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JP2007030780A - 車両の前部構造 - Google Patents

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JP2007030780A JP2005219747A JP2005219747A JP2007030780A JP 2007030780 A JP2007030780 A JP 2007030780A JP 2005219747 A JP2005219747 A JP 2005219747A JP 2005219747 A JP2005219747 A JP 2005219747A JP 2007030780 A JP2007030780 A JP 2007030780A
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Abstract

【課題】 フロントピラーの上部接合部及び下部接合部に応力集中を発生させず、フロントピラーを細くしても、フロントピラーの上部及び下部の接合強度を向上する。
【解決手段】 フロントピラー14の上部をルーフヘッダ部材16の側端部とルーフサイド部材17の前端部にアッパ接合パネル18を介して接合する。フロントピラーをウインドシールドガラスの側縁とサイドドアの前縁との間に設けかつピラーインナパネル19及びピラーアウタパネル21の接合にて筒状に形成し、ルーフヘッダ部材をウインドシールドガラスの上縁に沿って設けかつヘッダインナパネル22及びルーフパネル23の接合にて略筒状に形成する。またルーフサイド部材をサイドドアの上縁に沿って設けかつサイドインナパネル24及びルーフ構成部材23の接合にて筒状に形成する。更にアッパ接合パネルをピラーインナパネルより車室内側に設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トラック、乗用車、バス等のフロントピラーの上部をルーフヘッダ部材及びルーフサイド部材に接合する構造と、フロントピラーのピラーインナパネルの下部をカウルインナパネルに接合する構造に関するものである。
本出願人は、ウインドシールドガラス側縁とサイドガラス前縁との間にフロントコーナ部材のフロントピラーが設けられ、このフロントピラーがピラーインナパネルとピラーアウタパネルを接合することにより筒状に形成された車両用前部構造を特許出願した(例えば、特許文献1参照)。この車両用前部構造では、図12に示すように、ピラーアウタパネル121の上端にルーフパネル123が一体的に形成され、ピラーアウタパネル121の下端にカウルアウタパネル133が一体的に形成される。またピラーインナパネル119の上端にはサイドインナパネル124が接合され、ピラーインナパネル119の下端にはカウルインナパネル131が接合される。一方、ピラーアウタパネル121の前縁に設けられたアウタ前側フランジ121aはピラーインナパネル119の前縁に設けられたインナ前側フランジ119aに接合され、ルーフパネル123の前縁に設けられたルーフ前側フランジ123cはヘッダインナパネル122の前縁に設けられたヘッダ前側フランジ122bに接合される。またカウルアウタパネル133の上縁に設けられたカウル外側フランジ133aはカウルインナパネル131の上縁に設けられたカウル内側フランジ131aに接合される。
一方、図13及び図14に示すように、フロントピラー214のピラーインナパネル219の上部と、ルーフヘッダ部材216のヘッダインナパネル222の側端部と、ルーフサイド部材217のサイドインナパネルの前端部とが、アッパ接合パネル218により接合されたフロントピラーの上部接合構造が知られている。この上部接合構造では、ピラーインナパネル219の上部がルーフサイド部材217のサイドインナパネル224の前端に接合される。また上記アッパ接合パネル218により、ピラーインナパネル219の上部とサイドインナパネル224の前端部とルーフヘッダ部材216のヘッダインナパネル222の側端部とが接合される。このときアッパ接合パネル218はピラーインナパネル219より車室外側に設けられる。
また、図15及び図16に示すように、フロントピラー214の下部とカウルインナパネル231の側端部とがロア接合パネル232により接合されたフロントピラー214の下部接合構造が知られている。この下部接合構造では、ピラーインナパネル219が、車室内側に設けられたピラーインナ本体219aと、ピラーインナ本体219aの前縁に連設されたインナ前側フランジ219bとを有する。このインナ前側フランジ219bはウインドシールドガラスの内面に沿いかつこのガラスの幅方向中央に向って延びて設けられる。
特願2004−286981号(請求項2、段落[0019]、図2、図3)
しかし、上記従来の特許文献1に示された車両用前部構造では、図12に示すように、サイドインナパネル124のサイド端部フランジ124aにアッパ切欠き部124bが形成され、カウルインナパネル131のカウル内側フランジ131aにロア切欠き部131bが形成されるため、これらの切欠き部124b,131bに応力集中が発生するおそれがあった。
また、上記従来のフロントピラーの上部接合構造では、図13及び図14に示すように、アッパ接合パネル218がピラーインナパネル219より車室外側に設けられているため、上記のようなアッパ切欠き部124b(図12)を設けなければ、ピラーインナパネル219のインナ前側フランジ219bの上端がアッパ接合パネル218に干渉してしまい、インナ前側フランジ219bの上部をサイドインナパネル224の前端部まで延ばすことができない。このため、運転席に着席した運転者からのフロントピラー214の向こう側の視認性を向上するためにフロントピラー214を細くすると、フロントピラ214ー上部の接合強度が低下する問題点があった。
更に、上記従来のフロントピラーの下部接合構造では、上記のようなロア切欠き部131bを要する他、運転席に着席した運転者からのフロントピラー214の向こう側の視認性を向上するためにフロントピラー214を細くすると、フロントピラー214下部の接合強度が低下する問題点もあった。
本発明の目的は、フロントピラーの上部接合部及び下部接合部に応力集中を発生させず、フロントピラーを細くしても、フロントピラーの上部及び下部の接合強度を向上できる、車両の前部構造を提供することにある。
請求項1に係る発明は、図1〜図3に示すように、フロントピラー14の上部がルーフヘッダ部材16の側端部とルーフサイド部材17の前端部とにアッパ接合パネル18を介して接合された車両の前部構造の改良である。
その特徴ある構成は、フロントピラー14がウインドシールドガラス12の側縁とサイドドア13の前縁との間に設けられかつピラーインナパネル19及びピラーアウタパネル21の接合により筒状に形成され、ルーフヘッダ部材16がウインドシールドガラス12の上縁に沿って設けられかつヘッダインナパネル22及びルーフパネル23の接合により筒状又は略筒状に形成され、ルーフサイド部材17がサイドドア13の上縁に沿って設けられかつサイドインナパネル24及びルーフ構成部材23の接合により筒所又は略筒状に形成され、アッパ接合パネル18がピラーインナパネル19より車室内側に設けられたところにある。
この請求項1に記載された車両の前部構造では、アッパ接合パネル18をピラーインナパネル19より車室内側に設けたので、ピラーインナパネル19、アッパ接合パネル18、サイドインナパネル24又はヘッダインナパネル22に切欠き部を形成することなく、ピラーインナパネル19の上部を上方に突設できる。これによりフロントピラー14の上部接合部に応力集中を発生させることなく、ピラーインナパネル19の上部とアッパ接合パネル18とを接合することができ、ピラーインナパネル19の上部とサイドインナパネル24の前端部とを接合することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、更に図1〜図3に示すように、ピラーインナパネル19が、車両10の運転席に着席した運転者の視線方向に沿って設けられたピラーインナ本体19aを有し、ピラーインナ本体19aの上部がヘッダインナパネル22の側端部を延長した面内まで突設され、ピラーインナ本体19aの上部がアッパ接合パネル18に接合されたことを特徴とする。
この請求項2に記載された車両の前部構造では、ピラーインナ本体19aの上部をヘッダインナパネル22の側端部を延長した面内まで突設し、ピラーインナ本体19aの上部をアッパ接合パネル18に接合したので、ピラーインナ本体19aの上部とアッパ接合パネル18との接合強度を向上できるとともに、筒状のフロントピラー14と筒状又は略筒状のルーフヘッダ部材16との接合強度を高めることができる。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明であって、更に図1〜図3に示すように、ピラーインナ本体19aの上端部がサイドインナパネル24の前端部に重なるように突設され、ピラーインナ本体19aの上端部がサイドインナパネル24の前端部に接合されたことを特徴とする。
この請求項3に記載された車両の前部構造では、ピラーインナ本体19aの上端部をサイドインナパネル24の前端部に重なるように突設し、ピラーインナ本体19aの上端部をサイドインナパネル24の前端部に接合したので、ピラーインナ本体19aの上端部とサイドインナパネル24の前端部との接合強度を向上でき、これにより筒状のフロントピラー14と筒状又は略筒状のルーフサイド部材17との接合強度を高めることができる。
請求項4に係る発明は、請求項2に係る発明であって、更に図1〜図3に示すように、ピラーインナパネル19が、ピラーインナ本体19aの前縁に連設されウインドシールドガラス12の内面に沿いかつこのガラス12の側縁に向って延びるインナ前側フランジ19bを更に有し、インナ前側フランジ19bの上部がヘッダインナパネル22の側端部を延長した面内まで突設されたことを特徴とする。
この請求項4に記載された車両の前部構造では、インナ前側フランジ19bの上部をヘッダインナパネル22の側端部を延長した面内まで突設したので、このインナ前側フランジ19bの上部がピラーインナ本体19aの上部とともに剛性の高い略逆L字状に構成され、これによりフロンロピラー14とルーフヘッダ部材16との接合強度を更に高めることができる。
請求項5に係る発明は、図1及び図4〜図6に示すように、フロントピラー14のピラーインナパネル19の下部がカウルインナパネル31の側端部にロア接合パネル32を介して接合された車両の前部構造の改良である。
その特徴ある構成は、フロントピラー14がウインドシールドガラス12の側縁とサイドドア13の前縁との間に設けられかつピラーインナパネル19及びピラーアウタパネル21の接合により筒状に形成され、カウルインナパネル31がウインドシールドガラス12の下縁に沿って設けられ、ピラーインナパネル19が、車両10の運転席に着席した運転者の視線方向に沿って設けられたピラーインナ本体19aと、ピラーインナ本体19aの前縁に連設されウインドシールドガラス12の内面に沿いかつこのガラス12の側縁に向って延びるインナ前側フランジ19bとを有し、インナ前側フランジ19bの下部がロア接合パネル32の高さまで突設されたところにある。
この請求項5に記載された車両の前部構造では、ピラーインナ本体19aの前縁に連設されたインナ前側フランジ19bがピラーインナパネル19とカウルインナパネル31をを接合する強度部材であるロア接合パネル32の高さまで突設されているため、フロントピラー14下部の横断面の面積を増大することができ、これによりフロントピラー19下部の接合強度を高めることができる。
以上述べたように、本発明によれば、ピラーインナパネル及びピラーアウタパネルの接合によりフロントピラーを筒状に形成し、ヘッダインナパネル及びルーフパネルの接合によりルーフヘッダ部材を筒状又は略筒状に形成し、サイドインナパネル及びルーフ構成部材の接合によりルーフサイド部材を筒状又は略筒状に形成し、更にアッパ接合パネルをピラーインナパネルより車室内側に設けたので、ピラーインナパネル、アッパ接合パネル、サイドインナパネル又はヘッダインナパネルに切欠き部を形成することなく、ピラーインナパネルの上部を上方に突設できる。この結果、フロントピラーの上部接合部に応力集中を発生させずに、ピラーインナパネルの上部とアッパ接合パネルとを接合でき、ピラーインナパネルの上部とサイドインナパネルの前端部とを接合できるので、フロントピラーを細くしても、フロントピラーの上部の接合強度を向上できる。
また運転者の視線方向に沿って設けられたピラーインナ本体の上部をヘッダインナパネルの側端部の延長面内、即ち略筒状に形成されたルーフヘッダ部材内まで突設し、ピラーインナ本体の上部をアッパ接合パネルに接合すれば、フロントピラー上部のアッパ接合パネルとの接合強度を向上できるとともに、筒状のフロントピラーと筒状又は略筒状のルーフヘッダ部材との接合強度を高めることができる。
またピラーインナ本体の上端部をサイドインナパネルの前端部に重なるように突設し、ピラーインナ本体の上端部をサイドインナパネルの前端部に接合すれば、フロントピラー上部とサイドインナパネル前端部との接合強度を向上できるので、筒状のフロントピラーと筒状又は略筒状のルーフサイド部材との接合強度を高めることができる。
またピラーインナ本体の前縁に連設されウインドシールドガラスの内面に沿いかつガラスの側縁に向って延びるインナ前側フランジの上部をヘッダインナパネルの側端部の延長面内まで突設すれば、このインナ前側フランジの上部がピラーインナ本体の上部とともに剛性の高い略逆L字状に構成されるので、フロントピラーを細くしても、フロントピラーの上部の接合強度を向上できる。
更にフロントピラーをピラーインナパネル及びピラーアウタパネルの接合により筒状に形成し、カウルインナパネルをウインドシールドガラスの下縁に沿って設け、運転者の視線方向に沿って設けられたピラーインナ本体の前縁に連設されウインドシールドガラスの内面に沿いかつガラスの側縁に向って延びるインナ前側フランジの下部をロア接合パネルの高さまで突設すれば、剛性の高いインナ前側フランジがカウルインナパネルとピラーインナパネルを接合する強度部材であるロア接合パネルの高さまで突設されることにより、フロントピラー下部の横断面の面積を増大することができるため、フロントピラー下部の接合強度を高めることができる。この結果、フロントピラーを細くしても、フロントピラーの下部の接合強度を向上できる。
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施の形態>
図6〜図8に示すように、トラック10のキャブ11の右側には運転者の着席する運転席が設けられ、キャブ11の前面のフロント開口部11aは透明のウインドシールドガラス12により閉止される。またキャブ11の運転席側の側面には運転者が乗降するためのサイド開口部11bが設けられ、このサイド開口部11bはサイドドア13により開放可能に閉止される(図6及び図8)。ウインドシールドガラス12の右側縁とサイドドア13の前縁との間には、フロントピラー14が略鉛直方向に延びて設けられる(図1、図6及び図8)。フロントピラー14の上部はルーフヘッダ部材16の側端部とルーフサイド部材17の前端部とにアッパ接合パネル18を介してスポット溶接により接合される(図1及び図2)。
フロントピラー14はピラーインナパネル19とピラーアウタパネル21との接合により筒状に形成される(図6及び図8)。具体的には、ピラーインナパネル19は、トラック10の運転席に着席した運転者の視線方向に沿って設けられたピラーインナ本体19aと、ピラーインナ本体19aの前縁にこのピラーインナ本体19aと一体的に形成されたインナ前側フランジ19bと、ピラーインナ本体19aの後縁にこのピラーインナ本体19aと一体的に形成されたインナ後側フランジ19cとを有する(図1及び図6)。インナ前側フランジ19bは、ウインドシールドガラス12の内面から所定の隙間をあけたキャブ11内方であって、上記ウインドシールドガラス12の内面に略平行にかつウインドシールドガラス12の側縁に向って延びて設けられる、即ちサイドドア13に近付く方向に延びて設けられる(図1、図6及び図8)。またピラーアウタパネル21は、サイドドア13の前面に略対向して設けられたピラーアウタ本体21aと、ピラーアウタ本体21aの前縁にこのピラーアウタ本体21aと一体的に形成されたアウタ前側フランジ21bと、ピラーアウタ本体21aの後縁にこのピラーアウタ本体21aと一体的に形成されたアウタ後側フランジ21cとを有する(図1及び図6)。アウタ前側フランジ21bは、ウインドシールドガラス12の内面から所定の隙間をあけたキャブ11内方であって、上記ウインドシールドガラス12の内面に略平行にかつウインドシールドガラス12の側縁とは反対方向に延びて設けられる、即ちサイドドア13から離れる方向に延びて設けられる(図1、図6及び図8)。上記インナ前側フランジ19bとアウタ前側フランジ21bを接合するとともに、上記インナ後側フランジ19cとアウタ後側フランジ21cを接合することにより、フロントピラー14は筒状に形成される。なお、ピラーアウタパネル21のアウタ前側フランジ21bの端縁には、ウインドシールドガラス12の内面に向って突出するピラー用折返し部21dが一体的に形成される(図1及び図6)。
一方、ルーフヘッダ部材16は、ウインドシールドガラス12の上縁に沿って設けられ、かつヘッダインナパネル22とルーフパネル23の前縁との接合により略筒状に形成される(図1〜図3)。具体的には、ヘッダインナパネル22は、略逆ハット状に形成され、車幅方向に延びるヘッダインナ本体22aと、ヘッダインナ本体22aの前縁に沿ってヘッダインナ本体22aと一体的に形成されたヘッダ前側フランジ22bと、ヘッダインナ本体22aの後縁に沿ってヘッダインナ本体22aと一体的に形成されたヘッダ後側フランジ22cとを有する。またルーフパネル23は、車幅方向の中央に設けられたセンタルーフ部23aと、センタルーフ部23aの両側縁にそれぞれ接合された一対のサイドルーフ部23bとを有する(図1)。センタルーフ部23aの前縁とサイドルーフ部23bの前縁には、上記ヘッダ前側フランジ22bに接合されるルーフ前側フランジ23cがそれぞれ一体的に形成される。ルーフヘッダ部材16は、ヘッダ前側フランジ22bとルーフ前側フランジ23cとを接合し、かつヘッダ後側フランジ22cとルーフパネル23の前部との間に所定の間隔をあけることにより、その横断面が略筒状(略逆C字状)に形成される(図2)。またルーフ前側フランジ23cの端縁には、ウインドシールドガラス12の内面に向って突出するルーフ用折返し部23dが一体的に形成される(図1)。
一方、ルーフサイド部材17は、サイドドア13の上縁に沿って設けられ、かつサイドインナパネル24とルーフパネル23のサイドルーフ部23bの側縁との接合により筒状に形成される(図1〜図3)。具体的には、サイドインナパネル24は、略逆ハット状に形成され、トラック10の進行方向に延びるサイドインナ本体24aと、サイドインナ本体24aの上縁に沿ってサイドインナ本体24aと一体的に形成されたサイド上側フランジ24bと、サイドインナ本体24aの下縁に沿ってサイドインナ本体24aと一体的に形成されたサイド下側フランジ24cとを有する。またサイドルーフ部23bのうちセンタルーフ部23aと反対側の側縁には、上記サイド下側フランジ24cに接合されるルーフ下側フランジ23eが一体的に形成され、サイドルーフ部23bのうちセンタルーフ部23a側の側部には、トラック10の進行方向に延びかつ上記サイド上側フランジ24bに接合される凹条23fが一体的に形成される。ルーフサイド部材17は、サイド下側フランジ24cとルーフ下側フランジ23eとを接合し、かつサイド上側フランジ24bとルーフパネル23の側部の凹条23fとを接合することにより、その横断面が筒状に形成される(図2及び図3)。またルーフパネル23のサイドルーフ部23bとピラーアウタパネル21とは一体的に形成される。なお、この実施の形態では、上記ルーフパネル23のサイドルーフ部23bの側縁がサイドインナパネル24に接合されるルーフ構成部材となる。
一方、ピラーインナ本体19aの上部はヘッダインナパネル22の側端部を延長した面内まで突設され、ピラーインナ本体19aの上端部はサイドインナパネル24の前端部に重なる位置まで突設される(図1及び図2)。またインナ前側フランジ19bの上部はヘッダインナパネル22の側端部を延長した面内まで突設され、インナ前側フランジ19bの上端部はサイドインナパネル24の前端部に重なる位置まで突設される。更にアッパ接合パネル18は略六角形状に形成され、ヘッダインナパネル22の側端部に重なるフロント接合部18aと、サイドインナパネル24の前端部及びピラーインナパネル19の上端部に重なるサイド接合部18bと、ピラーインナパネル19の上部に重なるロア接合部18cとを有する(図1及び図2)。上記構成により、アッパ接合パネル18がピラーインナパネル19より車室内側に設けられた状態で、ピラーインナパネル19の上部は、ヘッダインナパネル22の側端部とサイドインナパネル24の前端部とにアッパ接合パネル18を介して接合される。具体的には、ヘッダインナパネル22の側端部がアッパ接合パネル18のフロント接合部18aに接合され、サイドインナパネル24の前端部及びピラーインナパネル19の上端部がアッパ接合パネル18のサイド接合部18bに接合され、更にピラーインナパネル19の上部がアッパ接合パネル18のロア接合部18cに接合される。
図1、図4及び図5に示すように、フロントピラー14の下部はカウルインナパネル31の側端部にロア接合パネル32を介して接合される。具体的には、約90度に屈曲したロア接合パネル32を介して、ピラーインナパネル19の下部がカウルインナパネル31の側端部に接合される。上記カウルインナパネル31はウインドシールドガラス12の下縁に沿って設けられ、カウルインナパネル31の上縁にはウインドシールドガラス12の下縁に平行なカウル内側フランジ31aが一体的に形成される(図1、図4及び図7)。カウルインナパネル31の前面にはカウルアウタパネル33が接合される(図1及び図7)。このカウルアウタパネル33はウインドシールドガラス12の下縁に沿って設けられ、カウルアウタパネル33の上縁には上記カウル内側フランジ31aに接合されるカウル外側フランジ33aが一体的に形成される(図1、図4及び図7)。またカウルアウタパネル33は、車幅方向の中央に位置するセンタカウル部33bと、このセンタカウル部33bの両側縁に接合された一対のサイドカウル部33cとを有する。この実施の形態では、インナ前側フランジ19bの下部がロア接合パネル32の高さまで、好ましくはロア接合パネル32の高さ方向の中央まで或いは高さ方向の全域にわたって突設される(図4)。またフロントピラー14の下部には、リインフォースメント34がフロントピラー14に収容された状態で設けられる場合がある(図4及び図5)。上記インナ前側フランジ19bはアウタ前側フランジ21bとレーザ溶接40、スポット溶接又はアーク溶接等により接合される(図4)。なお、カウル外側フランジ33aの上縁にはウインドシールドガラス12の内面に向って突出するカウル用折返し部33dが一体的に形成される(図1及び図7)。また、図6の符号35はピラーガーニッシュであり、図7の符号36及び符号37はルーフトリム及びインストルメントパネルである。更に、図6及び図7の符号38及び符号39はガラス用接着剤及びモールである。
このように構成されたトラック10の前部構造では、ピラーインナパネル19、アッパ接合パネル18、サイドインナパネル24又はヘッダインナパネル22に切欠き部を形成することなく、ピラーインナパネル19の上部を上方に突設したので、フロントピラー14の上部の接合部に応力集中を発生させずに、ピラーインナパネル19の上部とアッパ接合パネル18とを接合でき、ピラーインナパネル19の上端部とサイドインナパネル24の前端部とを接合できる(図1及び図2)。この結果、フロントピラー14の幅M(図6)を細くしても、フロントピラー14の上部の接合強度を向上できる。具体的には、ピラーインナ本体19aの上部をヘッダインナパネル22の側端部の延長面内まで突設し、ピラーインナ本体19aの上部をアッパ接合パネル18のロア接合部18cに接合したので、フロントピラー14の上部とアッパ接合パネル18との接合強度を向上できるとともに、筒状のフロントピラー14と略筒状のルーフヘッダ部材16との接合強度を高めることができる。またピラーインナ本体19aの上端部をサイドインナパネル24の前端部に重なるように突設し、ピラーインナ本体19aの上端部をサイドインナパネル24の前端部に接合したので、フロントピラー14の上部とサイドインナパネル24の前端部との接合強度を向上でき、これにより筒状のフロントピラー14と筒状のルーフサイド部材17との接合強度を高めることができる。更にインナ前側フランジ19bの上部をヘッダインナパネル22の側端部を延長した面内まで突設し、インナ前側フランジ19bの上端部をサイドインナパネル24の前端部に重なる位置まで突設したので、インナ前側フランジ19bの上部がピラーインナ本体19aの上部とともに剛性の高い略逆L字状に構成される。この結果、フロントピラー14の幅M(図6)を細くしても、フロントピラー14の上部の接合強度を向上できる。
一方、カウルインナパネル31をウインドシールドガラス12の下縁に沿って設け、ウインドシールドガラス12の内面に沿いかつガラス12の側縁に向って延びるインナ前側フランジ19bの下部をロア接合パネル32の高さまで突設したので、剛性の高いインナ前側フランジ19bがカウルインナパネル31とピラーインナパネル19を接合する強度部材であるロア接合パネル32の高さまで突設されることにより、フロントピラー14下部の横断面の面積を増大することができるため、フロントピラー14下部の接合強度を高めることができる(図4及び図5)。この結果、フロントピラー14の幅M(図6)を細くしても、フロントピラー14の下部の接合強度を向上できる。この場合、インナ前側フランジ19bをロア接合パネル32の高さ方向の中央まで或いは高さ方向の全域にわたって設ければ、フロントピラー14下部の接合強度を更に高めることができる。
なお、上記実施の形態では、サイドインナパネルに接合されるルーフ構成部材としてルーフパネルのサイドルーフ部の側縁を挙げたが、図9に示すように、サイドインナパネル24に接合されるルーフ構成部材がサイドアウタパネル53であってもよい。この場合、サイドインナパネル24のサイド下側フランジ24cとサイドアウタパネル53のサイド下側フランジ53bとを接合し、サイドインナパネル24のサイド上側フランジ24bとサイドアウタパネル53のサイド上側フランジ53aとを、ルーフパネル23の側縁ととともに接合して、ルーフサイド部材17を筒状に形成する。
また、上記実施の形態では、サイドインナパネルとルーフパネルの側縁とを接合してルーフサイド部材を筒状に形成したが、図10に示すように、サイドインナパネル24のサイド下側フランジ24cとルーフパネル23のルーフ下側フランジ23eとを接合し、かつサイドインナパネル24のサイド上側フランジ24bとルーフパネル23との間に所定の間隔をあけることにより、ルーフサイド部材17の横断面を略筒状(略C字状)に形成してもよい。
更に、上記実施の形態では、ヘッダインナパネルとルーフパネルの前縁とを接合してルーフヘッダ部材を略筒状(略逆C字状)に形成したが、図11に示すように、ヘッダインナパネル22のヘッダ前側フランジ22bとルーフパネル23のルーフ前側フランジ23cとを接合し、かつヘッダインナパネル22のヘッダ後側フランジ22cとルーフパネル23の前部とを接合することにより、ルーフヘッダ部材16を筒状に形成してもよい。
本発明実施形態のトラックの前部構造を示す要部分解斜視図である。 図1のA矢視図である。 図2のB−B線断面図である。 図1のC部を車室内側から見た要部斜視図である。 図4のD−D線断面図である。 図8のE−E線断面図である。 図1のF−F線断面図である。 フロントコーナ部材を含むトラックの要部斜視図である。 本発明の別の実施の形態を示す図3に対応する断面図である。 本発明の更に別の実施の形態を示す図3に対応する断面図である。 本発明のまた更に別の実施の形態を示す図2に対応する図である。 従来例1を示す図1に対応する分解斜視図である。 従来例2を示す図2に対応する矢視図である。 図13のG−G線断面図である。 従来例3を示す図4に対応する要部斜視図である。 図15のH−H線断面図である。
符号の説明
10 トラック(車両)
12 ウインドシールドガラス
13 サイドドア
14 フロントピラー
16 ルーフヘッダ部材
17 ルーフサイド部材
18 アッパ接合パネル
19 ピラーインナパネル
19a ピラーインナ本体
19b インナ前側フランジ
21 ピラーアウタパネル
22 ヘッダインナパネル
23 ルーフパネル(ルーフ構成部材)
24 サイドインナパネル
53 サイドアウタパネル(ルーフ構成部材)

Claims (5)

  1. フロントピラー(14)の上部がルーフヘッダ部材(16)の側端部とルーフサイド部材(17)の前端部とにアッパ接合パネル(18)を介して接合された車両の前部構造において、
    前記フロントピラー(14)がウインドシールドガラス(12)の側縁とサイドドア(13)の前縁との間に設けられかつピラーインナパネル(19)及びピラーアウタパネル(21)の接合により筒状に形成され、
    前記ルーフヘッダ部材(16)が前記ウインドシールドガラス(12)の上縁に沿って設けられかつヘッダインナパネル(22)及びルーフパネル(23)の接合により筒状又は略筒状に形成され、
    前記ルーフサイド部材(17)が前記サイドドア(13)の上縁に沿って設けられかつサイドインナパネル(24)及びルーフ構成部材(23,53)の接合により筒状又は略筒状に形成され、
    前記アッパ接合パネル(18)が前記ピラーインナパネル(19)より車室内側に設けられた
    ことを特徴とする車両の前部構造。
  2. ピラーインナパネル(19)が、車両(10)の運転席に着席した運転者の視線方向に沿って設けられたピラーインナ本体(19a)を有し、
    前記ピラーインナ本体(19a)の上部がヘッダインナパネル(22)の側端部を延長した面内まで突設され、前記ピラーインナ本体(19a)の上部がアッパ接合パネル(18)に接合された請求項1記載の車両の前部構造。
  3. ピラーインナ本体(19a)の上端部がサイドインナパネル(24)の前端部に重なるように突設され、前記ピラーインナ本体(19a)の上端部が前記サイドインナパネル(24)の前端部に接合された請求項2記載の車両の前部構造。
  4. ピラーインナパネル(19)が、ピラーインナ本体(19a)の前縁に連設されウインドシールドガラス(12)の内面に沿いかつ前記ガラス(12)の側縁に向って延びるインナ前側フランジ(19b)を更に有し、
    前記インナ前側フランジ(19b)の上部がヘッダインナパネル(22)の側端部を延長した面内まで突設された請求項2記載の車両の前部構造。
  5. フロントピラー(14)のピラーインナパネル(19)の下部がカウルインナパネル(31)の側端部にロア接合パネル(32)を介して接合された車両の前部構造において、
    前記フロントピラー(14)がウインドシールドガラス(12)の側縁とサイドドア(13)の前縁との間に設けられかつ前記ピラーインナパネル(19)及びピラーアウタパネル(21)の接合により筒状に形成され、
    前記カウルインナパネル(31)が前記ウインドシールドガラス(12)の下縁に沿って設けられ、
    前記ピラーインナパネル(19)が、前記車両(10)の運転席に着席した運転者の視線方向に沿って設けられたピラーインナ本体(19a)と、ピラーインナ本体(19a)の前縁に連設されウインドシールドガラス(12)の内面に沿いかつ前記ガラス(12)の側縁に向って延びるインナ前側フランジ(19b)とを有し、
    前記インナ前側フランジ(19b)の下部が前記ロア接合パネル(32)の高さまで突設された
    ことを特徴とする車両の前部構造。
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