明に係る基板の加工方法の一例を説明するための図である。 本発明に係る基板の加工方法の一例を説明するための図である。 本発明に係る基板の加工方法の一例を説明するための図である。 本発明に係る基板の加工方法の一例を説明するための図である。 本発明に係る基板の加工方法の一例を説明するための図である。
符号の説明
1……インクジェット式記録ヘッド 10……流路形成基板 11……側壁 12……インク室 13……連通部 14……インク供給路 320……ノズルプレート 321……ノズル孔 30……リザーバ形成基板 31……リザーバ部 32……圧電素子保持部 35……接着剤層 35a……接合部剤 36……構造体 37……空間 40……コンプライアンス基板 41……封止膜 42……固定板 43……開口部 50……弾性膜 51……酸化膜 52……二酸化シリコン膜 55……絶縁体膜 56……レジスト層 60……下電極膜 60a、90a……接続部 70……圧電体層 70'……第1の金属層 80……上電極膜 80'……第2の金属層 90……リード電極 91……密着層 92……金属層 100……リザーバ 110……貫通部 111……第1の貫通孔 112……第2の貫通孔 113……第3の貫通孔 120……駆動IC 130……接続配線 300……圧電素子 2……インクジェットプリンタ 22……装置本体 221……トレイ 222……排紙口 23……ヘッドユニット 231……インクカートリッジ 232……キャリッジ 24……印刷装置 241……キャリッジモータ 242……往復動機構 243……キャリッジガイド軸 244……タイミングベルト 25……給紙装置 251……給紙モータ 252……給紙ローラ 252a……従動ローラ 252b……駆動ローラ 26……制御部 27……操作パネル P……記録用紙 400……接着剤 420……保護基板

Claims (10)

  1. 一方の面側に複数の構造体が設けられた基板の他方の面側を加工する方法であって、
    前記基板の一方の面側に接着剤を塗布する第1工程と、
    前記接着剤に陽圧及び負圧を順に付与する第2工程と、
    前記接着剤上に保護基板を配置する第3工程と、
    前記基板の他方の面側を加工する第4工程と、
    前記基板から前記保護基板を剥離する第5工程と、を含む基板の加工方法。
  2. 前記第2工程において、前記接着剤に陽圧を付与した後に負圧を付与することを特徴とする、請求項1に記載の基板の加工方法。
  3. 前記第2工程において、前記接着剤に陽圧及び負圧を交互にそれぞれ2回以上付与することを特徴とする、請求項1または2に記載の基板の加工方法。
  4. 前記第2工程における陽圧の付与は、密閉容器の中に水蒸気、前記接着剤の溶媒の蒸気、及び/又は不活性ガスを加えることによって行うことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の基板の加工方法。
  5. 前記第2工程における負圧の付与の際、雰囲気中に水蒸気または接着剤の溶媒の蒸気を加えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の基板の加工方法。
  6. 前記第2工程の後、前記第3工程に先立って、前記接着剤に超音波を照射することを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の基板の加工方法。
  7. 前記第1工程の後、前記第2工程及び接着剤への超音波の照射を該接着剤が必要な厚さになるまで繰り返し行い、その後で第3工程を行うことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の基板の加工方法。
  8. 前記第1工程に先立って、前記接着剤を脱気処理することを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の基板の加工方法。
  9. 前記接着剤が感光性成分を含むことを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の基板の加工方法。
  10. 請求項1から9に記載の基板の加工方法によって加工された基板を備える電子機器。

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