JP2007033676A - 偏光変換光学素子、光変調モジュール及び投射型画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明では、2つの直交する偏光成分を分離する偏光分離手段1と、偏光状態を変化させる偏光変化手段2と、を少なくとも有し、入射光の偏光状態によらず射出光の偏光状態を一方向に揃えることが可能な偏光変換光学系において、前記偏光分離手段1と前記偏光変化手段2のうちの少なくとも一方は、使用する波長よりも短いピッチの微細凹凸構造を有することを特徴としており、偏光分離手段1と偏光変化手段2の少なくともどちらか一方は波長以下の微細凹凸構造を用いて実現しているため、ナノインプリンティングやフォトリソグラフィー等の手段により安価に大量に作製できるだけでなく、経時での性能の安定性を向上させることができる。
【選択図】図1
Description
本発明の第1の手段は、2つの直交する偏光成分を分離する偏光分離手段と、偏光状態を変化させる偏光変化手段と、を少なくとも有し、入射光の偏光状態によらず射出光の偏光状態を一方向に揃えることが可能な偏光変換光学系において、前記偏光分離手段と前記偏光変化手段のうちの少なくとも一方は、使用する波長よりも短いピッチの微細凹凸構造を有することを特徴とする(請求項1)。
また、本発明の第3の手段は、第1の手段の偏光変換光学系において、反射手段と位相変化手段を有し、前記偏光分離手段は、2つの直交する直線偏光のうち、一方の直線偏光成分を反射し、他方の直線偏光成分を透過するように構成し、該透過された直線偏光成分を前記反射手段にて反射させるとともに、前記位相変化手段を通過させることを特徴とする(請求項3)。
また、本発明の第5の手段は、第1乃至第4のいずれか一つの手段の偏光変換光学系において、前記偏光分離手段と前記偏光変化手段は、単一の光学素子上に集積されていることを特徴とする(請求項5)。
さらに本発明の第6の手段は、第1乃至第5のいずれか一つの手段の偏光変換光学系において、単一の光学素子の同一の面を複数の領域に分割し、前記分割された領域のそれぞれに、前記偏光分離手段と前記偏光変化手段を形成することを特徴とする(請求項6)。
また、本発明の第8の手段は、第2乃至第7のいずれか一つの手段の偏光変換光学系において、前記反射手段と前記偏光分離手段と前記偏光変化手段は、単一の光学素子上に集積化されていることを特徴とする(請求項8)。
また、本発明の第11の手段は、第9または第10の手段の偏光変換光学系において、前記偏光変化手段と前記光路偏向手段は、単一の光学素子上に集積されていることを特徴とする(請求項11)。
また、本発明の第13の手段は、第12の手段の光変調モジュールにおいて、前記光源は発光ダイオード(LED)であることを特徴とする(請求項13)。
さらに本発明の第14の手段は、第12または第13の手段の光変調モジュールにおいて、前記光源はLEDアレイとし、前記LEDアレイの1つのLEDに対応して、第1乃至第11のいずれか一つの手段の偏光変換光学系を設けることを特徴とする(請求項14)。
また、本発明の第5、第6の手段の偏光変換光学系においては、偏光分離手段と偏光変化手段を集積化していることから、経時での相対的な位置変動の低減による高安定化とアライメント工程の省略や部品点数削減等による低コスト化を実現することができる。
また、本発明の第8の手段の偏光変換光学系においては、反射手段と偏光変化手段と偏光分離機能を集積化していることから、経時での相対的な位置変動の低減による高安定化とアライメント工程の省略や部品点数削減等による低コスト化を実現することができる。
また、本発明の第11の手段の偏光変換光学系においては、偏光変化手段と偏光分離手段を集積化していることから、経時での相対的な位置変動の低減による高安定化とアライメント工程の省略や部品点数削減等による低コスト化を実現することができる。
また、本発明の第13、第14の手段の光変調モジュールにおいては、光源としてLEDを用いることにより、低消費電力である光変調モジュールを実現することができる。
本発明の第1の実施例として、偏光変換光学系の一実施例を図1に示す。図1(a)の偏光変換光学系は、偏光分離手段1と、偏光変化手段2と、反射手段3により構成されており、具体的には、偏光分離手段1は反射型の偏光ビームスプリッタ、偏光変化手段2は位相差板、反射手段3はミラーで構成されている。図1(a)において、本実施例の偏光変換光学系では、偏光分離手段(偏光ビームスプリッタ)1と位相変化手段(位相差板)2と反射手段(ミラー)3を略平行に配置しており、入射光を偏光分離手段(偏光ビームスプリッタ)1に対して斜めから入射させている。
本発明の第2の実施例として、偏光変換光学系の別の実施例を図4に示す。図4(a)では、ランダム偏光である入射光は、まず偏光分離手段である反射型の偏光ビームスプリッタ1により一方の直線偏光成分の光は透過し、もう一方の直線偏光の成分は反射させる。図4(a)では、S偏光の光は反射し、P偏光の光は透過させる偏光ビームスプリッタを用いているが、P偏光の光を反射し、S偏光の光を透過させる偏光ビームスプリッタを用いても良い。偏光ビームスプリッタ1を透過した光は、ミラー3により反射され再度偏光ビームスプリッタ1を通った後、位相差板2を通過して偏光状態が変化させられる。このとき、位相差板2をλ/2板として設計しておけば、ランダム偏光の光の偏光方向を一方向に揃えることができる「偏光変換光学系」が得られる。
以上の第1の実施例または第2の実施例において、偏光ビームスプリッタ等の偏光分離手段1と、位相差板等の偏光変化手段2は、平行になるように構成するのが良い(第4の手段)。そうすることで、偏光変換光学系の小型化を実現することができる。
本発明の第4の実施例として、図6に、偏光変換光学系の偏光分離手段(偏光ビームスプリッタ)と偏光変化手段(位相差板)を、単一の光学素子上に集積化して形成する別の実施例を示す。
図6(a),(b)では、単一の光学素子33(または34)の基板30の同一の面を複数の領域に分割し、前記分割された領域のそれぞれに、前記偏光分離手段(偏光ビームスプリッタ)31と偏光変化手段(位相差板)32を形成している。ここで、図6(a)は、直線偏光の方向が揃った光が、偏光変換光学系を透過した方向に得られるものであり、動作原理は、図1と同様である。図6(b)は、直線偏光の方向が揃った光が、偏光変換光学系を反射した方向に得られるものであり、図4と同様の動作原理である。図6(a),(b)ともに、単一の基板30の一方の面に、偏光ビームスプリッタ31として機能する波長以下の微細凹凸構造と、位相差板32として機能する波長以下の微細凹凸構造を、領域を分割して形成している。
本発明の第5の実施例として、図7に、偏光変換光学系のミラーと波長以下の微細凹凸構造を用いた位相差板を集積化した光学素子の例を示す。同一の基板にミラーと位相差板を集積化することにより、経時での相対的な位置変動等による性能劣化がなく、経時での安定性を更に向上させることができるだけでなく、集積して形成することにより、アライメント工程等の省略や部品点数削減等による低コスト化を実現することができる。
さらに、この光学素子を用いた偏光変換光学系では、微細凹凸構造の位相差板を2度通過することになるので、微細凹凸構造のアスペクト比を低減することができ、作製が容易になり、低コスト化を実現することができる。
また、図7(b−1)は、基板51上に形成した微細凹凸構造の上に金属を形成し、ミラー53として作用させた光学素子50の例であり、図7(b−2)は、この光学素子50を用いた偏光変換光学系の構成例を示している。この偏光変換光学系の動作原理は図1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
また、上記の例では、反射手段としてミラーを用いた例を示したが、反射手段として全反射を利用しても良い。
本発明の第6の実施例として、図8(a),(b)に、偏光ビームスプリッタ61と位相差板62とミラー63を同一の光学素子64,65上に集積化した例を示す。このように、使用する全ての光学部品を単一の光学素子上に集積化することで、経時での相対的な位置変動等による性能劣化を大幅に低減でき、経時での安定性を更に向上させることができるだけでなく、集積して形成することにより、アライメント工程等の省略や部品点数削減等による低コスト化を実現することができる。
また、図8(b)は、図6(b)と同様に同一の基板(またはスペーサ等)60に偏光ビームスプリッタ61と位相差板62を形成した構成の光学素子65に更にミラー63を集積化した図である。この光学素子65を用いた偏光変換光学系の動作原理は図4と同様であるので、ここでは説明を省略する。
本発明の第7の実施例として、図9に、偏光変換光学系の別の実施例を示す。まず、偏光変換光学系の動作原理について図9(a)を用いて説明する。図示しない光源からのランダム偏光の光は、偏光分離手段71により2つの直交する直線偏光成分の進行方向を分離し(図では、P偏光はそのまま真っ直ぐ進み、S偏光は光路が折り曲げられて進むように図示している)、分離された直線偏光成分のうち、折り曲げられた偏光成分は光路偏向手段73により折り曲げられて進む。つまり、図9(a)における偏光分離手段71は透過型の偏光ビームスプリッタである。一方、偏光分離手段71を真っ直ぐ透過した直線偏光成分は位相差板(λ/2板)72を透過することにより、偏光方向が90°回転させられる。このとき、位相差板72を透過した直線偏光成分と、光路偏向手段73により折り曲げられた直線偏光成分の進行方向は、略平行になるようにするのが良い。
なお、波長以下の微細凹凸構造を用いて構成した光路偏向素子73については、図9(b)と同様の構成にすることで実現できる。
本発明の第8の実施例として、図10に本発明の偏光変換光学系を用いて構成した光変調モジュールの実施例を示す。図10(a)は、光源として高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどの放電ランプ81を用いて、本発明の偏光変換光学系85により偏光方向を単一の方向の直線偏光に変換した例であり、図10(b)は、光源として発光ダイオード(LED)91を用いて、LED91からの光を偏光変換光学系93に入射させて偏光方向を単一の方向の直線偏光に変換した例であり、図10(c)は、光源として、複数のLED91を配列したLEDアレイ98を用いて、各LED91に対して1つの偏光変換光学系93を設けた例である。
図10(b)において、LED91からの光をレンズ92により収束光束に変換しているのは、LED91からの光束が偏光変換光学系93に入射したときに、ミラー3等により遮光されずに確実に偏光ビームスプリッタ31に入射させるためであり、必ずしもレンズ92を用いる必要はなく、発光点近くに偏光変換光学系93を配置すれば、レンズを用いなくても、遮光等による光量ロスなく偏光変換が可能である。
図10(c)の光変調モジュールでは、複数のLED91に対して同様の構成にすることで、液晶パネル97上での照明光の強度を増大させることができる。
また、図14において用いられているλ/2板(位相差板)204は、高分子を用いて実現されることが多いが、高分子を用いた位相差板も、上記の偏光ビームスプリッタと同様、熱に弱いという欠点があるため、経時で性能が劣化してしまうという問題点がある。
本発明の第9の実施例として、図11〜13に、本発明の偏光変換光学系を用いた光変調モジュールと投影光学系で構成した投射型画像表示装置(例えば液晶プロジェクタ)の構成例を示す。
まず、図11を用いて構成、動作について説明する。この液晶プロジェクタは、実施例8で説明したような構成の光変調モジュールと、該光変調モジュールの強度分布を像面に投影する投影レンズ等からなる投影光学系とを有しており、光源101(ここではLEDアレイとする)から出たランダム偏光の光は、本発明の偏光変換光学系102によって単一の直線偏光に変換される。この際、レンズ等によってLEDの発散角を制御し、偏光変換光学系102での光量ロスがないようにしている。その後、レンズアレイ103により複数の光束に分割される。複数の光束は重畳レンズ104によって液晶パネル112R,112G,112B上で重畳される。各液晶パネル112R,112G,112Bの前にはフィールドレンズ(図示しない)を配置し、液晶パネルが略平行光で照明されるようにしている。
一方、図12はR,G,BそれぞれのLEDアレイ101R,101G,101B及び偏光変換光学系102R,102G,102Bと、1枚の液晶パネル112で構成し、R,G,Bを時分割で順次切り替え、それに同期させて液晶パネル112をスイッチングする、所謂「フィールドシーケンシャル方式」を用いて構成した液晶プロジェクタの例である。光源としてLEDを用いることのメリットの1つとして、LEDは高速にON/OFFを切り替えることができるため、フィールドシーケンシャル方式を用いることができ、液晶パネル112をR,G,Bで共通化することができ、小型化及び低コスト化を実現することができ。
2,12,22,32,42,52,62,72:偏光変化手段(位相差板)
3,43,53,63:ミラー
4,75:レンズ
73:光路偏向手段
81:放電ランプ
82:リフレクタ
83,84,94,103:レンズアレイ
85,93,102:偏光変換光学系
86,95,104:重畳レンズ
87,96:フィールドレンズ
88,97,112:液晶パネル
91:発光ダイオード(LED)
98:LEDアレイ
113:投影光学系(投影レンズ等)
Claims (15)
- 2つの直交する偏光成分を分離する偏光分離手段と、偏光状態を変化させる偏光変化手段と、を少なくとも有し、入射光の偏光状態によらず射出光の偏光状態を一方向に揃えることが可能な偏光変換光学系において、
前記偏光分離手段と前記偏光変化手段のうちの少なくとも一方は、使用する波長よりも短いピッチの微細凹凸構造を有することを特徴とする偏光変換光学系。 - 請求項1に記載の偏光変換光学系において、
反射手段と位相変化手段を有し、前記偏光分離手段は、2つの直交する直線偏光のうち、一方の直線偏光成分を反射し、他方の直線偏光成分を透過するように構成し、該反射された直線偏光成分を前記反射手段にて反射させるとともに、前記位相変化手段を通過させることを特徴とする偏光変換光学系。 - 請求項1に記載の偏光変換光学系において、
反射手段と位相変化手段を有し、前記偏光分離手段は、2つの直交する直線偏光のうち、一方の直線偏光成分を反射し、他方の直線偏光成分を透過するように構成し、該透過された直線偏光成分を前記反射手段にて反射させるとともに、前記位相変化手段を通過させることを特徴とする偏光変換光学系。 - 請求項1乃至3のいずれか一つに記載の偏光変換光学系において、
少なくとも前記偏光分離手段と前記偏光変化手段は、互いに平行になるように構成することを特徴とする偏光変換光学系。 - 請求項1乃至4のいずれか一つに記載の偏光変換光学系において、
前記偏光分離手段と前記偏光変化手段は、単一の光学素子上に集積されていることを特徴とする偏光変換光学系。 - 請求項1乃至5のいずれか一つに記載の偏光変換光学系において、
単一の光学素子の同一の面を複数の領域に分割し、前記分割された領域のそれぞれに、前記偏光分離手段と前記偏光変化手段を形成することを特徴とする偏光変換光学系。 - 請求項2乃至6のいずれか一つに記載の偏光変換光学系において、
前記反射手段と前記偏光変化手段は、単一の光学素子上に集積化されていることを特徴とする偏光変換光学系。 - 請求項2乃至7のいずれか一つに記載の偏光変換光学系において、
前記反射手段と前記偏光分離手段と前記偏光変化手段は、単一の光学素子上に集積化されていることを特徴とする偏光変換光学系。 - 請求項1に記載の偏光変換光学系において、
前記偏光分離手段は、2つの直交する直線偏光のうち、一方の直線偏光成分を屈曲させて透過し、他方の直線偏光成分をそのまま透過するように、2つの直交する直線偏光の進行方向を分離するように構成し、前記分離した直線偏光の一方の成分は、偏光変化手段を透過させて偏光方向を90°回転させ、前記分離した直線偏光の他方の成分は、光路偏向手段によりもう一度屈曲させるとともに、前記偏光変化手段を透過した直線偏光成分と前記光路偏向手段を透過した直線偏光成分の進行方向を、略平行になるように構成することを特徴とする偏光変換光学系。 - 請求項9に記載の偏光変換光学系において、
前記光路偏向手段は、使用する波長よりも短いピッチの微細凹凸構造を有することを特徴とする偏光変換光学系。 - 請求項9または10に記載の偏光変換光学系において、
前記偏光変化手段と前記光路偏向手段は、単一の光学素子上に集積されていることを特徴とする偏光変換光学系。 - 光源と、請求項1乃至11のいずれか一つに記載の偏光変換光学系と、前記光源の強度分布を変調する光変調手段と、を有することを特徴とする光変調モジュール。
- 請求項12に記載の光変調モジュールにおいて、
前記光源は発光ダイオード(LED)であることを特徴とする光変調モジュール。 - 請求項12または13に記載の光変調モジュールにおいて、
前記光源はLEDアレイとし、前記LEDアレイの1つのLEDに対応して、請求項1乃至11のいずれか一つに記載の偏光変換光学系を設けることを特徴とする光変調モジュール。 - 請求項12乃至14のいずれか一つに記載の光変調モジュールと、該光変調モジュールの強度分布を像面に投影する投影レンズと、を有することを特徴とする投射型画像表示装置。
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